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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023103676
(43)【公開日】2023-07-27
(54)【発明の名称】情報システム及びサーバ
(51)【国際特許分類】
   G08B 25/00 20060101AFI20230720BHJP
   G08B 21/10 20060101ALI20230720BHJP
   G05D 1/12 20060101ALI20230720BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALN20230720BHJP
【FI】
G08B25/00 510M
G08B21/10
G05D1/12 Z
H04Q9/00 301B
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022004330
(22)【出願日】2022-01-14
(71)【出願人】
【識別番号】318015781
【氏名又は名称】ジャパン・イーエム・ソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉田 寛
(72)【発明者】
【氏名】日置 健二
(72)【発明者】
【氏名】谷澤 章範
【テーマコード(参考)】
5C086
5C087
5H301
5K048
【Fターム(参考)】
5C086AA14
5C086AA15
5C086AA22
5C086BA24
5C086CA06
5C086CA25
5C086CB36
5C086DA08
5C086FA18
5C087AA02
5C087AA03
5C087AA19
5C087AA25
5C087BB18
5C087BB73
5C087BB74
5C087DD02
5C087DD03
5C087DD17
5C087EE07
5C087FF01
5C087FF02
5C087FF04
5C087FF23
5C087GG02
5C087GG08
5C087GG82
5H301AA06
5H301BB10
5H301CC04
5H301CC07
5H301CC10
5H301DD15
5K048BA45
5K048BA48
5K048EB02
5K048EB15
5K048FB15
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ユーザの行動範囲における災害状況をユーザに通知できる情報システム及びサーバを提供する。
【解決手段】情報システムは、サーバ2とドローン3を含む。サーバ2は、ユーザが携帯するスマートフォン1から受信したユーザの移動ルートを示す情報と、移動ルートを含む所定範囲内における災害発生予想地点を示す情報と、を記憶する記憶部を備える。ドローンは、移動ルートを含む地域に対する災害情報の通知を受信したスマートフォンからの発進要求に応じて、サーバの記憶部を参照して、災害発生予想地点へ飛行する飛行部と、災害発生予想地点に到着すると、災害発生予想地点の撮影を実行する撮影部と、撮影部が撮影した地点画像をスマートフォンに送信する画像送信部と、を備える。スマートフォンは、撮影された地点画像に付加された位置情報を基に、撮影場所を示す符号を付した地図を表示すると共に、サーバ2からの避難指示を表示する。
【選択図】図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバと飛行体とを含む情報システムであって、
前記サーバは、
ユーザによって携帯される携帯端末から受信した前記ユーザの移動ルートを示す情報と、前記移動ルートを含む所定範囲内における災害発生予想地点を示す情報と、を記憶する記憶部を備え、
前記飛行体は、
前記移動ルートを含む地域に対する災害情報の通知を受信した前記携帯端末からの発進要求に応じて、前記サーバの記憶部を参照して、前記災害発生予想地点へ飛行する飛行部と、
前記災害発生予想地点に到着すると、前記災害発生予想地点の撮影を実行する撮影部と、
前記撮影部によって撮影された地点画像を前記携帯端末に送信する画像送信部と、を備える、
情報システム。
【請求項2】
前記飛行体の前記画像送信部は、前記地点画像を前記サーバにさらに送信し、
前記サーバは、
前記災害発生予想地点の災害発生前に撮影された災害前画像をさらに前記記憶部に記憶し、
前記災害前画像と前記地点画像との差分を算出する算出部、をさらに備える、
請求項1に記載の情報システム。
【請求項3】
前記サーバの前記算出部は、前記差分が閾値以上である場合に、前記携帯端末に対して避難指示を送信する、
請求項2に記載の情報システム。
【請求項4】
前記飛行体の撮影部は、前記地点画像を撮影した位置を示す位置情報を前記地点画像に付加し、
前記携帯端末は、前記地点画像に付加された前記位置情報を基に、前記地点画像が撮影された場所を示す符号を付した地図を前記携帯端末の表示部に表示させる、
請求項1から3のいずれか一項に記載の情報システム。
【請求項5】
前記飛行体の前記飛行部は、前記発進要求を受信すると、前記災害発生予想地点への飛行を所定間隔で繰り返し実行する、
請求項1から4のいずれか一項に記載の情報システム。
【請求項6】
前記発進要求は、前記携帯端末の現在位置を含み、
前記飛行体は、前記災害発生予想地点が複数ある場合には、複数の前記災害発生予想地点のうち最初に向かう災害発生予想地点を前記現在位置に最も近い災害発生予想地点とする、
請求項1から5のいずれか一項に記載の情報システム。
【請求項7】
ユーザによって携帯される携帯端末から受信した前記ユーザの移動ルートを示す情報と、前記移動ルートを含む所定範囲内における災害発生予想地点を示す情報と、前記災害発生予想地点の災害発生前に撮影された災害前画像と、を記憶する記憶部と、
前記移動ルートを含む地域に対する災害情報の通知を受信した前記携帯端末から送信された発進要求に応じて発進した飛行体によって撮影された前記災害発生予想地点の地点画像を受信すると、前記災害前画像と前記地点画像との差分を算出する算出部と、を備える

サーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報システム及びサーバに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ゲリラ豪雨等による河川の氾濫や、土石流及び地滑り等の土砂災害等の災害が増加している。このような場合に、ドローン等の飛行体によって災害の発生現場を監視する技術が提案されている(特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-147424号公報
【特許文献2】特開2018-181285号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来使用されている自然災害の監視システムは、地域等の広いエリアを対象とするものであり、自宅周辺の局所的なエリアを監視したり、特定の人物の行動範囲を監視したりするものではない。そのため、災害発生箇所の状況を目視で確認するために外出したり、災害から避難したりする際に被災して、怪我をしたり命を落としたりする人が発生していた。
【0005】
開示の技術の1つの側面は、ユーザの行動範囲における災害状況をユーザに通知できる情報システム及びサーバを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
開示の技術の1つの側面は、次のような情報システムによって例示される。本情報システムは、サーバと飛行体とを含む情報システムである。上記サーバは、ユーザによって携帯される携帯端末から受信した上記ユーザの移動ルートを示す情報と、上記移動ルートを含む所定範囲内における災害発生予想地点を示す情報と、を記憶する記憶部を備える。上記飛行体は、上記移動ルートを含む地域に対する災害情報の通知を受信した上記携帯端末からの発進要求に応じて、上記サーバの記憶部を参照して、上記災害発生予想地点へ飛行する飛行部と、上記災害発生予想地点に到着すると、上記災害発生予想地点の撮影を実行する撮影部と、上記撮影部によって撮影された地点画像を上記携帯端末に送信する画像送信部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
開示の技術によれば、ユーザの行動範囲における災害状況をユーザに通知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る見守りシステムの一例を示す図である。
図2図2は、スマートフォンの一例を示す図である。
図3図3は、ドローンの一例を示す図である。
図4図4は、サーバのハードウェア構成の一例を示す図である。
図5図5は、スマートフォンのハードウェア構成の一例を示す図である。
図6図6は、ドローンのハードウェア構成の一例を示す図である。
図7図7は、サーバの処理ブロックの一例を示す図である。
図8図8は、管理データベースに記憶される移動ルート管理テーブルの一例を示す図である。
図9図9は、管理データベースに記憶される災害発生予想地点管理テーブルの一例を示す図である。
図10図10は、ドローンの処理ブロックの一例を示す図である。
図11図11は、スマートフォンの処理ブロックの一例を示す図である。
図12図12は、実施形態に係る見守りシステムの処理シーケンスの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<実施形態>
以下に示す実施形態の構成は例示であり、開示の技術は実施形態の構成に限定されない。実施形態に係る情報システムは、例えば、以下の構成を備える。本実施形態に係る情報システムは、サーバと飛行体とを含む情報システムである。上記サーバは、ユーザによって携帯される携帯端末から受信した上記ユーザの移動ルートを示す情報と、上記移動ルートを含む所定範囲内における災害発生予想地点を示す情報と、を記憶する記憶部を備える。上記飛行体は、上記移動ルートを含む地域に対する災害情報の通知を受信した上記携帯端末からの発進要求に応じて、上記サーバの記憶部を参照して、上記災害発生予想地点へ飛行する飛行部と、上記災害発生予想地点に到着すると、上記災害発生予想地点の撮影を実行する撮影部と、上記撮影部によって撮影された地点画像を上記携帯端末に送信する画像送信部と、を備える。
【0010】
上記情報システムでは、ユーザによって携帯される携帯端末から受信したユーザの移動ルートと、当該移動ルートから所定範囲内における災害発生予想地点がサーバの記憶部に記憶される。災害発生予想地点は、例えば、過去に地滑りや河川の氾濫、浸水等の災害が発生したことがある地点を挙げることができる。また、災害発生予想地点は、例えば、地質調査等の結果で災害の発生が警戒される地点であってもよい。
【0011】
そして、飛行体は、移動ルートを含む地域に対する災害情報の通知を受信した上記携帯端末からの発進要求に応じて、上記サーバの記憶部を参照して災害発生予想地点へ飛行し、災害発生予想地点の撮影を行う。ここで、「携帯端末からの発進要求に応じて」とは、飛行体が携帯端末からの発進要求を受信して発進すること、及び、サーバが携帯端末からの発進要求を受信し、発進要求を受信したサーバからの指示によって飛行体が発進することを含む。
【0012】
そして、飛行体は、撮影した災害発生予想地点の地点画像を携帯端末に送信する。そのため、本情報システムは、ユーザの移動ルートを含む所定範囲内に存在する災害発生予想地点における災害状況をユーザに通知することができる。
【0013】
以下、図面を参照して上記情報システムを災害状況通知システムに適用した実施形態についてさらに説明する。図1は、実施形態に係る見守りシステム500の一例を示す図である。見守りシステム500は、スマートフォン1、サーバ2、ドローン3及び無線通信ネットワークN1を備える。スマートフォン1、サーバ2及びドローン3は、無線通信ネットワークN1を介して相互に通信可能である。
【0014】
スマートフォン1は、ユーザによって携帯される可搬型の情報処理装置である。図2は、スマートフォン1の一例を示す図である。図2では、スマートフォン1の前面側の外観が例示される。スマートフォン1では、スピーカー111、マイクロフォン112、ディスプレイ113及びカメラ114が筐体110の前面に設けられる。スマートフォン1は、例えば、Global Positioning System(GPS)等を用いて
ユーザの移動ルートを取得する。そして、スマートフォン1は、取得した移動ルートを無線通信ネットワークN1を介してサーバ2に送信する。スマートフォン1は、「携帯端末」の一例である。
【0015】
サーバ2は、情報処理装置である。サーバ2は、スマートフォン1から受信した現在地情報を基に決定された移動ルートを示す情報を記憶部に記憶する。また、サーバ2は、災害の発生が予想される災害発生予想地点のうち、ユーザの移動ルートから所定範囲内における監視対象地点を示す情報を記憶部に記憶する。
【0016】
ドローン3は、無人で飛行する航空機である。図3は、ドローン3の一例を示す図である。ドローン3は、本体310、本体310に腕部330、330を介して結合されたプロペラ320,320を備える。ドローン3は、プロペラ320,320を回転させることで飛行可能な飛行体である。また、ドローン300は、着陸時には脚部340、340によって支持される。なお、ドローン3は、3つ以上のプロペラを備えたマルチコプターであってもよい。
【0017】
ドローン3は、スマートフォン1からの発進要求を受信すると、サーバ2の記憶部を参照して監視対象地点へ飛行する。監視対象地点へ飛行したドローン3は、監視対象地点の撮影を行い、撮影された画像を無線通信ネットワークN1を介してスマートフォン1へと送信する。ドローン3は、「飛行体」の一例である。
【0018】
無線通信ネットワークN1は、情報処理装置を相互に通信可能に接続するネットワークである。無線通信ネットワークN1としては、携帯電話の通信回線、インターネット、無線Local Area Network(LAN)等を挙げることができる。
【0019】
<ハードウェア構成>
図4は、サーバ2のハードウェア構成の一例を示す図である。サーバ2は、Central Processing Unit(CPU)201、主記憶部202、補助記憶部203及び通信部204を備える。CPU201、主記憶部202、補助記憶部203及び通信部204は、接続バスB1によって相互に接続される。
【0020】
CPU201は、マイクロプロセッサーユニット(MPU)、プロセッサーとも呼ばれる。CPU201は、単一のプロセッサーに限定される訳ではなく、マルチプロセッサー構成であってもよい。また、単一のソケットで接続される単一のCPU201がマルチコア構成を有していてもよい。CPU201が実行する処理のうち少なくとも一部は、CPU201以外のプロセッサー、例えば、Digital Signal Processor(DSP)、Graphics Processing Unit(GPU)、数値演算プロセッサー、ベクトルプロセッサー、画像処理プロセッサー等の専用プロセッサーで行われてもよい。また、CPU201が実行する処理のうち少なくとも一部は、集積回路(IC)、その他のデジタル回路によって実行されてもよい。また、CPU201の少なくとも一部にアナログ回路が含まれてもよい。集積回路は、Large Scale Integrated circuit(LSI)、Application Specific Integrated Circuit(ASIC)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)を含む。PLDは、例えば、Field-Programmable Gate Array(FPGA)を含む。CPU201は、プロセッサーと集積回路との組み合わせであってもよい。組み合わせは、例えば、マイクロコントローラーユニット(MCU)、System-on-a-chip(SoC)、システムLSI、チップセットなどと呼ばれる。サーバ2では、CPU201が補助記憶部203に記憶されたプログラムを主記憶部202の作業領域に展開し、プログラムの実行を通じて周辺装置の制御を行う。これにより、サーバ2は、所定の目的に合致した処理を実行することができ
る。主記憶部202及び補助記憶部203は、CPU201が読み取り可能な記録媒体である。
【0021】
主記憶部202は、CPU201から直接アクセスされる記憶部として例示される。主記憶部202は、Random Access Memory(RAM)及びRead Only Memory(ROM)を含む。
【0022】
補助記憶部203は、各種のプログラム及び各種のデータを読み書き自在に記録媒体に格納する。補助記憶部203は外部記憶装置とも呼ばれる。補助記憶部203には、オペレーティングシステム(Operating System、OS)、各種プログラム、各種テーブル等が格納される。OSは、通信部204を介して接続される外部装置等とのデータの受け渡しを行う通信インターフェースプログラムを含む。外部装置等には、例えば、コンピューターネットワーク等で接続された、他の情報処理装置及び外部記憶装置が含まれる。なお、補助記憶部203は、例えば、ネットワーク上のコンピューター群であるクラウドシステムの一部であってもよい。
【0023】
補助記憶部203は、例えば、Erasable Programmable ROM(EPROM)、ソリッドステートドライブ(Solid State Drive、SSD)、ハードディスクドライブ(Hard Disk Drive、HDD)等である。また、補助記憶部203は、例えば、Compact Disc(CD)ドライブ装置、Digital Versatile Disc(DVD)ドライブ装置、Blu-ray(登録商標) Disc(BD)ドライブ装置等である。また、補助記憶部203は、Network Attached Storage(NAS)あるいはStorage Area Network(SAN)によって提供されてもよい。
【0024】
通信部204は、例えば、無線通信ネットワークN1とのインターフェースである。通信部104は、無線通信ネットワークN1を介して外部の装置と通信を行う。
【0025】
図5は、スマートフォン1のハードウェア構成の一例を示す図である。サーバ2と同一の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。スマートフォン1では、CPU201、主記憶部202、補助記憶部203、通信部204、位置取得部105、スピーカー111、マイクロフォン112、ディスプレイ113及びカメラ114が接続バスB1に接続される。
【0026】
位置取得部105は、スマートフォン1の現在位置を取得する。位置取得部105は、例えば、GPSを利用してスマートフォン1の現在位置を取得する。また、位置取得部105は、通信部204が無線通信を行う基地局との相対的な位置関係を現在位置の取得に利用してもよい。スマートフォン1は、ユーザによって携帯される装置であることから、位置取得部105はユーザの現在位置を取得するということもできる。
【0027】
スピーカー111は、音を出力する音源である。スピーカー111は、スマートフォン1を用いた通話において、通話相手の音声等の音を出力する。マイクロフォン112は、通話や動画の音声取得に用いられるマイクロフォンである。
【0028】
ディスプレイ113は、CPU201で処理されるデータや主記憶部202に記憶されるデータを表示する。ディスプレイ113は、例えば、Liquid Crystal Display(LCD)、Plasma Display Panel(PDP)、無機Electroluminescence(EL)パネル、有機ELパネルである。ディスプレイ113には、例えば、ユーザの指等によるタッチ操作を検知するタッチパネルが重畳して設けられてもよい。スマートフォン1は、ディスプレイ113にタッチパネル
が重畳して設けられることで、直感的な操作環境をユーザに提供することができる。
【0029】
カメラ114は、Charge Coupled Device(CCD)イメージセンサーやComplementary Metal Oxide Semiconductor(CMOS)イメージセンサーを有するデジタルカメラである。カメラ114は、静止画像及び動画像を撮影可能である。
【0030】
図6は、ドローン3のハードウェア構成の一例を示す図である。サーバ2及びスマートフォン1と同一の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。ドローン3では、CPU201、主記憶部202、補助記憶部203、通信部204、位置取得部105、カメラ114及び駆動部301が接続バスB1に接続される。
【0031】
駆動部301は、プロペラ320の駆動するモータである。駆動部301は、プロペラ320を駆動することでドローン3を飛行(移動)させる。また、駆動部301は、プロペラ320を駆動することで、ドローン3を空中の所望の場所に停止(ホバリング)させてもよい。
【0032】
<サーバ2の処理ブロック>
図7は、サーバ2の処理ブロックの一例を示す図である。サーバ2は、移動ルート取得部21、災害発生予想地点管理部22、監視対象地点決定部23、差分算出部24、避難指示部25及び管理データベース26を備える。サーバ2は、主記憶部202に実行可能に展開されたコンピュータープログラムをCPU201が実行することで、上記サーバ2の、移動ルート取得部21、災害発生予想地点管理部22、監視対象地点決定部23、差分算出部24、避難指示部25及び管理データベース26等の各部としての処理を実行する。
【0033】
管理データベース26は、ユーザの移動ルート、災害発生予想地点の場所を示す情報、災害発生予想地点において災害発生前に撮影された災害前画像を記憶するデータベースである。管理データベース26は、例えば、サーバ2の補助記憶部203に記憶される。
【0034】
図8は、管理データベース26に記憶される移動ルート管理テーブル261の一例を示す図である。移動ルート管理テーブル261は、スマートフォン1が検出した現在位置の履歴が格納されるテーブルである。移動ルート管理テーブル261は、「日時」及び「位置」の各項目を含む。
【0035】
「日時」には、スマートフォン1によって位置が検出された日時を示す情報が格納される。図8の例では、「日時」には、年4桁、月2桁、日2桁、時2桁、分2桁、で日時が格納される。「位置」には、スマートフォン1によって検出された位置を示す情報が格納される。位置を示す情報は、例えば、緯度及び経度であってもよい。移動ルート管理テーブル261には、スマートフォン1によって検出された位置が時系列に並んで格納される。移動ルート管理テーブル261では、位置が時系列に並んで格納されることで、ユーザの移動ルートが管理される。
【0036】
図9は、管理データベース26に記憶される災害発生予想地点管理テーブル262の一例を示す図である。災害発生予想地点管理テーブル262は、過去に災害が発生した地点や災害の発生が予想される地点が管理される。災害発生予想地点管理テーブル262は、「予想地点」、「災害種別」、「避難場所」及び「災害前画像」の各項目を含む。
【0037】
「予想地点」には、災害発生予想地点の位置を示す情報が格納される。「災害種別」には、予想地点において発生が予想される災害の種別を示す情報が格納される。「避難場所
」には、予想地点及び災害種別に対応付けられた避難場所を示す情報が格納される。格納される避難場所は複数個所であってもよい。災害の種別を示す情報としては、例えば、土砂災害、津波、河川氾濫等を挙げることができる。「災害前画像」には、災害が発生する前において災害発生予想地点を撮影した画像データを示す情報が格納される。画像データを示す情報は、例えば、画像データのパス名やUniform Resource Identifier(URI)等によって例示される画像データの所在を示す情報であってもよい。また、画像データを示す情報は、例えば、画像データそのものであってもよい。
【0038】
図7に戻り、移動ルート取得部21は、スマートフォン1から随時送信されるスマートフォン1の現在位置と当該現在位置を検出した日時を含む現在位置情報を取得する。移動ルート取得部21は、取得したスマートフォン1の現在位置情報を移動ルート管理テーブル261に格納する。移動ルート取得部21は、例えば、移動ルート管理テーブル261に格納された位置の履歴に基づいて、スマートフォン1のユーザの移動ルートを決定する。
【0039】
災害発生予想地点管理部22は、行政機関や気象会社等のサーバから災害発生予想地点の位置を示す情報と発生が予想される災害の災害種別を取得する。災害発生予想地点管理部22は、取得した災害発生予想地点の位置を示す情報及び災害種別の夫々を、災害発生予想地点管理テーブル262の「予想地点」及び「災害種別」に格納する。また、災害発生予想地点管理部22は、行政機関や気象会社等のサーバから、災害前に災害発生予想地点を撮影した災害前画像を取得してもよい。
【0040】
また、災害発生予想地点管理部22は、災害発生予想地点管理テーブル262に格納した災害発生予想地点の夫々にドローン3を飛行させて災害前画像を撮影させ、撮影させた災害前画像を取得してもよい。災害発生予想地点管理部22は、取得した災害前画像を示す情報を、災害発生予想地点管理テーブル262の「災害前画像」に格納する。
【0041】
監視対象地点決定部23は、災害発生予想地点管理テーブル262を参照して、移動ルート取得部21によって決定された移動ルートから所定距離の範囲内(所定範囲内)に存在する災害発生予想地点を選択し、監視対象地点として決定する。ここで、「所定距離」は、災害発生予想地点で災害が発生した場合に、当該災害がユーザの移動ルートにおけるユーザの移動を阻害するか否かに基づいて適宜決定される。監視対象地点決定部23は、決定した監視対象地点を補助記憶部203に記憶させる。また、監視対象地点決定部23は、ドローン3から監視対象地点の照会を受けると、補助記憶部203に記憶させた監視対象地点をドローン3に回答する。監視対象地点は、「移動ルートを含む所定範囲内における災害発生予想地点」の一例である。
【0042】
差分算出部24は、スマートフォン1からの発進要求に応じて災害発生予想地点へ飛行したドローン3から災害発生予想地点を撮影した災害発生予想地点画像を取得する。差分算出部24は、取得した災害発生予想地点画像と、災害発生予想地点管理テーブル262において当該災害発生予想地点画像が撮影された災害発生予想地点に対応付けられた災害前画像との差分を算出する。差分の算出には、公知の様々な方法を適用することができる。差分算出部24は、さらに、算出された差分が大きいほどユーザの移動ルートに対するリスクが高いと判定してもよい。なお、リスクが高い、とは、差分算出部24によって算出されたリスクを示すリスク値が所定の閾値以上となる場合を挙げることができる。
【0043】
避難指示部25は、差分算出部24によってリスクが高いと判定された場合に、避難指示をスマートフォン1に送信する。避難指示部25は、例えば、災害発生予想地点管理テーブル262を参照して、リスクが高いと判定された災害発生予想地点に対応付けられた避難場所の位置情報を含む避難指示をスマートフォン1に送信する。避難指示部25は、
例えば、リスクが高いと判定された災害発生予想地点に対応付けられた避難場所が複数ある場合には、ユーザの移動ルートから最も近い避難場所を示す情報を避難指示に含めてもよい。
【0044】
<ドローン3の処理ブロック>
図10は、ドローン3の処理ブロックの一例を示す図である。ドローン3は、飛行部31、撮影部32及び画像送信部33を備える。ドローン3は、主記憶部202に実行可能に展開されたコンピュータープログラムをCPU201が実行することで、上記ドローン3の、飛行部31、撮影部32及び画像送信部33等の各部としての処理を実行する。
【0045】
飛行部31は、スマートフォン1から発進要求を受信すると、サーバ2の補助記憶部203から監視対象地点を取得する。飛行部31は、例えば、駆動部301によってプロペラ320を駆動させ、位置取得部105によって取得された現在位置と監視対象地点との相対的な位置関係を基に、取得した監視対象地点に向けてドローン3を飛行させる。飛行部31は、監視対象地点が複数ある場合には、当該複数の監視対象地点を巡回するようにドローン3を飛行させてもよい。
【0046】
撮影部32は、監視対象地点の上空からカメラ114に監視対象地点を撮影させる。撮影部32は、例えば、位置取得部105によって取得された現在位置が監視対象地点を示す場合に、カメラ114に撮影を実行させる。撮影部32は、例えば、撮影した場所を示す位置情報を監視対象地点画像に付加してもよい。付加される位置情報は、例えば、監視対象地点画像のExchangeable image file format(Exif)情報に含まれてもよい。そして、撮影部32によって撮影された監視対象地点画像は、画像送信部33によってスマートフォン1及びサーバ2に対して送信される。なお、撮影部32による撮影は、動画によるものであっても画像によるものであってもよい。
【0047】
<スマートフォン1の処理ブロック>
図11は、スマートフォン1の処理ブロックの一例を示す図である。スマートフォン1は、発進要求部11、避難指示表示部12及び地図表示部13を備える。スマートフォン1は、主記憶部202に実行可能に展開されたコンピュータープログラムをCPU201が実行することで、上記スマートフォン1の、発進要求部11、避難指示表示部12及び地図表示部13等の各部としての処理を実行する。
【0048】
発進要求部11は、位置取得部105によって取得された現在位置を含む地域に対する災害情報の通知を受信すると、ドローン3に対して発進要求を送信する。発進要求は、例えば、位置取得部105によって取得されたスマートフォン1の現在位置を示す情報を含んでもよい。
【0049】
避難指示表示部12は、サーバ2から避難指示を受信すると、受信した避難指示をスマートフォン1のディスプレイ113に表示させる。
【0050】
地図表示部13は、ドローン3から受信した監視対象地点画像に付加された位置情報を基に、監視対象地点画像が撮影された場所を示す符号を付した地図をスマートフォン1のディスプレイ113に表示させる。
【0051】
現在位置送信部14は、スマートフォン1の現在位置(換言すれば、スマートフォン1を所持するユーザの現在位置)を所定間隔で位置取得部105によって取得し、取得した現在位置と当該現在位置を取得した日時とを含む現在位置情報をサーバ2に送信する。
【0052】
<見守りシステム500の処理シーケンス>
図12は、実施形態に係る見守りシステム500の処理シーケンスの一例を示す図である。図12の処理は、例えば、スマートフォン1の現在位置送信部14によって送信された現在位置情報を基に、サーバ2の移動ルート取得部21によってユーザの移動ルートが決定された後に実行される。以下、図12を参照して、見守りシステム500の処理シーケンスの一例について説明する。
【0053】
T1では、スマートフォン1の発進要求部11は、現在位置を含む地域に対する災害情報の通知を受信すると、ドローン3に対して発進要求を送信する。T2では、T1で発進要求を受信したドローン3の飛行部31は、サーバ2に災害発生予想地点の照会を行う。T3では、サーバ2の監視対象地点決定部23は、T2で受信した照会に対する応答として、補助記憶部203に記憶された監視対象地点をドローン3に回答する。
【0054】
T4では、ドローン3の飛行部31は、T3で取得した監視対象地点に向けてドローン3を飛行させる。T5では、監視対象地点の上空に到着したドローン3の撮影部32は、監視対象地点の撮影を行う。T6では、画像送信部33は、T5で撮影した監視対象地点画像をスマートフォン1に送信する。T7では、画像送信部33は、T5で撮影した監視対象地点画像をサーバ2に送信する。
【0055】
T8では、スマートフォン1の地図表示部13は、T6で受信した監視対象地点画像に付加された位置情報を基に、監視対象地点画像が撮影された場所を示す符号を付した地図をスマートフォン1のディスプレイ113に表示させる。
【0056】
T9では、サーバ2の差分算出部24は、T7で受信した監視対象地点画像と、災害発生予想地点管理テーブル262において災害前画像とを比較し、その差分を算出する。差分算出部24は、さらに、算出した差分を基にリスクの高低を判定してもよい。T10では、避難指示部25は、T9においてリスクが高いと判定された場合、避難指示をスマートフォン1に対して送信する。T11では、スマートフォン1の避難指示表示部12は、T10で受信した避難指示をスマートフォン1のディスプレイ113に表示させる。
【0057】
<実施形態の作用効果>
本実施形態では、サーバ2の移動ルート取得部21が、スマートフォン1から受信した現在位置と当該現在位置が検出された日時とを基に、スマートフォン1のユーザの移動ルートを移動ルート管理テーブル261で管理することができる。そして、サーバ2の監視対象地点決定部23は、災害発生予想地点管理部22によって取得された災害発生予想地点のうち、移動ルート取得部21によって決定された移動ルートから所定範囲内に存在する災害発生予想地点を監視対象地点として決定する。そして、ドローン3は、スマートフォン1から発進要求を受信すると、監視対象地点へ向けて飛行し、監視対象地点を撮影する。ドローン3は、撮影した監視対象地点の地点画像をスマートフォン1に送信する。本実施形態は、このような構成により、ユーザの移動ルートを含む所定範囲内に存在する監視対象地点における災害状況をユーザに通知することができる。
【0058】
また、本実施形態では、サーバ2の災害発生予想地点管理テーブル262には、災害発生予想地点の夫々について、災害発生前に撮影された災害前画像が格納される。そして、サーバ2の差分算出部24は、災害発生予想地点管理テーブル262に格納された災害前画像と発進要求を受信して発進したドローン3によって撮影された地点画像とを用いて、これらの画像の差分を算出し、算出した差分を基に、ユーザの移動ルートに対するリスクが高低を判定することができる。また、サーバ2の避難指示部25は、差分算出部24によってリスクが高いと判定された場合には、スマートフォン1に対して避難指示を送信する。そのため、本実施形態によれば、移動ルートに対するリスクが高い場合にユーザに避難を促すことができる。
【0059】
また、本実施形態では、ドローン3は、監視対象地点の位置を示す位置情報を付した地点画像をスマートフォン1に送信することができる。そして、位置情報が付された地点画像を受信したスマートフォン1は、監視対象地点画像が撮影された場所を示す符号を付した地図をスマートフォン1のディスプレイ113に表示させることができる。そのため、本実施形態によれば、監視対象地点の状況を画像でユーザに示すとともに、当該監視対象地点の位置を地図上に理解しやすくユーザに示すことができる。
【0060】
また、本実施形態において、スマートフォン1は、所定間隔で監視対象地点への飛行を繰り返す。そのため、本実施形態によれば、刻々と変化する監視対象地点の画像を繰り返し撮影し、スマートフォン1に送信することができる。すなわち、本実施形態によれば、刻々と変化する監視対象地点の様子をユーザに通知することができる。
【0061】
<変形例>
以上説明した実施形態では、スマートフォン1からの発進要求をドローン3が受信したが、スマートフォン1からの発進要求はサーバ2が受信してもよい。すなわち、スマートフォン1からサーバ2に対して発進要求が送信され、発進要求を受信したサーバ2がドローン3を発進させてもよい。
【0062】
スマートフォン1からの発進要求にスマートフォン1の現在位置を示す情報が含まれる場合、ドローン3は、複数の監視対象地点のうち最初に向かう監視対象地点を、当該現在位置に最も近い監視対象地点としてもよい。このような構成を採用することで、ユーザに近いことから災害発生時にユーザへの影響が大きいと考えられる監視対象地点の状況を可及的に早くユーザに通知することができる。
【0063】
図12に例示した各処理は、順番を入れ替えることもできる。例えば、T6及びT8の処理が行われてからT7、T9及びT10の処理が行われてもよい。また、例えば、図12に例示した処理のうち、T7、T9、T10、T11が省略されてもよい。また、例えば、スマートフォン1の地図表示部13は、図12の処理T8に代えて、ドローン3から受信した監視対象地点画像をスマートフォン1のディスプレイ113に表示させてもよい。
【0064】
以上説明した実施形態では、ユーザが所持し、地点画像や地図を表示する端末としてスマートフォン1が挙げられたが、ユーザが所持する端末がスマートフォン1に限定されるわけではない。ユーザが所持する端末としては、フィーチャーフォン、タブレット端末、ウェアラブル端末等の可搬型情報処理装置であってもよい。
【0065】
以上で開示した実施形態や変形例はそれぞれ組み合わせることができる。
【0066】
<コンピューターが読み取り可能な記録媒体>
コンピューターその他の機械、装置(以下、コンピューター等)に上記いずれかの機能を実現させる情報処理プログラムをコンピューター等が読み取り可能な記録媒体に記録することができる。そして、コンピューター等に、この記録媒体のプログラムを読み込ませて実行させることにより、その機能を提供させることができる。
【0067】
ここで、コンピューター等が読み取り可能な記録媒体とは、データやプログラム等の情報を電気的、磁気的、光学的、機械的、または化学的作用によって蓄積し、コンピューター等から読み取ることができる記録媒体をいう。このような記録媒体のうちコンピューター等から取り外し可能なものとしては、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、Compact Disc Read Only Memory(CD-ROM)、Co
mpact Disc-Recordable(CD-R)、Compact Disc-ReWriterable(CD-RW)、Digital Versatile Disc(DVD)、ブルーレイディスク(BD)、Digital Audio Tape(DAT)、8mmテープ、フラッシュメモリーなどのメモリーカード等がある。また、コンピューター等に固定された記録媒体としてハードディスクやROM等がある。
【符号の説明】
【0068】
1・・スマートフォン
2・・サーバ
3・・ドローン
11・・発進要求部
12・・避難指示表示部
13・・地図表示部
14・・現在位置送信部
21・・移動ルート取得部
22・・災害発生予想地点管理部
23・・監視対象地点決定部
24・・差分算出部
25・・避難指示部
26・・管理データベース
31・・飛行部
32・・撮影部
33・・画像送信部
105・・位置取得部
110・・筐体
111・・スピーカー
112・・マイクロフォン
113・・ディスプレイ
114・・カメラ
201・・CPU
202・・主記憶部
203・・補助記憶部
204・・通信部
261・・移動ルート管理テーブル
262・・災害発生予想地点管理テーブル
263・・避難方法管理テーブル
301・・駆動部
310・・本体
320・・プロペラ
330・・腕部
340・・脚部
500・・見守りシステム
B1・・接続バス
N1・・無線通信ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12