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特開2023-103660連結装置、無人飛行体、照明システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023103660
(43)【公開日】2023-07-27
(54)【発明の名称】連結装置、無人飛行体、照明システム
(51)【国際特許分類】
   B64C 39/02 20060101AFI20230720BHJP
   B64D 3/00 20060101ALI20230720BHJP
   B64D 47/06 20060101ALI20230720BHJP
【FI】
B64C39/02
B64D3/00
B64D47/06
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022004302
(22)【出願日】2022-01-14
(71)【出願人】
【識別番号】522019340
【氏名又は名称】株式会社Tangent Japan
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【弁理士】
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100207789
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 良平
(72)【発明者】
【氏名】浅井 將雄
(72)【発明者】
【氏名】吉本 英樹
(57)【要約】
【課題】複数の無人飛行体がケーブルで連結された状態で用いられる場合に無人飛行体の数を容易に変更できる構造を有する連結装置を提供する。
【解決手段】本発明の連結装置の一つの態様は、2つの無人飛行体を連結可能な連結装置であって、第1コネクタ部を有するケーブルと、ケーブルを所定の中心軸回りに巻き取り可能な巻き取り部を有する連結装置本体と、を備え、連結装置本体は、2つの無人飛行体のうち一方の無人飛行体の本体部に着脱可能に取り付け可能であり、第1コネクタ部は、2つの無人飛行体のうち他方の無人飛行体に電気的に、かつ、着脱可能に接続可能である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの無人飛行体を連結可能な連結装置であって、
第1コネクタ部を有するケーブルと、
前記ケーブルを所定の中心軸回りに巻き取り可能な巻き取り部を有する連結装置本体と、
を備え、
前記連結装置本体は、前記2つの無人飛行体のうち一方の無人飛行体の本体部に着脱可能に取り付け可能であり、
前記第1コネクタ部は、前記2つの無人飛行体のうち他方の無人飛行体に電気的に、かつ、着脱可能に接続可能である、連結装置。
【請求項2】
前記連結装置本体は、他の前記連結装置における前記第1コネクタ部が着脱可能に接続される第2コネクタ部を有し、
前記ケーブルは、前記第2コネクタ部と電気的に接続され、
前記連結装置本体が前記一方の無人飛行体の本体部に取り付けられた状態において、前記第2コネクタ部は、前記一方の無人飛行体の本体部と電気的に接続される、請求項1に記載の連結装置。
【請求項3】
前記巻き取り部と前記第2コネクタ部とは、前記中心軸回りに互いに相対回転可能である、請求項2に記載の連結装置。
【請求項4】
前記巻き取り部は、前記一方の無人飛行体の本体部に対して前記中心軸回りに回転可能に取り付けられ、
前記連結装置本体は、前記巻き取り部に対して前記ケーブルを巻き取る向きに前記中心軸回りの力を加える弾性部材を有する、請求項1から3のいずれか一項に記載の連結装置。
【請求項5】
前記連結装置本体は、前記巻き取り部を前記中心軸回りに回転させるモータ部を有する、請求項1から3のいずれか一項に記載の連結装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載の連結装置と、
前記連結装置本体が着脱可能に取り付けられた本体部と、
を備える、無人飛行体。
【請求項7】
鉛直方向と交差する方向に延びる延伸部を備え、
前記延伸部は、前記ケーブルの一部を保持可能な保持部を有し、
前記保持部の少なくとも一部は、鉛直方向に見て、前記本体部よりも外側に位置する、請求項6に記載の無人飛行体。
【請求項8】
前記延伸部は、一対設けられ、
前記一対の延伸部における前記保持部は、互いに異なる前記連結装置から延びる前記ケーブルの一部をそれぞれ保持する、請求項7に記載の無人飛行体。
【請求項9】
前記一対の延伸部は、互いに逆向きに延びている、請求項8に記載の無人飛行体。
【請求項10】
前記延伸部は、前記本体部に対して、鉛直方向に延びる軸回りに回転可能である、請求項7から9のいずれか一項に記載の無人飛行体。
【請求項11】
前記保持部は、鉛直方向において前記本体部から離れる向きに延びる部分を有する、請求項7から10のいずれか一項に記載の無人飛行体。
【請求項12】
請求項6から11のいずれか一項に記載の無人飛行体を複数備え、
前記複数の無人飛行体は、前記連結装置によって連結されており、
前記複数の無人飛行体の少なくとも一つは、照明装置を有する、照明システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連結装置、無人飛行体、照明システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1に記載されているような無人飛行体が知られている。特許文献1の無人飛行体は、無人搬送システムに用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-13582号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような無人飛行体は、複数体がケーブルで連結された状態で用いられる場合がある。このような場合において連結される無人飛行体の数を変更する場合、無人飛行体同士の連結を解除してから新たに無人飛行体同士を連結し直す必要などが生じる場合があった。そのため、複数の無人飛行体がケーブルで連結された状態で用いられる場合に、無人飛行体の数を変更しにくい場合があった。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みて、複数の無人飛行体がケーブルで連結された状態で用いられる場合に無人飛行体の数を容易に変更できる構造を有する連結装置、そのような連結装置を備える無人飛行体、およびそのような無人飛行体を複数備える照明システムを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の連結装置の一つの態様は、2つの無人飛行体を連結可能な連結装置であって、第1コネクタ部を有するケーブルと、前記ケーブルを所定の中心軸回りに巻き取り可能な巻き取り部を有する連結装置本体と、を備え、前記連結装置本体は、前記2つの無人飛行体のうち一方の無人飛行体の本体部に着脱可能に取り付け可能であり、前記第1コネクタ部は、前記2つの無人飛行体のうち他方の無人飛行体に電気的に、かつ、着脱可能に接続可能である。
【0007】
前記連結装置本体は、他の前記連結装置における前記第1コネクタ部が着脱可能に接続される第2コネクタ部を有し、前記ケーブルは、前記第2コネクタ部と電気的に接続され、前記連結装置本体が前記一方の無人飛行体の本体部に取り付けられた状態において、前記第2コネクタ部は、前記一方の無人飛行体の本体部と電気的に接続される構成としてもよい。
【0008】
前記巻き取り部と前記第2コネクタ部とは、前記中心軸回りに互いに相対回転可能である構成としてもよい。
【0009】
前記巻き取り部は、前記一方の無人飛行体の本体部に対して前記中心軸回りに回転可能に取り付けられ、前記連結装置本体は、前記巻き取り部に対して前記ケーブルを巻き取る向きに前記中心軸回りの力を加える弾性部材を有する構成としてもよい。
【0010】
前記連結装置本体は、前記巻き取り部を前記中心軸回りに回転させるモータ部を有する構成としてもよい。
【0011】
本発明の無人飛行体の一つの態様は、上記の連結装置と、前記連結装置本体が着脱可能に取り付けられた本体部と、を備える。
【0012】
鉛直方向と交差する方向に延びる延伸部を備え、前記延伸部は、前記ケーブルの一部を保持可能な保持部を有し、前記保持部の少なくとも一部は、鉛直方向に見て、前記本体部よりも外側に位置する構成としてもよい。
【0013】
前記延伸部は、一対設けられ、前記一対の延伸部における前記保持部は、互いに異なる前記連結装置から延びる前記ケーブルの一部をそれぞれ保持する構成としてもよい。
【0014】
前記一対の延伸部は、互いに逆向きに延びている構成としてもよい。
【0015】
前記延伸部は、前記本体部に対して、鉛直方向に延びる軸回りに回転可能である構成としてもよい。
【0016】
前記保持部は、鉛直方向において前記本体部から離れる向きに延びる部分を有する構成としてもよい。
【0017】
本発明の照明システムの一つの態様は、上記の無人飛行体を複数備え、前記複数の無人飛行体は、前記連結装置によって連結されており、前記複数の無人飛行体の少なくとも一つは、照明装置を有する。
【発明の効果】
【0018】
本発明の一つの態様によれば、複数の無人飛行体がケーブルで連結された状態で用いられる場合に無人飛行体の数を容易に変更できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】第1実施形態の照明システムを示す模式図である。
図2】第1実施形態の照明システムの構成を示すブロック図である。
図3】第1実施形態の無人飛行体を示す斜視図である。
図4】第1実施形態の連結装置を水平方向に見た図である。
図5】第1実施形態の連結装置の一部を分解した状態を示す部分断面図である。
図6】第1実施形態の連結装置の一部を分解した状態と本体部の一部とを示す部分断面図である。
図7】第1実施形態の変形例における無人飛行体の一部を示す部分断面図である。
図8】第2実施形態の無人飛行体を示す斜視図である。
図9】第2実施形態の無人飛行体を水平方向に見た図である。
図10】第2実施形態の第1変形例における無人飛行体を水平方向に見た図である。
図11】第2実施形態の第2変形例における無人飛行体の一部を水平方向に見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、本発明の範囲は、以下の実施形態に限定されず、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、各構造における縮尺および数などを、実際の構造における縮尺および数などと異ならせる場合がある。
【0021】
また、図面には、適宜、Z軸を示している。Z軸は、鉛直方向を示している。鉛直方向のうちZ軸の矢印が向く側(+Z側)は上側であり、鉛直方向のうちZ軸の矢印が向く側と逆側(-Z側)は下側である。Z軸と直交する方向は、水平方向である。なお、本明細書において、鉛直方向および水平方向を用いて説明される各部の相対位置関係は、少なくとも無人飛行体が飛行している状態において満たされればよい。
【0022】
<第1実施形態>
図1は、本実施形態の照明システム100を示す模式図である。図2は、照明システム100の構成を示すブロック図である。図1および図2に示すように、照明システム100は、複数の無人飛行体10と、地上局20と、を備える。各無人飛行体10は、後述する連結装置50Aを介して、他の無人飛行体10と連結されている。複数の無人飛行体10は、直列に連結されている。連結される無人飛行体10の数は、特に限定されない。直列に連結された複数の無人飛行体10のうち一端に位置する無人飛行体10は、後述する連結装置50Bを介して地上局20と連結されている。複数の無人飛行体10には、地上局20から電力が供給される。複数の無人飛行体10は、地上局20によって制御される。
【0023】
各無人飛行体10の構造は、互いに同様である。以下の説明においては、無人飛行体10が図1に示す姿勢で飛行している場合について、各部の相対位置関係の説明を行う。図3は、無人飛行体10を示す斜視図である。図2および図3に示すように、無人飛行体10は、本体部30と、照明装置40と、連結装置50Aと、を有する。図2に示すように、本体部30は、筐体31と、制御部32と、動力部33と、無線通信部34と、GPS受信部35と、を有する。
【0024】
制御部32は、地上局20から送られる信号に基づいて、動力部33を制御する。制御部32は、変圧部32aを有する。変圧部32aは、連結装置50Aから制御部32に供給される電力の電圧を変換可能である。本実施形態において変圧部32aは、連結装置50Aから制御部32に供給される高電圧かつ低電流の電力を、低電圧かつ高電流の電力に変換する。
【0025】
動力部33は、無人飛行体10に浮力および推進力を生じさせる。動力部33は、モータ33aと、モータ33aによって回転させられるプロペラ33bと、を有する。プロペラ33bは、鉛直方向に延びる軸回りに回転可能である。本実施形態において動力部33は、複数設けられている。より具体的には、動力部33は、4つ設けられている。なお、動力部33の数は、特に限定されない。
【0026】
無線通信部34は、地上局20に設けられた無線通信装置23と無線により通信可能である。無線通信部34は、無線通信装置23から無人飛行体10の制御に関する信号を受信可能である。無線通信部34によって受信された信号は、制御部32に入力される。無線通信部34は、GPS受信部35から入力された信号を、地上局20に設けられた無線通信装置23に送信可能である。
【0027】
GPS受信部35は、GPS(Global Positioning System)衛星からの信号を受信可能である。GPS受信部35は、GPS衛星から受信した信号に基づいて、GPS受信部35の現在位置を演算可能である。GPS受信部35の演算結果は、無線通信部34によって地上局20に送られる。
【0028】
図1に示すように、照明装置40は、光Lを照射可能である。照明装置40の光源は、例えば、発光ダイオード(LED:light emitting diode)などである。照明装置40は、筐体31の外周面に固定されている。本実施形態において照明装置40は、1つの無人飛行体10に対して複数設けられている。より具体的には、照明装置40は、1つの無人飛行体10に対して2つ設けられている。2つの照明装置40は、本体部30を水平方向に挟んで配置されている。照明装置40は、光Lの照射方向を変更可能である。照明装置40は、地上に光Lを照射することもできるし、水平方向に光Lを照射することもできるし、上方に向けて光Lを照射することもできる。なお、図1では、照明装置40が地上に向けて光Lを照射する状態を示している。
【0029】
連結装置50Aは、2つの無人飛行体10を連結可能な装置である。本実施形態において連結装置50Aは、本体部30の下側に取り付けられている。図4は、連結装置50Aを水平方向に見た図である。図4に示すように、連結装置50Aは、連結装置本体51と、ケーブル52と、を有する。
【0030】
連結装置本体51は、無人飛行体10の本体部30に着脱可能に取り付けられている。連結装置本体51は、被連結部53と、巻き取り部54と、第1接続部60と、第2接続部70と、を有する。本実施形態において被連結部53と巻き取り部54と第1接続部60と第2接続部70とは、互いに別体である。被連結部53と第1接続部60と巻き取り部54と第2接続部70とは、下側から上側に向かってこの順に鉛直方向に並んで配置され、隣り合う部分同士が互いに連結されている。本実施形態において被連結部53と巻き取り部54と第1接続部60と第2接続部70とは、中心軸AXに沿って同軸に配置されている。
【0031】
中心軸AXは、鉛直方向に延びる仮想軸である。本実施形態において中心軸AXは、鉛直方向に見た際の本体部30の中心を通っている。以下の説明においては、特に断りのない限り、中心軸AXを中心とする径方向を単に「径方向」と呼ぶ。
【0032】
被連結部53には、他の連結装置50A,50Bが接続される。図3に示すように、本実施形態において被連結部53は、中心軸AXを中心とする略円柱状である。被連結部53の下側の端部は、連結装置50Aの下側の端部である。図5は、連結装置50Aの一部を分解した状態を示す部分断面図である。図5に示すように、被連結部53は、略円柱状の基部53aと、第2コネクタ部53bと、端子部53cと、を有する。第2コネクタ部53bは、基部53aの外周面に設けられている。端子部53cは、基部53aの上面に設けられている。第2コネクタ部53bと端子部53cとは、基部53aの内部を通る配線53dによって互いに電気的に接続されている。第2コネクタ部53bには、他の連結装置50A,50Bにおける後述する第1コネクタ部52bが着脱可能に接続される。
【0033】
巻き取り部54は、ケーブル52を中心軸AX回りに巻き取り可能である。巻き取り部54は、被連結部53の上側に位置する。図3および図4に示すように、巻き取り部54は、第1接続部60を介して被連結部53と接続されている。巻き取り部54は、第2接続部70を介して本体部30と接続されている。図5に示すように、巻き取り部54は、巻き芯部54aと、第1フランジ部54bと、第2フランジ部54cと、端子部54dと、端子部54eと、を有する。
【0034】
巻き芯部54aは、中心軸AXを中心とする円柱状である。巻き芯部54aには、ケーブル52が巻き回される。第1フランジ部54bは、巻き芯部54aの下側の端部から径方向外側に突出している。第2フランジ部54cは、巻き芯部54aの上側の端部から径方向外側に突出している。第1フランジ部54bおよび第2フランジ部54cは、巻き芯部54aを囲む円環状である。
【0035】
端子部54dは、巻き芯部54aの下面の中央部に設けられている。端子部54dは、巻き芯部54aの内部を通る配線54fによってケーブル52と電気的に接続されている。端子部54eは、巻き芯部54aの上面の中央部に設けられている。端子部54dと端子部54eとは、巻き芯部54aの内部を通る配線54gによって互いに電気的に接続されている。
【0036】
第1接続部60は、被連結部53と巻き取り部54との鉛直方向の間に位置する。第1接続部60は、被連結部53と巻き取り部54とを互いに相対回転可能に接続している。本実施形態において第1接続部60は、スリップリング構造を有する。第1接続部60は、ケース61と、シャフト62と、リング63と、ブラシ64と、端子部65a,65bと、を有する。
【0037】
ケース61は、中心軸AXを中心とする円筒状の周壁部61aと、周壁部61aの下側の端部に設けられた底壁部61bと、周壁部61aの上側の端部に設けられた天壁部61cと、を有する。天壁部61cは、天壁部61cを鉛直方向に貫通する貫通穴61dを有する。貫通穴61dは、中心軸AXを中心とする円形状の穴である。底壁部61bは、被連結部53の上側の端部に固定されている。
【0038】
シャフト62は、中心軸AXを中心として鉛直方向に延びる円柱状である。シャフト62は、ケース61の内部に収容されている。シャフト62の上側の端部は、貫通穴61dを介してケース61よりも上側に突出している。シャフト62の上側の端部は、巻き取り部54の下側の端部に固定されている。シャフト62は、ケース61に対して、中心軸AX回りに相対回転可能である。これにより、ケース61に固定された被連結部53と、シャフト62に固定された巻き取り部54とが、互いに中心軸AX回りに相対回転可能である。被連結部53が巻き取り部54に対して中心軸AX回りに相対回転可能なことで、巻き取り部54と被連結部53に設けられた第2コネクタ部53bとは、中心軸AX回りに互いに相対回転可能である。
【0039】
シャフト62は、底壁部61bに保持されたベアリング62aと、貫通穴61dの内周面に保持されたベアリング62bと、によって中心軸AX回りに回転可能に支持されている。本実施形態においてベアリング62a,62bは、ボールベアリングなどの転がり軸受である。なお、ベアリング62a,62bは、滑り軸受などであってもよい。
【0040】
リング63は、シャフト62の外周面に固定されている。リング63は、中心軸AXを中心とし、シャフト62を囲む円環状である。リング63は、ケース61の内部に収容されている。リング63は、金属製である。
【0041】
ブラシ64は、ケース61のうち周壁部61aの内周面から径方向内側に延びている。ブラシ64は、金属製である。ブラシ64は、リング63の外周面に接触している。これにより、リング63とブラシ64とは、互いに電気的に接続されている。リング63とブラシ64とは、電気的に接続された状態のままで、互いに中心軸AX回りに相対回転可能である。
【0042】
端子部65aは、ケース61の底壁部61bの下面における径方向外縁部に設けられている。端子部65aは、ケース61の壁部内を通る配線65cによってブラシ64と電気的に接続されている。端子部65bは、シャフト62の上面における中央部に設けられている。端子部65bは、シャフト62の内部を通る配線65dによってリング63と電気的に接続されている。これにより、端子部65aは、配線65c、ブラシ64、リング63、および配線65dをこの順に介して、端子部65bと電気的に接続されている。端子部65aは、被連結部53の端子部53cと電気的に接続されている。端子部65bは、巻き取り部54の端子部54dと電気的に接続されている。
【0043】
図6は、連結装置50Aの一部を分解した状態と本体部30の一部とを示す部分断面図である。図6に示すように、第2接続部70は、巻き取り部54と本体部30との鉛直方向の間に位置する。第2接続部70は、巻き取り部54と本体部30とを互いに相対回転可能に接続している。本実施形態において第2接続部70の上側の端部は、連結装置本体51の上側の端部である。本実施形態において第2接続部70は、スリップリング構造を有する。第2接続部70は、ケース71と、シャフト72と、リング73と、ブラシ74と、端子部75a,75bと、弾性部材76と、を有する。
【0044】
ケース71は、中心軸AXを中心とする円筒状の周壁部71aと、周壁部71aの下側の端部に設けられた底壁部71bと、周壁部71aの上側の端部に設けられた天壁部71cと、を有する。底壁部71bは、底壁部71bを鉛直方向に貫通する貫通穴71dを有する。貫通穴71dは、中心軸AXを中心とする円形状の穴である。天壁部71cは、例えば図示しないボルトなどにより、本体部30の下端部に着脱可能に固定されている。これにより、連結装置本体51が本体部30に着脱可能に取り付けられている。
【0045】
シャフト72は、中心軸AXを中心として鉛直方向に延びる円柱状である。シャフト72は、ケース71の内部に収容されている。シャフト72の下側の端部は、貫通穴71dを介してケース71よりも下側に突出している。シャフト72の下側の端部は、巻き取り部54の上側の端部に固定されている。シャフト72は、ケース71に対して、中心軸AX回りに相対回転可能である。これにより、ケース71に固定された本体部30と、シャフト72に固定された巻き取り部54とが、互いに中心軸AX回りに相対回転可能である。このように、本実施形態において巻き取り部54は、第2接続部70を介して、本体部30に対して中心軸AX回りに回転可能に取り付けられている。
【0046】
シャフト72は、貫通穴71dの内周面に保持されたベアリング72aと、天壁部71cに保持されたベアリング72bと、によって中心軸AX回りに回転可能に支持されている。本実施形態においてベアリング72a,72bは、ボールベアリングなどの転がり軸受である。なお、ベアリング72a,72bは、滑り軸受などであってもよい。
【0047】
リング73は、シャフト72の外周面に固定されている。リング73は、中心軸AXを中心とし、シャフト72を囲む円環状である。リング73は、ケース71の内部に収容されている。リング73は、金属製である。
【0048】
ブラシ74は、ケース71のうち周壁部71aの内周面から径方向内側に延びている。ブラシ74は、金属製である。ブラシ74は、リング73の外周面に接触している。これにより、リング73とブラシ74とは、互いに電気的に接続されている。リング73とブラシ74とは、電気的に接続された状態のままで、互いに中心軸AX回りに相対回転可能である。
【0049】
端子部75aは、シャフト72の下面における中央部に設けられている。端子部75aは、シャフト72の内部を通る配線75cによってリング73と電気的に接続されている。端子部75bは、ケース71の天壁部71cの上面における径方向外縁部に設けられている。端子部75bは、ケース71の壁内を通る配線75dによってブラシ74と電気的に接続されている。これにより、端子部75aは、配線75c、リング73、ブラシ74、および配線75dをこの順に介して、端子部75bと電気的に接続されている。端子部75aは、巻き取り部54の端子部54eと電気的に接続されている。端子部75bは、本体部30の下面に設けられた端子部31aと電気的に接続されている。端子部31aは、配線31bによって、制御部32と電気的に接続されている。
【0050】
弾性部材76は、ケース71の内部に収容されている。図6の例では、弾性部材76は、リング73よりも下側に位置する。本実施形態において弾性部材76は、シャフト72を囲む渦巻状のぜんまいばねである。弾性部材76の内側の端部は、シャフト72に接続されている。弾性部材76の外側の端部は、ケース71の内周面に接続されている。弾性部材76は、シャフト72をケース71に対して中心軸AX回りに回転させる向きに、シャフト72に力を加えている。これにより、弾性部材76は、シャフト72の下端部に固定された巻き取り部54にも、中心軸AX回りに回転させる向きの力を加えている。弾性部材76によって巻き取り部54に加えられる力の向きは、ケーブル52を巻き芯部54aに巻き取る向きに巻き取り部54を回転させる向きである。つまり、弾性部材76は、巻き取り部54に対してケーブル52を巻き取る向きに中心軸AX回りの力を加えている。弾性部材76によって巻き取り部54に加えられる力の大きさは、巻き取り部54を回転させることができる程度に大きく、無人飛行体10の推力に比べて十分に小さい。そのため、弾性部材76によってケーブル52に張力が加えられても、ケーブル52が接続された他の無人飛行体10の姿勢および位置に影響を与えることが抑制される。
【0051】
図4に示すように、ケーブル52は、ケーブル本体52aと、第1コネクタ部52bと、を有する。ケーブル本体52aは、巻き取り部54の巻き芯部54aに中心軸AX回りに巻き回されている。ケーブル本体52aの一端部は、配線54fによって、端子部54dと電気的に接続されている。ケーブル本体52aの他端部は、巻き取り部54から引き出されている。ケーブル本体52aの他端部には、第1コネクタ部52bが設けられている。第1コネクタ部52bは、他の無人飛行体10に電気的に、かつ、着脱可能に接続可能である。本実施形態において第1コネクタ部52bは、他の無人飛行体10のうち連結装置50Aにおける第2コネクタ部53bに電気的に、かつ、着脱可能に接続されている。これにより、ケーブル52が第2コネクタ部53bと電気的に接続されている。第1コネクタ部52bが他の無人飛行体10の第2コネクタ部53bに接続されることで、2つの無人飛行体10同士がケーブル52を介して接続される。
【0052】
図5および図6に示すように、本実施形態において被連結部53に設けられた第2コネクタ部53bは、配線53d、端子部53c、端子部65a、配線65c、ブラシ64、リング63、配線65d、端子部65b、端子部54d、配線54g、端子部54e、端子部75a、配線75c、リング73、ブラシ74、配線75d、端子部75b、端子部31a、および配線31bをこの順に介して、制御部32と電気的に接続されている。つまり、連結装置本体51が無人飛行体10の本体部30に取り付けられた状態において、第2コネクタ部53bは、無人飛行体10の本体部30と電気的に接続される。したがって、第2コネクタ部53bに、他の無人飛行体10の第1コネクタ部52bが接続されると、他の無人飛行体10のケーブル52が、第2コネクタ部53bが設けられた当該無人飛行体10の本体部30に電気的に接続される。
【0053】
また、第2コネクタ部53bは、配線53d、端子部53c、端子部65a、配線65c、ブラシ64、リング63、配線65d、端子部65b、端子部54d、および配線54fをこの順に介して、ケーブル52と電気的に接続されている。そのため、連結装置50Aの第2コネクタ部53bに他の連結装置50Aのケーブル52が接続されると、連結装置50Aのケーブル52同士が電気的に接続される。
【0054】
図1に示すように、地上局20は、地上に設置されている。地上局20は、複数の無人飛行体10に電源を供給し、かつ、複数の無人飛行体10を制御する。図2に示すように、地上局20は、システム制御装置21と、電源装置22と、無線通信装置23と、連結装置50Bと、を有する。システム制御装置21は、照明システム100を制御する装置である。システム制御装置21は、無線通信装置23によって各無人飛行体10の制御部32に信号を無線で送信する。これにより、システム制御装置21は、各無人飛行体10を制御し、照明システム100全体を制御する。
【0055】
無線通信装置23は、各無人飛行体10の無線通信部34から送信されたGPS受信部35の演算結果を受信する。無線通信装置23によって受信されたGPS受信部35の演算結果は、システム制御装置21に入力される。システム制御装置21は、GPS受信部35の演算結果に基づいて、各無人飛行体10を制御する。
【0056】
図1に示すように、連結装置50Bは、地上局20の電源装置22と1つの無人飛行体10とを接続している点を除いて、上述した連結装置50Aと同様の構造である。本実施形態において連結装置50Bは、連結装置50Aとは鉛直方向に反転した姿勢で電源装置22に接続されている。連結装置50Bのケーブル52は、1つの無人飛行体10の第2コネクタ部53bに接続されている。
【0057】
なお、連結装置50Bは、連結装置50Aと同様にして、2つの無人飛行体10同士を連結することもできる。また、連結装置50Aも、連結装置50Bと同様にして、地上局20の電源装置22と1つの無人飛行体10とを連結することもできる。
【0058】
電源装置22は、照明システム100の各部に電力を供給する装置である。電源装置22が供給する電力は、例えば、高電圧かつ低電流の電力である。電源装置22は、連結装置50Bのケーブル52を介して1つの無人飛行体10に電力を供給する。1つの無人飛行体10に供給された電力の一部は、第2コネクタ部53bから制御部32に供給される。1つの無人飛行体10に供給された電力の他の一部は、第2コネクタ部53bからケーブル52を介して、当該ケーブル52が接続された他の無人飛行体10に供給される。他の無人飛行体10に供給された電力は、上述した1つの無人飛行体10に供給された電力と同様に、一部が当該他の無人飛行体10の制御部32に供給され、他の一部がさらに他の無人飛行体10に供給される。このようにして、電源装置22の電力は、連結装置50A,50Bを介して、直列に接続された複数の無人飛行体10へと供給される。各無人飛行体10の制御部32に供給された電力は、変圧部32aによって低電圧かつ高電流の電力に変換されてから、照明装置40および複数の動力部33へと供給される。
【0059】
本実施形態によれば、2つの無人飛行体10を連結可能な連結装置50Aは、第1コネクタ部52bを有するケーブル52と、ケーブル52を所定の中心軸AX回りに巻き取り可能な巻き取り部54を有する連結装置本体51と、を備える。連結装置本体51は、2つの無人飛行体10のうち一方の無人飛行体10の本体部30に着脱可能に取り付け可能である。第1コネクタ部52bは、2つの無人飛行体10のうち他方の無人飛行体10に電気的に、かつ、着脱可能に接続可能である。このように、2つの無人飛行体10を連結する連結装置50Aを、2つの無人飛行体10のそれぞれに対して着脱可能に接続できる装置としてユニット化することで、2つの無人飛行体10同士の連結を容易に行うことができる。つまり、連結する無人飛行体10の数が増える場合には、連結装置50Aを追加することで、元の無人飛行体10同士の連結状態を解除することなく、先端に配置された無人飛行体10のさらに先に新たに無人飛行体10を連結することができる。また、連結する無人飛行体10の数が減る場合には、先端に位置する無人飛行体10から順次、接続されたケーブル52を取り外していくことで、連結された無人飛行体10の数を容易に減らすことができる。したがって、本実施形態によれば、連結装置50Aを用いることで、複数の無人飛行体10がケーブル52で連結された状態で用いられる場合に無人飛行体10の数を容易に変更できる。本実施形態では、連結装置50Aは、無人飛行体10に備えられている。そのため、無人飛行体10のケーブル52を他の無人飛行体10に接続することで、無人飛行体10を容易に他の無人飛行体10に接続することができる。
【0060】
また、ケーブル52を巻き取り可能な巻き取り部54が設けられているため、ケーブル52を巻き取る、または繰り出すことにより、無人飛行体10同士を連結したままの状態で、無人飛行体10同士の距離を調整することができる。これにより、無人飛行体10同士の連結を解除することなく、複数の無人飛行体10同士の相対位置関係を容易に変更することができる。したがって、例えば、無人飛行体10の数が変更される際、無人飛行体10同士の距離も変更しなければならない場合であっても、元の無人飛行体10同士の連結を解除することなく、上述したようにして容易に無人飛行体10の数を変更しつつ、無人飛行体10同士の距離も変更できる。無人飛行体10同士の距離を変更できることで、例えば、本実施形態のように照明システム100として複数の無人飛行体10を用いる場合に、複数の無人飛行体10によって照らすことができる範囲の自由度を向上させることができる。
【0061】
また、本実施形態によれば、連結装置本体51は、他の連結装置50Aにおける第1コネクタ部52bが着脱可能に接続される第2コネクタ部53bを有する。ケーブル52は、第2コネクタ部53bと電気的に接続されている。連結装置本体51が無人飛行体10の本体部30に取り付けられた状態において、第2コネクタ部53bは、無人飛行体10の本体部30と電気的に接続される。そのため、第2コネクタ部53bに接続された他の連結装置50Aのケーブル52から、当該連結装置50Aのケーブル52、および当該連結装置50Aが取り付けられた本体部30へと電力などを供給することができる。これにより、当該連結装置50Aのケーブル52をさらに他の無人飛行体10の第2コネクタ部53bに接続することで、さらに他の無人飛行体10を連結できるとともに、当該さらに他の無人飛行体10の本体部30へと電力などを供給することができる。したがって、地上局20に設けられた電源装置22から、連結装置50Aを介して直列に連結された複数の無人飛行体10へと容易に電力を供給できる。
【0062】
また、本実施形態によれば、巻き取り部54と第2コネクタ部53bとは、中心軸AX回りに互いに相対回転可能である。そのため、巻き取り部54を回転させてケーブル52を巻き取っても、巻き取り部54と共に第2コネクタ部53bが回転することを抑制できる。これにより、巻き取り部54の回転が、第2コネクタ部53bを介して連結された他の無人飛行体10に影響を与えることを抑制できる。また、第2コネクタ部53bを介して連結された他の無人飛行体10との相対位置関係が変化しても、巻き取り部54が回転することを抑制できる。これにより、意図せず巻き取り部54によってケーブル52が巻き取られること、および意図せず巻き取り部54からケーブル52が繰り出されることを抑制できる。
【0063】
また、本実施形態によれば、連結装置本体51は、巻き取り部54に対してケーブル52を巻き取る向きに中心軸AX回りの力を加える弾性部材76を有する。そのため、弾性部材76から加えられる力によって、巻き取り部54を回転させて、巻き取り部54にケーブル52を巻き取らせることができる。これにより、連結された無人飛行体10同士の距離が小さくなっても、自動的にケーブル52が巻き取られ、ケーブル52が撓むことを抑制できる。したがって、ケーブル52が他の物体に干渉することなどを抑制できる。また、弾性部材76による弾性力に抗してケーブル52を引っ張れば、ケーブル52を容易に巻き取り部54から繰り出すこともできる。そのため、連結された無人飛行体10同士の距離が大きくなっても、無人飛行体10の推力によって、無人飛行体10同士の距離に応じて自動的にケーブル52が繰り出される。したがって、ケーブル52を介して連結された無人飛行体10同士の距離を容易に変更できる。
【0064】
また、本実施形態によれば、制御部32は、変圧部32aを有する。そのため、電源装置22からケーブル52を介して高電圧かつ低電流の電力を制御部32に供給しても、変圧部32aによって、当該電力を、動力部33などを駆動させるために必要な低電圧かつ高電流の電力へと変換することができる。これにより、ケーブル52に流す電流を小さくできるため、ケーブル52を好適に細くすることができる。したがって、ケーブル52の質量を小さくすることができ、ケーブル52の質量が無人飛行体10の飛行に影響を与えることを抑制できる。
【0065】
(第1実施形態の変形例)
図7は、本変形例における無人飛行体110の一部を示す部分断面図である。なお、以下の説明においては、上述した構成と同様の構成については、適宜同一の符号を付すなどにより説明を省略する場合がある。
【0066】
図7に示すように、本変形例の無人飛行体110の連結装置150において、連結装置本体151の第2接続部170は、弾性部材76の代わりにモータ部176を有する点において、上述した第2接続部70と異なる。モータ部176は、ケース71の内部に収容されている。モータ部176は、ステータ176aと、ロータ176dと、回路基板176eと、を有する。ステータ176aは、ケース71の内周面に固定されたステータコア176bと、ステータコア176bに取り付けられた複数のコイル176cと、を有する。ロータ176dは、シャフト72の外周面に固定されている。ロータ176dは、ステータコア176bの径方向内側に位置する。
【0067】
回路基板176eは、コイル176cと電気的に接続されている。回路基板176eは、ケース71の壁内を通る配線175eによって端子部75bと電気的に接続されている。回路基板176eは、端子部75bを介して、本体部30の制御部32と電気的に接続されている。回路基板176eには、配線175eを介して、本体部30の制御部32から制御信号および電力が供給される。回路基板176eに供給された電力の少なくとも一部は、回路基板176eに供給された制御信号に基づいて、コイル176cに供給される。これにより、ロータ176dがシャフト72とともに中心軸AX回りに回転する。このようにして、モータ部176は、本体部30の制御部32によって制御される。シャフト72が回転すると、シャフト72に固定された巻き取り部54も回転する。これにより、モータ部176によって巻き取り部54を中心軸AX回りに回転させることができる。連結装置150のその他の構成は、上述した連結装置50Aのその他の構成と同様である。
【0068】
本変形例によれば、連結装置本体151は、巻き取り部54を中心軸AX回りに回転させるモータ部176を有する。そのため、モータ部176によって巻き取り部54を回転させることで、ケーブル52を容易に巻き取ることができる。また、モータ部176によって巻き取り部54を逆回転させることで、ケーブル52を容易に繰り出すこともできる。したがって、無人飛行体110同士の距離に応じて、ケーブル52の長さを好適に調整することができる。
【0069】
<第2実施形態>
図8は、本実施形態の無人飛行体210を示す斜視図である。図9は、本実施形態の無人飛行体210を水平方向に見た図である。なお、以下の説明においては、上述した構成と同様の構成については、適宜同一の符号を付すなどにより説明を省略する場合がある。
【0070】
図8および図9に示すように、本実施形態の無人飛行体210において連結装置250は、ガイド部材280を備える。ガイド部材280は、連結装置本体51に取り付けられている。ガイド部材280は、環状部281と、一対の延伸部282,283と、を有する。環状部281は、中心軸AXを中心とする円環状である。環状部281は、第2接続部70の径方向外側を囲んでいる。環状部281は、第2接続部70に対して、中心軸AX回りに回転可能に取り付けられている。
【0071】
一対の延伸部282,283は、鉛直方向と交差する方向に延びている。本実施形態において一対の延伸部282,283は、鉛直方向と直交する水平方向に直線状に延びている。一対の延伸部282,283は、環状部281から径方向外側に延びている。延伸部282が環状部281から延びる向きと、延伸部283が環状部281から延びる向きとは、互いに逆向きである。つまり、本実施形態において一対の延伸部282,283は、互いに逆向きに延びている。延伸部282と延伸部283とは、鉛直方向と直交する同一直線状に配置されている。延伸部282の径方向外側の端部および延伸部283の径方向外側の端部は、本体部30よりも径方向外側に位置する。
【0072】
本実施形態において一対の延伸部282,283は、径方向外側に開口する円筒状である。延伸部282は、延伸部282の下側の壁部を貫通する貫通穴282bを有する。貫通穴282bは、延伸部282のうち径方向内側寄りの部分に設けられている。貫通穴282bは、下側に開口している。延伸部283は、延伸部283の下側の壁部を貫通する貫通穴283bを有する。貫通穴283bは、延伸部283のうち径方向内側寄りの部分に設けられている。貫通穴283bは、下側に開口している。
【0073】
延伸部282は、ケーブル52の一部を保持可能な保持部282aを有する。本実施形態において保持部282aは、延伸部282のうち貫通穴282bから径方向外側の端部までの部分である。保持部282aの径方向外側の端部は、本体部30よりも径方向外側に位置する。つまり、保持部282aの少なくとも一部は、鉛直方向に見て、本体部30よりも外側に位置する。本実施形態では、保持部282aのうち径方向外側部分が、鉛直方向に見て、本体部30よりも外側に位置する。保持部282aの径方向外側の端部は、径方向外側に開口している。
【0074】
保持部282aは、保持部282aの内部にケーブル52が通されることで、ケーブル52の一部を保持する。保持部282aには、他の無人飛行体210から延びるケーブル52の一部、または地上局20から延びるケーブル52の一部が保持されている。他の無人飛行体210から延びるケーブル52は、保持部282aの径方向外側の端部から保持部282aの内部に通され、貫通穴282bから保持部282aの外部に引き出されている。貫通穴282bから引き出されたケーブル52は、第2コネクタ部53bに接続されている。
【0075】
延伸部283は、ケーブル52の一部を保持可能な保持部283aを有する。本実施形態において保持部283aは、延伸部283のうち貫通穴283bから径方向外側の端部までの部分である。保持部283aの径方向外側の端部は、本体部30よりも径方向外側に位置する。つまり、保持部283aの少なくとも一部は、鉛直方向に見て、本体部30よりも外側に位置する。本実施形態では、保持部283aのうち径方向外側部分が、鉛直方向に見て、本体部30よりも外側に位置する。保持部283aの径方向外側の端部は、径方向外側に開口している。
【0076】
保持部283aは、保持部283aの内部にケーブル52が通されることで、ケーブル52の一部を保持する。保持部283aには、保持部283aが設けられた無人飛行体210から延びるケーブル52の一部が保持されている。保持部283aが設けられた無人飛行体210から延びるケーブル52は、貫通穴283bから保持部283aの内部に通されて、保持部283aの径方向外側の端部から保持部283aの外部に引き出されている。保持部283aの径方向外側の端部から引き出されたケーブル52は、他の無人飛行体210の第2コネクタ部53bに接続されている。
【0077】
ガイド部材280は、本体部30に対して、鉛直方向に延びる中心軸AX回りに回転可能である。そのため、環状部281および一対の延伸部282,283は、本体部30に対して、中心軸AX回りに回転可能である。本実施形態において環状部281および一対の延伸部282,283は、連結装置本体51に対しても、鉛直方向に延びる中心軸AX回りに回転可能である。
【0078】
無人飛行体210のその他の構成は、第1実施形態の無人飛行体10のその他の構成と同様である。なお、保持部282aの下側の壁部には、貫通穴282bから保持部282aの径方向外側の端部まで延びるスリットが設けられていてもよいし、保持部283aの下側の壁部には、貫通穴283bから保持部283aの径方向外側の端部まで延びるスリットが設けられていてもよい。この場合、当該スリットを広げて、ケーブル52の一部を当該スリットに下側から挿入することで、各保持部282a,283a内にケーブル52の一部を通して保持させることができる。
【0079】
本実施形態によれば、無人飛行体210は、鉛直方向と交差する方向に延びる延伸部282,283を備える。延伸部282,283は、ケーブル52の一部を保持可能な保持部282a,283aを有する。保持部282a,283aの少なくとも一部は、鉛直方向に見て、本体部30よりも外側に位置する。そのため、鉛直方向に見て本体部30よりも外側においてケーブル52を保持することができる。これにより、無人飛行体210が傾いて飛行するような場合などであっても、無人飛行体210に接続されるケーブル52または無人飛行体210から延びるケーブル52がプロペラ33bなどに絡まることを抑制できる。
【0080】
また、本実施形態によれば、延伸部は、延伸部282と延伸部283との一対設けられている。一対の延伸部282,283における保持部282a,283aは、互いに異なる連結装置250から延びるケーブル52の一部をそれぞれ保持する。本実施形態では、延伸部282,283が設けられた無人飛行体210に備えられた連結装置250から延びるケーブル52の一部が延伸部283によって保持され、他の無人飛行体210または地上局20に備えられた連結装置250から延びるケーブル52の一部が延伸部282によって保持される。そのため、無人飛行体210から延びるケーブル52と無人飛行体210に接続されるケーブル52との両方を、本体部30よりも外側で保持できる。これにより、無人飛行体210から延びるケーブル52と無人飛行体210に接続されるケーブル52との両方がプロペラ33bなどに絡まることを抑制できる。
【0081】
また、本実施形態によれば、一対の延伸部282,283は、互いに逆向きに延びている。そのため、延伸部282によって保持されるケーブル52と延伸部283によって保持されるケーブル52とが互いに絡まることを好適に抑制できる。
【0082】
また、本実施形態によれば、延伸部282,283は、本体部30に対して、鉛直方向に延びる中心軸AX回りに回転可能である。そのため、ケーブル52が延びる向きに応じて、延伸部282,283が延びる向きを本体部30に対して変化させることができる。これにより、複数の無人飛行体210同士の相対位置が変化してケーブル52が延びる向きが変わっても、ケーブル52を好適に保持できる。
【0083】
(第2実施形態の第1変形例)
図10は、本変形例の無人飛行体310を水平方向に見た図である。なお、以下の説明においては、上述した構成と同様の構成については、適宜同一の符号を付すなどにより説明を省略する場合がある。
【0084】
図10に示すように、本実施形態の無人飛行体310の連結装置350において、ガイド部材380は、一対の延伸部382,383を有する。延伸部382は、環状部281から径方向外側に延びる第1直線部382cと、第1直線部382cの径方向外側の端部から径方向外側斜め下方に延びる第2直線部382dと、を有する。第1直線部382cには、貫通穴282bが設けられている。本変形例において第2直線部382dは、鉛直方向において本体部30から離れる向きに延びる部分である。第2直線部382dの径方向外側の端部は、開口している。本変形例において延伸部382の保持部382aは、第1直線部382cのうち貫通穴282bよりも径方向外側に位置する部分と、第2直線部382dの全体とによって構成されている。保持部382aには、上述した保持部282aと同様にしてケーブル52が保持されている。
【0085】
延伸部383は、環状部281から径方向外側に延びる第1直線部383cと、第1直線部383cの径方向外側の端部から径方向外側斜め下方に延びる第2直線部383dと、を有する。第1直線部383cには、貫通穴283bが設けられている。本変形例において第2直線部383dは、鉛直方向において本体部30から離れる向きに延びる部分である。第2直線部383dの径方向外側の端部は、開口している。本変形例において延伸部383の保持部383aは、第1直線部383cのうち貫通穴283bよりも径方向外側に位置する部分と、第2直線部383dの全体とによって構成されている。保持部383aには、上述した保持部283aと同様にしてケーブル52が保持されている。
【0086】
ガイド部材380のその他の構成は、上述したガイド部材280のその他の構成と同様である。無人飛行体310のその他の構成は、上述した無人飛行体210のその他の構成と同様である。
【0087】
本変形例によれば、保持部382a,383aは、鉛直方向において本体部30から離れる向きに延びる部分として第2直線部382d,383dを有する。そのため、保持部382a,383aを本体部30から鉛直方向に好適に離した位置でケーブル52を保持することができる。これにより、ケーブル52が本体部30のプロペラ33bなどに絡まることをより抑制できる。
【0088】
(第2実施形態の第2変形例)
図11は、本変形例の無人飛行体410の一部を水平方向に見た図である。なお、以下の説明においては、上述した構成と同様の構成については、適宜同一の符号を付すなどにより説明を省略する場合がある。
【0089】
図11に示すように、本実施形態の無人飛行体410の連結装置450において、ガイド部材480は、延伸部482を有する。延伸部482は、棒状部482eと、保持部482fと、を有する。棒状部482eは、環状部281から径方向外側に延びる棒状の部分である。保持部482fは、棒状部482eから下側に突出している。本変形例において保持部482fは、径方向に貫通する穴を有する環状である。保持部482fは、保持部482fの内側にケーブル52が通されることで、ケーブル52の一部を保持する。
【0090】
本変形例において保持部482fは、棒状部482eが延びる方向に沿って間隔を空けて複数設けられている。図11の例では、保持部482fは、5つ設けられている。5つの保持部482fのうち径方向外側に配置された2つ保持部482fは、鉛直方向に見て、本体部30よりも外側に位置する。
【0091】
図示は省略するが、ガイド部材480は、上述したガイド部材280,380と同様に、延伸部482と逆向きに延びる延伸部を有する。当該延伸部は、延びる向きが異なる点を除いて延伸部482と同様の構成である。ガイド部材480のその他の構成は、上述したガイド部材280のその他の構成と同様である。無人飛行体410のその他の構成は、上述した無人飛行体210のその他の構成と同様である。
【0092】
以上に本発明における実施の形態について説明したが、本発明は上述した各実施形態の構成のみに限定されず、以下の構成および方法を採用することもできる。
【0093】
連結装置に設けられるケーブルの第1コネクタ部は、他の無人飛行体に電気的に、かつ、着脱可能に接続可能であれば、どのように接続されてもよい。第1コネクタ部は、他の無人飛行体の本体部に接続されてもよい。この場合、連結装置に第2コネクタ部は設けられなくてもよい。ケーブルは、どのような用途に用いられるケーブルであってもよい。ケーブルは、制御信号を送るためのケーブルであってもよいし、電力と制御信号との両方を送るためのケーブルであってもよい。
【0094】
巻き取り部は、ケーブルを巻き取り可能であれば、どのような構成であってもよい。巻き取り部に対してケーブルを巻き取る向きに中心軸回りの力を加える弾性部材は、どのような種類の弾性部材であってもよい。弾性部材は、ねじりコイルばねなどであってもよい。巻き取り部が回転する場合、巻き取り部の回転を止める回転止め機構が設けられてもよい。この場合、回転止め機構は、例えば、無人飛行体の制御部からの信号によって、巻き取り部の回転を阻止する状態と、巻き取り部の回転を許容する状態と、に切り替えられる。回転止め機構は、例えば、巻き取り部に巻き回された状態のケーブルまたは巻き取り部自体を外側から押さえる押さえ部を有することで、巻き取り部の回転を止めてもよい。巻き取り部において、所定の中心軸は、鉛直方向に延びる軸に限られず、どのような方向に延びる軸であってもよい。つまり、巻き取り部は、ケーブルを、どのような方向に延びる中心軸回りに巻き取り可能であってもよい。所定の中心軸は、鉛直方向と直交する水平方向に延びる軸であってもよいし、鉛直方向および水平方向の両方と交差する方向に延びる軸であってもよい。
【0095】
巻き取り部と第2コネクタ部とを相対回転可能に接続する構造および方法は、特に限定されない。上述した実施形態における第1接続部60の構造は、被連結部53と巻き取り部54とを互いに相対回転可能に接続できるならば、特に限定されない。上述した実施形態における第2接続部70の構造は、巻き取り部54と本体部30とを互いに相対回転可能に接続できるならば、特に限定されない。
【0096】
延伸部は、鉛直方向と交差する方向に延びるならば、どのような方向に延びてもよい。延伸部は、1つの無人飛行体に対して、1つのみ設けられてもよいし、3つ以上設けられてもよい。延伸部は、連結装置に設けられてもよいし、無人飛行体の本体部に設けられてもよい。上述した第2実施形態において、延伸部282,283が本体部30に対して相対回転する際の回転軸は、巻き取り部54が回転する際の回転軸である中心軸AXと一致する構成としたが、これに限られない。延伸部が無人飛行体の本体部に対して相対回転する際の回転軸と巻き取り部が回転する際の回転軸とは、互いに異なっていてもよい。例えば、上述した第2実施形態において延伸部282,283を有するガイド部材280は、本体部30に対して鉛直方向に延びる軸回りに取り付けられてもよい。
【0097】
照明システムにおいて、照明装置は、複数の無人飛行体の少なくとも一つに設けられていればよい。つまり、照明システムを構成する複数の無人飛行体は、照明装置を有しない無人飛行体を含んでいてもよい。この場合、照明装置を有しない無人飛行体は、撮像装置やセンサを有してもよい。この場合、当該センサの種類は、特に限定されない。無人飛行体に搭載される照明装置は、どのような種類の照明装置であってもよいし、1つの無人飛行体に対していくつ設けられてもよい。無人飛行体は、照明装置に代えて、または照明装置に加えて、撮像装置やセンサを搭載していてもよい。
【0098】
本発明が適用される無人飛行体は、どのような種類の無人飛行体であってもよい。無人飛行体の本体部は、連結装置本体が着脱可能に取り付けられるならば、どのような構成であってもよい。複数の無人飛行体は、照明システム以外のシステムに適用されてもよい。複数の無人飛行体は、例えば、対象物の観測を行う観測システムに適用されてもよい。この場合、複数の無人飛行体の少なくとも一つは、撮像装置を有する。
【0099】
以上、本明細書において説明した各構成および各方法は、相互に矛盾しない範囲内において、適宜組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0100】
10,110,210,310,410…無人飛行体、30…本体部、40…照明装置、50A,50B,150,250,350,450…連結装置、51,151…連結装置本体、52…ケーブル、52b…第1コネクタ部、53b…第2コネクタ部、54…巻き取り部、76…弾性部材、100…照明システム、176…モータ部、282,283,382,383,482…延伸部、282a,283a,382a,383a,482f…保持部、AX…中心軸
図1
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図11