(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023103870
(43)【公開日】2023-07-27
(54)【発明の名称】運転制御装置および車両制御方法
(51)【国際特許分類】
B60W 30/06 20060101AFI20230720BHJP
B60W 60/00 20200101ALI20230720BHJP
G08G 1/16 20060101ALI20230720BHJP
【FI】
B60W30/06
B60W60/00
G08G1/16 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022004649
(22)【出願日】2022-01-14
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】張 天寿
【テーマコード(参考)】
3D241
5H181
【Fターム(参考)】
3D241BA21
3D241BC01
3D241BC02
3D241CC01
3D241CC08
3D241CC11
3D241CC17
3D241CE02
3D241CE04
3D241CE05
3D241DB01Z
3D241DC25Z
5H181AA01
5H181CC04
5H181CC11
5H181CC12
5H181CC14
5H181CC24
5H181FF05
5H181FF22
5H181FF32
5H181LL09
5H181LL17
(57)【要約】
【課題】適切な空き駐車枠を出力する。
【解決手段】本開示の車両制御装置では、自車両の周囲の空き駐車枠を検知する駐車枠検知回路と、空き駐車枠の隣接の駐車車両を検知する駐車車両検知回路と、駐車車両検知回路により検知された駐車車両と、駐車車両の駐車枠との位置関係に基づいたスコアを算出するスコア算出回路と、スコア算出回路によるスコアに基づいて駐車枠検知回路により検知された空き駐車枠の駐車適正度を示す情報を出力させる出力制御回路と、を備え、スコア算出回路は、駐車車両の駐車枠を基準とした駐車車両の傾きに基づいてスコアを算出する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両の周囲の空き駐車枠を検知する駐車枠検知回路と、
前記空き駐車枠の隣接の駐車車両を検知する駐車車両検知回路と、
前記駐車車両検知回路により検知された駐車車両と、前記駐車車両の駐車枠との位置関係に基づいたスコアを算出するスコア算出回路と、
前記スコア算出回路によるスコアに基づいて前記駐車枠検知回路により検知された空き駐車枠の駐車適正度を示す情報を出力させる出力制御回路と、
を備え、
前記スコア算出回路は、前記駐車車両の駐車枠を基準とした前記駐車車両の傾きに基づいて前記スコアを算出する、
車両制御装置。
【請求項2】
前記スコア算出回路は、前記駐車車両の車輪が、前記駐車車両の駐車枠から所定範囲に位置するか否かにさらに基づいて前記スコアを算出する、請求項1に記載の車両制御装置。
【請求項3】
前記スコア算出回路は、前記駐車車両と、前記空き駐車枠との位置関係にさらに基づいてスコアを算出する、請求項1に記載の車両制御装置。
【請求項4】
前記スコア算出回路は、前記駐車枠検知回路により複数の空き駐車枠が検知された場合、それぞれの空き駐車枠について前記スコアを算出し、
前記出力制御回路は、前記スコアに基づいて、前記複数の空き駐車枠の駐車適正度を示す情報の出力態様を変えて出力する、請求項1に記載の車両制御装置。
【請求項5】
前記空き駐車枠の指定を受け付けた場合、前記空き駐車枠へ駐車制御する駐車制御回路をさらに備える、請求項1に記載の車両制御装置。
【請求項6】
自車両の周囲の空き駐車枠を検知し、
前記空き駐車枠の隣接の駐車車両を検知し、
前記検知された駐車車両と、前記駐車車両の駐車枠との位置関係に基づいたスコアを算出し、
前記スコアに基づいて前記検知された空き駐車枠の駐車適正度を示す情報を出力させ、
前記スコアは、前記駐車車両の駐車枠を基準とした前記駐車車両の傾きに基づいて算出される、
車両制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、運転制御装置および車両制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、駐車場で、駐車予定位置の隣接エリアに駐車している車両と、自車両のドアとの距離を考慮して駐車スペースを特定する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
隣接する車両が、適切に位置に駐車していればよいが、隣接する車両が適切な位置に駐車していない場合、当該隣接する車両を基準に駐車してしまうと、自車両もそれに合わせて適切でない位置に駐車してしまう可能性がある。
【0005】
本開示は、上記に鑑みてなされたものであって、適切な空き駐車枠の情報を出力するように制御することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る車両制御装置は、自車両の周囲の空き駐車枠を検知する駐車枠検知回路と、空き駐車枠の隣接の駐車車両を検知する駐車車両検知回路と、駐車車両検知回路により検知された駐車車両と、駐車車両の駐車枠との位置関係に基づいたスコアを算出するスコア算出回路と、スコア算出回路によるスコアに基づいて駐車枠検知回路により検知された空き駐車枠の駐車適正度を示す情報を出力させる出力制御回路と、を備え、スコア算出回路は、駐車車両の駐車枠を基準とした駐車車両の傾きに基づいてスコアを算出する。
【発明の効果】
【0007】
本開示に係る車両制御装置によれば、適切な空き駐車枠の情報を出力することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本実施形態の車両制御装置の一例の模式図である。
【
図2】
図2は、本実施形態にかかる運転制御部の機能的構成の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、本実施形態にかかる得点表の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、本実施形態にかかる駐車車両の駐車状態の例を示す図である。
【
図5】
図5は、本実施形態にかかるスコア算出方法を説明する図である。
【
図6】
図6は、本実施形態にかかるスコア算出方法を説明する図である。
【
図7】
図7は、本実施形態にかかるスコアに基づく出力制御例を説明する図である。
【
図8】
図8は、本実施形態にかかる駐車処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に添付図面を参照して、本開示に係る車両制御装置の実施形態について説明する。
【0010】
図1は、本実施形態に係る車両制御装置100のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。車両制御装置100は、車両に搭載され、車両を制御する装置である。車両制御装置100は、運転制御部110、走行制御部120、ナビゲーションシステム150、通信部160、および出力部170を備える。車両制御装置100は、車両外部認識部130および車両位置測位部140を備えていてもよい。以下、車両制御装置100が車両外部認識部130および車両位置測位部140を備えている例について説明する。
【0011】
運転制御部110は、コンピュータ等で構成され、ハードウェアとソフトウェアが協働することにより、車両の走行を制御する。例えば、運転制御部110は、CPU(Central Processing Unit)111、RAM(Random Access Memory)112、ROM(Read Only Memory)113、記憶装置114、及びI/O(Input/Output)インタフェース115を備える。
【0012】
CPU111は、コンピュータプログラムを実行可能なプロセッサである。なお、運転制御部110が備えるプロセッサの種類はCPU111に限定されない。例えば、運転制御部110は、DSP(Digital Signal Processor)であってもよいし、他のプロセッサであってもよい。
【0013】
RAM112は、キャッシュまたはバッファなどとして使用される揮発性メモリである。ROM113は、コンピュータプログラムを含む各種情報を記憶する不揮発性メモリである。CPU111は、特定のコンピュータプログラムをROM113や記憶装置114から読み出してRAM112に展開することによって、各種機能を実現する。
【0014】
記憶装置114は、HDD(Hard Disk Drive)などの補助記憶装置である。例えば、記憶装置114は、CPU111が実行するコンピュータプログラムや、各種設定などを記憶する。
【0015】
I/Oインタフェース115は、走行制御部120、車両外部認識部130、ナビゲーションシステム150、車両位置測位部140、通信部160、および出力部170との通信を実行する。
【0016】
走行制御部120は、車両の走行を制御する。走行制御部120は、ステアリング制御部121、アクセル制御部122、及びブレーキ制御部123を備える。ステアリング制御部121は、車両の車輪の角度を制御する。アクセル制御部122は、車両のエンジンを制御する。ブレーキ制御部123は、車両のブレーキを制御する。
【0017】
車両外部認識部130は、車両の外部を認識する。例えば、車両外部認識部130は、例えばカメラ、レーダー、ソナー、センサ等である。
【0018】
車両位置測位部140は、自装置を搭載した車両の現在地を測位する。例えば、車両位置測位部140は、GNSS(Global Navigation Satellite System)等の衛星から電波を受信することで現在地を測位する。
【0019】
ナビゲーションシステム150は、現在地から目的地までの車両の走行経路を案内する。例えば、ナビゲーションシステム150は、目的地と、地図を示す地図情報と、車両位置測位部140が測位した現在地とに基づいて走行経路を算出する。そして、ナビゲーションシステム150は、走行経路を案内する。
【0020】
出力部170は、表示部171及び音声出力部172を備える。表示部171は、画像表示機能を有するディスプレイ等である。音声出力部172は、音声出力する車内用スピーカ等である。
【0021】
図2において、運転制御部110のCPU111は、特定のコンピュータプログラムをROM113や記憶装置114から読み出してRAM112に展開することによって、各種機能を実現する。更に詳しくは、運転制御部110は、駐車枠検知部1001、駐車車両検知部1002、駐車状態スコア算出部1003、スコア判定結果出力制御部1004、および駐車制御部1005を備える。
【0022】
駐車枠検知部1001は、自車両の周囲の空き駐車枠を検知する。駐車枠検知部1001は、車両外部認識部130であるカメラにより撮像した自車両の周囲の画像から、駐車枠を基準に駐車スペースを抽出する。具体的に、駐車枠検知部1001は、カメラで撮像した画像から、駐車枠内に車両がなく、かつ、認識した駐車枠の幅が、自車両の車両幅より大きい場合に、駐車可能な空き駐車枠とする。
【0023】
駐車車両検知部1002は、空き駐車枠の隣接の駐車車両を検知する。駐車車両検知部1002は、車両外部認識部130であるカメラにより撮像した自車両の周囲の画像から、駐車枠検知部1001により検知された空き駐車枠の隣接する駐車枠内の駐車車両を検知する。
【0024】
また、駐車車両検知部1002は、上記カメラにより撮像した自車両の周囲の画像から駐車車両を検知した場合、当該画像から駐車車両と、当該駐車車両の駐車枠との位置関係を検知する。例えば、駐車車両検知部1002は、駐車車両の車輪が駐車枠線を踏んでいるか否か(駐車枠線に触れているか否か)を検知する。また、駐車車両検知部1002は、上記カメラにより撮像した自車両の周囲の画像から、駐車車両が駐車枠線に寄っているか否かを検知する。また、駐車車両検知部1002は、車両外部認識部130であるソナーにより、自車両から駐車車両の左端部との距離と、自車両から駐車車両の右端部との距離とを算出し、これらの距離に基づいて、駐車枠に基づく駐車車両の傾きを検知する。なお、駐車車両検知部1002は、カメラにより撮像した自車両の周囲の画像から、駐車車両の傾きを検知するようにしてもよい。なお、駐車枠が二重になっている場合は、内側の駐車枠を基準としてもよい。また、駐車車両が駐車枠線を踏んでいるか否か(駐車枠線に触れているか否か)とは、駐車枠線から所定の範囲内に車輪が位置する場合を含んでもよい。
【0025】
駐車状態スコア算出部1003は、駐車車両検知部1002により検知された駐車車両と、駐車車両の駐車枠との位置関係に基づいたスコアを算出する。駐車状態スコア算出部1003は、スコア算出部の一例である。このスコアは、高ければ高いほど、駐車車両が適切に駐車していないことを示すスコアである。駐車状態スコア算出部1003は、予め記憶している得点表を参照して、駐車車両と、駐車車両の駐車枠との位置関係に基づいたスコアを算出する。この得点表については、後述する。
【0026】
スコア判定結果出力制御部1004は、駐車状態スコア算出部1003によるスコアに基づいて駐車枠検知部1001により検知された空き駐車枠の駐車適正度を示す情報を出力させる。スコア判定結果出力制御部1004は、出力制御部の一例である。スコア判定結果出力制御部1004は、スコアに基づいて、複数の空き駐車枠の駐車適正度を示す情報の出力態様を変えて出力させる。
【0027】
駐車制御部1005は、指定された空き駐車枠へ車両を駐車させる。駐車制御部1005は、車両外部認識部130であるカメラによる画像を用いて、最適な駐車経路を探索し、その経路にしたがって、走行制御部120のステアリング制御部121の制御を指示して、駐車アシスト処理を行う。
【0028】
(得点表)
続いて、駐車状態スコア算出部1003が、スコアを算出する際に用いる得点表について
図3を用いて説明する。
【0029】
駐車状態スコア算出部1003は、
図3に示す13のパターンのそれぞれに該当するか否かを判断し、該当する得点を加算することで、スコアを算出する。
【0030】
例えば、パターン1のように、駐車車両が駐車枠中央に停車している場合、得点0となる。また、パターン2またはパターン3のように、駐車車両が駐車枠中央より、左または右に寄っている場合、駐車状態スコア算出部1003は、得点1または2を加算する。
【0031】
パターン4またはパターン5のように、駐車状態スコア算出部1003は、駐車車両の傾きに基づいて得点を加算する。これは、運転制御部110が、駐車枠に基づいて傾いている駐車車両との距離を取って駐車する場合、自車両が駐車する駐車枠に対して傾いて駐車することになる可能性が高まるからである。
【0032】
また、パターン6~パターン13のように、駐車状態スコア算出部1003は、駐車車両の車輪が駐車枠線に触れているか否かに基づいて得点を加算する。これは、運転制御部110が、駐車車両と距離を取って駐車する場合、空き駐車枠の中央部分からズレた箇所に駐車することになる可能性が高まるからである。
【0033】
(車両の状態の例)
続いて、上記パターン1~パターン13に該当する車両の状態の例を
図4に示す。車両10aのように、駐車枠の中央部分に位置するので、パターン1に該当する。また、車両10bのように、駐車枠の左側に寄っているので、パターン2に該当する。また、車両10cのように、駐車枠の右側に寄っているので、パターン3に該当する。
【0034】
また、車両10dのように、駐車枠の中央線CLに対して少し(例えば、5度以内)傾いているので、パターン4に該当する。また、車両10eのように、駐車枠の中央線CLに対して5度より大きく傾いているので、パターン5に該当する。
【0035】
また、車両10fのように、車両10fの左の前輪が駐車枠の線を踏んでいるので、パターン6に該当する。また、車両10gのように、車両10gの左の後輪が駐車枠の線を踏んでいるので、パターン7に該当する。また、車両10hのように、車両10hの左側の両輪が駐車枠の線を踏んでいるので、パターン8に該当する。
【0036】
また、車両10iのように、車両10iの右の前輪が駐車枠の線を踏んでいるので、パターン9に該当する。また、車両10jのように、車両10jの右の後輪が駐車枠の線を踏んでいるので、パターン10に該当する。また、車両10kのように、車両10kの右側の両輪が駐車枠の線を踏んでいるので、パターン11に該当する。
【0037】
また、車両10lのように、車両10lの前輪が駐車枠の前方の線を踏んでいるので、パターン12に該当する。また、車両10mのように、車両10mの後輪が駐車枠の後方の線を踏んでいるので、パターン13に該当する。
【0038】
(スコア算出方法)
続いて、スコア算出例について、
図5および
図6を用いて説明する。
図5および
図6では、車両10が、駐車枠200aに駐車しているものとする。また、駐車枠200bおよび駐車枠200cは、空き駐車枠とする。
図5の(a)に示す車両10aは、駐車枠200aの中央に駐車している。これは、
図3に示したパターン1~パターン13のうち、パターン1に該当する。この場合、駐車状態スコア算出部1003は、駐車枠200bおよび駐車枠200c共に、スコアを0とする。
【0039】
続いて、
図5の(b)に示す車両10bは、駐車枠200aの中心から8%未満分左寄りに駐車している。これは、
図3に示したパターン2に該当する。この場合、駐車状態スコア算出部1003は、駐車枠200bのスコアを1とする。これは、車両10bが駐車枠200bの近くに位置しており、駐車枠200bに駐車する場合に、車両10bの駐車位置に合わせて左寄りに駐車する可能性があるためである。また、駐車状態スコア算出部1003は、駐車枠200cのスコアを0とする。これは、駐車枠200cについては、車両10bが駐車枠200cから離れた位置に駐車しており、駐車枠200cの駐車に影響が無いためである。このように、車両10bが中央部分に駐車していないことによりスコアを付ける場合でも、駐車状態スコア算出部1003は、駐車済の車両10と、空き駐車枠との位置関係も考慮してスコアを付ける。
【0040】
続いて、
図5の(c)に示す車両10cは、駐車枠200aの中心から8%以上右寄りに駐車している。これは、
図3に示したパターン3に該当する。この場合、駐車状態スコア算出部1003は、駐車枠200bのスコアを0とする。これは、駐車枠200bについては、車両10cが駐車枠200bから離れた位置に駐車しており、駐車枠200cの駐車に影響が無いためである。また、駐車状態スコア算出部1003は、駐車枠200cのスコアを2とする。
【0041】
続いて、
図5の(d)に示す車両10dは、駐車枠200aの中心部分に駐車しているが、車体が5度未満傾いている。これは、
図3に示したパターン4に該当する。この場合、駐車状態スコア算出部1003は、駐車枠200bのスコアおよび駐車枠200cのスコアを1とする。
【0042】
続いて、
図5の(e)に示す車両10eは、駐車枠200aの中心部分に駐車しているが、車体が5度以上傾いている。これは、
図3に示したパターン5に該当する。この場合、駐車状態スコア算出部1003は、駐車枠200bのスコアおよび駐車枠200cのスコアを2とする。
【0043】
続いて、
図5の(f)に示す車両10fは、駐車枠200aの中心から8%未満右寄りに駐車している。これは、
図3に示したパターン3に該当する。また、車両10fは、車体が5度未満傾いている。これは、
図3に示したパターン4に該当する。また、車両10fは、左前車輪が駐車枠200aの枠線に触れている。これは、
図3に示したパターン6に該当する。この場合、駐車状態スコア算出部1003は、駐車枠200bについては、パターン3、パターン4、およびパターン6の得点を加算した5を駐車枠200bのスコアとする。また、駐車状態スコア算出部1003は、駐車枠200cについては、車体が5度未満傾いている結果、車両10fの右後方が駐車枠200cに近づいている。よって、駐車状態スコア算出部1003は、パターン4の得点1を駐車枠200cのスコアとする。
【0044】
続いて、
図6の(a)に示す車両10gは、駐車枠200aの中心から8%以上左寄りに駐車している。これは、
図3に示したパターン2に該当する。また、車両10gは、左の前後の車輪が駐車枠200aの枠線に触れている。これは、
図3に示したパターン8に該当する。この場合、駐車状態スコア算出部1003は、駐車枠200bについては、パターン2およびパターン8の得点を加算した5を駐車枠200bのスコアとする。また、駐車状態スコア算出部1003は、駐車枠200cについては、車両10gが離れた位置に駐車しているので、駐車枠200cのスコアを0とする。
【0045】
続いて、
図6の(b)に示す車両10hは、駐車枠200aの中心から8%未満右寄りに駐車している。これは、
図3に示したパターン3に該当する。また、車両10hは、車体が5度未満傾いている。これは、
図3に示したパターン4に該当する。また、車両10hは、右の後輪が駐車枠200aの枠線に触れている。これは、
図3に示したパターン10に該当する。この場合、駐車状態スコア算出部1003は、駐車枠200bについては、車両10hが駐車枠200bから離れている位置に駐車しているので、駐車枠200bのスコアを0とする。また、駐車状態スコア算出部1003は、駐車枠200cについては、パターン3、パターン4、およびパターン10の得点を加算した5を駐車枠200cのスコアとする。
【0046】
続いて、
図6の(c)に示す車両10iは、駐車枠200aの中心から8%以上右寄りに駐車している。これは、
図3に示したパターン3に該当する。また、車両10iは、車体が5度以上傾いている。これは、
図3に示したパターン5に該当する。また、車両10iは、右の後輪が駐車枠200aの枠線に触れている。これは、
図3に示したパターン10に該当する。この場合、駐車状態スコア算出部1003は、駐車枠200bについては、パターン5の得点2を駐車枠200bのスコアとする。また、駐車状態スコア算出部1003は、駐車枠200cについては、パターン3、パターン5、およびパターン10の得点を加算した7を駐車枠200cのスコアとする。
【0047】
続いて、
図6の(d)に示す車両10jは、前方の枠に触れている。これは、
図3に示したパターン12に該当する。この場合、駐車状態スコア算出部1003は、駐車枠200bおよび駐車枠200cのスコアを1とする。
【0048】
続いて、
図6の(e)に示す車両10kは、駐車枠200aの中心から8%以上左寄りに駐車している。これは、
図3に示したパターン2に該当する。また、車両10kは、車体が5度未満傾いている。これは、
図3に示したパターン4に該当する。また、車両10kは、左の両輪が駐車枠200aの枠線に触れている。これは、
図3に示したパターン8に該当する。この場合、駐車状態スコア算出部1003は、駐車枠200bについては、パターン2、パターン4、およびパターン8の得点を加算した7を駐車枠200bのスコアとする。また、駐車状態スコア算出部1003は、駐車枠200cについては、パターン4の得点である1を駐車枠200cのスコアとする。
【0049】
(スコアに基づく判定結果出力態様)
続いて、
図7を用いて、スコアに基づく出力制御について説明する。
図7の(a)に示すように、車両10aの車両制御装置100が、駐車枠のスコアを算出するものとする。また、車両10cが、駐車枠200aに駐車しているものとする。この車両10cは、駐車枠200aの中心から8%以上左寄りに駐車している。これは、
図3に示したパターン2に該当する。また、車両10cは、左の前後の車輪が駐車枠200aの枠線に触れている。これは、
図3に示したパターン8に該当する。この場合、駐車状態スコア算出部1003は、駐車枠200bについては、パターン2およびパターン8の得点を加算した5を駐車枠200bのスコアとする。また、駐車状態スコア算出部1003は、駐車枠200cについては、車両10cが離れた位置に駐車しているので、駐車枠200cのスコアを0とする。
【0050】
また、車両10aが仮に駐車枠200bに駐車すると、車両10cとの位置関係に伴い、左寄りに駐車することになる。そうすると、車両10aより大きい車両10dは、駐車枠200dに駐車することが困難となる場合がある。
【0051】
そこで、スコア判定結果出力制御部1004は、スコアに基づき、駐車枠200bより駐車枠200cをレコメンドするように空き駐車枠の駐車適正度を示す情報を出力する。
【0052】
例えば、
図7の(b)に示すように、スコア判定結果出力制御部1004は、駐車枠200bに強調枠210を表示し、駐車枠200cに強調枠220を表示する。この強調枠210や強調枠220は、駐車適正度を示す情報の一例である。また、スコア判定結果出力制御部1004は、強調枠210を黄色表示して、強調枠220を緑表示とする。この黄色表示は、利用者に対して、駐車枠200bに駐車する場合、注意が必要であることを示す。なお、スコア判定結果出力制御部1004は、スコアが予め定めている閾値未満であるか否かにより空き駐車枠に表示する強調枠の種類を切り替える。なお、運転制御部110は、黄色表示に加えて、「駐車枠200bへの駐車は、左寄りになる」、「駐車枠200bへの駐車は、左寄りになるので、他の車両が駐車枠200dに駐車が困難となる可能性がある」といった表示を出力部170に出力してもよい。すなわち、運転制御部110は、黄色表示した理由を示す情報を出力するようにしてもよい。
【0053】
このように、スコア判定結果出力制御部1004は、複数の空き駐車枠について、スコアに基づいて表示態様を変える。また、スコア判定結果出力制御部1004は、音声出力により、空き駐車枠の情報を出力するようにしてもよい。
【0054】
続いて、
図8を用いて、車両制御装置100の駐車処理手順を説明する。まず、車両10の利用者による駐車処理指示を受け付けると、駐車枠検知部1001は、カメラの画像等により空き駐車枠を探索する(ステップS1)。駐車枠検知部1001は、空き駐車枠を検知した場合(ステップS2:Yes)、また、駐車車両検知部1002は、画像から駐車車両と、当該駐車車両の駐車枠との位置関係を検知する。なお、駐車枠検知部1001は、空き駐車枠を検知した場合(ステップS2:No)、ステップS1へ進む。
【0055】
駐車状態スコア算出部1003は、駐車車両と、駐車車両の駐車枠との位置関係に基づいたスコアを空き駐車枠毎に算出する(ステップS3)。スコアが閾値未満の空き駐車枠がある場合(ステップS4:Yes)、スコア判定結果出力制御部1004は、スコアが閾値未満の空き駐車枠を緑の強調枠220で表示する(ステップS5)。利用者の操作により当該空き駐車枠が選択されると、駐車制御部1005は、選択された空き駐車枠への駐車処理をする(ステップS6)。
【0056】
スコアが閾値未満の空き駐車枠がない場合(ステップS4:No)、スコア判定結果出力制御部1004は、スコアが最も低い空き駐車枠を黄色の強調枠210で表示する(ステップS7)。利用者により他の空き駐車枠探索指示がなければ(ステップS8:Yes)、黄色表示の空き駐車枠の選択された後に(ステップS9)、ステップS6へ進む。
【0057】
ステップS8で他の空き駐車枠探索指示があれば(ステップS8:No)、スコア判定結果出力制御部1004は、他の空き駐車枠があれば(ステップS10:Yes)、ステップS7において黄色で表示した空き駐車枠の次にスコアが最低い空き駐車枠を、推奨駐車枠として表示し、当該空き駐車枠が選択されると、ステップS6へ進む。
【0058】
本実施形態の車両制御装置100で実行される情報処理を実行するためのプログラムは、車両制御装置100にインストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供するように構成してもよい。
【0059】
上述のように、車両制御装置100では、駐車枠検知部1001が、自車両の周囲の空き駐車枠を検知し、駐車車両検知部1002が、空き駐車枠の隣接の駐車車両を検知する。駐車状態スコア算出部1003は、駐車車両検知部1002により検知された駐車車両と、駐車車両の駐車枠との位置関係に基づいたスコアを算出する。また、駐車状態スコア算出部1003は、駐車車両の駐車枠を基準とした駐車車両の傾きに基づいてスコアを算出する。そして、スコア判定結果出力制御部1004は、駐車状態スコア算出部1003によるスコアに基づいて駐車枠検知部1001により検知された空き駐車枠の駐車適正度を示す情報を出力させる。
【0060】
車両制御装置100は、空き駐車枠の隣接する駐車車両が傾いて駐車している場合(
図3のパターン4、パターン5)に得点を付加して、駐車車両が傾いて駐車している場合に、当該空き駐車枠に駐車することを抑制する。よって、車両制御装置100は、適切に駐車していない駐車車両に合わせて、適切でない位置に駐車してしまうことを回避することができる。
【0061】
また、駐車状態スコア算出部1003は、駐車車両の車輪が、駐車車両の駐車枠に触れているか否かにさらに基づいてスコアを算出する。これにより、車両制御装置100は、駐車車両が傾いて駐車しているだけでなく、複数の観点で駐車車両が適切に駐車しているか否かを判断することができる。
【0062】
また、駐車状態スコア算出部1003は、駐車車両と、空き駐車枠との位置関係にさらに基づいてスコアを算出する。これにより、車両制御装置100は、駐車車両が傾いて駐車していたとしても、対象となる空き駐車枠から離れる方向に駐車しているときにまで得点を加算してしまうことを回避することができる。
【0063】
スコア判定結果出力制御部1004は、スコアに基づいて強調枠の表示態様を変える。これにより、車両制御装置100は、利用者に空き駐車枠のレコメンド度合いを認識しやすい形式で空き駐車枠の情報を出力することができる。
【0064】
車両制御装置100では、利用者の操作により当該空き駐車枠が選択されると、駐車制御部1005は、選択された空き駐車枠への駐車処理をする。これにより、車両制御装置100は、適切な空き駐車枠へ車両10を駐車させることができる。
【0065】
以上、本開示の実施形態を説明したが、上述の実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら新規な実施形態およびその変形は、発明の範囲および要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。さらに、異なる実施形態および変形例にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0066】
また、上述した実施の形態における「・・・部」という表記は、「・・・回路(circuitry)」、「・・・アッセンブリ」、「・・・デバイス」、「・・・ユニット」、又は、「・・・モジュール」といった他の表記に置換されてもよい。
【0067】
上記各実施形態では、本開示はハードウェアを用いて構成する例にとって説明したが、本開示はハードウェアとの連携においてソフトウェアでも実現することも可能である。
【0068】
また、上記各実施形態の説明に用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現される。集積回路は、上記実施の形態の説明に用いた各機能ブロックを制御し、入力端子と出力端子を備えてもよい。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部または全てを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
【0069】
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサおよびメモリを用いて実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、LSI内部の回路セルの接続又は設定を再構成可能なリコンフィギュラブル プロセッサ(Reconfigurable Processor)を利用してもよい。
【0070】
さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術により、LSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックを集積化してもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
【0071】
また、本明細書に記載された実施形態における効果はあくまで例示であって限定されるものでは無く、他の効果があってもよい。
【符号の説明】
【0072】
10 車両
100 車両制御装置
110 運転制御部
1001 駐車枠検知部
1002 駐車車両検知部
1003 駐車状態スコア算出部
1004 スコア判定結果出力制御部
1005 駐車制御部