(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023103754
(43)【公開日】2023-07-27
(54)【発明の名称】丁合装置
(51)【国際特許分類】
B65H 39/042 20060101AFI20230720BHJP
【FI】
B65H39/042
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022004456
(22)【出願日】2022-01-14
(71)【出願人】
【識別番号】000109727
【氏名又は名称】株式会社デュプロ
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】中村 良之
(72)【発明者】
【氏名】高橋 誠
(72)【発明者】
【氏名】神子 隆一
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 義久
【テーマコード(参考)】
3F050
【Fターム(参考)】
3F050BD05
3F050CA07
3F050CA08
3F050CB05
3F050CB06
3F050CF01
3F050LA16
3F050LB12
(57)【要約】
【課題】広告印刷物の配布者の負担を軽減できる丁合装置を提供する。
【解決手段】丁合装置は、広告印刷物束が配布される複数の地区の識別情報を保持する地区情報記憶部88と、広告印刷物の識別情報と、複数の地区のうち、その広告印刷物が広告印刷物束に含められる地区の識別情報と、を対応付けて記憶する広告印刷物配布先情報記憶部と、広告印刷物配布先情報記憶部に記憶される情報に基づいて、各地区に配布する広告印刷物束を作成させる丁合制御部80と、を備える。丁合装置はさらに、広告印刷物の識別情報と、その広告印刷物の配布予定中心地と、を受け付ける受付部74と、受付部74が受け付けた広告印刷物の配布予定中心地に基づいて、複数の地区のうち、その広告印刷物が広告印刷物束に含められる地区を決定する決定部76と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
広告印刷物束を作成する丁合装置であって、
広告印刷物束が配布される複数の地区の識別情報を保持する地区情報記憶部と、
広告印刷物の識別情報と、前記複数の地区のうち、その広告印刷物が広告印刷物束に含められる地区の識別情報と、を対応付けて記憶する広告印刷物配布先情報記憶部と、
前記広告印刷物配布先情報記憶部に記憶される情報に基づいて、各地区に配布する広告印刷物束を作成させる丁合制御部と、
を備え、
本丁合装置はさらに、
広告印刷物の識別情報と、その広告印刷物の配布予定中心地と、を受け付ける受付部と、
前記受付部が受け付けた広告印刷物の配布予定中心地に基づいて、前記複数の地区のうち、その広告印刷物が広告印刷物束に含められる地区を決定する決定部と、
を備える丁合装置。
【請求項2】
前記受付部が受け付けた広告印刷物の識別情報と、前記決定部によって決定された、その広告印刷物が広告印刷物束に含められる地区の識別情報と、を前記広告印刷物配布先情報記憶部に登録する登録部をさらに備える請求項1に記載の丁合装置。
【請求項3】
前記決定部は、前記複数の地区のうち、広告印刷物の配布予定中心地が所在する地区と、その地区に隣接する地区とを、その広告印刷物が広告印刷物束に含められる地区に決定する請求項1または2に記載の丁合装置。
【請求項4】
広告印刷物束を作成する丁合装置であって、
広告印刷物束が配布される複数の地区の識別情報を保持する地区情報記憶部と、
広告印刷物の識別情報と、前記複数の地区のうち、その広告印刷物が広告印刷物束に含められる地区の識別情報と、を対応付けて記憶する広告印刷物配布先情報記憶部と、
前記広告印刷物配布先情報記憶部に記憶される情報に基づいて、各地区に配布する広告印刷物束を作成させる丁合制御部と、
を備え、
本丁合装置はさらに、
或る広告印刷物の配布予定中心地が表示された地図を表示部に表示する表示制御部と、
前記或る広告印刷物が広告印刷物束に含められる地区についての地図上でのユーザの入力を受け付ける受付部と、
広告印刷物の識別情報と、前記受付部が受け付けた、その広告印刷物が広告印刷物束に含められる地区と、を前記広告印刷物配布先情報記憶部に登録する登録部と、
をさらに備える丁合装置。
【請求項5】
広告印刷物の配布予定中心地は、広告印刷物の広告主の所在地に関する情報あるいは広告主がかかわるイベントの開催地に関する情報である請求項1から4のいずれかに記載の丁合装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、丁合装置に関し、特に、広告印刷物の丁合に用いられる丁合装置に関する。
【背景技術】
【0002】
新聞に折り込まれたりする広告印刷物束の作成に丁合装置が利用されている。一般に、丁合装置は、複数の給紙部を備え、複数の給紙部のそれぞれから送り出された広告印刷物を搬送しながら重ねあわせることにより、広告印刷物束を作成する。
【0003】
特許文献1には、複数の給紙部のそれぞれすなわち複数種類の広告印刷物のそれぞれについて、給紙するか否かすなわち広告印刷物束に含めるか否かを地区ごとに設定したり、広告印刷物の枚数が地区の配布総数に満たない場合にその広告印刷物が一部の広告印刷物束にのみ含まれるように設定したりできる丁合装置が開示される。この丁合装置によれば、ユーザの負担を軽減できるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
広告印刷物の広告主から広告印刷物の配布先を指示されることがあるが、その指示が、「店舗の周辺に適当に配布して欲しい」、「店舗の周辺に優先的に配って欲しい」といった漠然としたものである場合がある。このような指示に対して、店舗の周辺にあたる地区がどこであるかを広告印刷物の配布者(例えば新聞販売店や折込センター)が考えながら配布先を考えるのは手間である。
【0006】
本発明はこうした状況においてなされたものであり、そのある態様の例示的な目的のひとつは、広告印刷物の配布者の負担を軽減できる丁合装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の丁合装置は、広告印刷物束を作成する丁合装置であって、広告印刷物束が配布される複数の地区の識別情報を保持する地区情報記憶部と、広告印刷物の識別情報と、複数の地区のうち、その広告印刷物が広告印刷物束に含められる地区の識別情報と、を対応付けて記憶する広告印刷物配布先情報記憶部と、広告印刷物配布先情報記憶部に記憶される情報に基づいて、各地区に配布する広告印刷物束を作成させる丁合制御部と、を備える。本丁合装置はさらに、広告印刷物の識別情報と、その広告印刷物の配布予定中心地と、を受け付ける受付部と、受付部が受け付けた広告印刷物の配布予定中心地に基づいて、複数の地区のうち、その広告印刷物が広告印刷物束に含められる地区を決定する決定部と、を備える。
【0008】
本発明の別の態様もまた、丁合装置である。この装置は、広告印刷物束を作成する丁合装置であって、広告印刷物束が配布される複数の地区の識別情報を保持する地区情報記憶部と、広告印刷物の識別情報と、複数の地区のうち、その広告印刷物が広告印刷物束に含められる地区の識別情報と、を対応付けて記憶する広告印刷物配布先情報記憶部と、広告印刷物配布先情報記憶部に記憶される情報に基づいて、各地区に配布する広告印刷物束を作成させる丁合制御部と、を備える。本丁合装置はさらに、或る広告印刷物の配布予定中心地が表示された地図を表示部に表示する表示制御部と、或る広告印刷物が広告印刷物束に含められる地区についての地図上でのユーザの入力を受け付ける受付部と、広告印刷物の識別情報と、受付部が受け付けた、その広告印刷物が広告印刷物束に含められる地区と、を広告印刷物配布先情報記憶部に登録する登録部と、をさらに備える。
【0009】
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや、本発明の構成要素や表現を方法、装置、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、広告印刷物の配布者の負担を軽減できる丁合装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施の形態に係る丁合装置を示す斜視図である。
【
図2】
図1の丁合装置の内部構造を示す模式図である。
【
図3】
図1の制御部の機能構成を示すブロック図である。
【
図4】
図3の表示制御部が表示させる地区情報画面を示す図である。
【
図5】
図3の表示制御部が表示させる広告印刷物基本情報画面を示す図である。
【
図6】
図3の表示制御部が表示させる広告印刷物配布先設定画面を示す図である。
【
図7】変形例に係る広告印刷物配布先設定画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。
【0013】
図1は、実施の形態に係る丁合装置10を示す斜視図である。
図2は、丁合装置10の内部構造を示す模式図である。丁合装置10は、新聞販売店や折込センターにおいて、広告印刷物束を作成するために使用される。作成された広告印刷物束は、新聞に折り込まれて配達されたり、そのままポストに投函されたりする。
【0014】
丁合装置10は、筐体12と、給紙部14A~14Pと、挟み用給紙部16と、搬送機構18と、挟み部20と、排出部22と、積載部24と、操作部50と、制御部70と、を備える。
【0015】
給紙部14A~14Hは、筐体12の左側面に、この順に下側から並んでいる。給紙部14I~14Pは、筐体12の右側面に、この順に上側から並んでいる。以下、給紙部14A~14Pをまとめていうときや、特に区別しないときには単に「給紙部14」とよぶ。
【0016】
給紙部14は、給紙トレイ26と、給紙機構28と、を含む。給紙トレイ26には、複数枚の広告印刷物が重ねられた状態で積載される。給紙トレイ26は、給紙機構28に近づくにしたがって下がるよう傾斜している。
【0017】
給紙機構28は、制御部70からの信号に基づいて、給紙トレイ26に積載された広告印刷物を搬送機構18に送り出す。以下では、給紙トレイ26に積載された広告印刷物のうちの最上位の広告印刷物を送り出すことを「給紙」ともいう。給紙機構28は特に、他の給紙部14の給紙機構28から送り出された広告印刷物とメイン搬送機構36(後述)において重なり合うようなタイミングで広告印刷物を送り出す。
【0018】
搬送機構18は、複数のサブ搬送機構34と、メイン搬送機構36と、を含む。複数のサブ搬送機構34は、各給紙部14に対応して設けられ、対応する給紙部14から送り出された広告印刷物をメイン搬送機構36に搬送する。メイン搬送機構36は、筐体12内を上下に延在するよう設けられる。メイン搬送機構36は、各サブ搬送機構34から搬送されてきた広告印刷物を下方へ搬送する。各給紙部14から送り出された広告印刷物は、このメイン搬送機構36において重なり合う。
【0019】
挟み用給紙部16は、給紙部14Aの下方に配置される。挟み用給紙部16は、給紙トレイ30と、給紙機構32と、を含む。給紙トレイ30、給紙機構32はそれぞれ、給紙トレイ26、給紙機構28と同様の構成を有する。給紙トレイ30には、メイン搬送機構36によって搬送されてくる複数枚の広告印刷物を挟むための広告印刷物(以下、挟み広告印刷物)が積載される。給紙機構32は、制御部70からの信号に基づいて、給紙トレイ30に積載された挟み広告印刷物を挟み部20に送り出す。
【0020】
挟み部20は、折り板38と、ストッパ40と、折りナイフ42と、折りローラ44と、を含む。折り板38は、給紙部14Pの下方に設けられる。挟み用給紙部16から送り出された挟み広告印刷物は、折り板38上に搬送され、その先端がストッパ40に突き当たることによって停止する。挟み広告印刷物は特に、その中央が搬送機構18の下方に位置した状態で停止する。メイン搬送機構36を下降してきた複数枚の広告印刷物は、この挟み広告印刷物に突き当たる。このタイミングで折りナイフ42が下降し、挟み広告印刷物の中央が折りローラ44に巻き込まれて2つに折りたたまれるとともに、搬送機構18を下降してきた複数枚の広告印刷物がその間に入り込む。このようにして、複数枚の広告印刷物を挟み広告印刷物で挟んだ広告印刷物束が形成される。
【0021】
排出部22は、搬送ベルト46と、排出ローラ48と、を含む。搬送ベルト46は、広告印刷物束を排出ローラ48に向けて搬送する。排出ローラ48は、搬送ベルト46によって搬送されてきた広告印刷物束を積載部24に排出する。
【0022】
筐体12の前面側には操作部50が設けられている。操作部50はタッチパネル式の表示部51を有する。表示部51には操作画面が表示され、ユーザはこの操作画面を介して、広告印刷物束を作成する処理(以下、「丁合処理」とも呼ぶ)に関する情報を入力する。制御部70は、操作画面に対するユーザの入力にしたがって、給紙部14と、挟み用給紙部16と、搬送機構18と、挟み部20と、排出部22と、を制御する。
【0023】
図3は、制御部70の機能構成を示すブロック図である。これら各ブロックは、ハードウェア的には、コンピュータのCPUをはじめとする素子や機械装置で実現でき、ソフトウェア的にはコンピュータプログラム等によって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウェア、ソフトウェアの組合せによっていろいろなかたちで実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0024】
制御部70は、表示制御部72と、受付部74と、決定部76と、登録部78と、丁合制御部80と、地区情報記憶部88と、広告印刷物基本情報記憶部90と、広告印刷物配布先情報記憶部91と、積載情報記憶部92と、を含む。
【0025】
表示制御部72は、各種画面を操作部50の表示部51に表示させる。表示制御部72は、例えば、
図4~6の操作画面を表示部51に表示させる。これらの操作画面は、例えば、図示しないメイン画面において所定のボタンが押されたときに表示される。
【0026】
図4は、地区情報画面120を示す図である。地区情報画面120は、地区情報表示領域122と、地区追加ボタン124と、地区削除ボタン126と、順番クリアボタン128と、を含む。
【0027】
地区情報表示領域122には、広告印刷物束を配布する地区の一覧が表示される。広告印刷物束を新聞に挟み込んで配布する場合、地区情報表示領域122に表示される地区の一覧は、新聞を配達する地区の一覧ともいえる。地区情報表示領域122は、地区番号欄130と、地区名欄132と、部数欄134と、順番欄136と、地区住所欄138と、を含む。
【0028】
地区番号欄130には、地区を一意に識別するための地区番号が表示される。地区名欄132には、地区を一意に識別するための地区名が表示される。地区番号および地区名は、地区を一意に識別できる識別情報である。
【0029】
部数欄134には、地区に配布する広告印刷物束の部数が表示される。広告印刷物束を新聞に挟み込んで配布する場合、部数欄134に表示される部数は地区に配達する新聞の部数(すなわち地区における新聞の契約数)ともいえる。例えば、いずれかの地区の部数欄134をタッチするとテンキーが表示され、テンキーを介して部数を入力できる。
【0030】
順番欄136には、広告印刷物束を作成する順番が表示される。例えば、順番欄136をタッチした順に順番が設定される。順番クリアボタン128を押すと、設定した順番がクリアされる。順番が設定されていない地区の広告印刷物束は、地区番号の昇順に作成される。したがって、順番欄136の設定が
図4の状態の場合、地区番号1→2→3→4→6→5→7の順番で広告印刷物束が作成される。
【0031】
地区住所欄138には、地区の住所が表示される。地区の住所は、図示の例では字名までを含む(番地・号は含まない)住所であるが、例えば地区を代表する地点についての、番地・号までを含む住所であってもよい。例えば、いずれかの地区の地区住所欄138をタッチするとキーボードが表示され、住所を文字入力できてもよい。また例えば、いずれかの地区の地区住所欄138をタッチすると地図が表示され、その地図上で場所を指定すると、指定した場所の住所が地区の住所として自動入力されてもよい。
【0032】
地区追加ボタン124を押すと、地区を追加できる。例えば、地区追加ボタン124を押すとキーボードが表示され、地区名欄132に表示される地区名を入力できる。地区番号欄130に表示される地区番号は、昇順で自動で割り振られる。いずれかの地区が選択されている状態で地区削除ボタン126を押すと、その地区が削除される。
【0033】
図5は、広告印刷物基本情報画面140を示す図である。広告印刷物基本情報画面140は、広告印刷物情報表示領域142と、広告印刷物追加ボタン144と、広告印刷物削除ボタン146と、を含む。
【0034】
広告印刷物情報表示領域142には、広告印刷物束に含められる広告印刷物の一覧が表示される。広告印刷物情報表示領域142は、広告印刷物名欄150と、枚数欄152と、配布予定中心地欄154と、を含む。
【0035】
広告印刷物名欄150には、広告印刷物を一意に識別するための広告印刷物名が表示される。広告印刷物名は、広告印刷物を一意に識別する識別情報である。枚数欄152には、配布する広告印刷物の枚数が表示される。例えば、いずれかの広告印刷物の枚数欄152をタッチするとテンキーが表示され、テンキーを介して枚数を入力できる。
【0036】
配布予定中心地欄154には、広告印刷物を配布する予定である地域の中心地(以下、配布予定中心地という)が表示される。配布予定中心地は、例えば、広告印刷物の広告主の所在地であってもよいし、広告印刷物の広告主がかかわるイベントの開催地であってもよいし、広告印刷物の広告主が指定するその他の地点・地区であってもよい。いずれにせよ、広告印刷物の配布予定中心地は、広告印刷物の広告主から指定される。配布予定中心地は、図示の例のように字名までを含む(番地・号は含まない)住所で表現されてもよいし、番地・号までを含む住所で表現されてもよいし、地区名で表現されてもよい。例えば、いずれかの広告印刷物の配布予定中心地欄154をタッチするとキーボードが表示され、配布予定中心地を文字入力できてもよい。また例えば、いずれかの広告印刷物の配布予定中心地欄154をタッチすると地図が表示され、その地図上で場所を指定すると、指定した場所の住所や地区が配布予定中心地として自動入力されてもよい。
【0037】
広告印刷物追加ボタン144を押すと、広告印刷物を追加できる。例えば、広告印刷物追加ボタン144を押すとキーボードが表示され、広告印刷物名を入力できる。いずれかの広告印刷物が選択されている状態で広告印刷物削除ボタン146を押すと、その広告印刷物の情報が削除される。
【0038】
図6は、広告印刷物配布先設定画面160を示す図である。広告印刷物配布先設定画面160は、広告印刷物名表示欄162と、地区情報表示領域164と、自動割当ボタン168と、登録ボタン169と、を含む。
【0039】
広告印刷物名表示欄162には、配布先の地区を決定する広告印刷物の広告印刷物名が表示される。広告印刷物選択ボタン163を押すことにより、配布先の地区を決定する広告印刷物を変更できる。
【0040】
地区情報表示領域164には、広告印刷物束を配布する地区の一覧が表示される。この例では、地区情報表示領域164に表示される地区の一覧は、
図4の地区情報表示領域122に表示される地区の一覧と一致する。地区情報表示領域164は、地区名欄170と、部数欄172と、割当欄174と、割当枚数欄176と、地区住所欄178と、を含む。
【0041】
地区名欄170には、地区を一意に識別する地区名が表示される。部数欄172には、地区に配布する広告印刷物束の部数が表示される。
【0042】
割当欄174は、広告印刷物名表示欄162に表示されている広告印刷物を、各地区の広告印刷物束に含めるか否か、すなわち各地区に配布するか否かを示す。
図6の例では、割当欄174にチェックがついている地区には配布され、チェックがついていない地区には配布されない。自動割当ボタン168を押すと、広告印刷物の配布先が自動で決定され、配布する地区の割当欄174にチェックがつけられる。なお、割当欄174のチェックは、手動でつけたり外したりもできる。また、自動で決定されたチェックを手動で変更することもできる。
【0043】
割当枚数欄176には、地区に割り当てられる広告印刷物の枚数が表示される。割当枚数欄176に表示される枚数が、部数欄172に表示される部数と同じ場合、地区に配布するすべての広告印刷物束に広告印刷物名表示欄162に表示される広告印刷物が含まれることになる。割当枚数欄176に表示される枚数が、部数欄172に表示される部数よりも少ない場合、一部の広告印刷物束には広告印刷物名表示欄162に表示される広告印刷物が含まれないことになる。地区住所欄178には、地区の住所が表示される。
【0044】
登録ボタン169を押すと、広告印刷物名表示欄162に表示されている広告印刷物の配布先として、割当欄174にチェックがついている地区が登録される。
【0045】
図3に戻り、地区情報記憶部88は、広告印刷物束を配布する地区に関する情報を記憶する。詳しくは地区情報記憶部88は、
図4の地区情報画面120の各情報項目、具体的には、地区番号、地区名、部数、順番、住所を対応付けて記憶する。
【0046】
広告印刷物基本情報記憶部90は、複数の広告印刷物のそれぞれに関する基本情報を記憶する。詳しくは、広告印刷物基本情報記憶部90は、
図5の広告印刷物基本情報画面140の各情報項目、具体的には、広告印刷物名(すなわち広告印刷物の識別情報)、枚数、配布予定中心地を対応付けて記憶する。
【0047】
広告印刷物配布先情報記憶部91は、複数の広告印刷物のそれぞれについての配布先に関する情報を記憶する。詳しくは、広告印刷物配布先情報記憶部91は、
図6の広告印刷物配布先設定画面160の各情報項目、具体的には、広告印刷物名(すなわち広告印刷物の識別情報)、地区名(すなわち地区の識別情報)、割当枚数を対応付けて記憶する。
【0048】
積載情報記憶部92は、各給紙部14の給紙トレイ26に積載される広告印刷物の広告印刷物名を記憶する。
【0049】
受付部74は、ユーザが入力した情報を、操作部50を介して受け付ける。例えば、受付部74は、
図4~6の操作画面に入力・選択入力された情報、すなわち操作画面で設定された情報を受け付ける。具体的には、受付部74は、地区情報画面120で設定された各情報項目を受け付け、地区情報記憶部88に登録する。また受付部74は、広告印刷物基本情報画面140で設定された各情報項目を受け付け、広告印刷物基本情報記憶部90に登録する。また受付部74は、広告印刷物配布先設定画面160で設定された各情報項目を受け付け、広告印刷物配布先情報記憶部91に登録する。
【0050】
決定部76は、広告印刷物基本情報記憶部90の記憶される複数の広告印刷物のそれぞれについて、広告印刷物束に含める地区、つまり配布する予定の地区(以下、配布予定地区という)を決定する。詳しくは、決定部76は、
図6の自動割当ボタン168が押されると、
図6の広告印刷物名表示欄162に表示されている広告印刷物について、その配布予定中心地に基づいて、配布予定地区を決定する。
【0051】
決定部76は、例えば、配布予定中心地の地区(以下、中心地区という)と、中心地区に近接(例えば隣接)する地区(以下、近接地区という)とを、配布予定地区として決定してもよい。この場合、決定部76は、前方一致で、配布予定中心地の住所と字名の町/大字までが一致する(丁目/字以降は異なる)地区を、近接地区として特定してもよい。この場合、中心地区に対して丁目の数字が連続する地区を優先して近接地区として特定してもよい。また例えば、地区ごとに、他の地区との距離が近い順に順位付けした順位表を記憶部に記憶しておき、決定部76は、この順位表にしたがって近接地区を特定してもよい。
【0052】
登録部78は、複数の広告印刷物のそれぞれについて、決定部76によって決定された配布予定地区に関する情報を、広告印刷物配布先情報記憶部91に登録する。詳しくは、登録部78は、
図6の登録ボタン169が押されると、割当欄174にチェックが付いている地区に関する情報を、広告印刷物配布先情報記憶部91に登録する。
【0053】
丁合制御部80は、給紙制御部81と、搬送制御部82と、挟み制御部84と、排出制御部86と、を含む。
【0054】
給紙制御部81は、地区情報記憶部88、広告印刷物配布先情報記憶部91および積載情報記憶部92を参照して、給紙部14が広告印刷物を送り出すよう制御する。給紙制御部81は特に、給紙部14から送り出された広告印刷物がメイン搬送機構36において重なり合うようなタイミングで広告印刷物を送り出す。
【0055】
搬送制御部82は、サブ搬送機構34およびメイン搬送機構36による広告印刷物の搬送を制御する。挟み制御部84は、挟み用給紙部16と、挟み部20と、を制御する。具体的には、挟み制御部84は、メイン搬送機構36によって搬送される複数枚の広告印刷物が挟み部20に到達する前に、挟み広告印刷物がメイン搬送機構36の下方に位置するよう挟み用給紙部16に給紙させる。また、挟み制御部84は、メイン搬送機構36によって搬送されてきた複数枚の広告印刷物が挟み広告印刷物に突き当たるタイミングで折りナイフ42を下降させる。排出制御部86は、排出部22による広告印刷物束の排出を制御して、作成された広告印刷物束を積載部24に積載させる。
【0056】
以上説明した本実施の形態によれば、複数の広告印刷物のそれぞれについて、それぞれの広告印刷物の広告主から指定される配布予定中心地を機械的に入力すれば、広告印刷物の配布予定中心地に基づいて配布予定地区が自動で決定される。このため、配布予定地区を決めるにあたって広告印刷物の配布者があれこれ考えを巡らせる必要がなく、したがって広告印刷物の配布者の負担が軽減される。
【0057】
以上、本発明について、実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。以下、こうした変形例について説明する。
【0058】
図7は、変形例に係る広告印刷物配布先設定画面260を示す図である。広告印刷物配布先設定画面260は、広告印刷物名表示欄262と、地区情報表示欄264と、地図表示欄266と、登録ボタン269と、を含む。
【0059】
広告印刷物名表示欄262には、配布先の地区を決定する広告印刷物の広告印刷物名が表示される。広告印刷物選択ボタン263を押すことにより、配布先の地区を決定する広告印刷物を変更できる。
【0060】
地図表示欄266には、配布予定中心地の周辺の地図が表示される。地図には、配布予定中心地を示すピンPが表示される。中心地区は、デフォルトで配布予定地区に選択される。担当者は、この地図上で配布予定地区を選択する。選択された地区は、選択されていない地区とは異なる態様(例えば異なる色)で表示されてもよい。担当者は、例えば、近接地区を配布予定地区として選択してもよい。なお、地区を選択しやすいように、地図上に地区名が表示されてもよいし、地区名とともにその地区に配布する広告印刷物束の部数が表示されてもよい。
【0061】
地区情報表示欄264は、地区名欄270と、部数欄272と、割当枚数欄276と、を含む。地区名欄270には、地図表示欄266において選択した地区の地区名が表示される。部数欄272には、地区に配布する広告印刷物束の部数が表示される。部数欄272には、
図4において部数欄134に入力した部数が表示される。割当枚数欄276には、地区に割り当てられる広告印刷物の枚数が表示される。
【0062】
登録ボタン269を押すと、登録部78は、広告印刷物名表示欄262に表示されている広告印刷物について、地区情報表示欄264に表示されている配布先の情報を、広告印刷物配布先情報記憶部91に登録する。
【0063】
本変形例によれば、配布予定中心地が表示される地図上で配布予定地区を選択できるため、極めて容易に、近接地区が配布予定地区に含まれるように選択できる。
【0064】
また、例えば広告主が販売店であり、配布予定中心地がその販売店である場合において、販売店が属する地区の近隣地区であっても、川や線路を挟んだ向こう側に住んでいる人にはあまり利用されない場合がある。そのような地区に広告印刷物を配っても、効果的でない。これに対し、本実施の形態によれば、地図上で配布予定地区を選択できるため、そうした地区を外すことができる。
【0065】
上述した実施形態および変形例では、
図4~6の操作画面を、丁合装置10に設けられた操作部50の表示部51に表示させているが、この態様に限られず、丁合装置10とは別体として設けられたPC等の端末の表示部に、有線または無線による通信回線を通じて表示させ、当該端末を通じてユーザの入力を受け付けるようにしてもよい。また、インターネット回線を上記通信回線として利用することにより、外部の端末からの入力を受け付けるようにしてもよい。
【0066】
この場合、端末が操作部50および表示部51として機能すればよく、表示制御部72、受付部74、決定部76、登録部78、丁合制御部80、地区情報記憶部88、広告印刷物基本情報記憶部90、広告印刷物配布先情報記憶部91、積載情報記憶部92を、丁合装置10本体側、端末のどちらに配置するかは問わない。
【0067】
さらに、外部の端末を、複数の新聞販売店を統括する折込センターに設け、インターネット回線を通じ、統括する複数の新聞販売店のそれぞれに設置された丁合装置10についての各情報の入力や登録、地区の自動割り当てが可能であってもよい。例えば同じ広告印刷物が複数の新聞販売店を通じて配布されることがある。折込センターでは、各広告主の要望に応じ、各新聞販売店が受け持つ地区から、必要な地区を割り当てる操作が可能となる。
【0068】
さらに、広告印刷物を割り当てた地区において、実際にその広告印刷物の丁合作業を行った作業実績を、インターネット等の通信回線を介して外部の端末にフィードバック可能としてもよい。これにより、例えば、折込センターの端末に各新聞販売店の丁合実績を集約することにより、広告主に配布実績として示すことが可能となるし、丁合装置に稼働実績としてサービスマンが参照することが可能となる。
【0069】
上述した実施の形態および変形例の任意の組み合わせもまた本発明の実施の形態として有用である。組み合わせによって生じる新たな実施の形態は、組み合わされる実施の形態および変形例それぞれの効果をあわせもつ。また、請求項に記載の各構成要件が果たすべき機能は、実施の形態および変形例において示された各構成要素の単体もしくはそれらの連係によって実現されることも当業者には理解されるところである。
【符号の説明】
【0070】
10 丁合装置、 74 受付部、 76 決定部、 80 丁合制御部、 88 地区情報記憶部、 90 広告印刷物基本情報記憶部、 91 広告印刷物配布先情報記憶部。