(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023103694
(43)【公開日】2023-07-27
(54)【発明の名称】配線部材
(51)【国際特許分類】
H02G 3/04 20060101AFI20230720BHJP
【FI】
H02G3/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022004356
(22)【出願日】2022-01-14
(71)【出願人】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(71)【出願人】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【弁理士】
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【弁理士】
【氏名又は名称】有田 貴弘
(74)【代理人】
【識別番号】100117662
【弁理士】
【氏名又は名称】竹下 明男
(74)【代理人】
【識別番号】100103229
【弁理士】
【氏名又は名称】福市 朋弘
(72)【発明者】
【氏名】水野 芳正
(72)【発明者】
【氏名】黄 強翔
(72)【発明者】
【氏名】荒巻 心優
(72)【発明者】
【氏名】白川 純一
(72)【発明者】
【氏名】新垣 亮
(72)【発明者】
【氏名】清水 敏男
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 悠作
【テーマコード(参考)】
5G357
【Fターム(参考)】
5G357DB03
5G357DC12
5G357DE08
5G357DG04
(57)【要約】
【課題】ベース部材の曲げ経路部に対して線状伝送部材をより適切に配置することができる。
【解決手段】配線部材10は、第1線状伝送部材20と、前記第1線状伝送部材20よりも曲げ変形し易い第2線状伝送部材30と、前記第1線状伝送部材20と前記第2線状伝送部材30とが固定されたベース部材40と、を備える。前記ベース部材40は、曲げ経路部41を含む。前記第1線状伝送部材20は、前記曲げ経路部41に沿って曲がって配置される。前記曲げ経路部41の延在方向に沿った入口側において、前記第1線状伝送部材20が、前記ベース部材40の幅方向に沿った第1側方部分45を通るように延在する。前記曲げ経路部41の延在方向に沿った出口側において、前記第1線状伝送部材20が、前記ベース部材40の幅方向に沿った第2側方部分46を通るように延在する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1線状伝送部材と、
前記第1線状伝送部材よりも曲げ変形し易い第2線状伝送部材と、
前記第1線状伝送部材と前記第2線状伝送部材とが固定されたベース部材と、
を備え、
前記ベース部材は、曲げ経路部を含み、
前記第1線状伝送部材は、前記曲げ経路部に沿って曲がって配置され、
前記曲げ経路部の延在方向に沿った入口側において、前記第1線状伝送部材が、前記ベース部材の幅方向に沿った第1側方部分を通るように延在し、
前記曲げ経路部の延在方向に沿った出口側において、前記第1線状伝送部材が、前記ベース部材の幅方向に沿った第2側方部分を通るように延在する、配線部材。
【請求項2】
請求項1に記載の配線部材であって、
前記曲げ経路部において、前記第1線状伝送部材と前記第2線状伝送部材とが互いに交差している、配線部材。
【請求項3】
請求項2に記載の配線部材であって、
前記第2線状伝送部材が、前記曲げ経路部に沿って曲がって配置され、
前記曲げ経路部の延在方向に沿った前記入口側において、前記第2線状伝送部材が、前記第1線状伝送部材よりも前記ベース部材の前記第2側方部分を通るように延在し、
前記曲げ経路部の延在方向に沿った前記出口側において、前記第2線状伝送部材が、前記第1線状伝送部材よりも前記ベース部材の前記第1側方部分を通るように延在する、配線部材。
【請求項4】
請求項3に記載の配線部材であって、
複数の前記第2線状伝送部材が、前記曲げ経路部に沿って曲がって配置され、
複数の前記第2線状伝送部材のうち最も外周側に配置される前記第2線状伝送部材の曲率半径が前記第1線状伝送部材の曲率半径よりも大きい、配線部材。
【請求項5】
請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の配線部材であって、
前記第1線状伝送部材と前記第2線状伝送部材との交差部において、前記第2線状伝送部材が前記第1線状伝送部材よりも前記ベース部材側に位置する、配線部材。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の配線部材であって、
前記曲げ経路部の延在方向に沿った前記入口側において、前記第1線状伝送部材が入口側第1固定部を介して前記ベース部材に固定されると共に、前記第2線状伝送部材が入口側第2固定部を介して前記ベース部材に固定され、
前記曲げ経路部の延在方向に沿った前記出口側において、前記第1線状伝送部材が出口側第1固定部を介して前記ベース部材に固定されると共に、前記第2線状伝送部材が出口側第2固定部を介して前記ベース部材に固定され、
前記入口側第1固定部及び前記出口側第1固定部のうち少なくとも1つは、前記第1線状伝送部材を前記ベース部材に固定している長さ寸法が、前記入口側第2固定部が前記第2線状伝送部材を前記ベース部材に固定している長さ寸法及び前記出口側第2固定部が前記第2線状伝送部材を前記ベース部材に固定している長さ寸法のいずれよりも長い長尺固定部である、配線部材。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の配線部材であって、
前記曲げ経路部を第1の曲げ経路部とし、
前記ベース部材は、前記第1の曲げ経路部の延在方向に沿った前記出口側に位置する第2の曲げ経路部を含み、
前記第1線状伝送部材は、前記第2の曲げ経路部に沿って曲がって配置され、
前記第2の曲げ経路部の延在方向に沿った入口側が、前記第1の曲げ経路部の延在方向に沿った出口側とつながる部分であり、
前記第2の曲げ経路部の延在方向に沿った入口側において、前記第1の曲げ経路部の延在方向に沿った出口側と同様に、前記第1線状伝送部材が、前記ベース部材の幅方向に沿った前記第2側方部分を通るように延在し、
前記第2の曲げ経路部の延在方向に沿った出口側において、前記第1線状伝送部材が、前記ベース部材の幅方向に沿った前記第1側方部分を通るように延在する、配線部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、配線部材に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、第1線状伝送部材と第1線状伝送部材よりも曲げ変形し易い第2線状伝送部材とがベース部材に固定された配線部材を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ベース部材の曲げ経路部に対して線状伝送部材がより適切に配置されることが望まれている。
【0005】
そこで、ベース部材の曲げ経路部に対して線状伝送部材をより適切に配置することができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の配線部材は、第1線状伝送部材と、前記第1線状伝送部材よりも曲げ変形し易い第2線状伝送部材と、前記第1線状伝送部材と前記第2線状伝送部材とが固定されたベース部材と、を備え、前記ベース部材は、曲げ経路部を含み、前記第1線状伝送部材は、前記曲げ経路部に沿って曲がって配置され、前記曲げ経路部の延在方向に沿った入口側において、前記第1線状伝送部材が、前記ベース部材の幅方向に沿った第1側方部分を通るように延在し、前記曲げ経路部の延在方向に沿った出口側において、前記第1線状伝送部材が、前記ベース部材の幅方向に沿った第2側方部分を通るように延在する、配線部材である。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、ベース部材の曲げ経路部に対して線状伝送部材をより適切に配置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は実施形態1にかかる配線部材を示す平面図である。
【
図2】
図2は実施形態2にかかる配線部材を示す平面図である。
【
図3】
図3は実施形態2にかかる配線部材の変形例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
【0010】
本開示の配線部材は、次の通りである。
【0011】
(1)第1線状伝送部材と、前記第1線状伝送部材よりも曲げ変形し易い第2線状伝送部材と、前記第1線状伝送部材と前記第2線状伝送部材とが固定されたベース部材と、を備え、前記ベース部材は、曲げ経路部を含み、前記第1線状伝送部材は、前記曲げ経路部に沿って曲がって配置され、前記曲げ経路部の延在方向に沿った入口側において、前記第1線状伝送部材が、前記ベース部材の幅方向に沿った第1側方部分を通るように延在し、前記曲げ経路部の延在方向に沿った出口側において、前記第1線状伝送部材が、前記ベース部材の幅方向に沿った第2側方部分を通るように延在する、配線部材である。第1線状伝送部材は、曲げ経路部を通過する際、ベース部材の幅方向に沿った第1側方部分から第2側方部分に移る。これにより、第1線状伝送部材が適切な角度で曲がりやすい。これにより、ベース部材の曲げ経路部に対して線状伝送部材をより適切に配置することができる。
【0012】
(2)(1)の配線部材において、前記曲げ経路部において、前記第1線状伝送部材と前記第2線状伝送部材とが互いに交差していてもよい。この場合でも、第1線状伝送部材が、曲げ経路部を通過する際、ベース部材の幅方向に沿った第1側方部分から第2側方部分に移ることによって、第2線状伝送部材が第1線状伝送部材と交差する場合、その交差箇所が1箇所となり、交差状態が安定する。
【0013】
(3)(2)の配線部材において、前記第2線状伝送部材が、前記曲げ経路部に沿って曲がって配置され、前記曲げ経路部の延在方向に沿った前記入口側において、前記第2線状伝送部材が、前記第1線状伝送部材よりも前記ベース部材の前記第2側方部分を通るように延在し、前記曲げ経路部の延在方向に沿った前記出口側において、前記第2線状伝送部材が、前記第1線状伝送部材よりも前記ベース部材の前記第1側方部分を通るように延在してもよい。これにより、第2線状伝送部材が第1線状伝送部材と共に曲げ経路部に沿って曲がって配置される場合でも、第2線状伝送部材の経路が窮屈になることが抑制される。
【0014】
(4)(3)の配線部材において、複数の前記第2線状伝送部材が、前記曲げ経路部に沿って曲がって配置され、複数の前記第2線状伝送部材のうち最も外周側に配置される前記第2線状伝送部材の曲率半径が前記第1線状伝送部材の曲率半径よりも大きくてもよい。これにより、複数の第2線状伝送部材が曲げ経路部に沿って曲がって配置されやすくなる。
【0015】
(5)(2)から(4)のいずれか1つの配線部材において、前記第1線状伝送部材と前記第2線状伝送部材との交差部において、前記第2線状伝送部材が前記第1線状伝送部材よりも前記ベース部材側に位置してもよい。これにより、ベース部材から第2線状伝送部材が離れることが第1線状伝送部材によって抑制される。
【0016】
(6)(1)から(5)のいずれか1つの配線部材において、前記曲げ経路部の延在方向に沿った前記入口側において、前記第1線状伝送部材が入口側第1固定部を介して前記ベース部材に固定されると共に、前記第2線状伝送部材が入口側第2固定部を介して前記ベース部材に固定され、前記曲げ経路部の延在方向に沿った前記出口側において、前記第1線状伝送部材が出口側第1固定部を介して前記ベース部材に固定されると共に、前記第2線状伝送部材が出口側第2固定部を介して前記ベース部材に固定され、前記入口側第1固定部及び前記出口側第1固定部のうち少なくとも1つは、前記第1線状伝送部材を前記ベース部材に固定している長さ寸法が、前記入口側第2固定部が前記第2線状伝送部材を前記ベース部材に固定している長さ寸法及び前記出口側第2固定部が前記第2線状伝送部材を前記ベース部材に固定している長さ寸法のいずれよりも長い長尺固定部であってもよい。第1線状伝送部材は、第2線状伝送部材よりも曲がった状態に保たれにくい。この場合でも、入口側第1固定部及び出口側第1固定部のうち少なくとも1つが長尺固定部であることによって、第1線状伝送部材が曲がった状態に保たれやすい。
【0017】
(7)(1)から(6)のいずれか1つの配線部材において、前記曲げ経路部を第1の曲げ経路部とし、前記ベース部材は、前記第1の曲げ経路部の延在方向に沿った前記出口側に位置する第2の曲げ経路部を含み、前記第1線状伝送部材は、前記第2の曲げ経路部に沿って曲がって配置され、前記第2の曲げ経路部の延在方向に沿った入口側が、前記第1の曲げ経路部の延在方向に沿った出口側とつながる部分であり、前記第2の曲げ経路部の延在方向に沿った入口側において、前記第1の曲げ経路部の延在方向に沿った出口側と同様に、前記第1線状伝送部材が、前記ベース部材の幅方向に沿った前記第2側方部分を通るように延在し、前記第2の曲げ経路部の延在方向に沿った出口側において、前記第1線状伝送部材が、前記ベース部材の幅方向に沿った前記第1側方部分を通るように延在してもよい。第1線状伝送部材は、第1の曲げ経路部を通過する際、ベース部材の幅方向に沿った第1側方部分から第2側方部分に移り、第2の曲げ経路部を通過する際、ベース部材の幅方向に沿った第2側方部分から第1側方部分に移る。これにより、第1の曲げ経路部及び第2の曲げ経路部のそれぞれにおいて、第1線状伝送部材が適切な角度で曲がりやすい。
【0018】
[本開示の実施形態の詳細]
本開示の配線部材の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0019】
[実施形態1]
以下、実施形態1にかかる配線部材について説明する。
図1は実施形態1にかかる配線部材10を示す平面図である。
【0020】
配線部材10は、第1線状伝送部材20と第2線状伝送部材30とベース部材40とを備える。
【0021】
第1線状伝送部材20及び第2線状伝送部材30は、車両における部品同士を接続する線状伝送部材であることが想定される。第1線状伝送部材20及び第2線状伝送部材30は、接続先となる部品の位置等に応じた配線経路に沿って延びる。
【0022】
より具体的には、線状伝送部材は、電気又は光等を伝送する線状の部材であればよい。例えば、線状伝送部材は、芯線と芯線の周囲の被覆とを有する一般電線であってもよいし、裸導線、シールド線、ツイスト線、エナメル線、ニクロム線、光ファイバ等であってもよい。
【0023】
電気を伝送する線状伝送部材としては、各種信号線、各種電力線であってもよい。電気を伝送する線状伝送部材の一部等は、信号又は電力を空間に対して送る又は空間から受けるアンテナ、コイル等として用いられてもよい。
【0024】
また、線状伝送部材は、単一の線状物であってもよいし、複数の線状物の複合物(ツイスト線、複数の線状物を集合させてこれをシースで覆ったケーブル等)であってもよい。
【0025】
ここでは、主として第1線状伝送部材20が第1電線20であり、第2線状伝送部材30が第2電線30であることを想定した説明がなされる。本実施形態では、配線部材10は、1本の第1電線20と4本の第2電線30とを備える。第1電線20の数は、複数であってもよい。第2電線30の数は、1本であってもよいし、2本又は3本であってもよいし、5本以上であってもよい。第1電線20の数は、第2電線30の数よりも少ない。第1電線20の数は、第2電線30の数と同じかそれよりも多くてもよい。
【0026】
第2線状伝送部材30は、第1線状伝送部材20よりも曲げ変形し易い。例えば、曲げ変形が容易か否かは曲げ剛性によって左右される。例えば、第2線状伝送部材30の曲げ剛性は、第1線状伝送部材20の曲げ剛性よりも低い。第1線状伝送部材20と第2線状伝送部材30とのうちいずれがより曲げ変形し易いか否かについては、例えば、常温環境下での3点曲げ試験又は4点曲げ試験等の曲げ試験において所定の初期状態(例えば直線状態)から所定の変形状態に至る力を測定すること等によって決定されてもよい。
【0027】
一般的には、細い線状体は、太い線状体よりも曲げ変形し易いため、第2線状伝送部材30は、第1線状伝送部材20よりも細いとして把握されてもよい。本実施形態では、第2電線30が、第1電線20よりも細い例が説明される。
【0028】
なお、第1線状伝送部材20を構成する材料自体の物理的性質と、第2線状伝送部材30を構成する材料自体の物理的性質とが大きく異なる場合等には、太い線状体が細い線状体よりも曲げ変形し易くなることがあり得る。例えば、第1線状伝送部材20と第2線状伝送部材30とが電線である場合を想定する。電線の被覆としては、PVC(ポリ塩化ビニル)、PE(ポリエチレン)等が用いられ得る。一般的に、PVCはPEより柔軟である。このため、PVC被覆電線は曲げ変形し易い傾向にあり、PE被覆電線は曲げ変形し難い傾向にある。このような場合において、第1線状伝送部材20が第2線状伝送部材30より細くても、第2線状伝送部材30が、第1線状伝送部材20よりも曲げ変形し易くなる場合が生じ得る。
【0029】
また、第1線状伝送部材20が、導体層、第1被覆層、シールド層及び第2被覆層を有するシールド線であり、第2線状伝送部材30が導体層及び1つの被覆層のみを有する一般電線であることによって、第2線状伝送部材30が、第1線状伝送部材20よりも曲げ変形し易くなっていてもよい。
【0030】
ベース部材40は、第1電線20と第2電線30とが固定される部材である。ベース部材40は、主面を有している。当該主面上に第1電線20と第2電線30とが固定されることによって、第1電線20と第2電線30とが所定の経路に沿って保持される。つまり、ベース部材40は、第1電線20と第2電線30とを所定の経路に沿って保持する主面を有する部材であるともいえる。
【0031】
ベース部材40は、曲げ経路部41を有する。ここでは、ベース部材40は、第1帯状部分42と、第2帯状部分43とを備える。第1帯状部分42は、細長い方形状に形成される。第2帯状部分43も細長い方形状に形成される。第1帯状部分42及び第2帯状部分43は、互いに交差する方向に延びる。第1帯状部分42及び第2帯状部分43が交差する部分が曲げ経路部41とされる。
【0032】
ここでは、第1帯状部分42の基端部と、第2帯状部分43の基端部とが連なる。また、第1帯状部分42及び第2帯状部分43は、互いに直交する方向に延びる。従って、ベース部材40は、第1帯状部分42と第2帯状部分43とがL字状に連なる形状を有する。曲げ経路部41は90度の角度で曲がる経路である。
【0033】
もっとも、ベース部材40において第1帯状部分42と第2帯状部分43とが直交以外の角度で交差するように曲っており、曲げ経路部41が90度以外の角度で曲がる経路であってもよい。曲げ経路部41は、曲線状に曲がる経路であっていてもよい。例えば、直線状の第1帯状部分42と直線状の第2帯状部分43との間に、曲線状の帯状部分が設けられてもよい。ベース部材は、分岐部分を有していてもよい。分岐部分からは少なくとも2つの帯状部分が互いに交差する方向に延びる。このため、分岐部分には、曲げ経路部が含まれる。ベース部材が分岐部分を有する例については、後述する。
【0034】
第1電線20は、曲げ経路部41に沿って曲がって配置されている。第1電線20は、曲線区間21と第1直線区間23と第2直線区間24とを有する。曲線区間21は、曲げ経路部41に沿って曲がって配置される区間である。第1直線区間23は、第1帯状部分42に沿って直線状に延びる区間である。第2直線区間24は、第2帯状部分43に沿って直線状に延びる区間である。曲線区間21は、第1直線区間23と第2直線区間24との間の区間である。
【0035】
ここでは第2電線30は、第1電線20と共に曲げ経路部41に沿って曲がって配置されている。第2電線30は、曲線区間31と第1直線区間33と第2直線区間34とを有する。曲線区間31は、曲げ経路部41に沿って曲がって配置される区間である。第1直線区間33は、第1帯状部分42に沿って直線状に延びる区間である。第2直線区間34は、第2帯状部分43に沿って直線状に延びる区間である。曲線区間31は、第1直線区間33と第2直線区間34との間の区間である。
【0036】
もっとも、ベース部材40上における第2電線30の経路は特に限定されるものではなく、適宜設定可能である。例えば、第2電線30は、曲げ経路部41に沿わずに配置されていてもよい。この場合、第2電線30は、曲げ経路部41の一方側及び他方側のいずれか一方において、第1電線20に沿っていてもよい。第2電線30は、第1電線20に全く沿わずに配置されていてもよい。第2電線30は、曲げ経路部41の一方側及び他方側の少なくとも一方において、第1電線20に沿っているとよい。
【0037】
第1電線20の一端部は第1帯状部分42の先端部から延び出てコネクタ60に接続されている。第1電線20の他端部は第2帯状部分43の先端部から延び出てコネクタ61に接続されている。第2電線30の一端部は第1帯状部分42の先端部から延び出てコネクタ60とは別のコネクタ62に接続されている。第2電線30の他端部は第2帯状部分43の先端部から延び出てコネクタ61とは別のコネクタ63に接続されている。第1電線20の一端部と第2電線30の一端部とは同じコネクタに接続されてもよい。第1電線20の他端部と第2電線30の他端部とは同じコネクタに接続されてもよい。各電線の端部はベース部材40から延出せずにコネクタに接続されていてもよい。この場合、コネクタはベース部材40に固定されていてもよい。
【0038】
曲げ経路部41の延在方向に沿った入口側において、第1電線20が、ベース部材40の幅方向に沿った第1側方部分45を通るように延在する。曲げ経路部41の延在方向に沿った出口側において、第1電線20が、ベース部材40の幅方向に沿った第2側方部分46を通るように延在する。なお、入口及び出口との語は、曲げ経路部41の延在方向に沿った一方側及び他方側を区別するための語である。ここでは第1電線20の中間部に対してコネクタ60側を入口側とし、コネクタ61側を出口側とする。もちろんコネクタ61側を入口側とし、コネクタ60側を出口側とすることもできる。また、第1側方部分45及び第2側方部分46との語は、ベース部材40の幅方向に沿った一方側及び他方側を区別するための語である。ここでは、ベース部材40の厚み方向を上下方向とし、第1電線20及び第2電線30が固定される主面が向く方を上として、第1電線20の延在方向と直交する方向に沿った断面をコネクタ60側から見たときに、右側方部分が第1側方部分45であり、左側方部分が第2側方部分46である。
【0039】
第1電線20は、第1直線区間23において第1側方部分45を通り、第2直線区間24において第2側方部分46を通る。第1電線20は、曲線区間21において、第1側方部分45から第2側方部分46に向けてシフトする。
【0040】
曲げ経路部41の延在方向に沿った入口側において、第2電線30が、第1電線20よりも第2側方部分46を通るように延在している。曲げ経路部41の延在方向に沿った出口側において、第2電線30が、第1電線20よりも第1側方部分45を通るように延在する。第2電線30は、第1直線区間33において第2側方部分46を通り、第2直線区間34において第1側方部分45を通る。第2電線30は、曲線区間31において、第2側方部分46から第1側方部分45に向けてシフトする。
【0041】
曲げ経路部41において、第1電線20と第2電線30とが互いに交差している。第1電線20と第2電線30との交差部において、第2電線30が第1電線20よりもベース部材40側に位置する。
【0042】
曲線区間21において、第1電線20は、例えば、第1電線20に設定された最小曲率半径以上の曲率半径で、曲線状に曲がって配置されてもよい。曲線区間31において、第2電線30は、例えば、第2電線30に設定された最小曲率半径以上の曲率半径で、曲線状に曲がって配置されてもよい。ここで電線に設定される最小曲率半径は、電線の過度の屈曲を防ぐために設定される値であり、一般的に、電線の曲げにくさと正の相関関係を有する傾向にある。つまり、曲げにくい電線ほど最小曲率半径が大きくなり、曲げやすい電線ほど最小曲率半径が小さくなる傾向にある。ここでは、第2電線30は第1電線20よりも曲がりやすいため、第2電線30に設定された最小曲率半径は、第1電線20に設定された最小曲率半径よりも小さい。
【0043】
曲げ区間において、4本の第2電線30は、互いに異なる曲率半径で曲がっている。例えば、4本の第2電線30それぞれの曲率中心が互いに同じであってもよい。この場合、第2電線30の曲率半径は、曲率中心から遠くなるほど大きくなる。4本の第2電線30のうち最も外周側に配置される第2電線30の曲率半径が第1電線20の曲率半径よりも大きい。もっとも、4本の第2電線30のうち最も外周側に配置される第2電線30の曲率半径が第1電線20の曲率半径と同じかそれよりも小さくてもよい。
【0044】
第1電線20とベース部材40との固定部が第1固定部50である。ここでは複数の第1固定部50が、第1電線20の延在方向に沿って互いに間隔をあけて設けられる。第1電線20が複数の第1固定部50を介してベース部材40に固定されて、ベース部材40に対して所定の経路に保持されている。複数の第1固定部50は、第1電線20のうち少なくとも直線状に延びる部分をベース部材40に固定している。ここで、第1電線20が直線状に延びるとは、ベース部材40の主面を平面視で観察した場合に第1電線20が1つの方向に沿って延びていることをいう。第1固定部50は、第1電線20を曲がる状態でベース部材40に固定している。第1電線20のうち第1固定部50によって固定される部分以外の箇所が曲がってベース部材40に固定されていてもよい。
【0045】
第1電線20は、曲げ経路部41の延在方向に沿った入口側において、入口側第1固定部50Aを介してベース部材40に固定されている。第1電線20は、曲げ経路部41の延在方向に沿った出口側において、出口側第1固定部50Bを介してベース部材40に固定されている。第1電線20は、入口側第1固定部50Aと出口側第1固定部50Bとの間でベース部材40に固定されていない。第1電線20は、入口側第1固定部50Aと出口側第1固定部50Bとの間で第2電線30と交差する。
【0046】
第2電線30とベース部材40との固定部が第2固定部52である。ここでは複数の第2固定部52が、第2電線30の延在方向に沿って互いに間隔をあけて設けられる。第2電線30が複数の第2固定部52を介してベース部材40に固定されて、ベース部材40に対して所定の経路に保持されている。複数の第2固定部52は、第2電線30のうち少なくとも直線状に延びる部分をベース部材40に固定している。ここで、第2電線30が直線状に延びるとは、第1電線20が直線状に延びる場合と同様に把握されてもよい。第2固定部52は、第2電線30を曲がる状態でベース部材40に固定している。第2電線30のうち第2固定部52によって固定される部分以外の箇所が曲がってベース部材40に固定されている。
【0047】
第2電線30は、曲げ経路部41の延在方向に沿った入口側において、入口側第2固定部52Aを介してベース部材40に固定されている。第2電線30は、曲げ経路部41の延在方向に沿った出口側において、出口側第2固定部52Bを介してベース部材40に固定されている。第2電線30は入口側第2固定部52Aと出口側第2固定部52Bとの間でベース部材40に固定されていない。第2電線30は、入口側第2固定部52Aと出口側第2固定部52Bとの間で第1電線20と交差する。
【0048】
入口側第1固定部50A及び出口側第1固定部50Bのうち少なくとも1つは、長尺固定部50Lである。長尺固定部50Lは、第1電線20をベース部材40に固定している長さ寸法が、入口側第2固定部52Aが第2電線30をベース部材40に固定している長さ寸法及び出口側第2固定部52Bが第2電線30をベース部材40に固定している長さ寸法のいずれよりも長い固定部である。ここでは、出口側第1固定部50Bが長尺固定部50Lである。ここでは、入口側第1固定部50Aは長尺固定部50Lではない。入口側第1固定部50Aは短尺固定部50Sである。短尺固定部50Sは、第1電線20をベース部材40に固定している長さ寸法が、長尺固定部50Lが第1電線20をベース部材40に固定している長さ寸法よりも短い固定部である。短尺固定部50Sは、例えば、入口側第2固定部52Aが第2電線30をベース部材40に固定している長さ寸法及び出口側第2固定部52Bが第2電線30をベース部材40に固定している長さ寸法と同じである。
【0049】
ベース部材40に対する第1電線20及び第2電線30の固定態様としては、第1電線20又は第2電線30がその延在方向において部分的な箇所でベース部材40に固定されるものであればよく、接触部位固定であってもよいし、非接触部位固定であってもよい。ここで接触部位固定とは、第1電線20又は第2電線30とベース部材40とが接触する部分がくっついて固定されているものである。また、非接触部位固定とは、接触部位固定でない固定態様である。非接触部位固定とは、例えば、縫糸、粘着テープなどの固定用の部材が、第1電線20又は第2電線30をベース部材40に向けて押え込む等して、当該押え込み状態に維持するものである。以下では、第1電線20又は第2電線30とベース部材40とが、接触部位固定の状態にあるものとして説明される。
【0050】
係る接触部位固定の態様として、接触部位間接固定であってもよいし、接触部位直接固定であってもよいし、異なる領域で両者が併用されていてもよい。ここで接触部位間接固定とは、第1電線20又は第2電線30とベース部材40とが、その間に設けられた接着剤、粘着剤、両面粘着テープなどの間接固定部分を介して間接的にくっついて固定されているものである。また接触部位直接固定とは、第1電線20又は第2電線30とベース部材40とが別に設けられた接着剤等を介さずに直接くっついて固定されているものである。接触部位直接固定では、例えば第1電線20又は第2電線30とベース部材40とのうち少なくとも一方に含まれる樹脂が溶かされることによってくっついて固定されることが考えられる。
【0051】
係る接触部位直接固定の状態が形成されるに当たり、樹脂は、例えば、熱によって溶かされることも考えられるし、溶剤によって溶かされることも考えられる。つまり、接触部位直接固定の状態としては、熱による接触部位直接固定の状態であってもよいし、溶剤による接触部位直接固定の状態であってもよい。好ましくは、熱による接触部位直接固定の状態であるとよい。
【0052】
このとき接触部位直接固定の状態を形成する手段は特に限定されるものではなく、溶着、融着、溶接等の公知の手段を用いることができる。例えば、融着によって熱による接触部位直接固定の状態を形成する場合、超音波融着、加熱加圧融着、熱風融着、高周波融着など種々の融着手段を採用することができる。またこれらの手段によって接触部位直接固定の状態が形成されると、第1電線20又は第2電線30とベース部材40とは、その手段による接触部位直接固定の状態とされる。具体的には、例えば、超音波融着によって接触部位直接固定の状態が形成されると、第1電線20又は第2電線30とベース部材40とは、超音波融着による接触部位直接固定の状態とされる。ここでは、第1固定部50は第1電線20をベース部材40に融着固定する部分であり、第2固定部52は第2電線30をベース部材40に融着固定する部分であることを想定した説明がなされる。特に、これらの融着固定部分は、超音波融着による固定部分であることを想定した説明がなされる。つまり、第1固定部50は、ベース部材40を構成する樹脂と第1電線20の被覆を構成する樹脂とが超音波融着によって固定されたスポット融着部分である。また、第2固定部52は、ベース部材40を構成する樹脂と第2電線30の被覆を構成する樹脂とが超音波融着によって固定されたスポット融着部分である。
【0053】
ベース部材40は、上記のように第1電線20と第2電線30とを固定するための主面を有する部材であればよく、シート状に形成されていてもよいし、立体的な形状に形成されていてもよい。主面は、平面であってもよいし、曲面であってもよいし、凹凸面であってもよいし、平面と他の曲面等が複合した面であってもよい。例えば、ベース部材40は、偏平なフラット部分を有する部材、より具体的には、曲げ可能なシート部材であってもよい。ベース部材40は、好ましくは、厚み方向において容易に曲る柔軟性を有する。
【0054】
ベース部材40を構成する材料は特に限定されるものではないが、ベース部材40は、好ましくはPVC、PE、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PP(ポリプロピレン)などの樹脂を含む材料によって形成される。ベース部材40は、内部が一様に埋ったシート材であってもよいし、不織シート等であってもよい。ベース部材40は、金属などの材料を含むこともあり得る。シート部材は、単層であってもよいし、複数層積層されていてもよい。複数層積層されている場合、例えば、シート部材は、樹脂層と樹脂層とが積層されていることが考えられる。より具体的には、例えば、シート部材は、内部が一様に埋った樹脂シート材と不織シートとが積層されていることが考えられる。また例えば、シート部材は、樹脂層と金属層とが積層されていることが考えられる。
【0055】
<効果等>
以上のように構成された配線部材10によると、第1電線20は、曲げ経路部41を通過する際、ベース部材40の幅方向に沿った第1側方部分45から第2側方部分46に移る。これにより、第1電線20が適切な角度で曲がりやすい。これにより、ベース部材40の曲げ経路部41に対して電線をより適切に配置することができる。
【0056】
例えば、第1電線20が曲げ経路部41を通過する際、ベース部材40の幅方向に沿った内周側に沿って配置されると、曲率半径が小さくなりすぎる場合がある。また例えば、第1電線20が曲げ経路部41を通過する際、ベース部材40の幅方向に沿った外周側に沿って配置されると、第2電線30の配置されるエリアが狭くなったり、1つの曲げ経路部41において1本の第2電線30と2度交差したりし得る。第1電線20が曲げ経路部41を通過する際、ベース部材40の幅方向に沿った第1側方部分45から第2側方部分46に移ることによって、これらの事態を抑制できる。また第2電線30よりも曲げにくい第1電線20がベース部材40の幅方向に沿った第1側方部分45又は第2側方部分46に位置することによって、配線部材10を車両等に組付ける際に配線部材10を取り回しやすくなる。
【0057】
また、曲げ経路部41において、第1電線20と第2電線30とが互いに交差している。この場合でも、第1電線20が、曲げ経路部41を通過する際、ベース部材40の幅方向に沿った第1側方部分45から第2側方部分46に移ることによって、第2電線30が第1電線20と交差する場合、その交差箇所が1箇所となり、交差状態が安定する。
【0058】
また、第2電線30が、曲げ経路部41に沿って曲がって配置され、曲げ経路部41の延在方向に沿った入口側において、第2電線30が、第1電線20よりもベース部材40の第2側方部分46を通るように延在し、曲げ経路部41の延在方向に沿った出口側において、第2電線30が、第1電線20よりもベース部材40の第1側方部分45を通るように延在する。これにより、第2電線30が第1電線20と共に曲げ経路部41に沿って曲がって配置される場合でも、第2電線30の経路が窮屈になることが抑制される。
【0059】
また、複数の第2電線30が、曲げ経路部41に沿って曲がって配置され、複数の第2電線30のうち最も外周側に配置される第2電線30の曲率半径が第1電線20の曲率半径よりも大きい。これにより、複数の第2電線30が曲げ経路部41に沿って曲がって配置されやすくなる。
【0060】
また、第1電線20と第2電線30との交差部において、第2電線30が第1電線20よりもベース部材40側に位置する。これにより、ベース部材40から第2電線30が離れることが第1電線20によって抑制される。
【0061】
また、曲げ経路部41の延在方向に沿った入口側において、第1電線20が入口側第1固定部50Aを介してベース部材40に固定されると共に、第2電線30が入口側第2固定部52Aを介してベース部材40に固定され、曲げ経路部41の延在方向に沿った出口側において、第1電線20が出口側第1固定部50Bを介してベース部材40に固定されると共に、第2電線30が出口側第2固定部52Bを介してベース部材40に固定され、入口側第1固定部50A及び出口側第1固定部50Bのうち少なくとも1つは、第1電線20をベース部材40に固定している長さ寸法が、入口側第2固定部52Aが第2電線30をベース部材40に固定している長さ寸法及び出口側第2固定部52Bが第2電線30をベース部材40に固定している長さ寸法のいずれよりも長い長尺固定部50Lである。第1電線20は、第2電線30よりも曲がった状態に保たれにくい。この場合でも、入口側第1固定部50A及び出口側第1固定部50Bのうち少なくとも1つが長尺固定部50Lであることによって、第1電線20が曲がった状態に保たれやすい。
【0062】
[実施形態2]
実施形態2にかかる配線部材について説明する。
図2は実施形態2にかかる配線部材110を示す平面図である。なお、本実施形態の説明において、これまで説明したものと同様構成要素については同一符号を付してその説明を省略する。
【0063】
ベース部材140は、第1の曲げ経路部41と第2の曲げ経路部141とを含む。ここでは第1の曲げ経路部41は、実施形態1の上記曲げ経路部41と同じである。また、第1の曲げ経路部41における第1電線20及び第2電線30の配置も実施形態1と同じである。第2の曲げ経路部141は、第1の曲げ経路部41の延在方向に沿った出口側に位置する。第2の曲げ経路部141の延在方向に沿った入口側が、第1の曲げ経路部41の延在方向に沿った出口側とつながる部分である。第1電線20は、第1の曲げ経路部41と第2の曲げ経路部141とに沿って曲がって配置されている。
【0064】
第2の曲げ経路部141の延在方向に沿った入口側において、第1の曲げ経路部41の延在方向に沿った出口側と同様に、第1電線20が、第2側方部分46を通るように延在する。第2の曲げ経路部141の延在方向に沿った出口側において、第1電線20が、第1側方部分45を通るように延在する。これにより、第1電線20は、第1の曲げ経路部41を通過する際、第1側方部分45から第2側方部分46に移り、第2の曲げ経路部141を通過する際、第2側方部分46から第1側方部分45に移る。
【0065】
より詳細には、ベース部材40は、第1帯状部分42、第2帯状部分43及び第3帯状部分144を含む。第3帯状部分144は、第1帯状部分42とは別の位置で第2帯状部分43に連なる。第3帯状部分144は、第2帯状部分43の延在方向と交差する方向に延びる。第2の曲げ経路部141は、第2帯状部分43及び第3帯状部分144によって形成されている。第3帯状部分144は、第2帯状部分43のうち第1帯状部分42が連なる側と同じ側に連なる。
【0066】
第1電線20は、第1曲線区間21、第2曲線区間22、第1直線区間23、第2直線区間24、及び第3直線区間25を含む。第1曲線区間21は、第1電線20のうち第1の曲げ経路部41に沿って曲がって配置された区間であり、上記曲線区間21と同様の区間である。第2曲線区間22は、第1電線20のうち第2の曲げ経路部141に沿って曲がって配置された区間である。第3直線区間25は、第3帯状部分144に直線状に配置された区間である。第1直線区間23、第1曲線区間21、第2直線区間24、第2曲線区間22、及び第3直線区間25は、コネクタ60側からコネクタ61側に向けて、この順に連なる。第1電線20の他端部は第3帯状部分144の先端部から延び出てコネクタ61に接続されている。
【0067】
ここではベース部材140は、分岐部分47を有する。分岐部分47は、第2の曲げ経路部141に設けられている。ここでは第3帯状部分144の基端部が第2帯状部分43の延在方向に沿った中間部に連なることによって、分岐部分47が生じている。なお、第3帯状部分144の基端部が第2帯状部分43の先端部に連なることによって、ベース部材は、第1の曲げ経路部41及び第2の曲げ経路部141を有しつつ、分岐部分47を有しないように構成されていてもよい。
【0068】
4本の第2電線30のうち2本の第2電線30Aは、分岐部分47において第1電線20と分岐している。第2電線30Aは、第2帯状部分43の先端部まで直線状に延びる。第2電線30Aは、第2の曲げ経路部141に曲がって配置されていない。第2電線30の他端部は第2帯状部分43の先端部から延び出てコネクタ64に接続されている。第2電線30Aは、実施形態1の第2電線30と同様に、曲線区間31、第1直線区間33、及び第2直線区間34を含む。
【0069】
4本の第2電線30のうち2本の第2電線30Bは、第2の曲げ経路部141に曲がって配置されている。第2電線30Bは、第2の曲げ経路部141においても第1電線20に沿って延在する。第2電線30Bは、分岐部分47において第2電線30Aと分岐する。第2電線30Bは、第1曲線区間31、第2曲線区間32、第1直線区間33、第2直線区間34、及び第3直線区間35を含む。第1曲線区間31は、第2電線30のうち第1の曲げ経路部41に沿って曲がって配置された区間であり、上記曲線区間31と同様の区間である。第2曲線区間32は、第2電線30のうち第2の曲げ経路部141に沿って曲がって配置された区間である。第3直線区間35は、第3帯状部分144に直線状に配置された区間である。第1直線区間33、第1曲線区間31、第2直線区間34、第2曲線区間32、及び第3直線区間35は、コネクタ60側からコネクタ61側に向けて、この順に連なる。
【0070】
第2の曲げ経路部141の延在方向に沿った入口側において、第2電線30Bが、第1電線20よりも第1側方部分45を通るように延在している。第2の曲げ経路部141の延在方向に沿った出口側において、第2電線30Bが、第1電線20よりも第2側方部分46を通るように延在する。第2電線30Bの他端部は、第3帯状部分144の先端部から延び出てコネクタ65に接続されている。
【0071】
第2の曲げ経路部141において、第1電線20と第2電線30とが互いに交差している。第1電線20と第2電線30との交差部において、第2電線30が第1電線20よりもベース部材40側に位置する。第2の曲げ経路部141において、第1電線20は、入口側第1固定部50Aと、出口側第1固定部50Bとによって、ベース部材40に固定されている。第2の曲げ経路部141において、第2電線30は、入口側第2固定部52Aと、出口側第2固定部52Bとによって、ベース部材40に固定されている。第2の曲げ経路部141における入口側第1固定部50Aは、長尺固定部50Lである。
【0072】
本実施形態の配線部材110によっても、実施形態1の配線部材10と同様の効果を得ることができる。さらに配線部材110によると、第1電線20は、第1の曲げ経路部41を通過する際、第1側方部分45から第2側方部分46に移り、第2の曲げ経路部141を通過する際、第2側方部分46から第1側方部分45に移る。これにより、第1の曲げ経路部41及び第2の曲げ経路部141のそれぞれにおいて、第1電線20が適切な角度で曲がりやすい。
【0073】
[付記]
図3は実施形態2にかかる配線部材110の変形例を示す平面図である。
【0074】
変形例にかかる配線部材210において、第3帯状部分244が第2帯状部分43と連なる位置が、配線部材110において、第3帯状部分144が第2帯状部分43と連なる位置とは異なる。第3帯状部分244は、第2帯状部分43のうち第1帯状部分42が連なる側とは反対側に連なる。この場合でも、ベース部材240は、上記ベース部材140と同様に、第2の曲げ経路部241を有する。
【0075】
なお、上記各実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0076】
10 配線部材
20 第1電線(第1線状伝送部材)
21 曲線区間(第1曲線区間)
22 第2曲線区間
23 第1直線区間
24 第2直線区間
25 第3直線区間
30 第2電線(第2線状伝送部材)
31 曲線区間(第1曲線区間)
32 第2曲線区間
33 第1直線区間
34 第2直線区間
35 第3直線区間
40、140、240 ベース部材
41 曲げ経路部(第1の曲げ経路部)
141、241 第2の曲げ経路部
42 第1帯状部分
43 第2帯状部分
144、244 第3帯状部分
45 第1側方部分
46 第2側方部分
47 分岐部分
50 第1固定部
50A 入口側第1固定部
50B 出口側第1固定部
50L 長尺固定部
50S 短尺固定部
52 第2固定部
52A 入口側第2固定部
52B 出口側第2固定部
60、61、62、63、64、65 コネクタ