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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023103783
(43)【公開日】2023-07-27
(54)【発明の名称】半導体試験装置
(51)【国際特許分類】
   G01R 31/28 20060101AFI20230720BHJP
   H01L 21/66 20060101ALI20230720BHJP
【FI】
G01R31/28 H
G01R31/28 Y
H01L21/66 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022004504
(22)【出願日】2022-01-14
(71)【出願人】
【識別番号】500171707
【氏名又は名称】株式会社ブイ・テクノロジー
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】林 良彦
(72)【発明者】
【氏名】原田 晃宏
【テーマコード(参考)】
2G132
4M106
【Fターム(参考)】
2G132AA08
2G132AE08
2G132AE11
2G132AE27
2G132AJ03
2G132AL11
2G132AL18
2G132AL29
4M106AA01
4M106BA01
4M106DD03
4M106DD10
4M106DD23
(57)【要約】
【課題】多数の被試験デバイスに対し、同時、かつ、精度良く試験を可能とし、試験コストの低減を可能とする半導体試験装置を提供する。
【解決手段】複数の被試験デバイスに対して試験を行う半導体試験装置は、試験信号を出力するドライバと、前記ドライバと、並列に接続された前記複数の被試験デバイスとの端子とを接続する伝送線路と、前記ドライバの出力インピーダンスを調整する第1の調整手段と、前記伝送線路の特性インピーダンスを調整する第2の調整手段と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の被試験デバイスに対して試験を行う半導体試験装置であって、
試験信号を出力するドライバと、
前記ドライバと、並列に接続された前記複数の被試験デバイスとの端子とを接続する伝送線路と、
前記ドライバの出力インピーダンスを調整する第1の調整手段と、
前記伝送線路の特性インピーダンスを調整する第2の調整手段と、
を備える、半導体試験装置。
【請求項2】
前記第1の調整手段は、直列に接続された複数の抵抗と、当該複数の抵抗それぞれに対応して接続状態を切り替える複数のスイッチとを含んで構成される、請求項1に記載の半導体試験装置。
【請求項3】
前記第2の調整手段は、前記伝送線路に接続される複数のバリキャップダイオード、および当該複数のバリキャップダイオードに接続される可変電源を含んで構成される、請求項1に記載の半導体試験装置。
【請求項4】
前記伝送線路は、並列接続を切り替え可能に構成される複数の伝送線路から構成され、
前記複数の伝送線路それぞれに対して、前記第2の調整手段が設けられる、請求項1に記載の半導体試験装置。
【請求項5】
前記半導体試験装置は更に、
所定の試験信号を出力する第2のドライバと、
前記第2のドライバと、並列に接続された前記複数の被試験デバイスとの第2の端子とを接続する第2の伝送線路と、
前記第2のドライバの出力インピーダンスを調整する第3の調整手段と、
前記第2の伝送線路の特性インピーダンスを調整する第4の調整手段と、
を更に備える、請求項1~4のいずれか一項に記載の半導体試験装置。
【請求項6】
前記第2のドライバが出力する所定の試験信号は一定である、請求項5に記載の半導体試験装置。
【請求項7】
前記半導体試験装置は更に、
クランプ回路と、
前記クランプ回路と、並列に接続された前記複数の被試験デバイスとの第2の端子とを接続する第2の伝送線路と、
前記第2の伝送線路の特性インピーダンスを調整する第3の調整手段と、
を更に備える、請求項1~4のいずれか一項に記載の半導体試験装置。
【請求項8】
前記複数の被試験デバイスの数、前記複数の被試験デバイスの入力容量、および、被試験デバイス間の配線長のうちの少なくともいずれかに基づいて特定される前記端子の特性インピーダンスに対応して、前記第1の調整手段および前記第2の調整手段による調整が行われる、請求項1~7のいずれか一項に記載の半導体試験装置。
【請求項9】
複数の被試験デバイスに対して試験を行う半導体試験装置であって、
試験信号を出力するドライバと、
前記ドライバと並列に接続され、前記ドライバと複数の第1の外部端子とを接続するための複数の第1の伝送線路と、
を備え、
前記ドライバと前記複数の伝送線路との間に、抵抗および接続状態を切り替えるためのスイッチを含んで構成される、半導体試験装置。
【請求項10】
前記半導体試験装置は、接続部材を介して、並列に接続された前記複数の被試験デバイスと接続され、
前記接続部材は、
前記複数の第1の外部端子と、
前記複数の被試験デバイスの端子と接続するための第2の端子と、
前記第2の端子と並列に接続され、前記第2の端子と前記複数の第1の外部端子とを接続するための複数の第2の伝送線路と、
前記複数の第2の伝送線路に設けられた、前記複数の第1の外部端子と前記第2の端子との接続状態を切り替えるスイッチと、
を含んで構成され、
前記接続部材のスイッチと前記半導体試験装置のスイッチとが対応して切り替えられることにより、前記半導体試験装置の出力インピーダンスが調整される、請求項9に記載の半導体試験装置。
【請求項11】
前記半導体試験装置は更に、
所定の試験信号を出力する第2のドライバと、
前記第2のドライバと、並列に接続された前記複数の被試験デバイスとの第3の端子とを接続する第3の伝送線路と、
前記第2のドライバの出力インピーダンスを調整する第1の調整手段と、
前記第3の伝送線路の特性インピーダンスを調整する第2の調整手段と、
を更に備える、請求項9または10に記載の半導体試験装置。
【請求項12】
前記第2のドライバが出力する所定の試験信号は一定である、請求項11に記載の半導体試験装置。
【請求項13】
前記半導体試験装置は更に、
クランプ回路と、
前記クランプ回路と、並列に接続された前記複数の被試験デバイスとの第3の端子とを接続する第3の伝送線路と、
前記第3の伝送線路の特性インピーダンスを調整する第1の調整手段と、
を更に備える、請求項9または10に記載の半導体試験装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、半導体試験装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体の製造において、半導体の品質を試験するための半導体試験装置が用いられている。半導体試験装置では、被試験体である複数のDUT(Device Under Test:被試験デバイス)を効率的に、低コストにて試験することが望まれている。
【0003】
例えば、特許文献1では、複数のDUTを同時に、かつ、信号の反射による測定精度の低下を防止して試験を行うことが可能な半導体試験装置の構成が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第5038137号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
半導体試験装置、特にメモリテスタでは、試験信号を印加するドライバ回路の1回路で、多くの被試験メモリに試験信号を印可することで、試験コストを低減することが望まれている。しかしながら、多数の被試験メモリを1のドライバ回路で駆動するようにプローブカードを設計した場合、プローブカード上の伝送線路の特性インピーダンスが被試験メモリの入力端子の寄生容量により、ドライバ回路を含む半導体試験装置の出力インピーダンスに整合できなくなる。その結果、試験時の測定精度の低下が発生してしまうため、1のドライバ回路で同時に試験できる被試験メモリの数が制限されていた。
【0006】
上記課題を鑑み、本願発明は、多数の被試験デバイスに対し、同時、かつ、精度良く試験を可能とし、試験コストの低減を可能とする半導体試験装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本願発明は以下の構成を有する。すなわち、複数の被試験デバイスに対して試験を行う半導体試験装置であって、
試験信号を出力するドライバと、
前記ドライバと、並列に接続された前記複数の被試験デバイスとの端子とを接続する伝送線路と、
前記ドライバの出力インピーダンスを調整する第1の調整手段と、
前記伝送線路の特性インピーダンスを調整する第2の調整手段と、
を備える。
【0008】
また、本願発明の別の形態は以下の構成を有する。すなわち、複数の被試験デバイスに対して試験を行う半導体試験装置であって、
試験信号を出力するドライバと、
前記ドライバと並列に接続され、前記ドライバと複数の第1の外部端子とを接続するための複数の第1の伝送線路と、
を備え、
前記ドライバと前記複数の伝送線路との間に、抵抗および接続状態を切り替えるためのスイッチを含んで構成される。
【発明の効果】
【0009】
本願発明により、多数の被試験デバイスに対し、同時、かつ、精度良く試験を可能とし、試験コストの低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本願発明の第1の実施形態に係る半導体試験装置の構成の例を示す概略図。
図2】本願発明の第1の実施形態に係る可変抵抗器の構成の例を示す概略図。
図3】本願発明の第2の実施形態に係る半導体試験装置の構成の例を示す概略図。
図4】本願発明の第3の実施形態に係る半導体試験装置の構成の例を示す概略図。
図5】本願発明の第4の実施形態に係る半導体試験装置の構成の例を示す概略図。
図6】本願発明の第5の実施形態に係る半導体試験装置の構成の例を示す概略図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本願発明を実施するための形態について図面などを参照して説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本願発明を説明するための一実施形態であり、本願発明を限定して解釈されることを意図するものではなく、また、各実施形態で説明されている全ての構成が本願発明の課題を解決するために必須の構成であるとは限らない。また、各図面において、同じ構成要素については、同じ参照番号を付すことにより対応関係を示す。
【0012】
<第1の実施形態>
以下、本願発明の第1の実施形態について説明を行う。
【0013】
本実施形態に係る半導体試験装置は、被試験デバイス(DUT)に対して所定の電気信号を印可し、その出力値と期待値との比較により検査を行うための装置である。特に、本実施形態に係る半導体試験装置は、ウェーハ検査工程において利用可能であり、ウェーハ上に形成された複数の被試験デバイスに対して電気的な試験を行う。
【0014】
[概略構成]
図1は、本実施形態に係る半導体試験装置100の概略構成を示す図である。半導体試験装置100には、プローブカード200、更には、ウェーハ(不図示)が接続される。ウェーハ上には、すでに試験対象である複数のDUT(具体的には、LSI(Large Scale Integrated Circuit)などの集積回路)が形成されているものとする。なお、図1に示す構成例は本実施形態に係る構成に着目して示したものであり、半導体試験装置100は更なる部位を備えてよい。例えば、図1には示していないが、半導体試験装置100は、試験装置全体を司る制御部、テストヘッド、ステージ部、ステージ駆動部、ウェーハ搬送部、ユーザ操作部などを含んで構成されてよい。
【0015】
半導体試験装置100が有するドライバIC(Integrated Circuit)101は、伝送線路104を介して、プローブカード200の接続部(接続端子)に接続される。ドライバIC101は、ドライバ102、およびイビデン株式会社103を含んで構成される。ドライバ102は、図1では不図示の信号生成部にて生成された試験信号に基づき、印加する電気信号を出力する。信号生成部は、例えば、半導体試験装置100の制御部に含まれ、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Single Processor)、または専用回路などから構成されてよい。信号生成部にて生成される試験信号は、予め信号パターンが規定されていてもよいし、ユーザ指示に基づいて設定されてもよい。可変抵抗器103は、ドライバ102から印加される電気信号に対して所定の出力インピーダンスとなるように調整可能に構成される。
【0016】
伝送線路104には、複数のバリキャップダイオード105が接続される。ここでは、バリキャップダイオード105について個別に説明を要する場合には、添え字(a~n)を付して説明し、包括的に説明する場合には、添え字を省略して説明する。本実施形態において複数のバリキャップダイオード105それぞれのアノード側は、伝送線路104と接続される。複数のバリキャップダイオード105はそれぞれ一定間隔にて伝送線路104に接続され、複数のバリキャップダイオード105間の伝送線路104をそれぞれ伝送線路104a~104nとして示す。本実施形態において、バリキャップダイオード105間の間隔(すなわち、伝送線路104a~104nそれぞれの長さ)は一定であるものとして説明する。バリキャップダイオード105のカソード側は、可変電源106に接続される。可変電源106の他端側は、グランド(GND)に接続される。なお、複数のバリキャップダイオード105のアノードおよびカソードの接続は図1に示す構成に限定するものではなく、アノード側が可変電源106に接続されてもよい。
【0017】
プローブカード200において、複数のDUT203が伝送線路201を介して接続される。ここでは、DUT203について個別に説明を要する場合には、添え字(a~n)を付して説明し、包括的に説明する場合には、添え字を省略して説明する。本実施形態において複数のDUT203は、プローブ針202を介して伝送線路201に電気的に接続される。本実施形態において、DUT203間の間隔(すなわち、伝送線路201a~201nそれぞれの長さ)は一定であるものとして説明する。プローブ針202は、同時に接続可能なDUT203の数だけ設けられる。ここでは、プローブ針202について個別に説明を要する場合には、添え字(a~n)を付して説明し、包括的に説明する場合には、添え字を省略して説明する。なお、図1に示すプローブカード200内の点線は、一部構成の省略を示し、任意の数のDUT203が接続されていることを示す。
【0018】
上記に示すプローブカード200の構成を用いて試験を行うことを考える。1のドライバ102にて駆動を行った場合、DUT203の入力容量Cdutが伝送線路201に付加されることにより、伝送線路201(更には、プローブ針202)の実効的な特性インピーダンスは設計値よりも低くなる。
【0019】
一例として、プローブカード200の伝送線路201の特性インピーダンスZを50Ω、伝送線路201の単位長さ当たりの容量Cを80pF/m、伝送線路201のインダクタンスLを200nH/mとして説明する。また、プローブカード200における複数のDUT203それぞれの接続間隔Lを2cmとし、複数のDUT203それぞれの入力容量Cdutを2pFとする。この場合に、DUT203が接続された伝送線路201の特性インピーダンスZdutは、以下の式(1)を用いて導出することができる。
【0020】
【数1】
【0021】
:プローブカード内の伝送線路の特性インピーダンス(DUT接続無し)
dut:プローブカード内の伝送線路の特性インピーダンス(DUT接続有り)
:プローブカード内の伝送線路の単位長さ当たりの容量
dut:DUTの入力容量
:伝送線路のインダクタンス
L:プローブカードにおけるDUTの接続間隔
【0022】
上記パラメータを用いて伝送線路201の特性インピーダンスZdutを導出すると、Zdut=33.3Ωとなる。つまり、複数のDUT203が接続された状態の伝送線路201の特性インピーダンスZdutは、接続無しの状態の伝送線路201の特性インピーダンスZ(=50Ω)よりも低い値となっている。このような、特性インピーダンスZdutの減少は、接続されるDUTの数、DUTの入力容量、および、接続されているDUT間の伝送線路の配線長(接続間隔)、伝送線路の単位長さ当たりの容量などに応じて変化しうる。
【0023】
このような変化により、半導体試験装置100と、プローブカード200とを接続した場合に、半導体試験装置100側とプローブカード200側とのインピーダンスの整合性が取れなくなってしまう。これは、通常、半導体試験装置100側の出力インピーダンスは、固定であり、プローブカード200側の特性インピーダンスの変化に適応的には対応できていないためである。整合性が取れていない場合、例えば、信号の反射波が生じ、試験精度の低下が生じうる。そのため、より精度の高い試験を行うためには、同時に試験できるDUTの数が制限されてしまう。言い換えると、半導体試験装置100側の出力インピーダンスとプローブカード200側の特性インピーダンスとの差異を少なくするために、許容できる測定精度の範囲に応じて、同時に計測可能なDUTの数を制限する必要がある。
【0024】
そこで、本実施形態では、半導体試験装置100側の出力インピーダンスを可変とする構成を備える。本実施形態では、ドライバIC101内の可変抵抗器103と、伝送線路104に設けられたバリキャップダイオード105とを用いた、2段階の調整機構により、プローブカード200側の特性インピーダンスとの整合性をとることを可能とする。ここでは便宜上、ドライバ102の出力インピーダンスを調整可能な構成を「第1の調整手段」とも称し、伝送線路104の特性インピーダンスを調整可能な構成を「第2の調整手段」とも称して説明を行う。なお、本明細書中において、用語「第1の」、「第2の」は、他の構成と区別するために便宜的に用いているものである。したがって、必ずしもこれらの用語が特定の構成要素のみを限定的に示すことを意図するものでは無く、例えば、実施形態や構成に応じて適宜読み替えるものとする。
【0025】
図2は、ドライバIC101内の可変抵抗器103の構成例を示す回路図である。図2の例において、スイッチ110と抵抗111とが並列に接続された回路が、6組、直列に接続されている。6つのスイッチ110a~110fと、6つの抵抗111a~111fはそれぞれ対応している。スイッチ110a~110fそれぞれは、ON/OFFを切り替えることで、対応する抵抗111a~111fへの電流の印加を調整する。抵抗111a~111fはそれぞれ、異なる抵抗値を有する。抵抗111aの抵抗値をR(=2×R)とした場合、抵抗111b~111fの抵抗値はそれぞれ、2R(=2×R)、4R(=2×R)、8R(=2×R)、16R(=2×R)、32R(=2×R)とする。なお、スイッチ110と抵抗111の組の数は6つに限定するものではなく、調整可能とするインピーダンスの範囲に応じて増減してよい。
【0026】
可変抵抗器103による調整により、伝送線路104を流れる電気信号が変化する。更に、可変電源106による電圧が調整されることで、伝送線路104に接続された複数のバリキャップダイオード105の容量値が変わり、プローブカード200に対する出力インピーダンスが調整される。
【0027】
上記構成により、半導体試験装置100側と、プローブカード200側のインピーダンスの整合性を取ることができ、精度良く、複数のDUTに同時に接続して試験を行うことが可能となる。例えば、プローブカード200側の特性インピーダンスが33.3Ωである場合に、これに対応して、第1の調整手段および第2の調整手段を用いて半導体試験装置100側のインピーダンスを33.3Ωとなるように調整することで、整合性をとることが可能となる。
【0028】
なお、可変抵抗器103におけるスイッチ110の切り替えや、可変電源106の電力の切り替えは、半導体試験装置100が備える制御装置(不図示)が予め設定されたプログラムに基づいて行ってもよいし、ユーザ操作に基づいて行われてもよい。制御装置は、CPU、MPU、DSP、または専用回路などから構成されてよい。
【0029】
<第2の実施形態>
以下、本願発明の第2の実施形態について説明する。なお、第1の実施形態と重複する構成については説明を省略し、差分に着目して説明を行う。
【0030】
[概略構成]
図3は、本願発明の第2の実施形態に係る半導体試験装置100の概略構成の例を示す図である。第1の実施形態にて図1を用いて説明した構成との差異として、半導体試験装置100は、伝送線路104と並列に伝送線路301が接続されている。なお、プローブカード200側の構成は、第1の実施形態の図1にて示した構成と同様である。
【0031】
伝送線路301には、複数のバリキャップダイオード302が接続される。ここでは、バリキャップダイオード302について個別に説明を要する場合には、添え字(a~n)を付して説明し、包括的に説明する場合には、添え字を省略して説明する。本実施形態において複数のバリキャップダイオード302それぞれのアノード側は、伝送線路301と接続される。複数のバリキャップダイオード302はそれぞれ一定間隔にて伝送線路301に接続され、複数のバリキャップダイオード302間の伝送線路301をそれぞれ伝送線路301a~301nとして示す。バリキャップダイオード302のカソード側は、可変電源303に接続される。可変電源303の他端側は、グランド(GND)に接続される。なお、複数のバリキャップダイオード302のアノードおよびカソードの接続は図3に示す構成に限定するものではなく、アノードが可変電源303側に接続されてもよい。
【0032】
さらに、伝送線路104と、伝送線路301とは、接続のON/OFFが切り替え可能なように、スイッチ304、305が設けられる。スイッチ304、305がOFFの場合には、図1と同様の構成となる。また、スイッチ304、305がONの場合は、伝送線路104と、伝送線路301が並列に接続された状態となる。このような並列構成にすることで、本実施形態に係る第2の調整手段は、半導体試験装置100側のインピーダンスの可変範囲を拡大することが可能となる。その結果、第1の実施形態の構成よりも、試験時においてプローブカード200に同時接続可能なDUT203の数の範囲を広げることが可能となる。なお、並列構成は、図3に示すような2つに限定するものではなく、更に多くの伝送回路を並列に接続し、切り替え可能としてよい。
【0033】
また、図3の構成では、バリキャップダイオードを一定間隔にて設けることで、伝送線路の特性インピーダンスを制御している。しかし、この構成に限定するものではない。より具体的には、伝送線路の単位長さ当たりの容量値を可変にできる構成を用いることができればよい。そのため、例えば、バリキャップダイオードに代えて、コンデンサとスイッチを従属接続した構成であってもよい。
【0034】
上記構成により、第1の実施形態にて示した構成と同様の効果に加え、更に、半導体試験装置側のインピーダンスの可変範囲を拡大することが可能となる。
【0035】
<第3の実施形態>
以下、本願発明の第3の実施形態について説明する。なお、第1の実施形態と重複する構成については説明を省略し、差分に着目して説明を行う。
【0036】
[概略構成]
図4は、本願発明の第3の実施形態に係る半導体試験装置100の概略構成の例を示す図である。半導体試験装置100は、接続部材410を介してプローブカード200に接続される。プローブカード200側の構成は、第1の実施形態の図1にて示した構成と同様である。接続部材410は、3つの入力端子413a~413cと、1つの出力端子415を備え、入力端子413a~413cがそれぞれ半導体試験装置100に接続され、出力端子415がプローブカード200に接続される。また、入力端子413a~413cと出力端子415は、伝送線路414a~414cを介して並列に接続されている。接続部材410内の伝送線路414b、414cにはそれぞれ、スイッチ411a、411bが設けられ、切替制御回路412によりスイッチ411a、411bのON/OFFが切り替えられる。本実施形態では伝送線路414aには、スイッチは設けられておらず、入力端子413aと出力端子415は常に接続状態となっている。
【0037】
半導体試験装置100のドライバIC101は、ドライバ102、並列に接続された抵抗401a、401b、401c、スイッチ402a、402b、および切替制御回路403を備える。抵抗401aは、半導体試験装置100内の伝送線路404aに接続される。伝送線路404aは、接続部材410の入力端子413aに接続される。図4の構成例では、伝送線路404aは、接続部材410内にてスイッチが設けられていない伝送線路414aの入力端子413aに接続される。抵抗401bは、スイッチ402aを介して、半導体試験装置100内の伝送線路404bに接続される。伝送線路404bは、接続部材410の入力端子413bに接続される。図4の構成例では、伝送線路404bは、接続部材410内のスイッチ411aが設けられた伝送線路414bの入力端子413bに接続される。抵抗401cは、スイッチ402bを介して、半導体試験装置100内の伝送線路404cに接続される。伝送線路404cは、接続部材410の入力端子413cに接続される。図4の構成例では、伝送線路404cは、接続部材410内のスイッチ411bが設けられた伝送線路414cの入力端子413cに接続される。
【0038】
切替制御回路403によるスイッチ402a、402bのON/OFF、および、切替制御回路412によるスイッチ411a、411bのON/OFFが制御されることにより、半導体試験装置100の接続状態が切り替えられ、特性インピーダンスが変化する。すなわち、抵抗401aおよび伝送線路404aからなる伝送線路(以下、第1の伝送線路とも称する)と、抵抗401bおよび伝送線路404bからなる伝送線路(以下、第2の伝送線路とも称する)と、抵抗401cおよび伝送線路404cからなる伝送線路(以下、第3の伝送線路とも称する)との並列接続が切り替えられる。第1の伝送線路は常に、接続部材410を介してプローブカード200に接続状態となる。第2の伝送線路と第3の伝送線路は、切り替え可能構成される。
【0039】
本例では、抵抗401a、401b、401cのそれぞれの値を、50Ω、100Ω、100Ωとする。また、伝送線路404a、404b、404cのそれぞれの特性インピーダンスZの値を、50Ω、100Ω、100Ωとする。この構成例の場合、スイッチ402a、402b、およびスイッチ411a、411bのいずれもがOFFとなった場合、半導体試験装置100の特性インピーダンスは、50Ωに設定することができる。また、スイッチ402aおよびスイッチ411aがON、またはスイッチ402bおよびスイッチ411bがONとなった場合、半導体試験装置100の特性インピーダンスは、33.3Ωに設定することができる。また、スイッチ402a、402b、およびスイッチ411a、411bのいずれもがONとなった場合、半導体試験装置100の特性インピーダンスは、25Ωに設定することができる。なお、これらの伝送線路の並列構成は、図4に示すような3つの線路に限定するものではなく、更に多くの伝送線路を並列に接続しつつ、切り替え可能としてよい。
【0040】
上記構成により、第1の実施形態にて示した構成と同様の効果を奏することが可能となる。
【0041】
<第4の実施形態>
以下、本願発明の第4の実施形態について説明する。なお、第1の実施形態と重複する構成については説明を省略し、差分に着目して説明を行う。
【0042】
上記の実施形態に示したようなインピーダンスの整合性を揃える構成により、半導体試験装置100とプローブカード200の接続箇所における信号の反射は抑制することができる。本実施形態では、接続端子の数に関わらず、信号の反射の発生を抑制し、試験の精度を向上させることを目的とした実施形態について説明する。
【0043】
[概略構成]
図5は、本願発明の第4の実施形態に係る半導体試験装置100の概略構成の例を示す図である。第1の実施形態にて図1を用いて説明した構成との差異として、半導体試験装置100は、2つの接続端子にて、プローブカード200と接続されている。すなわち、本実施形態では、半導体試験装置100とプローブカード200とは、2つの接続端子にて接続させ、試験信号の送端側と受端側でプローブカードの特性インピーダンスの整合性を取ることが可能な構成により反射波を発生させない。
【0044】
本実施形態において、半導体試験装置100とプローブカード200はそれぞれ、2つの接続端子を備え、これらを介して電気的に接続される。2つの接続端子において、便宜上、半導体試験装置100の伝送線路104とプローブカード200の伝送線路201aとの接続が行われる側を第1の端子と称し、半導体試験装置100の伝送線路301とプローブカード200の伝送線路201n+1との接続が行われる側を第2の端子と称する。
【0045】
半導体試験装置100内の第1の端子側の回路構成は、第1の実施形態の図1にて示した構成と同等である。半導体試験装置100内の第2の端子側の回路構成は、第1の端子側の回路構成と同等である。すなわち、半導体試験装置100の第2の端子側において、ドライバIC501が、伝送線路301を介して、プローブカード200に接続される。ドライバIC501は、ドライバ502、および可変抵抗器503を含んで構成される。ドライバ502は、図1では不図示の信号生成部にて生成された直流電圧を出力する。可変抵抗器503は、ドライバ502から印加される電気信号に対して所定の出力インピーダンスとなるように調整可能に構成される。
【0046】
伝送線路301には、複数のバリキャップダイオード302が接続される。ここでは、バリキャップダイオード302について個別に説明を要する場合には、添え字(a~n)を付して説明し、包括的に説明する場合には、添え字を省略して説明する。本実施形態において複数のバリキャップダイオード302それぞれのアノード側は、伝送線路301と接続される。複数のバリキャップダイオード302はそれぞれ一定間隔にて伝送線路301に接続され、複数のバリキャップダイオード302間の伝送線路301をそれぞれ伝送線路301a~301nとして示す。バリキャップダイオード302のカソード側は、可変電源303に接続される。可変電源303の他端側は、グランド(GND)に接続される。なお、複数のバリキャップダイオード302のアノードおよびカソードの接続は図5に示す構成に限定するものではなく、アノード側が可変電源303に接続されてもよい。
【0047】
本実施形態において、ドライバIC501のドライバ502は、定電圧、すなわち、プログラムされた直流電圧を印加するドライバから構成されてよい。
【0048】
上記構成により、第1の実施形態にて示した構成と同様の効果に加え、更に、試験信号の送端側と受端側の複数の接続構成それぞれにてインピーダンスの不整合による信号の反射を抑制でき、同時に複数のDUTを試験する際の精度を向上させることが可能となる。
【0049】
<第5の実施形態>
以下、本願発明の第5の実施形態について説明する。なお、第1の実施形態と重複する構成については説明を省略し、差分に着目して説明を行う。
【0050】
[概略構成]
図6は、本願発明の第5の実施形態に係る半導体試験装置100の概略構成の例を示す図である。第1の実施形態にて図1を用いて説明した構成との差異として、半導体試験装置100は、2つの接続端子にて、プローブカード200と接続されている。すなわち、本実施形態では、半導体試験装置100とプローブカード200とは、2つの接続端子にて接続されるため、試験信号の送端側ではプローブカードの特性インピーダンスと整合を取り、受端側では反射波をクランプする構成により反射波を発生させない。
【0051】
本実施形態において、半導体試験装置100とプローブカード200はそれぞれ、2つの接続端子を備え、これらを介して電気的に接続される。2つの接続端子において、便宜上、半導体試験装置100の伝送線路104とプローブカード200の伝送線路201aとの接続が行われる側を第1の端子と記載し、半導体試験装置100の伝送線路301とプローブカード200の伝送線路201n+1との接続が行われる側を第2の端子と記載する。
【0052】
半導体試験装置100内の第1の端子側の回路構成は、第1の実施形態の図1にて示した構成と同様である。半導体試験装置100の第2の端子側において、伝送線路301を介して、クランプ回路600が接続される。クランプ回路600は、ダイオード601、可変電源602、ダイオード603、および可変電源604を含んで構成される。ダイオード601と可変電源602が直列に接続される。ダイオード601のアノード側が可変電源602に接続され、カソード側が伝送線路301(伝送線路301a)に接続される。また、ダイオード603と可変電源604が直列に接続される。ダイオード603のアノード側が伝送線路301(伝送線路301a)に接続され、カソード側が可変電源604に接続される。なお、クランプ回路600の構成は特に限定するものではなく、公知の構成を用いてよい。
【0053】
伝送線路301には、複数のバリキャップダイオード302が接続される。ここでは、バリキャップダイオード302について個別に説明を要する場合には、添え字(a~n)を付して説明し、包括的に説明する場合には、添え字を省略して説明する。本実施形態において複数のバリキャップダイオード302それぞれのアノード側は、伝送線路301と接続される。複数のバリキャップダイオード302はそれぞれ一定間隔にて伝送線路301に接続され、複数のバリキャップダイオード302間の伝送線路301をそれぞれ伝送線路301a~301nとして示す。バリキャップダイオード302のカソード側は、可変電源303に接続される。可変電源303の他端側は、グランド(GND)に接続される。なお、複数のバリキャップダイオード302のアノードおよびカソードの接続は図5に示す構成に限定するものではなく、アノード側が可変電源303に接続されてもよい。
【0054】
上記構成により、第1の実施形態にて示した構成と同様の効果に加え、更に、試験信号の送端側と受端側の複数の接続構成それぞれにてインピーダンスの不整合による信号の反射を抑制でき、同時に複数のDUTを試験する際の精度を向上させることが可能となる。
【0055】
<その他の実施形態>
また、第3の実施形態の図4にて示した構成に対し、更に、第4の実施形態の図5に示したような受端側にプローブカードの特性インピーダンスとの整合性を取ることが可能な構成を設けてもよい。この場合、半導体試験装置100とプローブカード200とは、受端側において、直接接続されてもよいし、接続部材410を介して接続されてもよい。この構成により、第4の実施形態と同様の効果を奏することが可能となる。
【0056】
また、第3の実施形態の図4にて示した構成に対し、更に、第5の実施形態の図6に示したような受端側に反射波をクランプする構成を設けてもよい。この場合、半導体試験装置100とプローブカード200とは、受端側において、直接接続されてもよいし、接続部材410を介して接続されてもよい。この構成により、第5の実施形態と同様の効果を奏することが可能となる。
【0057】
また、本願発明において、上述した1以上の実施形態の機能を実現するためのプログラムやアプリケーションを、ネットワーク又は記憶媒体等を用いてシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。
【0058】
また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array))によって実現してもよい。
【0059】
このように、本願発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、実施形態の各構成を相互に組み合わせることや、明細書の記載、並びに周知の技術に基づいて、当業者が変更、応用することも本願発明の予定するところであり、保護を求める範囲に含まれる。
【0060】
以上の通り、本明細書には次の事項が開示されている。
(1) 複数の被試験デバイス(例えば、203a~203n)に対して試験を行う半導体試験装置(例えば、100)であって、
試験信号を出力するドライバ(例えば、102)と、
前記ドライバと、並列に接続された前記複数の被試験デバイスとの端子とを接続する伝送線路(例えば、104)と、
前記ドライバの出力インピーダンスを調整する第1の調整手段(例えば、103)と、
前記伝送線路の特性インピーダンスを調整する第2の調整手段(例えば、105、106)と、
を備える、半導体試験装置。
この構成によれば、多数の被試験デバイスに対し、同時、かつ、精度良く試験を可能とし、試験コストの低減することが可能となる。
【0061】
(2) 前記第1の調整手段は、直列に接続された複数の抵抗(例えば、111a~111f)と、当該複数の抵抗それぞれに対応して接続状態を切り替える複数のスイッチ(例えば、110a~110f)とを含んで構成される、(1)に記載の半導体試験装置。
この構成によれば、抵抗とスイッチを用いた比較的簡易な構成により、半導体試験装置側のドライバの出力インピーダンスを調整可能な構成を実現することができる。
【0062】
(3) 前記第2の調整手段は、前記伝送線路に接続される複数のバリキャップダイオード(例えば、105a~105n-1)、および当該複数のバリキャップダイオードに接続される可変電源(例えば、106)を含んで構成される、(1)に記載の半導体試験装置。
この構成によれば、バリキャップダイオードと可変電源を用いた構成により、半導体試験装置側のドライバの出力インピーダンスを調整可能な構成を実現することができる。
【0063】
(4) 前記伝送線路は、並列接続を切り替え可能に構成される複数の伝送線路(例えば、104、301、304、305)から構成され、
前記複数の伝送線路それぞれに対して、前記第2の調整手段(例えば、105、106、302、303)が設けられる、(1)に記載の半導体試験装置。
この構成によれば、半導体試験装置の出力インピーダンスの調整可能な範囲をより拡張することが可能となる。
【0064】
(5) 前記半導体試験装置は更に、
所定の試験信号を出力する第2のドライバ(例えば、502)と、
前記第2のドライバと、並列に接続された前記複数の被試験デバイスとの第2の端子とを接続する第2の伝送線路(例えば、301)と、
前記第2のドライバの出力インピーダンスを調整する第3の調整手段(例えば、503)と、
前記第2の伝送線路の特性インピーダンスを調整する第4の調整手段(例えば、302、303)と、
を更に備える、(1)~(4)のいずれかに記載の半導体試験装置。
この構成によれば、半導体試験装置と被試験デバイスとの間のインピーダンスの不整合により生じ得る反射をより適切に抑制することが可能となる。
【0065】
(6) 前記第2のドライバが出力する所定の試験信号は一定である、(6)に記載の半導体試験装置。
この構成によれば、第2のドライバ側の出力制御をより簡易にしつつ、半導体試験装置と被試験デバイスとの間のインピーダンスの不整合により生じ得る反射をより適切に抑制することが可能となる。
【0066】
(7) 前記半導体試験装置は更に、
クランプ回路(例えば、600)と、
前記クランプ回路と、並列に接続された前記複数の被試験デバイスとの第2の端子とを接続する第2の伝送線路(例えば、301)と、
前記第2の伝送線路の特性インピーダンスを調整する第3の調整手段(例えば、302、303)と、
を更に備える、(1)~(4)のいずれかに記載の半導体試験装置。
この構成によれば、半導体試験装置と被試験デバイスとの間のインピーダンスの不整合により生じ得る反射をより適切に抑制することが可能となる。
【0067】
(8) 前記複数の被試験デバイスの数、前記複数の被試験デバイスの入力容量、および、被試験デバイス間の配線長のうちの少なくともいずれかに基づいて特定される前記端子の特性インピーダンスに対応して、前記第1の調整手段および前記第2の調整手段による調整が行われる、(1)~(7)のいずれかに記載の半導体試験装置。
この構成によれば、被試験デバイス側の特性インピーダンスに応じて、半導体試験装置側の出力インピーダンスを適応的に調整することが可能となる。
【0068】
(9) 複数の被試験デバイス(例えば、203a~203n)に対して試験を行う半導体試験装置(例えば、100)であって、
試験信号を出力するドライバ(例えば、102)と、
前記ドライバと並列に接続され、前記ドライバと複数の第1の外部端子(例えば、413a~413c)とを接続するための複数の第1の伝送線路(例えば、404a~404c)と、
を備え、
前記ドライバと前記複数の伝送線路との間に、抵抗(例えば、401a~401c)および接続状態を切り替えるためのスイッチ(例えば、402a、402b)を含んで構成される、半導体試験装置。
この構成によれば、多数の被試験デバイスに対し、同時、かつ、精度良く試験を可能とし、試験コストの低減することが可能となる。
【0069】
(10) 前記半導体試験装置は、接続部材(例えば、410)を介して、並列に接続された前記複数の被試験デバイスと接続され、
前記接続部材は、
前記複数の第1の外部端子(例えば、413a~413c)と、
前記複数の被試験デバイスの端子と接続するための第2の外部端子(例えば、415)と、
前記第2の外部端子と並列に接続され、前記第2の外部端子と前記複数の第1の外部端子とを接続するための複数の第2の伝送線路(例えば、414a~414c)と、
前記複数の第2の伝送線路に設けられた、前記複数の第1の外部端子と前記第2の外部端子との接続状態を切り替えるスイッチ(例えば、411a、411b)と、
を含んで構成され、
前記接続部材のスイッチと前記半導体試験装置のスイッチとが対応して切り替えられることにより、前記半導体試験装置の出力インピーダンスが調整される、(9)に記載の半導体試験装置。
この構成によれば、簡易な構成の接続部材を用いることで、多数の被試験デバイスに対し、同時、かつ、精度良く試験を可能とし、試験コストの低減することが可能となる。
【0070】
(11) 前記半導体試験装置は更に、
所定の試験信号を出力する第2のドライバ(例えば、502)と、
前記第2のドライバと、並列に接続された前記複数の被試験デバイスとの第3の端子とを接続する第3の伝送線路(例えば、301)と、
前記第2のドライバの出力インピーダンスを調整する第1の調整手段(例えば、503)と、
前記第3の伝送線路の特性インピーダンスを調整する第2の調整手段(例えば、302、303)と、
を更に備える、(9)または(10)に記載の半導体試験装置。
この構成によれば、半導体試験装置と被試験デバイスとの間のインピーダンスの不整合により生じ得る反射をより適切に抑制することが可能となる。
【0071】
(12) 前記第2のドライバが出力する所定の試験信号は一定である、(11)に記載の半導体試験装置。
この構成によれば、第2のドライバ側の出力制御をより簡易にしつつ、半導体試験装置と被試験デバイスとの間のインピーダンスの不整合により生じ得る反射をより適切に抑制することが可能となる。
【0072】
(13) 前記半導体試験装置は更に、
クランプ回路(例えば、600)と、
前記クランプ回路と、並列に接続された前記複数の被試験デバイスとの第3の端子とを接続する第3の伝送線路(例えば、301)と、
前記第3の伝送線路の特性インピーダンスを調整する第1の調整手段(例えば、302、303)と、
を更に備える、(9)または(10)に記載の半導体試験装置。
この構成によれば、半導体試験装置と被試験デバイスとの間のインピーダンスの不整合により生じ得る反射をより適切に抑制することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本願発明は、例えば、半導体の製造における、半導体の品質を試験するための半導体試験装置に適用可能である。
【符号の説明】
【0074】
100 半導体試験装置
101 ドライバIC
102 ドライバ
103 可変抵抗器
104 伝送線路
105 バリキャップダイオード
106 可変電源
110 スイッチ
111 抵抗
200 プローブカード
201 伝送線路
202 プローブ針
203 DUT
301 伝送線路
302 バリキャップダイオード
303 可変電源
304、305 スイッチ
401 抵抗
402、411 スイッチ
403、412 切替制御回路
404 伝送線路
410 接続部材
413 入力端子
414 伝送線路
415 出力端子
501 ドライバIC
502 ドライバ
503 可変抵抗器
600 クランプ回路
図1
図2
図3
図4
図5
図6