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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023103978
(43)【公開日】2023-07-27
(54)【発明の名称】医薬用固形組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 36/81 20060101AFI20230720BHJP
   A61P 11/00 20060101ALI20230720BHJP
   A61P 11/10 20060101ALI20230720BHJP
   A61P 11/02 20060101ALI20230720BHJP
   A61P 11/14 20060101ALI20230720BHJP
   A61K 31/485 20060101ALI20230720BHJP
   A61K 31/137 20060101ALI20230720BHJP
   A61K 9/20 20060101ALI20230720BHJP
   A61K 9/28 20060101ALI20230720BHJP
   A61K 9/16 20060101ALI20230720BHJP
   A61K 47/38 20060101ALI20230720BHJP
   A61K 47/18 20170101ALI20230720BHJP
   A61K 31/195 20060101ALI20230720BHJP
【FI】
A61K36/81
A61P11/00
A61P11/10
A61P11/02
A61P11/14
A61K31/485
A61K31/137
A61K9/20
A61K9/28
A61K9/16
A61K47/38
A61K47/18
A61K31/195
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023002936
(22)【出願日】2023-01-12
(31)【優先権主張番号】P 2022004529
(32)【優先日】2022-01-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】306014736
【氏名又は名称】第一三共ヘルスケア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【弁理士】
【氏名又は名称】速水 進治
(74)【代理人】
【識別番号】100129414
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 京
(72)【発明者】
【氏名】有村 祐次郎
(72)【発明者】
【氏名】加茂 倫有
【テーマコード(参考)】
4C076
4C086
4C088
4C206
【Fターム(参考)】
4C076AA31
4C076AA36
4C076AA43
4C076AA44
4C076BB01
4C076CC15
4C076DD51Q
4C076EE31Q
4C076FF36
4C086AA01
4C086AA02
4C086BC30
4C086MA03
4C086MA05
4C086MA35
4C086MA41
4C086MA52
4C086NA03
4C086ZA59
4C086ZA62
4C086ZA63
4C088AB48
4C088BA08
4C088MA02
4C088MA35
4C088MA41
4C088MA52
4C088NA03
4C088ZA59
4C088ZA62
4C088ZA63
4C206AA01
4C206AA02
4C206FA01
4C206FA31
4C206KA01
4C206KA14
4C206MA03
4C206MA05
4C206MA55
4C206MA61
4C206MA72
4C206NA03
4C206ZA59
4C206ZA62
4C206ZA63
(57)【要約】
【課題】組成物中に、ベラドンナ総アルカロイド、デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物およびアンブロキソール塩酸塩を安定に配合する技術を提供する。
【解決手段】成分(A):ベラドンナ総アルカロイドと、成分(B):デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物と、成分(C):アンブロキソール塩酸塩と、成分(D):トラネキサム酸および結晶セルロースの少なくとも一方と、を含有する、医薬用固形組成物。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
成分(A):ベラドンナ総アルカロイドと、成分(B):デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物と、成分(C):アンブロキソール塩酸塩と、成分(D):トラネキサム酸および結晶セルロースの少なくとも一方と、を含有する、医薬用固形組成物。
【請求項2】
前記成分(D)がトラネキサム酸である、請求項1に記載の医薬用固形組成物。
【請求項3】
当該医薬用固形組成物中の前記成分(A)~(C)の合計量に対する前記成分(D)の含有量((D)/((A)+(B)+(C)))が、質量比で0.3以上100以下である、請求項2に記載の医薬用固形組成物。
【請求項4】
前記成分(D)が結晶セルロースである、請求項1に記載の医薬用固形組成物。
【請求項5】
当該医薬用固形組成物中の前記成分(A)~(C)の合計量に対する前記成分(D)の含有量((D)/((A)+(B)+(C)))が、質量比で0.1以上100以下である、請求項4に記載の医薬用固形組成物。
【請求項6】
固形製剤である、請求項1乃至5いずれか一項に記載の医薬用固形組成物。
【請求項7】
前記固形製剤の剤形が、顆粒剤、素錠、フィルムコーティング錠または糖衣錠である、請求項6に記載の医薬用固形組成物。
【請求項8】
以下の成分(A)~(C)を含む医薬用固形組成物に以下の成分(D)を含有させることを含む、医薬用固形組成物の安定性改善方法。
(A)ベラドンナ総アルカロイド
(B)デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物
(C)アンブロキソール塩酸塩
(D)トラネキサム酸および結晶セルロースの少なくとも一方
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬用固形組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、総合感冒薬や解熱鎮痛薬等においては、複数の薬効成分を配合した医薬製剤が広く使用されている。かかる医薬製剤の例として、特許文献1(特開2020-158487号公報)に記載のものがある。同文献には、イブプロフェンと、ロラタジンと、カルボシステイン、アンブロキソール及びその塩、ブロムヘキシン及びその塩、トラネキサム酸、グリチルリチン酸及びその塩、チペピジン及びその塩、並びにデキストロメトルファン及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種とを含有する固形組成物について記載されている(請求項1)。また、同文献には、デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物およびアンブロキソール塩酸塩を配合する製剤調製例が記載されている(製剤例2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-158487号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、ベラドンナ総アルカロイド(Belladonna Total Alkaloids:BTA)は抗コリン作用による鼻汁抑制効果を有し、総合感冒薬の成分の一つとして利用されている。デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物(Dextromethorphan hydrobromide hydrate:DXM)は鎮咳作用を有し、アンブロキソール塩酸塩(Ambroxol Hydrochloride:AMB)は去痰作用を有し、これらも総合感冒薬の成分として利用されている。
【0005】
ところが、本発明者がベラドンナ総アルカロイドをデキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物およびアンブロキソール塩酸塩とともに配合しようとしたところ、これらを含む組成物が経時的に凝集することがあり、安定性の面で改善の余地があることが新たに見出された。
【0006】
そこで、本発明は、組成物中に、ベラドンナ総アルカロイド、デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物およびアンブロキソール塩酸塩を安定に配合する技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、以下の医薬用固形組成物および医薬用固形組成物の安定性改善方法が提供される。
[1] 成分(A):ベラドンナ総アルカロイドと、成分(B):デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物と、成分(C):アンブロキソール塩酸塩と、成分(D):トラネキサム酸および結晶セルロースの少なくとも一方と、を含有する、医薬用固形組成物。
[2] 前記成分(D)がトラネキサム酸である、[1]に記載の医薬用固形組成物。
[3] 当該医薬用固形組成物中の前記成分(A)~(C)の合計量に対する前記成分(D)の含有量((D)/((A)+(B)+(C)))が、質量比で0.3以上100以下である、[2]に記載の医薬用固形組成物。
[4] 前記成分(D)が結晶セルロースである、[1]に記載の医薬用固形組成物。
[5] 当該医薬用固形組成物中の前記成分(A)~(C)の合計量に対する前記成分(D)の含有量((D)/((A)+(B)+(C)))が、質量比で0.1以上100以下である、[4]に記載の医薬用固形組成物。
[6] 固形製剤である、[1]乃至[5]いずれか一つに記載の医薬用固形組成物。
[7] 前記固形製剤の剤形が、顆粒剤、素錠、フィルムコーティング錠または糖衣錠である、[6]に記載の医薬用固形組成物。
[8] 以下の成分(A)~(C)を含む医薬用固形組成物に以下の成分(D)を含有させることを含む、医薬用固形組成物の安定性改善方法。
(A)ベラドンナ総アルカロイド
(B)デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物
(C)アンブロキソール塩酸塩
(D)トラネキサム酸および結晶セルロースの少なくとも一方
【0008】
なお、これらの各構成の任意の組み合わせや、本発明の表現を方法、装置などの間で変換したものもまた本発明の態様として有効である。
たとえば、本発明によれば、たとえば、以下の成分(A)~(C)と、以下の成分(D)とを配合する工程を含む、医薬用固形組成物の製造方法を提供することもできる。
(A)ベラドンナ総アルカロイド
(B)デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物
(C)アンブロキソール塩酸塩
(D)トラネキサム酸および結晶セルロースの少なくとも一方
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、組成物中に、ベラドンナ総アルカロイド、デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物およびアンブロキソール塩酸塩を安定に配合することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について説明する。本実施形態において、組成物は、各成分をいずれも単独でまたは2種以上を組み合わせて含むことができる。
本明細書において、数値範囲を示す「~」は、以上、以下を表し、両端の数値をいずれも含む。
【0011】
(医薬用固形組成物)
本実施形態において、医薬用固形組成物は、以下の成分(A)~(D)を含む。
(A)ベラドンナ総アルカロイド
(B)デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物
(C)アンブロキソール塩酸塩
(D)トラネキサム酸および結晶セルロースの少なくとも一方
以下、各成分について説明する。
【0012】
(成分(A))
成分(A)は、ベラドンナ総アルカロイドである。成分(A)は、公知の化合物であり、公知の方法により製造できるほか、市販のものを用いることができる。
【0013】
医薬用固形組成物中の成分(A)の含有量は、限定されず、たとえば服用者の性別、年齢、症状等に応じて、適宜検討して決定すればよい。1日量として、通常0.01~5mgであり、好ましくは0.1~0.6mgである。
【0014】
(成分(B))
成分(B)は、デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物である。成分(B)は、公知の化合物であり、公知の方法により製造できるほか、市販のものを用いることができる。
【0015】
医薬用固形組成物中の成分(B)の含有量は、限定されず、たとえば服用者の性別、年齢、症状等に応じて、適宜検討して決定すればよい。1日量として、通常8~120mgであり、好ましくは16~48mgである。
【0016】
(成分(C))
成分(C)は、アンブロキソール塩酸塩である。成分(C)は、公知の化合物であり、公知の方法により製造できるほか、市販のものを用いることができる。
【0017】
医薬用固形組成物中の成分(C)の含有量は、限定されず、たとえば服用者の性別、年齢、症状等に応じて、適宜検討して決定すればよい。1日量として、通常7.5~60mgであり、好ましくは45mgである。
【0018】
(成分(D))
成分(D)は、トラネキサム酸および結晶セルロースの少なくとも一方である。医薬用固形組成物は、トラネキサム酸および結晶セルロースのいずれか一方を含んでもよいし、両方を含んでもよい。
【0019】
(トラネキサム酸)
トラネキサム酸は、公知の化合物であり、公知の方法により製造できるほか、市販のものを用いることができる。
【0020】
成分(D)がトラネキサム酸であるとき、医薬用固形組成物中の成分(A)~(C)の合計量に対する成分(D)の含有量((D)/((A)+(B)+(C)))は、医薬用固形組成物における凝集を抑制する観点から、質量比で好ましくは0.3以上であり、より好ましくは0.9以上、さらに好ましくは2.5以上である。
また、製剤の服用性向上の観点、および、製剤の大きさをより好適なものとする観点から、上記質量比((D)/((A)+(B)+(C)))は、好ましくは100以下であり、より好ましくは45以下、さらに好ましくは15以下である。
【0021】
(結晶セルロース)
結晶セルロースは、公知の成分であり、公知の方法により製造できるほか、市販のものを用いることができる。
【0022】
結晶セルロースの平均粒径は、医薬用固形組成物における凝集を抑制する観点から、好ましくは10μm以上であり、より好ましくは20μm以上、さらに好ましくは30μm以上であり、また、好ましくは200μm以下であり、より好ましくは170μm以下、さらに好ましくは100μm以下である。
ここで、結晶セルロースの平均粒径は、具体的にはレーザー回折・散乱法により求めた体積基準の粒度分布における算術平均値である体積平均径を意味する。たとえば、粒子径分布測定装置MT3300EX II(マイクロトラック・ベル社製)を使用し、乾式測定にて評価することができる。
【0023】
結晶セルロースの嵩密度は、医薬用固形組成物における凝集を抑制する観点から、好ましくは0.05cm3以上であり、より好ましくは0.09cm3以上であり、さらに好ましくは0.15cm3以上であり、また、好ましくは0.6cm3以下であり、より好ましくは0.5cm3以下であり、さらに好ましくは0.4cm3以下である。
ここで、結晶セルロースの嵩密度は、具体的には、第十八改正日本薬局方の結晶セルロースの項に記載のかさ密度の測定方法によって測定される。
【0024】
成分(D)が結晶セルロースであるとき、医薬用固形組成物中の成分(A)~(C)の合計量に対する成分(D)の含有量((D)/((A)+(B)+(C)))は、医薬用固形組成物における凝集を抑制する観点から、質量比で好ましくは0.1以上であり、より好ましくは0.15以上、さらに好ましくは0.3以上である。
また、製剤の服用性向上の観点、および、製剤の大きさをより好適なものとする観点から、上記質量比((D)/((A)+(B)+(C)))は、たとえば100以下であり、好ましくは45以下、さらに好ましくは15以下である。
【0025】
また、成分(D)がトラネキサム酸および結晶セルロースを含むとき、医薬用固形組成物中の成分(A)~(C)の合計量に対する成分(D)の総含有量((D)/((A)+(B)+(C)))は、医薬用固形組成物における凝集を抑制する観点から、質量比で好ましくは0.4以上であり、より好ましくは1以上、さらに好ましくは2以上、さらにより好ましくは5以上である。
また、製剤の服用性向上の観点、および、製剤の大きさをより好適なものとする観点から、上記質量比((D)/((A)+(B)+(C)))は、好ましくは200以下であり、より好ましくは85以下、さらに好ましくは30以下である。
【0026】
(その他成分)
医薬用固形組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、成分(A)~(D)以外の成分をさらに含んでもよい。たとえば医薬用固形組成物には、通常総合感冒薬に使用されているその他の成分を必要に応じて配合することができる。また、医薬用固形組成物には、たとえば、一般用医薬品製造販売承認基準に記載されている成分を配合することができる。かかる成分として、具体的には、解熱鎮痛剤、抗ヒスタミン剤、成分(B)以外の鎮咳剤、ノスカピン類、気管支拡張剤、成分(C)以外の去痰剤、成分(A)以外の抗コリン剤、抗炎症剤、カフェイン類、ビタミン類、胃粘膜保護剤、生薬類、催眠鎮静剤および漢方処方からなる群から選択される一種または二種以上を配合することができる。
【0027】
解熱鎮痛剤としては、たとえば、アスピリン、アスピリンアルミニウム、アセトアミノフェン、エテンザミド、サザピリン、サリチルアミド、ラクチルフェネチジン、イブプロフェン、イソプロピルアンチピリン、ロキソプロフェンナトリウム水和物、プラノプフェン、ジクロフェナクナトリウム、メフェナム酸、インドメタシンファルネシル、アセメタシン、エトドラク、ナプロキセン、メロキシカムおよびセレコキシブおよびチアラミド塩酸塩からなる群から選択される一または二以上の成分を配合することができる。
【0028】
抗ヒスタミン剤としては、たとえば、塩酸イソチペンジル、塩酸ジフェテロール、塩酸トリペレナミン、塩酸トンジルアミン、塩酸フェネタジン、塩酸メトジラジン、dl-クロルフェニラミンマレイン酸塩、クロルフェニラミンマレイン酸塩、d-クロルフェニラミンマレイン酸塩、ジフェニルジスルホン酸カルビノキサミン、ジフェニルピラリン塩酸塩、ジフェニルピラリンテオクル酸塩、ジフェンヒドラミン塩酸塩、ジフェンヒドラミンサリチル酸塩、酒石酸アリメマジン、タンニン酸ジフェンヒドラミン、トリプロリジン塩酸塩水和物、ナパジシル酸メブヒドロリン、プロメタジンメチレン二サリチル酸塩、マレイン酸カルビノキサミン、リン酸ジフェテロール、クレマスチンフマル酸塩、メキタジン、ケトチフェンフマル酸塩、プロメタジン塩酸塩、エピナスチン塩酸塩、エメダスチンフマル酸塩、フェキソフェナジン、アゼラスチン塩酸塩、セチリジン塩酸塩およびオロパタジン塩酸塩からなる群から選択される一または二以上の成分を配合することができる。
【0029】
成分(B)以外の鎮咳剤としては、たとえば、塩酸アロクラミド、クロペラスチン塩酸塩、クロペラスチンフェンジゾ酸塩、コデインリン酸塩水和物、ジヒドロコデインリン酸塩、ジブナートナトリウム、デキストロメトルファン、クエン酸チペピジン、チペピジンヒベンズ酸塩、ジメモルファンリン酸塩、エプラジノン塩酸塩、ペントキシベリンクエン酸塩、ベンプロペリンリン酸塩およびクロフェダノール塩酸塩からなる群から選択される一または二以上の成分を配合することができる。
【0030】
ノスカピン類としては、たとえば、ノスカピンおよびノスカピン塩酸塩水和物からなる群から選択される一または二以上の成分を配合することができる。
【0031】
気管支拡張剤としては、たとえば、dl-メチルエフェドリン塩酸塩、dl-メチルエフェドリンサッカリン塩、アミノフィリン、ジプロフィリン、テオフィリン、プロキシフィリン、dl-メチルエフェドリン、l-メチルエフェドリン塩酸塩、プソイドエフェドリン塩酸塩、トリメトキノール塩酸塩、フェニルプロパノールアミン塩酸塩、フェニレフリン塩酸塩、メトキシフェナミン塩酸塩およびイソプレナリン塩酸塩からなる群から選択される一または二以上の成分を配合することができる。
【0032】
成分(C)以外の去痰剤としては、たとえば、グアイフェネシン、グアヤコールスルホン酸カリウム、クレゾールスルホン酸カリウム、ブロムヘキシン塩酸塩、l-カルボシステイン、l-エチルシステイン塩酸塩、l-メチルシステイン塩酸塩、塩化アンモニウム、l-メントール、アンモニア・ウイキョウ精、桜皮エキス、メチルシステイン塩酸塩およびフドステインからなる群から選択される一または二以上の成分を配合することができる。
【0033】
成分(A)以外の抗コリン剤としては、たとえば、ロートエキス、ダツラエキスおよびヨウ化イソプロパミドからなる群から選択される一または二以上の成分を配合することができる。
【0034】
抗炎症剤としては、たとえば、グリチルリチン酸及びその塩類、セラペプターゼ、ブロメライン、セミアルカリプロティナーゼ、プロナーゼ、セアプローゼ、プロクターゼおよびリゾチーム塩酸塩からなる群から選択される一または二以上の成分を配合することができる。
【0035】
カフェイン類としては、たとえば、安息香酸ナトリウムカフェイン、カフェイン水和物および無水カフェインからなる群から選択される一または二以上の成分を配合することができる。
【0036】
ビタミン類としては、たとえば、チアミン、チアミン塩化物塩酸塩、チアミン硝化物、ジセチアミン塩酸塩、セトチアミン塩酸塩、フルスルチアミン、フルスルチアミン塩酸塩、オクトチアミン、シコチアミン、チアミンジスルフィド、ビスイブチアミン、ビスベンチアミン、プロスルチアミンおよびベンフォチアミン等のビタミンB1およびその誘導体ならびにそれらの塩類;リボフラビン、リボフラビンリン酸エステル、リボフラビン酪酸エステルおよびリン酸リボフラビンナトリウム等のビタミンB2およびその誘導体ならびにそれらの塩類;パントテン酸、パンテノール、パンテチン、パントテン酸カルシウムおよびパントテン酸ナトリウム等のビタミンB5およびその誘導体ならびにそれらの塩類;ピリドキシン塩酸塩およびピリドキサールリン酸エステル等のビタミンB6およびその誘導体ならびにそれらの塩類;シアノコバラミンおよびメコバラミン等のビタミンB12およびその誘導体ならびにそれらの塩類;アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウムおよびアスコルビン酸カルシウム等のビタミンCおよびその誘導体ならびにそれらの塩類;ならびに、ヘスペリジンおよびその誘導体ならびにそれらの塩類からなる群から選択される一または二以上の成分を配合することができる。
【0037】
胃粘膜保護剤としては、たとえば、グリシン、ケイ酸マグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム、合成ヒドロタルサイト、酸化マグネシウム、ジヒドロキシアルミニウムアルノアセテート(アルミニウムグリシネート)、水酸化アルミニウムゲル、乾燥水酸化アルミニウムゲル、水酸化アルミニウム・炭酸水素ナトリウムの共沈生成物、水酸化アルミニウム・炭酸マグネシウム混合乾燥ゲル、水酸化アルミニウム・炭酸マグネシウム・炭酸カルシウムの共沈物、水酸化マグネシウム・硫酸アルミニウムカリウムの共沈生成物、炭酸マグネシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、アルジオキサ、銅クロロフィリンナトリウム、銅クロロフィリンカリウム、メチルメチオニンスルホニウムクロリド、スクラルファート、セトラキサート塩酸塩、ソファルコン、ゲファルナート、テプレノンおよびレバミピドからなる群から選択される一または二以上の成分を配合することができる。
【0038】
生薬類としては、たとえば、マオウ、ナンテンジツ、オウヒ、オンジ、カンゾウ、キキョウ、シャゼンシ、シャゼンソウ、セキサン(石蒜)、セネガ、バイモ、ウイキョウ、オウバク、オウレン、ガジュツ、カミツレ、ケイヒ、ゲンチアナ、ゴオウ、獣胆(ユウタンを含む。)、シャジン、ショウキョウ、ソウジュツ、チョウジ、チンピ、ビャクジュツ、ジリュウ、チクセツニンジン、ニンジン、アカメガシワ、アセンヤク、インヨウカク、エンゴサク、オウゴン、オウセイ、カノコソウ、カロニン、キョウニン、クコシ、クコヨウ、ケイガイ、ケツメイシ、ゲンノショウコ、コウジン、コウブシ、ゴミシ、サイシン、サンショウ、シオン、ジコッピ、シャクヤク、ジャコウ、シンイ、センキュウ、ゼンコ、センブリ、ソウハクヒ、ソヨウ、タイサン、トウキ、トコン、バクモンドウ、ハンゲ、バンコウカ、ハンピ、ビャクシ、ブクリョウ、ボウイ、ボタンピ、ボレイ、ロクジョウ等の生薬およびこれらの抽出物(エキス、チンキ、乾燥エキス等)からなる群から選択される一または二以上の成分を配合することができる。
【0039】
催眠鎮静剤としては、たとえば、ブロムワレリル尿素およびアリルイソプロピルアセチル尿素からなる群から選択される一または二以上の成分を配合することができる。
【0040】
また、漢方処方としては、たとえば、葛根湯、葛根湯加桔梗、桂枝湯、香蘇散、柴胡桂枝湯、小柴胡湯、小青竜湯、麦門冬湯、半夏厚朴湯、麻黄湯およびこれらの抽出物(エキス、チンキ、乾燥エキス等)を配合することができる。
【0041】
さらに、医薬用固形組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、製剤を製造するために必要な医薬品添加物を配合することができる。たとえば、医薬品添加物として、薬食審査発1204第1号(薬事行政法令)、医薬品添加物辞典2021(日本医薬品添加剤協会編集、薬事日報社)および第8版食品添加物公定書(日本食品添加物協会)等に記載されているものを配合することができる。具体的には、賦形剤、結合剤、崩壊剤、崩壊補助剤、流動化剤、滑沢剤、可塑剤、コーティング剤、糖衣剤、光沢化剤、着色剤、矯味剤、甘味剤、香料、および、着香剤・香料からなる群から選択される一または二以上の成分を医薬用固形組成物に配合することができる。
【0042】
賦形剤としては、たとえば、アメ粉、アルファー化デンプン、イソマルト、カカオ脂、加水分解デンプン乾燥物、カラメル、カルメロース、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリウム、含水二酸化ケイ素、含水無結晶酸化ケイ素、乾燥水酸化アルミニウムゲル、乾燥バレイショデンプン、カンゾウ末、カンテン、カンテン末、寒梅粉、キシリトール、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、軽質無水ケイ酸、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイヒ末、合成ケイ酸アルミニウム、合成ヒドロタルサイト、コムギデンプン、米粉、コメデンプン、β-シクロデキストリン、重質無水ケイ酸、水酸化アルミナマグネシウム、水酸化アルミニウムゲル、水酸化アルミニウム・炭酸水素ナトリウム共沈物、水酸化アルミニウム・炭酸マグネシウム・炭酸カルシウム共沈物、水酸化マグネシウム、D-ソルビトール、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、沈降炭酸カルシウム、低置換度カルボキシメチルスターチナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、デンプングリコール酸ナトリウム、トウモロコシデンプン、トウモロコシデンプン造粒物、トレハロース水和物、二酸化ケイ素、乳糖水和物、乳糖造粒物、白糖、バレイショデンプン、ヒドロキシプロピルスターチ、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース(2208)、ヒプロメロース(2906)、ヒプロメロース(2910)、ヒプロメロースフタル酸エステル(200731)、ヒプロメロースフタル酸エステル(220824)、微粒二酸化ケイ素、部分アルファー化デンプン、プルラン、粉糖、粉末還元麦芽糖水アメ、粉末セルロース、粉末セルロース(平均重合度:800~1100)、ポビドン(K25)、ポビドン(K30)、ポビドン(K90)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、ポリオキシエチレン(105)ポリオキシプロピレン(5)グリコール、ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコール、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム、ポリソルベート80、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、ポリビニルアルコール・ジエチレングリコール混合物、マルチトール、マルトース水和物、D-マンニトール、D-マンニトール・クロスポビドン・D-ソルビトール・含水二酸化ケイ素混合物、無水ケイ酸水和物、無水乳糖、無水リン酸水素カルシウム、無水リン酸水素カルシウム造粒物、メタクリル酸コポリマーLD、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、メチルアクリレート・メタクリル酸コポリマー、メチルアクリレート・メチルメタクリレート、メチルセルロース、リン酸水素カルシウム水和物、リン酸水素カルシウム造粒物、リン酸水素ナトリウム水和物、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素カルシウム水和物、リン酸二水素ナトリウムおよびエリスリトールからなる群から選択される一または二以上の成分を配合することができる。
【0043】
結合剤としては、たとえば、アラビアゴム、アラビアゴム末、カンテン、カンテン末、寒梅粉、コポリビドン、ゼラチン、セラック、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、トウモロコシデンプン、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルスターチ、ヒドロキシプロピルセルロース、ビニルピロリドン・酢酸ビニル共重合体、ヒプロメロース(2208)、ヒプロメロース(2906)、ヒプロメロース(2910)、ヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル、ヒプロメロースフタル酸エステル(200731)、ヒプロメロースフタル酸エステル(220824)、フマル酸・ステアリン酸・ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート・ヒドロキシプロピルセルロース2910混合物、プルラン、ポビドン(K25)、ポビドン(K30)、ポビドン(K90)、ポリビニルアルコール(完全ケン化物)、ポリビニルアルコール(部分ケン化物)、ポリビニルアルコール・ポリエチレングリコール・グラフトポリマー、メタクリル酸コポリマーL、メタクリル酸コポリマーLD、メタクリル酸コポリマーS、メタクリル酸ブチル・メタクリル酸メチルコポリマー、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムおよびメチルセルロースからなる群から選択される一または二以上の成分を配合することができる。
【0044】
崩壊剤としては、たとえば、アルファー化デンプン、カルメロース、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、低置換度カルボキシメチルスターチナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、デンプングリコール酸ナトリウム、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、ヒドロキシプロピルスターチおよび部分アルファー化デンプンからなる群から選択される一または二以上の成分を配合することができる。
【0045】
崩壊補助剤としては、たとえば、カルメロース、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、軽質無水ケイ酸、デンプングリコール酸ナトリウムおよびヒドロキシプロピルスターチからなる群から選択される一または二以上の成分を配合することができる。
【0046】
流動化剤としては、たとえば、含水二酸化ケイ素、軽質無水ケイ酸、合成ケイ酸アルミニウム、重質無水ケイ酸、水酸化アルミナマグネシウム、第三リン酸カルシウム、タルク、トウモロシデンプン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムおよびリン酸水素カルシウム造粒物からなる群から選択される一または二以上の成分を配合することができる。
【0047】
滑沢剤としては、たとえば、含水二酸化ケイ素、含水無晶形酸化ケイ素、グリセリン脂肪酸エステル、ケイ酸マグネシウム、軽質無水ケイ酸、硬化油、重質無水ケイ酸、ショ糖脂肪酸エステル、ステアリルアルコール、ステアリン酸、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ポリオキシル40、ステアリン酸マグネシウム、ダイズ硬化油、タルク、フマル酸ステアリルナトリウム、ミツロウ、無水ケイ酸水和物、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムおよびモノステアリン酸グリセリンからなる群から選択される一または二以上の成分を配合することができる。
【0048】
可塑剤としては、たとえば、クエン酸トリエチル、グリセリン、グリセリン脂肪酸エステル、中鎖脂肪酸トリグリセリド、トリアセチン、濃グリセリン、ヒマシ油、プロピレングリコール、ポリオキシエチレン(105)ポリオキシプロピレン(5)グリコール、ポリソルベート80、マクロゴール400、マクロゴール600、マクロゴール1500、マクロゴール4000、マクロゴール6000、マクロゴール6000NF、モノステアリン酸グリセリン、リノール酸イソプロピルおよび流動パラフィンからなる群から選択される一または二以上の成分を配合することができる。
【0049】
コーティング剤としては、たとえば、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチルコポリマー分散液、アセチルグリセリン脂肪酸エステル、アミノアルキルメタクリレートコポリマーE、アラビアゴム、アラビアゴム末、アンモニオアルキルメタクリレートコポリマー、エチルセルロース、エチルセルロース水分散液、オクチルデシルトリグリセリド、オパドライOY-6950、オパドライOY-L-28900、オパドライOY-LS-20291、オパドライOY-LS-23016、オパドライOY-S-7135、オパドライOY-S-8471、オパドライOY-S-9607、オパドライOY-S-22829、オパドライOY-S-22835、オパドライOY-S-22961、オパドライOY-S-28924、オパドライYS-1-7003白、オパドライYS-1-12524-A、オパドライYS-1-14762-A、オパドライYS-1-15585-A、オパドライYS-1-19025A、オパドライYS-2-19114-A、オパドライIIイエロー、オパドライクリアー(YS-2-19114-A)、オパドライIIグレイ85F17659、オパドライ白03K280000、オパドライピンク(02F34337)、オパドライIIピンク、オパドライIIピンク85F97191、オパドライIIブルー(85G20427)、オパドライIIベージュ85F17438、オパドライホワイト(15B180002)、オパドライホワイトOY-LS-28914、オパドライホワイトYS-1-18177-A、オパドライホワイト(YS-1-18202-A)、オパドライIIホワイト(33G28523)、オパドライIIホワイト(85F28751)、オパドライIIホワイト(OY-LS-28914)、オパドライIIライトブルー(85G20426)、オパドライIIライトベージュ85F17498、オパドライIIレッド(32K15441)、カルナウバロウ、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリウム、含水二酸化ケイ素、乾燥水酸化アルミニウムゲル、乾燥メタクリル酸コポリマーLD、クエン酸トリエチル、グリセリン、グリセリン脂肪酸エステル、ケイ酸マグネシウム、軽質無水ケイ酸、軽質無水ケイ酸含有ヒドロキシプロピルセルロース、合成ケイ酸アルミニウム、合成ヒドロタルサイト、酸化チタン、酸化マグネシウム、ジメチルアミノエチルメタアクリレート・メチルメタアクリレートコポリマー、ショ糖脂肪酸エステル、水酸化アルミニウムゲル、ステアリルアルコール、ステアリン酸、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ポリオキシル40、ステアリン酸マグネシウム、精製ゼラチン、精製セラック、精製白糖、ゼラチン、セラック、D-ソルビトール、D-ソルビトール液、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、沈降炭酸カルシウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、濃グリセリン、白色セラック、白糖、パラフィン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910・酸化チタン・マクロゴール混合物、ヒプロメロース(2208)、ヒプロメロース(2906)、ヒプロメロース(2910)、ヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル、ヒプロメロースフタル酸エステル(200731)、ヒプロメロースフタル酸エステル(220824)、フマル酸・ステアリン酸・ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート・ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910混合物、プルラン、プレミックス添加剤Opadry White、ベントナイト、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油40、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、ポリオキシエチレン(105)ポリオキシプロピレン(5)グリコール、ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコール、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム、ポリソルベート80、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、ポリビニルアルコール(部分ケン化物)、マクロゴール300、マクロゴール400、マクロゴール600、マクロゴール1500、マクロゴール1540、マクロゴール4000、マクロゴール6000、マクロゴール6000EP、マクロゴール20000、マクロゴール35000、D-マンニトール、無水クエン酸、無水ケイ酸水和物、無水フタル酸、無水リン酸水素カルシウム、メタクリル酸コポリマーL、メタクリル酸コポリマーLD、メタクリル酸コポリマーS、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、メチルメタクリレート・メタアクリル酸・メチルメタアクリレートコポリマー、モノステアリン酸アルミニウム、モノステアリン酸グリセリン、モノステアリン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、硫酸カルシウム、フマル酸、DL-リンゴ酸、エリスリトールおよび結晶セルロース(前述の成分(D))からなる群から選択される一または二以上の成分を配合することができる。
【0050】
糖衣剤としては、たとえば、アラビアゴム、アラビアゴム末、エチルセルロース、カルナウバロウ、カルメロースナトリウム、酸化チタン、ステアリン酸、ステアリン酸ポリオキシル40、精製ゼラチン、精製セラック、精製白糖、ゼラチン、セラック、タルク、沈降炭酸カルシウム、白色セラック、白糖、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース(2208)、ヒプロメロース(2910)、プルラン、ポビドン(K25)、ポビドン(K30)、ポビドン(K90)、ポリオキシエチレン(105)ポリオキシプロピレン(5)グリコール、ポリビニルアルコール(部分ケン化物)、マクロゴール1500、マクロゴール4000、マクロゴール6000、D-マンニトール、エリスリトールおよび結晶セルロース(前述の成分(D))からなる群から選択される一または二以上の成分を配合することができる。
【0051】
光沢化剤としては、たとえば、カルナウバロウ、精製セラック、マクロゴール400、マクロゴール1500、マクロゴール4000、マクロゴール6000およびミツロウからなる群から選択される一または二以上の成分を配合することができる。
【0052】
着色剤としては、たとえば、黄酸化鉄、黄色5号プレミックス、褐色酸化鉄、カーボンブラック、カラメル、β-カロテン、カンゾウエキス、黒酸化鉄、酸化チタン、三二酸化鉄、三二酸化鉄・グリセリン懸濁液、食用青色1号、食用青色2号アルミニウムレーキ、食用黄色4号、食用黄色4号アルミニウムレーキ、食用黄色5号、食用赤色2号、食用赤色3号、食用赤色102号、銅クロロフィリンナトリウム、銅クロロフィル、リボフラビン、リボフラビン酪酸エステル、リボフラビンリン酸エステルナトリウム、緑茶末およびローズ油からなる群から選択される一または二以上の成分を配合することができる。
【0053】
矯味剤としては、たとえば、エリスリトール、塩化ナトリウム、オウバク末、オウヒエキス、オウレン、オウレン末、オノニス根乾燥エキス、オレンジ、オレンジ油、カカオ末、果糖、カラメル、カンゾウ、カンゾウエキス、カンゾウ粗エキス、カンゾウ末、キシリトール、クエン酸カルシウム、クエン酸水和物、クエン酸ナトリウム水和物、グリチルリチン酸、グリチルリチン酸三ナトリウム、グリチルリチン酸二アンモニウム、グリチルリチン酸二ナトリウム、グリチルリチン酸モノアンモニウム、L-グルタミン酸、L-グルタミン酸L-アルギニン、L-グルタミン酸塩酸塩、L-グルタミン酸ナトリウム、グレープフルーツエキス、黒砂糖、ケイヒチンキ、ケイヒ末、ケイヒ油、コンブ末、サッカリン、サッカリンナトリウム水和物、サフラン、サフランチンキ、サンショウチンキ、サンショウ末、酒石酸、D-酒石酸、酒石酸水素カリウム、DL-酒石酸ナトリウム、ショウキョウチンキ、ショウキョウ末、スクラロース、ステビアエキス、ステビア抽出精製物、精製カンゾウエキス末、精製白糖、センブリ、ソヨウ末、D-ソルビトール、タイソウ末、タウリン、タラクサシ根・草乾燥エキス、タンニン酸、チョウジチンキ、チョウジ油、チンピチンキ、トウガラシ、トウガラシチンキ、トウガラシ末、トウヒチンキ、トウヒ末、トレハロース水和物、ニガキ末、梅肉エキス、白糖、フラクトオリゴ糖、粉糖、ペパーミントパウダー、マルトース水和物、D-マンニトール、dl-メントール、l-メントール、メントールパウダー、リュウノウ、リュウノウ末、緑茶末、DL-リンゴ酸、DL-リンゴ酸ナトリウム、レモン油およびローズ油からなる群から選択される一または二以上の成分を配合することができる。
【0054】
甘味剤としては、たとえば、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、アマチャ、アマチャ末、還元麦芽糖水アメ、カンゾウ、カンゾウエキス、カンゾウ末、キシリトール、グリチルリチン酸二カリウム、グリチルリチン酸二ナトリウム、グリチルリチン酸モノアンモニウム、グリチルリチン酸モノカリウム、サッカリン、サッカリンナトリウム水和物、スクラロース、ステビアエキス、ステビア抽出精製物、精製白糖、精製白糖球状顆粒、白糖、粉末還元麦芽糖水アメ、マルチトール、D-マンニトールおよびエリスリトールからなる群から選択される一または二以上の成分を配合することができる。
【0055】
香料としては、たとえば、オレンジフレーバー、オレンジフレーバーパウダーSH-1171-A、オレンジミクロンH-800092、ガラナエキス、香料(スイートオレンジ)、香料(ストロベリー)、香料(レモン)、黒糖フレーバー、ストロベリーエッセンス、ストロベリーフレーバーB86173、チェリーフレーバー181612、デントミント1148J、バナナパウダーフレーバー、ピーチエッセンス、ヒノキ6E-84211、ブラックカレントフレーバー290012SYM、フルーツエッセンス、ペパーミントNAEFCOPO551957685、ペパーミントミクロンH-81550、ミックスフレーバーパウダー、メロンパウダーフレーバー、l-メントールおよびメントールL163592SYMからなる群から選択される一または二以上の成分を配合することができる。
【0056】
着香剤・香料としては、たとえば、ウイキョウ末、ウイキョウ油、エチルバニリン、オレンジ、オレンジエキス、オレンジエッセンス、オレンジ油、カミツレ油、カラメル、カンゾウ末、d-カンフル、dl-カンフル、ケイヒ末、ケイヒ油、シトロネラー油、シュガーフレーバー、スペアミント油、チェリーフレーバー、チョウジ油、チリフレーバー、トウヒチンキ、トウヒ油、パインオイル、ハッカ油、バニラフレーバー、バニリン、ビターエッセンス、ビタベース、ヒマラヤスギ油、フルーツフレーバー、フレーバーG1、ヘスペリジンペパーミントエッセンス、ベルガモット油、ベルモットフレーバー、d-ボルネオール、dl-ボルネオール、マッチャ、ミックスフレーバー、ミントフレーバー、dl-メントール、l-メントール、ユーカリ油、ラベンダー油、リュウノウ、リュウノウ末、レモンパウダー、レモン油、ローズ水、ローズ油、ロート油およびローマカミツレ油からなる群から選択される一または二以上の成分を配合することができる。
【0057】
(固形製剤)
また、医薬用固形組成物は、具体的には固形製剤である。
固形製剤の剤形は、限定されず、たとえばカプセル剤、丸剤、顆粒剤、細粒剤、散剤、および錠剤が挙げられる。これらの固形製剤は、必要に応じて公知の方法により、糖衣やフィルムコーティング等により被覆されていてもよい。固形製剤の剤形は、好ましくは素錠、フィルムコーティング錠、糖衣錠、顆粒剤、細粒剤またはカプセル剤であり、より好ましくは顆粒剤、素錠、フィルムコーティング錠または糖衣錠である。
また、固形製剤は好ましくは経口投与製剤である。
固形製剤が被覆層を有するとき、成分(D)は、成分(A)~(C)とともに素錠中に配合されることが好ましい。また、成分(D)が素錠および被覆層に配合されてもよい。
【0058】
(製造方法)
本実施形態において、医薬用固形組成物は、たとえば成分(A)~(C)、成分(D)、および適宜その他の成分を配合する工程を含む。
さらに具体的には、医薬用固形組成物は、その剤形に応じて第十八改正日本薬局方等に記載された方法に従って製造し、製剤とすることができる。
たとえば、医薬用固形組成物の剤形が錠剤の場合、日本薬局方製剤総則「錠剤」の項に準じて製造することができる。また、医薬用固形組成物の剤形が顆粒剤の場合、日本薬局方製剤総則「顆粒剤」の項に準じて製造することができる。
また、医薬用固形組成物に配合される成分・添加物の配合禁忌等を回避する観点、および、組成物の保存安定性をさらに向上する観点から、適宜、顆粒分け、多層化等により、所定の成分が互いに接触しないように製剤化してもよい。
【0059】
医薬用固形組成物、具体的には固形製剤の包装形態については、適宜、瓶包装、SP包装(Strip Package)、スティック包装、PTP(Press Through Package)、パウチ包装等とすることができる。これらにより一旦包装して気密保存してもよい。さらにそれらをピロー包装してもよい。また、それらを箱等に格納してもよい。SP包装、スティック包装、PTP包装、ピロー包装に用いられる材料としては、限定されず、たとえば、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリエチレン、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンフィルム等の単層の樹脂フィルムやこれら樹脂フィルムを組み合わせた複層のフィルムやこれら樹脂フィルムにアルミニウム箔を付着させたものを用いることができる。複層のフィルムはたとえばラミネートフィルムとしてもよい。さらに、必要に応じて乾燥剤、脱酸素剤や脱臭剤とともに封入することができる。
【0060】
本実施形態において得られる医薬用固形組成物は、成分(A)~(C)を含むとともに、成分(D)を含むため、成分(A)~(C)を組成物中に配合する際に生じる凝集を効果的に抑制することができ、保存安定性に優れる。また、本実施形態によれば、たとえば、医薬用固形組成物の崩壊性の低下、外観の劣化、または、服用性の悪化を低減することも可能となる。
また、本実施形態において、医薬用固形組成物の安定性改善方法は、成分(A)~(C)を含む医薬用固形組成物に成分(D)を含有させることを含む。
【0061】
また、本実施形態において、医薬用固形組成物は、たとえば総合感冒薬として好適に用いることができる。たとえば、各種成分を添加することで、かぜの諸症状、中でも発熱、悪寒、頭痛、のどの痛み、鼻水、鼻づまり、せき、たん、関節の痛み、筋肉の痛み、くしゃみ等の症状を有する患者に対し、これらの症状を緩和するために投与することができる。
【0062】
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【実施例0063】
以下、実施例および比較例を挙げて本実施形態を具体的に説明するが、本実施形態はこれらの実施例に限定されるものではない。
また、以下の略語を適宜用いる(表1)。
AMB:アンブロキソール塩酸塩
BTA:ベラドンナ総アルカロイド
DXM:デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物
TXA:トラネキサム酸
MCC:結晶セルロース
【0064】
(試験例1)アンブロキソール塩酸塩とベラドンナ総アルカロイドとデキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物の混合末の凝集程度の確認
以下の各例に示す混合物のサンプルをそれぞれ調製後、ガラス瓶(1K規格瓶)に入れて、60℃密栓で保存し、1週間後の混合物の状態を評価し、性状変化(相互作用)の有無を確認した。
【0065】
性状変化の評価は、-:変化なし(粉末:流動性あり)、+:わずかな変化あり(軽い凝集:軽い振動で粉末状に崩れる)、++:変化あり(凝集:振動では崩れないが、軽く押しつぶすと粉末状に崩れる)、+++:著しい変化あり(強固な凝集:強く押しつぶすと小さな凝集と粉末状に崩れる)の4段階で行った。各例の評価結果を表1に示す。
【0066】
(対照例1)
アンブロキソール塩酸塩(陽進堂社製)のみをガラス瓶(1K規格瓶)に入れて試験を行った。
【0067】
(対照例2)
ベラドンナ総アルカロイド(アルプス薬品工業社製)のみをガラス瓶(1K規格瓶)に入れて試験を行った。
【0068】
(対照例3)
デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物(アルプス薬品工業社製)のみをガラス瓶(1K規格瓶)に入れて試験を行った。
【0069】
(対照例4)
アンブロキソール塩酸塩(陽進堂社製)とベラドンナ総アルカロイド(アルプス薬品工業社製)を質量比で45:0.6で混合し、サンプルを作製した。
【0070】
(対照例5)
アンブロキソール塩酸塩(陽進堂社製)とデキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物(アルプス薬品工業社製)を質量比で45:48で混合し、サンプルを作製した。
【0071】
(比較例1)
アンブロキソール塩酸塩(陽進堂社製)とベラドンナ総アルカロイド(アルプス薬品工業社製)とデキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物(アルプス薬品工業社製)を質量比で45:0.6:48で混合し、サンプルを作製した。
【0072】
(実施例1)
アンブロキソール塩酸塩(陽進堂社製)とベラドンナ総アルカロイド(アルプス薬品工業社製)とデキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物(アルプス薬品工業社製)とトラネキサム酸(Hunan Dongting Pharmaceutical社製)を質量比で45:0.6:48:420で混合し、サンプルを作製した。
【0073】
(実施例2)
アンブロキソール塩酸塩(陽進堂社製)とベラドンナ総アルカロイド(アルプス薬品工業社製)とデキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物(アルプス薬品工業社製)とトラネキサム酸(Hunan Dongting Pharmaceutical社製)を質量比で45:0.6:48:750で混合し、サンプルを作製した。
【0074】
(実施例3)
アンブロキソール塩酸塩(陽進堂社製)とベラドンナ総アルカロイド(アルプス薬品工業社製)とデキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物(アルプス薬品工業社製)とトラネキサム酸(Hunan Dongting Pharmaceutical社製)を質量比で45:0.6:48:1500で混合し、サンプルを作製した。
【0075】
(実施例4)
アンブロキソール塩酸塩(陽進堂社製)とベラドンナ総アルカロイド(アルプス薬品工業社製)とデキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物(アルプス薬品工業社製)と結晶セルロース(セオラスPH-101:旭化成社製)を質量比で45:0.6:48:420で混合し、サンプルを作製した。ここで、結晶セルロースとして用いたセオラスPH-101(旭化成社製)の平均粒子径は50μmであり、嵩密度は0.26~0.31g/cmである。
【0076】
(実施例5)
アンブロキソール塩酸塩(陽進堂社製)とベラドンナ総アルカロイド(アルプス薬品工業社製)とデキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物(アルプス薬品工業社製)と結晶セルロース(セオラスPH-101:旭化成社製)を質量比で45:0.6:48:750で混合し、サンプルを作製した。
【0077】
(比較例2)
アンブロキソール塩酸塩(陽進堂社製)とベラドンナ総アルカロイド(アルプス薬品工業社製)とデキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物(アルプス薬品工業社製)と乳糖水和物(Pharmatose200M:DFE Pharma社製)を質量比で45:0.6:48:420で混合し、サンプルを作製した。
【0078】
(比較例3)
アンブロキソール塩酸塩(陽進堂社製)とベラドンナ総アルカロイド(アルプス薬品工業社製)とデキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物(アルプス薬品工業社製)と乳糖水和物(Pharmatose200M:DFE Pharma社製)を質量比で45:0.6:48:750で混合し、サンプルを作製した。
【0079】
(実施例6)
アンブロキソール塩酸塩(陽進堂社製)とベラドンナ総アルカロイド(アルプス薬品工業社製)とデキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物(アルプス薬品工業社製)と結晶セルロース(セオラスPH-101:旭化成社製)を質量比で45:0.6:48:1500で混合し、サンプルを作製した。
【0080】
(実施例7)
アンブロキソール塩酸塩(陽進堂社製)とベラドンナ総アルカロイド(アルプス薬品工業社製)とデキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物(アルプス薬品工業社製)とトラネキサム酸(Hunan Dongting Pharmaceutical社製)と結晶セルロース(セオラスPH-101:旭化成社製)を質量比で45:0.6:48:140:1500で混合し、サンプルを作製した。
【0081】
(実施例8)
アンブロキソール塩酸塩(陽進堂社製)とベラドンナ総アルカロイド(アルプス薬品工業社製)とデキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物(アルプス薬品工業社製)とトラネキサム酸(Hunan Dongting Pharmaceutical社製)と結晶セルロース(セオラスPH-101:旭化成社製)を質量比で45:0.6:48:1500:20で混合し、サンプルを作製した。
【0082】
(実施例9)
アンブロキソール塩酸塩(陽進堂社製)とベラドンナ総アルカロイド(アルプス薬品工業社製)とデキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物(アルプス薬品工業社製)とトラネキサム酸(Hunan Dongting Pharmaceutical社製)と結晶セルロース(セオラスPH-101:旭化成社製)を質量比で45:0.6:48:1500:1500で混合し、サンプルを作製した。
【0083】
【表1】
【0084】
表1より、各実施例においては、比較例に対して、サンプルの凝集が抑制され、安定性に優れることが確認された。
【0085】
(製剤例1~51)
固形製剤の例を以下の表2~表8に示す。
【0086】
【表2】
【0087】
【表3】
【0088】
【表4】
【0089】
【表5】
【0090】
【表6】
【0091】
【表7】
【0092】
【表8】