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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023010365
(43)【公開日】2023-01-20
(54)【発明の名称】エレベーターの制御装置
(51)【国際特許分類】
   B66B 3/00 20060101AFI20230113BHJP
【FI】
B66B3/00 S
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021114454
(22)【出願日】2021-07-09
(71)【出願人】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小倉 厚
【テーマコード(参考)】
3F303
【Fターム(参考)】
3F303BA01
3F303FA03
(57)【要約】
【課題】簡易な方法でエレベーターの改修を行うことができるエレベーターの制御装置を提供する。
【解決手段】エレベーターの制御装置は、エレベーターの仕様変更の段階ごとにソフトウェアプログラムにより参照されるデータが記憶された設定データ記憶部と、前記エレベーターの仕様変更の段階に対応した複数のデータが記憶された転送データ記憶部と、前記転送データ記憶部に記憶されたデータを前記設定データ記憶部に転送し、前記設定データ記憶部に上書きさせる指示部と、を備えた。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベーターの仕様変更の段階ごとにソフトウェアプログラムにより参照されるデータが記憶された設定データ記憶部と、
前記エレベーターの仕様変更の段階に対応した複数のデータが記憶された転送データ記憶部と、
前記転送データ記憶部に記憶されたデータを前記設定データ記憶部に転送し、前記設定データ記憶部に上書きさせる指示部と、
を備えたエレベーターの制御装置。
【請求項2】
前記転送データ記憶部は、前記エレベーターの仕様変更の段階に対応した複数のデータを、ソフトウェアプログラムが読み込まない領域であるダミー領域に保存する請求項1に記載のエレベーターの制御装置。
【請求項3】
前記転送データ記憶部は、前記指示部により上書きされる前に前記設定データ記憶部に記憶されていたデータを記憶する請求項1または請求項2に記載のエレベーターの制御装置。
【請求項4】
前記転送データ記憶部は、前記エレベーターの仕様変更の段階に対応した複数のデータを、上書きする対象となる前記設定データ記憶部のアドレスと対応して記憶する請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のエレベーターの制御装置。
【請求項5】
前記指示部は、外部からの操作により、前記転送データ記憶部に記憶されたデータを前記設定データ記憶部に転送し、前記設定データ記憶部に上書きさせる請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のエレベーターの制御装置。
【請求項6】
前記指示部は、外部の機器に接続され、前記機器からの操作により、前記転送データ記憶部に記憶されたデータを前記設定データ記憶部に転送し、前記設定データ記憶部に上書きさせる請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のエレベーターの制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エレベーターの制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、エレベーターの制御装置を開示する。当該エレベーターの制御装置は、第2段階の制御プログラムをあらかじめ組み込むことにより、エレベーターの改修を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001-39638号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のエレベーターの制御装置においては、段階ごとのプログラムを組み込む必要がある。このため、制御装置の構成が複雑化する。
【0005】
本開示は、上述の課題を解決するためになされた。本開示の目的は、簡易な方法でエレベーターの改修を行うことができるエレベーターの制御装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係るエレベーターの制御装置は、エレベーターの仕様変更の段階ごとにソフトウェアプログラムにより参照されるデータが記憶された設定データ記憶部と、前記エレベーターの仕様変更の段階に対応した複数のデータが記憶された転送データ記憶部と、前記転送データ記憶部に記憶されたデータを前記設定データ記憶部に転送し、前記設定データ記憶部に上書きさせる指示部と、を備えた。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、エレベーターの仕様変更の段階ごとにソフトウェアプログラムが読み込むデータを置き換えることができる。このため、簡易な方法でエレベーターの改修を行うことができるエレベーターの制御装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1におけるエレベーターの制御装置が適用されるエレベーターシステムの構成図である。
図2】実施の形態1におけるエレベーターの制御装置の設定データ記憶部と復帰用データ記憶部の初期段階のデータ構成図である。
図3】実施の形態1におけるエレベーターの制御装置の設定データ記憶部と復帰用データ記憶部の第2段階のデータ構成図である。
図4】実施の形態1におけるエレベーターの制御装置の設定データ記憶部と復帰用データ記憶部の第3段階のデータ構成図である。
図5】実施の形態1におけるエレベーターの制御装置のハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態について添付の図面に従って説明する。なお、各図中、同一または相当する部分には同一の符号が付される。当該部分の重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
【0010】
実施の形態1.
図1は実施の形態1におけるエレベーターの制御装置が適用されるエレベーターシステムの構成図である。
【0011】
図1のエレベーターシステムにおいて、昇降路1は、図示されない建築物の各階を貫く。機械室2は、昇降路1の直上に設けられる。複数の乗場3の各々は、建築物の各階に設けられる。複数の乗場3の各々は、昇降路1に対向する。
【0012】
巻上機4は、機械室2に設けられる。主ロープ5は、巻上機4に巻き掛けられる。
【0013】
かご6は、昇降路1の内部に設けられる。かご6は、主ロープ5の一側に吊るされる。釣合おもり7は、昇降路1の内部に設けられる。釣合おもり7は、主ロープ5の他側に吊るされる。
【0014】
複数の乗場操作盤8の各々は、利用者による乗場呼びの操作を受け付ける装置である。複数の乗場操作盤8の各々は、乗場ドアに隣接して設けられる。例えば、複数の乗場操作盤8の各々は、報知装置を備える。例えば、報知装置は、乗場操作盤8が操作された際に点灯する点灯装置である。例えば、報知装置は、乗場操作盤8が操作された際に音声を鳴らす音声装置である。
【0015】
複数の乗場機器9の各々は、複数の乗場3の出入口に設けられる。例えば、複数の乗場機器9の各々は、ホールランタンである。例えば、複数の乗場機器9の各々は、インジケーターである。
【0016】
かご操作盤10は、利用者によるかご呼びの操作を受け付ける装置である。例えば、かご操作盤10は、かご6の内側においてかごドアに隣接して設けられる。例えば、かご操作盤10は、かご機器を備える。例えば、かご機器は、報知装置である。例えば、報知装置は、かご操作盤10が操作された際に点灯する点灯装置である。例えば、報知装置は、かご操作盤10が操作された際に音声を鳴らす音声装置である。例えば、かご機器は、非常通話装置である。非常通話装置は、非常時において音声通話により通報する装置である。例えば、非常通話装置は、非常通話ボタンおよびインターホンである。
【0017】
制御装置11は、機械室2に設けられる。制御装置11は、巻上機4とかご操作盤10と乗場操作盤8などの機器に電気的に接続される。制御装置11は、エレベーターを全体的に制御し得るように設けられる。
【0018】
制御装置11は、複数の乗場操作盤8の各々から情報を受信する。制御装置11は、複数の乗場操作盤8の各々からの受信した情報に基づき複数の乗場3の各々にかご6を配車する。
【0019】
制御装置11は、かご6の走行状況に基づき複数の乗場機器9の動作を制御する。例えば、制御装置11は、かご6が到着する乗場3に設置されている乗場機器9に、利用者に対してかご6の到着を報知させる。例えば、制御装置11は、複数のインジケーターの各々に、現在かご6が走行している階を表示させる。
【0020】
制御装置11は、かご操作盤10から情報を受信する。制御装置11は、かご操作盤10からの受信した情報に基づきかご6を走行させる。
【0021】
制御装置11は、設定データ記憶部12と転送データ記憶部13と指示部17を備える。設定データ記憶部12は、ソフトウェアプログラムにより参照されるデータを記憶する。制御装置11が出荷された際の設定の場合、設定データ記憶部12は、エレベーターの改修工事の初期段階の仕様設定に関するデータをアドレスと対応して記憶する。
【0022】
転送データ記憶部13は、ソフトウェアプログラムにより参照されないダミー領域に設けられる。転送データ記憶部13は、第2段階データ記憶部14と第3段階データ記憶部15と復帰用データ記憶部16を備える。
【0023】
第2段階データ記憶部14は、エレベーターの改修工事の第2段階の仕様設定に対応して転送されるデータおよび転送先アドレスを示すデータを記憶する。
【0024】
第3段階データ記憶部15は、エレベーターの改修工事の第3段階の仕様設定に対応して転送されるデータおよび転送先アドレスを示すデータを記憶する。
【0025】
復帰用データ記憶部16は、エレベーターの改修工事の初期段階をアドレスと対応して記憶する。復帰用データ記憶部16は、設定データ記憶部12において上書きされる直前まで記憶されていたデータをアドレスと対応して記憶する。
【0026】
指示部17は、エレベーターの改修によりエレベーターの一部の仕様が変更される場合、当該変更内容に合わせて設定データ記憶部12に、データを上書きして記憶させる。例えば、指示部17は、転送データ記憶部13に記憶された転送先アドレスに対応するデータを設定データ記憶部12に上書きして記憶させる。例えば、指示部17は、基板上のスイッチ等への外部からの操作により操作可能に設けられる。例えば、指示部17は、ポータブルスイッチ等の外部の機器に接続され、操作可能に設けられる。
【0027】
次に、図2から図4を用いて、エレベーターの改修段階ごとのエレベーターの仕様設定の変更方法を説明する。
図2は実施の形態1におけるエレベーターの制御装置11の設定データ記憶部12と復帰用データ記憶部の初期段階のデータ構成図である。
【0028】
図2に示されるように、設定データ記憶部12と転送データ記憶部13は、複数のデータを記憶する。エレベーターの改修工事が初期段階の場合、設定データ記憶部12は、エレベーターの仕様設定が初期段階の場合のデータをアドレスと対応して記憶する。具体的には、設定データ記憶部12は、アドレス「0000」にデータ「01」を、アドレス「0001」にデータ「02」を、アドレス「0003」にデータ「03」を、それぞれ記憶する。
【0029】
エレベーターの改修工事が初期段階の場合、設定データ記憶部12は、自己に記憶されているアドレス「0000」のデータ「01」とアドレス「0001」のデータ「02」とアドレス「0003」のデータ「03」をエレベーターの仕様設定としてソフトウェアプログラムに読み出させる。
【0030】
第2段階データ記憶部14は、上部1段目から3段目に、エレベーターの仕様設定が第2段階になった場合に設定データ記憶部12に転送されるデータおよび対応するアドレスを記憶する。
【0031】
第2段階データ記憶部14は、上部1段目および2段目に、第2段階で転送されるデータに対応する転送先アドレスを記憶する。具体的には、第2段階データ記憶部14は、上部1段目のアドレス「1000」に、データ「00」を記憶する。第2段階データ記憶部14は、上部2段目のアドレス「1001」に、データ「00」を記憶する。この場合、転送先アドレスは、第2段階データ記憶部14の上部1段目および2段目のデータを組み合わせた「0000」となる。
【0032】
第2段階データ記憶部14は、上部3段目のアドレス「1002」に、第2段階で転送される転送先アドレスに上書きされるデータを記憶する。具体的には、第2段階データ記憶部14の上部3段目のアドレス「1002」に、対応するデータとして「02」を記憶する。
【0033】
第3段階データ記憶部15は、上部1段目から3段目に、エレベーターの仕様設定が第3段階になった場合に設定データ記憶部12に転送されるデータおよび対応するアドレスを記憶する。
【0034】
第3段階データ記憶部15は、上部1段目および2段目に、第3段階で転送されるデータに対応する転送先アドレスを記憶する。具体的には、第3段階データ記憶部15は、上部1段目のアドレス「1100」に、データ「00」を記憶する。第3段階データ記憶部15は、上部2段目のアドレス「1101」に、データ「01」を記憶する。この場合、転送先アドレスは、第3段階データ記憶部15の上部1段目および2段目のデータを組み合わせた「0001」となる。
【0035】
第3段階データ記憶部15は、上部3段目のアドレス「1102」に、第3段階で転送される転送先アドレスに上書きされるデータを記憶する。具体的には、第3段階データ記憶部15は、上部3段目のアドレス「1102」に、データ「03」を記憶する。
【0036】
続いて、図3を用いてエレベーターの改修工事が初期段階から第2段階に移った場合の設定データ記憶部12と復帰用データ記憶部の構成を説明する。
図3は実施の形態1におけるエレベーターの制御装置の設定データ記憶部12と復帰用データ記憶部の第2段階のデータ構成図である。
【0037】
エレベーターの改修工事が初期段階から第2段階に移った場合、図示されない指示部17は、第2段階データ記憶部14に記憶されたデータを設定データ記憶部12に上書きして記憶させる。例えば、指示部17は、外部からの操作により、第2段階データ記憶部14に記憶されたデータを設定データ記憶部12に上書きして記憶させる。具体的には、指示部17は、第2段階データ記憶部14に記憶されていた「02」のデータを、転送先アドレスである設定データ記憶部12のアドレス「0000」に対して上書きして記憶させる。その結果、ソフトウェアプログラムにおいて、参照されるデータは、エレベーターの改修工事が第2段階である場合の仕様設定に変更される。
【0038】
この時、復帰用データ記憶部16は、エレベーターの改修工事が初期段階の場合に設定データ記憶部12に記憶されていたエレベーターの仕様設定が初期段階の場合のデータと、それに対応するアドレスを記憶する。
【0039】
復帰用データ記憶部16は、上部1段目および2段目に、初期段階で設定データ記憶部12に記憶されていたデータに対応する転送先アドレスを記憶する。復帰用データ記憶部16は、上部1段目のアドレス「2000」に、データ「00」を記憶する。復帰用データ記憶部16は、上部2段目のアドレス「2001」にデータ「00」を記憶する。この場合、復帰用データ記憶部16の上部1段目および2段目の組み合わせた「0000」は、初期段階での設定データ記憶部12のアドレスである。
【0040】
復帰用データ記憶部16は、上部3段目に、初期段階における設定データ記憶部12のデータを記憶する。復帰用データ記憶部16は、上部3段目のアドレス「2002」に、初期段階における設定データ記憶部12のデータとして「01」を記憶する。
【0041】
例えば、エレベーターの改修工事が初期段階から第2段階に移った場合、図示されないかご操作盤10が交換される。このとき、設定データ記憶部12のアドレス「0000」に対応するデータが「01」から「02」に変わることで、交換されたかご操作盤10への設定変更がなされる。例えば、設定データ記憶部12のアドレス「0000」に対応するデータが「01」から「02」に変わった場合、交換された新しいかご操作盤10の報知装置に適した点灯パターンで、報知装置は点灯する。例えば、設定データ記憶部12のアドレス「0000」に対応するデータが「01」から「02」に変わった場合、交換された新しいかご操作盤10の報知装置に適した音声の設定により、報知装置はアナウンスする。
【0042】
続いて、図4を用いてエレベーターの改修工事が第2段階から第3段階に移った場合の設定データ記憶部12と復帰用データ記憶部の構成を説明する。図4は実施の形態1におけるエレベーターの制御装置の第3段階のデータ構成図である。
【0043】
エレベーターの改修工事が第2段階から第3段階に移った場合、図示されない指示部17は、第3段階データ記憶部15に記憶されたデータを、設定データ記憶部12に上書きして記憶させる。例えば、指示部17は、外部からの操作により、第3段階データ記憶部15に記憶されたデータを、設定データ記憶部12に上書きして記憶させる。具体的には、指示部17は、第3段階データ記憶部15に記憶されていた「03」のデータを、転送先アドレスである設定データ記憶部12のアドレス「0001」に対して上書きして記憶させる。その結果、ソフトウェアプログラムにおいて、参照されるデータは、エレベーターの改修工事が第3段階である場合の仕様設定に変更される。
【0044】
この時、復帰用データ記憶部16は、エレベーターの改修工事が第2段階の場合に設定データ記憶部12に記憶されていたエレベーターの仕様設定が第2段階の場合のデータと、それに対応するアドレスを上書きして記憶する。
【0045】
復帰用データ記憶部16は、上部1段目および2段目に、第2段階で設定データ記憶部12に記憶されていたデータに対応する転送先アドレスを上書きして記憶する。復帰用データ記憶部16は、上部1段目のアドレス「2000」にデータ「00」を上書きして記憶する。復帰用データ記憶部16は、上部2段目のアドレス「2001」に、データ「01」を上書きして記憶する。この場合、復帰用データ記憶部16の上部1段目および2段目の組み合わせた「0001」は、第2段階での設定データ記憶部12のアドレスである。
【0046】
復帰用データ記憶部16は、上部3段目に、第2段階における設定データ記憶部12のデータを上書きして記憶する。復帰用データ記憶部16は、上部3段目のアドレス「2002」に、第2段階における設定データ記憶部12のデータとして「02」が上書きして記憶する。
【0047】
例えば、エレベーターの改修工事が第2段階から第3段階に移った場合、図示されない乗場操作盤8が交換される。このとき、設定データ記憶部12のアドレス「0001」に対応するデータが「02」から「03」に変わることで、交換された乗場操作盤8への設定変更がなされる。例えば、設定データ記憶部12のアドレス「0001」に対応するデータが「02」から「03」に変わった場合、交換された新しい乗場操作盤8の報知装置に適した点灯パターンで、報知装置は点灯する。例えば、設定データ記憶部12のアドレス「0001」に対応するデータが「02」から「03」に変わった場合、交換された新しい乗場操作盤8の報知装置に適した音声の設定により、報知装置はアナウンスする。
【0048】
次に、図5を用いて、制御装置11の例を説明する。
図5は実施の形態1におけるエレベーターの制御装置の指示部のハードウェア構成図である。
【0049】
制御装置11の各機能は、処理回路により実現し得る。例えば、処理回路は、少なくとも1つのプロセッサ100aと少なくとも1つのメモリ100bとを備える。例えば、処理回路は、少なくとも1つの専用のハードウェア200を備える。
【0050】
処理回路が少なくとも1つのプロセッサ100aと少なくとも1つのメモリ100bとを備える場合、制御装置11の各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせで実現される。ソフトウェアおよびファームウェアの少なくとも一方は、プログラムとして記述される。ソフトウェアおよびファームウェアの少なくとも一方は、少なくとも1つのメモリ100bに格納される。少なくとも1つのプロセッサ100aは、少なくとも1つのメモリ100bに記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、制御装置11の各機能を実現する。少なくとも1つのプロセッサ100aは、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、DSPともいう。例えば、少なくとも1つのメモリ100bは、RAM、ROM、フラッシュメモリ、EPROM、EEPROM等の、不揮発性または揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD等である。
【0051】
処理回路が少なくとも1つの専用のハードウェア200を備える場合、処理回路は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、またはこれらの組み合わせで実現される。例えば、指示部17の各機能は、それぞれ処理回路で実現される。例えば、制御装置11の各機能は、まとめて処理回路で実現される。
【0052】
指示部17の各機能について、一部を専用のハードウェア200で実現し、他部をソフトウェアまたはファームウェアで実現してもよい。例えば、指示部17の一部の機能については専用のハードウェア200としての処理回路で実現し、指示部17の他の機能については少なくとも1つのプロセッサ100aが少なくとも1つのメモリ100bに格納されたプログラムを読み出して実行することにより実現してもよい。
【0053】
このように、処理回路は、ハードウェア200、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせで指示部17の各機能を実現する。
【0054】
以上で説明した実施の形態1によれば、制御装置11は、エレベーターの仕様変更の段階ごとにソフトウェアプログラムが読み込むデータを置き換える。このため、簡易な方法でエレベーターの改修を行うことができる。
【0055】
また、制御装置11は、保守会社所有のコンピューターを使用することなく仕様設定を変更する。そのため、当該コンピューターを使用可能な社員数、当該コンピューターの数によらずにエレベーターの仕様設定を変更することができる。その結果、仕様設定の変更のために作業員を当該エレベーターが設置された建築物に派遣する必要がない。
【0056】
また、制御装置11においては、作業員がアドレスを個別指定してデータを手動で書き換えられることがない。このため、仕様の誤設定を抑制することができる。その結果、エレベーターの仕様の誤設定によるエレベーターの動作の問題は生じない。また、エレベーターの仕様設定の再設定の作業も発生しない。このため、改修工事のスケジュールに遅れが生じることを抑制できる。
【0057】
また、転送データ記憶部13は、データを、ダミー領域に保存する。このため、ソフトウェアプログラムから誤って読み出されることを抑制できる。
【0058】
また、転送データ記憶部13は、上書きされる前に設定データ記憶部12に記憶されていたデータを記憶する。このため、誤って設定データ記憶部12のデータが上書きされた場合に、設定データ記憶部12のデータを上書き前の状態に戻すことができる。
【0059】
また、転送データ記憶部13は、複数のデータをアドレスと対応して記憶する。このため、異なるアドレスに誤ってデータが上書きされることがない。
【0060】
また、指示部17は、外部からの入力を受け付けて操作される。このため、作業員が制御装置11から操作することができる。
【0061】
また、指示部17は、外部の機器に接続され操作される。このため、外部の機器を用いて作業員が制御装置11から操作することができる。
【0062】
なお、転送データ記憶部13は、第2段階データ記憶部14と第3段階データ記憶部15の他にも複数の段階ごとの記憶部を備えてもよい。この場合、複数の段階ごとの記憶部の構成は第2段階データ記憶部14と第3段階データ記憶部15と同様にすればよい。
【0063】
なお、指示部17は、トグルスイッチにより外部からの入力を受け付けてもよい。この場合、上・中・下の3点式のトグルスイッチを使用し、上の位置では次の段階を進めるデータの上書きを行い、下の位置では前の段階に戻すデータの上書きを行ってもよい。
【0064】
なお、機械室2がなく、昇降路1の上部または下部に巻上機4、制御装置11、監視装置が設けられるエレベーターにおいて、実施の形態1のエレベーターの制御装置11を適用してよい。
【符号の説明】
【0065】
1 昇降路、 2 機械室、 3 乗場、 4 巻上機、 5 主ロープ、 6 かご、 7 釣合おもり、 8 乗場操作盤、 9 乗場機器、 10 かご操作盤、 11 制御装置、 12 設定データ記憶部、 13 転送データ記憶部、 14 第2段階データ記憶部、 15 第3段階データ記憶部、 16 復帰用データ記憶部、 17 指示部、 100a プロセッサ、 100b メモリ、 200 ハードウェア
図1
図2
図3
図4
図5