(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023103820
(43)【公開日】2023-07-27
(54)【発明の名称】鞍乗型車両
(51)【国際特許分類】
B62J 6/04 20200101AFI20230720BHJP
B62J 23/00 20060101ALI20230720BHJP
【FI】
B62J6/04
B62J23/00 D
B62J23/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022004571
(22)【出願日】2022-01-14
(71)【出願人】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 託嗣
(72)【発明者】
【氏名】寺田 裕久
(57)【要約】
【課題】鞍乗型車両の外観性を向上させると共に、テールライトレンズを大型化する。
【解決手段】鞍乗型車両は、リアカバーと、テールライトハウジングと、バルブと、テールライトレンズと、レンズ締結部と、補助カバーとを備える。レンズ締結部は、テールライトレンズをテールライトハウジングに固定する。補助カバーは、車両背面視で、少なくとも一部がテールライトレンズの側方に配置される。補助カバーは、レンズ締結部を覆う。リアカバーは、サイドカバーを含む。サイドカバーは、車両背面視で、補助カバーの側方に配置される。補助カバーは、係止部を含む。係止部は、テールライトレンズの側方に配置される。補助カバーは、係止部がサイドカバーに係止することで、リアカバーに取り付けられる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両後部に配置されるリアカバーと、
前記リアカバーに取り付けられるテールライトハウジングと、
前記テールライトハウジングに取り付けられるバルブと、
前記テールライトハウジングに取り付けられ、前記バルブを覆い、前記バルブからの光を透過させるテールライトレンズと、
前記テールライトレンズを前記テールライトハウジングに固定するレンズ締結部と、
車両背面視で、少なくとも一部が前記テールライトレンズの側方に配置され、前記レンズ締結部を覆う補助カバーと、
を備え、
前記リアカバーは、車両背面視で、前記補助カバーの側方に配置されるサイドカバーを含み、
前記補助カバーは、前記テールライトレンズの側方に配置される係止部を含み、
前記補助カバーは、前記係止部が前記サイドカバーに係止することで、前記リアカバーに取り付けられる、
鞍乗型車両。
【請求項2】
前記サイドカバーは、前記補助カバーに向かって突出するピン部材を含み、
前記補助カバーは、前記ピン部材が前記係止部に係止することで、前記サイドカバーに取り付けられる、
請求項1に記載の鞍乗型車両。
【請求項3】
前記係止部は、係止溝を含み、
前記ピン部材は、前記係止溝に係止する、
請求項2に記載の鞍乗型車両。
【請求項4】
前記テールライトレンズは、縦長の形状を有する、
請求項1から3のいずれかに記載の鞍乗型車両。
【請求項5】
前記テールライトレンズは、縦長の楕円形を有する、
請求項1から4のいずれかに記載の鞍乗型車両。
【請求項6】
前記係止部は、前記テールライトレンズの一部と同じ高さに位置する、
請求項1から5のいずれかに記載の鞍乗型車両。
【請求項7】
前記係止部よりも上方に配置され、前記補助カバーを前記リアカバーに固定するネジをさらに備える、
請求項1から6のいずれかに記載の鞍乗型車両。
【請求項8】
車両背面視で、前記テールライトレンズの上方に配置されるシートをさらに備え、
前記シートは、前記ネジの軸線方向において、前記ネジと重なる、
請求項7に記載の鞍乗型車両。
【請求項9】
前記補助カバーは、
車両背面視で前記テールライトレンズの左方に配置される左側部と、
車両背面視で前記テールライトレンズの右方に配置される右側部と、
車両背面視で前記テールライトレンズの上方に配置され、前記左側部及び前記右側部とつながっている上部と、
車両背面視で前記テールライトレンズの下方に配置され、前記左側部及び前記右側部とつながっている底部と、
を含む、
請求項1から8のいずれかに記載の鞍乗型車両。
【請求項10】
車両背面視で、前記テールライトレンズの下方に配置されるライセンスプレート用の取付部をさらに備え、
前記リアカバーは、前記テールライトレンズの下方に配置される底面を含み、
前記補助カバーは、車両背面視で前記テールライトレンズの下方に配置される底部を含み、
前記補助カバーの底部は、前記リアカバーの底面から後方に隙間をおいて配置され、
前記バルブからの光は、前記隙間を通って前記取付部に照射され、
前記係止部は、前記隙間の側方に位置する、
請求項1から9のいずれかに記載の鞍乗型車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鞍乗型車両に関する。
【背景技術】
【0002】
鞍乗型車両には、テールライトと、テールライトの周囲に配置される補助カバーとを備えるものがある。例えば、特許文献1の自動二輪車では、テールライトのレンズが締結部によってテールライトのベース部材に固定されている。そして、締結部と重なるように、補助カバーが、ネジによって後部車体カバーに取り付けられている。
【0003】
上記の自動二輪車では、ネジを取り外すことで、補助カバーが後部車体カバーから取り外される。それにより、締結部へのアクセスが可能となる。そして、締結部が解除されることで、レンズがベース部材から取り外される。それにより、バルブの交換が可能となる。また、補助カバーによって締結部が隠されることで、メンテナンス性と外観性とが向上することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の自動二輪車では、前方に向かって補助カバーに差し込まれるネジによって、補助カバーが後部車体カバーに固定されている。そのため、車両背面視で、ネジの頭が目立って見える。それにより、車両の外観性が低くなっている。
【0006】
ネジによる外観性の低下を防ぐためには、横向きに補助カバーに差し込まれるネジによって、補助カバーを固定することが考えられる。それにより、車両背面視で、ネジの頭が見え難くなることで、外観性が向上する。しかし、その場合、補助カバー内に、ネジを受けるためのボスが必要となる。ボスは、ネジの向きに合わせて、補助カバー内において左右方向に延びるように配置される。従って、ボスが、補助カバー内に設けられると、テールライトレンズを配置するための空間が狭くなる。そのため、テールライトレンズを大型化することが困難になる。本発明の目的は、鞍乗型車両の外観性を向上させると共に、テールライトレンズを大型化することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る鞍乗型車両は、リアカバーと、テールライトハウジングと、バルブと、テールライトレンズと、レンズ締結部と、補助カバーとを備える。リアカバーは、車両後部に配置される。テールライトハウジングは、リアカバーに取り付けられる。バルブは、テールライトハウジングに取り付けられる。テールライトレンズは、テールライトハウジングに取り付けられる。テールライトレンズは、バルブを覆う。テールライトレンズは、バルブからの光を透過させる。レンズ締結部は、テールライトレンズをテールライトハウジングに固定する。補助カバーは、車両背面視で、少なくとも一部がテールライトレンズの側方に配置される。補助カバーは、レンズ締結部を覆う。リアカバーは、サイドカバーを含む。サイドカバーは、車両背面視で、補助カバーの側方に配置される。補助カバーは、係止部を含む。係止部は、テールライトレンズの側方に配置される。補助カバーは、係止部がサイドカバーに係止することで、リアカバーに取り付けられる。
【0008】
本態様に係る鞍乗型車両では、係止部がサイドカバーに係止することによって、補助カバーが、リアカバーに固定される。そのため、補助カバーが、ネジによって固定される場合と異なり、補助カバー内にネジ用のボスが不要となる。それにより、テールライトレンズを配置するための空間が拡大される。その結果、テールライトレンズを大型化することができる。
【0009】
サイドカバーは、補助カバーに向かって突出するピン部材を含んでもよい。補助カバーは、ピン部材が係止部に係止することで、サイドカバーに取り付けられてもよい。係止部は、係止溝を含んでもよい。ピン部材は、係止溝に係止してもよい。この場合、ピン部材が係止溝に係止することで、補助カバーがサイドカバーに固定される。
【0010】
テールライトレンズは、縦長の形状を有してもよい。テールライトレンズが縦長の形状を有する場合、ネジによる固定では、ネジ用のボスがテールライトレンズと干渉しやすくなる。従って、ネジ用のボスとの干渉を避けるために、テールライトレンズを大型化することが困難である。本態様に係る鞍乗型車両では、係止部による固定のため、テールライトレンズが縦長の形状であっても、テールライトを大型化することができる。
【0011】
テールライトレンズは、縦長の楕円形を有してもよい。テールライトレンズが縦長の楕円形を有する場合、ネジによる固定では、ネジ用のボスがテールライトレンズと干渉しやすくなる。従って、ネジ用のボスとの干渉を避けるために、テールライトレンズを大型化することが困難である。本態様に係る鞍乗型車両では、係止部による固定のため、テールライトレンズが縦長の楕円形であっても、テールライトを大型化することができる。
【0012】
係止部は、テールライトレンズの一部と同じ高さに位置してもよい。ネジによる固定の場合、ネジ用のボスがテールライトレンズの一部と同じ高さに位置すると、ネジ用のボスがテールライトレンズと干渉しやすくなる。従って、ネジ用のボスとの干渉を避けるために、テールライトレンズを大型化することが困難である。本態様に係る鞍乗型車両では、係止部による固定のため、係止部がテールライトレンズの一部と同じ高さに位置しても、テールライトを大型化することができる。
【0013】
鞍乗型車両は、ネジをさらに備えてもよい。ネジは、係止部よりも上方に配置されてもよい。ネジは、補助カバーをリアカバーに固定してもよい。この場合、ネジを外して、係止部の係止を解除することで、補助カバーが取り外し可能となる。また、ネジを外しても、係止部がサイドカバーに係止していることで、補助カバーが落下し難い。そのため、補助カバーの取り外しが容易になる。
【0014】
鞍乗型車両は、シートをさらに備えてもよい。シートは、車両背面視で、テールライトレンズの上方に配置されてもよい。シートは、ネジの軸線方向において、ネジと重なってもよい。この場合、シートを開かなければ、ネジにアクセスできず、補助カバーを取り外すことができない。それにより、防犯性が向上する。
【0015】
補助カバーは、左側部と、右側部と、上部と、底部とを含んでもよい。左側部は、車両背面視でテールライトレンズの左方に配置されてもよい。右側部は、車両背面視でテールライトレンズの右方に配置されてもよい。上部は、車両背面視でテールライトレンズの上方に配置されてもよい。上部は、左側部及び右側部とつながっていてもよい。底部は、車両背面視でテールライトレンズの下方に配置されてもよい。底部は、左側部及び右側部とつながっていてもよい。この場合、補助カバーの全周がつながった形状であることにより、補助カバーの強度が向上する。
【0016】
鞍乗型車両は、ライセンスプレート用の取付部をさらに備えてもよい。ライセンスプレート用の取付部は、車両背面視で、テールライトレンズの下方に配置されてもよい。リアカバーは、テールライトレンズの下方に配置される底面を含んでもよい。補助カバーは、車両背面視でテールライトレンズの下方に配置される底部を含んでもよい。補助カバーの底部は、リアカバーの底面から後方に隙間をおいて配置されてもよい。バルブからの光は、隙間を通って取付部に照射されてもよい。係止部は、隙間の側方に位置してもよい。この場合、係止部が補助カバーの底部の隙間の側方に配置されることで、補助カバーの他の部分を小型化することができる。また、ライセンスライトの照射範囲は限られているため、係止部による照射範囲への影響は少ない。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、鞍乗型車両の外観性を向上させると共に、テールライトレンズを大型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図4】補助カバーが取り外された鞍乗型車両の後部を示す背面図である。
【
図5】テールライトレンズが取り外された鞍乗型車両の後部を示す斜視図である。
【
図9】左サイドカバーと補助カバーとの内面を示す図である。
【
図11】右サイドカバーと補助カバーとの内面を示す図である。
【
図13】鞍乗型車両の後部を斜め下方から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、実施形態に係る鞍乗型車両1について図面を参照して説明する。
図1は、鞍乗型車両1の側面図である。本実施形態において、鞍乗型車両1は、スクータである。
図1に示すように、鞍乗型車両1は、車体フレーム2と、ステアリング装置3と、前輪4と、シート5と、パワーユニット6と、後輪7と、車体カバー8とを備える。なお、以下の説明において、前後左右の方向は、シート5に着座した運転者から視たときの方向をいうものとする。
【0020】
車体フレーム2は、ヘッドパイプ11と、ダウンフレーム12と、ロアフレーム13と、シートフレーム14とを含む。ヘッドパイプ11は、鞍乗型車両1の左右方向における中央に配置されている。ヘッドパイプ11は、前方且つ下方に延びている。ダウンフレーム12は、ヘッドパイプ11から下方に延びている。ロアフレーム13は、ダウンフレーム12の下部から後方に延びている。シートフレーム14は、ロアフレーム13の後部から、後方且つ上方に延びている。
【0021】
ステアリング装置3は、ヘッドパイプ11に回転可能に支持されている。ステアリング装置3は、前輪4を回転可能に支持している。ステアリング装置3は、フロントフォーク15とハンドル部材16とを含む。フロントフォーク15は、ヘッドパイプ11に回転可能に支持されている。前輪4は、フロントフォーク15に回転可能に支持されている。ハンドル部材16は、フロントフォーク15に接続されている。
【0022】
シート5は、ヘッドパイプ11の後方に配置されている。シート5は、シートフレーム14の上方に配置されている。シート5は、図示しないステーを介してシートフレーム14に支持されている。シート5の前部は、幅方向に延びる軸17によって、回動可能に支持されている。シート5が軸17回りに回動することで、シート5の後部が上下方向に回動する。パワーユニット6は、シート5の下方に配置されている。パワーユニット6は、エンジンを含む。或いは、パワーユニット6は、電動モータを含んでもよい。後輪7は、パワーユニット6に回転可能に支持されている。
【0023】
車体カバー8は、フロントカバー21と、レッグシールド22と、フートボード23と、リアカバー24と、を含む。フロントカバー21とレッグシールド22とは、鞍乗型車両1の前部に配置される。フロントカバー21は、ヘッドパイプ11及びダウンフレーム12の前方に配置される。レッグシールド22は、ヘッドパイプ11及びダウンフレーム12の後方に配置される。
【0024】
フートボード23は、レッグシールド22とリアカバー24との間に配置されている。フートボード23は、レッグシールド22の下端から後方に延びている。フートボード23は、シート5の前方且つ下方に配置されている。フートボード23は、左右方向において平坦な形状を有している。ただし、フートボード23は、左右方向における中央に、上方へ突出するセンタートンネル部を有してもよい。
【0025】
リアカバー24は、鞍乗型車両1の後部に配置される。リアカバー24は、シート5の下方に配置される。リアカバー24は、エンジンと後輪7の上方に配置される。リアカバー24には、リアフェンダー25が取り付けられる。リアフェンダー25は、後輪7の上方及び後方に配置される。
【0026】
図2は、鞍乗型車両1の背面図である。
図3は、鞍乗型車両1の後部の拡大背面図である。なお、
図3では、シート5が省略されている。
図2及び
図3に示すように、鞍乗型車両1は、テールライトユニット26と、リアフラッシャ27,28と、補助カバー29とを備える。テールライトユニット26とリアフラッシャ27,28とは、リアカバー24に取り付けられている。リアフラッシャ27,28は、左リアフラッシャ27と右リアフラッシャ28とを含む。テールライトユニット26は、テールライトレンズ31を含む。車両背面視で、テールライトレンズ31と補助カバー29との上方には、シート5が配置される。
【0027】
車両背面視で、テールライトレンズ31は、左右方向において、左リアフラッシャ27と右リアフラッシャ28との間に配置される。車両背面視で、左リアフラッシャ27は、テールライトレンズ31の左方に配置される。車両背面視で、右リアフラッシャ28は、テールライトレンズ31の右方に配置される。
【0028】
左リアフラッシャ27と右リアフラッシャ28とは、それぞれ縦長の楕円形状を有している。テールライトレンズ31は、縦長の楕円形状を有している。車両背面視で、テールライトレンズ31は、上下方向において、左リアフラッシャ27及び右リアフラッシャ28よりも大きい。車両背面視で、テールライトレンズ31は、左右方向において、左リアフラッシャ27及び右リアフラッシャ28よりも大きい。
【0029】
リアカバー24は、左サイドカバー32と、右サイドカバー33と、底カバー34とを含む。左サイドカバー32は、車両背面視で、補助カバー29の左方に配置される。右サイドカバー33は、車両背面視で、補助カバー29の右方に配置される。左サイドカバー32は、左孔を含む。左リアフラッシャ27は、左孔を通って配置される。右サイドカバー33は、右孔を含む。右リアフラッシャ28は、右孔を通って配置される。
【0030】
底カバー34は、左サイドカバー32と、右サイドカバー33と、底カバー34との下方に配置される。底カバー34は、左サイドカバー32及び右サイドカバー33と別体である。底カバー34は、ネジによって、左サイドカバー32と右サイドカバー33とに固定される。
【0031】
車両背面視で、補助カバー29は、左右方向において、左サイドカバー32と右サイドカバー33との間に配置される。補助カバー29は、車両背面視で、テールライトレンズ31の上下左右の全周囲に配置される。補助カバー29は、中央孔35を含む。テールライトレンズ31は、中央孔35を通って配置される。
【0032】
図4は、補助カバー29が取り外された鞍乗型車両1の後部を示す背面図である。
図5は、テールライトレンズ31が取り外された鞍乗型車両1の後部を示す斜視図である。
図4及び
図5に示すように、テールライトユニット26は、テールライトハウジング36とレンズ締結部37とを含む。を含む。テールライトハウジング36は、リアカバー24に取り付けられる。車両背面視で、テールライトハウジング36の一部は、左サイドカバー32と右サイドカバー33との間に配置される。テールライトハウジング36は、左サイドカバー32と右サイドカバー33とに取り付けられる。
【0033】
図4に示すように、レンズ締結部37は、テールライトレンズ31をテールライトハウジング36に固定する。レンズ締結部37は、第1ネジ38と第2ネジ39とを含む。第1ネジ38と第2ネジ39とは、左右方向に並んで配置されている。第1ネジ38と第2ネジ39とは、テールライトレンズ31をテールライトハウジング36に着脱可能に固定する。第1ネジ38と第2ネジ39とは、テールライトレンズ31の底部に配置される。
【0034】
図4に示すように、テールライトレンズ31は、レンズ本体41と、縁部42と、第1固定部43と、第2固定部44とを含む。レンズ本体41は、補助カバー29の中央孔35を通って外部に露出する。縁部42は、レンズ本体41の周囲に配置される。第1固定部43と第2固定部44とは、縁部42の底部から突出している。第1固定部43は、車両背面視で、左方且つ下方に突出している。第1固定部43には、第1ネジ38が通される。第2固定部44は、車両背面視で、右方且つ下方に突出している。第2固定部44には、第2ネジ39が通される。
【0035】
図5に示すように、テールライトユニット26は、バルブ45を含む。バルブ45は、テールライトハウジング36に取り付けられる。テールライトハウジング36は、リフレクタ46を含む。リフレクタ46は、バルブ45からの光を後方へ向けて反射する。テールライトレンズ31は、バルブ45を覆い、バルブ45からの光を透過させる。
【0036】
テールライトハウジング36は、第1ボス47と第2ボス48とを含む。第1ボス47には第1ネジ孔51が設けられている。第1ネジ孔51には第1ネジ38が通される。テールライトレンズ31の第1固定部43は、第1ネジ38によって第1ボス47に固定される。第2ボス48には第2ネジ孔52が設けられている。第2ネジ孔52には第2ネジ39が通される。テールライトレンズ31の第2固定部44は、第2ネジ39によって第2ボス48に固定される。第1ネジ孔51と第2ネジ孔52とは、前後方向に延びている。第1ネジ38と第2ネジ39とは、その軸線が前後方向を向くように配置される。
【0037】
図6及び
図7は、補助カバー29の斜視図である。補助カバー29は、リアカバー24と別体である。補助カバー29は、着脱可能にリアカバー24に取り付けられる。
図3に示すように、補助カバー29は、レンズ締結部37を覆う。車両背面視で、補助カバー29は、レンズ締結部37と重なる。
【0038】
補助カバー29は、左側部53と、右側部54と、上部55と、底部56とを含む。左側部53は、車両背面視でテールライトレンズ31の左方に配置される。右側部54は、車両背面視でテールライトレンズ31の右方に配置される。上部55は、車両背面視でテールライトレンズ31の上方に配置される。上部55は、左側部53及び右側部54とつながっている。底部56は、車両背面視でテールライトレンズ31の下方に配置される。底部56は、左側部53及び右側部54とつながっている。補助カバー29は、その全周がつながった形状を有している。
【0039】
補助カバー29は、左側面57と右側面58とを含む。左側面57は、底部56の左側端から後方へ突出している。右側面58は、底部56の右側端から後方へ突出している。補助カバー29は、係止部61,62を含む。補助カバー29は、係止部61,62がサイドカバーに係止することで、リアカバー24に取り付けられる。
【0040】
係止部61,62は、第1係止部61と第2係止部62とを含む。第1係止部61は、テールライトレンズ31の左方に配置される。第2係止部62は、テールライトレンズ31の右方に配置される。第1係止部61は、補助カバー29の左側面57に設けられている。第2係止部62は、補助カバー29の右側面58に設けられている。第1係止部61は、第1係止溝63を含む。第1係止溝63は、左側面57の上端から下方へ延びている。第2係止部62は、第2係止溝64を含む。第2係止溝64は、右側面58の上端から下方へ延びている。
【0041】
図8は、左サイドカバー32の内面を示す図である。
図8に示すように、左サイドカバー32は、第1ピン部材65を含む。第1ピン部材65は、左右方向に延びている。第1ピン部材65は、補助カバー29に向かって突出している。
図9は、左サイドカバー32と補助カバー29との内面を示す図である。
図9に示すように、第1ピン部材65は、第1係止溝63内に配置され、第1係止溝63に係止する。第1ピン部材65が第1係止溝63に係止することで、補助カバー29が左サイドカバー32に取り付けられる。
【0042】
図10は、右サイドカバー33の内面を示す図である。
図11は、右サイドカバー33と補助カバー29との内面を示す図である。
図10及び
図11に示すように、右サイドカバー33は、第2ピン部材66を含む。第2ピン部材66は、左右方向に延びている。第2ピン部材66は、補助カバー29に向かって突出している。第2ピン部材66は、第2係止溝64内に配置され、第2係止溝64に係止する。第2ピン部材66が第2係止溝64に係止することで、補助カバー29が右サイドカバー33に取り付けられる。
【0043】
図3に示すように、第1ピン部材65と第2ピン部材66とは、テールライトレンズ31の一部と同じ高さに位置する。第1係止部61と第2係止部62とは、テールライトレンズ31の一部と同じ高さに位置する。
図3に示すように、第1ピン部材65と第2ピン部材66とは、レンズ本体41よりも下方に位置する。第1係止部61と第2係止部62とは、レンズ本体41よりも下方に位置する。
【0044】
図6及び
図7に示すように、補助カバー29は、孔67,68を含む。孔67,68は、中央孔35よりも上方に配置される。孔67,68は、補助カバー29の上部55に設けられている。孔67,68には、
図3に示すネジ69,70が通される。補助カバー29は、ネジ69,70によって、リアカバー24に固定される。ネジ69,70は、その軸線が上下方向を向いて配置される。
【0045】
図12は、鞍乗型車両1の後部の上面図である。
図12では、シート5の位置が二点鎖線で示されている。
図12に示すように、車両上面視で、シート5は、ネジ69,70と重なる。すなわち、シート5は、ネジ69,70の軸線方向において、ネジ69,70と重なる。
【0046】
孔67,68は、第1孔67と第2孔68とを含む。第1孔67には、第1ネジ69が通される。第1ネジ69は、補助カバー29を左サイドカバー32に固定する。第2孔68には、第2ネジ70が通される。第2ネジ70は、補助カバー29を右サイドカバー33に固定する。
【0047】
図6及び
図7に示すように、補助カバー29は、複数の左突起291-293と、複数の右突起294-296とを含む。左突起291-293は、補助カバー29の左側縁にそって配置されている。
図8に示すように、左サイドカバー32は、複数の左切り欠き321-323を含む。左突起291-293は、左切り欠き321-323内にそれぞれ配置され、左切り欠き321-323に係止する。右突起294-296は、補助カバー29の右側縁にそって配置されている。
図10に示すように、右サイドカバー33は、複数の右切り欠き331-333を含む。右突起294-296は、右切り欠き331-333内にそれぞれ配置され、右切り欠き331-333に係止する。
【0048】
なお、
図8及び
図9に示すように、左サイドカバー32は、左取り付け部71,72を含む。左取り付け部71,72は、左サイドカバー32の内面に設けられている。右サイドカバー33は、右取付け部73,74を含む。右取付け部73,74は、右サイドカバー33の内面に配置されている。左取り付け部71,72と右取り付け部とには、上述したテールライトハウジング36が取り付けられる。
【0049】
図3に示すように、リアフェンダー25は、ライセンスプレート用のプレート取付部75を含む。プレート取付部75は、車両背面視で、テールライトレンズ31の下方に配置される。
図4に示すように、テールライトレンズ31の底面には、開口76が設けられている。開口76は、下方を向いて配置されている。
図5に示すように、テールライトユニット26は、ライセンスライトレンズ77を含む。ライセンスライトレンズ77は、テールライトハウジング36に取り付けられる。ライセンスライトレンズ77は、テールライトレンズ31の開口76に対応して配置される。ライセンスライトレンズ77は、バルブ45からの光を透過させる。
【0050】
図13は、鞍乗型車両1の後部を斜め下方から見た図である。
図13に示すように、補助カバー29の底部56は、底カバー34から後方に隙間78をおいて配置されている。隙間78は、ライセンスライトレンズ77の下方に配置される。バルブ45からの光は、ライセンスライトレンズ77と隙間78とを通って、プレート取付部75に照射される。
【0051】
本実施形態に係る鞍乗型車両1では、補助カバー29がリアカバー24から取り外されることで、バルブ45を交換することができる。詳細には、まず、シート5が開かれる。それにより、ネジ69,70へのアクセスが可能となり、工具を用いて、ネジ69,70が外される。次に、補助カバー29の上部55を後方へピン部材65,66回りに回転させる。そして、補助カバー29を下方へ移動させることで、補助カバー29がリアカバー24から取り外される。
【0052】
図3及び
図13に示すように、底カバー34は、ネジ81-84によって左サイドカバー32と右サイドカバー33とに取り付けられている。ネジ81-84が外されることで、底カバー34が、左サイドカバー32及び右サイドカバー33から取り外される。それにより、
図4に示すように、レンズ締結部37が露出して、レンズ締結部37へのアクセスが可能となる。レンズ締結部37のネジ38,39が外されることで、テールライトレンズ31がテールライトハウジング36から取り外される。それにより、
図5に示すように、バルブ45が露出して、バルブ45へのアクセスが可能となる。
【0053】
本実施形態に係る鞍乗型車両1では、係止部61,62がサイドカバー32,33に係止することによって、補助カバー29が、リアカバー24に固定される。そのため、補助カバー29が、ネジによって固定される場合と異なり、補助カバー29内にネジ用のボスが不要となる。それにより、テールライトレンズ31を配置するための空間が拡大される。その結果、テールライトレンズ31を大型化することができる。
【0054】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0055】
鞍乗型車両1は、スクータに限らず、モペッドなどの他の種類の車両であってもよい。テールライトユニット26の構造は、上記の実施形態のものに限らず、変更されてもよい。例えば、テールライトレンズ31は、楕円形に限らず、縦長の多角形であってもよい。補助カバー29の形状は、上記の実施形態のものに限らず、変更されてもよい。係止部61,62は、溝に限らず、突起、或いは孔などの他の構造であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明によれば、鞍乗型車両の外観性を向上させると共に、テールライトレンズを大型化することができる。
【符号の説明】
【0057】
5:シート、 24:リアカバー、 29:補助カバー、 31:テールライトレンズ、 32:左サイドカバー、 33:右サイドカバー、 36:テールライトハウジング、 37:レンズ締結部、 45:バルブ、 53:左側部、 54:右側部、 55:上部、 56:底部、 61:第1係止部、 63:第1係止溝、 65:第1ピン部材、 69:ネジ、 75:プレート取付部、 78:隙間