(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023103687
(43)【公開日】2023-07-27
(54)【発明の名称】照明器具
(51)【国際特許分類】
F21V 21/30 20060101AFI20230720BHJP
F21V 14/02 20060101ALI20230720BHJP
F21V 21/00 20060101ALI20230720BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20230720BHJP
【FI】
F21V21/30 310
F21V14/02 200
F21V21/00 110
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022004345
(22)【出願日】2022-01-14
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】辻 裕也
(72)【発明者】
【氏名】衛藤 信行
(57)【要約】
【課題】照明器具の施工性を向上させる。
【解決手段】照明器具は、照明ユニット10と、照明ユニット10を、回動軸52を介して回動可能に支持するアーム6と、照明ユニット10とアーム6とを接続する接続部44と、アーム6に対する照明ユニット10の回動範囲を規制する回動規制部8とを備える。回動規制部8は、接続部44またはアーム6のいずれか一方に形成された、回動軸52を中心とする円弧状のスリット62と、接続部44またはアーム6のいずれか一方に形成され、スリット62に挿入されるガイド部53とを有し、照明10ユニットは、ガイド部53をスリット62に沿って移動させることにより、アーム6に対して回動し、回動軸52およびガイド部53のいずれか一方には、アーム6に対して照明ユニット10を固定するための第1締結部材が設けられる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明ユニットと、
前記照明ユニットを、回動軸を介して回動可能に支持するアームと、
前記照明ユニットと前記アームとを接続する接続部と、
前記アームに対する前記照明ユニットの回動範囲を規制する回動規制部とを備え、
前記回動規制部は、
前記接続部または前記アームのいずれか一方に形成された、前記回動軸を中心とする円弧状のスリットと、
前記接続部または前記アームのいずれか一方に形成され、前記スリットに挿入されるガイド部とを有し、
前記照明ユニットは、前記ガイド部を前記スリットに沿って移動させることにより、前記アームに対して回動し、
前記回動軸および前記ガイド部のいずれか一方には、前記アームに対して前記照明ユニットを固定するための第1締結部材が設けられる照明器具。
【請求項2】
前記照明ユニットは、
光源が取り付けられる底板と、
前記底板に対向するように配置された天板とを有し、
前記接続部は、前記天板に設けられている、請求項1に記載の照明器具。
【請求項3】
前記接続部が、前記天板と一体に形成されている、請求項2に記載の照明器具。
【請求項4】
前記照明ユニットは、
光源が取り付けられる底板と、
前記底板に対向するように配置された天板とを有し、
前記接続部は前記底板に設けられている、請求項1に記載の照明器具。
【請求項5】
前記接続部が、前記底板と一体に形成されている、請求項4に記載の照明器具。
【請求項6】
前記天板と前記底板とが、前記接続部により結合されている、請求項2~5のいずれか1つに記載の照明器具。
【請求項7】
前記ガイド部は、前記接続部および前記アームのうち、いずれか一方に一体に形成された突出部であることを特徴とする、請求項1~6のいずれか1つに記載の照明器具。
【請求項8】
前記回動軸および前記ガイド部のいずれか他方には、締緩可能な第2締結部材が設けられ、
前記第2締結部材を締結することによって、前記照明ユニットの回動に摩擦抵抗が付加されることを特徴とする、請求項1~7のいずれか1つに記載の照明器具。
【請求項9】
前記第2締結部材は段付きネジであることを特徴とする、請求項8に記載の照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、体育館やホールなどの天井の高い建物に設置され、照明空間を上方から照明する、所謂高天井用の照明器具が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1の照明器具は、天井等の被取付部に取り付けられるアームと、アームによって回転自在に保持された光源ユニットとを備えている。このアームはU字状であり、被取付部に取り付けられる取付部と、前記取付部の両端から延びる一対の腕部を有している。この腕部には、光源ユニットが回転自在に保持されている。一対の腕部には、それぞれ、光源ユニットの回転の支点となる丸穴および回転をガイドする円弧状の長孔が形成されている。これら丸穴および長穴には、それぞれ、2つの角度調整ボルトが挿入されている。すなわち、特許文献1では、4つの角度調整ボルトにより、アームと光源ユニットとが連結されている。
【0005】
ここで、特許文献1の照明器具は、光源ユニットの照射角度を調整することができる。この照射角度を調整するには、まず4つの角度調整ボルトを全て緩めて、光源ユニットの照射角度を設定する。そして、4つの角度調整ボルトを全て締結することにより、光源ユニットがアームに対して固定される。つまり、光源ユニットの照射角度を調整するには、4つの角度調整ボルトを締緩する必要がある。
【0006】
そこで、本開示は、施工性が向上した照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、本開示の一実施形態に係る照明器具は、照明ユニットと、前記照明ユニットを、回動軸を介して回動可能に支持するアームと、前記照明ユニットと前記アームとを接続する接続部と、前記アームに対する前記照明ユニットの回動範囲を規制する回動規制部とを備え、前記回動規制部は、前記接続部または前記アームのいずれか一方に形成された、前記回動軸を中心とする円弧状のスリットと、前記接続部または前記アームのいずれか一方に形成され、前記スリットに挿入されるガイド部とを有し、前記照明ユニットは、前記ガイド部を前記スリットに沿って移動させることにより、前記アームに対して回動し、前記回動軸および前記ガイド部のいずれか一方には、前記アームに対して前記照明ユニットを固定するための第1締結部材が設けられる。
【発明の効果】
【0008】
この構成によると、照明器具の施工性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施形態に係る照明器具を上方から見た斜視図。
【
図2】本実施形態に係る照明器具を下方から見た斜視図。
【
図4】本実施形態に係る放熱部を上方から見た平面図。
【
図7】実施形態2に係る照明器具を上方から見た斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものでは全くない。
【0011】
[実施形態1]
以下の説明において、照明器具の上下、左右、前後の方向を、
図1に図示されている上下、左右、前後の矢印を用いて規定して説明する。
【0012】
図1に示すように、本実施形態に係る照明器具は、光源ユニット1と、電源ユニット2と、放熱部3と、保持部4と、アーム6と、無線通信部7と、回動規制部8とを備えている。この照明器具のうち、光源ユニット1、電源ユニット2、放熱部3、保持部4、無線通信部7および回動規制部8が照明ユニット10を構成している。
【0013】
保持部4は、光源ユニット1を保持する。保持部4は、天板41と、底板42と、一対の第1支持部43と、一対の第2支持部44とを有する。底板42には、光源ユニット1が下面に取り付けられている。一対の第1支持部43および一対の第2支持部44は、底板42の上面を、天板41の下面に対向させた状態で、天板41および底板42を支持する。
【0014】
電源ユニット2は、天板41の上面に取り付けられる。放熱部3は、底板42の上面に取り付けられる。
【0015】
無線通信部7は、無線通信を行うことができるように構成されている。例えば、無線通信部7は、外部に配置された通信装置(図示省略)に対して、無線通信により通信信号を送信や受信できるように構成されている。
【0016】
(光源ユニット)
図2に示すように、光源ユニット1は、光源に相当するLED(Light Emitting Diode)モジュールと、カバー10と、パッキン11とを有する。
【0017】
LEDモジュールは、例えば、複数個のLEDと、実装基板12とを有する。各LEDは、例えば、従来周知であるパッケージ型の白色LEDなどである。実装基板12は、矩形平板状の樹脂基板で構成されている。実装基板12は、底板42の下面に、例えば、ねじ止めにより固定されている。
【0018】
複数個のLEDは、実装基板12の下面に、縦横に並べて実装される。また、実装基板12の下面にレセプタクルコネクタが実装される。レセプタクルコネクタは、実装基板12の下面に形成される配線用の導体を介して、各LEDの電極(カソードおよびアノード)と電気的に接続される。
【0019】
カバー10は、LEDモジュールを覆い隠すように保持部4に取り付けられる。カバー10は、ポリカーボネート樹脂などの透光性を有する合成樹脂材料により形成されている。
【0020】
カバー10は、本体部101と、フランジ部102とを有する。本体部101は、上面に開口(図示省略)を有した扁平な矩形の箱状に形成されている。フランジ部102は、本体部101の上記開口の周縁から外方に突出するように、本体部101と一体に形成されている。すなわち、カバー10を上方から見たときに、フランジ部102は、矩形枠状に形成されている。このフランジ部102が、底板42に対して、ねじ止めされることにより、カバー10は、保持部4に取り付けられている。
【0021】
パッキン11は、フランジ部102と略同形で、上方から見たときに矩形枠状である。パッキン11は、例えばゴム材料または樹脂材料により形成されている。パッキン11は、カバー10のフランジ部102と保持部4の底板42との間に介在する。パッキン11は、塵または水滴などがカバー10内に侵入することを防止する。
【0022】
(電源ユニット)
電源ユニット2は、電源ブロックと、電源ブロックを内部に収容するケース20とを有する。
【0023】
電源ブロックは、外部電源から供給される電力(例えば、商用電源から供給される交流電力)を光源ユニット1に必要とされる電力(直流電力)に変換する電力変換回路を有する。電力変換回路は、例えば、全波整流器、力率改善回路(昇圧チョッパ回路)、およびDC/DCコンバータ(降圧チョッパ回路)などを有する。電源ブロックは、例えば、プリント配線板の表面に、電力変換回路を構成する多数の回路部品が実装されて構成される。また、電源ブロックは、先端にプラグコネクタが設けられた出力ケーブルを有する。
【0024】
また、電力変換回路は、無線通信部7が受信した通信信号に応じて、光源ユニット1の点灯状態を制御する。この通信信号には、光源ユニット1のON/OFFや調光レベルなどを示す情報が含まれており、電力変換回路は、通信信号に応じて、光源ユニット1の点灯状態を制御する。なお、無線通信部7は、図略の電源ケーブルにより電力変換回路と接続されている。電力変換回路は、この電源ケーブルを介して、無線通信部7に電力を供給する。
【0025】
ケース20は、例えば、亜鉛鋼板などの金属板に折り曲げ加工を施すことで、下面が開口した矩形の箱状に形成されている。電源ブロックの多数の回路部品が実装されたプリント配線板は、ケース20の上板の裏側にねじ止め固定されている。電源ブロックの出力ケーブルは、ケース20の開口した下面から、保持部4の天板41の中央に設けられた貫通孔、および、保持部4の底板42の中央に設けられた貫通孔を通して、光源ユニット1内に引き込まれている。すなわち、電源ブロックの出力ケーブルは、ケース20の開口した下面から、光源ユニット1に向かってほぼ真っ直ぐ下方に延びている。そして、電源ブロックの出力ケーブルは、光源ユニット1のレセプタクルコネクタと直接、若しくは別の電線ケーブルを介して、電気的に接続される。
【0026】
また、ケース20の後壁の外表面に端子台21が設けられている。端子台21は、電源ブロックと電気的に接続される。端子台21には、外部電源と繋がっている電力線(図示省略)が接続される。端子台21は、ケース20内に配置された電源ブロックと接続されている。電源ブロックは、端子台21および電力線を介して、外部電源から電力の供給を受ける。
【0027】
(放熱部)
図1~
図3に示すように、放熱部3は、複数の放熱フィン31から構成されている。複数の放熱フィン31は、底板42の上面に固定されている。複数の放熱フィン31は、上方から見たときに、放射状になるように並んで配置されている(
図3参照)。
【0028】
各放熱フィン31は、例えば、アルミニウムまたはアルミニウム合金などの熱伝導性に優れた材料から形成されている。各放熱フィン31は、矩形板状の1枚のアルミ板に折り曲げ加工を施すことにより、略U字状に形成されている。具体的に、各放熱フィン31は、ベース部311と、一対の放熱板312とを有する。一対の放熱板312は、ベース部311の左右方向における両端縁からそれぞれ上方に延びるように形成されている。
【0029】
ベース部311は、略台形板状となるように形成されている。また、ベース部311には、厚み方向に貫通する複数のボス孔が設けられている。複数のボス孔は、ベース部311の長手方向に沿って設けられている。また、保持部4の底板42は、ベース部311の複数のボス孔313にそれぞれ対応するように、複数のボスを有する。各放熱フィン31は、底板42の複数のボスがベース部311の複数のボス孔313に挿入された状態で、底板42のボスをかしめることにより、底板42に固定されている。
【0030】
このように、放熱部3は、各放熱フィン31が1つ1つ折り曲げ加工により形成され、また底板42に対してかしめにより固定されている。そのため、例えば放熱部3全体がアルミダイカストによって一体に形成される場合に比べて、放熱部3の小型化および軽量化を図ることができる。
【0031】
(保持部)
保持部4は、上述したように、天板41と、底板42と、一対の第1支持部43と、一対の第2支持部44とを有する。
【0032】
天板41は、例えば、アルミニウムまたはアルミニウム合金などの金属板により、略矩形板状に形成されている。天板41には、前側中央および後側中央に連結部41aが形成されており、左側中央および右側中央に連結部41bが形成されている。
【0033】
底板42は、それぞれ、例えば、アルミニウムまたはアルミニウム合金などの熱伝導性に優れた金属板により、略矩形板状に形成されている。底板42には、前側中央および後側中央に連結部42aが形成されており、左側中央および右側中央に連結部42bが形成されている。
【0034】
第1支持部43および第2支持部44は、例えば、亜鉛鋼板などの1枚の金属板に折り曲げ加工を施すことにより形成されている。
【0035】
一対の第1支持部43は、前後方向において互いに対向するように配置されている。第1支持部43は、上下両端部に、連結部43a,43bが形成されている。連結部43a,43bは、第1支持部43の上下両端部に折り曲げ加工を施すことにより形成される。第1支持部43は、ねじなどにより、連結部43aが天板41の連結部41aと連結され、連結部43bが底板42の連結部42aと連結される。
【0036】
一対の第2支持部44は、左右方向において互いに対向するように配置されている。第2支持部44は、上下方向における略中央部に、貫通孔44aが形成されている。第2支持部44は、ねじ51により、貫通孔44aを介して、天板41の連結部41bと連結されている。また、第2支持部44は、下端部に、連結部44bが形成されている。連結部44bは、第2支持部44の下端部に折り曲げ加工を施すことにより形成される。第2支持部44は、ねじなどにより、連結部44bが底板42の連結部42bと連結される。
【0037】
この一対の第1支持部43および一対の第2支持部44により、天板41および底板42が固定されている。
【0038】
(無線通信部)
無線通信部7は、アンテナ部と、受光素子とを有する。アンテナ部、受光素子は、回路基板上に形成されている。回路基板は、例えば、プリント配線基板などである。
【0039】
アンテナ部は、例えば、回路基板上に形成された所定形状の配線パターンである。アンテナ部は、電波を媒体として無線通信を行う、具体的には、アンテナ部は、電波の送受信が可能なように構成されている。アンテナ部は、外部に配置された通信装置(図示省略)から、電波による通信信号を受信する。また、アンテナ部は、外部に配置された通信装置に対して、電波による通信信号を送信する。
【0040】
受光素子は、赤外線を受光する受光素子(フォトダイオードやフォトトランジスタなど)である。受光素子は、赤外線を媒体として赤外線通信を行う。具体的には、アンテナ部は、外部に配置された通信装置から、赤外線による通信信号を受信する。
【0041】
なお、上記通信装置として、当該照明器具の調光などを制御する調光装置や、人感センサなどの各種センサなどが挙げられる。
【0042】
図1~
図3に示すように、無線通信部7は、第1支持部43の外側(後側)に配置されている。具体的には、無線通信部7は、上下方向において、第1支持部43の中央部に配置されている。
【0043】
(アーム)
図1および
図5に示すように、アーム6は、亜鉛鋼板などの長尺の金属板が長手方向における両端で同一方向に略直角に曲げられてU字状に形成されている。
【0044】
アーム6は、長手方向の両端部が、一対の第2支持部44(接続部)に取り付けられている。
図5および
図6に示すように、アーム6の長手方向の両端部には、貫通孔61およびスリット62が形成されている。スリット62は、貫通孔61を中心とし、貫通孔61を上下方向に沿って通過する直線とスリット62との交点を基準として、基端部が前後方向にそれぞれ30°となるような円弧状に形成されている。また、第2支持部44は、貫通孔61およびスリット62に対応する位置に、ねじ穴441,442が形成されている。この貫通孔61を介して、第2支持部44に形成されたねじ穴441に、ねじ52を締結することにより、アーム6と第2支持部44とを固定することができる。また、
図1および
図3に示すように、スリット62を介して第2支持部44に形成されたネジ穴(図示省略)に、段付きネジ53(第2締結部材)が締結されている。この段付きネジ53を第2支持部44のネジ穴に締結すると、段付きネジ53の頭部がアーム6に接触するようになっている。
【0045】
上述したように、アーム6は、ねじ52によって、第2支持部44に連結される。第1支持部43は、連結部43aが天板41の前側中央および後側中央に形成された連結部41aと連結され、連結部43bが底板42の前側中央および後側中央に形成された連結部42aと連結される。第2支持部44は、貫通孔44aを介して天板41の左側中央および右側中央に形成された連結部41bと連結され、連結部44bが底板42の左側中央および右側中央に形成された連結部42bと連結される。この構成により、本照明器具の荷重のバランスが安定する。
【0046】
本実施形態の照明器具は、アーム6のボルト挿通孔63に挿通される一対の吊りボルトにナットが締め付けられることで建物の天井に設置される。ただし、本実施形態の照明器具は、アーム6が吊りボルトから外れたとしても照明器具が落下しないように、ワイヤなどでさらに支持されていることが好ましい。
【0047】
(照射角度の調整について)
ここで、本実施形態に係る照明器具は、アーム6に対する照明ユニット10の相対位置を変更することにより、照射角度を調整することができる。
【0048】
具体的には、上述したように、第2支持部44のネジ穴にねじ52が締結されており、アーム6と第2支持部44とが固定されている。これにより、アーム6に対する照明ユニット10の相対位置が固定されている。
【0049】
照射角度を調整するには、ねじ52を緩め、アーム6と照明ユニット10との固定を解除する。このとき、ねじ52を第2支持部44の挿入した状態しておく。こうすることで、段付きネジ53が、アーム6に形成されたスリット62に沿って移動可能となる。すなわち、照明ユニット10は、ねじ52を回動軸として前後方向へ回動できるようになる。
【0050】
上述したように、スリット62は、貫通孔61を中心とし、貫通孔61を上下方向に沿って通過する直線とスリット62との交点を基準として、基端部が前後方向にそれぞれ30°となるような円弧状に形成されている。これにより、照明ユニット10が前方(後方)に30°回動すると、スリット62の前端(後端)と段付きネジ53とが接触する。したがって、照明ユニット10の前後方向への回動角度が30°以下に規制されている。なお、スリット62と段付きネジ53とが、照明ユニット10の回動を規制する回動規制部8を構成している。
【0051】
照明ユニット10の回動時に、段付きネジ53の頭部とスリット62の縁とが接触していると、アーム6に対する照明ユニット10の回動に摩擦抵抗を付加することができる。これにより、本照明器具の照射角度を調整する際の、照明ユニット10の回動速度を遅くすることができるため、本照明器具の照射角度を調整しやすくなる。
【0052】
そして、照明ユニット10を回動させ、照明ユニット10を所望の照射角度で位置決めした後に、ねじ52を締結する。これにより、アーム6に対する照明ユニット10の相対位置が固定される。
【0053】
このように、照明器具の照射角度を調整する際、つまり照明ユニット10とアーム6との相対位置を変更する際には、照明器具の左右両側に設けられた2本のねじ52を緩めるだけでよい。これにより、本照明器具の照射角度を調整しやすくなる。
【0054】
ここで、ねじ52を緩めて、ねじ52が第2支持部44のネジ穴から完全に外れてしまうことがある。この場合であっても、本照明器具では、スリット62に段付きネジ53が引っ掛かるように構成されている。すなわち、本照明器具の照射方向を調整する際にねじ52が外れたとしても、照明ユニット10がアーム6から完全に脱落することを防ぐことができる。また、脱落を防ぐための段付きネジ53を施工中に緩める必要がないため、施工時における照明ユニット10の脱落防止を確実にすることができる。
【0055】
以上説明したように、本実施形態に係る照明器具は、照明ユニットと10、照明ユニット10を、ねじ52(回動軸)を介して回動可能に支持するアーム6と、照明ユニット10とアーム6とを接続する第2支持部44(接続部)と、アーム6に対する照明ユニット10の回動範囲を規制する回動規制部8とを備える。回動規制部8は、アーム6に形成された、ねじ52を中心とする円弧状のスリット62と、第2支持部44に形成され、スリット62に挿入される段付きネジ53(ガイド部)とを有する。照明ユニット10は、段付きネジ53をスリット62に沿って移動させることにより、アーム6に対して回動し、ねじ53が、前記アームに対して前記照明ユニットを固定するための第1締結部材となっている。
【0056】
この構成によると、ねじ52を締結することで、アーム6に対して照明ユニット10を固定することができる。また、ねじ52を緩めることで、段付きねじ53がスリット62に沿って移動可能となり、アーム6に対して照明ユニット10が回動可能となる。すなわち、本照明器具では、ねじ52を緩締するのみで、照明器具の照射角度を調整することができ、他のねじを緩締する必要がない。したがって、照明器具の施工性を向上させることができる。また、段付きネジ53がスリット62に挿入されているため、ねじ52が外れたとしても、スリット62に段付きネジ53が引っ掛かる。これにより、アーム6から照明ユニット10が完全に脱落することを防ぐことができる。
【0057】
また、段付きネジ53は、頭部がスリット62と接触している。これにより、照明ユニットの回動に摩擦抵抗が付加されるため、アーム6と照明ユニット10との間の摺動性を低くすることができ、照明器具の照射角度の調整がしやすくなる。
【0058】
[実施形態2]
図7は、実施形態2に係る照明器具を示す。尚、以下の説明において前記実施形態1と共通の部分については、同じ符号を付して、その詳細な説明を省略する。本実施形態2は、第2支持部44の構成が前記実施形態1とは異なるが、他の構成は実施形態1と同じである。
【0059】
(第2接続部)
実施形態2では、一対の第2支持部44に代えて、一対の第2接続部44’が配置されている。
図7に示すように、一対の第2接続部44’が、天板41の左右方向に互いに対向するように設けられている。この第2接続部44’は上下方向に延びる矩形板状の部材である。第2接続部44’の前後両端部は、天板41の内側に向けて折り曲げられている。第2接続部44’の下端部が連結部41bにネジ止めされている。
【0060】
第2接続部44’の上側端部にはねじ穴が設けられている。このねじ穴と、アーム6の貫通孔61とが、ねじ52によって締結されている。
【0061】
第2実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0062】
(その他の実施形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施形態について説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施形態にも適用可能である。
【0063】
なお、上記各実施形態では、第2支持部44および第2接続部44’は、照明ユニット10とは別体に構成されていた。しかしながら、これに限らず、天板41および/または底板42と第2支持部44および第2接続部44’とが一体に形成されていてもよい。
【0064】
上記各実施形態では、第1締結部材および回動軸がねじ52、ガイド部が段付きネジ53である場合を例にして説明した。しかしながら、第1締結部材およびガイド部がねじ52、回動軸が段付きネジ53であってもよい。この場合、ねじ52がスリット62に沿って移動することにより、アーム6に対して照明ユニット10が回動する。さらに、ねじ52を締結することにより、アーム6に対して照明ユニット10が固定される。また、回動軸の段付きネジ53(第2締結部材)によって照明ユニット10の回動に摩擦抵抗を付加できる。なお、段付きネジ53の代わりに通常のねじを用いることにより、アーム6に対して照明ユニット10を固定することができる。
【0065】
上記各実施形態では、ガイド部として段付きネジ53が用いられていた。しかしながら、これに限らず、スリット62に挿通されるものであればどのようなものであってもよい。例えば、ガイド部は、第2支持部44から突出したピン状の突出部であってもよい。この場合、突出部は、第2支持部44またはアーム6とガイド部とが一体に形成されていてもよい。すなわち、ガイド部は、スリット62に挿入された部分があることにより照明ユニット10の回動を規制できればよい。
【0066】
上記各実施形態では、スリット62がアーム6に形成され、ガイド部である段付きネジ53が第2支持部44に設けられていた。しかしながら、これに限らず、第2支持部44にスリット62を形成し、アーム6に段付きネジ53を設けてもよい。すなわち、第2支持部44とアーム6とのうちいずれか一方にスリット62が形成され、いずれか他方に段付きネジ53(ガイド部)が形成されていればよい。
【符号の説明】
【0067】
1 光源ユニット
2 電源ユニット
3 放熱部
4 保持部
41 天板
42 底板
43 第1支持部
44 第2支持部
6 アーム
52 ねじ(回動軸、第1締結部材)
53 段付きネジ(ガイド部、第2締結部材)