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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023103946
(43)【公開日】2023-07-27
(54)【発明の名称】ディスプレイプロテクタ
(51)【国際特許分類】
   B32B 7/12 20060101AFI20230720BHJP
   B32B 7/022 20190101ALI20230720BHJP
【FI】
B32B7/12
B32B7/022
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022102815
(22)【出願日】2022-06-27
(31)【優先権主張番号】10-2022-0006172
(32)【優先日】2022-01-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】515200168
【氏名又は名称】ホワイトストーン カンパニーリミテッド
【氏名又は名称原語表記】Whitestone Co., Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】110000914
【氏名又は名称】弁理士法人WisePlus
(72)【発明者】
【氏名】チョン, ジェ ヨン
(72)【発明者】
【氏名】キム, ミョン シク
(72)【発明者】
【氏名】チャ, ミョン ジン
(72)【発明者】
【氏名】クォン, ビン ヒ
(72)【発明者】
【氏名】キム, ス ヨル
【テーマコード(参考)】
4F100
【Fターム(参考)】
4F100AG00A
4F100AK25B
4F100AK25C
4F100AK25D
4F100AK25E
4F100AK41C
4F100AK41E
4F100AK51C
4F100AK51E
4F100AK52B
4F100AK52D
4F100AK52E
4F100AT00C
4F100AT00E
4F100BA05
4F100BA07
4F100BA10A
4F100BA10E
4F100CB05B
4F100CB05D
4F100CB05E
4F100GB41
4F100JK07B
4F100JK07D
4F100JK07E
4F100JK11B
4F100JK11D
4F100JK11E
4F100JL13B
4F100JL13D
4F100JL13E
4F100JN01C
4F100JN01E
4F100YY00A
4F100YY00E
(57)【要約】
【課題】ディスプレイプロテクタを提供する。
【解決手段】対向する第1表面及び第2表面を有する第1透明基材層と、対向する第3表面及び第4表面を有し、第3表面が第2表面と対向するように配された第2透明基材層と、第2表面と第3表面との間に配された中間応力緩和粘着層と、第1表面上に提供された第1外側応力緩和粘着層と、第4表面上に提供された第2外側応力緩和粘着層と、第1外側応力緩和粘着層上に提供された超薄ガラス(UTG)層と、を含むディスプレイプロテクタが提供される。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向する第1表面及び第2表面を有する第1透明基材層と、
対向する第3表面及び第4表面を有し、前記第3表面が前記第2表面と対向するように配された第2透明基材層と、
前記第2表面と前記第3表面との間に配された中間応力緩和粘着層と、
前記第1表面上に提供された第1外側応力緩和粘着層と、
前記第4表面上に提供された第2外側応力緩和粘着層と、
前記第1外側応力緩和粘着層上に提供された超薄ガラス(UTG)層と、を含むディスプレイプロテクタ。
【請求項2】
前記第1透明基材層と前記第2透明基材層との厚みが、実質的に同一であることを特徴とする請求項1に記載のディスプレイプロテクタ。
【請求項3】
前記第1外側応力緩和粘着層と前記第2外側応力緩和粘着層との厚みが、実質的に同一であることを特徴とする請求項2に記載のディスプレイプロテクタ。
【請求項4】
前記第1透明基材層と前記第2透明基材層との材料が、実質的に同一であることを特徴とする請求項1に記載のディスプレイプロテクタ。
【請求項5】
前記第1外側応力緩和粘着層の貯蔵モジュラスが、前記第2外側応力緩和粘着層の貯蔵モジュラスより小さいか、あるいは実質的に同一であることを特徴とする請求項1に記載のディスプレイプロテクタ。
【請求項6】
前記第1外側応力緩和粘着層と前記第2外側応力緩和粘着層との貯蔵モジュラスが、それぞれ-20℃において、0.1MPaないし0.5MPaであることを特徴とする請求項1に記載のディスプレイプロテクタ。
【請求項7】
前記第1外側応力緩和粘着層と前記第2外側応力緩和粘着層との貯蔵モジュラスが、それぞれ+40℃において、0.02MPaないし0.2MPaであることを特徴とする請求項1に記載のディスプレイプロテクタ。
【請求項8】
前記中間応力緩和粘着層の貯蔵モジュラスが+40℃において、0.02MPaないし0.2MPaであり、
前記中間応力緩和粘着層の貯蔵モジュラスは、前記第1外側応力緩和粘着層の貯蔵モジュラスよりさらに大きく、前記第2外側応力緩和粘着層の貯蔵モジュラスよりさらに小さいことを特徴とする請求項7に記載のディスプレイプロテクタ。
【請求項9】
前記第1外側応力緩和粘着層及び前記第2外側応力緩和粘着層が、それぞれ600g/inないし1,500g/inの粘着力を有することを特徴とする請求項1に記載のディスプレイプロテクタ。
【請求項10】
前記超薄ガラス(UTG)層上に、飛散防止用コーティング層が存在しないことを特徴とする請求項1に記載のディスプレイプロテクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスプレイプロテクタに係り、さらに具体的には、フォールディング信頼度にすぐれ、フォールダブル端末機やローラブル端末機に長期間使用しても剥離されず、剥離された後にも、自発的に再付着可能であり、所望時には、比較的容易に脱着可能なディスプレイプロテクタに関する。
【背景技術】
【0002】
フォールダブル端末機とローラブル端末機とがだんだんと実用化されるにつれ、それらのディスプレイ領域を保護することができるディスプレイプロテクタへの要求も漸増している。特に、フォールダブル端末機とローラブル端末機とに採用されるディスプレイプロテクタは、長期間にわたり、何回ものフォールディング及びローリングに耐えなければならない。従って、そのようなフォールディング及びローリングに対し、高い信頼度を備えたディスプレイプロテクタが要求されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明が解決しようとする技術的課題は、フォールディング信頼度にすぐれ、フォールダブル端末機やローラブル端末機に長期間使用しても剥離されず、剥離された後にも、自発的に再付着可能であり、所望時には、比較的容易に脱着可能なディスプレイプロテクタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、前述の技術的課題を達成するために、対向する第1表面及び第2表面を有する第1透明基材層と、対向する第3表面及び第4表面を有し、前記第3表面が前記第2表面と対向するように配された第2透明基材層と、前記第2表面と前記第3表面との間に配された中間応力緩和粘着層と、前記第1表面上に提供された第1外側応力緩和粘着層と、前記第4表面上に提供された第2外側応力緩和粘着層と、前記第1外側応力緩和粘着層上に提供された超薄ガラス(UTG:ultra-thin glass)層と、を含むディスプレイプロテクタを提供する。
【0005】
一部実施例において、前記第1透明基材層と前記第2透明基材層との厚みは、互いに実質的に同一でもある。一部実施例において、前記第1外側応力緩和粘着層と前記第2外側応力緩和粘着層との厚みは、互いに実質的に同一でもある。
【0006】
一部実施例において、前記第1透明基材層と前記第2透明基材層との材料が、実質的に同一でもある。一部実施例において、前記第1外側応力緩和粘着層の貯蔵モジュラスは、前記第2外側応力緩和粘着層の貯蔵モジュラスより小さいか、あるいは実質的に同一でもある。
【0007】
一部実施例において、前記第1外側応力緩和粘着層と前記第2外側応力緩和粘着層との貯蔵モジュラスが、それぞれ-20℃において、0.1MPaないし0.5MPaでもある。一部実施例において、前記第1外側応力緩和粘着層と前記第2外側応力緩和粘着層との貯蔵モジュラスが、それぞれ+40℃において、0.02MPaないし0.2MPaでもある。一部実施例において、前記中間応力緩和粘着層の貯蔵モジュラスが+40℃において、0.02MPaないし0.2MPaであり、前記中間応力緩和粘着層の貯蔵モジュラスは、前記第1外側応力緩和粘着層の貯蔵モジュラスよりさらに大きく、前記第2外側応力緩和粘着層の貯蔵モジュラスよりもさらに小さい。
【0008】
一部実施例において、前記第1外側応力緩和粘着層及び前記第2外側応力緩和粘着層が、それぞれ600g/inないし1,500g/inの粘着力を有しうる。一部実施例において、前記ディスプレイプロテクタは、前記超薄ガラス(UTG)層上に、飛散防止用コーティング層が存在しないものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明のディスプレイプロテクタは、フォールダブル端末機やローラブル端末機に対応可能であるだけではなく、フォールディング信頼度にすぐれ、フォールダブル端末機やローラブル端末機に長期間使用しても剥離されず、剥離された後にも、自発的に再付着可能であり、所望時には、比較的容易に脱着可能であるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施例によるディスプレイプロテクタの積層構造を概念的に示した概路図である。
図2A】本発明の一実施例によるディスプレイプロテクタをフォールダブルディスプレイ装置に付着させた様子を示した斜視図である。
図2B】本発明の一実施例によるディスプレイプロテクタをローラブルディスプレイ装置に付着させた様子を示した斜視図である。
図3】実施例1と比較例1との、ディスプレイプロテクタを付着させた後、ディスプレイ装置の上端と下端とにおける付着状態を、フォールディング・開きの反復回数ごとに撮影したイメージである。
図4】実施例1と比較例1との、ディスプレイプロテクタを付着させた後、ディスプレイ装置の左側と右側とにおける付着状態を、フォールディング・開きの反復回数ごとに撮影したイメージである。
図5】実施例1と比較例1との、ディスプレイプロテクタを付着させた後で剥がしたとき、破れて分離されるか否かということを撮影したイメージである。
図6】実施例1のディスプレイプロテクタを付着させた携帯電話の使用時、剥離が生じたときの様子、及びそれから3、4日が経過した後の同じ位置の様子を示したイメージである。
図7】比較例1のディスプレイプロテクタを付着させた携帯電話の使用時、剥離が生じたときの様子、及びそれから3、4日が経過した後の同じ位置の様子を示したイメージである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照し、本発明概念の望ましい実施例について詳細に説明する。しかしながら、本発明概念の実施例は、さまざまな他の形態にも変形され、本発明概念の範囲は、前述の実施例によって限定されると解釈されるものではない。本発明概念の実施例は、当業界において当業者に、本発明概念についてさらに完全に説明するために提供されると解釈されることが望ましい。同一符号は、一貫して同一要素を意味する。さらには、図面における多様な要素と領域は、概略的に描かれているのである。従って、本発明概念は、添付図面に描かれた相対的な大きさや間隔によって制限されるものではない。
【0012】
第1、第2のような用語は、多様な構成要素についての説明に使用されうるが、前述の構成要素は、前述の用語によって限定されるものではない。前述の用語は、1つの構成要素を他の構成要素から区別する目的のみに使用される。例えば、本発明概念の権利範囲を外れずに、第1構成要素は、第2構成要素とも命名され、反対に、該第2構成要素は、該第1構成要素とも命名される。
【0013】
本出願で使用された用語は、単に、特定実施例についての説明に使用されたものであり、本発明概念を限定する意図ではない。単数の表現は、文脈上、明白に異なって意味しない限り、複数の表現を含む。本出願において、「含む」または「有する」というような表現は、明細書に記載された特徴、個数、段階、動作、構成要素、部分品、またはそれらの組み合わせが存在するということを指定するものであり、1またはそれ以上の他の特徴、個数、動作、構成要素、部分品、またはそれらの組み合わせの存在または付加の可能性を事前に排除するものではないと理解されなければならない。
【0014】
取り立てて定義されない限り、ここで使用される全ての用語は、技術用語と科学用語とを含み、本発明概念が属する技術分野において当業者が共通して理解しているところと同一の意味を有する。また、一般的に使用される、事前に定義されているような用語は、関連技術の脈絡において、それらが意味するところと一貫する意味を有すると解釈されなければならず、ここに明示的に定義しない限り、過度に形式的な意味に解釈されてはならないと理解されるであろう。
【0015】
ある実施例が他に具現可能である場合、特定工程順序は、説明される順序と異なるようにも遂行される。例えば、連続して説明される2つの工程が、実質的に同時に遂行されもするし、説明される順序と反対の順序にも遂行されうる。
【0016】
添付図面において、例えば、製造技術及び/または公差により、図示された形状の変形が予想されうる。従って、本発明の実施例は、本明細書に図示された領域の特定形状に制限されると解釈されるものではなく、例えば、製造過程でもたらされる形状の変化を含むものでもある。ここで使用される全ての用語「及び/または」は、言及された構成要素のそれぞれ、及び1以上の全ての組み合わせを含む。また、本明細書で使用される用語「基板」は、基板それ自体、または基板とその表面とに形成された所定の層または膜などを含む積層構造体を意味しうる。また、本明細書において、「基板の表面」は、基板それ自体の露出表面、または基板上に形成された所定の層または膜のような外側表面を意味しうる。
【0017】
図1は、本発明の一実施例によるディスプレイプロテクタ100の積層構造を概念的に示した概路図である。
【0018】
図1を参照すれば、前記ディスプレイプロテクタ100は、第1透明基材層111と、第2透明基材層112と、それらの間に提供された中間応力緩和粘着層120と、を含む。
【0019】
前記第1透明基材層111は、互いに対向して平行に延長される第1表面111aと第2表面111bとを有しうる。また、前記第2透明基材層112は、互いに対向して平行に延長される第3表面112aと第4表面112bとを有しうる。前記第1透明基材層111と前記第2透明基材層112は、前記第2表面111bと前記第3表面112aとが互いに対向するようにも配されうる。
【0020】
また、前記第1表面111aの上に、第1外側応力緩和粘着層121が提供され、前記第4表面112b上に、第2外側応力緩和粘着層122が提供されうる。以下においては、前述の第1外側応力緩和粘着層121、第1透明基材層111、中間応力緩和粘着層120、第2透明基材層112及び第2外側応力緩和粘着層122によってなる構造物をフォールディング柔軟性向上フィルム(FFEF:folding flexibility enhancement film)と称する。
【0021】
また、前記第1外側応力緩和粘着層121上に、超薄ガラス(UTG:ultra-thin glass)層130がさらに提供される。
【0022】
第1透明基材層及び第2透明基材層
前述のように、前記第1透明基材層111は、互いに対向して平行に延長される第1表面111aと第2表面111bとを有し、前記第2透明基材層112は、互いに対向して平行に延長される第3表面112aと第4表面112bとを有する。
【0023】
前記第1透明基材層111及び前記第2透明基材層112は、例えば、ポリウレタン樹脂、ポリエステル系樹脂及び/または(メタ)アクリル系樹脂を含むものでもある。
【0024】
一部実施例において、前記ポリウレタン樹脂は、約100,000ないし約3,000,000の重量平均分子量を有しうる。
【0025】
一部実施例において、前記ポリウレタン樹脂は、2以上のイソシアネート基(-N=C=O)を有する多官能性イソシアネート系化合物とポリオール化合物との重合生成物でもある。
【0026】
前記多官能性イソシアネート系化合物は、脂肪族、芳香族、脂環族(alicyclic)または芳香脂肪族のイソシアネート化合物でもありうる。
【0027】
前記多官能性イソシアネート系化合物において、前記脂肪族イソシアネート化合物は、例えば、エチレンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、オクタメチレンジイソシアネート、ノナメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,2-ジメチルペンタンジイソシアネート、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、ブテンジイソシアネート、1,3-ブタジエン-1,4-ジイソシアネート、2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,6,11-ウンデカントリイソシアネート、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リシンジイソシアネート、2,6-ジイソシアネートメチルカプロエート、ビス(2-イソシアネートエチル)フマレート、ビス(2-イソシアネートエチル)カーボネート、2-イソシアネートエチル-2,6-ジイソシアネートヘキサノエート、1,3,5-ヘキサメチレントリイソシアネート、1,8-ジイソシアネート-4-イソシアネート、ビス(イソシアネートエチル)エーテル、1,4-ブチレングリコールジプロピルエーテル-ω,ω’-ジイソシアネート、リシンジイソシアネートメチルエステル、リシントリイソシアネート、2-イソシアネートエチル-2,6-ジイソシアネートエチル-2,6-ジイソシアネートヘキサノエート、2-イソシアネートプロピル-2,6-ジイソシアネートヘキサノエート、2,6-ジ(イソシアネートメチル)フラン、1,3-ビス(6-イソシアネートヘキシル)-ウレチジン-2,4-ジオン及び1,3,5-トリス(6-イソシアネートヘキシル)イソシアネートからなる群のうちから選択される1種以上でもありうるが、本発明は、それらに限定されるものではない。
【0028】
前記多官能性イソシアネート系化合物において、芳香族イソシアネート化合物は、例えば、フェニレン1,4-ジイソシアネート、トリレン2,4-及び/またはトリレン2,6-ジイソシアネート(TDI)、ナフチレン1,5-ジイソシアネート、ジフェニルメタン2,2’-及び/またはジフェニルメタン2,4’-及び/またはジフェニルメタン4,4’-ジイソシアネート(MDI)、並びに/あるいは高級同族体(pMDI)でもありうるが、本発明は、それらに限定されるものではない。
【0029】
前記多官能性イソシアネート系化合物において、脂環式イソシアネート化合物は、例えば、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、ビス(2-イソシアネートエチル)-4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボキシレート、2,5-ノルボルナンジイソシアネート、2,6-ノルボルナンジイソシアネート、2,2-ジメチルジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ビス(4-イソシアネート-n-ブチリデン)ペンタエリトリトール、ダイマー酸ジイソシアネート、2-イソシアネートメチル-3-(3-イソシアネートプロピル)-5-イソシアネートメチル-ビシクロ[2.2.1]-ヘプタン、2-イソシアネートメチル-3-(3-イソシアネートプロピル)-6-イソシアネートメチル-ビシクロ[2.2.1]-ヘプタン、2-イソシアネートメチル-2-(3-イソシアネートプロピル)-5-イソシアネートメチル-ビシクロ[2.2.1]-ヘプタン、2-イソシアネートメチル-2-(3-イソシアネートプロピル)-6-イソシアネートメチル-ビシクロ[2.2.1]-ヘプタン、2-イソシアネートメチル-3-(3-イソシアネートプロピル)-6-(2-イソシアネートエチル)-ビシクロ[2.2.1]-ヘプタン、2-イソシアネートメチル-3-(3-イソシアネートプロピル)-6-(2-イソシアネートエチル)-ビシクロ[2.1.1]-ヘプタン、2-イソシアネートメチル-2-(3-イソシアネートプロピル)-5-(2-イソシアネートエチル)-ビシクロ[2.1.1]-ヘプタン、2-イソシアネートメチル-2-(3-イソシアネートプロピル)-6-(2-イソシアネートエチル)-ビシクロ[2.2.1]-ヘプタン及びノルボルナンビス(イソシアネートメチル)からなる群のうちから選択される1種以上でもありうるが、本発明は、それらに限定されるものではない。
【0030】
前記多官能性イソシアネート系化合物において、芳香脂肪族イソシアネート化合物は、例えば、1,3-ビス(イソシアネートメチル)ベンゼン(m-キシレンジイソシアネート(m-XDI))、1,4-ビス(イソシアネートメチル)ベンゼン(p-キシレンジイソシアネート(p-XDI))、1,3-ビス(2-イソシアネートプロパン-2-イル)ベンゼン(m-テトラメチルキシレンジイソシアネート(m-TMXDI))、1,3-ビス(イソシアネートメチル)-4-メチルベンゼン、1,3-ビス(イソシアネートメチル)-4-エチルベンゼン、1,3-ビス(イソシアネートメチル)-5-メチルベンゼン、1,3-ビス(イソシアネートメチル)-4,5-ジメチルベンゼン、1,4-ビス(イソシアネートメチル)-2,5-ジメチルベンゼン、1,4-ビス(イソシアネートメチル)-2,3,5,6-テトラメチルベンゼン、1,3-ビス(イソシアネートメチル)-5-tert-ブチルベンゼン、1,3-ビス(イソシアネートメチル)-4-クロロベンゼン、1,3-ビス(イソシアネートメチル)-4,5-ジクロロベンゼン、1,3-ビス(イソシアネートメチル)-2,4,5,6-テトラクロロベンゼン、1,4-ビス(イソシアネートメチル)-2,3,5,6-テトラクロロベンゼン、1,4-ビス(イソシアネートメチル)-2,3,5,6-テトラブロモベンゼン、1,4-ビス(2-イソシアネートエチル)ベンゼン、1,4-ビス(イソシアネートメチル)ナフタレン、キシリレンジイソシアネート、ビス(イソシアネートエチル)ベンゼン、ビス(イソシアネートプロピル)ベンゼン、α,α,α’,α’-テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ビス(イソシアネートブチル)ベンゼン、ビス(イソシアネートプロピル)ナフタレン、ビス(イソシアネートメチル)ジフェニルエーテル及びビス(イソシアネートエチル)フタレートでもありうるが、本発明は、それらに限定されるものではない。
【0031】
前記ポリオール化合物は、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、2-メチル-1,8-オクタンジオール、ジプロピレングリコールなどでもありうるが、本発明は、それらに限定されるものではない。
【0032】
一部実施例において、前記ポリエステル系樹脂は、約100,000ないし約3,000,000の重量平均分子量を有しうる。
【0033】
前記ポリエステル系樹脂は、エステル結合を有するポリマーであり、主に、多価カルボン酸と多価アルコールとの重縮合体である。使用される多価カルボン酸は、主に、二価ジカルボン酸が使用され、例えば、イソフタル酸、テレフタル酸、ジメチルテレフタレート、ナフタレンジカルボン酸メチルなどがある。また、使用される多価アルコールも、主に、二価ジオールが使用されるが、以上で詳細に説明したので、ここでは、さらなる説明を省略する。
【0034】
前記ポリエステル系樹脂の具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリトリメチレンナフタレート、ポリシクロヘキサンジメチルテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチルナフタレートなどを挙げることができる。それらブレンド樹脂や、共重合体も、望ましく使用することができる。
【0035】
一部実施例において、前記(メタ)アクリル系樹脂は、約100,000ないし約3,000,000の重量平均分子量を有しうる。
【0036】
前記(メタ)アクリル系樹脂は、(メタ)アクリレート単量体及び/または(メタ)アクリレートオリゴマーの重合生成物でもありうる。
【0037】
前記(メタ)アクリレート単量体は、例えば、多官能(メタ)アクリレート化合物でもありうる。前記用語「多官能(メタ)アクリレート化合物」は、2個以上の重合性官能基を有する(メタ)アクリレート化合物を意味しうる。
【0038】
具体的には、前記多官能(メタ)アクリレートは、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオール(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、アクリレートネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エポキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートまたはヒドロキシシピバル酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートのような2官能性アクリレート化合物でもあってもよく、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス2-ヒドロキシシエチルイソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールトリ(メタ)アクリレートまたはジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートのような3官能アクリレート化合物であってもよく、ペンタエリトリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールヘキサ(メタ)アクリレートまたはジトリメチロールプロパンヘキサ(メタ)アクリレートのような3官能超過の多官能アクリレート化合物などでもあってもよいが、本発明は、それらに限定されるものではない。
【0039】
前記(メタ)アクリレートオリゴマーは、例えば、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリブタジエン(メタ)アクリレート、シリコン(メタ)アクリレートまたはアルキル(メタ)アクリレートなどでもありうるが、本発明は、それらに限定されるものではない。一部実施例において、前記(メタ)アクリレートオリゴマーとして、ウレタンアクリレートを主材料として使用し、前記(メタ)アクリル系樹脂を製造することができる。
【0040】
一部実施例において、前記第1透明基材層111及び前記第2透明基材層112のうち少なくとも1層は、ジェウォン産業(Jaewon Industry)の商用として入手可能なJWR-6、JWR-AEF-01、JWR-AEF-02フィルム製品のうち1種以上を選択して使用することができる。
【0041】
一部実施例において、前記第1透明基材層111及び前記第2透明基材層112は、実質的に同一材料によってもなりうる。
【0042】
前記第1透明基材層111及び前記第2透明基材層112のそれぞれは、約10μmないし約40μm、約12μmないし約35μm、約14μmないし約30μm、約15μmないし約25μm、またはそれら数値間の任意の範囲の厚みを有しうる。一部実施例において、前記第1透明基材層111及び前記第2透明基材層112のそれぞれは、約15μmないし約25μmの厚みにおいて、さらに優秀なフォールディング性を得ることができる。
【0043】
一部実施例において、前記第1透明基材層111と前記第2透明基材層112は、互いに実質的に同一な厚みを有しうる。他の一部実施例において、前記第1透明基材層111と前記第2透明基材層112は、互いに異なる厚みを有しうる。
【0044】
もし前記第1透明基材層111と前記第2透明基材層112との厚みが、前記範囲を外れ、過度に薄ければ、機械的強度に劣り、超薄ガラス(UTG)層が破損されたとき、ガラスの飛散を防止する効果に劣ることになる。反対に、前記第1透明基材層111と前記第2透明基材層112との厚みが、前記範囲を外れ、過度に厚ければ、前記ディスプレイプロテクタ100を折り畳んだ時、折り畳んだ部分に、剪断応力が過度に集中され、折り畳みと広げとを反復されると、剥離(浮き上がり)現象が容易に生じてしまう。
【0045】
一部実施例において、前記第1透明基材層111及び前記第2透明基材層112は、それぞれ独立して、-20℃において、約2GPaないし約6GPaの貯蔵弾性モジュラス(storage modulus)を有しうる。一部実施例において、前記第1透明基材層111及び前記第2透明基材層112は、それぞれ独立して、-20℃において、約2GPaないし約6GPa、約2.2GPaないし約5.8GPa、約2.4GPaないし約5.6GPa、約2.6GPaないし約5.4GPa、約2.8GPaないし約5.2GPa、約3GPaないし約5GPa、またはそれら数値間の任意の範囲の貯蔵弾性モジュラスを有しうる。以下において、「貯蔵弾性モジュラス」と「貯蔵モジュラス」は、同一な意味を有し、貯蔵弾性率のような意味を有する。
【0046】
前記第1透明基材層111及び前記第2透明基材層112の貯蔵弾性モジュラスが、前記範囲を外れて小さすぎれば、復元力に劣ってしまい、前記範囲を外れて過度に大きくなれば、フォールディング特性が低下してしまう。
【0047】
一部実施例において、前記第1透明基材層111及び前記第2透明基材層112のそれぞれは、約30%ないし約250%の延伸率(elongation)を有しうる。一部実施例において、前記第1透明基材層111及び前記第2透明基材層112は、それぞれ独立して、約30%ないし約250%、約40%ないし約230%、約50%ないし約200%、約60%ないし約190%、約70%ないし約180%、約80%ないし約170%、約90%ないし約160%、約100%ないし約150%、またはそれら数値間の任意の範囲の延伸率を有しうる。前記延伸率が過度に低ければ、復元力に劣ってしまい、前記延伸率が過度に高ければ、フォールディング特性が低下してしまう。
【0048】
中間応力緩和粘着層、第1外側応力緩和粘着層及び第2外側応力緩和粘着層
前述の中間応力緩和粘着層120、第1外側応力緩和粘着層121及び第2外側応力緩和粘着層122は、それぞれ独立して、アクリル系重合体またはポリシロキサン化合物を含むものでもありうる。
【0049】
前記アクリル系重合体は、例えば、(メタ)アクリル系単量体の重合生成物でもありうる。
【0050】
具体的には、前記(メタ)アクリル系単量体は、n-ブチル(メタ)アクリレート、2-ブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、N-ビニルピロリドン、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2-メチルブチル(メタ)アクリレート、n-ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、n-デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、4-メチル-2-ペンチル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、2-ドデシルチオエチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、2-エトキシエチル(メタ)アクリレート、2-メトキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、テトラフルフリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフリル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルホリンのような1官能性モノマー;1,3-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオールジアクリレート、1,9-ノナンジオールジアクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA-エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、ビス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、ジ(アクリルオキシエチル)イソシアネート、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、ジメチロールジシクロペンタンジアクリレート、エチレンオキシド変性ヘキサヒドロフタル酸ジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールアクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジアクリレート、アダマンタンジアクリレートのような2官能性モノマー;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリルオキシエチル)イソシアネート、グリセロールトリ(メタ)アクリレートのような3官能性モノマー;ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、テトラメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレートのような4官能性モノマー;ジペンタエリトリトールペンタ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリトリトールペンタ(メタ)アクリレートのような5官能性モノマー;ジペンタエリトリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリトリトールヘキサ(メタ)アクリレートのような6官能性モノマーなどを挙げることができるが、本発明は、それらに限定されるものではない。
【0051】
前記(メタ)アクリル系単量体は、共単量体と共に重合されうる。一部実施例において、前記共単量体は、アルキル(メタ)アクリレート単量体、エチレンオキシドを有する単量体、プロピレンオキシドを有する単量体、アミノ基を有する単量体、アミド基を有する単量体、アルコキシ基を有する単量体、リン酸基を有する単量体、スルホン酸基を有する単量体、フェニル基を有する単量体、及びシラン基を有する単量体のうち1以上を含むものでもありうるが、必ずしもそれらに制限されるものではない。
【0052】
一部実施例において、前記アルキル(メタ)アクリレート単量体は、例えば、非置換のC-C20の線状または分枝状アルキル(メタ)アクリル酸エステルを含むものでもある。例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、iso-ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘブチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート及びイソボニル(メタ)アクリレートのうち1以上を含むものでもありうる。具体的には、共単量体として、C-Cアルキル(メタ)アクリル系単量体を使用することにより、初期粘着力の増大効果がさらに得られうる。
【0053】
一部実施例において、前記エチレンオキシドを有する単量体は、例えば、エチレンオキシド基(-CHCHO-)を含む(メタ)アクリレート系単量体を1種以上使用することができる。例えば、ポリエチレンオキシドモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキシドモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキシドモノプロピルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキシドモノブチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキシドモノペンチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキシドジメチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキシドジエチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキシドモノイソプロピルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキシドモノイソブチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキシドモノtert-ブチルエーテル(メタ)アクリレートのようなポリエチレンオキシドアルキルエーテル(メタ)アクリレートでもありうるが、必ずしもそれらに限定されるものではない。
【0054】
一部実施例において、前記プロピレンオキシドを有する単量体は、例えば、ポリプロピレンオキシドモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリプロピレンオキシドモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリプロピレンオキシドモノプロピルエーテル(メタ)アクリレート、ポリプロピレンオキシドモノブチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリプロピレンオキシドモノペンチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリプロピレンオキシドジメチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリプロピレンオキシドジエチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリプロピレンオキシドモノイソプロピルエーテル(メタ)アクリレート、ポリプロピレンオキシドモノイソブチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリプロピレンオキシドモノtert-ブチルエーテル(メタ)アクリレートのようなポリプロピレンオキシドアルキルエーテル(メタ)アクリレートでもありうるが、必ずしもそれらに限定されるものではない。
【0055】
一部実施例において、前記アミノ基を有する単量体は、例えば、モノメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、モノエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、モノメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、モノエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N-tert-ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、メタクリルオキシエチルトリメチルアムモニウムクロリド(メタ)アクリレートのようなアミノ基含有(メタ)アクリル系単量体でもありうるが、必ずしもそれらに限定されるものではない。
【0056】
一部実施例において、アミド基を有する単量体は、例えば、(メタ)アクリルアミド、N-メチルアクリルアミド、N-メチルメタクリルアミド、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、N-メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-メチレンビス(メタ)アクリルアミド、2-ヒドロキシシエチルアクリルアミドのようなアミド基含有(メタ)アクリル系モノマーでもありうるが、必ずしもそれらに制限されるものではない。
【0057】
一部実施例において、前記アルコキシ基を有する単量体は、例えば、2-メトキシエチル(メタ)アクリレート、2-メトキシプロピル(メタ)アクリレート、2-エトキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ブトキシプロピル(メタ)アクリレート、2-メトキシペンチル(メタ)アクリレート、2-エトキシペンチル(メタ)アクリレート、2-ブトキシヘキシル(メタ)アクリレート、3-メトキシペンチル(メタ)アクリレート、3-エトキシペンチル(メタ)アクリレート、3-ブトキシヘキシル(メタ)アクリレートでもありうるが、必ずしもそれらに制限されるものではない。
【0058】
一部実施例において、前記リン酸基を有する単量体では、例えば、2-メタクリロイルオキシエチルジフェニルホスフェート(メタ)アクリレート、トリメタクリロイルオキシエチルホスフェート(メタ)アクリレート、トリアクリロイルオキシエチルホスフェート(メタ)アクリレートのようなリン酸基を有するアクリル系単量体でもありうるが、必ずしもそれらに制限されるものではない。
【0059】
一部実施例において、前記スルホン酸基を有する単量体は、例えば、スルホプロピル(メタ)アクリレートナトリウム、2-スルホエチル(メタ)アクリレートナトリウム、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸ナトリウムのようなスルホン酸基を有するアクリル系単量体でもありうるが、必ずしもそれらに制限されるものではない。
【0060】
一部実施例において、前記フェニル基を有する単量体は、例えば、p-tert-ブチルフェニル(メタ)アクリレート、o-ビフェニル(メタ)アクリレートのようなフェニル基を有するアクリル系ビニル単量体が可能であるが、必ずしもそれらに制限されるものではない。
【0061】
一部実施例において、前記シラン基を有する単量体は、例えば、2-アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β-メトキシエチル)シラン、ビニルトリアセチルシラン、メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランのようなシラン基を有するビニル単量体でもありうるが、必ずしもそれらに制限されるものではない。
【0062】
前記共単量体は、単量体混合物において、60重量%ないし95重量%、例えば、70重量%ないし90重量%で含まれうる。前記範囲において、前記第1外側応力緩和粘着層121と前記第2外側応力緩和粘着層122は、優秀な粘着力と応力分散効果とを得ることができる。
【0063】
前記アクリル系重合体は、約100,000ないし約3,000,000の重量平均分子量を有しうる。
【0064】
前記ポリシロキサン化合物は、例えば、下記化学式1のポリシロキサン化合物でもありうる。
【0065】
【化1】
【0066】
ここで、nは、100ないし10,000の整数であり、RないしRは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、二トリル基、ニトロ基、ヒドロキシ基、アミノ基、置換もしくは非置換のC-C10アルキル基、置換もしくは非置換のC-C10アルコキシ基、置換もしくは非置換のC-C10アルケニル基、置換もしくは非置換のC-C10アルキニル基、置換もしくは非置換のC-C10アルキレニル基、置換もしくは非置換のC-C15シクロアルキル基、置換もしくは非置換のC-C15アリール基、置換もしくは非置換のC-C15アリールオキシ基、置換もしくは非置換のC-C15アリールアルキル基、または置換もしくは非置換のC-C15アルキルアリール基である。
【0067】
ここで、「置換」されているということは、化合物または作用基の炭素原子に結合された水素原子が他の置換基に変わることを意味し、置換される位置は、水素原子が置換される位置として、置換基が置換可能な位置であるならば、特別に制限されるものではない。また、2以上が置換される場合、2以上の置換基は、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
【0068】
ここで、「置換もしくは非置換」というのは、重水素;ハロゲン;ニトリル基(-CN);ニトロ基;ヒドロキシ基;アミノ基;シリル基;ホウ素基;アルコキシ基;アリールオキシ基;アルキル基;シクロアルキル基;アリール基;及びヘテロ環基からなる群のうちから選択された1または2以上の置換基で置換されるか、前述の例示された置換基のうち2以上の置換基が連結された置換基で置換されるか、あるいはいかんなる置換基も有さないということを意味する。例えば、「2以上の置換基が連結された置換基」は、ビフェニル基でもありうる。すなわち、該ビフェニル基は、アリール基でもあり、2個のフェニル基が連結された置換基であるとも解釈される。
【0069】
前述の中間応力緩和粘着層120、第1外側応力緩和粘着層121及び第2外側応力緩和粘着層122は、それぞれ独立して、約10μmないし約40μm、約11μmないし約38μm、約12μmないし約36μm、約13μmないし約34μm、約14μmないし約32μm、約15μmないし約30μm、またはそれら数値間の任意の範囲の厚みを有しうる。一部実施例において、前述の中間応力緩和粘着層120、第1外側応力緩和粘着層121及び/または前記第2外側応力緩和粘着層122は、15μm前後の厚みにおいて、フォールディング性に最もすぐれることになる。
【0070】
もし前述の中間応力緩和粘着層120、第1外側応力緩和粘着層121及び第2外側応力緩和粘着層122のそれぞれの厚みが前記範囲を外れ、過度に薄ければ、フォールディング時、応力を緩和させる効果に劣り、剥離(浮き上がり)が生じうる。反対に、前述の中間応力緩和粘着層120、第1外側応力緩和粘着層121及び第2外側応力緩和粘着層122のそれぞれの厚みが前記範囲を外れ、過度に厚ければ、フォールディング時の応力には耐えるが、応力緩和粘着層の両面で生じる応力が過度に不均衡をなすことになり、フォールディング部位の剥離(浮き上がり)が生じうる。
【0071】
一部実施例において、前記第1外側応力緩和粘着層121と前記第2外側応力緩和粘着層122は、実質的に同一な厚みを有しうる。一部実施例において、前記中間応力緩和粘着層120は、前記第1外側応力緩和粘着層121及び/または前記第2外側応力緩和粘着層122と異なる厚みを有しうる。一部実施例において、前記中間応力緩和粘着層120は、前記第1外側応力緩和粘着層121及び/または前記第2外側応力緩和粘着層122と実質的に同一な厚みを有しうる。ここで、「実質的に同一」というのは、それら二者において、さらに大きい値を基準に、それら二者の値差が±10%以内であるということを示す。
【0072】
一部実施例において、前述の中間応力緩和粘着層120、第1外側応力緩和粘着層121及び第2外側応力緩和粘着層122は、それぞれ独立して、-20℃において、約0.1MPaないし約0.5MPaの貯蔵モジュラスを有しうる。一部実施例において、前述の中間応力緩和粘着層120、第1外側応力緩和粘着層121及び第2外側応力緩和粘着層122は、-20℃において、それぞれ独立して、約0.1MPaないし約0.5MPa、0.12MPaないし約0.48MPa、0.14MPaないし約0.46MPa、0.16MPaないし約0.44MPa、0.18MPaないし約0.42MPa、0.2MPaないし約0.4MPa、0.25MPaないし約0.35MPa、またはそれら数値間の任意の範囲の貯蔵モジュラスを有しうる。
【0073】
一部実施例において、前述の中間応力緩和粘着層120、第1外側応力緩和粘着層121及び第2外側応力緩和粘着層122は、それぞれ独立して、-10℃において、約0.03MPaないし約0.2MPaの貯蔵弾性モジュラス(G’)を有しうる。一部実施例において、前述の中間応力緩和粘着層120、第1外側応力緩和粘着層121及び第2外側応力緩和粘着層122は、それぞれ独立して、-10℃において、約0.03MPaないし約0.20MPa、約0.04MPaないし約0.18MPa、約0.05MPaないし約0.16MPa、約0.06MPaないし約0.14MPa、約0.07MPaないし約0.12MPa、約0.08MPaないし約0.11MPa、約0.08MPaないし約0.10MPa、0.08MPaないし約0.15MPa、約0.1MPaないし約0.15MPa、またはそれら数値間の任意の範囲の貯蔵弾性モジュラスを有しうる。
【0074】
一部実施例において、前述の中間応力緩和粘着層120、第1外側応力緩和粘着層121及び第2外側応力緩和粘着層122は、それぞれ独立して、+40℃において、約0.02MPaないし約0.2MPaの貯蔵モジュラスを有しうる。一部実施例において、前述の中間応力緩和粘着層120、第1外側応力緩和粘着層121及び第2外側応力緩和粘着層122は、それぞれ独立して、+40℃において、約0.02MPaないし約0.20MPa、約0.03MPaないし約0.18MPa、約0.04MPaないし約0.16MPa、約0.05MPaないし約0.14MPa、約0.06MPaないし約0.13MPa、約0.07MPaないし約0.12MPa、約0.08MPaないし約0.11MPa、約0.09MPaないし約0.10MPa、約0.05MPaないし約0.15MPa、さらに望ましくは約0.05MPaないし約0.10MPa、またはそれら数値間の任意の範囲の貯蔵モジュラスを有しうる。
【0075】
前述の中間応力緩和粘着層120、第1外側応力緩和粘着層121及び第2外側応力緩和粘着層122の貯蔵モジュラスが前記範囲を外れて小さすぎれば、素材の物性が過度にソフトになり、製造が困難であり、粘着力低下により、フォールディング時、剥離(浮き上がり)が生じうる。
【0076】
反対に、前述の中間応力緩和粘着層120、第1外側応力緩和粘着層121及び第2外側応力緩和粘着層122の貯蔵モジュラスが前記範囲を外れ、あまりも大きくなれば、前記ディスプレイプロテクタ100の変形に対し、前記ディスプレイプロテクタ100内に生じる剪断応力を緩和させる効果に劣ることになる。
【0077】
一部実施例において、前記第1外側応力緩和粘着層121の貯蔵モジュラスは、前記第2外側応力緩和粘着層122の貯蔵モジュラスと実質的に同一でもある。ここで、「実質的に同一」というのは、それら二者において、さらに大きい値を基準に、それら二者の値差が±10%以内であることを示す。一部実施例において、前述の中間応力緩和粘着層120、第1外側応力緩和粘着層121及び第2外側応力緩和粘着層122は、互いに実質的に同一な貯蔵弾性モジュラスを有しうる。
【0078】
他の一部実施例において、前述の中間応力緩和粘着層120、第1外側応力緩和粘着層121及び第2外側応力緩和粘着層122は、互いにそれぞれ異なる貯蔵弾性モジュラスを有しうる。
【0079】
他の一部実施例において、前記第1外側応力緩和粘着層121の貯蔵弾性モジュラスは、前記第2外側応力緩和粘着層122の貯蔵弾性モジュラスよりもさらに小さい。このとき、前記中間応力緩和粘着層120の貯蔵弾性モジュラスは、前記第1外側応力緩和粘着層121の貯蔵弾性モジュラスよりさらに大きく、前記第2外側応力緩和粘着層122の貯蔵弾性モジュラスよりもさらに小さい。
【0080】
一部実施例において、前述の中間応力緩和粘着層120、第1外側応力緩和粘着層121及び第2外側応力緩和粘着層122は、それぞれ独立して、20℃ないし25℃の温度において、約600g/inないし約1,500g/inの粘着力を有しうる。一部実施例において、前述の中間応力緩和粘着層120、第1外側応力緩和粘着層121及び第2外側応力緩和粘着層122は、それぞれ独立して、約600g/inないし約1,500g/in、約650g/inないし約1,450g/in、約700g/inないし約1,400g/in、約750g/inないし約1,350g/in、約800g/inないし約1,300g/in、約850g/inないし約1,250g/in、約900g/inないし約1,200g/in、約950g/inないし約1,150g/in、約1,000g/inないし約1,110g/in、またはそれら数値間の任意の範囲の粘着力を有しうる。
【0081】
前述の中間応力緩和粘着層120、第1外側応力緩和粘着層121及び第2外側応力緩和粘着層122の粘着力が前記範囲を外れて小さすぎれば、付着力に劣り、前記ディスプレイプロテクタの付着を維持し難い。
【0082】
反対に、前述の中間応力緩和粘着層120、第1外側応力緩和粘着層121及び第2外側応力緩和粘着層122の粘着力が前記範囲を外れ、過度に大きくなれば、ディスプレイプロテクタ100を交換するとき、付着された電子機器ディスプレイから剥離され難く、剥離時、電子機器ディスプレイを損傷させる心配がある。
【0083】
超薄ガラス(UTG)層
前記超薄ガラス(UTG)層130は、約25μmないし約70μmの厚みを有する強化ガラス素材によってなる層でもありうる。一部実施例において、前記超薄ガラス(UTG)層130は、約25μmないし約70μm、約30μmないし約70μm、約32μmないし約70μm、約34μmないし約65μm、約36μmないし約60μm、約38μmないし約55μm、約40μmないし約50μm、約25μmないし約65μm、約25μmないし約60μm、約25μmないし約55μm、約25μmないし約50μm、またはそれら数値間の任意の範囲の厚みを有しうる。
【0084】
前記超薄ガラス(UTG)層130の厚みが前記範囲を外れ、過度に薄ければ、耐衝撃性に劣ってしまう。前記超薄ガラス(UTG)層130の厚みが前記範囲を外れ、過度に厚ければ、反復されるフォールディング(folding)またはローリング(rolling)に対し、容易に破損され、フォールディング時、反撥力が強まってしまう。特に、前記超薄ガラス(UTG)層130は、場合によっては、50μmを超える厚みにおいて、反撥力が過度に生じうる。
【0085】
前記超薄ガラス(UTG)層130は、例えば、アルミノシリケート、アルカリ・アルミノシリケート、ボロシリケート、アルカリ・ボロシリケート、アルミノボロシリケート、アルカリ・アルミノボロシリケート、ソーダ・ライム、または他の適するガラスによってもなりうるが、それらに限定されるものではない。一部実施例において、前記超薄ガラス(UTG)層130は、NEG社、コーニング(Corning)社)、Schott社などから商用で入手可能なマザーガラス(mother glass)からも得られる。
【0086】
前記マザーガラスは、スリミング(sliming)工程、セル状にカッティングされる加工工程、ガラス強化工程、指紋防止(AF:anti-fingerprint)コーティング工程などが適用され、超薄ガラス(UTG)層130に形成される。さらには、飛散防止コーティング工程が適用されうる。
【0087】
一部実施例において、前記超薄ガラス(UTG)層130上には紫外線(UV:ultraviolet)硬化性樹脂のような飛散防止用コーティング層が提供されない。それは、飛散防止用コーティング層が不要だからである。言い換えれば、従来のディスプレイプロテクタは、ディスプレイ装置から除去するために剥がす場合において、超薄ガラス(UTG)層が破損されながら透明基材層を損傷させてしまう。さらには、該透明基材層は、前記損傷された部分から損傷が伝播され(propagated)、ディスプレイプロテクタ全体が2つの部分に分離される場合があった。
【0088】
本発明の発明者らは、透明基材層を複数に提供することにより、ディスプレイ装置からディスプレイプロテクタを剥がすとき、ディスプレイプロテクタ全体が2つの部分に分離されることを防止することができることを発見した。すなわち、ディスプレイプロテクタを剥がすとき、超薄ガラス(UTG)層が破損されながら、1層の透明基材層(すなわち、第1透明基材層)を損傷させても、他の1層の透明基材層(すなわち、第2透明基材層)により、ディスプレイプロテクタが二つに分離されることを防止することができる。または、たとえ前記他の1層の透明基材層(すなわち、第2透明基材層)が損傷されるとしても、透明基材層をなすポリマーの損傷が、結晶学的に、伝播される方向が互いに異なる可能性が高いために、ディスプレイプロテクタが二つに分離されることを防止することができる。
【0089】
また、本発明のディスプレイプロテクタ100は、中間応力緩和粘着層120を挟み、第1透明基材層111と第2透明基材層112とが隣接するために、折り畳まれる部分における応力緩和効果にすぐれる。それだけではなく、驚くべきことに、折り畳まれる部分において、被付着面(例えば、ディスプレイ装置の表面)と剥離が起こった場合にも、経時的に自発的に再付着されることが発見された。それは、2層の透明基材層111,112間に中間応力緩和粘着層120を配することによって得られるすぐれた応力緩和効果に起因すると推定される。ただし、本発明は、特定理論に拘束されるように意図されるものではない。
【0090】
図2Aは、本発明の一実施例によるディスプレイプロテクタ100をフォールダブルディスプレイ装置1に付着させた様子を示した斜視図である。
【0091】
図2Aを参照すれば、フォールダブルディスプレイ装置1は、表示パネル10及び下部カバー90を含むものでもありうる。下部カバー90は、表示パネル10を支持する第1部分90_1及び第2部分90_2を含むものでもありうる。下部カバー90は、第1部分90_1と第2部分90_2との間のフォールディング軸FAXを中心にフォールディングされうる。一実施例において、第1部分90_1と第2部分90_2との間に、ヒンジ部90Hを含むものでもある。また、一実施例において、第2部分90_2は、光透過物質を含むものでもある。
【0092】
前記ディスプレイプロテクタ100は、前記表示パネル10の少なくとも一部を被覆するように提供されうる。
【0093】
フォールディング軸FAXを中心に、前記フォールダブルディスプレイ装置1を折り畳めば、前記ディスプレイプロテクタ100も共に折り畳まれる。このとき、前記ディスプレイプロテクタ100の折り畳まれた部分は、およそ0.5mmないし約1.3mmの曲率半径を有することになる。従って、前記ディスプレイプロテクタ100の超薄ガラス(UTG)層130(図1)は、0.5mm、0.6mm、0.7mm、0.8mm、0.9mm、1.0mm、1.1mm、1.2mm及び1.3mmの曲率半径にも、破損されないように強化されたガラスでもありうる。
【0094】
一部実施例において、前記超薄ガラス(UTG)層130(図1)の表面には、指紋防止(AF)コーティングがさらに提供されうる。
【0095】
図2Bは、本発明の一実施例によるディスプレイプロテクタ100をローラブル(rollable)ディスプレイ装置2に付着させた様子を示した斜視図である。
【0096】
図2Bを参照すれば、ローラブルディスプレイ装置2は、表示パネル10、ローラ部20、ハウジング部30、モジュール部BP及び間隔調節部Lを含むものでもありうる。
【0097】
表示パネル10は、柔軟性があり、容易に反ったり、折り畳まれたリ、ローリングされたりするフレキシブル(flexible)表示パネルでもありうる。具体的には、表示パネル10は、ローリングされたり広げられたりするローラブル表示パネルでもありうる。
【0098】
表示パネル10は、ローラ部20により、巻かれたり広げられたりもされうる。例えば、表示パネル10がローラ部20に巻き取られるとき、表示パネル10の第1方向(例えば、+x方向または-x方向)に第1間隔ほど、ハウジング部30によって露出されうる。表示パネル10がローラ部20から巻き出されるとき、表示パネル10の第1方向(例えば、x方向または-x方向)に、前記第1間隔よりさらに広い第2間隔ほど、ハウジング部30によって露出されうる。従って、ハウジング部30によって露出され、ユーザが認識する表示パネル10の大きさは、変更されうる。
【0099】
ローラ部20は、表示パネル10を巻き取ることができる。または、ローラ部20は、表示パネル10を巻き出すことができる。一部実施例において、ローラ部20は、駆動部と連結されうる。このとき、該駆動部は、モータなどを含むものであってもよく、ローラ部20を回転させることができる。または、ローラ部20は、手動により、表示パネル10を巻き取ったり巻き出したりすることができる。
【0100】
一実施例において、ローラ部20は、第1ローラ部20A及び第2ローラ部20Bを含むものでもある。第1ローラ部20A及び第2ローラ部20Bは、第1方向(例えば、x方向または-x方向)に離隔されて配されうる。一部実施例において、第1ローラ部20A及び第2ローラ部20Bのうち一つは、省略されうる。
【0101】
ハウジング部30は、ローラ部20を収容することができる。それにより、表示パネル10のうち一部は、ハウジング部30に収容されうる。表示パネル10のうち一部は、ハウジング部30内部に搬入されるか、あるいはハウジング部30外部に搬出されうる。ハウジング部30は、曲率部を含むものでもありうる。従って、ユーザは、容易にハウジング部30を把持することができる。
【0102】
一実施例において、ハウジング部30は、第1ハウジング部30A及び第2ハウジング部30Bを含むものでもある。第1ハウジング部30A及び第2ハウジング部30Bは、第1方向(例えば、x方向または-x方向)に離隔されて配されうる。一部実施例において、第1ハウジング部30A及び第2ハウジング部30Bのうち一つは、省略されうる。第1ハウジング部30Aは、第1ローラ部20Aを収容することができる。第2ハウジング部30Bは、第2ローラ部20Bを収容することができる。
【0103】
前記ディスプレイプロテクタ100は、前記表示パネル10の少なくとも一部を被覆するように提供されうる。特に、前記ディスプレイプロテクタ100は、前記表示パネル10が巻き取られるとき、前記表示パネル10と共に巻き取られることになる。
【0104】
フォールディング軸FAXを中心に前記フォールダブルディスプレイ装置1を折り畳めば、前記ディスプレイプロテクタ100も共に折り畳まれるが、このとき、前記ディスプレイプロテクタ100の折り畳まれた部分は、およそ0.5mmないし約1.3mmの曲率半径を有することになる。従って、前記ディスプレイプロテクタ100の超薄ガラス(UTG)層130(図1参照)は、0.5mm、0.6mm、0.7mm、0.8mm、0.9mm、1.0mm、1.1mm、1.2mm及び1.3mmの曲率半径にも、破損されないように強化されたガラスでもありうる。
【0105】
一部実施例において、前記ディスプレイプロテクタ100の表面には、具体的には前記超薄ガラス(UTG)層130(図1参照)の表面には、指紋防止(AF)コーティングがさらに提供されうる。
【0106】
以下、具体的な実施例及び比較例を持って、本発明の構成及び効果についてさらに詳細に説明するが、それら実施例は、単に本発明をさらに明確に理解させるためのものであるのみ、本発明の範囲を限定するものではない。
【0107】
<実施例1>
第1透明基材層及び第2透明基材層として、それぞれ12μm厚のポリウレタンフィルムを使用し、図1のように、第1外側応力緩和粘着層、第2外側応力緩和粘着層及び中間応力緩和粘着層を有し、前記第1外側応力緩和粘着層上に、50μm厚の超薄ガラス層を有するディスプレイプロテクタを作製した。前述の第1外側応力緩和粘着層、第2外側応力緩和粘着層及び中間応力緩和粘着層として、それぞれ25μm厚を有するアクリル系OCA(optical clear adhesive)を利用した。
【0108】
<比較例1>
第2透明基材層と中間応力緩和粘着層とが省略された点を除けば、実施例1と同一方式により、ディスプレイプロテクタを作製した。
【0109】
応力緩和効果試験
縦方向に折り畳まれる(すなわち、折り畳まれる線が横方向に延長される)フリップ方式の携帯電話のディスプレイ部分に、実施例1と比較例1とのディスプレイプロテクタをそれぞれ付着させた後、1000回、3000回及び5000回のフォールディング・開きを反復した後、上下左右端部の付着状態を検査した。
【0110】
図3は、実施例1と比較例1との、ディスプレイプロテクタを付着させた後、上端と下端とにおける付着状態を、フォールディング・開きの反復回数ごとに撮影したイメージである。図4は、実施例1と比較例1との、ディスプレイプロテクタを付着させた後、左側と右側とにおける付着状態を、フォールディング・開きの反復回数ごとに撮影したイメージである。
【0111】
図3から分かるように、実施例1のディスプレイプロテクタは、上端と下端との付着状態において変化がなかったが、比較例1のディスプレイプロテクタは、3000回のフォールディング・開き後、下端部分において、応力緩和粘着層の欠陥が観察された。
【0112】
また、図4から分かるように、実施例1のディスプレイプロテクタは、左右端部の付着状態において変化がなかったが、比較例1のディスプレイプロテクタは、1000回フォールディング・開き後、左側部分において、応力緩和粘着層の欠陥が観察された。
【0113】
以上から、実施例1のディスプレイプロテクタが、比較例1のディスプレイプロテクタに比べ、さらに優秀な応力緩和効果があるということが確認された。
【0114】
脱着安定性試験
ディスプレイプロテクタを脱着させるとき、ディスプレイプロテクタが破れて分離されるか否かということをテストした。フリップ方式の携帯電話だけではなく、横方向に折り畳まれる(すなわち、折り畳まれる線が縦方向に延長される)フォールド方式の携帯電話について、いずれもテストした。
【0115】
図5は、実施例1と比較例1との、ディスプレイプロテクタを付着させた後で剥がしたとき、破れて分離されるか否かということを撮影したイメージである。
【0116】
図5を参照すれば、実施例1のディスプレイプロテクタは、フリップ方式とフォールド方式との携帯電話のいずれも、きれいに脱着されるところを見ることができる。しかしながら、比較例1のディスプレイプロテクタは、フリップ方式とフォールド方式との携帯電話のいずれも、ディスプレイプロテクタが破れたところが観察される。
【0117】
従って、実施例1のディスプレイプロテクタが、比較例1のディスプレイプロテクタに比べ、さらに優秀な脱着安定性の効果があるということが確認された。
【0118】
剥離後の自発的再付着試験
実施例1と比較例1との、ディスプレイプロテクタをそれぞれ付着させた後、剥離による気泡が生じたときの挙動を観察した。図6図7は、それぞれ実施例1及び比較例1のディスプレイプロテクタを付着させた携帯電話の使用時、剥離が生じたときの様子、及びそれから3、4日が経過した後の同じ位置の様子を示したイメージである。
【0119】
図6を参照すれば、実施例1のディスプレイプロテクタは、使用最中に気泡が生じたとき、3、4日が経過すれば、気泡が消え、ディスプレイプロテクタが自発的にディスプレイ表面に再付着するところが観察された。
【0120】
一方、図7を参照すれば、比較例1のディスプレイプロテクタは、使用最中に気泡が生じたとき、実施例1と同一期間が経過しても、気泡が消えずに残存することが観察された。
【0121】
図6及び図7から分かるように、本願発明の実施例によるディスプレイプロテクタは、ある種の理由によって剥離された場合にも、一定時間が経過した後、自発的にディスプレイ表面に再付着しうる。そのような再付着現象は、2層の透明基材層と、その間の中間応力緩和粘着層との特有構造によって得られる応力緩和効果に起因すると推定されるが、本発明は、特定理論に限定されるものではない。
【0122】
貯蔵弾性モジュラスによるフォールディング性試験
第1透明基材層及び第2透明基材層が有する貯蔵弾性モジュラスの大きさと、フォールディング性との関係をテストするために、第1透明基材層及び第2透明基材層の合成に投入されたウレタンアクリレートオリゴマーの含量を変化させながら、-20℃における貯蔵弾性モジュラスを調節し、それによるフォールディング性をテストし、その結果を表1に整理した。比較例3と比較例4とにおいては、ウレタンアクリレートオリゴマーの代わりに、それぞれアクリルオリゴマー30重量部とエポキシオリゴマー30重量部とが使用された。
【0123】
【表1】
【0124】
貯蔵弾性モジュラス(G’)は、TA Instruments社のARES DMA装備を利用して測定した。具体的には、直径が8mmであるディスクに、縦横それぞれ600μm試片を0.5%変形率、1Hzの振動数で、-60℃から120℃まで5℃/minのランプ速度(ramp rate)として測定した。
【0125】
フォールディングテストは、縦方向に折り畳まれる(すなわち、折り畳まれる線が横方向に延長される)フリップ方式の携帯電話のディスプレイ部分に、実施例1、2、及び比較例1ないし4のディスプレイプロテクタをそれぞれ付着させた後、2000回フォールディング・開きを反復した後、上下左右端部の付着状態、及び折り畳まれる部分の剥離(浮き上がり)現象を検査した。2000回まで、超薄ガラス(UTG)層の割れなく、剥離(浮き上がり)現象が生じなければ、「良好」と判定し、超薄ガラス(UTG)層が割れたり、剥離(浮き上がり)現象が生じたりすれば、「不良」と判定した。
【0126】
表1から分かるように、第1透明基材層及び第2透明基材層の貯蔵弾性モジュラスが1.3GPaまたは0.4GPaのように低ければ、過度にソフトであり、基材としての役割を果たし難く、フォールディング性も低下するということが確認された。また、第1透明基材層及び第2透明基材層の貯蔵弾性モジュラスが8GPaまたは13.6GPaのように高ければ、復元性が過度に上昇し、フォールディング性が低下し、超薄ガラス(UTG)層にクラックが生じるところが確認された。
【0127】
以上において述べたように、本発明の実施例について詳細に記述されたが、本発明が属する技術分野において当業者であるならば、特許請求の範囲に定義された本発明の精神及び範囲を外れずに、本発明をさまざまに変形して実施することができるであろう。従って、本発明の今後の実施例の変更は、本発明の技術を外れるものではないのである。
【符号の説明】
【0128】
100 ディスプレイプロテクタ
111 第1透明基材層
111a 第1表面
111b 第2表面
112 第2透明基材層
112a 第3表面
112b 第4表面
120 中間応力緩和粘着層
121 第1外側応力緩和粘着層
122 第2外側応力緩和粘着層
130 超薄ガラス(UTG)層
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7