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特開2023-104007通信制御方法、及びその方法を用いた通信制御システム
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  • 特開-通信制御方法、及びその方法を用いた通信制御システム 図1
  • 特開-通信制御方法、及びその方法を用いた通信制御システム 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023104007
(43)【公開日】2023-07-28
(54)【発明の名称】通信制御方法、及びその方法を用いた通信制御システム
(51)【国際特許分類】
   H04M 3/51 20060101AFI20230721BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20230721BHJP
   H04L 65/1069 20220101ALI20230721BHJP
【FI】
H04M3/51
H04M11/00 302
H04L65/1069
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022004734
(22)【出願日】2022-01-15
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVASCRIPT
(71)【出願人】
【識別番号】516000790
【氏名又は名称】株式会社アースワークス
(71)【出願人】
【識別番号】721012302
【氏名又は名称】株式会社POWERPLUG
(74)【代理人】
【識別番号】100119297
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 正男
(74)【代理人】
【識別番号】100112140
【弁理士】
【氏名又は名称】塩島 利之
(74)【代理人】
【識別番号】100122312
【弁理士】
【氏名又は名称】堀内 正優
(72)【発明者】
【氏名】小西康弘
(72)【発明者】
【氏名】川島輝彰
【テーマコード(参考)】
5K201
【Fターム(参考)】
5K201BA13
5K201CA02
5K201CA06
5K201CA10
5K201CB05
5K201EA05
5K201EC03
5K201EC04
5K201EC06
5K201EF10
(57)【要約】      (修正有)
【課題】コールセンターのオペレータと無料で音声通話をすることができ、音声通話のセッションと、ビデオ通信のセッションとを、別々に確立する通信制御システムを提供する。
【解決手段】通信制御システムSにおいて、通信制御サーバ20は、ユーザ端末に表示されるWebページの通話アイコンの押下により、ユーザ端末にインターネットを介した音声通話を可能とする電話番号を生成し、電話番号を含む発呼データを事業所の構内電話交換機36に送信する。構内電話交換機は、予め定められた手順でオペレータ31の電話機を発呼し、オペレータの応答により、通信制御サーバを介してユーザ端末と電話機との音声通話のセッションを確立し、オペレータが操作するオペレータ端末と電話機との紐づけと、オペレータ端末からのビデオ接続要求に対するユーザの承諾とにより、通信制御サーバを介してオペレータ端末とユーザ端末との間でビデオ通信のセッションを確立する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
Webブラウザ機能を有するユーザ端末により通信制御サーバへ接続することで、ユーザと所望の事業所のオペレータとの間で、音声通話とビデオ通信のセッションをそれぞれ確立させる通信制御方法において、
前記通信制御サーバは、前記ユーザ端末に表示されるWebページの通話アイコンの押下により、前記ユーザ端末にインターネットを介した音声通話を可能とする電話番号を生成し、前記電話番号を含む発呼データを前記事業所の構内電話交換機に送信し、
前記構内電話交換機は、予め定められた手順で前記オペレータの電話機を発呼し、
前記オペレータの応答により、前記通信制御サーバを介して前記ユーザ端末と前記電話機との音声通話のセッションが確立され、
前記オペレータが操作するオペレータ端末と前記電話機との紐づけと、前記オペレータ端末からのビデオ接続要求に対する前記ユーザの承諾とにより、前記通信制御サーバを介して前記オペレータ端末と前記ユーザ端末との間でビデオ通信のセッションが確立されることを特徴とする通信制御方法。
【請求項2】
前記オペレータ端末と前記電話機との紐づけは、前記構内電話交換機の備えるコンピュータ・テレフォニー・インテグレーション、又は前記オペレータ端末への前記電話番号の入力であることを特徴とする請求項1に記載の通信制御方法。
【請求項3】
前記通信制御サーバは、所定時間、前記ユーザ端末の表示画面に前記Webページが非表示になっていることを感知すると、前記ユーザ端末と前記オペレータの電話機とに警告音を送ることを特徴とする請求項1または2に記載の通信制御方法。
【請求項4】
前記事業所がコールセンターであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載する通信制御方法。
【請求項5】
Webブラウザ機能を有するユーザ端末と、ユーザが所望する事業所のオペレータが操作するオペレータ端末との間で、音声通話とビデオ通信のセッションをそれぞれ確立させる通信制御サーバを備えた通信制御システムにおいて、
前記通信制御サーバは、前記ユーザ端末の画面に前記オペレータとの通話を要求する通話アイコンを表示させるWebサーバと、前記Webサーバと連携し前記通話アイコンの押下により、インターネットを介した音声通話が可能となるよう前記ユーザ端末の電話番号を生成し、前記電話番号を含む発呼データを前記事業所の構内電話交換機に送信する手段を有する音声サーバと、前記ユーザ端末と前記オペレータ端末との間でビデオ通信のセッションを確立するビデオサーバとを備え、
前記構内電話交換機は、前記発呼データに基づき予め定められた手順で前記オペレータの電話機を発呼し、前記オペレータの応答により前記音声サーバと前記電話機とを接続する手段と、前記オペレータ端末と前記電話機とを紐づける手段とを有し、
前記音声サーバは、前記電話機の接続により、前記ユーザ端末と前記電話機との音声通話のセッションを確立する手段を有し、
前記ビデオサーバは、前記オペレータ端末からのビデオ接続要求に対する前記ユーザの承諾により、前記ユーザ端末と前記オペレータ端末との間でビデオ通信のセッションを開始する手段を有することを特徴とする通信制御システム。
【請求項6】
前記紐づける手段は、コンピュータ・テレフォニー・インテグレーションであることを特徴とする請求項5に記載の通信制御システム。
【請求項7】
前記通信制御サーバは、所定時間、前記ユーザ端末の表示画面に前記Webページが非表示になっていることを感知すると、前記ユーザ端末と前記オペレータの電話機とに警告音を送る手段を備えたことを特徴とする請求項5又は6に記載の通信制御システム。
【請求項8】
前記事業所がコールセンターであることを特徴とする請求項5から7のいずれかに記載する通信制御システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、Webブラウザに表示されるアイコンをクリック等することにより、ユーザが所望する事業所のオペレータと、無料の音声通話とビデオ通信のセッションを、それぞれ別々に確立することができる通信制御方法、及びその方法を利用した通信制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
商品を製造販売等する企業や、宿泊予約、クレジット、宅配等のサービスを提供する業者、あるいは公共機関(以下、事業所)には、従来から商品やサービスに関する相談等に電話で応じるコールセンターが設けられている。ユーザ(利用者)からの電話は、コールセンターの構内電話交換機(PBX:Private Branch eXchange)を経由して、そこに属する何れかのオペレータが使用する電話機に着信し、オペレータが電話でユーザの相談に対応するようになっている。
【0003】
従来のコールセンターで使用されている電話は、公衆交換電話網(PSTN:Public Switched Telephone Networks)を使用している。このため通話時間や距離に応じて通話料金がかかるが、通話料金はコールセンター側(例えば、0120で始まる電話番号)、あるいはユーザ側(例えば、050で始まる電話番号)が負担することになる。
【0004】
一方、近年のインターネット回線の高速化や、ウェブページ内でリアルタイム通信を可能とするWebRTC(Web Real-Time Communication)技術の開発等により、Webブラウザ間で音声遅延等を生じさせることなく通話ができるようになった。かかるインターネットを介したWebブラウザ間の音声通話(本明細書ではインターネット電話ともいう。)であれば、通話時間等に応じてかかる電話料金を支払う必要がないことから、公衆交換電話網(PSTN)を使用しないインターネット電話の利用が急速に進んでいる。
【0005】
下記特許文献1には、通信相手のメールアドレスやIPアドレスを利用して、発信者の端末と通信相手側の端末とを接続し、無料のインターネット電話による音声通話やビデオ通話を可能とする技術が開示されている。しかし、特許文献1に記載の技術は、通信相手先を特定するメールアドレスや、IPアドレスが事前に解っていなければ相手と通話をすることができない。このため、特許文献1に記載の技術では、不特定多数のユーザからの相談を応答可能なオペレータの電話に着信させ、オペレータが対応する、というコールセンターには適用できない。
【0006】
下記非特許文献1は、ユーザが所望の事業所のホームページにアクセスすることで、インターネット通話を利用してオペレータと電話で相談することができるサービスを開示している。下記特許文献1に記載の技術によれば、ユーザがホームページに表示される「電話でのお問合せ」というアイコンを押下するだけで、ユーザ側にも事業所側にも通話料金が課されることなく、電話相談をすることができる。また、インターネット電話に対応するために新たなサーバ型構内電話交換機等を整備する必要もない。
【0007】
さらに、既設の構内電話交換機(PBX)の利用していることから、オペレータのマニュアルや規則、業務フローがそのまま使用できる。また、インターネット電話のみならず、公衆交換電話網(PSTN)からの電話にも対応できる。
【0008】
こうしたことから、コールセンターにおいても無料のインターネット電話で相談できるサービスが始まっている。かかるサービスの仕組みは、インターネットを介した通話を可能とする電話番号をユーザ端末に付与することで、ユーザ端末から発呼をコールセンターの構内電話交換機(PBX)に着信させ、オペレータの電話機を鳴動することでオペレータとユーザとの音声通話のセッションを確立させるというものである。
【0009】
かかるWebRTC技術による構内電話交換機(PBX)との接続により、通話料金を発生させることなくユーザとオペレータとの音声通話を開始させることができるが、音声通話だけでなく、映像、画像、データ、位置情報(GPS情報)等を含めた通信を行うには、映像、画像、データ、GPS情報を含む通信(以下、ビデオ通信)のセッションを音声通話とを別に確立する必要がある。
【0010】
従来、ビデオ通信のセッションは、オペレータがユーザにメールアドレスを問合せ、オペレータ端末からユーザのメールアドレス宛に、ビデオ通信の接続先URLを送信し、ユーザが送信されてきたURLにアクセスすることで、確立される。
【0011】
メールアドレスの代わりにショートメッセージサービス(SMS)を使用する場合も同様であり、オペレータが接続先のURLをユーザ端末に送信し、ユーザがかかるURLにアクセスすることで、ユーザ端末とオペレータ端末とのビデオ通信のセッションが確立される。
【0012】
このように従来技術においては、ビデオ通信のセッションを確立するにはいくつかの手続きを行う必要があり手間がかかる。また、自分のメールアドレスやSMS情報をオペレータに教えることにリスクや抵抗を感じるユーザも少なくない。これらのことから、インターネット電話を利用したコールセンターにおいては、ビデオ通信の利用はほとんどされていない。
【0013】
また、インターネット電話を利用した電話相談では、使用者の意図しない操作(誤操作等)により、Webページが非表示状態となり一定時間を経過すると、通信が切れる、という問題がある。例えば、音声通話中にビデオ通話を行うために送られてきたメールやSMSを確認し、そのURLへアクセスしようとする際の誤操作である。ユーザとオペレータとの通信が切れると、所望する事業所のWebページへのアクセスからやり直さなければなず、かかる場合には、必ずしも先に対応してくれたオペレータに接続されるものではない、という問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特許第698177号
【非特許文献】
【0015】
【非特許文献1】https://nestle.jp/faq/tel/question/1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
上述したようにWebブラウザを使用したユーザとオペレータとの音声通話は、電話料金を発生させることなく開始することができるが、音声通話だけでなく、映像、画像、データ、位置情報(GPS情報)を含んだ通信(ビデオ通信)を確立するには、所定のURLを互いに共有するための手続きが必要になる。また、Webブラウザを介しての通信は、使用者の意図しない操作(誤操作等)により、通信が切れてしまう、という問題がある。
【0017】
そこで本発明の課題は、ユーザがWebブラウザに表示されるアイコンをクリック等することにより、ユーザが所望する事業所のオペレータと、電話料金が課されることなく電話相談ができるとともに、ユーザもオペレータも特別な手続きを要さずに無料でビデオ通信を行うことができる通信制御方法、及びその方法を利用した通信制御システムを提供することにある。また、Webブラウザ間の通信における意図しない操作(誤操作等)による通信の中断を抑制することができる通信制御方法及び通信制御システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
そこで本発明は上記の課題を解決するため、Webブラウザ機能を有するユーザ端末により通信制御サーバへ接続することで、ユーザと所望の事業所のオペレータとの間で、音声通話とビデオ通信のセッションをそれぞれ確立させる通信制御方法において、
前記通信制御サーバは、前記ユーザ端末に表示される通話アイコンの押下により、前記ユーザ端末にインターネットを介した音声通話を可能とする電話番号を生成し、前記電話番号を含む発呼データを前記事業所の構内電話交換機に送信し、
前記構内電話交換機は、予め定められた手順で前記オペレータの電話機を発呼し、
前記オペレータの応答により、前記通信制御サーバを介して前記ユーザ端末と前記電話機との音声通話のセッションが確立され、
前記オペレータが操作するオペレータ端末と前記電話機との紐づけと、前記オペレータ端末からのビデオ接続要求に対する前記ユーザの承諾とにより、前記通信制御サーバを介して前記オペレータ端末と前記ユーザ端末との間でビデオ通信のセッションが確立されることを特徴とする通信制御方法、である。
【0019】
ユーザからの電話を構内電話交換機(PBX)によっていずれかのオペレータが使用する電話機と、そのオペレータが電話機と共に使用するパーソナルコンピュータ等の情報入出力装置(オペレータ端末)との紐づけは、例えば、コンピュータ・テレフォニー・インテグレーション(CTI:Computer Telephony Integration)で行うのが好適である。紐づけはまた、構内電話交換機(PBX)からの発呼によりオペレータの電話機に表示されるユーザの電話番号を、そのオペレータが電話機とともに使用するオペレータ端末に入力することで行っても良い。
【0020】
前記通信制御サーバは、所定時間、ユーザ端末の表示画面から前記Webページが非表示となっていることを感知すると、前記ユーザ端末と前記オペレータの電話機とに警告音を送る機能を備えることが好適である。
【0021】
本発明は、Webブラウザ機能を有するユーザ端末と、ユーザが所望する事業所のオペレータが操作するオペレータ端末との間で、音声通話とビデオ通信のセッションをそれぞれ確立させる通信制御サーバを備えた通信制御システムにおいて、
前記通信制御サーバは、前記ユーザ端末の画面に前記オペレータとの通話を要求する通話アイコンを表示させるWebサーバと、前記Webサーバと接続し前記通話アイコンの押下により、インターネットを介した音声通話を可能とする前記ユーザ端末の電話番号を生成し、前記電話番号を含む発呼データを前記事業所の構内電話交換機に送信する手段を有する音声サーバと、前記ユーザ端末と前記オペレータ端末との間でビデオ通信のセッションを確立するビデオサーバとを備え、
前記構内電話交換機は、前記発呼データに基づき予め定められた手順で前記オペレータの電話機を鳴動し、前記オペレータの応答により前記音声サーバと前記電話機とを接続する手段と、前記オペレータ端末と前記電話機とを紐づける手段とを有し、
前記音声サーバは、前記電話機の接続により、前記ユーザ端末と前記電話機との音声通話のセッションを確立する手段を有し、
前記ビデオサーバは、前記オペレータ端末からのビデオ接続要求に対する前記ユーザの承諾により、前記ユーザ端末と前記オペレータ端末との間でビデオ通信のセッションを確立する手段を有することを特徴とする通信制御システムである。
【0022】
前記紐づける手段は、コンピュータ・テレフォニー・インテグレーション(CTI)であることは好適である。また、前記通信制御サーバは、所定時間、前記ユーザ端末の画面において前記Webページの非表示を感知すると、前記ユーザ端末と前記オペレータの電話機とに警告音を送る手段を備えることが好ましい。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、ユーザは問い合わせをしたい事業所のホームページにアクセスし、所定のアイコンを押下することで、事業所のオペレータと無料で電話による相談をすることができる。また、オペレータはユーザのメールアドレスやSMSの宛先等を聞くことなく、ユーザの希望に応じて音声通話とともに、映像、画像、データ、GPS情報を含んだ通信(ビデオ通信)を行うことができる。
【0024】
本発明によれば、無料のインターネット電話により、構内電話交換機(PBX)等の既存設備を利用できるので、業務フローを変える必要が無い。また、新たにビデオ用設備の整備を必要とせず、音声通話とともに映像、画像、データ、位置情報(GPS情報)を含んだ通信(ビデオ通信)を、それぞれ別々に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本実施の形態にかかる通信制御システムの概要構成を示す図である。
図2】本実施の形態にかかる通信制御システムにおけるユーザとオペレータとのやり取りを示すシーケンス図である。
図3】ユーザ端末画面に表示されるオペレータとの音声通話を要求するインターフェイス画面の一実施例である。
図4】ユーザ端末画面に表示されるオペレータとのビデオ通信を要求するインターフェイス画面の一実施例である。
図5】本発明の一実施の形態にかかる警告音を送信するフローチャートである。
【符号の説明】
【0026】
S 通信制御システム
11 ユーザ
12 ユーザ端末
20 通信制御サーバ
21 ビデオサーバ
22 Webサーバ
23 音声サーバ
30 コールセンター
31 オペレータ
32 オペレータ端末
33 電話機
36 構内電話交換機(PBX)
40 インターネット
41 構内LAN
50 公衆電話交換網
51 電話機
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。図1は、本発明の一実施の形態である通信制御システムSの概要構成例を示す図である。
【0028】
通信制御システムSは、ユーザ11、ユーザ端末12とインターネット40を介して接続する通信制御サーバ20、通信制御サーバ20とインターネット40を介して接続する事業所のコールセンター30とを備えて構成されている。
【0029】
ユーザ端末12は、ブラウザ機能を有し、例えばインターネットサービスプロバイダのサーバを通じて、固有のIPアドレスが割り当てられ、通信制御サーバ20に接続する。
【0030】
通信制御サーバ20は、ユーザ端末12からのアクセスを受け、Webページをユーザ端末12に送信するWebサーバ22と、コールセンター30の構内電話交換機36との間でユーザ端末12との音声通話を確立する音声サーバ23と、ユーザ端末12とオペレータ端末32との間で、映像、画像、データ、位置情報(GPS情報)を含んだ通信(以下、ビデオ通信)を確立するビデオサーバ21を備えて構成されている。
【0031】
コールセンター30には、構内電話交換機36、勤務する複数のオペレータ31、オペレータ31が使用する電話機33、オペレータ端末32が備えられている。コールセンター30の事業者の例としては、商品を製造販売する企業、宿泊施設、イベントやコンサート等のチケットの予約や解約等のサービスを提供する業者、あるいは公共機関等があげられる。
【0032】
構内電話交換機36はインターネット40に接続し、固有のIPアドレス、例えばグローバルIPアドレスが割り当てられている。ユーザ11からの電話は、構内電話交換機36によって、応答可能なオペレータ31が使用する電話機33により振り分けられる。構内電話交換機36は、公衆交換電話網(PSTN:Public Switched Telephone Networks)50にも接続しており、インターネット電話の他、公衆電話網(PSTN)の電話機51にも対応し、着信があれば応答可能なオペレータ31の電話機33を鳴動させる。
【0033】
コールセンター30のオペレータ端末32は、構内LAN41と接続し固有のプライベートIPアドレスを有し、電話機33と紐づけられる。また、構内LAN41はグローバルIPアドレスを有し、インターネット40を介して通信制御サーバ20と接続している。
【0034】
図2は本実施の形態にかかる通信制御システムSにおけるユーザ端末12とオペレータ31とのやり取り等を示すシーケンス図である。図2を参照しながら、本発明の一実施の形態である通信制御システムSによるユーザ端末12とオペレータ31との通信セッションの確立について説明する。
【0035】
先ず、ユーザ11が、パソコン、スマートフォンといったWebブラウザ機能を備えるユーザ端末12により、電話相談を行いたい事業所のホームページにアクセスする(S1,S2)と、図3に示すようなオペレータ31との音声通話を要求するインターフェイス画面が表示される(S3)。
【0036】
ユーザ11が、ユーザ端末12のWebブラウザ画面に表示される「通話」アイコンを押下すると(S4)、Webサーバ22はユーザ端末12に対し電話番号(発信者番号ともいう)を付与し(S5)、音声サーバ23は電話番号を付与した発呼データを構内電話交換機36に送信する(S7)。
【0037】
構内電話交換機36は、予め定められた手順により、応答可能なオペレータ31の電話機33を鳴動させる(S8)。オペレータ31がこれに応答することで、オペレータ31の電話機33とユーザ端末12との間の電話のセッションが確立する(S9、S10、S11)。なお、オペレータ31の操作するオペレータ端末32と電話機33とは、コンピュータ・テレフォニー・インテグレーション(CTI:Computer Telephony Integration)、又はオペレータによる電話機33に表示される電話番号のオペレータ端末32への入力により紐づけされる(S8-1、S9-1、S9-2)。
【0038】
ユーザ11とオペレータ31との間でビデオ通信のセッションを確立したい場合には、オペレータ31がオペレータ端末32に表示されるビデオアイコンを押下し、ユーザ端末12にビデオ通信リクエストを送信する(S12)。
【0039】
図4はオペレータ端末32からユーザ端末12に送られてきたビデオ通信リクエストの画面である。ビデオ通信を開始する場合は、ビデオ開始のアイコンを押下することで、ビデオサーバ23を介してユーザ端末12とオペレータ端末32との間でビデオ通信のセッションが確立する(S13)。なお、ユーザ11はキャンセルのアイコンを押下することでビデオ通信を行わないこともできる。
【0040】
以上のようにして、コールセンター30の既設設備である構内電話交換機、電話網、電話機を使用した音声通話のセッションと、コールセンター30の既存設備である構内LAN、パソコン等の情報機器を使用したビデオ通話のセッションとが、それぞれ別々にユーザ端末12との間で確立される。
【0041】
図5は、ユーザ端末12の画面において、所定時間、ユーザ端末12の表示画面でWebページが非表示になっていることをWebサーバ22が感知した場合に、ユーザ端末12とオペレータ31の電話機33とに警告音を送る手順を示したフローチャートである。ユーザ端末12の表示画面のWebページは、使用者の意図しない操作(誤操作等)により、表示画面から消えてしまう(非表示状態)になる場合がある。かかる非表示状態が一定時間以上経過すると、ユーザ端末12の機種にもよるが、通話が切れてしまう、という問題がある。
【0042】
図5において、Webサーバ22は、ユーザ端末12の画面からWebページが非表示になったことをブラウザのJavaScriptで感知する(S2)。かかる非表示状態が一定時間以上経過、例えば40秒以上続いた場合、Webサーバ22は、ユーザ端末12とオペレータ31の電話機33とに、ユーザ端末12の画面にWebページが非表示であり、かかる非表示状態が続くと、通信が切れることを知らせる警告音を送信するように音声サーバ23に指示する(S4)。
【0043】
音声サーバ23はユーザ端末12とオペレータ31の電話機36に警告音を送る(S5)。Webサーバ22は、ユーザ端末12の画面にWebページが表示された場合には警告音を停止するよう音声サーバ23に指示し(S6)、非表示であれば警告音を送り続ける(S7)。所定の時間、例えば90秒以上経過する、あるいはWebページが閉じられると通信は切れる(S8)。

図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2023-03-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
Webブラウザ機能を有するユーザ端末により通信制御サーバへ接続することで、ユーザと所望の事業所のオペレータとの間で、音声通話とビデオ通信のセッションをそれぞれ確立させる通信制御方法において、
前記通信制御サーバは、前記ユーザ端末に表示されるWebページの通話アイコンの押下により、前記ユーザ端末にインターネットを介した音声通話を可能とする電話番号を生成し、前記電話番号を含む発呼データを前記事業所の構内電話交換機に送信し、
前記構内電話交換機は、予め定められた手順で前記オペレータの電話機を発呼し、
前記オペレータの応答により、前記通信制御サーバを介して前記ユーザ端末と前記電話機との音声通話のセッションが確立され、
前記オペレータが操作するオペレータ端末と前記電話機との紐づけと、前記オペレータ端末からのビデオ接続要求に対する前記ユーザの承諾とにより、前記通信制御サーバを介して前記オペレータ端末と前記ユーザ端末との間でビデオ通信のセッションが確立され、
前記通信制御サーバは、所定時間、前記ユーザ端末の表示画面に前記Webページが非表示になっていることを感知すると、前記ユーザ端末と前記オペレータの電話機とに警告音を送ることを特徴とする通信制御方法
【請求項2】
前記事業所がコールセンターであることを特徴とする請求項1に記載する通信制御方法
【請求項3】
Webブラウザ機能を有するユーザ端末とユーザが所望する事業所のオペレータが操作する電話機との間で音声通話のセッションを確立させ、前記オペレータが操作するオペレータ端末との間でビデオ通信のセッションを確立させる通信制御サーバを備えた通信制御システムにおいて、
前記通信制御サーバは、前記ユーザ端末の画面に表示されるWebページに前記オペレータとの通話を要求する通話アイコンを表示させるWebサーバと、前記Webサーバと連携し前記通話アイコンの押下により、インターネットを介した音声通話が可能となるよう前記ユーザ端末の電話番号を生成し、前記電話番号を含む発呼データを前記事業所の構内電話交換機に送信する手段を有する音声サーバと、前記ユーザ端末と前記オペレータ端末との間でビデオ通信のセッションを確立するビデオサーバとを備え、
前記構内電話交換機は、前記発呼データに基づき予め定められた手順で前記オペレータの電話機を発呼し、前記オペレータの応答により前記音声サーバと前記電話機とを接続する手段と、前記オペレータ端末と前記電話機とを紐づける手段とを有し、
前記音声サーバは、前記電話機の接続により、前記ユーザ端末と前記電話機との音声通話のセッションを確立する手段を有し、
前記ビデオサーバは、前記オペレータ端末からのビデオ接続要求に対する前記ユーザの承諾により、前記ユーザ端末と前記オペレータ端末との間でビデオ通信のセッションを開始する手段を有し、
前記通信制御サーバは、所定時間、前記ユーザ端末の表示画面の前記Webページが非表示になっていることを感知すると、前記ユーザ端末と前記オペレータの電話機とに警告音を送る手段を備えたことを特徴とする通信制御システム
【請求項4】
前記事業所がコールセンターであることを特徴とする請求項3に記載する通信制御システム
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0021】
本発明は、Webブラウザ機能を有するユーザ端末とユーザが所望する事業所のオペレータが操作する電話機との間で音声通話のセッションを確立させ、前記オペレータが操作するオペレータ端末との間でビデオ通信のセッションを確立させる通信制御サーバを備えた通信制御システムにおいて、
前記通信制御サーバは、前記ユーザ端末の画面に表示されるWebページに前記オペレータとの通話を要求する通話アイコンを表示させるWebサーバと、前記Webサーバと連携し前記通話アイコンの押下により、インターネットを介した音声通話が可能となるよう前記ユーザ端末の電話番号を生成し、前記電話番号を含む発呼データを前記事業所の構内電話交換機に送信する手段を有する音声サーバと、前記ユーザ端末と前記オペレータ端末との間でビデオ通信のセッションを確立するビデオサーバとを備え、
前記構内電話交換機は、前記発呼データに基づき予め定められた手順で前記オペレータの電話機を発呼し、前記オペレータの応答により前記音声サーバと前記電話機とを接続する手段と、前記オペレータ端末と前記電話機とを紐づける手段とを有し、
前記音声サーバは、前記電話機の接続により、前記ユーザ端末と前記電話機との音声通話のセッションを確立する手段を有し、
前記ビデオサーバは、前記オペレータ端末からのビデオ接続要求に対する前記ユーザの承諾により、前記ユーザ端末と前記オペレータ端末との間でビデオ通信のセッションを開始する手段を有し、
前記通信制御サーバは、所定時間、前記ユーザ端末の表示画面の前記Webページが非表示になっていることを感知すると、前記ユーザ端末と前記オペレータの電話機とに警告音を送る手段を備えたことを特徴とする通信制御システム、である。