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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023103799
(43)【公開日】2023-07-27
(54)【発明の名称】収納体配置装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/00 20060101AFI20230720BHJP
【FI】
B65G1/00 543
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022004532
(22)【出願日】2022-01-14
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】薮田 拓磨
(72)【発明者】
【氏名】河野 一則
(72)【発明者】
【氏名】松山 吉成
(72)【発明者】
【氏名】上田 武志
(72)【発明者】
【氏名】江口 政史
【テーマコード(参考)】
3F022
【Fターム(参考)】
3F022AA07
3F022EE01
3F022JJ18
3F022KK11
3F022LL32
3F022MM11
3F022QQ17
(57)【要約】
【課題】物品を所望の収納状態とする自動化システムにおいて、収納対象となる物品を収納体に収納させる際に、収納体を適切な収納位置へ移動させ、より作業効率を向上させるための収納体配置装置を提供する。
【解決手段】複数の収納区画を有する収納体を配置する収納体配置装置は、前記収納体を保持し、当該収納体の位置を調整可能な保持部と、前記保持部にて保持された前記収納体の位置を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、物品の排出位置と、前記収納体の前記複数の収納区画のうちの所定の収納区画が一致するように、前記保持部の位置を制御する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の収納区画を有する収納体を配置する収納体配置装置であって、
前記収納体を保持し、当該収納体の位置を調整可能な保持部と、
前記保持部にて保持された前記収納体の位置を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、物品の排出位置と、前記収納体の前記複数の収納区画のうちの所定の収納区画が一致するように、前記保持部の位置を制御する、
収納体配置装置。
【請求項2】
前記制御部は、予め規定された、物品と前記収納体における当該物品を収納すべき収納区画との対応関係を示す情報に基づいて、前記収納体の位置を制御する、請求項1に記載の収納体配置装置。
【請求項3】
搬送部に物品を供給する供給部を更に備え、
前記搬送部は、前記供給部が前記搬送部に前記物品を供給する際、搬送動作を停止する、
請求項1または2に記載の収納体配置装置。
【請求項4】
収納体の画像を取得する画像取得部を更に備え、
前記制御部は、前記収納体の画像に基づいて、前記収納体の収納状態を判定する、
請求項1~3のいずれか一項に記載の収納体配置装置。
【請求項5】
前記制御部は、センサの検出結果に基づいて、前記収納体の収納動作が完了したかを判定した後、前記画像取得部によって取得した画像に基づいて、前記収納体の収納状態を判定する、請求項4に記載の収納体配置装置。
【請求項6】
前記保持部に保持された前記収納体を排出する複数の排出部を更に備え、
前記制御部は、前記収納体に対する収納状態の判定結果に基づいて、前記複数の排出部から排出先を選択する、
請求項5に記載の収納体配置装置。
【請求項7】
複数の搬送部が垂直方向に設けられ、
前記保持部は、前記複数の搬送部それぞれの物品の排出位置に、前記収納体の位置を調整可能に構成される、
請求項1~6のいずれか一項に記載の収納体配置装置。
【請求項8】
前記搬送部は、前記物品の排出位置にセンサを更に備え、
前記搬送部は、前記センサにより前記物品の排出を検知した場合、搬送動作を停止させ、
前記制御部は、前記搬送部により搬送動作が停止されている間に、前記収納体の位置を制御する、
請求項3に記載の収納体配置装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、収納体配置装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ロボットなどを用いて、様々な物品を収納体(例えば、トレイ)に収納させ、目的とする収納状態とするような自動化システムが普及している。このようなシステムでは、例えば、ベルトコンベアや搬送ロボットを用いて、所定位置から物品を取り出したり、搬送したりしながら、物品をトレイの適切な位置へ収納するような動作が行われる。
【0003】
例えば、特許文献1では、様々な部品を収容した部品キャリアを搬送して部品の採取位置に搬入し、その部品キャリアから部品を識別して採取し、基板に装着させる電子部品実装装置の構成を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011-40478号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、上述した従来の事情を鑑みて案出され、物品を所望の収納状態とする自動化システムにおいて、収納対象となる物品を収納体に収納させる際に、収納体を適切な収納位置へ移動させ、より作業効率を向上させるための収納体配置装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、複数の収納区画を有する収納体を配置する収納体配置装置であって、前記収納体を保持し、当該収納体の位置を調整可能な保持部と、前記保持部にて保持された前記収納体の位置を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、物品の排出位置と、前記収納体の前記複数の収納区画のうちの所定の収納区画が一致するように、前記保持部の位置を制御する、収納体配置装置を提供する。
【0007】
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせ、本開示の表現を方法、装置、システム、記憶媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本開示の態様として有効である。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、物品を所望の収納状態とする自動化システムにおいて、収納対象となる物品を収納体に収納させる際に、収納体を適切な収納位置へ移動させ、より作業効率を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態1に係るトレイメイキングシステムの構成例を示すブロック図
図2】実施の形態1に係るトレイメイキングユニット周りの構成例を示すブロック図
図3】実施の形態1に係る制御システムの構成例を示すブロック図
図4】実施の形態1に係る物品供給トレイの構成例を示す外観図
図5】実施の形態1に係る物品供給トレイの構成例を示す外観図
図6】実施の形態1に係るトレイユニットの構成例を示す外観図
図7】実施の形態1に係る物品供給トレイから物品を供給する際の動きを説明するための概略図
図8】実施の形態1に係るトレイユニットの動きを説明するための概略図
図9】実施の形態1に係る物品供給ユニットの挿入する際の流れを説明するための概略図
図10】実施の形態1に係るトレイユニットの動きを説明するための概略図
図11】実施の形態1に係るトレイユニットの構成例を示す概略図
図12】実施の形態1に係るロボットの構成例を示す外観図
図13】実施の形態1に係る物品の収納動作を説明するための外観図
図14】実施の形態1に係る物品の収納動作を説明するための概略図
図15】実施の形態1に係る物品の収納動作を説明するための概略図
図16】実施の形態1に係る物品収納トレイの構成例を示す外観図
図17】実施の形態1に係るトレイメイキング時の制御処理のフローチャート
図18】実施の形態1に係るトレイメイキング時のロボットの制御処理のフローチャート
図19】実施の形態1に係るトレイメイキング時のトレイユニットの制御処理のフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0010】
(本開示に至る経緯)
物品を所望の収納状態とする自動化システムにおいて、より自動化における動作効率を向上させることが求められている。例えば、1の収納体に対し、複数または複数種類の物品を収納する場合であっても、より短時間で、より正確に、目的とする収納状態とすることが必要とされている。物品の収納体であるトレイ内に設けられた複数の収納区画のうちの目的とする収納区画に、所望の物品を収納するように制御を行う場合(以下、「トレイメイキング」とも称する)、従来は、ロボットを用いて物品をピッキングし、これをトレイの目的とする収納区画へ格納させることが行われていた。このとき、ロボットが、物品の供給位置にて物品を保持し、収納位置へ物品を移動させて収納させる一連の流れは、ロボットの動作工程が多いため、一回当たりの動作に時間を要し、その動作をより効率化することが求められていた。本開示では、収納対象となる物品を収納体に収納する際の、収納体を配置する側の構成について改善することで、ロボットの動作工程を減らし、システム全体の効率化を図る。
【0011】
以下、添付図面を適宜参照しながら、本開示に係る収納体配置装置を具体的に開示した実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明、あるいは、実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になることを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるものであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されない。
【0012】
<実施の形態1>
[システム構成]
図1は、実施の形態に係る収納体配置装置を含んで構成されるトレイメイキングシステムの構成例を示すブロック図である。本実施の形態に係るトレイメイキングシステム1は、トレイメイキングユニット100、制御システム200、および、上位システム300を含んで構成される。なお、以降の説明にて用いる各図に示されているxyz座標系の向きはそれぞれ対応しているものとする。また、xyz座標系におけるx軸、y軸、z軸はそれぞれ直交している。
【0013】
制御システム200は、トレイメイキングシステム1全体の動作の制御を司り、例えば、PC(Personal Computer)などの情報処理装置から構成される。制御システム200は、有線/無線のネットワーク(不図示)を介して、トレイメイキングユニット100、ロボット106、各種コンベア、および上位システム300に接続される。
【0014】
上位システム300は、トレイメイキングに必要な各種情報を制御システム200に提供する。上位システム300は、PCなどの情報処理装置であってもよいし、オンプレミス型またはクラウド型のサーバ装置であってもよい。ここで提供する情報の内容は特に限定するものではないが、例えば、各種トレイの構成や、収納する物品の数、収納位置などが含まれてよい。具体的な情報の例については、後述する。
【0015】
トレイメイキングユニット100は、複数のトレイコントローラ101、複数の物品コンベア102、複数のトレイユニット103、複数の物品供給トレイ104、および、複数のトレイフォルダ105を含んで構成される。更にトレイメイキングユニット100の周辺には、ロボット106、カメラ107、物品収納トレイ108、OKトレイ搬送コンベア109、物品収納トレイ搬送コンベア110、およびNGトレイ搬送コンベア111が設置される。
【0016】
本実施の形態に係るトレイメイキングユニット100は、1または複数の段(図1の例では、10段)で構成され、各段は、1または複数のトレイユニット103(図1の例では、5列)にて構成される。したがって、図1の例では、トレイメイキングユニット100は、10段×5列の、計50のトレイユニット103により構成されている。なお、図1の構成は一例であり、これに限定するものではない。1または複数のトレイユニット103それぞれには、供給すべき物品を収納している物品供給トレイ104が設置されている。物品供給トレイ104の設置については、図を用いて後述する。
【0017】
1または複数のトレイコントローラ101それぞれは、トレイメイキングユニット100を構成する1または複数の段(図1の例では、10段)に対応して設けられる。1または複数のトレイコントローラ101それぞれは、制御システム200に通信可能に接続され、制御システム200からの指示に基づいて、対応する段における1または複数のトレイユニット103の動きを制御する。なお、本実施の形態では、トレイコントローラ101は、段ごとに1つ設けられた構成を示しているが、これに限定するものではなく、例えば、1のトレイユニット103に対して1のトレイコントローラ101が設けられてもよいし、段とは異なる単位にてトレイコントローラ101が設けられてもよい。
【0018】
1または複数のトレイフォルダ105それぞれは、トレイメイキングユニット100を構成する1または複数の段(図1の例では、10段)に対応して設けられる。トレイユニット103に設置された物品供給トレイ104から物品がすべて供給された後、物品供給トレイ104がトレイフォルダ105に排出される。物品供給トレイ104の排出については、図を用いて後述する。
【0019】
物品コンベア102は、物品供給トレイ104から排出された各物品を受け、出口(排出位置)に向けて物品の搬送を行う。本実施の形態では、排出位置においてロボット106が保持している物品収納トレイ108が配置され、物品収納トレイ108内の目的とする収納区画にて物品を受け取るように制御される。物品コンベア102は、トレイメイキングユニット100を構成する1または複数の段に対応して設けられる。物品コンベア102による搬送は、対応するトレイコントローラ101にて制御される。また、本実施の形態では、物品コンベア102は、無端コンベアにて構成されている例を示しているが、これに限定するものではない。また、本実施の形態では、各段における物品コンベア102の排出位置は、図2に示すように、x軸方向およびz軸方向において一致している。すなわち、複数の物品コンベア102それぞれの出口は、高さ(y軸方向の座標)のみが異なって、垂直になっている。しかし、この構成に限定するものではなく、物品コンベア102の長さや配置などは変更されてもよい。
【0020】
ロボット106は、物品収納トレイ搬送コンベア110から搬送されてくる物品収納トレイ108を保持し、物品コンベア102にて搬送されてくる物品の受け取り位置に物品収納トレイ108を移動させることで、物品を物品収納トレイ108の任意の位置に収納させる。ここでの動作については、図を用いて後述する。ロボット106の動作は、制御システム200により制御される。
【0021】
カメラ107は、ロボット106の動作により物品が収納された物品収納トレイ108の画像を撮影する。本実施の形態では、1の物品収納トレイ108に対する一連の収納動作が完了した後、ロボット106がカメラ107の撮影範囲に物品収納トレイ108を移動させ、撮影を行う。ここで撮影された画像は、制御システム200に送信される。制御システム200は、カメラ107を介して取得した画像に基づいて、物品の物品収納トレイ108への収納状態が正しいか否か、すなわち、目的とする物品が、物品収納トレイ108の目的とする位置(収納区画)に正しく収納されているか否かを判定する。ここでの収納状態が正しいか否かは、例えば、上位システム300から提供された情報などに基づいて行われてよい。なお、カメラ107は、複数のカメラから構成されてもよい。また、撮影動作は、一連の収納動作が完了した時点で固定位置にて行う必要はなく、例えば、一連の収納動作の最中に撮影を行い、リアルタイムで収納状態が正しいか否が判定されてもよい。
【0022】
OKトレイ搬送コンベア109は、カメラ107にて撮影された画像に基づいて、収納状態が正しいと判定された物品収納トレイ(以下、OKトレイとも称する)を搬送するためのコンベアである。OKトレイ搬送コンベア109は、OKトレイを所定の位置へ搬送させる。ここでの搬送先は特に限定するものでは無いが、例えば、パッキングなどを行う後段の装置(不図示)へ向けて搬送してよい。ロボット106は、一連の収納動作が完了した後、OKトレイをOKトレイ搬送コンベア109へ移動させる。
【0023】
物品収納トレイ搬送コンベア110は、物品を収納する前の空の物品収納トレイ108をロボット106が保持可能な位置に向けて搬送する。ロボット106は、物品収納トレイ搬送コンベア110にて搬送されてきた空の物品収納トレイ108を所定の位置で保持し、その物品収納トレイ108への収納動作を行う。
【0024】
NGトレイ搬送コンベア111は、カメラ107にて撮影された画像に基づいて、収納状態が正しくないと判定された物品収納トレイ(以下、NGトレイとも称する)を搬送するためのコンベアである。NGトレイ搬送コンベア111は、NGトレイを所定の位置へ搬送させる。ここでの搬送先は特に限定するものでは無いが、例えば、NGトレイ内の各物品を再利用するための動作を行う後段の装置(不図示)へ向けて搬送してよい。ロボット106は、一連の収納動作が完了した後、NGトレイをNGトレイ搬送コンベア111へ移動させる。
【0025】
なお、OKトレイ搬送コンベア109、物品収納トレイ搬送コンベア110、およびNGトレイ搬送コンベア111の構成は図1に示すものに限定するものではなく、搬送コンベアごとに異なっていてもよい。例えば、物品収納トレイ搬送コンベア110に代えて、空の物品収納トレイ108が積載された部位を備え、ロボット106はその部位から物品収納トレイ108を保持するような構成であってもよい。また、OKトレイ搬送コンベア109とNGトレイ搬送コンベア111を別個に設けてロボット106がいずれかに収納動作後の物品収納トレイ108を配置する構成に限定するものではない。例えば、ロボット106は収納動作後の物品収納トレイ108を同じ搬送コンベアに設置し、その搬送コンベア上で搬送中にOKトレイかNGトレイかを判定するような構成であってもよい。この場合、搬送コンベアの経路上に搬送中の物品収納トレイ108を撮影するためのカメラが設置される。
【0026】
また、本実施の形態では、物品収納トレイ108の排出先として、OKトレイ搬送コンベア109とNGトレイ搬送コンベア111の2つの搬送コンベアを用いた例を示している。しかし、この構成に限定するものでは無く、さらに多くの搬送コンベアを設けてもよい。例えば、NGトレイの場合に更に詳細に判定を行い、物品収納トレイ108にて欠品している物品に応じて、複数の搬送コンベアの中から排出先を選択するような構成であってもよい。また、NGトレイの場合に更に詳細に判定を行い、物品収納トレイ108にて収納されている位置は異なるが、すべての物品が揃っている場合には、その配置に応じて、複数の搬送コンベアの中から排出先を選択するような構成であってもよい。この場合に、OKトレイとして扱って搬送先を選択してもよい。この場合には、OKトレイやNGトレイの2分類ではなく、収納動作後の収納状態に応じて更に多くの分類にて扱ってもよい。また、排出先がすでに作業済みの物品収納トレイ108で一杯の場合には、別の排出先を選択するような構成であってもよい。
【0027】
図2は、図1に示したトレイメイキングシステム1のうち、トレイメイキングユニット100およびロボット106の部分を取り出して示した外観斜視図である。図2に示すように、物品コンベア102は、対応する段のトレイユニット103それぞれから物品を受け取り可能なように配置され、ロボット106側へ向けて物品を搬送可能である。ロボット106は、保持した物品収納トレイ108を、物品コンベア102それぞれからの受け取り位置へ移動させることが可能である。図2に示す例では、ロボット106は、物品収納トレイ108をxyz座標系にて示される三次元空間上の座標位置に移動させることが可能なように構成される。
【0028】
なお、図1図2の例では、ロボット106が1台の構成の例を示しているが、これに限定するものではない。例えば、複数のロボット106が同時並行的に動作可能な構成であってもよい。また、図1図2の例では、1台のロボット106が1の物品収納トレイ108を保持可能な構成を示しているが、これに限定するものではない。例えば、1台のロボット106が複数の物品収納トレイ108を保持可能とし、これらの物品収納トレイ108に対して同時並行的に収納動作を実施可能な構成であってもよい。
【0029】
[制御システム]
図3は、本実施の形態に係る制御システム200の構成例を示すブロック図である。制御システム200は、プロセッサ201、メモリ202、入力装置203、画像取得部204、トレイメイキングユニット接続部205、コンベア接続部206、ロボット接続部207、および通信装置208を含んで構成される。
【0030】
プロセッサ201は、メモリ202に格納された各種プログラムやデータを読み出して処理を実行することで、本実施の形態に係る各種機能を実現するプロセッサの一例である。プロセッサ201は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、GPU(Graphical Processing Unit)あるいはFPGA(Field Programmable Gate Array)のうち少なくとも1つを用いて構成されてもよい。メモリ202は、各種情報のデータを記憶、保持するための記憶領域であり、例えば、不揮発性の記憶領域であるROM(Read Only Memory)や、揮発性の記憶領域であるRAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)などから構成される。
【0031】
入力装置203は、例えば、不図示のマウスやキーボードからユーザによる指示のデータを受け付ける。画像取得部204は、カメラ107と通信可能に接続され、カメラ107にて撮影された画像を取得する。また、画像取得部204は、プロセッサ201によるカメラ107による撮影動作の指示を送信するように構成されてよい。トレイメイキングユニット接続部205は、1または複数のトレイコントローラ101と通信可能に接続される。トレイメイキングユニット接続部205は、プロセッサ201による各種指示をトレイコントローラ101に送信する。コンベア接続部206は、各コンベアの動作を司る駆動部(例えば、モーター等)に接続される。コンベア接続部206は、プロセッサ201による各種指示を各コンベアへ送信する。なお、本実施の形態では、物品コンベア102は、トレイコントローラ101にて制御するものとして説明するが、コンベア接続部206を介して制御システム200が直接制御するような構成であってもよい。
【0032】
ロボット接続部207は、ロボット106の動作を司る駆動部(例えば、モーター等)に接続される。ロボット接続部207は、プロセッサ201による各種指示をロボット106へ送信する。通信装置208は、有線/無線のネットワーク400を介して外部装置(例えば、上位システム300)との通信を行い、各種データや信号の送受信を行う。通信装置208による通信方式は、特に限定するものではなく、複数の通信方式に対応していてよい。例えば、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、電力線通信、近距離無線通信(例えば、Bluetooth(登録商標))などが用いられてよい。
【0033】
[物品供給トレイ]
図4図5は、本実施の形態に係る物品供給トレイ104の構成例を示す外観図である。図4(a)~図4(c)はそれぞれ異なる向きから物品供給トレイ104を見た図である。同様に、図5(a)~図5(c)もそれぞれ異なる向きから物品供給トレイ104を見た図である。
【0034】
図4は、x軸方向に5、z軸方向に10の計50の収納区画401が構成された物品供給トレイ104の構成例である。収納区画401にはそれぞれ任意の物品を収納可能である。ここで、x軸方向は、物品コンベア102による搬送方向に沿った方向に対応する。図5は、x軸方向に2、z軸方向に6の計12の収納区画401が構成された物品供給トレイ104の構成例である。なお、物品供給トレイ104の構成は一例であり、図4図5に示した構成に限定するものではない。例えば、収納区画401の数が同じであっても、収納区画401の寸法(幅、高さ、奥行き)や形状が異なる複数種類の物品供給トレイ104が用いられてよい。
【0035】
図1に示すように、トレイメイキングシステム1には、複数のトレイユニット103が設けられている。複数のトレイユニット103に対していずれも同じ構成の物品供給トレイ104を用いてもよいし、トレイユニット103ごとに異なる構成の物品供給トレイ104を用いてもよい。利用される物品供給トレイ104は、供給される物品に応じて規定されてよく、いずれのトレイユニット103でどのような構成の物品供給トレイ104が用いられているかの情報が制御システム200にて管理される。また、物品供給トレイ104の材質等は特に限定するものではなく、例えば、収納区画401に収納される物品の材質などに応じて異なっていてよい。
【0036】
[トレイユニット]
図6は、本実施の形態に係るトレイユニット103の構成例を示す外観図である。図6(a)~図6(e)はそれぞれ異なる向きからトレイユニット103を見た図である。ここでは、物品供給トレイ104が設置されていない状態を示している。
【0037】
トレイユニット103は、シャッター601、押し出し部602、物品供給トレイ保持部603、回転軸604、モーター605、およびドラム部606を含んで構成される。シャッター601は、面状のシャッターシートなどから構成され、回転軸604の回転に応じて開閉が行われる。図6(c)は、トレイユニット103を下側から見た図であり、シャッター601は閉じた状態(全閉状態)を示している。シャッター601の全閉状態では、開口部がシャッター601により塞がれ、トレイユニット103に設置された物品供給トレイ104から物品が排出されない(落下しない)状態であればよく、構造上、開口部が完全に閉じた状態でなくてもよい。全閉状態と同様に、シャッター601の全開状態は、トレイユニット103に設置された物品供給トレイ104からすべての物品が排出される(落下する)状態であればよく、構造上、開口部が完全に開いた状態でなくてもよい。
【0038】
シャッター601が位置する箇所には、物品供給トレイ保持部603に開口部603aが設けられている。図6(b)は、トレイユニット103を上側から見た図であり、物品供給トレイ保持部603に設けられた開口部603aを介して、閉じられているシャッター601が見えている。シャッター601が開くことにより、開口部603aから、物品供給トレイ104に収納された物品が物品コンベア102に向けて落下するように構成される。また、押し出し部602も回転軸604の回転に応じて位置が変動する。押し出し部602は、トレイユニット103に設置された物品供給トレイ104を移動させるための移動部として機能する。押し出し部602の具体的な動作については後述する。なお、以下の説明において、シャッター601が開くことで物品供給トレイ保持部603に設けられた開口部603aが開放される動作を開口動作とも称する。同様に、シャッター601が閉じることで物品供給トレイ保持部603に設けられた開口部603aが塞がれる動作を閉口動作とも称する。
【0039】
モーター605は、例えば、ステッピングモーターにより構成され、時計回り(CW)および反時計回り(CCW)に回転可能であり、連結された回転軸604を回転させる。便宜上、時計回り(CW)の回転方向を第1の回転方向、反時計回り(CCW)の回転方向を第2の回転方向とも称する。なお、この回転方向の対応関係は一例であり、逆であってもよい。回転軸604は、例えば、ボールねじで構成され、押し出し部602およびドラム部606に連結されている。図6(c)に示すように、シャッター601の端部には、突起部608が設けられる。また、ドラム部606の下部にも、突起部607が設けられる。詳細については後述するが、ドラム部606にはトルクセンサが設けられ、シャッター601の開く方向にモーター605が回転(ここでは、CW回転とする)している際に突起部608が突起部607に接触することにより、トルクの検出値が変化した場合、シャッター601が全開になったことを検出する。同様に、シャッター601の閉じる方向にモーター605が回転(ここでは、CCW回転とする)している際に突起部608がトレイユニット103の端部に接触することにより、トルクの検出値が変化した場合、シャッター601が全閉になったことを検出する。
【0040】
なお、本実施の形態に係るシャッター601は、1枚のシート状のものを例示しているがこの形状に限定するものではない。例えば、シャッター601は、一定の厚さを有するブロック状であってもよいし、複数の薄板がスライド可能に構成された状態であってもよい。
【0041】
図7は、トレイユニット103に設置された物品供給トレイ104から物品を物品コンベア102に排出する際の動作を示す概略図である。図7(a)~図7(d)に順に流れている。図7において、左側はz軸に沿ってトレイユニット103を見た図であり、右側はy軸に沿って下側(物品コンベア102側)からトレイユニット103を見た図である。図7(a)~図7(d)それぞれにおいて、左右の図は対応している。ここでは、x軸方向に5つの収納区画を有する物品供給トレイ104を例に挙げて説明する。物品供給トレイ104の各収納区画には物品が収納されており、収納区画の開いている側が下向きになるように、物品供給トレイ104がトレイユニット103に設置されている。
【0042】
図7(a)は、シャッター601が全閉状態である場合を示す。この状態では、物品供給トレイ104の開口側はシャッター601にて塞がれ、物品供給トレイ104内の物品は物品コンベア102へ排出(落下)しない。図7(b)は、x軸方向における1の収納区画の長さ分だけシャッター601が開いた状態を示す。これにより、物品供給トレイ104の最も左側にある収納区画内の物品701が落下し、物品コンベア102へ排出される。図7(c)に示すように、落下した物品701は、物品コンベア102によりロボット106により保持されている物品収納トレイ108に向けて搬送される。図7(d)は、図7(b)の状態から更にx軸方向における1の収納区画の長さ分だけシャッター601が開いた状態を示す。これにより、物品供給トレイ104の左から2番目の収納区画に物品702が落下し、物品コンベア102へ排出される。この動作が、シャッター601が全開になるまで、すなわち、物品供給トレイ104の一列分の収納区画に対して行われるまで繰り返される。
【0043】
図8は、物品供給トレイ104が設置された状態のトレイユニット103におけるシャッター601の動きを説明するための外観図である。図8(a)~図8(d)の順に動作が行われている。図8において、左側はy軸に沿って上側からトレイユニット103を見た図であり、右側はy軸に沿って下側(物品コンベア102側)からトレイユニット103を見た図である。図8(a)~図8(d)それぞれにおいて、左右の図は対応している。ここでは、x軸方向に5つの収納区画を有する物品供給トレイ104を例に挙げて説明する。また、モーター605がCW回転を行うことによって、シャッター601は開くものとして説明する。
【0044】
図8(a)は、シャッター601が全閉状態である場合を示す。図8(b)は、x軸方向における1の収納区画の長さ分だけシャッター601が開いた状態を示す。このとき、開いた分だけ、面状のシャッター601の一部が、トレイユニット103の上側に現れている。図8(c)は更に、x軸方向における1の収納区画の長さ分だけシャッター601が開いた状態を示す。下側から見ると、物品供給トレイ104の2つの収納区画が開口部603aに現れる。図8(d)は、シャッター601が全開状態である場合を示す。下側から見ると、一列分である5つの収納区画が開口部603aに現れる。このとき、シャッター601の大部分が、トレイユニット103の上側に現れている。
【0045】
図9は、トレイユニット103に対して、新たな物品供給トレイ104を挿入(設置)する際の流れを説明するための外観斜視図である。図9(a)~図9(d)の順にて、物品供給トレイ104が挿入されていくものとする。本実施の形態において、物品供給トレイ104は、トレイユニット103のシャッター601側とは反対の側に位置する挿入部609から挿入される。つまり、図1のz軸方向において、後方側から物品供給トレイ104が挿入される。また、トレイユニット103は、挿入部609に対向して、すなわち、シャッター601側に、物品供給トレイ104を排出する排出部610を有する。物品供給トレイ104は、押し出し部602により押し出されて排出部610から排出されることにより、トレイフォルダ105に排出される。このとき、物品供給トレイ104は、逆さにした状態、すなわち、開いている側を下にした状態でトレイユニット103に対して挿入される。物品供給トレイ104が逆さになっているため、挿入時に物品供給トレイ104から物品が落下しないよう、物品供給トレイ104の開いている側には、蓋等の支持部材(不図示)が設けられる。挿入に伴って、この支持部材は取り除かれる。
【0046】
押し出し部602は、支持部602aと傾斜部602bとを含んで構成される。支持部602aは、物品供給トレイ保持部603の底面に対向して設けられ、回転軸604の回転に応じて位置が変動するように構成される。また、傾斜部602bは、支持部602aに対して一定の傾斜が設けられる。ここでの傾斜部602bの傾斜角は特に限定するものでは無いが、物品供給トレイ保持部603に保持された物品供給トレイ104の押し出し、および、物品供給トレイ保持部603への物品供給トレイ104の挿入の両方の動作に適した角度とする。また、図9(c)の状態では、押し出し部602は、物品供給トレイ104の挿入を妨げないように、y軸の上方向側に物品供給トレイ104によって押し上げられるように構成されてよい。つまり、押し出し部602は、物品供給トレイ104の挿入時における傾斜部602bと物品供給トレイ104との接触により、上下方向の移動、傾斜部602bの傾斜角の変化、支持部602aの変形など、一定の形状変化に対する余裕があるように構成されてよい。図9(d)の状態では、物品供給トレイ104の挿入が完了し、物品供給トレイ104は、押し出し部602によってシャッター601側に向けて押し出しが可能な状態となっている。
【0047】
図10は、トレイユニット103による、物品供給トレイ104の押し出し動作を説明するための概略図である。図10(a)の状態は、モーター605がCCW回転することにより、シャッター601が全閉状態である場合を示している。更に、モーター605がCCW回転を継続することで、押し出し部602がz軸に沿ってシャッター601の方向へ向けて移動し、物品供給トレイ104を押し出す。ここでの押し出し量は、モーター605の回転量(すなわち、CCW回転の回転量)にて制御され、設置されている物品供給トレイ104のz軸方向の収納区画の1列分の長さに対応して調整される。つまり、物品供給トレイ104の収納区画の1列分ごとに押し出しが制御される。
【0048】
物品供給トレイ104の全ての列、すなわち、すべての収納区画からの物品の供給が完了した後、物品供給トレイ104は、トレイユニット103から排出されるように押し出しが行われる。本実施の形態では、空の物品供給トレイ104は、トレイフォルダ105に排出されることとなる。
【0049】
なお、図9に示す一連の挿入動作は、人手で行われてもよいし、挿入のために設けられた装置(不図示)にて行われるような構成であってもよい。また、図10の一連の押し出し動作後のトレイユニット103から排出された空の物品供給トレイ104は、トレイフォルダ105にて蓄積され、人手で回収されてもよいし、回収のために設けられた装置(不図示)にて行われるような構成であってもよい。
【0050】
図11は、トレイユニット103のうち、ドラム部606周りの構成を説明するための概略図である。図11(a)に示すように、ドラム部606の表面には、面状のシャッター601が接触しており、回転軸604の回転に伴ってドラム部606が回転することに伴って、シャッター601が開閉するように構成される。ここでは、シャッター601に複数の穴(凹部)を設け、ドラム部606側に設けた突起部(凸部)と噛み合わせることで、シャッター601とドラム部606との動きを一致させている。
【0051】
図11(b)は、ドラム部606のyz平面での断面を示す。ドラム部606は、回転ドラム1101およびトルクリミッタ1102を含んで構成される。回転軸604が回転することに伴って、回転ドラム1101が回転する。トルクリミッタ1102は、所定値以上のトルクがかかった場合に、空転するように構成される。図6(c)などに示したように、シャッター601には突起部608が設けられており、これがトレイユニット103の端部に接触した状態で回転ドラム1101の回転が継続されると、トルクに変化が生じる。これにより、シャッター601が全開または全閉となっている状態を検出することができる。このような状態で、回転軸604の回転が継続された場合、トルクリミッタ1102によりドラム部606は空転することとなる。
【0052】
シャッター601が全閉状態(図10(a)に示す状態)において、回転軸604がCCW回転を継続することにより、図10に示した動作が行われる。
【0053】
なお、本実施の形態において、シャッター601の動作と、押し出し部602の動作とが一体となった構成について示した。しかし、それぞれの動作をトルクリミッタ以外の構成により実現してもよい。例えば、シャッター601の動作と、押し出し部602の動作とをソフトウェアにより別個に制御してもよい。
【0054】
[ロボット]
図12は、本実施の形態に係るロボット106の構成例を示す外観斜視図である。図12(a)は、ロボット106の構成全体を示す外観斜視図である。ロボット106は、物品収納トレイ保持部1201、および、駆動部1202を含んで構成される。物品収納トレイ保持部1201は、物品収納トレイ搬送コンベア110にて搬送されてくる空の物品収納トレイ108を保持する。ロボット106は、物品収納トレイ保持部1201および駆動部1202により、物品コンベア102にて搬送されてくる各物品を物品収納トレイ108の所望の位置(収納区画)に収納するように、物品収納トレイ108のxyz軸座標系おける位置を調整する。物品収納トレイ保持部1201および駆動部1202それぞれの可動域は特に限定するものではない。例えば、物品収納トレイ保持部1201は、y軸方向およびz軸方向の位置調整が可能なように可動域が設定され、駆動部1202がx軸方向の位置調整が可能なように可動域が設定されてよい。
【0055】
図12(b)は、物品収納トレイ保持部1201が物品収納トレイ108を保持していない状態を示す。図12(c)は、物品収納トレイ保持部1201が物品収納トレイ108を保持している状態を示す。物品収納トレイ保持部1201は、保持した物品収納トレイ108が収納動作の際に落下したり、位置ずれが生じたりしないように、物品収納トレイ108を固定する部位等を含んで構成されてよい。また、物品収納トレイ保持部1201は、物品収納トレイ搬送コンベア110から空の物品収納トレイ108を受け取って保持する動作や、OKトレイ搬送コンベア109やNGトレイ搬送コンベア111に収納動作後の物品収納トレイ108を排出する動作を行うための部位が設けられる。ここでの構成は特に限定するものでは無いが、各コンベアの形態や物品収納トレイ108の形状などに応じて構成されてよい。
【0056】
[物品の収納動作]
図13は、物品収納トレイ108に物品を収納する際の位置関係を説明するための概略図である。図13(a)、および図13(b)に示すように、目的とする物品が物品コンベア102にて搬送されてくる場合、その物品コンベア102の端部、すなわち、物品の落下位置に、物品収納トレイ108の所望の収納区画が一致するように物品収納トレイ108の位置が調整される。本実施の形態において、物品コンベア102の端部には、センサ1301が設置される。センサ1301は、物品が通過したことを検知するためのセンサであり、例えば、ラインセンサやカメラなどで構成されてよい。物品が通過したことを検知した場合とは、物品が物品コンベア102から物品収納トレイ108に向けて排出(落下)され、物品収納トレイ108内のいずれかの収納区画に物品が収納(供給)された場合に相当する。なお、本実施の形態では、センサ1301とカメラ107を併用して、物品の収納状態を判定している。しかし、この構成に限定するものではなく、カメラ107のみを用いて収納状態を判定してもよい。
【0057】
図14は、物品収納トレイ108に物品が収納される際の状態を説明するための図である。物品コンベア102は、物品供給トレイ104から排出された物品を適宜搬送し、その端部から物品収納トレイ108に向けて排出(落下)させる。図14(a)は、物品1401が物品コンベア102にて搬送されている状態を示す。図14(b)は、物品1402が物品コンベア102にて搬送された後、物品コンベア102の端部から物品1402が落下して物品収納トレイ108に収納された状態を示す。
【0058】
図15は、物品をそれぞれ物品収納トレイ108の所望の収納区画に収納していく流れを説明するための図である。図15(a)~図15(d)の順にて動作が行われているものとする。上述したように、物品収納トレイ108の位置は、ロボット106にて適宜調整される。また、図15では、1の物品コンベア102にて搬送されてくる複数の物品1501、1502、1503を物品収納トレイ108に収納する例を示している。
【0059】
まず、図15(a)に示すように、ロボット106は、保持している物品収納トレイ108を、目的とする物品が搬送されてくる物品コンベア102の排出位置近傍に移動させる。この時の位置は予め規定されていてもよいし、物品収納トレイ108の形状や、物品を収納させる収納区画の位置に応じて導出されてもよい。また、図1に示すように、トレイメイキングシステム1のトレイメイキングユニット100が複数段にて構成され、1の物品収納トレイ108に対して各段を跨いだ物品の供給が必要な場合には、収納動作の効率化の観点から、各段の物品コンベア102の排出位置近傍への移動順や移動速度などが適宜調整されてよい。
【0060】
そして、図15(b)~図15(d)に示すように、ロボット106は、搬送されてくる複数の物品1501、1502、1503のそれぞれの排出タイミングと、収納させる収納区画の位置とに基づいて、物品収納トレイ108の位置を制御する。なお、図15の例では、横方向、すなわち、図1のxz軸平面上での物品収納トレイ108の移動制御を示しているが、縦方向、すなわち、y軸方向の物品収納トレイ108の移動制御を更に行うような構成であってもよい。例えば、搬送されている物品の材質などに応じて、y軸方向の移動制御を行ってもよい。また、y軸方向における、物品コンベア102の搬送面の高さと、物品収納トレイ108の受け取り面(すなわち、物品収納トレイ108の収納区画の底面)の高さとの差分が一定の範囲となるように、y軸方向の位置が調整されてもよい。
【0061】
図16は、本実施の形態に係る物品収納トレイ108の構成例を示す外観図である。物品収納トレイ108は、物品を収納するための複数の収納区画1601を含んで構成される。1の物品収納トレイ108が備える収納区画の形状は1種類であってもよいし、図16に示す例(ここでは、2種類)のように複数種類であってもよい。また、物品収納トレイ108と物品供給トレイ104の材質は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0062】
[動作シーケンス]
(全体動作)
図17は、本実施の形態に係るトレイメイキングシステム1の動作全体のシーケンス図である。トレイメイキングシステム1の動作は、大まかに、トレイユニット103側の動作と、ロボット106側の動作とに分けられる。図17では、これらの動作を併せて説明する。なお、各コンベアの動作は、トレイメイキングシステム1の動作が開始した際に、各コンベアに対応するモーター等の回転が開始されることで、継続的に動作されるものとする。また、ここでは説明を簡単にするために、制御システム200が各部位の制御を包括的に行うものとして説明する。
【0063】
制御システム200は、物品情報の入力を受け付ける(ステップS1701)。物品情報は、例えば、物品供給トレイ104の形状、物品収納トレイ108の形状、物品(物品供給トレイ104)のトレイメイキングシステム1での配置、物品供給トレイ104における物品の収納計画(物品の収納位置、物品供給トレイ104の作成数など)などが含まれる。物品情報の内容は上記に限定するものではなく、更なる情報が含まれてよい。制御システム200は、上位システム300に問い合わせを行って物品情報を取得してもよいし、上位システム300側から送信されている物品情報を受動的に受信してもよい。または、制御システム200は、所定のUI(User Interface)画面(不図示)を、入力装置203を介してユーザに提示し、ユーザからの入力を受け付けてもよい。
【0064】
制御システム200は、ステップS1701にて入力された物品情報に基づいて、物品の収納位置、物品供給トレイ104からの物品の排出順序、ロボット106の動作などを決定する(ステップS1702)。物品供給トレイ104からの物品の排出順序は、複数のトレイユニット103それぞれのシャッター601の開閉タイミングや開閉量(モーター605の回転量)などが含まれる。ロボット106の動作としては、物品収納トレイ108の保持動作および排出動作、物品の受領やカメラ撮影のための物品収納トレイ108の位置調整などの制御が含まれる。ここで決定される各種動作は、ロボット106側の動作と、トレイユニット103側の動作が含まれる。
【0065】
制御システム200は、ステップS1702にて決定された内容に基づいて、ロボット106に対し、物品収納トレイ搬送コンベア110から搬送されてくる空の物品収納トレイ108を保持するように指示する(ステップS1703)。
【0066】
制御システム200は、ステップS1702にて決定された内容に基づいて、ロボット106に対し、目的とする物品が搬送されている物品コンベア102の排出位置に、目的とする収納区画が一致するように、保持している物品収納トレイ108を移動させるように指示する(ステップS1704)。このとき、複数の物品が物品コンベア102により適宜搬送されうるため、目的の収納区画以外の収納区画に物品が収納されないよう、また、搬送中の物品が物品収納トレイ108以外の位置に落下しないよう、制御システム200は、物品収納トレイ108を移動させるタイミングも制御する。
【0067】
制御システム200は、ステップS1702にて決定された内容に基づいて、該当のトレイユニット103から物品コンベア102に向けて物品を排出(落下)させるように、トレイユニット103の動作を制御する(ステップS1705)。ここでのトレイユニット103の動作は、図8にて説明した動作に相当する。このとき、制御システム200は、物品コンベア102による搬送動作を停止させるような構成であってよい。ここでの停止は、例えば、トレイユニット103から排出された物品が、物品コンベア102外に転がることを防止するために行われてよい。したがって、物品の形状に応じて、ここでの停止を行うか否かを制御してよい。
【0068】
制御システム200は、物品コンベア102の動作を制御し、物品を出口(排出位置)に向けて搬送させる(ステップS1706)。
【0069】
制御システム200は、物品コンベア102の出口(排出位置)周辺に設けられたセンサ1301にて物品の通過を検知する。これにより、制御システム200は、物品が物品コンベア102から物品収納トレイ108に向けて排出され、物品収納トレイ108にて受け取ったことを検知する(ステップS1707)。つまり、ステップS1704までのロボット106側の動作と、ステップS1706までのトレイユニット103側の動作により、目的とする物品が、物品収納トレイ108内の目的とする収納区画にて受け取られる。
【0070】
制御システム200は、ステップS1702にて決定された内容に基づいて、ロボット106が現在保持している物品収納トレイ108に対する収納動作が完了したか否かを判定する(ステップS1708)。すなわち、1の物品収納トレイ108には、1または複数の物品が収納されるため、それらすべての物品が収納されたか否かが判定される。全ての物品の収納動作が完了した場合(ステップS1708;YES)、処理はステップS1709へ進む。一方、未収納の物品がある場合(ステップS1708;NO)、処理はステップS1704およびステップS1706へ戻り、ロボット106およびトレイユニット103それぞれの動作が繰り返される。ステップS1708にて、センサ1301により物品の通過を検知した際には、制御システム200は、物品コンベア102による搬送動作を停止させるような構成であってよい。ここでの停止は、例えば、現在保持している物品収納トレイ108に対し更なる物品の供給が必要な場合には、その供給が行われる位置に物品収納トレイ108を移動させる必要があり、そのための時間を確保するための動作(停止時間など)として規定されてよい。また、現在保持している物品収納トレイ108に対する物品の収納動作が完了した場合には、その物品収納トレイ108に対する撮影動作や排出動作、次の空の物品収納トレイ108の保持動作などを行う必要があり、そのための時間を確保するための動作(停止時間など)として規定されてよい。
【0071】
制御システム200は、保持している物品収納トレイ108において、物品と収納区画との対応関係を確認する(ステップS1709)。本実施の形態では、制御システム200は、保持している物品収納トレイ108をカメラ107の撮影位置に移動させ、その物品収納トレイ108の撮影を行わせる。そして、制御システム200は、撮影画像を解析することで、物品と収納区画との対応関係を確認する。正しい対応関係については、ステップS1701にて入力された情報に含まれる。
【0072】
制御システム200は、ステップS1709での確認結果により、対応関係が正常か否かを判定する(ステップS1710)。対応関係が正常な場合とは、保持している物品収納トレイ108において、物品とその収納区画の収納状態がすべて正しい状態であり、OKトレイとして扱われる。一方、対応関係が正常でない場合とは、保持している物品収納トレイ108において、物品とその収納区画の収納状態が少なくとも1つが正しくない状態であり、NGトレイとして扱われる。対応関係が正常である場合(ステップS1710;YES)、処理はステップS1711へ進む。一方、対応関係が正常でない場合(ステップS1710;NO)、処理はステップS1712へ進む。
【0073】
制御システム200は、ロボット106が保持している物品収納トレイ108はOKトレイであるとして、OKトレイ搬送コンベア109へ保持している物品収納トレイ108を排出するように、ロボット106を制御する(ステップS1711)。
【0074】
制御システム200は、ロボット106が保持している物品収納トレイ108はNGトレイであるとして、NGトレイ搬送コンベア111へ保持している物品収納トレイ108を排出するように、ロボット106を制御する(ステップS1712)。
【0075】
制御システム200は、ステップS1701にて入力された物品情報に基づいて、計画されたすべての物品収納トレイ108に対する収納動作が完了したか否かを判定する(ステップS1713)。完了した場合(ステップS1713;YES)、本処理フローを終了する。一方、完了していない場合(ステップS1713;NO)、処理はステップS1703およびステップS1705へ戻り、新たな物品収納トレイ108に対して、ロボット106およびトレイユニット103それぞれの動作が繰り返される。
【0076】
(ロボットの動作)
図18は、本実施の形態に係るトレイメイキングシステム1の動作のうち、ロボット106の動作のシーケンス図である。図17に示した処理シーケンスのうち、ロボット106の動作に着目したシーケンスである。ロボット106の動作は、制御システム200のプロセッサ201がメモリ202に格納された各種プログラムを読み出して実行することで、ロボット接続部207を介して指示を行うことで制御される。
【0077】
ロボット106は、制御システム200からの指示に基づいて、物品収納トレイ搬送コンベア110から搬送されてくる空の物品収納トレイ108を保持する(ステップS1801)。
【0078】
ロボット106は、制御システム200からの指示に基づいて、目的とする物品が搬送されている物品コンベア102の排出位置に、物品収納トレイ108内の目的とする収納区画が一致するように、保持している物品収納トレイ108を移動させる(ステップS1802)。このとき、複数の物品が物品コンベア102により適宜搬送されうるため、目的の収納区画以外の収納区画に物品が収納されないよう、また、搬送中の物品が物品収納トレイ108以外の位置に落下しないよう、ロボット106は、物品収納トレイ108を移動させるタイミングも制御される。
【0079】
制御システム200は、センサ1301にて物品の通過を検知したことに応じて、当該物品が物品収納トレイ108に収納されたことを確認する(ステップS1803)。なお、収納されたことを確認することで、ロボット106は、次の物品の収納動作へと進むことができる。
【0080】
制御システム200は、ステップS1803の確認結果に基づいて、ロボット106が現在保持している物品収納トレイ108に対する収納動作が完了したか否かを判定する(ステップS1804)。すなわち、1の物品収納トレイ108には、複数の物品が収納されるため、それらすべての物品が収納されたか否かが判定される。全ての物品の収納動作が完了した場合(ステップS1804;YES)、処理はステップS1805へ進む。一方、未収納の物品がある場合(ステップS1804;NO)、処理はステップS1802へ戻り、ロボット106の動作が繰り返される。
【0081】
ロボット106は、制御システム200からの指示に基づいて、保持している物品収納トレイ108をカメラ107の撮影位置に移動させる(ステップS1805)。その後、カメラ107により、その物品収納トレイ108の撮影が行われる。
【0082】
制御システム200は、対応関係が正常か否かを判定する(ステップS1806)。対応関係が正常な場合とは、保持している物品収納トレイ108において、物品とその収納区画の収納状態がすべて正しい状態であり、OKトレイとして扱われる。一方、対応関係が正常でない場合とは、保持している物品収納トレイ108において、物品とその収納区画の収納状態が少なくとも1つが正しくない状態であり、NGトレイとして扱われる。対応関係が正常である場合(ステップS1806;YES)、処理はステップS1807へ進む。一方、対応関係が正常でない場合(ステップS1806;NO)、処理はステップS1808へ進む。
【0083】
ロボット106は、保持している物品収納トレイ108はOKトレイであるとして、OKトレイ搬送コンベア109へ保持している物品収納トレイ108を排出する(ステップS1807)。
【0084】
ロボット106は、保持している物品収納トレイ108はNGトレイであるとして、NGトレイ搬送コンベア111へ保持している物品収納トレイ108を排出する(ステップS1808)。
【0085】
制御システム200は、計画されたすべての物品収納トレイ108に対する収納動作が完了したか否かを判定する(ステップS1809)。完了した場合(ステップS1809;YES)、本処理フローを終了する。一方、完了していない場合(ステップS1809;NO)、処理はステップS1801へ戻り、新たな物品収納トレイ108に対して、ロボット106の動作が繰り返される。
【0086】
(トレイユニットの動作)
図19は、本実施の形態に係るトレイメイキングシステム1のうち、トレイユニット103の動作のシーケンス図である。図17に示した処理シーケンスのうち、トレイユニット103の動作に着目したシーケンスである。図1に示すように、トレイメイキングシステム1には1または複数のトレイユニット103が備えられ、それぞれのトレイユニット103に対応するトレイコントローラ101に対し、制御システム200がトレイコントローラ101に指示を行うことで制御される。トレイユニット103の動作は、制御システム200のプロセッサ201がメモリ202に格納された各種プログラムを読み出して実行することで、トレイメイキングユニット接続部205を介して指示を行うことで制御される。また、本処理フローの開始時には、トレイユニット103のシャッター601は、全閉状態であり、1または複数のトレイユニット103それぞれには物品が収納された物品供給トレイ104が適宜設置されているものとする。
【0087】
トレイユニット103のモーター605は、トレイコントローラ101からの指示に基づいて、CW回転を開始する(ステップS1901)。これにより、トレイユニット103のシャッター601の開口動作が開始される。ここでの回転量、回転速度、回転のタイミングは、排出する物品供給トレイ104の構成や排出数などに応じて規定される。
【0088】
トレイユニット103は、シャッター601の開口状況に応じて、物品供給トレイ104から物品を物品コンベア102に対して適宜排出(落下)させる。
【0089】
制御システム200は、シャッター601が全開になったか否かを判定する(ステップS1903)。シャッター601が全開になった場合とは、物品供給トレイ104の1列分の物品の供給が完了したことに相当する。シャッター601が全開になったか否かは、例えば、シャッター601に設けられた突起部607とトレイユニット103の端部との接触を検知することで判定してもよい。シャッター601が全開になった場合(ステップS1903;YES)、処理はステップS1904へ進む。一方、シャッター601が全開になっていない場合(ステップS1903;NO)、処理はステップS1902へ戻り、CW回転を継続する。
【0090】
トレイユニット103のモーター605は、トレイコントローラ101からの指示に基づいて、CCW回転を開始する(ステップS1904)。これにより、トレイユニット103のシャッター601の閉口動作が開始される。ここでの回転速度は、予め規定されていてよい。
【0091】
トレイユニット103のシャッター601は、モーター605のCCW回転が継続されることにより、全閉となる(ステップS1905)。これは、図10(a)の状態に対応する。
【0092】
トレイユニット103の押し出し部602は、モーター605のCCW回転が継続されることにより、物品供給トレイ104を収納区画の1列分、シャッター601側に押し出す(ステップS1906)。これは、図10(b)、図10(c)の状態に対応する。なお、押し出し部602による押し出し量については、設置されている物品供給トレイ104の構成(例えば、収納区画の1列分の寸法など)に応じて規定される。
【0093】
制御システム200は、設置されている物品供給トレイ104がトレイユニット103から排出されたか否かを判定する(ステップS1907)。つまり、物品供給トレイ104の全ての列から物品が排出され、その結果、物品供給トレイ104が排出されたか否かが判定される。ここでの判定は、物品供給トレイ104の構成情報や物品の排出数に基づいて判定されてもよいし、センサ等により物品供給トレイ104の排出状態を検出してもよい。物品供給トレイ104が排出されていない場合(ステップS1907;NO)、すなわち、物品供給トレイ104内に未排出の物品が収納された列がある場合、ステップS1901へ戻り、処理を繰り返す。一方、物品供給トレイ104が排出された場合(ステップS1907;NO)、処理はステップS1908へ進む。
【0094】
トレイユニット103のモーター605は、トレイコントローラ101からの指示に基づいて、CW回転を行い、押し出し部602を開始位置へ移動させる(ステップS1908)。押し出し部602の開始位置は予め規定されていてよく、この時のCW回転の回転量も予め規定されていてよい。これにより、トレイユニット103は、図9(a)の状態となる。
【0095】
トレイユニット103は、物品が充填された新たな物品供給トレイ104が設置されるまで待機する。新たな物品供給トレイ104が設置される際には、図9(b)~図9(d)のように行われる。
【0096】
なお、トレイメイキングシステム1において、1または複数のトレイユニット103のいずれかにおいて物品供給トレイ104が空になった場合でも、他のトレイユニット103により物品収納トレイ108に対する収納動作を継続できる場合には、空になったトレイユニット103のみの動作を待機させ、システム全体の動作を継続させてもよい。
【0097】
以上、本実施の形態により、トレイメイキングシステム1において、複数の収納区画401を有する物品収納トレイ108を保持し、物品収納トレイ108の位置を調整可能な物品収納トレイ保持部1201を備えたロボット106と、物品収納トレイ保持部1201にて保持された物品収納トレイ108の位置を制御する制御システム200を備え、制御システム200は、物品の排出位置と、物品収納トレイ108の複数の収納区画401のうちの所定の収納区画が一致するように、物品収納トレイ保持部1201の位置を制御する。これにより、物品を所望の収納状態とする自動化システムにおいて、収納対象となる物品を収納体に収納させる際に、収納体を適切な収納位置へ移動させ、より作業効率を向上させることが可能となる。
【0098】
また、制御システム200は、予め規定された、物品と物品収納トレイ108における当該物品を収納すべき収納区画との対応関係を示す物品情報に基づいて、物品収納トレイ108の位置を制御する。これにより、計画された収納状態に応じて、適切に複数の収納区画に対して物品を収納させることが可能となる。
【0099】
また、物品コンベア102に物品を供給するトレイユニット103を更に備え、物品コンベア102は、トレイユニット103が物品コンベア102に物品を供給する際、搬送動作を停止する。これにより、トレイユニット103から排出された物品の物品コンベア102外への落下や転がりなどを防止することが可能となる。
【0100】
また、物品収納トレイ108の画像を取得するカメラ107を更に備え、制御システム200は、物品収納トレイ108の画像に基づいて、物品収納トレイ108の収納状態を判定する。これにより、画像を用いて、物品が正しく物品収納トレイ108に収納されているかを判定することが可能となる。
【0101】
また、制御システム200は、センサ1301の検出結果に基づいて、物品収納トレイ108の収納動作が完了したかを判定した後、カメラ107によって取得した画像に基づいて、物品収納トレイ108の収納状態を判定する。これにより、センサ1301の検出動作と、カメラ107による撮影動作を分けて制御することができ、個々の物品の収納の処理負荷を抑えつつ、精度良く収納状態を判定することが可能となる。
【0102】
物品収納トレイ保持部1201に保持された物品収納トレイ108を排出する複数の排出部であるOKトレイ搬送コンベア109、およびNGトレイ搬送コンベア111を更に備え、制御システム200は、物品収納トレイ108に対する収納状態の判定結果に基づいて、複数の排出部から排出先を選択する。これにより、物品収納トレイにおける収納状態に応じて、当該物品収納トレイの排出先を切り替えることが可能となる。
【0103】
また、複数の物品コンベア102が垂直方向に設けられ、物品収納トレイ保持部1201は、複数の物品コンベア102それぞれの物品の排出位置に、物品収納トレイ108の位置を調整可能に構成される。これにより、より多くの物品を同時並行的に供給でき、また、ロボット106は、物品コンベア102の構成に応じて、物品収納トレイ保持部1201の位置を調整することが可能となる。
【0104】
また、物品コンベア102は、物品を排出する位置にセンサ1301を更に備え、物品コンベア102は、センサ1301により物品の排出を検知した場合、搬送動作を停止させ、制御システム200は、物品コンベア102により搬送動作が停止されている間に、物品収納トレイ108の位置を制御する。これにより、目的の収納区画以外の収納区画に物品が収納されないよう、また、搬送中の物品が物品収納トレイ108以外の位置に落下しないよう、精度良く、確実に物品収納トレイ108の位置を制御することが可能となる。
【0105】
<その他の実施形態>
また、上述した1以上の実施の形態の機能を実現するためのプログラムおよびアプリケーションを、ネットワークまたは記憶媒体などを用いてシステムまたは装置に供給し、そのシステムまたは装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。
【0106】
また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、またはFPGA(Field Programmable Gate Array))によって実現してもよい。
【0107】
また、上記の機能は、クラウドコンピューティング技術を用いて、ネットワーク上に構成されてもよい。この場合、端末装置は、ネットワークを介して上記の各種機能を利用可能である。
【0108】
以上、図面を参照しながら各種の実施形態について説明したが、本開示は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例、修正例、置換例、付加例、削除例、均等例に相当し得ることは明らかであり、それらについても当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した各種の実施形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0109】
本開示は、収納対象となる物品をより効率的に供給し、より作業効率を向上させることが可能な自動化システムにて有用である。
【符号の説明】
【0110】
1 トレイメイキングシステム
100 トレイメイキングユニット
101 トレイコントローラ
102 物品コンベア
103 トレイユニット
104 物品供給トレイ
105 トレイフォルダ
106 ロボット
107 カメラ
108 物品収納トレイ
109 OKトレイ搬送コンベア
110 物品収納トレイ搬送コンベア
111 NGトレイ搬送コンベア
200 制御システム
201 プロセッサ
202 メモリ
203 入力装置
204 画像取得部
205 トレイメイキングユニット接続部
206 コンベア接続部
207 ロボット接続部
208 通信装置
300 上位システム
400 ネットワーク
601 シャッター
602 押し出し部
603 物品供給トレイ保持部
603a 開口部
604 回転軸
605 モーター
606 ドラム部
1201 物品収納トレイ保持部
1301 センサ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
図11
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図13
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図15
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図17
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