(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023103863
(43)【公開日】2023-07-27
(54)【発明の名称】農作物用メッシュコンテナ用結合部材
(51)【国際特許分類】
B65D 21/032 20060101AFI20230720BHJP
B65D 88/12 20060101ALI20230720BHJP
B65D 6/08 20060101ALI20230720BHJP
B65D 6/18 20060101ALI20230720BHJP
【FI】
B65D21/032
B65D88/12 N
B65D6/08 B
B65D6/18 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022004636
(22)【出願日】2022-01-14
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和3年1月20日付け納品受領書の写し
(71)【出願人】
【識別番号】593203619
【氏名又は名称】セイカン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100138519
【弁理士】
【氏名又は名称】奥谷 雅子
(72)【発明者】
【氏名】塚田 真敏
【テーマコード(参考)】
3E006
3E061
3E170
【Fターム(参考)】
3E006AA03
3E006BA01
3E006CA05
3E006DA10
3E006DB10
3E061AA02
3E061AA13
3E061AB04
3E061CA02
3E061CA25
3E061DA05
3E061DB14
3E170AA28
3E170AB10
3E170AB13
3E170DA20
3E170QA02
3E170QA09
3E170RA20
3E170WE06
(57)【要約】 (修正有)
【課題】簡単に折りたたみが可能であり、折り畳んだ状態で積重ねた時に、隙間がなく積み上げることができる、農作物の収穫、乾燥、輸送用コンテナを提供する。
【解決手段】板を組んでなる架台と、架台の前および後端に設けた、前面パネル2aおよび後面パネル3aと、左右の側面パネル4a,5aと底部6aと、からなるコンテナにおいて、前記底部、前記前面パネル、前記後面パネルおよび前記左右の側面パネルは、それぞれが底部パネルに向かって折畳めるように回動可能に結合される結合部を有し、前記左右の側面パネルは、それぞれの下側に位置する架台の前面パネル側および後面パネル側に、積載用係合脚部を有し、前記積載用係合脚部が、下向きに開口する部分を含む略倒置5字状である係合片と、前記係合片を支持する支持体と、からなる、農作物用折畳みコンテナ。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
板を組んでなる架台と、
架台の前および後端に設けた、前面パネル(2)および後面パネル(3)と、
左右の側面パネル(4,5)と、
底部(6)と、からなるコンテナにおいて、
前記底部(6)、前記前面パネル(2)、前記後面パネル(3)および前記左右の側面パネル(4,5)は、それぞれが底部パネルに向かって折畳めるように回動可能に結合される結合部を有し、
前記左右の側面パネル(4,5)は、それぞれの下側に位置する架台の前面パネル側および後面パネル側に、積載用係合脚部(13)を有し、
前記積載用係合脚部(13)が、
下向きに開口する部分を含む略倒置5字状である係合片(7)と、
前記係合片(7)を支持する支持体(8)と、からなる、
農作物用折畳みコンテナ。
【請求項2】
さらに、前記係合片(7)が、その先端に固着された縦長四角形の枠上をした略U字型補強レグ(12)を有する、請求項1に記載の、農作物用折畳みコンテナ。
【請求項3】
前記係合片(7)の下向きに開口する湾局面が、折畳みコンテナの結合部および外部支持材(12)の上部のいずれも遊嵌できる、
農作物用折畳みコンテナ。
【請求項4】
前記各パネルは棒鋼を縦横に結合してメッシュ状に形成したものである、請求項1~3に記載の、農作物用折畳みコンテナ。
【請求項5】
前記前面パネルは、下パネル部と上パネル部とから構成し、該上パネル部は下パネル部に対して上下方向に回動可能に連結したものであることを特徴とする請求項1~4記載のメッシュコンテナ。
【請求項6】
前記架台に、遮蔽板を設けてなる、請求項1~5のいずれか1項に記載の、農作物用折畳みコンテナ。
【請求項7】
前記遮蔽板が左右の側面パネルの下部に位置する架台の内側に装着される、農作物用折畳みコンテナ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、農作物の貯蔵や運搬に用いられるコンテナに係り、特には、収穫および/または出荷、仕分け作業の作業時に有効な、農作物の収穫、乾燥、輸送用コンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
農産物を保管や貯蔵のために、或いは搬送するためにコンテナを使用しているが、鮮度を保持するために、また搬送時の全体重量を軽減して車輌への搭載個数を増すために、棒鋼を組んでメッシュ状に構成することにより通気性の確保と、軽量化を図ったメッシュコンテナを用いるようになっている(特許文献1)。
【0003】
青果の流通は大型化が進んでいる。流通用ではコスト軽減のためワンウェイレンタルが利用されている。ワンウェイレンタルとは、コンテナの製造業者あるいは提供業者の物流拠点に集積されたコンテナを生産者がレンタルし、収穫に用いた後に、そのまま出荷し、食品加工会社などにて使用された後に、コンテナを空にして、最寄りの物流拠点に返すコンテナの使用態様である。
【0004】
ワンウェイレンタルで現在一般的に利用されているコンテナはUレグ付き小型コンテナである。一方で生産者はレンタルコストを軽減するため自ら収穫用に適したコンテナを所有することも多い。収穫集荷用のコンテナは作業性と効率性が重視されることから、大型で両サイドから作物を投入できることが好ましく、コンテナの前面および後面のパネルが中央で折畳まれて、作業性を向上した機種が主流である。すなわち、収穫で使うため生産者自らが所有するコンテナと、流通用で使うためのレンタルコンテナの仕様が異なるため、コンテナの物流において、段積みできず、貯蔵、混載時に不便が生じていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上述した問題に鑑みなされたもので、農作物用コンテナにおいて、種類の異なるコンテナであっても、段済みすることができ、乾燥などにも有効なコンテナを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するために構成した本発明の手段は、
板を組んでなる架台と、
架台の前および後端に設けた、前面パネルおよび後面パネルと、
左右の側面パネルと、
底部と、からなるコンテナにおいて、
前記底部、前記前面パネル、前記後面パネルおよび前記左右の側面パネルは、それぞれが底部パネルに向かって折畳めるように回動可能に結合される結合部を有し、
前記左右の側面パネルは、それぞれの下側に位置する架台の前面パネル側および後面パネル側に、積載用係合脚部を有し、
前記積載用係合脚部が、
下向きに開口する部分を含む略倒置5字状である係合片と、
前記係合片を支持する支持体と、からなる農作物用折畳みコンテナである。
【0008】
本発明の他の態様は、前述の農作物用折畳みコンテナにおいて、係合片が、その先端に固着された縦長四角形の枠上をした略U字型補強レグを有する、農作物用折畳みコンテナである。
【0009】
本発明の他の態様は、前述のいずれかの農作物用折畳みコンテナにおいて、係合片の下向きに開口する湾局面が、折畳みコンテナの結合部および外部支持材の上部のいずれも遊嵌できる、農作物用折畳みコンテナである。
【0010】
本発明の他の態様は、前述のいずれかの農作物用折畳みコンテナにおいて、各パネルは棒鋼を縦横に結合してメッシュ状に形成したものである、農作物用折畳みコンテナである。
【0011】
本発明の他の態様は、前述のいずれかの農作物用折畳みコンテナにおいて、前面パネルは、下パネル部と上パネル部とから構成し、該上パネル部は下パネル部に対して上下方向に回動可能に連結したものである、農作物用折畳みコンテナである。
【0012】
本発明の他の態様は、前述のいずれかの農作物用折畳みコンテナにおいて、架台に、遮蔽板を設けてなる、農作物用折畳みコンテナである。
【0013】
本発明の他の態様は、前述のいずれかの農作物用折畳みコンテナにおいて、遮蔽板が左右の側面パネルの下部に位置する架台の内側に装着される、農作物用折畳みコンテナである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、コンテナの下部四隅に設けられているレグの形状が異なる場合であっても、段積みできるようになった。具体的には、自ら所有する収穫集荷用コンテナとレンタルで追加されたコンテナを、段積みすることができる。トレーラやトラックに形状の異なるコンテナを混載できるようになるため、農作物の集荷が効率よく行うことができる。
【0015】
更には、集荷後に出荷されたコンテナが空になった場合も、収穫出荷時と同様に段積みすることができる。このとこにより出荷後のコンテナをレグ形状で見分けることも可能でとなる。このことは、コンテナの所有者を示すパネルが折畳んだ状態では見えないことから、現場の作業において有利である。
【0016】
また、本発明の農作物用折り畳みコンテナは、レグ機構部分をはめ込むところに、遮蔽板を設けることができる。このことにより、積載したときにレグ機構のすき間部分を風が逃げることを防ぎ、農作物の乾燥効率を上げることができる。
【0017】
また、本発明の農作物用折り畳みコンテナは、コンテナのパネルの構造を、メッシュを用いた構造とするなどで、コンテナ全体の軽量化を図ることができる。また、レグ機構は、コンテナに固着してもよいし、脱着可能に設けられていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、本発明に係る農作物用折り畳みコンテナの概要を示す一実施態様における斜視図である。
【
図2】
図2は、本発明に係る農作物用折り畳みコンテナの概要を示す一実施態様における斜視図である。
【
図3】
図3は、
図1に示すコンテナの積載用係合脚部の一例である。
【
図4】
図4は、
図2に示すコンテナの積載用係合脚部の一例である。
【
図5】
図5は、
図1に示すコンテナを折畳んだ状態で、積載用係合脚部により積載した態様を示す図である。
【
図6】
図6は、
図2に示すコンテナの上に、積載用傾向脚部を利用して、
図1のコンテナを積載した状態を示す図である。
【
図7】
図7は、
図1に示すコンテナの上に、積載用係合脚部を利用して、
図12のコンテナを積載した態様を示す図である。
【
図8】
図8は、組立てた状態の
図1のコンテナの上に、組立てた状態の
図2のコンテナを積載した状態の正面図である。
【
図9】
図9は、
図8の実施態様における、積載用係合脚部による積載された状態を示す図である。
【
図13】
図13は、組立てた状態の
図2のコンテナの上に、組立てた状態の
図1のコンテナを積載した状態を示す図である。
【
図14】
図14は、
図13の実施態様における、積載用係合脚部による積載の状態を示す図である。
【
図18】
図18a、bは、本発明におけるコンテナに遮蔽板を組み入れた図である。
【
図19】
図19a、bは、本発明に係るコンテナにおいて、遮蔽板を設けた状態での風の通り方を示す図である。
【
図20】
図20は、本発明に係る積載用係合脚部の係止片と支持体を説明する図である。
【
図21】
図20は、本発明に係るコンテナの積載状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明において、農作物用折畳みコンテナとは、農作物を収穫し、輸送し、乾燥し、保管し、加工あるいは出荷に係るまでのあらゆる工程に関与する。本発明において、コンテナの種類は特に重要ではないが、農作物用のコンテナとしては、スチールコンテナとメッシュコンテナが主流であり、本願の実施態様としてはメッシュコンテナが好ましい。
【0020】
本発明において、メッシュコンテナとは、複数の鋼材を連結して構成した枠体に多数本の棒鋼を縦横に配置固着してメッシュ状パネル部を形成してなる四角形の底部パネルと、多数本の棒鋼を縦横に配設固着することにより四角形に形成し、該底部パネルの三辺の縁に内方向に回動可能に連結し、かつ互いに連結した3枚の側面パネル及び
前記底部パネルの一辺の縁に内外方向に回動可能に連結し、隣接する該側面パネルに連結具により係脱可能な前面パネルとからなる。
【0021】
本発明において、前記前面パネルは、下パネル部と上パネル部とから構成し、該上パネル部は下パネル部に対して上下方向に回動可能に連結したものにするとよい。また、前記コンテナ本体は、前面パネル、後面パネル及び側面パネルを底面パネルに回動可能に連結することにより、該底面パネル側に折畳み可能に構成するとよい。
【0022】
本発明において、メッシュコンテナは架台の上に構成される。架台は鋼材からなる枠体であることが好ましく、架台は前枠材、後枠材、左右の側枠材を四角形に連結して構成してある。架台はC型チャンネル材を略長方形に組んだ枠体と、該枠体2a、6bの内側に前後方向に連結した一対の補強材と、枠体、補強材および補強材の前後側下端に固着した平鋼板からなる連結材とから構成してあり、架台内にはフォークリフトによるリフト時にフォークを挿入するための挿入口を形成してもよい。
【0023】
一般的には、農作物用折畳みコンテナは、農作物を入れた状態で、あるいは空の状態で折畳み、積載することを前提としている。当然に積載時には安定性が求められる。そのため、積載時の安定性を担保するために、コンテナの底部あるいは架台には、コンテナを積載するための係合脚が設けられていることが多い。
【0024】
このような積載用係合脚としては、下向きの凹湾曲面を有する略倒置5字状の係合片と、底部あるいは架台から突設され、該係合片の端を支持する支持体から構成されているものがある。前者はSレグとも呼ばれているものも含む。さらに、架台の側面に固着したコンテナ支持材であって、略U字型の基体と係合のための係止片から構成してあり、係止片を上側にしてパネル支持材より上方に突出する状態で設けてなるものもある。
【0025】
本発明における積載用係合脚部は、
下向きに開口する部分を含む略倒置5字状である係合片と、前記係合片を支持する支持体と、からなり、前記係合片の下向き略凹湾曲面がコンテナのコイル状結合部と略U字型の基体と係合する係止片のいずれにも遊嵌する形状である係合片を備えている。
【0026】
以下、図面に基づき本発明の実施形態について説明する。
【0027】
図1は、本発明の一実施態様の農作物用折り畳みコンテナ1aを示す斜視図である。架台の上には底部6aがあり、前面パネル2aおよび後面パネル3a並びに側面パネル4aおよび5aが架台の上に直立して固定されている。そして、前面パネル2aと、後面パネル3aとは左右の側面パネル4aおよび5aと、連結機構(図示せず)により、架台の上に直立するように構成される。連結機構は、前面パネル2aまたは後面パネル3aと、側面パネル4aおよび5aとが直交して形成する角ごとに配置される。
【0028】
次に
図2を参照して、本発明の他の態様の農作物用折り畳みコンテナ1bを示す。架台の上には底部6bがあり、前面パネル2bおよび後面パネル3b並びに側面パネル4bおよび5bが架台上に直立して固定されている。そして、前面パネル2bと、後面パネル3bとは左右の側面パネル4bおよび5bと、連結機構(図示せず)により、架台の上に直立するように構成される。連結機構は、前面パネル2bまたは後面パネル3bと、側面パネル4bおよび5bとが直交して形成する角ごとに配置される。
【0029】
図1及び
図2は折畳み式の農作物用コンテナであるが、架台の四隅に設けられている積載用係合脚が異なる。
【0030】
次に
図3を参照して、積載用係合脚の一実施態様を説明する。本実施態様では、積載用係合脚は下向きに開口する部分を含む略倒置5字状である係合片7aと、前記係合片を支持する支持体8aとからなる。本実施態様において、
図2に記載のメッシュコンテナの側面の前面と後面側に積載用係合脚を設けることができる。これらの積載用係合脚は、架台から下向きに突設されている。下向きに開口する部分を含む略倒置5字状である係合片7aは、折畳まれた状態で側面パネルと底部パネルを連結するコイル状結合部10にその凹湾曲面が遊嵌し、架台から垂直に下方に延びて直角に湾曲面の端に結合する面は、
図5に示すコンテナの側面パネルの積載用係合脚の上部に設けられたポケット9に嵌合することにより、安定に積載することが可能となる。コンテナが組立てられた状態では、当該凹湾曲面が側面パネルの上部に遊嵌する。
【0031】
次に
図4を参照して、積載用係合脚の他の態様を説明する。本実施態様では、積載用係合脚は下向きに開口する部分を含む略倒置5字状である係合片7bと、前記係合片を支持する支持体8bと、上部に係止片を備える略U字型の補強レグからなる。本実施態様において、
図2に記載のメッシュコンテナの側面の前面と後面側に積載用係合脚を設けることができる。これらの積載用係合脚は、架台から下向きに突設されている。下向きに開口する部分を含む略倒置5字状である係合片7bは、折畳まれた状態で略U字型の上部係止片に遊嵌する。該略U字型の補強レグは、折畳まれた状態で側面パネルから突出するように底部もしくは架台に固着されており、略U字型の上部係止片に略倒置5字状である係合片7bが遊嵌し、架台から垂直に下方に延びて直角に湾曲面の端に結合する面およびその上部が、突出した略U字型補強レグのコンテナ内側に位置するようになるために、安定に積載することが可能となる。コンテナが組立てられた状態では、当該凹湾曲面が側面パネルの上部に遊嵌する。
【0032】
次に
図5を参照して、本願発明に係る農作物用折畳みコンテナを折畳んだ状態で積載する態様を説明する。
図1に示す折畳みコンテナを折畳んだ状態で積載する場合、本発明のコンテナにおいて、底部と側面パネルを結合するコイル結合部10が上部に突出した形となる。このため、本発明係る係合片7aは、このコイルに遊嵌する下側に開口した凹湾曲面を備えている必要がある。本発明に係る係合片7aにおいて、その幅は
図5に9で示すポケットに規定されている幅に嵌合するように構成されている。ポケット9の面積は、側面パネルにおいてメッシュ状に構成された係合片7aにおいて、架台から垂直下側に延びる面と直角に結合する面が少なくとも遊嵌するように構成されていればよい。具体的には、積み上げた時に係合片の下面になる長さ方向(コンテナの内側から外側方向の長さ)と、幅方向(コンテナの前後方向の長さ)が、ポケットの長さ方向および幅方向の長さとほぼ同じか、わずかに小さく構成されていればよい。このような構成をとることにより、係合片7は支持体8aとともに、ポケット9に嵌合し、積重ねたときにコンテナのズレを防止することが可能となる。
【0033】
次に
図6を参照して、
図1および
図2に係る農作物用折畳みコンテナを折畳んだ状態で積載する態様を説明する。
図2に示す折畳みコンテナを折畳んだ状態で積載する場合、略U字型の補強レグの上部が一定程度の長さで、折畳み面から突出する状態となる。本実施態様において、係合片7aの下側に開口した凹湾曲面が略U字型補強レグの上部係止片に遊嵌する。コンテナの四隅おいて、このように係合片がる略U字補強レグの上部係止片に遊嵌することにより安定に積載することができる。さらに、本実施態様において、略U字型の補強レグの折畳み面から突出している長さと、係合片7aにおける下側に垂直に伸びる面が、折畳まれたコンテナ表面に届く長さを有していることが好ましい。この場合、略倒置5字状の係合片の下側面が、折畳まれたコンテナの上面と略水平に接触することになり、積載時の安定化をさらに図ることができる。
【0034】
次に
図7を参照して、
図2で示す折畳みコンテナを折畳んだ状態で、折畳んだ状態の
図1に示すコンテナの上に積載する態様を説明する。本態様において、
図2で示す係合片7bの下側に開口した凹湾曲面は、
図1で示すコンテナの底部と側面パネルを結合するためのコイル状結合部に遊嵌する。また、係合片7bにおいて、架台から下方向に垂直に伸びる板およびこれと直角に交差する板から構成される面は、
図1に示すコンテナにおけるポケット9に入るように構成されている。このため、本発明において、積載用係合脚の形が異なるコンテナを積載することができる。
【0035】
次に
図8を参照して、本発明に係る折畳みコンテナを組み立てた状態で積載する態様を説明する。
図8において、上部のコンテナは
図2に示すコンテナであり、下部のコンテナは
図1に示すコンテナである。上部のコンテナは、積載用係合脚として、係合片7b、支持体8bおよび略U字型補強レグ12から構成されている。
図8において、係合片7bの下側に開口する凹湾曲面は下部のコンテナの側面上部に遊嵌する。このときに、略U字型補強レグ12の当該湾曲面の凸面で支えている。下部のコンテナはこのときに、係合片7aおよび支持体8bで支えることができる。また、当該係合片7aおよび8aを取り外し可能に構成することにより、架台で積載状態のコンテナを支えることもできる。また、後述するように、積み上げたコンテナ同士の隙間に、乾燥工程の風を効率的に用いるための風の遮蔽版を設けてもよい。
【0036】
次に、
図9を参照して、
図8の積載状態をさらに詳述する。
図9において、
図2に示すコンテナの架台から略U字型補強レグが設けられている。係合片7bおよび支持体8bは、架台の下面から下方向に設けられている。ここにおいて、下側に開口部を有する倒置5字形状の係合片は、コンテナを組み立てて重ねたときに、架台から垂直したに伸びる面とこれと垂直に交わる底面が、下部のコンテナの中に入り込むように構成されている。他言すれば、下側に開口部を有する倒置5字形状の係合片における垂直下向きの長さは、略U字型補強レグ12における、上部コンテナと下部コンテナの間の長さよりも長く構成されている。そして、その下端にて直行して結合されている下面から、下部側面パネルの上部と同じ高さまで上がり、略平坦な面を構成しその端部でわずかに下方に下がる。本発明において、この下側に開口部を有する倒置5字形状の係合片の構成は係合脚の種類が異なっていても、基本的にこのような形状を保持しつつ、この形状に収まるような形状の支持体を備える限り、折畳んだ状態でも組立てた状態でも一定程度の安定性を保ち積載することができる。なお、本発明において、支持体8b、その係合片7bに相当する構成の形状により変更することができる。また、本実施態様において、略U字型補強レグと係合片7bはより安全に係合するように、係合片7bに対応する窪みを設けてもよいし、摩擦係数を高めて係合を安定にするように、エラストマー樹脂でその表面を加工してもよい。
【0037】
図10は
図9を正面から見た図である。係合片7bは下部の側面パネルの上端部に係合(嵌合)する。係合片7bの略U字補強レグ側を支える下端よりも、下部コンテナの内側になる係合片7bの下端の方がより下方に位置していることがわかる。すなわち、係合片7bは、その下部コンテナの内側においても支持体とともに、側面パネル左右のズレを防止するとともに、下部コンテナ上部に下側に開口する凹湾曲面にて、コンテナの端部も固定することができる。
【0038】
次に
図11を参照して、
図8の態様を側面から見た図を説明する。上部のコンテナは略U字補強レグを備える積載用係合脚を有するコンテナであり、下部のコンテナは、係合片7aと支持体8aとからなる積載用係合脚を備えるコンテナである。いずれもメッシュコンテナである点においては共通するが、一般的に上部のコンテナは、略U字型補強レグの位置の側面パネル側に補強支柱を備えることができる。一方下側のコンテナは、折畳んだ時に、係合片の下部が嵌入することができるようなポケット9を備えている。
【0039】
次に
図12を参照して、略U字型補強レグ12を備えるコンテナを上部とした係合について詳述する。下側に開口部を有する略倒置5字状の係合片7bは、コンテナの架台下部に固着されており、下部コンテナの内側まで伸びる垂直面とその垂直面に直行して下面を構成する面および下面から下側に開口する凹湾曲面からなる。この係合片7bと上部コンテナの架台の間には支持体8bが設けられている。支持体8bの形状はとくに重要ではないが、係合片7bの垂直下に延びる面と下面とに沿う形状であり、コンテナを積載したときに支持する役割を果たせるものであればよい。係止片7bとは一体成型とすることが可能であればそのような態様も本発明の範囲内である。
図12において、支柱11は上部コンテナの補強支持材である。このような支持材は側面パネルのみでなく、前面パネルや後面パネルに適宜設けることができる。
【0040】
次に
図13を参照して、本発明に係る折畳みコンテナを組み立てた状態で積載する他の実施態様を説明する。
図13において、上部のコンテナは
図1に示すコンテナであり、下部のコンテナは
図2に示すコンテナである。上部のコンテナは、積載用係合脚として、係合片7aおよび支持体8aから構成されている。
図13において、係合片7aの下側に開口する凹湾曲面は下部のコンテナの側面上部に遊嵌する。このときに、上部コンテナはその四隅に備える係合片7aと支持体8aで支えられている。下部のコンテナはこのときに、係合片7b、支持体8bで支えることができる。また、当該係合片7b、支持体8bおよび略U字型補強レグは取り外し可能にすることもできるが、段積をするときに取り付けることもできる。また、後述するように、積み上げたコンテナ同士の隙間に、乾燥工程の風を効率的に用いるための風の遮蔽版を設けてもよい。
【0041】
次に、
図14を参照して、
図13の積載状態をさらに詳述する。
図14において、
図1に示すコンテナの下面から係合片7baおよび支持体8baが設けられている。ここにおいて、下側に開口部を有する倒置5字形状の係合片は、コンテナを組み立てて重ねたときに、架台から垂直下に伸びる面とこれと垂直に交わる底面が、下部のコンテナの中に入り込むように構成されている。そして、その下端にて直行して結合されている下面から、下部側面パネルの上部と同じ高さまで上がり、略平坦な面を構成しその端部でわずかに下方に下がる。本発明において、この下側に開口部を有する倒置5字形状の係合片の構成は係合脚の種類が異なっていても、基本的にこのような形状を保持しつつ、この形状に収まるような形状の支持体を備える限り、折畳んだ状態でも組立てた状態でも一定程度の安定性を保ち積載することができる。なお、本発明において、支持体8aは、その係合片7aに相当する構成の形状により変更することができる。
【0042】
図15は
図14を正面から見た図である。係合片7aは下部の側面パネルの上端部に係合(嵌合)する。係合片7aの略U字補強レグ側を支える手前下端よりも、下部コンテナの内側になる係合片7aの下端の方がより下方に位置していることがわかる。すなわち、係合片7aは、その下部コンテナの内側においても支持体とともに、側面パネル左右のズレを防止するとともに、下部コンテナ上部に下側に開口する凹湾曲面にて、コンテナの端部も固定することができる。本図において、10はコイル結合部であり、9はポケットである。本発明において、係合片7(7aおよび7b)はこのコイル結合部に遊嵌(係合)することができる。また、支持体8(8aおよび8b)の下部は9で示すポケットに嵌入することができる。
【0043】
次に
図16を参照して、
図13の態様を側面から見た図を説明する。上部のコンテナは係合片7aと支持体8aとからなる積載用係合脚を備えるコンテナであり、下部のコンテナは、略U字補強レグを備える積載用係合脚を有するコンテナである。いずれもメッシュコンテナである点においては共通するが、一般的に上部のコンテナは、折畳んだ時に、係合片の下部が嵌入することができるようなポケット9を備えている。一方下側のコンテナは、略U字型補強レグの位置の側面パネル側に補強支柱を備えることができる。
【0044】
次に
図17を参照して、係合片7aと支持体8bとからなる積載用係合脚の係合について詳述する。下側に開口部を有する略倒置5字状の係合片7aは、コンテナの架台下部に固着されており、下部コンテナの内側まで伸びる垂直面とその垂直面に直行して下面を構成する面および下面から下側に開口する凹湾曲面からなる。この係合片7aと上部コンテナの架台の間には支持体8aが設けられている。支持体8aの形状はとくに重要ではないが、係合片7aの垂直下に延びる面と下面とに沿う形状であり、コンテナを積載したときに支持する役割を果たせるものであればよい。係合片7aとは一体成型とすることが可能であればそのような態様も本発明の範囲内である。
図17において、ポケット9載用係合脚の上に設け、折畳んだときに係合片7aもしくは7bの下部がポケットに嵌入できるように構成する。
【0045】
次に
図18aを参照して、本発明の他の態様を説明する。
図18aにおいて、2bは前面パネル6bは底部である。7bは前述の係合片であり、8bは支持体である。12は略U字型補強レグを示す。本発明のコンテナにおいて、架台は底部の各辺にそって組まれてなる鋼材から構成される。底面から見た場合、底部中央には補強のための鋼材を追加してもよく。この鋼材は、フォークリフトのガイドの役割を果たすものであってもよい。
【0046】
次に
図18bを参照して、架台の下に送風遮蔽板を付けた態様を説明する。本発明において、コンテナ内に収穫された農作物は、貯蔵のためあるいは品質保持のため送風により一定程度乾燥することが必要である。このときに、積載されたコンテナの間にすき間があると当該隙間を空気の流れがとおり抜けてしまい、作物から水分を奪うことなく乾燥工程の系から抜けてしまう。このことを防止するために、
図18bに示すように本発明に係る係合片7bの両端にわたり遮蔽板を設けることができる。
【0047】
次に
図19aを参照して、遮蔽板を設けた状態の空気の動きを説明する。本態様において、積載されている2つのコンテナは横方向および縦方向にさらに連結されており、農作物の乾燥工程のときにはその外側をシートなどでおおい、乾燥した風を一定の閉鎖系で循環させる。
図19aのように架台の下でコンテナの間を塞ぐように遮蔽板を設けると、風がコンテナ外側に跳ね返される。このときにコンテナは風を通さない素材で覆われているため、覆いにあたりランダムに跳ね返り、コンテナ内の農作物に当たる可能性が高くなる。このように本発明に係る遮蔽板を用いることで農作物を効率よく乾燥することができる。
【0048】
図19bに記載のように、架台の下に遮蔽板がない従来の乾燥工程では、コンテナの中を風が一方に抜けてしまう。このため、風の大きな通り道を作ることは、乾燥工程を非効率にすることになる。従って、前述のように、架台の下でコンテナの間を塞ぐように遮蔽板を設けることは農作物の乾燥工程におけるエネルギー効率を向上させることができる。
【0049】
上記の各態様及び実施例は、本発明の実施態様としての一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない限り、さまざまな変更が可能なものである。
【符号の説明】
【0050】
前面パネル2(2a、2b)、後面パネル3(3a、3b)、側面パネル4および5(4a、4b、5a、5b)、底部6、係合片7(7a、7b)、支持体8(8a、8b)、ポケット9、コイル状結合部10、補強材11、略U字型補強レグ12、係合脚部13