(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023103889
(43)【公開日】2023-07-27
(54)【発明の名称】鞍乗型車両
(51)【国際特許分類】
B62J 6/027 20200101AFI20230720BHJP
B62J 23/00 20060101ALI20230720BHJP
B62J 50/21 20200101ALI20230720BHJP
B62K 19/30 20060101ALI20230720BHJP
【FI】
B62J6/027
B62J23/00 B
B62J50/21
B62K19/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022004677
(22)【出願日】2022-01-14
(71)【出願人】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 託嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100149009
【弁理士】
【氏名又は名称】古賀 稔久
(72)【発明者】
【氏名】清水 健太
(72)【発明者】
【氏名】藤原 祐
(72)【発明者】
【氏名】長岡 真樹
【テーマコード(参考)】
3D212
【Fターム(参考)】
3D212BH08
(57)【要約】
【課題】ヘッドライトの支持剛性を確保することで、振動問題を解決するとともに、大型化したヘッドライトに対応したコンパクトなハンドルカバーを用いることが可能な鞍乗型車両を提供する。
【解決手段】鞍乗型車両1は、ハンドル16と、ヘッドライト31と、ハンドルカバー33と、第1支持部44と、第2支持部45と、を備える。ヘッドライト31は、ハンドル16の前側に配置される。ハンドルカバー33は、ハンドル16およびヘッドライト31を前方および後方から覆う。第1支持部44は、ハンドル16に固定され、ヘッドライト31を支持する。第2支持部45は、ハンドル16に固定され、第1支持部44よりも下方でヘッドライト31を支持する。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハンドルと、
前記ハンドルの前側に配置されたヘッドライトと、
前記ハンドルおよび前記ヘッドライトを前方および後方から覆うハンドルカバーと、
前記ハンドルに固定され、前記ヘッドライトを支持する第1支持部と、
前記ハンドルに固定され、前記第1支持部よりも下方で前記ヘッドライトを支持する第2支持部と、を備える、
鞍乗型車両。
【請求項2】
前記第1支持部は、
前記ヘッドライトを支持する第1支持部分と、
幅方向において前記第1支持部分と並んで配置され前記ヘッドライトを支持する第2支持部分と、を含む、
請求項1に記載の鞍乗型車両。
【請求項3】
前記ヘッドライトは、前記ハンドル側に向かって突出した第1突起および第2突起を含み、
前記第1支持部分は、第1貫通孔と、前記第1貫通孔に配置され、前記第1突起が挿入される筒状の第1弾性体と、を含み、
前記第2支持部分は、第2貫通孔と、前記第2貫通孔に配置され、前記第2突起が挿入される筒状の第2弾性体と、を含む、
請求項2に記載の鞍乗型車両。
【請求項4】
前記第1支持部が前記ヘッドライトを支持する位置は、前記ヘッドライトの重心よりも上方または前記ヘッドライトの重心と上下方向において同じ位置であり、
前記第2支持部が前記ヘッドライトを支持する位置は、前記ヘッドライトの重心よりも下方である、
請求項1に記載の鞍乗型車両。
【請求項5】
前記第2支持部は、下方から前記ヘッドライトを支持する、
請求項1~4のいずれか1項に記載の鞍乗型車両。
【請求項6】
前記ハンドルは、
上下方向に延びる上下パイプ部と、
前記上下パイプ部の上部から幅方向に延びた幅パイプ部と、を含み、
前記第1支持部は、前記幅パイプ部から前記ヘッドライト側に延び、
前記第2支持部は、前記上下パイプ部から前記ヘッドライト側に延びている、
請求項1に記載の鞍乗型車両。
【請求項7】
前記ヘッドライトの後側に配置されたメータユニットを更に備え、
前記第1支持部分と前記第2支持部分は、前記幅方向における前記メータユニットの両外側で前記ヘッドライトを支持する、
請求項2に記載の鞍乗型車両。
【請求項8】
前記ヘッドライトの後側に配置されたメータユニットを更に備え、
前記第1支持部は、前記メータユニットを支持する、
請求項1に記載の鞍乗型車両。
【請求項9】
前記第1支持部は、前記メータユニットの重心近傍の位置で前記メータユニットを支持する、
請求項8に記載の鞍乗型車両。
【請求項10】
前記メータユニットは、前後方向における長さが、幅方向における長さよりも長い、
請求項8に記載の鞍乗型車両。
【請求項11】
前記第1支持部は、
前記ヘッドライトを支持する第1支持部分と、
幅方向において前記第1支持部分と並んで配置され、前記ヘッドライトを支持する第2支持部分と、
前記幅方向において前記第1支持部分と前記第2支持部分の間に配置され、前記メータユニットを支持する第3支持部分と、を含む、
請求項8に記載の鞍乗型車両。
【請求項12】
フロントブレーキとリアブレーキを繋ぐ連動ブレーキワイヤと、
前記第1支持部に配置され、前記連動ブレーキワイヤを保持する保持部材と、を更に備えた、
請求項1に記載の鞍乗型車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鞍乗型車両に関する。
【背景技術】
【0002】
鞍乗型車両には、ヘッドライトが設けられている。ヘッドライトは、ハンドルカバーの前部分にネジ止めされており、ヘッドライトの重量はハンドルカバーで支持されていた(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、近年、ヘッドライトの光量確保のためヘッドライトが大型化する傾向にあった。また、LED化によりヘッドライトの重量も増加する傾向にあった。このような重量物である大型のヘッドライトをハンドルカバーに支持する場合、剛性を確保する必要があり、ヘッドライトカバーが大型化する。
【0005】
また、路面振動がタイヤに伝わって、骨格(フレーム、フロントフォーク、ヘッドパイプ)に振動が伝わり、更にハンドルに振動が伝わりハンドルが揺れる。ハンドルの揺れによってハンドルに支持されたハンドルカバーに最終的に振動が伝わる。このため、ハンドルカバーに支持されたヘッドライトに振動が伝達することでハンドルユニットが揺れる現象があり、周辺の支持強度を高くする必要があった。
【0006】
本願発明は、ヘッドライトの支持剛性を確保することで、振動問題を解決するとともに、大型化したヘッドライトに対応したコンパクトなハンドルカバーを用いることが可能な鞍乗型車両を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る鞍乗型車両は、ハンドルと、ヘッドライトと、ハンドルカバーと、第1支持部と、第2支持部と、を備える。ヘッドライトは、ハンドルの前側に配置される。ハンドルカバーは、ハンドルおよびヘッドライトを前方および後方から覆う。第1支持部は、ハンドルに固定され、ヘッドライトを支持する。第2支持部は、ハンドルに固定され、第1支持部よりも下方でヘッドライトを支持する。
【0008】
本態様に係る鞍乗型車両では、ヘッドライトがハンドルに固定された第1支持部および第2支持部によって上下の位置で支持される。これにより、骨格系から伝わる振動を抑制できる。また、上下に分かれた位置での支持によってヘッドライトの支持剛性を確保できるため、大型化した重量物であるヘッドライトを用いることが可能となる。ハンドルに固定された第1支持部および第2支持部によってヘッドライトの支持剛性を確保できるため、ヘッドライトを支持する際にハンドルカバーを大型化する必要がなく、ハンドルカバーをコンパクトにすることができる。また、ヘッドライトを上下位置で支持するため、少ない支持箇所で効果的に振動を抑制することができる。
【0009】
上述のようにヘッドライトの揺れを抑制し、支持強度を確保できるため、ヘッドライトのデザインの自由度を向上することができる。また、例えばLEDライトのような重いヘッドライトを用いることもできる。
【0010】
第1支持部は、第1支持部分と、第2支持部分を含んでよい。第1支持部分は、ヘッドライトを支持してもよい。第2支持部分は、幅方向において第1支持部分と並んで配置されヘッドライトを支持してもよい。この場合、上側の第1支持部において幅方向の2点でヘッドライトを支持するため、左右方向における揺れも抑制することができる。
【0011】
ヘッドライトは、ハンドル側に向かって突出した第1突起および第2突起を含んでもよい。第1支持部分は、第1貫通孔と、第1貫通孔に配置され、第1突起が挿入される筒状の第1弾性体と、を含んでもよい。第2支持部分は、第2貫通孔と、第2貫通孔に配置され、第2突起が挿入される筒状の第2弾性体と、を含んでもよい。この場合、筒状の弾性体を介してヘッドライトを支持することによって、ヘッドライトの揺れによる振動を減衰することができる。
【0012】
第1支持部がヘッドライトを支持する位置は、ヘッドライトの重心よりも上方またはヘッドライトの重心と上下方向において同じ位置であってもよい。第2支持部がヘッドライトを支持する位置は、ヘッドライトの重心よりも下方であってもよい。このような位置で支持することによって、ヘッドライトの振動を抑える効果を狙い易い構造をとることができる。
【0013】
第2支持部は、下方からヘッドライトを支持してもよい。この場合、下方からヘッドライトを支持することによって、効果的にヘッドライトの振動を抑えることができる。
【0014】
ハンドルは、上下方向に延びる上下パイプ部と、上下パイプ部の上部から幅方向に延びた幅パイプ部と、を含んでもよい。第1支持部は、幅パイプ部からヘッドライト側に延びてもよい。第2支持部は、上下パイプ部からヘッドライト側に延びてもよい。この場合、ハンドルから延びた第1支持部および第2支持部によって、ヘッドライトを支持することができる。
【0015】
鞍乗型車両は、ヘッドライトの後側に配置されたメータユニットを更に備えてもよい。第1支持部分と第2支持部分は、幅方向におけるメータユニットの両外側でヘッドライトを支持してもよい。この場合、メータユニットの両外側でヘッドライトを支持するため、ヘッドライトとメータユニットを近づけることができる。これにより、従来よりも大型のヘッドライトやメータユニット等を用いてもコンパクトに収めることができる。
【0016】
鞍乗型車両は、ヘッドライトの後側に配置されたメータユニットを更に備えてもよい。第1支持部は、メータユニットを支持してもよい。この場合、ハンドルに固定された第1支持部によってメータユニットを支持するため、支持強度を確保することができる。また、ヘッドライトを支持する第1支持部がメータユニットの支持も兼ねているため、部品点数を減らし、コンパクトにすることができる。
【0017】
第1支持部は、メータユニットの重心近傍の位置でメータユニットを支持してもよい。この場合、メータユニットの重量を主にハンドルで支持することができ、ハンドルカバーにかかるメータユニットの重量を減らし、メータユニットを強度部材としてハンドルカバーの応力を緩和することができる。
【0018】
メータユニットは、前後方向における長さが、幅方向における長さよりも長くてもよい。このような縦長のメータユニットを用いた場合、上下への揺れが大きくなるが、ハンドルに固定された第1支持部によって支持されるため、揺れを抑制することができる。
【0019】
第1支持部は、第1支持部分と、第2支持部分と、第3支持部分と、を含んでいてもよい。第1支持部分は、ヘッドライトを支持してもよい。第2支持部分は、幅方向において第1支持部分と並んで配置され、ヘッドライトを支持してもよい。第3支持部分は、幅方向において第1支持部分と第2支持部分の間に配置され、メータユニットを支持してもよい。この場合、第1支持部の第3支持部分によってメータユニットを支持することができる。
【0020】
鞍乗型車両は、連動ブレーキワイヤと、保持部材と、を更に備えてもよい。連動ブレーキワイヤは、フロントブレーキとリアブレーキを繋ぐ。保持部材は、第1支持部に配置され、連動ブレーキワイヤを保持する。この場合、走行時において連動ブレーキワイヤが他部品と接触することを抑制できる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、ハンドルに固定された第1支持部と第2支持部によって、上下に分かれた位置でヘッドライトを支持することが可能になるため、骨格系から伝わる振動を抑制できる。上下に分かれた位置での支持によってヘッドライトの支持剛性を確保できるため、大型化した重量物であるヘッドライトを用いることが可能となる。ハンドルに固定された第1支持部材および第2支持部材によってヘッドライトの支持剛性を確保できるため、ヘッドライトを支持するためにハンドルカバーを大型化する必要がなく、ハンドルカバーをコンパクトにすることができる。また、ヘッドライトを上下位置で支持するため、少ない支持箇所で効果的に振動を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図3】鞍乗型車両のヘッドライト近傍を示す斜視図である。
【
図4】
図3の構成からハンドルカバーを取り除いた状態を示す図である。
【
図5】
図3の構成からハンドルカバーを取り除いた状態を示す側面図である。
【
図6】
図3の構成からハンドルカバーを取り除いた状態を示す平面図である。
【
図7】ハンドル部材、第1支持部、および第2支持部の構成を前下方から視た斜視図である。
【
図8】ハンドル部材、第1支持部、および第2支持部の構成を後上方から視た斜視図である。
【
図9】ハンドル部材、第1支持部、および第2支持部の構成を示す正面図である。
【
図10】前カバー、ヘッドライト、ハンドル部材、第1支持部、および第2支持部の構成を後方から視た斜視図である。
【
図11】
図10の構成から前カバーを取り除いた状態を後方から視た斜視図である。
【
図12】
図11の構成において第1支持部および第2支持部からヘッドライトを取り外した状態を示す分解図である。
【
図13】ヘッドライトの重心位置と支持位置の関係を説明するための側面図である。
【
図14】後カバー、メータユニット、ハンドル部材、第1支持部、および第2支持部の構成を前方から視た斜視図である。
【
図15】
図14の構成から後カバーを取り除いた状態を前方から視た斜視図である。
【
図16】
図15の構成において第1支持部からメータユニットを取り外した状態を示す分解図である。
【
図17】メータユニットの重心位置と支持位置の関係を説明するための側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、実施形態に係る鞍乗型車両1について図面を参照して説明する。
図1は、鞍乗型車両1の側面図である。本実施形態において、鞍乗型車両1は、スクータである。
図1に示すように、鞍乗型車両1は、車体フレーム2と、ステアリング装置3と、前輪4と、シート5と、パワーユニット6と、後輪7と、車体カバー8とを備える。なお、以下の説明において、前後左右の方向は、シート5に着座した運転者から視たときの方向をいうものとする。また、左右方向と幅方向は同義である。
【0024】
車体フレーム2は、ヘッドパイプ11と、ダウンフレーム12と、ロアフレーム13と、シートフレーム14とを含む。ヘッドパイプ11は、鞍乗型車両1の左右方向における中央に配置されている。ヘッドパイプ11は、前方且つ下方に延びている。ダウンフレーム12は、ヘッドパイプ11から下方に延びている。ロアフレーム13は、ダウンフレーム12の下部から後方に延びている。シートフレーム14は、ロアフレーム13の後部から、後方且つ上方に延びている。
【0025】
ステアリング装置3は、ヘッドパイプ11に回転可能に支持されている。ステアリング装置3は、前輪4を回転可能に支持している。ステアリング装置3は、フロントフォーク15とハンドル16とを含む。フロントフォーク15は、ヘッドパイプ11に回転可能に支持されている。前輪4は、フロントフォーク15に回転可能に支持されている。ハンドル16は、フロントフォーク15に接続されている。
【0026】
シート5は、ヘッドパイプ11の後方に配置されている。シート5は、シートフレーム14の上方に配置されている。シート5は、図示しないステーを介してシートフレーム14に支持されている。シート5の前部は、幅方向に延びる軸17によって、回動可能に支持されている。シート5が軸17回りに回動することで、シート5の後部が上下方向に回動する。パワーユニット6は、シート5の下方に配置されている。パワーユニット6は、エンジンを含む。或いは、パワーユニット6は、電動モータを含んでもよい。後輪7は、パワーユニット6に回転可能に支持されている。
【0027】
車体カバー8は、フロントカバー21と、レッグシールド22と、フートボード23と、リアカバー24と、を含む。フロントカバー21とレッグシールド22とは、鞍乗型車両1の前部に配置される。フロントカバー21は、ヘッドパイプ11及びダウンフレーム12の前方に配置される。レッグシールド22は、ヘッドパイプ11及びダウンフレーム12の後方に配置される。
【0028】
フートボード23は、レッグシールド22とリアカバー24との間に配置されている。フートボード23は、レッグシールド22の下端から後方に延びている。フートボード23は、シート5の前方且つ下方に配置されている。フートボード23は、左右方向において平坦な形状を有している。ただし、フートボード23は、左右方向における中央に、上方へ突出するセンタートンネル部を有してもよい。
【0029】
リアカバー24は、鞍乗型車両1の後部に配置される。リアカバー24は、シート5の下方に配置される。リアカバー24は、エンジンと後輪7の上方に配置される。リアカバー24には、リアフェンダー25が取り付けられる。リアフェンダー25は、後輪7の上方及び後方に配置される。
【0030】
図2は、鞍乗型車両1の正面図である。
図1および
図2に示すように、鞍乗型車両1は、ヘッドライト31と、メータユニット32と、ハンドルカバー33と、右ブレーキ34(フロントブレーキの一例)と、左ブレーキ35(リアブレーキの一例)と、を含む。
【0031】
図3は、ハンドルカバー33近傍を示す斜視図である。
図4は、
図3からハンドルカバー33を除いた状態を下方から視た斜視図である。
図5は、
図4の構成の側面図である。
図6は、
図4の構成の上面図である。
【0032】
ヘッドライト31は、
図5および
図6に示すように、ハンドル16の前側に配置されている。ヘッドライト31には、LEDライトを用いることができる。メータユニット32は、ヘッドライト31の後側に配置されている。
【0033】
ハンドルカバー33は、ヘッドライト31とメータユニット32を前後方向から覆う。ハンドルカバー33は、車体カバー8に含まれる。
図3に示すように、ハンドルカバー33は、前カバー331と、後カバー332を含む。前カバー331はヘッドライト31の周囲を覆う。前カバー331は、ハンドル16の両端部を除いて前側を覆う。後カバー332は、メータユニット32の周囲に配置されている。後カバー332とメータユニット32との隙間を隠すために、化粧カバーとして、メータカバー39が配置されている。後カバー332は、ハンドル16の両端部を除いて後側を覆う。
【0034】
右ブレーキ34は、
図2に示すように、ハンドル16の前側に配置されている。右ブレーキ34は、例えば右側面側に配置されている。右ブレーキ34は、ブレーキレバー34aを含む。左ブレーキ35は、例えば左側面側に配置されている。左ブレーキ35は、ブレーキレバー35aを含む。
図2および
図4に示すように、ハンドル16は、ハンドル部材36と、右グリップ37と、左グリップ38と、を含む。ハンドル部材36は、
図4に示すように、上下パイプ部41と、右側パイプ部42と、左側パイプ部43と、を含む。上下パイプ部41は、上下方向に配置されている。右側パイプ部42は、上下パイプ部41の上端から右側面側に向かって延びている。右側パイプ部42は、上下パイプ部41の上端から右上方に向かって延びる内側部分421と、内側部分421の上端から右方向に向かって延びる外側部分422と、を含む。左側パイプ部43は、上下パイプ部41の上端から左側面側に向かって延びている。左側パイプ部43は、上下パイプ部41の上端から左上方に向かって延びる内側部分431と、内側部分431の上端から左方向に向かって延びる外側部分432と、を含む。
【0035】
右グリップ37は、
図4に示すように、右側パイプ部42の外側部分422の右端部分に配置されている。上述した左グリップ38は、左側パイプ部43の外側部分432の左端部分(
図3のハンドルカバー33から露出している部分)に配置されている。
図4に示すように、右グリップ37の前側にブレーキレバー34aが配置されている。左グリップ38の前側にブレーキレバー35aが配置されている。
【0036】
図4および
図5に示すように、鞍乗型車両1は、第1支持部44と、第2支持部45と、を含む。第1支持部44と第2支持部45は、ハンドル部材36に固定されている。第1支持部44および第2支持部45は、ヘッドライト31を支持する。第2支持部45は、第1支持部44よりも下方でヘッドライト31を支持する。第1支持部44は、メータユニット32を支持する。
【0037】
図7は、
図3からハンドルカバー33、ヘッドライト31およびメータユニット32を取り外した構成を前下方から視た斜視図である。
図8は、
図7の構成を後上方から視た斜視図である。
図9は、
図7の構成の正面図である。
図7、
図8および
図9では、後述する保持部材82を省略している。
【0038】
第1支持部44は、
図7~
図9に示すように、右側パイプ部42と左側パイプ部43の間に配置されている。第1支持部44は、第1支持部分51と、第2支持部分52と、第3支持部分53と、を含む。第1支持部分51は、ハンドル部材36に固定されている。第2支持部分52は、ハンドル部材36に固定されている。第1支持部分51は、ヘッドライト31を支持する。第2支持部分52は、ヘッドライト31を支持する。第1支持部分51は、右側パイプ部42の内側部分421に接続されており、内側部分421から前上方に向かって延びている。第2支持部分52は、左側パイプ部43の内側部分431に接続されており、内側部分431から前上方に向かって延びている。第3支持部分53は、第1支持部分51と第2支持部分52の間に配置されている。第3支持部分53は、メータユニット32を支持する。
【0039】
詳細には、第1支持部分51は、
図8に示すように、第1根元部511と、第1上支持部512と、を含む。第1根元部511は、右側パイプ部42の内側部分421に接続されており、内側部分421から前上方に向かって延びている。第1上支持部512は、第1根元部511の先端に配置されている。第1上支持部512は、第1根元部511の先端から上方に向かって配置されている。第1上支持部512は、第1支持部分51の先端が上方に向かって折れ曲がった部分である。第1上支持部512には、貫通孔51aが形成されている。貫通孔51aには、グロメット46が挿入されている。グロメット46は、筒状の弾性部材の一例である。グロメット46の内側には、ヘッドライト31の第1突起64(後述する)が挿入される。
【0040】
また、第2支持部分52は、第2根元部521と、第2上支持部522と、を含む。第2根元部521は、左側パイプ部43の内側部分431に接続されており、内側部分431から前上方に向かって延びている。第2上支持部522は、第2根元部521の先端に配置されている。第2上支持部522は、第2根元部521の先端から上方に向かって配置されている。第2上支持部522は、第2支持部分52の先端が上方に向かって折れ曲がった部分である。第2上支持部522には、貫通孔52aが形成されている。貫通孔52aには、グロメット47が挿入されている。グロメット47は、筒状の弾性部材の一例である。グロメット47の内側にはヘッドライト31の第2突起65(後述する)が挿入される。
【0041】
第3支持部分53は、
図9に示すように、第1支持部分51と第2支持部分52の間に配置されている。第3支持部分53は、第1支持部分51と第2支持部分52を繋ぐように、左右方向に沿って配置されている。第3支持部分53は、第1根元部511の先端部と第2根元部521の先端部を繋ぐ。第1根元部511と第3支持部分53と第2根元部521によって、右側パイプ部42の内側部分421と左側パイプ部43の内側部分431を湾曲して繋ぐように構成される。第3支持部分53は、幅方向における中央に形成された貫通孔53aを含む。貫通孔53aにメータユニット32がネジ止めされる。
【0042】
第2支持部45は、
図7に示すように、ハンドル部材36の上下パイプ部41に固定されている。第2支持部45は、支持突起54と、下側支持部材55と、を含む、支持突起54は、上下パイプ部41から前方向に向かって突出している。
図5に示すように、支持突起54は、水平よりも先端が下側に位置する。下側支持部材55は、支持突起54の先端に配置されている。下側支持部材55は、
図7に示すように、上下部分551と、下側支持部分552と、を含む。上下部分551は、支持突起54の先端に締結されている。上下部分551は、支持突起54の先端から前上方に向かって延びている。下側支持部分552は、上下部分551の上端から前方に向かって延びている。下側支持部分552は、上下方向に沿って形成された貫通孔55aを有する。下側支持部分552は、ヘッドライト31の下側被支持部66(後述する)にボルト91によって固定される。
【0043】
図7に示すように、鞍乗型車両1は、一対のカバー下支持部56、57と、一対のカバー上支持部58、59と、を更に含む。一対のカバー下支持部56、57と、一対のカバー上支持部58、59は、ハンドル部材36に固定されている。
【0044】
一対のカバー下支持部56、57は、後述する
図10および
図14に示すように、前カバー331と後カバー332を支持する。一対のカバー下支持部56、57は、上下パイプ部41に固定されている。カバー下支持部56は、
図7に示すように、上下パイプ部41から右方向に延び、右端から前方向に延びている。カバー下支持部57は、上下パイプ部41から左方向に延び、左端から前方向に延びている。
図10および
図14に示すように、カバー下支持部56、57の先端部にハンドルカバー33がネジ92、93によって取り付けられる。カバー下支持部56には、前カバー331の下部と後カバー332の下部の双方が、ネジ92によって固定される。カバー下支持部57には、前カバー331の下部と後カバー332の下部の双方がネジ93によって固定される。
【0045】
一対のカバー上支持部58、59は、
図7および
図8に示すように、後カバー332を支持する。カバー上支持部58は、右側パイプ部42に固定されている。カバー上支持部58は、右側パイプ部42から斜め前上方に向かって延びている。カバー上支持部58は、内側部分421と外側部分422の連接部分近傍に固定されている。
図14(後述)に示すように、カバー上支持部58の上端部に前カバー331がネジ94によって取り付けられる。
【0046】
カバー上支持部59は、
図7および
図8に示すように、左側パイプ部43に固定されている。カバー上支持部59は、左側パイプ部43から斜め前上方に向かって延びている。カバー上支持部59は、内側部分431と外側部分432の連接部近傍に固定されている。
図14(後述)に示すように、カバー上支持部59の上端部にハンドルカバー33がネジ95によって取り付けられる。
【0047】
図5に示すように、ヘッドライト31は、レンズ部61と、筐体部62と、を含む。レンズ部61の前面61aは、
図3に示すように、ハンドルカバー33から前方に露出している。筐体部62は、レンズ部61のハンドル16側(後側)に配置されている。筐体部62は、レンズ部61の後側を覆う。
【0048】
図5に示すように、レンズ部61は、前面61aと、外周面61bとを含む。前面61aは円形状である。外周面61bは前面61aの周囲から後方に向かって配置されている。
【0049】
図10は、
図3の構成からメータユニット32および後カバー332を取り外した状態を示す図である。
図11は、
図10の構成から前カバー331を取り除いた状態を後方から視た斜視図である。
図12は、
図11に示す構成において第1支持部44および第2支持部45からヘッドライト31を分解した状態を示す図である。
【0050】
図12に示すように、筐体部62は、本体部63と、第1突起64と、第2突起65と、下側被支持部66と、第1前カバー接続部67と、第2前カバー接続部68と、第3前カバー接続部69と、を含む。本体部63は、レンズ部61の後側を覆う。本体部63は、後面63aと外周面63bとを含む。後面63aはレンズ部61の前面61aと対向する。外周面63bは、後面63aの周囲から前側に向かって配置されている。本体部63の外周面63bは、レンズ部61の外周面61bと嵌合することによって組み合わされている。
【0051】
図12に示すように、第1突起64は、本体部63の後面63aの右端に配置されている。第1突起64は、後面63aからハンドル部材36側に向かって突出する。第1突起64がハンドル部材36側に突出するとは、第1突起64が、後方に向かって突出することを意味する。
【0052】
第2突起65は、本体部63の後面63aの左端に配置されている。第2突起65は、後面63aからハンドル16側に向かって突出する。第2突起65がハンドル部材36側に突出するとは、第2突起65が、後方に向かって突出することを意味する。第1突起64と第2突起65は、左右方向に並んで配置されている。
【0053】
図11に示すように、第1突起64は、第1支持部分51に配置されているグロメット46に挿入される。第2突起65は、第2支持部分52に配置されているグロメット47に挿入される。これによって、ヘッドライト31は、ハンドル16に固定された第1支持部44で支持される。
【0054】
下側被支持部66は、
図5および
図12に示すように、本体部63の外周面63bの下側に配置されている。
図12に、下側被支持部66の近傍であるT部を拡大した背面図を示す。下側被支持部66は、底面部661と、一対の側面部662と、を含む。底面部661は、外周面63bから所定の距離を開けて下側に配置されている。底面部661は、板状である。底面部661は、上下方向に沿って形成された貫通孔を含む。一対の側面部662は、底面部661の左右方向における両端から上方に向かって配置されている。一対の側面部662の上端は、外周面63bに接続されている。
【0055】
図5および
図12に示すように、底面部661と一対の側面部662と本体部63で囲まれた空間Sに、下側支持部分552が挿入される。空間Sは、
図2に示すように、本体部63に入り込んでいる。空間Sに下側支持部分552が挿入された状態で、
図4および
図5に示すように、底面部661に形成された貫通孔を介して下側支持部分552と底面部661がボルト91によって締結される。これによって、ヘッドライト31は下側から第2支持部45によって支持される。
図12のT部拡大図には、ボルト91および下側支持部分552が点線で示されている。
【0056】
第1前カバー接続部67、第2前カバー接続部68、および第3前カバー接続部69は、
図10に示すように、前カバー331にヘッドライト31を接続するための部分である。
【0057】
第1前カバー接続部67は、
図11に示すように、本体部63の外周面63bの上側に配置されている。第1前カバー接続部67は、平面視において前後方向に形成された貫通孔67aを含む。貫通孔67aに対向する前カバー331の位置には、ネジ孔が形成されたボスが配置されている。
図10に示すように、ネジ96が貫通孔67aを介して前カバー331のボスのネジ孔に挿入される。これによって、第1前カバー接続部67が前カバー331に接続される。
【0058】
第2前カバー接続部68は、
図12に示すように、本体部63の右側面側に配置されている。第2前カバー接続部68は、本体部63の外周面63bのうち右側の部分から右下方に突出している。第2前カバー接続部68は、外周面63bの周方向において第1突起64と下側被支持部66の間に配置されている。第2前カバー接続部68の先端には、貫通孔68aが形成されている。また、前カバー331の貫通孔68aに対向する位置には、ネジ孔が形成されたボスが配置されている。
図10に示すように、ネジ97が貫通孔68aを介して前カバー331のボスのネジ孔に挿入される。これによって、第2前カバー接続部68が前カバー331に接続される。
【0059】
第3前カバー接続部69は、
図12に示すように、本体部63の左側面側に配置されている。第3前カバー接続部69は、本体部63の外周面63bのうち左側の部分から左下方に突出している。第3前カバー接続部69は、外周面63bの周方向において第2突起65と下側被支持部66の間に配置されている。第3前カバー接続部69は、第2前カバー接続部68を左右方向において並んで配置されている。第3前カバー接続部69の先端には、貫通孔69aが形成されている。また、前カバー331の貫通孔69aに対向する位置には、ネジ孔が形成されたボスが配置されている。
図10に示すように、ネジ98が貫通孔69aを介して前カバー331のボスのネジ孔に挿入される。これによって、第3前カバー接続部69が前カバー331に接続される。なお、
図10では、ハンドル16によって第3前カバー接続部69およびネジ98を視認できないため、第3前カバー接続部69およびネジ98を点線で示す。
【0060】
以上のように、第1前カバー接続部67、第2前カバー接続部68、および第3前カバー接続部69が、前カバー331の各々のボス部にネジ止めされることによって、ヘッドライト31と前カバー331が接続される。また、
図10に示すように、前カバー331は、カバー下支持部56、57によってハンドル部材36に支持されている。このように、ヘッドライト31は、第1支持部44、第2支持部45およびハンドルカバー33によって支持されている。
【0061】
次に、ヘッドライト31の支持位置と重心の関係について説明する。
図13は、ヘッドライト31を示す側面図である。
図13における上下方向は、鞍乗型車両1の上下方向と一致している。
【0062】
図13では、ヘッドライト31の重心がg1で示されている。
図13では、ヘッドライト31の第1支持部44によって支持される第1突起64および第2突起65の位置がP1で示されている。位置P1は、上下方向においてヘッドライト31の重心g1と略同じ位置に配置されている。なお、位置P1は、ヘッドライト31の重心g1よりも上方であってもよい。
【0063】
また、
図13において、ヘッドライト31の第2支持部45によって支持される下側被支持部66の位置がP2で示されている。位置P2は、上下方向において重心よりも下方に配置されている。位置P2は、ヘッドライト31の下側に設けられている。
【0064】
また、第1前カバー接続部67と前カバー331との接続位置P3と重心g1を通る直線をL1とすると、直線L1とヘッドライト31の下側との交わる位置P4の近傍に位置P2が設けられている。これにより、ヘッドライト31の振動を抑える効果を狙い易い構造をとることができる。
【0065】
なお、第2支持部45によってヘッドライト31を支持する位置P2は位置P4の後側に設けられているが、前後方向において位置P4と同じまたは位置P4よりも前側に配置されていてもよい。
図13において、位置P4よりも前方に配置した下側被支持部66を二点鎖線で示す。このように、位置P2をハンドル16から離れる位置(前方側の位置)とすることによって、ヘッドライト31の振動を抑えやすくできる。
【0066】
メータユニット32は、ハンドルカバー33および第1支持部44によって支持される。メータユニット32は、
図5に示すように、前端が後端よりも高い位置になるように傾斜して配置されている。メータユニット32は、
図6に示すように、幅方向において、ヘッドライト31の第1突起64が第1支持部分51で支持されている位置と、第2突起65が第2支持部分52で支持されている位置の間に配置されている。このようにヘッドライト31の支持位置をメータユニット32の外側に配置することによって、ヘッドライト31とメータユニット32の間隔を狭くすることができる。
【0067】
図14は、
図3の構成から前カバー331およびヘッドライト31を取り除いた状態を示す図である。
図15は、
図14の構成から後カバー332を取り外した状態を示す斜視図である。
図16は、
図15の構成からメータユニット32を取り外した状態を示す分解図である。
【0068】
図16に示すように、メータユニット32は、メータ本体71と、ボス部72と、第1後カバー接続部73と、第2後カバー接続部74と、第3後カバー接続部75と、を含む。メータ本体71は、表面71a(
図6参照)と、外周面71b(
図5参照)と、裏面71c(
図16参照)と、を含む。表面71aは、表示画面を含み、表示画面には速度等が表示される。メータ本体71は、表示画面を機能させるための基板等を収納する。メータユニット32は、表面71aと平行な前後方向における長さは、左右方向における長さよりも長くなっている。メータユニット32は、縦長に形成されている。
【0069】
ボス部72は、
図16に示すように、裏面71cに配置されている。ボス部72は、裏面71cに対して垂直に配置されている。ボス部72には、裏面71cに対して垂直にネジ孔72aが形成されている。ボス部72は、裏面71cの略中央に配置されている。
図15に示すように、第1支持部44の第3支持部分53に形成された貫通孔53aを通して、ネジ孔72aにネジ99を挿入することによって、メータユニット32は、第1支持部44に支持される。
【0070】
第1後カバー接続部73と、第2後カバー接続部74と、第3後カバー接続部75において、メータユニット32は後カバー332と接続する。
【0071】
図16に示すように、第1後カバー接続部73は、メータ本体71の外周面71bの上側に配置されている。第1後カバー接続部73は、平面視において前後方向に沿って形成された貫通孔73aを含む。貫通孔73aに対向する後カバー332の位置には、ネジ孔が形成されたボスが配置されている。
図14に示すように、ネジ100が貫通孔73aを介して後カバー332のボスのネジ孔に挿入される。これによって、第1後カバー接続部73が後カバー332に接続される。
【0072】
第2後カバー接続部74は、
図16に示すように、メータ本体71の右側面側に配置されている。第2後カバー接続部74は、メータ本体71の外周面71bのうち右側の下部分から右方向に突出している。第2後カバー接続部74は、右端の先端に形成された貫通孔74aを含む。貫通孔74aに対向する後カバー332の位置には、ネジ孔が形成されたボス部が配置されている。
図14では、ハンドル部材36によって隠れているため点線で示しているが、ネジ101が貫通孔74aを介して後カバー332のボスのネジ孔に挿入される。これによって、第2後カバー接続部74が後カバー332に接続される。
【0073】
第3後カバー接続部75は、
図16に示すように、メータ本体71の左側面側に配置されている。第3後カバー接続部75は、メータ本体71の外周面71bのうち左側の下部分から左方向に突出している。第3後カバー接続部75は、左端の先端に形成された貫通孔75aを含む。貫通孔75aに対向する後カバー332の位置には、ネジ孔が形成されたボスが配置されている。
図14では、ハンドル部材36によって隠れているため点線で示しているが、ネジ102が貫通孔75aを介して後カバー332のボスのネジ孔に挿入される。これによって、第3後カバー接続部75が後カバー332に接続される。
【0074】
以上のように、第1後カバー接続部73、第2後カバー接続部74、第3後カバー接続部75が、後カバー332の各々のボスにネジ止めされることによって、メータユニット32と後カバー332が接続される。
【0075】
次に、メータユニット32の支持位置と重心の関係について説明する。
図17は、ヘッドライト31を示す側面図である。
【0076】
図17では、メータユニット32の重心がg2で示されている。
図17では、図の上下方向が、鞍乗型車両1の上下方向に一致している。第1支持部44の第3支持部分53で支持されるメータユニット32のボス部72の位置がP5で示されている。位置P5は、重心g2の近傍に配置されている。また、左右方向において重心g2は、メータユニット32の略中央に配置されており、メータユニット32を支持するための貫通孔53aが、鞍乗型車両1の左右方向における中央に配置されている。そのため、位置P5は、左右方向においても重心g2の近傍に配置されている。
【0077】
鞍乗型車両1は、
図16に示すように、連動ブレーキワイヤ81と、保持部材82と、を更に含む。連動ブレーキワイヤ81は、右ブレーキ34と左ブレーキ35を繋ぐ。連動ブレーキワイヤ81は、右ブレーキ34から左ブレーキ35に向かって左右方向に沿って配置されている。連動ブレーキワイヤ81は、第1支持部44の前側を通る。保持部材82は、連動ブレーキワイヤ81を保持する。保持部材82は、例えばガイドワイヤである。保持部材82は、第2支持部分52の前面に取り付けられている。保持部材82は、連動ブレーキワイヤ81を上方から覆うように配置されている。これにより、振動や衝撃等によって、連動ブレーキワイヤ81の多部品との接触を防ぐことができる。
【0078】
以上説明した本実施形態に係る鞍乗型車両1では、
図11に示すように、ヘッドライト31がハンドル16に固定された第1支持部44および第2支持部45によって上下の位置で支持される。これにより、フロントフォーク15やヘッドパイプ11等の骨格系から伝わる振動を抑制できる。また、
図13に示すように、上下に分かれた位置P1、P2での支持によってヘッドライト31の支持剛性を確保できるため、大型化した重量物であるヘッドライトを用いることが可能となる。ハンドル16に固定された第1支持部44および第2支持部45によってヘッドライト31の支持剛性を確保できるため、ヘッドライト31を支持するためにハンドルカバーを大型化する必要がなく、ハンドルカバー33をコンパクトにすることができる。また、ヘッドライト31を上下位置で支持するため、少ない支持箇所で効果的に振動を抑制することができる。
【0079】
上述のようにヘッドライト31の揺れを抑制し、支持強度を確保できるため、ヘッドライトのデザインの自由度を向上することができる。また、例えばLEDライトのような重いヘッドライトを用いることもできる。
【0080】
また、本実施形態に係る鞍乗型車両1では、
図11に示すように、第1支持部44は、第1支持部分51と、第2支持部分52を含む。第1支持部分51は、ヘッドライト31を支持する。第2支持部分52は、左右方向において第1支持部分51と並んで配置されヘッドライト31を支持する。このように、上側の第1支持部44において左右方向の2点でヘッドライト31を支持するため、左右方向における揺れも抑制することができる。
【0081】
また、本実施形態に係る鞍乗型車両1では、
図11に示すように、ヘッドライト31は、ハンドル16側に向かって突出した第1突起64および第2突起65を含む。第1支持部分51は、貫通孔51a(第1貫通孔の一例)と、貫通孔51aに配置され、第1突起64が挿入されるグロメット46(筒状の第1弾性体の一例)と、を含む。第2支持部分52は、貫通孔52a(第2貫通孔の一例)と、貫通孔52aに配置され、第2突起65が挿入されるグロメット47(筒状の第2弾性体の一例)と、を含む。このように、グロメット46、47を介してヘッドライト31を支持することによって、ヘッドライト31の揺れによる振動を減衰することができる。
【0082】
本実施形態に係る鞍乗型車両1では、
図13に示すように、第1支持部44がヘッドライト31を支持する位置P1は、ヘッドライト31の重心g1よりも上方またはヘッドライトの重心g1と上下方向において同じ位置であってもよい。第2支持部45がヘッドライト31を支持する位置P2は、ヘッドライト31の重心g1よりも下方である。このような位置で支持することによって、ヘッドライト31の振動を抑える効果を狙い易い構造をとることができる。
【0083】
本実施形態に係る鞍乗型車両1では、第2支持部45は、
図5に示すように、下方からヘッドライト31を支持する。これによって、効果的にヘッドライト31の振動を抑えることができる。
【0084】
本実施形態に係る鞍乗型車両1では、
図7および
図8に示すように、ハンドル16は、上下方向に延びる上下パイプ部41と、上下パイプ部41の上部から幅方向に延びた右側パイプ部42と左側パイプ部43と、を含む。第1支持部44は、右側パイプ部42と左側パイプ部43からヘッドライト31側に延びる。第2支持部45は、上下パイプ部41からヘッドライト31側に延びる。この場合、ハンドル16から延びた第1支持部44および第2支持部45によって、ヘッドライト31を支持することができる。
【0085】
本実施形態に係る鞍乗型車両1は、
図6に示すように、ヘッドライト31の後側に配置されたメータユニット32を更に備える。第1支持部分51と第2支持部分52は、幅方向におけるメータユニット32の両外側でヘッドライト31を支持する。この場合、メータユニット32の両外側でヘッドライト31を支持するため、ヘッドライト31とメータユニット32を近づけることができる。これにより、従来よりも大型のヘッドライトやメータユニット等を用いてもコンパクトに収めることができる。
【0086】
本実施形態に係る鞍乗型車両1は、
図5に示すように、ヘッドライト31の後側に配置されたメータユニット32を更に備える。第1支持部44は、
図15に示すように、メータユニット32を支持する。この場合、ハンドル16に固定された第1支持部44によってメータユニット32を支持するため、支持強度を確保することができる。また、ヘッドライト31を支持する第1支持部44がメータユニット32の支持も兼ねているため、部品点数を減らし、コンパクトにすることができる。
【0087】
本実施形態に係る鞍乗型車両1では、
図17に示すように、第1支持部44は、メータユニット32の重心g2近傍の位置でメータユニット32を支持する。この場合、メータユニット32の重量を主にハンドル16で支持することができ、ハンドルカバー33にかかるメータユニット32の重量を減らし、メータユニット32を強度部材としてハンドルカバー33の応力を緩和することができる。
【0088】
本実施形態に係る鞍乗型車両1では、
図5および
図6に示すように、メータユニット32は、前後方向における長さが、幅方向における長さよりも長い。このような縦長のメータユニット32を用いた場合、上下への揺れが大きくなるが、ハンドル16に固定された第1支持部44によって支持されるため、揺れを抑制することができる。
【0089】
本実施形態に係る鞍乗型車両1では、
図9に示すように、第1支持部44は、第1支持部分51と、第2支持部分52と、第3支持部分53と、を含む。第1支持部分51は、
図11に示すように、ヘッドライト31を支持する。第2支持部分52は、幅方向において第1支持部分51と並んで配置され、ヘッドライト31を支持する。第3支持部分53は、
図15に示すように、幅方向において第1支持部分51と第2支持部分52の間に配置され、メータユニット32を支持する。この場合、第1支持部44の第3支持部分53によってメータユニット32を支持することができる。
【0090】
本実施形態に係る鞍乗型車両1は、
図16に示すように、連動ブレーキワイヤ81と、保持部材82と、を更に備える。連動ブレーキワイヤ81は、右ブレーキ34と左ブレーキ35を繋ぐ。保持部材82は、第1支持部44に配置され、連動ブレーキワイヤ81を保持する。この場合、走行時において連動ブレーキワイヤ81が他部品と接触することを抑制できる。
【0091】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0092】
第1支持部44によってヘッドライト31を支持する構成は、上記の実施形態のものに限らず、変更されてもよい。例えば、第1支持部分51と第2支持部分52をヘッドライト31にボルトやネジ等の締結部材によって締結してもよい。例えば、第1支持部44は、第1支持部分51と第2支持部分52の2つの位置でヘッドライト31を支持しているが、幅方向における中央の一か所でヘッドライトを支持してもよい。例えば、第3支持部分53が、第1支持部分51および第2支持部分52と同様に、ハンドル部材36から延びていてもよい。第3支持部分53の1つの位置でメータユニット32を支持しているが、第3支持部分53に複数の貫通孔を設けて、2つ以上の位置でメータユニット32を支持してもよい。
【0093】
第2支持部45によってヘッドライト31を支持する構成は、上記実施形態のものに限らず、変更されていてもよい。例えば、ボス部72の空間に挿し込む構成ではなく、ヘッドライト31の下側から第2支持部45の下側支持部材55をボルトやネジ等の締結部材によって締結してもよい。
【0094】
保持部材82によって連動ブレーキワイヤ81を保持する構成は、上記実施形態のものに限らず、変更されてもよい。第1支持部44にクランプ部材を固定し、クランプ部材によって連動ブレーキワイヤ81をクランプすることによって、連動ブレーキワイヤ81を保持してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0095】
本発明によれば、鞍乗型車両において、ヘッドライトの支持剛性を確保することで、振動問題を解決するとともに、大型化したヘッドライトに対応したコンパクトなハンドルカバーを用いることができる。
【符号の説明】
【0096】
1:鞍乗型車両、16:ハンドル、31:ヘッドライト、32:メータユニット、33:ハンドルカバー、34:右ブレーキ、35:左ブレーキ、41:上下パイプ部、42:右側パイプ部、43:左側パイプ部、44:第1支持部、45:第2支持部、46:グロメット、47:グロメット、51:第1支持部分、52:第2支持部分、53:第3支持部分、64:第1突起、65:第2突起、81:連動ブレーキワイヤ、82:保持部材