(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023104111
(43)【公開日】2023-07-28
(54)【発明の名称】情報処理装置、及び制御方法
(51)【国際特許分類】
G06F 3/041 20060101AFI20230721BHJP
G06F 3/04883 20220101ALI20230721BHJP
【FI】
G06F3/041 595
G06F3/0488 130
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022004915
(22)【出願日】2022-01-17
(71)【出願人】
【識別番号】505205731
【氏名又は名称】レノボ・シンガポール・プライベート・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100206081
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 央
(72)【発明者】
【氏名】要 ▲強▼
(72)【発明者】
【氏名】阿邊 恭介
【テーマコード(参考)】
5E555
【Fターム(参考)】
5E555AA67
5E555BA02
5E555BA05
5E555BA06
5E555BB02
5E555BB05
5E555BB06
5E555BC04
5E555CA12
5E555CB10
5E555CB12
5E555CB46
5E555CC05
5E555DB56
5E555DC41
5E555EA20
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】手書き入力する際に、予測精度を改善しつつ、手書き入力に対する表示の遅延を低減する。
【解決手段】情報処理装置は、表示部と、タッチセンサ部と、前記タッチセンサ部によって所定の検出間隔で検出された複数の第1検出位置データを取得する取得処理部と、前記複数の第1検出位置データを2つ以上のデータ間隔で間引いた所定の数の第2検出位置データに基づいて、予測位置データを生成する予測処理と、前記所定の数の第2検出位置データのうち少なくとも最新の3点の2点目を頂点とする角度の余弦値に基づく補正指標値に応じて、補正の重み付け値を選定する選定処理と、前記予測位置データを、前記所定の数の第2検出位置データ及び前記重み付け値に基づいて補正する補正処理とを実行する予測処理部と、前記第1検出位置データと、前記予測位置データとに基づいて、前記画面上の移動軌跡を前記表示部に表示させる表示処理部とを備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部と、
前記表示部の画面上に配置され、前記画面上における物体との接触を検出するタッチセンサ部と、
操作媒体が前記画面上に接触することで、前記タッチセンサ部によって所定の検出間隔で検出された前記画面上の複数の第1検出位置データを取得する取得処理部と、
前記操作媒体の予測移動位置を示す予測位置データを生成する予測処理部であって、
前記複数の第1検出位置データを2つ以上のデータ間隔で間引いた所定の数の第2検出位置データに基づいて、前記操作媒体の予測移動位置を示す予測位置データを生成する予測処理と、
前記所定の数の第2検出位置データのうち少なくとも最新の3点の2点目を頂点とする角度の余弦値に基づく補正指標値に応じて、補正の重み付け値を選定する選定処理と、
前記予測位置データを、前記最新の3点を含む前記所定の数の第2検出位置データ及び前記重み付け値に基づいて、補正する補正処理と
を実行する予測処理部と、
前記第1検出位置データと、前記予測処理部が出力した前記予測位置データとに基づいて、前記操作媒体が前記画面上に接触して移動した前記画面上の移動軌跡を、前記表示部に表示させる表示処理部と
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記予測処理部は、前記選定処理において、前記補正指標値が、負の値、且つ第1閾値より小さい場合に、補正を行わない場合に対応する値を前記補正の重み付け値に選定し、補正を行わずに、前記予測位置データを出力する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記予測処理部は、
前記選定処理において、前記補正指標値が、負の値、且つ前記第1閾値以上である場合に、前記補正指標値が大きい程、前記補正の重み付け値に大きな値を選定する
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記予測処理部は、
前記選定処理において、前記補正指標値が、負の値、且つ第1閾値より大きい第2閾値以上である場合に、前記予測処理を実行せず、
前記表示処理部は、前記予測位置データを含まない前記移動軌跡を、前記表示部に表示させる
請求項2又は請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記予測処理部は、前記予測処理において、テイラー級数近似に基づいて、前記予測位置データを生成する
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記表示処理部は、前記複数の第1検出位置データに最新の第1検出位置データが追加された場合に、前記予測位置データを前記最新の第1検出位置データに置き換えた前記移動軌跡を、前記表示部に表示させる
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
表示部と、前記表示部の画面上に配置され、前記画面上における物体との接触を検出するタッチセンサ部とを備える情報処理装置の制御方法であって、
取得処理部が、操作媒体が前記画面上に接触することで、前記タッチセンサ部によって所定の検出間隔で検出された前記画面上の複数の第1検出位置データを取得し、
予測処理部が、
前記複数の第1検出位置データを2つ以上のデータ間隔で間引いた所定の数の第2検出位置データに基づいて、前記操作媒体の予測移動位置を示す予測位置データを生成する予測処理と、
前記所定の数の第2検出位置データのうち少なくとも最新の3点の2点目を頂点とする角度の余弦値に基づく補正指標値に応じて、補正の重み付け値を選定する選定処理と、
前記予測位置データを、前記最新の3点の前記所定の数の第2検出位置データ及び前記重み付け値に基づいて、補正する補正処理と
を実行し、
表示処理部が、前記第1検出位置データと、前記予測処理部が出力した前記予測位置データとに基づいて、前記操作媒体が前記画面上に接触して移動した前記画面上の移動軌跡を、前記表示部に表示させる
制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、タブレット端末やパーソナルコンピュータなどの情報処理装置では、手書き入力を行う入力デバイスを備えるものがある。このような入力デバイスでは、入力に対する表示の遅延を低減するために、予測した入力を表示する技術が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の情報処理装置では、例えば、曲線を手書き入力する際に、予測精度が低下する場合があり、予測精度を改善しつつ、手書き入力に対する表示の遅延を低減することが困難であった。
【0005】
本発明は、上記問題を解決すべくなされたもので、その目的は、手書き入力する際に、予測精度を改善しつつ、手書き入力に対する表示の遅延を低減することができる情報処理装置、及び制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題を解決するために、本発明の一態様は、表示部と、前記表示部の画面上に配置され、前記画面上における物体との接触を検出するタッチセンサ部と、操作媒体が前記画面上に接触することで、前記タッチセンサ部によって所定の検出間隔で検出された前記画面上の複数の第1検出位置データを取得する取得処理部と、前記操作媒体の予測移動位置を示す予測位置データを生成する予測処理部であって、前記複数の第1検出位置データを2つ以上のデータ間隔で間引いた所定の数の第2検出位置データに基づいて、前記操作媒体の予測移動位置を示す予測位置データを生成する予測処理と、前記所定の数の第2検出位置データのうち少なくとも最新の3点の2点目を頂点とする角度の余弦値に基づく補正指標値に応じて、補正の重み付け値を選定する選定処理と、前記予測位置データを、前記最新の3点を含む前記所定の数の第2検出位置データ及び前記重み付け値に基づいて、補正する補正処理とを実行する予測処理部と、前記第1検出位置データと、前記予測処理部が出力した前記予測位置データとに基づいて、前記操作媒体が前記画面上に接触して移動した前記画面上の移動軌跡を、前記表示部に表示させる表示処理部とを備える情報処理装置である。
【0007】
また、本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記予測処理部は、前記選定処理において、前記補正指標値が、負の値、且つ第1閾値より小さい場合に、補正を行わない場合に対応する値を前記補正の重み付け値に選定し、補正を行わずに、前記予測位置データを出力するようにしてもよい。
【0008】
また、本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記予測処理部は、前記選定処理において、前記補正指標値が、負の値、且つ前記第1閾値以上である場合に、前記補正指標値が大きい程、前記補正の重み付け値に大きな値を選定するようにしてもよい。
【0009】
また、本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記予測処理部は、前記選定処理において、前記補正指標値が、負の値、且つ第1閾値より大きい第2閾値以上である場合に、前記予測処理を実行せず、前記表示処理部は、前記予測位置データを含まない前記移動軌跡を、前記表示部に表示させるようにしてもよい。
【0010】
また、本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記予測処理部は、前記予測処理において、テイラー級数近似に基づいて、前記予測位置データを生成するようにしてもよい。
【0011】
また、本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記表示処理部は、前記複数の第1検出位置データに最新の第1検出位置データが追加された場合に、前記予測位置データを前記最新の第1検出位置データに置き換えた前記移動軌跡を、前記表示部に表示させるようにしてもよい。
【0012】
また、本発明の一態様は、表示部と、前記表示部の画面上に配置され、前記画面上における物体との接触を検出するタッチセンサ部とを備える情報処理装置の制御方法であって、取得処理部が、操作媒体が前記画面上に接触することで、前記タッチセンサ部によって所定の検出間隔で検出された前記画面上の複数の第1検出位置データを取得し、予測処理部が、前記複数の第1検出位置データを2つ以上のデータ間隔で間引いた所定の数の第2検出位置データに基づいて、前記操作媒体の予測移動位置を示す予測位置データを生成する予測処理と、前記所定の数の第2検出位置データのうち少なくとも最新の3点の2点目を頂点とする角度の余弦値に基づく補正指標値に応じて、補正の重み付け値を選定する選定処理と、前記予測位置データを、前記最新の3点の前記所定の数の第2検出位置データ及び前記重み付け値に基づいて、補正する補正処理とを実行し、表示処理部が、前記第1検出位置データと、前記予測処理部が出力した前記予測位置データとに基づいて、前記操作媒体が前記画面上に接触して移動した前記画面上の移動軌跡を、前記表示部に表示させる制御方法である。
【発明の効果】
【0013】
本発明の上記態様によれば、手書き入力する際に、予測精度を改善しつつ、手書き入力に対する表示の遅延を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】第1の実施形態によるタブレット端末の一例を示す外観図である。
【
図2】第1の実施形態によるタブレット端末の主要なハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図3】第1の実施形態によるタブレット端末の機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】第1の実施形態における重み付け記憶部のデータ例を示す図である。
【
図5】第1の実施形態におけるペンサンプルデータ、バッファサンプル、及び予測位置データの一例を示す図である。
【
図6】第1の実施形態におけるテイラー級数近似を用いた予測処理の一例を説明する図である。
【
図7】第1の実施形態における予測処理、及び補正処理の一例を示す図である。
【
図8】第1の実施形態における角度α
1の一例を示す図である。
【
図9】第1の実施形態によるタブレット端末の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図10】第1の実施形態における直線を手書き入力した場合の描画軌跡の一例を示す図である。
【
図11】第1の実施形態における直線を手書き入力した場合の重み付け値Wの変更例のを示す図である。
【
図12】第1の実施形態における曲線を手書き入力した場合の描画軌跡の一例を示す図である。
【
図13】第1の実施形態における曲線を手書き入力した場合の重み付け値Wの変更例のを示す図である。
【
図14】第2の実施形態によるタブレット端末の機能構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態による情報処理装置、及び制御方法について、図面を参照して説明する。
【0016】
[第1の実施形態]
図1は、本実施形態によるタブレット端末1の一例を示す外観図である。なお、本実施形態において、情報処理装置の一例として、タブレット端末1について説明する。
図1に示すように、タブレット端末1は、筐体CS1の片方の主面に、タッチスクリーン20が設置されており、ペン30を用いて、例えば、メモ帳などのアプリケーションプログラムを実行させる。
【0017】
タッチスクリーン20は、表示部21と、タッチセンサ部22を備え、表示部21は、表示画面DFに各種情報を表示する。
タッチセンサ部22は、表示部21に重ねて配置されており、ペン30(操作媒体の一例)が、表示部21の表示画面DFに接触することを検出するとともに、ペン30の接触位置を検出する。
なお、タッチスクリーン20、表示部21、及びタッチセンサ部22の詳細については、後述する。
【0018】
次に、
図2を参照して、タブレット端末1の主要なハードウェア構成について説明する。
図2は、本実施形態によるタブレット端末1の主要なハードウェア構成の一例を示す図である。
【0019】
図2に示すように、タブレット端末1は、プロセッサ11と、メインメモリ12と、フラッシュメモリ13と、タッチスクリーン20と、周辺デバイス23と、オーディオシステム24と、マイク25と、スピーカ26と、ベースバンドチップ27と、無線部28とを備える。
【0020】
プロセッサ11は、例えば、CPU(Central Processing Unit)11を含むアプリケーションプロセッサである。プロセッサ11は、タブレット端末1の全体を制御する。
【0021】
メインメモリ12は、プロセッサ11の実行プログラムの読み込み領域として、又は、実行プログラムの処理データを書き込む作業領域として利用される書き込み可能メモリである。メインメモリ12は、例えば、複数個のDRAM(Dynamic Random Access Memory)チップで構成される。この実行プログラムには、OS(Operating System:オペレーティングシステム)、周辺機器類をハードウェア操作するための各種デバイスドライバ、各種サービス/ユーティリティ、アプリケーションプログラム(アプリケーションソフトウェア)、等が含まれる。
【0022】
フラッシュメモリ13は、例えば、フラッシュEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)であり、OS、各種ドライバ、各種サービス/ユーティリティ、アプリケーションプログラム(以下、アプリケーションということがある)、及び各種データを記憶する。
【0023】
表示部21は、例えば、液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイであり、プロセッサ11から出力された描画データ(表示データ)に基づく表示画面を表示する。
【0024】
タッチセンサ部22は、表示部21の画面上におけるペン30の操作媒体の位置と、ペン30の画面上への接触と、接触位置を検出する。タッチセンサ部22は、例えば、静電容量方式や電磁誘導方式により、画面上におけるペン30の位置を検出可能である。
【0025】
周辺デバイス23は、例えば、WLAN(Wireless Local Area Network)モジュール、Bluetooth(登録商標)モジュール、GPS(Global Positioning System)モジュール、及び加速度センサなどのセンサ類、USB(Universal Serial Bus)コネクタ、等である。
【0026】
オーディオシステム24は、例えば、オーディオIC(Integrated Circuit)であり、音データの入力、記録、再生、出力を行う。オーディオシステム24には、例えば、マイク25と、スピーカ26とが接続されている。オーディオシステム24は、例えば、マイク25が収音した音データを、プロセッサ11又はベースバンドチップ27に出力する。また、オーディオシステム24は、例えば、プロセッサ11又はベースバンドチップ27から取得した音データを音信号に変換して、スピーカ26に出力する。
【0027】
マイク25は、タブレット端末1の周辺の音を収音する。マイク25は、例えば、他の端末と音声融和する際に、利用者の音声等の音を収音する。
スピーカ26は、タブレット端末1の外部に、各種音を出力する。スピーカ26は、例えば、他の端末と音声融和する際に、他の端末から受信した音を出力(放音)する。
【0028】
ベースバンドチップ27は、例えば、4G(第4世代移動通信システム)や5G(第5世代移動通信システム)などの無線通信を制御する専用ICである。ベースバンドチップ27は、例えば、無線部28を用いて受信した音声データを、オーディオシステム24を介して、スピーカ26に出力させる。また、ベースバンドチップ27は、例えば、マイク25から収音した音データを、オーディオシステム24を介して取得し、無線部28を用いて、移動通信システムにより出力させる。また、ベースバンドチップ27は、移動通信システムによるデータ通信の入出力データを、プロセッサ11との間でデータ通信する。
【0029】
無線部28は、移動通信システムによる無線通信を行うための、アンテナを含む無線通信デバイスである。
【0030】
ペン30は、ペン形状の操作媒体であり、例えば、タッチペン、スタイラスペンなどである。なお、ペン30は、共振回路を備え、共振回路のコイルへの電磁誘導により、電源が供給され、共振回路を利用して、表示部21の画面上におけるペン30の位置やペン角度で検出可能に構成されていてもよい。
【0031】
次に、
図3を参照して、本実施形態によるタブレット端末1の機能構成について説明する。
図3は、本実施形態によるタブレット端末1の機能構成の一例を示すブロック図である。
【0032】
図3に示すように、タブレット端末1は、制御部10と、タッチスクリーン20と、ペン30と、記憶部40とを備える。
タッチスクリーン20は、表示部21と、タッチセンサ部22とを備える。
【0033】
記憶部40は、例えば、メインメモリ12又はフラッシュメモリ13により実現される記憶部であり、受信バッファ記憶部41と、重み付け記憶部42とを備える。
【0034】
受信バッファ記憶部41は、例えば、メインメモリ12により実現される記憶部である。受信バッファ記憶部41は、タッチセンサ部22が検出したペン30の検出位置データであるペンサンプルデータ(第1検出位置データ)を一時記憶する。なお、ペンサンプルデータは、タッチセンサ部22によってサンプリング周期(所定の検出間隔)で検出された表示部21の画面上の位置データである。
【0035】
また、受信バッファ記憶部41は、複数のペンサンプルデータのうちから2つ以上のデータ間隔(例えば、4サンプルデータ間隔)で間引いた所定の数(例えば、4つ)のバッファサンプルデータ(第2検出位置データ)を記憶する。なお、以下の説明において、バッファサンプルデータをバッファサンプルと省略することがある。
【0036】
重み付け記憶部42は、例えば、フラッシュメモリ13により実現される記憶部である。重み付け記憶部42は、後述する補正の重み付け値Wに関する情報を記憶する。ここで、
図4を参照して、重み付け記憶部42のデータ例について説明する。
【0037】
図4は、本実施形態における重み付け記憶部42のデータ例を示す図である。
図4に示すように、重み付け記憶部42は、補正指標値Lの範囲と、分類と、重み付け値Wとを対応付けて記憶する。
【0038】
ここで、補正指標値Lの範囲は、後述する予測位置データの補正のための指標値である補正指標値Lの範囲を示している。因みに、補正指標値Lが取り得る範囲は、-1.0から+1.0の範囲(-1≦L≦1)である。また、分類は、手書き入力の分類を示している。また、重み付け値Wは、後述する予測位置データの補正に用いる重み付け値を示している。
【0039】
例えば、
図4に示す例では、Lの範囲が、“-1≦L<L1”である場合(補正指標値Lが-1以上でL1より小さい場合)に、分類が、“ほぼ直線”であり、重み付け値Wが、“W=0”であることを示している。ここで、L1は、第1閾値の一例であり、負の値(L1<0)である。また、“W=0”は、補正を行わない場合に対応する値である。
【0040】
また、Lの範囲が、“L1≦L<L2”である場合(補正指標値LがL1以上(第1閾値以上)、L2未満である場合)に、分類が、“中程度の曲線”であり、重み付け値Wが、“W=W1”であることを示している。ここで、L2は、L1(第1閾値)より大きい値、且つ、負の値(L1<L2<0)である。また、W1は、第1重み付け値の一例であり、0より大きい値(W1>0)である。
【0041】
また、Lの範囲が、“L2≦L<L3”である場合(補正指標値LがL2以上、L3未満である場合)に、分類が、“中程度の鋭い曲線”であり、重み付け値Wが、“W=W3”であることを示している。ここで、L3は、L2より大きい値、且つ、負の値(L2<L3<0)である。また、W2は、第2重み付け値の一例であり、W1より大きい値(W2>W1)である。
【0042】
また、Lの範囲が、“L3≦L<L4”である場合(補正指標値LがL3以上、L4未満である場合)に、分類が、“鋭い曲線”であり、重み付け値Wが、“W=W3”であることを示している。ここで、L4は、第2閾値の一例であり、L3より大きい値、且つ、負の値(L3<L4<0)である。また、W3は、第3重み付け値の一例であり、W2より大きい値(W3>W2)である。
【0043】
また、Lの範囲が、“L4≦L”である場合(補正指標値LがL4以上である場合)に、分類が、“イリーガルケース”であり、重み付け値Wが、設定されずに、予測を行わないことを示している。ここで、“L4≦L”とは、厳密には、“L4≦L≦1”である。
【0044】
このように、重み付け記憶部42は、補正指標値Lの範囲と、補正の重み付け値Wとを対応付けて記憶する。
【0045】
図3の説明に戻り、制御部10は、例えば、プロセッサ11がメインメモリ12又はフラッシュメモリ13が記憶するプログラムを実行することで実現される機能部であり、OS(例えば、Android(登録商標)など)に基づく各種処理を実行する。制御部10は、入力制御部110と、表示制御部120と、アプリケーション130とを備える。
【0046】
入力制御部110は、プロセッサ11により実現される機能部である。入力制御部110は、例えば、タッチセンサ部22による入力を制御するデバイスドライバであり、タッチセンサ部22の入力によって、表示部21の画面上における操作媒体(例えば、ペン30)の位置や接触を検出する。また、入力制御部110は、検出した検出位置データ(ペンサンプルデータ)、及びペン30の移動が予測される位置を示す予測位置データを出力する。入力制御部110は、取得処理部111と、予測処理部112とを備える。
【0047】
取得処理部111は、プロセッサ11により実現される機能部であり、ペン30が画面上に接触することで、タッチセンサ部22によってサンプリング周期(所定の検出間隔)で検出された画面上の複数のペンサンプルデータを取得する。取得処理部111は、取得した複数のペンサンプルデータを、時系列順に、受信バッファ記憶部41に記憶させる。
【0048】
予測処理部112は、プロセッサ11により実現される機能部であり、ペン30の予測移動位置を示す予測位置データを生成する。予測処理部112は、複数のペンサンプルデータを2つ以上のデータ間隔で間引いた所定の数のバッファサンプルに基づいて、ペン30の予測移動位置を示す予測位置データを生成する予測処理を実行する。ここで、
図5を参照して、ペンサンプルデータ、バッファサンプル、及び予測位置データについて説明する。
【0049】
図5は、本実施形態におけるペンサンプルデータ、バッファサンプル、及び予測位置データの一例を示す図である。
【0050】
図5において、描画線DL1のP
3~P
0までの間の黒丸及び白丸は、ペンサンプルデータを示している。また、P
3~P
0の黒丸は、ペンサンプルデータを4サンプル間隔で間引いたバッファサンプルを示している。また、予測位置データPpredは、バッファサンプルP
0~バッファサンプルP
3を用いて予測した次回の検出位置データ(ペンサンプルデータ)を示している。
【0051】
バッファサンプルP0は、最新のペンサンプルデータ及びバッファサンプルであり、バッファサンプルP1、バッファサンプルP2、及びバッファサンプルP3の順に古いペンサンプルデータとなる。予測処理部112は、複数のペンサンプルデータから、最新のペンサンプルデータであるバッファサンプルP0を含む、バッファサンプルP0~バッファサンプルP3を抽出して、時系列順に、受信バッファ記憶部41に記憶させる。
【0052】
また、予測処理部112は、複数のバッファサンプル(例えば、バッファサンプルP
0~バッファサンプルP
3)に基づいて、ペン30の予測位置データPpredを生成する。予測処理部112は、予測処理において、例えば、テイラー級数近似に基づいて、予測位置データを生成する。ここで、
図6を参照して、本実施形態におけるテイラー級数近似を用いた予測処理について説明する。
【0053】
図6は、本実施形態におけるテイラー級数近似を用いた予測処理の一例を説明する図である。
図6において、手書き入力の描画線DL2を、時間tの関数f(t)とすると、f(a)から期間T後の描画位置f(a+T)を予測すると、f(a+T)は、テイラー級数近似により下記の式(1)で表される。
【0054】
【0055】
なお、
図6において、f(a+T)は、予測位置データPpredに対応し、f(a)、f(a-T)、及びf(a-2T)は、上述した
図5に示す、バッファサンプルP
0、バッファサンプルP
1、及びバッファサンプルP
2に対応する。
また、f(a)の1回部分であるf’(a)、及び2回微分f”(a)は、下記の式(2)で表される。
【0056】
【0057】
式(1)及び式(2)により、予測位置f(a+T)の表示部21の画面上のX軸及びY軸における位置は、以下の式(3)により表される。
【0058】
【0059】
予測処理部112は、予測処理において、式(3)を用いて、予測位置データPpredを算出する。
なお、式(1)~式(3)では、テイラー級数の第3項までを用いているが、第4項以上まで用いてもよい。すなわち、上述した例では、バッファサンプルP0~バッファサンプルP2までを用いて、予測位置データPpredを算出する例を説明したが、バッファサンプルP0~バッファサンプルP3までを用いて、予測位置データPpredを算出するようにしてもよい。
【0060】
再び、
図3の説明に戻り、予測処理部112は、予測処理より算出した予測位置データPpredを、バッファサンプルP
0~バッファサンプルP
3を用いて補正する。ここで、
図7を参照して、予測位置データPpredを補正して、補正予測位置データPpred2の生成する補正処理について説明する。
【0061】
図7は、本実施形態における予測処理、及び補正処理の一例を示す図である。
図7に示すように、予測処理部112は、予測位置データPpredと、所定の架すのバッファサンプル(P
0~P
3)とに基づいて、補正予測位置データPpred2を生成する。なお、
図7において、位置Pnextは、実際の検出位置データである。
【0062】
予測処理部112は、補正処理を行うために、所定の数のバッファサンプル(P
0~P
3)のうち少なくとも最新の3点の2点目を頂点とする角度の余弦値に基づく補正指標値Lに応じて、補正の重み付け値Wを選定する選定処理を実行する。ここで、
図8を参照して、予測処理部112による補正指標値Lの算出について説明する。
【0063】
図8は、本実施形態における角度α
1の一例を示す図である。
図8において、角度α
1は、3点のバッファサンプル(P
0~P
2)のうちの2点目を頂点(バッファサンプルP
1)を頂点とする角度である。この角度α
1に基づく補正指標値Lは、下記の式(4)により表される。
【0064】
【0065】
ここで、|P*1P*2|は、バッファサンプルP*1とバッファサンプルP*2との間の距離(長さ)を示す。
予測処理部112は、選定処理において、式(4)を用いて、3点のバッファサンプル(P0~P2)から補正指標値Lを算出する。ここで、補正指標値Lは、-1.0から+1.0の範囲(-1≦L≦1)の値である。
【0066】
また、予測処理部112は、重み付け記憶部42を参照して、補正指標値Lに対応した補正の重み付け値Wを取得する。ここで、予測処理部112は、選定処理において、補正指標値Lが、負の値、且つ閾値L1(第1閾値)より小さい場合(-1≦L<L1,L1<0)に、補正の重み付け値Wに“0”を選定する。なお、補正の重み付け値Wが“0”(W=0)は、補正を行わない場合に対応する値に対応する。すなわち、予測処理部112は、補正指標値Lが負の値、且つ閾値L1より小さいか否かにより、予測位置データPpredの補正を行わないか否かを切り替えている。
【0067】
また、予測処理部112は、補正指標値Lが、負の値、且つ閾値L1以上、閾値L2より小さい場合(L1≦L<L2,L2<0)に、重み付け記憶部42を参照して、補正の重み付け値WにW1を選定する。
【0068】
また、予測処理部112は、補正指標値Lが、負の値、且つ閾値L2以上、閾値L3より小さい場合(L2≦L<L3,L3<0)に、重み付け記憶部42を参照して、補正の重み付け値WにW2を選定する。
【0069】
また、予測処理部112は、補正指標値Lが、負の値、且つ閾値L3以上、閾値L4(第2閾値)より小さい場合(L3≦L<L4,L4<0)に、重み付け記憶部42を参照して、補正の重み付け値WにW3を選定する。
【0070】
また、予測処理部112は、補正指標値Lが、閾値L4以上(第2閾値以上)である場合(L4≦L)に、重み付け記憶部42を参照して、予測処理を無効にし、予測位置データとして、バッファサンプルP0を出力する。
なお、重み付け値W1~重み付け値W1は、W1<W2<W3であり、予測処理部112は、選定処理において、補正指標値Lが、負の値、且つ閾値L1以上である場合に、補正指標値Lが大きい程、補正の重み付け値Wに大きな値を選定する。
【0071】
また、予測処理部112は、予測位置データPpredを、最新の3点を含む所定の数のバッファサンプル(P0~P3)及び重み付け値Wに基づいて補正する補正処理を実行する。予測処理部112は、例えば、下記の式(5)を用いて、予測位置データPpredを補正して、補正予測位置データPpred2を生成する。
【0072】
【0073】
入力制御部110は、ペンサンプルデータ、及び予測位置データ(Ppred2又はPpred)を後述するアプリケーション130に出力する。
なお、重み付け値Wが“0”である場合、式(5)により、補正予測位置データPpred2は、予測位置データPpredと等しくなる(Ppred2=Ppred)。この場合、予測処理部112は、予測位置データPpredをそのまま、予測位置データとして出力する。すなわち、この場合、入力制御部110は、ペンサンプルデータ、及び予測位置データPpredをアプリケーション130に出力する。
【0074】
また、予測処理部112は、補正指標値Lが、閾値L4以上である場合(L4≦L)にイリーガルケースと判定して、予測処理を無効にし、予測位置データを出力しない。すなわち、この場合、入力制御部110は、ペンサンプルデータのみ、アプリケーション130に出力する。
【0075】
また、W1、W2、及びW3の値は、対応する補正指標値Lの範囲の曲線と、算出した補正予測位置データPpred2とが一致するように設定されている。
【0076】
再び、
図3の説明に戻り、表示制御部120(表示処理部の一例)は、プロセッサ11により実現される機能部である。表示制御部120は、例えば、表示部21の表示を制御するデバイスドライバであり、ペンサンプルデータと、予測処理部112が出力した予測位置データとに基づいて、ペン30が画面上に接触して移動した画面上の移動軌跡を、表示部21に表示させる。表示制御部120は、例えば、
図7に示す描画線DL1のバッファサンプルP
3~バッファサンプルP
0までに含まれるペンサンプルデータによる描画線DL1及びバッファサンプルP
0と補正予測位置データPpred2との間の線を、移動軌跡として、表示部21に表示させる。
【0077】
また、表示制御部120は、複数のペンサンプルデータに最新のペンサンプルデータが追加された場合に、予測位置データ(例えば、補正予測位置データPpred2)を最新のペンサンプルデータに置き換えた移動軌跡を、表示部21に表示させる。
【0078】
アプリケーション130は、プロセッサ11により実現される機能部であり、例えば、所定のアプリケーションプログラムを実行させることで、所定の処理を実行する。ここで、所定のアプリケーションプログラムは、例えば、タッチスクリーン20によるペン30の手書き入力を受け付けて、表示部21の画面上にペン30の移動軌跡を表示するメモ機能を有するインスタントメモなどのプログラムである。アプリケーション130は、入力制御部110を介して取得したペンサンプルデータ及び予測位置データを、表示制御部120を介して、表示部21にペン30の移動軌跡として表示させる。
【0079】
次に、図面を参照して、本実施形態によるタブレット端末1の動作について説明する。
図9は、本実施形態によるタブレット端末1の動作の一例を示すフローチャートである。ここでは、入力制御部110の動作について説明する。
【0080】
図9に示すように、タブレット端末1の入力制御部110は、まず、ペンサンプルデータを検出したか否かを判定する(ステップS101)。入力制御部110は、タッチセンサ部22が、例えば、ペン30の接触を検出し、サンプリング周期でペンサンプルデータが検出されたか否かを判定する。入力制御部110は、タッチセンサ部22がペンサンプルデータを検出した場合(ステップS101:YES)に、処理をステップS102に進める。また、入力制御部110は、タッチセンサ部22がペンサンプルデータを検出していない場合(ステップS101:NO)に、処理をステップS101に戻す。
【0081】
ステップS102において、入力制御部110は、ペンサンプルデータを受信バッファ記憶部41に格納する。すなわち、入力制御部110の取得処理部111は、タッチセンサ部22が検出したペンサンプルデータを取得し、当該ペンサンプルデータを、取得順に(時系列順に)、受信バッファ記憶部41に記憶させる。
【0082】
次に、取得処理部111は、ペンサンプル数が、(M×N)個以上であるか否かを判定する(ステップS103)。取得処理部111は、取得したペンサンプルデータのペンサンプル数が、(M×N)個以上である場合(ステップS103:YES)に、処理をステップS104に進める。また、取得処理部111は、取得したペンサンプルデータのペンサンプル数が、(M×N)個未満である場合(ステップS103:NO)に、処理をステップS101に戻す。
【0083】
ステップS104において、入力制御部110の予測処理部112は、ペンサンプルデータをMサンプル間隔で間引いたN個をバッファサンプルとして取得する。予測処理部112は、例えば、
図5のバッファサンプルP
0~バッファサンプルP
3のように、4サンプル間隔(M=4)で、4個(N=4)のバッファサンプルを取得し、当該4個のバッファサンプル(P
0~P
3)を、受信バッファ記憶部41に記憶させる。
【0084】
次に、予測処理部112は、N個のバッファサンプルから予測位置データPpredを生成する(ステップS105)。予測処理部112は、例えば、上述した式(3)を用いて、バッファサンプルP0~バッファサンプルP2から予測位置データPpredを算出する。
【0085】
次に、予測処理部112は、バッファサンプルの最新の3点から補正指標値Lを算出する(ステップS106)。予測処理部112は、例えば、上述した式(4)を用いて、バッファサンプルP0~バッファサンプルP2から、補正指標値Lを算出する。
【0086】
次に、予測処理部112は、補正指標値Lに応じて、処理を分岐する(ステップS107)。予測処理部112は、重み付け記憶部42を参照して、補正指標値Lに応じて、処理を分岐する。予測処理部112は、例えば、補正指標値Lが、負の値、且つ、-1以上、閾値L1より小さい場合(-1≦L<L1,L<0)に、処理をステップS108に進める。
【0087】
また、予測処理部112は、例えば、補正指標値Lが、負の値、且つ、閾値L1以上、閾値L2より小さい場合(ステップS107:L1≦L<L2,L<0)に、処理をステップS109に進める。
【0088】
また、予測処理部112は、例えば、補正指標値Lが、負の値、且つ、閾値L2以上、閾値L3より小さい場合(ステップS107:L2≦L<L3,L<0)に、処理をステップS110に進める。
また、予測処理部112は、例えば、補正指標値Lが、負の値、且つ、閾値L3以上、閾値L4より小さい場合(ステップS107:L3≦L<L4,L<0)に、処理をステップS111に進める。
【0089】
また、予測処理部112は、例えば、補正指標値Lが、閾値L4以上である場合(ステップS107:L4≦L)に、処理をステップS112に進める。
【0090】
ステップS108において、予測処理部112は、重み付け値Wに、“0”を選定する(W=0)。ステップS108の処理後に、予測処理部112は、処理をステップS113に進める。
【0091】
また、ステップS109において、予測処理部112は、重み付け値Wに、W1を選定する(W=W1)。ステップS109の処理後に、予測処理部112は、処理をステップS113に進める。
【0092】
また、ステップS110において、予測処理部112は、重み付け値Wに、W2を選定する(W=W2)。ステップS110の処理後に、予測処理部112は、処理をステップS113に進める。
【0093】
また、ステップS111において、予測処理部112は、重み付け値Wに、W3を選定する(W=W3)。ステップS111の処理後に、予測処理部112は、処理をステップS113に進める。
【0094】
また、ステップS112において、予測処理部112は、予測処理を行わない(Ppred2=P0)。すなわち、予測処理部112は、予測処理を中止し、予測位置データの生成を行わない。ステップS112の処理後に、予測処理部112は、処理をステップS114に進める。
【0095】
ステップS113において、予測処理部112は、生成した予測位置データPpred、N個のバッファサンプル、及び重み付け値Wに基づいて、補正した予測位置データPpred2を生成する。予測処理部112は、予測位置データPpred、例えば、4個のバッファサンプルP0~バッファサンプルP3、及び重み付け値Wから、例えば、上述した式(5)を用いて、補正予測位置データPpred2を生成する。
【0096】
次に、予測処理部112は、予測位置データPpred2を出力する(ステップS114)。予測処理部112は、補正した補正予測位置データPpred2を、予測位置データとして、出力する。すなわち、入力制御部110は、取得処理部111が取得したペンサンプルデータ、及び予測位置データ(補正予測位置データPpred2、予測位置データPpred、及びペンサンプルデータP0のいずれか)を、例えば、アプリケーション130に出力する。予測処理部112は、ステップS114の処理後に、処理をステップS101に戻す。
【0097】
なお、アプリケーション130は、入力制御部110から取得したペンサンプルデータ及び予測位置データ(補正予測位置データPpred2)により、例えば、
図7に示すように、ペン30の移動軌跡を、表示部21に表示させる。
【0098】
次に、
図10~
図13を参照して、本実施形態による重み付け値Wの選定処理(変更処理)の具体例について説明する。
図10は、本実施形態における直線を手書き入力した場合の描画軌跡の一例を示す図である。また、
図11は、本実施形態における直線を手書き入力した場合の重み付け値Wの変更例のを示す図である。
【0099】
図10において、グラフの縦軸は、タッチスクリーン20(表示部21及びタッチセンサ部22)の縦軸を示すY軸方向の座標を示し、グラフの横軸は、タッチスクリーン20(表示部21及びタッチセンサ部22)の横軸を示すX軸方向の座標を示している。また、描画線DL3は、ペン30によって、タッチスクリーン20に手書き入力された描画線を示している。
【0100】
また、
図11において、グラフの縦軸は、重み付け値Wを示し、グラフの横軸は、時間を示している。また、波形WL1は、上述した手書き入力の描画線DL3における重み付け値Wの変化を示している。
【0101】
描画線DL3は、ほぼ直線であるため、
図11の波形WL1に示すように、予測処理部112は、重み付け値Wにほぼ“0”を選定し、稀にW1を選定する。
【0102】
これに対して、
図12は、本実施形態における曲線を手書き入力した場合の描画軌跡の一例を示す図である。また、
図13は、本実施形態における曲線を手書き入力した場合の重み付け値Wの変更例のを示す図である。
【0103】
図12において、グラフの縦軸は、タッチスクリーン20(表示部21及びタッチセンサ部22)の縦軸を示すY軸方向の座標を示し、グラフの横軸は、タッチスクリーン20(表示部21及びタッチセンサ部22)の横軸を示すX軸方向の座標を示している。また、描画線DL4は、ペン30によって、タッチスクリーン20に手書き入力された描画線を示している。ここでの、描画線DL4は、連続した曲線が入力されている。
【0104】
また、
図13において、グラフの縦軸は、重み付け値Wを示し、グラフの横軸は、時間を示している。また、波形WL2は、上述した手書き入力の描画線DL4における重み付け値Wの変化を示している。
【0105】
描画線DL4は、連続した曲線であるため、
図13の波形WL2に示すように、予測処理部112は、重み付け値WにW1~W3を選定し、稀に“0”を選定している。描画線DL4では、4か所曲線の角度変化が大きい箇所があり、予測処理部112は、波形WL2では、対応する4か所で重み付けが最も大きいW3の値を選定している。
【0106】
以上説明したように、本実施形態によるタブレット端末1(情報処理装置)は、表示部21と、タッチセンサ部22と、取得処理部111と、予測処理部112と、表示制御部120(表示処理部)とを備える。タッチセンサ部22は、表示部21の画面上に配置され、画面上における物体との接触を検出する。取得処理部111は、操作媒体(例えば、ペン30)が画面上に接触することで、タッチセンサ部22によって所定の検出間隔で検出された画面上の複数のペンサンプルデータ(第1検出位置データ)を取得する。予測処理部112は、操作媒体(例えば、ペン30)の予測移動位置を示す予測位置データを生成する処理部であって、予測処理と、選定処理と、補正処理とを実行する。予測処理部112は、予測処理として、複数のペンサンプルデータを2つ以上のデータ間隔で間引いた所定の数のバッファサンプルデータ(第2検出位置データ)に基づいて、操作媒体の予測移動位置を示す予測位置データ(Ppred)を生成する。予測処理部112は、選定処理として、所定の数のバッファサンプルデータのうち少なくとも最新の3点(P0~P2)の2点目を頂点(P1)とする角度(α1)の余弦値(cosα1)に基づく補正指標値Lに応じて、補正の重み付け値Wを選定する。予測処理部112は、補正処理として、予測位置データ(Ppred)を、最新の3点を含む所定の数のバッファサンプルデータ(P0~P3)及び重み付け値Wに基づいて補正する。表示制御部120は、ペンサンプルデータ(P0~P3)と、予測処理部112が出力した予測位置データ(例えば、Ppred2)とに基づいて、操作媒体(例えば、ペン30)が画面上に接触して移動した画面上の移動軌跡を、表示部21に表示させる。
【0107】
これにより、本実施形態によるタブレット端末1は、手書き入力する際に、予測精度を改善しつつ、手書き入力に対する表示の遅延を低減することができる。
例えば、
図6に示すように、予測処理は、予測に使用するサンプルの間隔Tが長い程、遠くの位置を予測可能である。そのため、本実施形態によるタブレット端末1では、複数のペンサンプルデータを2つ以上のデータ間隔で間引いた所定の数のバッファサンプルデータを用いて予測処理を行うことで、サンプルの間隔Tを長く(大きく)することができ、手書き入力に対する表示の遅延を低減することができる。
【0108】
また、本実施形態によるタブレット端末1では、予測処理部112が、補正指標値Lに応じて重み付け値Wを変更し、重み付け値Wに基づいて、予測位置データ(Ppred)を補正するため、予測精度を改善することができる。
よって、本実施形態によるタブレット端末1は、手書き入力する際に、予測精度を改善しつつ、手書き入力に対する表示の遅延を低減することができる。
【0109】
特に、手書き入力で曲線を入力する場合に、従来技術では、予測位置データが曲線の外側に尾を引くような直線になるテーリング効果(Tailing Effect)が発生して、ユーザーエクスペリエンスが低下する場合があった。
これに対して、本実施形態によるタブレット端末1では、補正指標値Lに応じて重み付け値Wを変更した補正を行うことにより、テーリング効果の発生を低減し、ユーザーエクスペリエンス及びユーザビリティを向上させることができる。
【0110】
また、本実施形態では、予測処理部112は、選定処理において、補正指標値Lが、負の値、且つ閾値L1(第1閾値)より小さい場合に、補正を行わない場合に対応する値(“0”)を補正の重み付け値Wに選定し、補正を行わずに、予測位置データ(Ppred)を出力する。すなわち、予測処理部112は、補正指標値Lが、負の値、且つ閾値L1(第1閾値)より小さい場合に、補正処理を実行しなくてもよい。なお、閾値L1(第1閾値)は、例えば、補正指標値Lが手書き入力がほぼ直線を示す場合に対応する値である。
【0111】
これにより、本実施形態によるタブレット端末1は、補正指標値Lに応じて、補正処理を実行するか否かを適切に切り替えることができ、予測精度を改善することができる。
【0112】
また、本実施形態では、予測処理部112は、選定処理において、補正指標値Lが、負の値、且つ閾値L1(第1閾値)以上である場合に、補正指標値Lが大きい程、補正の重み付け値Wに大きな値を選定する。
【0113】
これにより、本実施形態によるタブレット端末1は、手書き入力の曲線の緩急(鋭さや緩やかさ)に応じて、適切な補正を行うことが可能であり、予測精度をさらに改善することができる。
【0114】
また、本実施形態では、予測処理部112は、選定処理において、補正指標値Lが、負の値、且つ閾値L1(第1閾値)より大きい閾値L4(第2閾値)以上である場合に、予測処理を実行しない。この場合、表示制御部120は、予測位置データ(Ppred又はPpred2)を含まない移動軌跡を、表示部21に表示させる。
【0115】
これにより、本実施形態によるタブレット端末1は、例えば、予測処理が困難な急角度に変化する曲線の場合に、予測処理を実行しないため、無駄に予測精度を低下させることがない。
【0116】
また、本実施形態では、予測処理部112は、予測処理において、テイラー級数近似(例えば、式(3))に基づいて、予測位置データPpredを生成する。
これにより、本実施形態によるタブレット端末1は、テイラー級数近似という簡易な手法により、処理量を増やさづに予測位置データPpredを生成することができる。
【0117】
また、本実施形態では、表示制御部120は、複数のペンサンプルデータ(第1検出位置データ)に最新のペンサンプルデータが追加された場合に、予測位置データ(Ppred又はPpred2)を最新のペンサンプルデータに置き換えた移動軌跡を、表示部21に表示させる。
【0118】
これにより、本実施形態によるタブレット端末1は、手書き入力の際に、手書き入力に対する表示の遅延を低減しつつ、手書き入力後に正しい手書き入力移動軌跡をひょうじすることができ、ユーザビリティを向上させることができる。
【0119】
また、本実施形態による制御方法は、表示部21と、表示部21の画面上に配置され、画面上における物体との接触を検出するタッチセンサ部22とを備えるタブレット端末1(情報処理装置)の制御方法であって、取得ステップと、予測ステップと、表示ステップとを含む。取得ステップにおいて、取得処理部111が、操作媒体(例えば、ペン30)が画面上に接触することで、タッチセンサ部22によって所定の検出間隔で検出された画面上の複数のペンサンプルデータを取得する。予測ステップにおいて、予測処理部112が、予測処理と、選定処理と、補正処理とを実行する。予測処理部112が、予測処理において、複数のペンサンプルデータを2つ以上のデータ間隔で間引いた所定の数のバッファサンプルデータに基づいて、操作媒体(例えば、ペン30)の予測移動位置を示す予測位置データ(Ppred)を生成する。予測処理部112が、選定処理において、所定の数のバッファサンプルデータのうち少なくとも最新の3点の2点目を頂点とする角度の余弦値(cosα1)に基づく補正指標値Lに応じて、補正の重み付け値Wを選定する。予測処理部112が、補正処理において、予測位置データ(Ppred)を、最新の3点の所定の数のバッファサンプルデータ及び重み付け値Wに基づいて補正する。表示ステップにおいて、表示制御部120が、ペンサンプルデータと、予測処理部112が出力した予測位置データ(Ppred又はPpred2)とに基づいて、操作媒体(例えば、ペン30)が画面上に接触して移動した画面上の移動軌跡を、表示部21に表示させる。
【0120】
これにより、本実施形態による制御方法は、上述したタブレット端末1と同様の効果を奏し、手書き入力する際に、予測精度を改善しつつ、手書き入力に対する表示の遅延を低減することができる。
【0121】
なお、本実施形態によるタブレット端末1(情報処理装置)は、以下の形態であってもよい。本実施形態によるタブレット端末1(情報処理装置)は、表示部21と、表示部21の画面上における操作媒体(例えば、ペン30)の接触位置を検出するタッチセンサ部22と、プログラムを一時的に記憶するメインメモリ12(メモリ)と、メインメモリ12に記憶されたプログラムを実行するプロセッサ11とを備える。プロセッサ11は、メインメモリ12に記憶されたプログラムを実行することにより、取得処理と、予測処理と、選定処理と、補正処理と、表示処理とを実行する。プロセッサ11は、取得処理において、操作媒体(例えば、ペン30)が画面上に接触することで、タッチセンサ部22によって所定の検出間隔で検出された画面上の複数のペンサンプルデータを取得する。プロセッサ11は、予測処理において、複数のペンサンプルデータを2つ以上のデータ間隔で間引いた所定の数のバッファサンプルデータに基づいて、操作媒体(例えば、ペン30)の予測移動位置を示す予測位置データ(Ppred)を生成する。プロセッサ11は、選定処理において、所定の数のバッファサンプルデータのうち少なくとも最新の3点の2点目を頂点とする角度の余弦値(cosα1)に基づく補正指標値Lに応じて、補正の重み付け値Wを選定する。プロセッサ11は、補正処理において、予測位置データ(Ppred)を、最新の3点の所定の数のバッファサンプルデータ及び重み付け値Wに基づいて補正する。プロセッサ11は、表示処理において、ペンサンプルデータと、予測処理部112が出力した予測位置データ(Ppred又はPpred2)とに基づいて、操作媒体(例えば、ペン30)が画面上に接触して移動した画面上の移動軌跡を、表示部21に表示させる。
【0122】
これにより、本実施形態によるタブレット端末1は、上述した制御方法と同様の効果を奏し、手書き入力する際に、予測精度を改善しつつ、手書き入力に対する表示の遅延を低減することができる。
【0123】
[第2の実施形態]
次に、図面を参照して、第2の実施形態によるタブレット端末1aについて説明する。
図14は、第2の実施形態によるタブレット端末1aの機能構成の一例を示すブロック図である。本実施形態では、入力制御部110aの代わりに、アプリケーション130aが、予測処理を実行する変形例について説明する。
【0124】
なお、第2の実施形態によるタブレット端末1aの外観図及び主要なハードウェア構成は、
図1及び
図2に示す第1の実施形態と同様であるため、ここではその説明を省略する。
【0125】
図14に示すように、タブレット端末1aは、制御部10aと、タッチスクリーン20と、ペン30と、記憶部40とを備える。なお、
図14において、上述した
図3と同様の構成には同一の符号を付与してその説明を省略する。
【0126】
制御部10aは、例えば、プロセッサ11がメインメモリ12又はフラッシュメモリ13が記憶するプログラムを実行することで実現される機能部であり、OS(例えば、Android(登録商標)など)に基づく各種処理を実行する。制御部10aは、入力制御部110aと、表示制御部120と、アプリケーション130aとを備える。
【0127】
入力制御部110aは、プロセッサ11により実現される機能部である。入力制御部110aは、例えば、タッチセンサ部22による入力を制御するデバイスドライバであり、タッチセンサ部22の入力によって、表示部21の画面上における操作媒体(例えば、ペン30)の位置や接触を検出する。入力制御部110aは、取得処理部111を備える。
【0128】
なお、本実施形態の入力制御部110aは、上述した第1の実施形態の入力制御部110が備える予測処理部112を、アプリケーション130aが備える点が第1の実施形態と相違する。
【0129】
アプリケーション130aは、プロセッサ11により実現される機能部であり、例えば、所定のアプリケーションプログラムを実行させることで、所定の処理を実行する。ここで、所定のアプリケーションプログラムは、例えば、タッチスクリーン20によるペン30の手書き入力を受け付けて、表示部21の画面上にペン30の移動軌跡を表示するメモ機能を有するインスタントメモなどのプログラムである。
【0130】
また、アプリケーション130aは、予測処理部112を備える。予測処理部112の処理は、第1の実施形態と同様であるため、ここではその説明を省略する。
アプリケーション130aは、入力制御部110を介して取得したペンサンプルデータ、及び予測処理部112が生成した予測位置データを、表示制御部120を介して、表示部21にペン30の移動軌跡として表示させる。
【0131】
以上説明したように、本実施形態によるタブレット端末1aでは、アプリケーション130aが、予測処理部112を備え、上述した予測処理が、アプリケーション130aにおいて実行される。
【0132】
これにより、本実施形態によるタブレット端末1aは、第1の実施形態と同様の効果を奏し、手書き入力する際に、予測精度を改善しつつ、手書き入力に対する表示の遅延を低減することができる。
【0133】
なお、本発明は、上記の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
例えば、上記の各実施形態において、情報処理装置が、タブレット端末1(1a)である例を説明したが、これに限定されるものではない。情報処理装置は、例えば、スマートフォンやタブレットモードを備えるノートブック型パーソナルコンピュータなどであってもよい。
【0134】
また、上記の各実施形態において、予測位置データを生成する予測処理に、テイラー級数近似を用いる例を説明したが、これに限定されるものではなく、他の方式により、予測位置データを生成するようにしてもよい。
【0135】
また、上記の各実施形態において、重み付け値Wを用いた補正処理の一例として、式(5)を用いる例を説明したが、これに限定されるものではなく、他の方式の補正を行ってもよい。
【0136】
また、上記の各実施形態において、補正指標値Lは、1箇所の角度α1を用いて算出する例を説明したが、複数箇所の角度を用いて、補正指標値Lを算出するようにしてもよい。また、この場合、複数箇所の補正指標値Lの平均値を補正指標値として用いてもよい。
【0137】
また、上記の各実施形態において、補正指標値Lが閾値L1より小さい場合に、補正処理を実行せずに、予測位置データPpredをそのまま用いる例を説明したが、これに限定されるものではない。予測処理部112は、補正指標値Lが負の値、且つ閾値L1より小さい場合に、さらにサンプル間隔を広くしたバッファサンプルによるさらに遠くの予測位置データPpredを生成して用いてもよい。
【0138】
また、上記の各実施形態において、予測処理部112は、予測処理に、所定の数のバッファサンプルの一部を用いる例を説明したが、所定の数のバッファサンプルの全部を用いて、予測処理を実行するようにしてもよい。また、所定の数N及びサンプル間隔Mは、上記の各実施形態に限定されるものではなく、予測処理の方式及び処理量と、補正処理の方式及び処理量とに応じて、他の値であってもよい。
【0139】
また、上記の各実施形態において、操作媒体がペン30である例を説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、利用者の指、等の他の操作媒体であってもよい。
【0140】
なお、上述したタブレット端末1(1a)が備える各構成は、内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述したタブレット端末1が備える各構成の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上述したタブレット端末1(1a)が備える各構成における処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0141】
また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD-ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。
【0142】
また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部又は外部に設けられた記録媒体も含まれる。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後にタブレット端末1(1a)が備える各構成で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0143】
また、上述した機能の一部又は全部を、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路として実現してもよい。上述した各機能は個別にプロセッサ化してもよいし、一部、又は全部を集積してプロセッサ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、又は汎用プロセッサで実現してもよい。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いてもよい。
【符号の説明】
【0144】
1、1a タブレット端末
10、10a 制御部
11 プロセッサ
12 メインメモリ
13 フラッシュメモリ
20 タッチスクリーン
21 表示部
22 タッチセンサ部
23 周辺デバイス
24 オーディオシステム
25 マイク
26 スピーカ
27 ベースバンドチップ
28 無線部
30 ペン
40 記憶部
41 受信バッファ記憶部
42 重み付け記憶部
110、110a 入力制御部
111 取得処理部
112 予測処理部
120 表示制御部
130、130a アプリケーション
CS1 筐体
DF 表示画面