(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023104142
(43)【公開日】2023-07-28
(54)【発明の名称】ブロック投入船およびブロックの投入方法
(51)【国際特許分類】
B63B 35/00 20200101AFI20230721BHJP
B63B 25/04 20060101ALI20230721BHJP
【FI】
B63B35/00 F
B63B25/04 Z
B63B25/04 102A
B63B25/04 102G
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022004959
(22)【出願日】2022-01-17
(71)【出願人】
【識別番号】000219406
【氏名又は名称】東亜建設工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】504108934
【氏名又は名称】稲益造船株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001368
【氏名又は名称】清流国際弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100129252
【弁理士】
【氏名又は名称】昼間 孝良
(74)【代理人】
【識別番号】100155033
【弁理士】
【氏名又は名称】境澤 正夫
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼島 尚吾
(72)【発明者】
【氏名】小山 央
(72)【発明者】
【氏名】稲益 嘉積
(57)【要約】
【課題】可動フック装置の荷重負担を軽減でき、かつ、ワイヤロープの一端部を可動フック装置に係止させる作業の軽労化を図ることができるブロック投入船およびブロックの投入方法を提供する。
【解決手段】ブロック投入船1の船倉3を構成する底面部4A、4Bの船幅方向外側に立設された側壁5の上端面5b上に可動フック装置8を設置し、可動フック装置8から船長方向に離間した上端面5b上の所定位置に折り返し部10を設置し、側壁5の内側壁面5aにガイド部11を設置しておく。船倉3に対して複数のブロックBを固縛する作業では、可動フック装置8に係止した一端部7aから船長方向に向かって延在するワイヤロープ7を折り返し部10とガイド部11に掛け回して、複数のブロックBの外周に掛け回したワイヤロープ7の他端部を内側壁面5aに設置した固定部9に接続した状態にする。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
船体の船幅方向外側から船幅方向中央に向かって下方傾斜する左右一対の底面部と前記底面部の前記船幅方向外側に立設されている側壁を有する開閉式の船倉と、前記底面部上に前記船幅方向に並列配置された複数のブロックを前記船倉に対して固縛する固縛手段とを備え、前記固縛手段が複数の前記ブロックの外周に掛け回されるワイヤロープと、前記ワイヤロープの一端部が係止される可動フック装置と、前記ワイヤロープの他端部が接続される固定部とを有するブロック投入船において、
前記可動フック装置が前記側壁の上端面上に設置されていて、さらに、前記可動フック装置から船長方向に離間した前記上端面上の所定位置に設置された折り返し部と、前記側壁の内側壁面に設置されたガイド部とを有し、
前記固縛手段により前記船倉に対して複数の前記ブロックが固縛された固縛状態では、前記ワイヤロープが、前記可動フック装置に係止された前記一端部から前記船長方向に向かって延在して前記折り返し部に掛け回されることにより前記船幅方向に屈曲した後、前記ガイド部に向かって前記内側壁面に沿った方向に延在し、前記ガイド部に掛け回されて屈曲して複数の前記ブロックの外周に掛け回されて、前記他端部が前記内側壁面に設置された前記固定部に接続されていることを特徴とするブロック投入船。
【請求項2】
前記側壁の前記船幅方向中央側の上方角部を被覆する保護部を有し、前記固縛状態では、前記保護部に前記ワイヤロープが当接している請求項1に記載のブロック投入船。
【請求項3】
前記折り返し部から前記船長方向に離間した前記上端面上の所定位置に振れ抑制部が設置されていて、前記固縛状態では、前記折り返し部と前記振れ抑制部との間に前記折り返し部に掛け回された前記ワイヤロープが配設された状態となる請求項1または2に記載のブロック投入船。
【請求項4】
前記底面部の傾斜面に沿って前記ブロックの滑走方向をガイドするガイドバーが敷設されている請求項1~3のいずれかに記載のブロック投入船。
【請求項5】
前記内側壁面の高さ方向中途位置に前記船長方向に延在する足場が設置されている請求項1~4のいずれかに記載のブロック投入船。
【請求項6】
前記ガイド部の上方に位置する前記足場の所定位置に貫通孔が設けられていて、前記固縛状態では、前記折り返し部から延在する前記ワイヤロープが前記貫通孔に挿通した状態となる請求項5に記載のブロック投入船。
【請求項7】
ブロック投入船の開閉式の船倉を構成する船幅方向外側から船幅方向中央に向かって下方傾斜する左右一対の底面部上にそれぞれブロックを前記船幅方向および船長方向に複数列配置し、前記船幅方向に並列配置した複数の前記ブロックの外周にワイヤロープを掛け回した状態で、前記ワイヤロープの一端部を可動フック装置に係止し、前記ワイヤロープの他端部を固定部に接続して複数の前記ブロックを前記船倉に対して固縛した固縛状態とし、前記ブロック投入船を複数の前記ブロックの投入目標地点まで移動させ、前記左右一対の底面部を開口した後に前記可動フック装置による前記一端部の係止を解除することにより、複数の前記ブロックの前記固縛状態を解除して、複数の前記ブロックを前記底面部上を滑走させて水中に投入するブロックの投入方法において、
前記底面部の前記船幅方向外側に立設された側壁の上端面上に前記可動フック装置を設置し、前記可動フック装置から前記船長方向に離間した前記上端面上の所定位置に折り返し部を設置し、前記側壁の内側壁面にガイド部を設置しておき、
前記船倉に対して複数の前記ブロックを固縛する際には、前記ワイヤロープを、前記可動フック装置に係止した状態の前記一端部から前記船長方向に向けて延在させて前記折り返し部に掛け回した状態にすることにより前記船幅方向に屈曲させて前記ガイド部に向けて前記内側壁面に沿う方向に延在させ、前記ガイド部に掛け回した状態にすることにより屈曲させて複数の前記ブロックの外周に掛け回した状態とし、前記他端部を前記内側壁面に設置した前記固定部に接続した状態にすることを特徴とするブロックの投入方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブロック投入船およびブロックの投入方法に関し、さらに詳しくは、可動フック装置の荷重負担を軽減でき、かつ、ワイヤロープの一端部を可動フック装置に係止させる作業の軽労化を図ることができるブロック投入船およびブロックの投入方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ブロック投入船を使用して水底に多数のブロックを投入して人工的なマウンド(隆起形状体)を形成することで、水底に人工的な漁場を形成する工事が行われている(例えば、特許文献1、2参照)。ブロック投入船は、船体の船幅方向外側から船幅方向中央に向かって下方傾斜する左右一対の底面部と、底面部の船幅方向外側に立設された側壁を有する開閉式の船倉を備えている。ブロック投入船では、船倉の左右一対の底面部上に多数のブロックを整列配置し、船幅方向に並列配置された複数のブロックをそれぞれ固縛手段によって固縛した状態で運航する。
【0003】
特許文献1や特許文献2に記載の発明のように、従来のブロック投入船では、船幅方向に並列配置した複数のブロックの外周にワイヤロープを掛け回した状態で、ワイヤロープの一端部を船倉の側壁の内側壁面に設置した可動フック装置に係止し、ワイヤロープの他端部を側壁の内側壁面に設置した固定部に接続することで、複数のブロックを固縛していた。この従来構造では、固縛する複数のブロックの大きな荷重がワイヤロープを介して可動フック装置に直接的にかかる。そのため、複数のブロックの荷重に耐え得る重厚長大な可動フック装置を採用する必要があり、可動フック装置を側壁の内側壁面に固定する作業にも多くの労力を要していた。また、複数のブロックを固縛する作業では、作業者は船倉の底面部の比較的急な傾斜面に立った状態で可動フック装置にワイヤロープの一端部を接続する必要があり、底面部上にブロックが載置された状態では作業スペースも狭かった。そのため、可動フック装置にワイヤロープの一端部を接続する作業に多くの労力を要していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005-335423号公報
【特許文献2】特開2017-144830号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、可動フック装置の荷重負担を軽減でき、かつ、ワイヤロープの一端部を可動フック装置に係止させる作業の軽労化を図ることができるブロック投入船およびブロックの投入方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため本発明のブロック投入船は、船体の船幅方向外側から船幅方向中央に向かって下方傾斜する左右一対の底面部と前記底面部の前記船幅方向外側に立設されている側壁を有する開閉式の船倉と、前記底面部上に前記船幅方向に並列配置された複数のブロックを前記船倉に対して固縛する固縛手段とを備え、前記固縛手段が複数の前記ブロックの外周に掛け回されるワイヤロープと、前記ワイヤロープの一端部が係止される可動フック装置と、前記ワイヤロープの他端部が接続される固定部とを有するブロック投入船において、前記可動フック装置が前記側壁の上端面上に設置されていて、さらに、前記可動フック装置から船長方向に離間した前記上端面上の所定位置に設置された折り返し部と、前記側壁の内側壁面に設置されたガイド部とを有し、前記固縛手段により前記船倉に対して複数の前記ブロックが固縛された固縛状態では、前記ワイヤロープが、前記可動フック装置に係止された前記一端部から前記船長方向に向かって延在して前記折り返し部に掛け回されることにより前記船幅方向に屈曲した後、前記ガイド部に向かって前記内側壁面に沿った方向に延在し、前記ガイド部に掛け回されて屈曲して複数の前記ブロックの外周に掛け回されて、前記他端部が前記内側壁面に設置された前記固定部に接続されていることを特徴とする。
【0007】
本発明のブロックの投入方法は、ブロック投入船の開閉式の船倉を構成する船幅方向外側から船幅方向中央に向かって下方傾斜する左右一対の底面部上にそれぞれブロックを前記船幅方向および船長方向に複数列配置し、前記船幅方向に並列配置した複数の前記ブロックの外周にワイヤロープを掛け回した状態で、前記ワイヤロープの一端部を可動フック装置に係止し、前記ワイヤロープの他端部を固定部に接続して複数の前記ブロックを前記船倉に対して固縛した固縛状態とし、前記ブロック投入船を複数の前記ブロックの投入目標地点まで移動させ、前記左右一対の底面部を開口した後に前記可動フック装置による前記一端部の係止を解除することにより、複数の前記ブロックの前記固縛状態を解除して、複数の前記ブロックを前記底面部上を滑走させて水中に投入するブロックの投入方法において、前記底面部の前記船幅方向外側に立設された側壁の上端面上に前記可動フック装置を設置し、前記可動フック装置から前記船長方向に離間した前記上端面上の所定位置に折り返し部を設置し、前記側壁の内側壁面にガイド部を設置しておき、前記船倉に対して複数の前記ブロックを固縛する際には、前記ワイヤロープを、前記可動フック装置に係止した状態の前記一端部から前記船長方向に向けて延在させて前記折り返し部に掛け回した状態にすることにより前記船幅方向に屈曲させて前記ガイド部に向けて前記内側壁面に沿う方向に延在させ、前記ガイド部に掛け回した状態にすることにより屈曲させて複数の前記ブロックの外周に掛け回した状態とし、前記他端部を前記内側壁面に設置した前記固定部に接続した状態にすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、可動フック装置を船倉の側壁の上端面上に設置し、さらに、折り返し部とガイド部を設けて、ワイヤロープを可動フック装置に係止した一端部から船長方向に向かって延在させて折り返し部とガイド部とに掛け回した構造にしている。これにより、船倉に対して複数のブロックを安定して固縛しつつ、ワイヤロープの一端部側にかかるブロックの荷重を、可動フック装置と折り返し部とに分散させることができる。それ故、可動フック装置の荷重負担を軽減でき、可動フック装置の小型化を図ることができる。さらに、可動フック装置を船倉の側壁の上端面上に設置していることで、ワイヤロープの一端部を可動フック装置に係止させる作業を船倉の外側から行うことも可能になり、作業スペースも比較的広くとれる。そのため、ワイヤロープの一端部を可動フック装置に係止させる作業の軽労化を図ることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明のブロック投入船により水中にブロックを投入して水底にマウンドを形成している状況を側面視で模式的に例示する説明図である。
【
図2】
図1のブロック投入船を平面視で例示する説明図である。
【
図3】
図1のブロック投入船を縦断面視で例示する説明図である。
【
図4】
図1のブロック投入船に搭載しているブロックの区分けを平面視で例示する説明図である。
【
図5】
図2の固縛手段を平面視で拡大して例示する説明図である。
【
図6】
図3の固縛手段を平面視でさらに拡大して例示する説明図である。
【
図7】
図3の固縛手段を縦断面視で拡大して例示する説明図である。
【
図8】
図1のブロック投入船により水中にブロックを投入している状態を縦断面視で例示する説明図である。
【
図9】ワイヤロープの一端部を拡大して平面視で例示する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明のブロック投入船およびブロックの投入方法を、図に示した実施形態に基づいて説明する。
【0011】
図1に例示するように、本発明ではブロック投入船1を使用して多数のブロックBを水中に投入することにより、水底に多数のブロックBが積み重なったマウンドM(隆起形状体)を形成する。
図2に例示するように、ブロック投入船1は、所謂全開式の土運船を改造したものであり、多数のブロックBが搭載される開閉式の船倉3と、複数のブロックBを船倉3に対して固縛する固縛手段6とを備えている。図面では、ブロック投入船1の船長方向(前後方向)、船幅方向(左右方向)、高さ方向(上下方向)をそれぞれ矢印X、Y、Zで示している。
【0012】
図3に例示するように、船倉3は、ブロック投入船1の船体2の船幅方向外側から船幅方向中央に向かって下方傾斜する左右一対の底面部4A、4Bと、それぞれの底面部4A、4Bの船幅方向外側に立設された側壁5と、左右一対の底面部4A、4Bの開閉を行う開閉機構とを有して構成されている。図面では開閉機構を省略している。
【0013】
ブロック投入船1が傾いていない中立状態において、船倉3を閉じた状態のそれぞれの底面部4A、4Bの水平に対する傾斜角度(勾配)は例えば、25°~35°程度である。底面部4A、4Bに対する側壁5の高さは、例えば、1.5m~3.0m程度である。ブロック投入船1が中立状態で側壁5の上端面5b(所謂、コーミング)は略水平であり、上端面5bの船幅方向の幅は例えば、0.2m~0.7m程度である。側壁5の船幅方向外側には作業員が通行可能な通路2a(上甲板)があり、通路2aと側壁5の上端面5bとの高低差は例えば、0.7m~1.7m程度である。
【0014】
図4に例示するように、この実施形態では、それぞれの底面部4A、4Bに30個ずつ、合計で60個のブロックBが船倉3に積み込まれる。それぞれの底面部4A、4BにブロックBが船幅方向に2列、船長方向に15列で整列配置される。それぞれの底面部4A、4Bで船幅方向に並列配置された複数のブロックB(この実施形態では2個のブロックB)を1つのブロック群G(G1~G3)として、それぞれのブロック群Gが固縛手段6により船倉3に対して固縛される。この実施形態では、それぞれの底面部4A、4Bに15組ずつ、合計で30組の固縛手段6が船倉3に設置されている。
図4では固縛手段6を省略している。
【0015】
図5~
図7に例示するように、固縛手段6は、ブロック群Gを構成する複数のブロックBの外周に掛け回されるワイヤロープ7と、ワイヤロープ7の一端部7aが係止される可動フック装置8と、ワイヤロープ7の他端部が接続される固定部9とを有している。本発明では、可動フック装置8を側壁5の上端面5b上に設置している。さらに、固縛手段6として、可動フック装置8から船長方向に離間した上端面5b上の所定位置に設置された折り返し部10と、側壁5の内側壁面5aに設置されたガイド部11とを有していることが大きな特徴である。この実施形態のブロック投入船1は、さらに、側壁5の上端面5bに設置される保護部12と振れ抑制部13を有している。
【0016】
可動フック装置8は、側壁5の上端面5b上に固定される支持フレーム8aと、支持フレーム8aに対して回動可能に接続されたフック部8bと、支持フレーム8aに対してフック部8bとは異なる回転軸で回転可能に接続されたレバー部8cとを有している。可動フック装置8は、さらに、レバー部8cに接続されたアクチュエータ部8dと、アクチュエータ部8dを制御する制御部8eとを有している。
【0017】
支持フレーム8aは上端面5b上に溶接などで固定される。フック部8bには、ワイヤロープ7の輪状に形成された一端部7aが係止される。レバー部8cがフック部8bをロックする位置(以下、ロック位置という)に固定された状態では、フック部8bはワイヤロープ7の一端部7aを係止可能な向きで固定された状態となる。レバー部8cがロック位置から支持フレーム8aに対して回動してフック部8bのロックを解除する位置(以下、ロック解除位置という)に移動すると、フック部8bが支持フレーム8aに対して回動可能な状態となり、フック部8bによるワイヤロープ7の一端部7aの係合状態が解除される構造になっている。
【0018】
アクチュエータ部8dは、レバー部8cをロック位置で固定する機能とロック解除位置に回動させる機能を有している。この実施形態のアクチュエータ部8dは電動油圧シリンダーで構成されている。アクチュエータ部8dを固定する土台は上端面5b上に溶接などで固定される。アクチュエータ部8dは、例えば、支持フレーム8aに固定した構造にすることもできる。アクチュエータ部8dは例えば、空気圧シリンダーやガス圧シリンダーなどで構成することもできるが、電動油圧シリンダーで構成すると、可動フック装置8を比較的コンパクトに構成することができ、配線も比較的簡素にできる。
【0019】
制御部8eは、アクチュエータ部8dを制御することにより、レバー部8cをロック位置に固定した状態と、レバー部8cをロック位置からロック解除位置に移動させた状態とを切り換える。可動フック装置8は、平面視でフック部8bの延在方向(フック部8bの回転軸と直交する方向)が、船幅方向に対して交差する向きで設置するとよい。
【0020】
折り返し部10は、例えば、金属製の円柱体や円管体で構成される。折り返し部10は、上端面5b上の可動フック装置8(フック部8b)から船長方向に0.5m~1.5m程度離間した位置に立設されている。折り返し部10の上部には、掛け回されたワイヤロープ7が上方に抜けることを防止する拡頭部が設けられている。
【0021】
ガイド部11は、船幅方向に延在する円管部と、円管部の船幅方向の両側に設けられた一対の遮蔽部11aとを有して構成されている。一対の遮蔽部11aの一端部は側壁5の内側壁面5aに固定されていて、一対の遮蔽部11aの他端部に円管部の端部が接合されている。内側壁面5aと円管部との間には5cm~20cm程度のすき間が設けられている。内側壁面5a、円管部および一対の遮蔽部11aで囲まれたすき間にワイヤロープ7が挿通した状態で、円管部の内側壁面5a側からワイヤロープ7が掛け回された状態となる。ガイド部11は、例えば、側壁5の下端から0.5m~1.5m程度高い位置に配置される。
【0022】
保護部12は、側壁5の船幅方向中央側の上方角部を被覆して、ワイヤロープ7による上方角部の損傷を防止する部材である。保護部12は例えば、金属製の板状部材や管状部材などで構成される。この実施形態では、保護部12として、側壁5の上方角部の上端面5b側と内側壁面5a側にそれぞれ金属製の丸管を半円状に切断したものを溶接で固定している。保護部12は、ワイヤロープ7が側壁5の上方角部に接触することを防止できる構成であれば、他にも様々な構成にすることができる。例えば、保護部12として、側壁5の上方角部に折り曲げた金属板などを被せて設置することもできる。
【0023】
振れ抑制部13は、例えば、金属製の円柱体や円管体で構成される。振れ抑制部13は、折り返し部10から船長方向に例えば、0.2m~0.5m程度離間した上端面5b上の所定位置に設置される。振れ抑制部13は、船長方向において、折り返し部10に対して可動フック装置8と反対側に配置されている。固定部9は例えば、ワイヤロープ7の他端部が接続されるリギンスクリューと、リギンスクリューを内側壁面5aに対して回動可能に連結する固定金具とで構成される。
【0024】
固縛手段6により船倉3に対してブロック群G(複数のブロックB)が固縛された状態(以下、固縛状態という)では、ワイヤロープ7が、可動フック装置8(フック部8b)に係止された一端部7aから船長方向に向かって延在して折り返し部10に掛け回されることにより船幅方向に屈曲した後、ガイド部11に向かって内側壁面5aに沿った方向に延在した状態となる。折り返し部10に掛け回されたワイヤロープ7は、折り返し部10と振れ抑制部13との間に配設された状態となる。この実施形態では、折り返し部10から船幅方向に向かって延在するワイヤロープ7が保護部12の上面に当接した状態で、ワイヤロープ7の延在方向が上端面5bの上面に沿った方向から内側壁面5aに沿った方向に屈曲した状態となる。
【0025】
そして、折り返し部10から保護部12を通って延在するワイヤロープ7がガイド部11(円管部)に掛け回されることにより、ワイヤロープ7の延在方向が内側壁面5aに沿った方向から底面部4A(4B)の傾斜面に沿った方向に屈曲した状態となる。ガイド部11から延在したワイヤロープ7は、ブロック群Gの外周に掛け回されて他端部が内側壁面5aに設置された固定部9に接続された状態となる。
【0026】
固縛状態では、張った状態のワイヤロープ7にブロック群Gの荷重がかかり、そのワイヤロープ7にかかった荷重が可動フック装置8、折り返し部10および固定部9により支持された状態となる。可動フック装置8によるワイヤロープ7の一端部7aの係止状態が解除されると、固縛手段6による固縛状態は解除され、ブロック群Gが底面部4A、4Bの傾斜面上を滑走可能な状態となる。
【0027】
図2に例示するように、この実施形態では、ブロック投入船1の操船室16よりも船倉3側(船首側)に操作室17が設けられていて、操作室17の内部に可動フック装置8の遠隔操作を行う操作盤18と、操作盤18による指令をそれぞれの可動フック装置8の制御部8eに送信する送信部19が設けられている。操作盤18にはそれぞれの可動フック装置8に対応するスイッチが設けられていて、スイッチを切り換えると送信部19から対応する制御部8eにアクチュエータ部8dを駆動させる指令が入力される構成になっている。
【0028】
図7に例示するように、この実施形態では、さらに、内側壁面5aの高さ方向中途位置に船長方向に延在する足場14が設置されている。ガイド部11の遮蔽部11aによって足場14が支持されるとともに、足場14の外側端部が内側壁面5aに固定されている。足場14は、側壁5の上端面5bから例えば0.5m~1.3m程度低い位置に配置される。ガイド部11の上方に位置する足場14の所定位置には貫通孔14aが設けられていて、固縛状態では、折り返し部10から延在するワイヤロープ7が貫通孔14aに挿通し、ガイド部11に掛け回された状態となる。足場14の貫通孔14aにはそれぞれ蓋14bが設けられている。固縛状態では蓋14bが開いた状態で、蓋14bが内側壁面5aに斜めに立て掛けられた状態になる。可動フック装置8の点検作業などを行う際には、貫通孔14aを蓋14bで塞いだ状態にすることで、足場14上でより安全に作業を行うことができる。なお、
図2、
図4~6では足場14を省略している。
【0029】
この実施形態では、さらに、それぞれのブロック群Gの船長方向の一方側と他方側の底面部4A、4B上に、ブロックBの滑走方向をガイドするガイドバー15が敷設されている。それぞれのガイドバー15は、底面部4A、4Bの傾斜面に沿って船幅方向に延設されている。ガイドバー15は、例えば、金属などで形成された棒状部材や板状部材で構成され、底面部4A、4Bに溶接などで固定される。
【0030】
次に、ブロック投入船1を使用したブロックBの投入方法を説明する。
【0031】
ブロック投入船1にブロックBを搭載する作業では、船倉3を閉じた状態で、クレーンを使用して底面部4A、4B上にそれぞれブロックBを船幅方向および船長方向に複数列配置するとともに、固縛手段6によりブロック群Gごとに船倉3に対して固縛した状態にする。
【0032】
より具体的には、クレーンを使用して、底面部4A(4B)上に複数のブロックBを船幅方向に並べて載置し、その複数のブロックB(ブロック群G)を吊持した状態にする。そして、可動フック装置8のロックした状態のフック部8bにワイヤロープ7の一端部7aを係止し、一端部7aから船長方向に向けて延在させたワイヤロープ7を折り返し部10、ガイド部11に掛け回した状態で、ワイヤロープ7の中途部分を複数のブロックBの外周(側面と前面)に掛け回し、ワイヤロープ7の他端部を固定部9に接続した状態にする。そして、クレーンによるブロックBの吊持状態を解除して、固縛手段6によりブロック群Gを固縛した状態にする。
【0033】
なお、底面部4A(4B)上にブロックBを載置する作業、ワイヤロープ7の一端部7aを可動フック装置8に係止させる作業、ワイヤロープ7の中途部分を複数のブロックBの外周に掛け回す作業、および、ワイヤロープ7の他端部を固定部9に接続する作業の作業順は特に限定されない。例えば、ブロックBを底面部4A(4B)上に載置する前に、折り返し部10とガイド部11に掛け回した状態のワイヤロープ7の一端部7aを可動フック装置8に係止し、ワイヤロープ7の他端部を固定部9に接続して、ワイヤロープ7を輪状に配設しておく。その後、クレーンを使用して複数のブロックBを輪状にしたワイヤロープ7の内側に載置して、その複数のブロックBの外周にワイヤロープ7を掛け回した状態にすることで、ブロック群Gを固縛した状態にすることもできる。
【0034】
そして、ブロックBの搭載作業が完了した後に、多数のブロックBを搭載したブロック投入船1をマウンドMを形成するブロックBの投入目標地点まで移動させる。そして、
図8に例示するように船倉3を開く。具体的には、開閉機構により船幅方向中央で前後に延びる回転軸Cを中心にして、左右一対の底面部4A、4Bをそれぞれ船幅方向外側に開くことで、左右一対の底面部4A、4Bの内側端部4cどうしが離間して、船幅方向中央に水中への開口部が形成される。次いで、可動フック装置8によるワイヤロープ7の一端部7aの係止を解除することにより、固縛手段6による船倉3に対するブロック群Gの固縛状態を解除して、複数のブロックBを底面部4A、4B上を滑走させて水中に投入する。
【0035】
この実施形態では、作業者が操作盤18に設けられているスイッチを切り換えると、送信部19を介してそれぞれ対応する制御部8eにアクチュエータ部8dを駆動させる指令が入力される。そして、制御部8eによりアクチュエータ部8dが駆動されることで、レバー部8cがロック解除位置に回動して、レバー部8cによるフック部8bのロック状態が解除される。そして、フック部8bが回動することによりフック部8bからワイヤロープ7の一端部7aが外れて、固縛手段6によるブロック群Gの固縛状態が解除される。そして、それぞれのブロックBが船倉3の中央の開口部に向かってガイドバー15に沿って底面部4A、4B上を滑走し、船倉3の開口部を通過して水中に投入される。
【0036】
図4に例示するように、この実施形態では、船倉3に搭載しているブロック群Gを船長方向における3列毎(ブロック群G1~G3)に、5つのセクションS1~S5に分けて、それぞれのセクションS1~S5毎にブロック群G1~G3の投入作業を行う。それぞれのセクションS1~S5は、一方側の底面部4Aに搭載された3組のブロック群G1~G3と、他方側の底面部4Bに搭載された3組のブロック群G1~G3とで構成される。それぞれのセクションS1~S5毎に投入基準位置T1~T5を設定している。投入基準位置T1~T5は例えば、それぞれのセクションS1~S5の中央に設定される。それぞれのセクションS1~S5でのブロックBの投入作業は2回に分けて行う。
【0037】
セクションS1のブロックBの投入を行う際には、セクションS1の投入基準位置T1がブロックBの投入目標位置に合う位置までブロック投入船1を移動させる。次いで、
図4の黒塗の矢印で示すように、セクションS1において、一方側の底面部4Aに搭載している船長方向で奇数列となる1列目のブロック群G1および3列目のブロック群G3と、他方側の底面部4Bに搭載している船長方向で偶数列となる2列目のブロック群G2とを水中に投入する。即ち、一方側の底面部4Aに搭載しているブロック群G1、G3と、他方側の底面部4Bに搭載しているブロック群G2を互い違いに水中に投入する。そして、先に投入したブロック群Gが船倉3の開口部を通過した後に、セクションS1で残っている一方側の底面部4Aに搭載している船長方向で偶数列となる2列目のブロック群G2と、他方側の底面部4Bに搭載している船長方向で奇数列となる1列目のブロック群G1および3列目のブロック群G3を水中に投入する。
【0038】
このように、一方側の底面部4Aに搭載しているブロック群Gと、他方側の底面部4Bに搭載しているブロック群Gとを互い違いに水中に投入することで、船倉3の開口部において船幅方向に向き合う一方側のブロック群Gと他方側のブロック群Gとが干渉し合うことを回避して、ブロックBを水中により円滑に投入することができる。
【0039】
セクションS2~S5も同様の手順で順次セクションS2~S5毎に、投入基準位置T2~T5とブロックBの投入目標位置との位置合わせを行い、その後2回に分けたブロックBの投入作業を行う。ブロックBの投入作業を終えた後には、図示しないワイヤロープ回収手段により、水中に投下されたワイヤロープ7の一端部7a側を船倉3上に回収し、船倉3を閉じた状態にする。
【0040】
このように、本発明では、固縛手段6を構成する可動フック装置8を船倉3の側壁5の上端面5b上に設置し、さらに、折り返し部10とガイド部11を設けて、可動フック装置8に係止された一端部7aから船長方向に向かって延在するワイヤロープ7を折り返し部10とガイド部11とに掛け回した構造にしている。これにより、船倉3に対してブロック群Gを安定して固縛しつつ、ワイヤロープ7の一端部7a側にかかるブロックBの荷重を、可動フック装置8と折り返し部10とに分散させることができる。それ故、可動フック装置8の荷重負担を軽減でき、可動フック装置8の小型化を図ることができる。
【0041】
言い換えると、側壁5の上端面5bの船幅方向の幅は比較的狭いため、従来用いられていた大型の可動フック装置8をそのまま上端面5b上に設置することは困難であった。それに対して、本発明では、固縛手段6を上述した特別な構成にして可動フック装置8の小型化を可能にすることで、可動フック装置8を側壁5の上端面5bに安定して設置することが可能になる。
【0042】
特に、可動フック装置8を、フック部8bの延在方向(フック部8bの回転軸と直交する方向)が船幅方向に対して交差する向きで設置すると、上端面5bの上面の幅が狭い場合にも、可動フック装置8を構成する支持フレーム8aと、アクチュエータ部8dを固定する台とをよりコンパクトに安定して設置できる。また、ワイヤロープ7が掛け回される折り返し部10の船幅方向の外側端部よりも、ワイヤロープ7の一端部7aが係止されるフック部8bの係止位置を船幅方向内側に配置する。そして、フック部8bに係止された一端部7aから折り返し部10に向かうワイヤロープ7の延在方向と船幅方向とのなす角度が例えば、45°以上90°以下になる向きで可動フック装置8を設置する。前述した配置にすると、ワイヤロープ7の一端部7aをフック部8bに安定して係止させつつ、ワイヤロープ7の一端部7a側にかかるブロックBの荷重が折り返し部10により効果的に分散する。それ故、可動フック装置8の荷重負担を軽減するにはより有利になる。
【0043】
また、このブロック投入船1では、固縛手段6による固縛状態を解除してブロックBを水中に投入する際には、可動フック装置8による係止状態が解除された一端部7a側のワイヤロープ7が、ガイド部11の一対の遮蔽部11aの間を通るようにガイドされるので、一端部7a側のワイヤロープ7が暴れることを抑制することができる。一端部7a側のワイヤロープ7の暴れを抑制することで、ワイヤロープ7の暴れによって側壁5や底面部4A、4Bなどが損傷するリスクも低減できる。
【0044】
また、従来では可動フック装置8を側壁5の内側壁面5aに固定していたため、可動フック装置8にワイヤロープ7の一端部7aを接続する作業や、可動フック装置8の点検作業を行う際には、底面部4A、4Bの傾斜面上に立って比較的不安定な体勢で作業を行う必要があった。底面部4A、4B上にブロックBが載置された状態では作業スペースも狭かった。
【0045】
それに対して、このブロック投入船1では、可動フック装置8を側壁5の上端面5b上に配置することで、ワイヤロープ7の一端部7aを可動フック装置8に係止させる作業や可動フック装置8の点検作業を船倉3の外側にある通路2aから行うことも可能になり、作業スペースも比較的広くとれる。そのため、ワイヤロープ7の一端部7aを可動フック装置8に係止させる作業や点検作業の軽労化や効率化を図ることもできる。
【0046】
また、マウンドMの施工を行う施工会社は、リース会社から借りた土運船に固縛手段等を追設してブロック投入船に改造する場合が多い。従来では、可動フック装置8を側壁5の内側壁面5aに固定する溶接作業などに多くの労力と手間を要していた。それに対して、本発明では可動フック装置8を側壁5の上端面5b上に配置することで、可動フック装置8を固定する溶接作業もより容易に行うことが可能になる。そのため、本発明は当業者にとっては非常に有益である。
【0047】
さらに、この実施形態のように、内側壁面5aの高さ方向中途位置に足場14を設けると、ワイヤロープ7を折り返し部10に掛け回して一端部7aを可動フック装置8に係止させる作業や、可動フック装置8の点検作業をより行い易くなる。さらに、足場14にワイヤロープ7が挿通する貫通孔14aを設けると、船長方向に一続きの足場14を長く延在させて設置することができるので、作業者の作業効率を向上させるには有利になる。また、可動フック装置8による係止状態が解除されたワイヤロープ7の一端部7a側が足場14の貫通孔14aを通過する構成にすることで、ワイヤロープ7の一端部7a側の暴れを低減するにも有利になる。なお、貫通孔14aは必須の構成ではなく、例えば、ワイヤロープ7を避けた位置に複数の足場14を船長方向に間隔をあけて設置することもできる。
【0048】
側壁5の上端面5b上に振れ抑制部13を設けると、可動フック装置8による係止状態が解除されたワイヤロープ7の一端部7a側の折り返し部10から離反する方向への振れ(暴れ)を、振れ抑制部13によって抑制できる。それ故、可動フック装置8による係止状態が解除されたワイヤロープ7の一端部7aが隣の可動フック装置8などに衝突することを防止することができ、ワイヤロープ7の一端部7a側の暴れを低減するにも有利になる。
【0049】
側壁5の船幅方向中央側の上方角部に保護部12を設けると、ワイヤロープ7によって側壁5の上方角部が損傷することを防止できる。可動フック装置8による係止状態が解除されたワイヤロープ7の一端部7a側は、折り返し部10から離反する方向へ振れる。そのため、保護部12は、船長方向において折り返し部10よりも可動フック装置8の反対側へ延在させて設置するとより有効である。振れ抑制部13を設けている場合には、保護部12を船幅方向において折り返し部10から振れ抑制部13まで延在させて設置するとよい。
【0050】
底面部4A、4Bの傾斜面に沿ってブロックBの滑走方向をガイドするガイドバー15を敷設すると、ブロックBがガイドバー15に沿って底面部4A、4B上を滑走するので、ブロックBを安定して水中に投入するには有利になる。また、ブロックBを底面部4A、4B上に搭載して固縛する作業では、ガイドバー15がブロックBの積込箇所のガイドになり、ブロックBを所定位置に載置し易くなる。それ故、固縛手段6によりブロックBを固縛する作業、特にブロックBの外周に掛け回したワイヤロープ7の一端部7aを可動フック装置8(フック部8b)に係止させる作業をより効率的に行える。
【0051】
図9に例示するように、ワイヤロープ7の輪状の一端部7aにはシンブル7bが内嵌めされているが、ワイヤロープ7の一端部7aは固縛解除後に船倉3の側壁5や底面部4A(4B)に衝突することがあるため、シンブル7bを内嵌めしただけではワイヤロープ7から離脱する可能性がある。そのため、ワイヤロープ7の輪状の一端部7aにはシンブル7bと、シンブル7bに外嵌めされているワイヤロープ7とを接合する補強部材7cを設けるとよい。具体的には、例えば、シンブル7bと輪状のワイヤロープ7の周りに補強部材7cとして金属製のワイヤ(例えば、鋼線など)を複数回巻き付けて補強するとよい。補強部材7cを設けることで、ワイヤロープ7の損傷やワイヤロープ7からシンブル7bが離脱するリスクを低減するには有利になる。
【0052】
なお、船倉3に搭載するブロックBの数や配列、それぞれのブロック群Gを構成するブロックBの数、それぞれのセクションSを構成するブロック群Gの数、セクションSの数などは上記で例示した実施形態に限定されず、船倉3のサイズや運搬するブロックBの数に応じて適宜設定できる。例えば、船幅方向にブロックBを3個以上並列配置して、3個以上のブロックBをブロック群Gとして固縛手段6により固縛してもよい。また、船長方向に14列以下のブロック群Gを配列した構成にすることもできるし、船長方向に16列以上のブロック群Gを配列した構成にすることもできる。
【符号の説明】
【0053】
1 ブロック投入船
2 船体
2a 通路
3 船倉
4A、4B 底面部
4c 内側端部
5 側壁
5a 内側壁面
5b 上端面
6 固縛手段
7 ワイヤロープ
7a 一端部
7b シンブル
7c 補強部材
8 可動フック装置
8a 支持フレーム
8b フック部
8c レバー部
8d アクチュエータ部
8e 制御部
9 固定部
10 折り返し部
11 ガイド部
11a 遮蔽部
12 保護部
13 振れ抑制部
14 足場
14a 貫通孔
14b 蓋
15 ガイドバー
16 操船室
17 操作室
18 操作盤
19 送信部
C 回転軸
B ブロック
G1~G3 ブロック群
S1~S5 セクション
T1~T5 投入基準位置
M マウンド