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特開2023-104182音楽生成装置、音楽生成プログラム、音楽生成プログラム記録媒体、及び音楽生成方法
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  • 特開-音楽生成装置、音楽生成プログラム、音楽生成プログラム記録媒体、及び音楽生成方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023104182
(43)【公開日】2023-07-28
(54)【発明の名称】音楽生成装置、音楽生成プログラム、音楽生成プログラム記録媒体、及び音楽生成方法
(51)【国際特許分類】
   G10G 3/04 20060101AFI20230721BHJP
   G10H 1/00 20060101ALI20230721BHJP
【FI】
G10G3/04
G10H1/00 102Z
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022005030
(22)【出願日】2022-01-17
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-03-18
(71)【出願人】
【識別番号】522021790
【氏名又は名称】岩井 秀幸
(74)【代理人】
【識別番号】100126675
【弁理士】
【氏名又は名称】福本 将彦
(72)【発明者】
【氏名】岩井 秀幸
【テーマコード(参考)】
5D182
5D478
【Fターム(参考)】
5D182AC03
5D182AC10
5D182AD05
5D478GG01
5D478GG03
(57)【要約】
【課題】 気圧配置データに基づいて音楽を生成する音楽生成装置を提供する。
【解決手段】 本開示による音楽生成装置は、気圧配置データ取得部と音楽データ生成部と、を備えている。気圧配置データ取得部は、地球表面上の所定領域における気圧配置データを取得する。音楽データ生成部は、取得された前記気圧配置データに基づいて、音楽データを生成する。そして、前記気圧配置データ取得部は、前記所定領域における高気圧中心及び低気圧中心の位置データを取得する。また、前記音楽データ生成部は、取得された前記位置データに基づいて、高気圧中心及び低気圧中心の、経度を楽譜上の拍に対応させ、緯度を楽譜上の音程に対応させることにより、前記音楽データを生成する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地球表面上の所定領域における気圧配置データを取得する気圧配置データ取得部と、
取得された前記気圧配置データに基づいて、音楽データを生成する音楽データ生成部と、を備え、
前記気圧配置データ取得部は、前記所定領域における高気圧中心及び低気圧中心の位置データを取得し、
前記音楽データ生成部は、取得された前記位置データに基づいて、高気圧中心及び低気圧中心の、経度を楽譜上の拍に対応させ、緯度を楽譜上の音程に対応させることにより、前記音楽データを生成する、音楽生成装置。
【請求項2】
前記音楽データ生成部は、取得された前記位置データに基づいて、高気圧中心の数及び低気圧中心の数を計数し、その差に応じて、生成する音楽の調性を決定する、請求項1に記載の音楽生成装置。
【請求項3】
前記気圧配置データ取得部は、前記所定領域における高気圧中心及び低気圧中心の気圧データをも取得し、
前記音楽データ生成部は、取得された前記気圧データの平均値である平均中心気圧を算出し、当該平均中心気圧が標準気圧より大きいか、小さいかに応じて、前記調性が長調か短調かを決定する、請求項2に記載の音楽生成装置。
【請求項4】
前記気圧配置データ取得部は、
前記所定領域における天気図の画像データを取得する画像データ取得部と、
取得した前記画像データから、前記所定領域における前記気圧配置データを抽出する気圧配置データ抽出部、とを有する、請求項1から3のいずれかに記載の音楽生成装置。
【請求項5】
コンピュータに読み取られることにより、当該コンピュータを、請求項1から4のいずれかに記載の音楽生成装置が備える、前記気圧配置データ取得部と、前記音楽データ生成部として動作させる、音楽生成プログラム。
【請求項6】
請求項5に記載の音楽生成プログラムを、コンピュータにより読み取り可能に記録した、音楽生成プログラム記録媒体。
【請求項7】
地球表面上の所定領域における気圧配置データを取得することと、
取得された前記気圧配置データに基づいて、音楽データを生成することと、を備え、
前記気圧配置データを取得することは、前記所定領域における高気圧中心及び低気圧中心の位置データを取得し、
前記音楽データを生成することは、取得した前記位置データに基づいて、高気圧中心及び低気圧中心の、経度を楽譜上の拍に対応させ、緯度を楽譜上の音程に対応させることにより、前記音楽データを生成する、音楽生成方法。
【請求項8】
前記音楽データを生成することは、取得した前記位置データに基づいて、高気圧中心の数及び低気圧中心の数を計数し、その差に応じて、生成する音楽の調性を決定する、請求項7に記載の音楽生成方法。
【請求項9】
前記気圧配置データを取得することは、前記所定領域における高気圧中心及び低気圧中心の気圧データをも取得し、
前記音楽データを生成することは、取得した前記気圧データの平均値である平均中心気圧を算出し、当該平均中心気圧が標準気圧より大きいか、小さいかに応じて、前記調性が長調か短調かを決定する、請求項8に記載の音楽生成方法。
【請求項10】
前記気圧配置データを取得することは、
前記所定領域における天気図の画像データを取得することと、
取得した前記画像データから、前記所定領域における前記気圧配置データを抽出することと、を有する、請求項7から9のいずれかに記載の音楽生成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気圧配置データに基づいて音楽を生成する音楽生成装置、音楽生成プログラム、音楽生成プログラム記録媒体、及び音楽生成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
天気図には、地表上のある領域における気象に関する様々な情報が表示されている。かかる気象情報を、音楽に結びつける技術は、従来存在しなかった。なお、特許文献1には、組合せ絵柄シートに表示された組合せ絵柄を構成する絵柄の種類と組合せ順序に基づいて、音データを生成する装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-086066号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願発明者は、天気図に表示される情報のうち、天候や気温に大きく影響する高気圧及び低気圧の配置が、日々変化するとともに、夏型あるいは冬型などと称されるように、季節に応じたある特徴を表出することに着目し、かかる気圧配置を音楽に転換することができれば、重要な気象情報を音によって認識できるとともに、自然の絶え間ない営みを、季節感を含めて、音を通じて感じ取ることができるのではないか、と考えた。本発明は、かかる着想に基づいてなされたもので、気圧配置データに基づいて音楽を生成する音楽生成装置、音楽生成プログラム、音楽生成プログラム記録媒体、及び音楽生成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明のうち第1の態様によるものは、音楽生成装置であって、気圧配置データ取得部と音楽データ生成部と、を備えている。気圧配置データ取得部は、地球表面上の所定領域における気圧配置データを取得する。音楽データ生成部は、取得された前記気圧配置データに基づいて、音楽データを生成する。そして、前記気圧配置データ取得部は、前記所定領域における高気圧中心及び低気圧中心の位置データを取得する。また、前記音楽データ生成部は、取得された前記位置データに基づいて、高気圧中心及び低気圧中心の、経度を楽譜上の拍に対応させ、緯度を楽譜上の音程に対応させることにより、前記音楽データを生成する。
【0006】
この構成によれば、気圧配置データに基づいて音楽データが得られる。音楽データは、音声再生装置により音楽として再生することができる。
【0007】
本発明のうち第2の態様によるものは、第1の態様による音楽生成装置であって、前記音楽データ生成部は、取得された前記位置データに基づいて、高気圧中心の数及び低気圧中心の数を計数し、その差に応じて、生成する音楽の調性を決定する。
この構成によれば、高気圧中心の数及び低気圧中心の数の差に応じて調性の異なる音楽データが得られる。
【0008】
本発明のうち第3の態様によるものは、第2の態様による音楽生成装置であって、前記気圧配置データ取得部は、前記所定領域における高気圧中心及び低気圧中心の気圧データをも取得する。そして、前記音楽データ生成部は、取得された前記気圧データの平均値である平均中心気圧を算出し、当該平均中心気圧が標準気圧より大きいか、小さいかに応じて、前記調性が長調か短調かを決定する。
この構成によれば、平均中心気圧と標準気圧との大小関係に応じて、長調か短調かが異なる音楽データが得られる。
【0009】
本発明のうち第4の態様によるものは、第1から第3のいずれかの態様による音楽生成装置であって、前記気圧配置データ取得部は、画像データ取得部と気圧配置データ抽出部とを有している。画像データ取得部は、前記所定領域における天気図の画像データを取得する。また、気圧配置データ抽出部は、取得した前記画像データから、前記所定領域における前記気圧配置データを抽出する。
【0010】
この構成によれば、天気図の画像データから気圧配置データが得られ、得られた気圧配置データに基づいて音楽データが生成される。天気図の画像データは、例えばウェブ上で取得することができ、記録シート上の天気図をスキャナで読み取ることにより取得することもできる。かかる画像データを、画像データ取得部により取得することにより、音楽データが生成される。
【0011】
本発明のうち第5の態様によるものは、音楽生成プログラムであって、コンピュータに読み取られることにより、当該コンピュータを、第1から第4のいずれかの態様による音楽生成装置が備える、前記気圧配置データ取得部と、前記音楽データ生成部として動作させる。
この構成によれば、コンピュータに読み取られることにより、コンピュータが本願発明の音楽生成装置として機能するプログラムが得られる。
本発明のうち第6の態様によるものは、音楽生成プログラム記録媒体であって、第5の態様による音楽生成プログラムを、コンピュータにより読み取り可能に記録している。
この構成によれば、コンピュータに読み取られることにより、コンピュータが本願発明の音楽生成装置として機能するプログラム記録媒体が得られる。
【0012】
本発明のうち第7の態様によるものは、音楽生成方法であって、地球表面上の所定領域における気圧配置データを取得することと、取得された前記気圧配置データに基づいて、音楽データを生成することと、を備えている。そして、前記気圧配置データを取得することは、前記所定領域における高気圧中心及び低気圧中心の位置データを取得する。また、前記音楽データを生成することは、取得した前記位置データに基づいて、高気圧中心及び低気圧中心の、経度を楽譜上の拍に対応させ、緯度を楽譜上の音程に対応させることにより、前記音楽データを生成する。
【0013】
この構成によれば、気圧配置データに基づいて音楽データが得られる。音楽データは、音声再生装置により音楽として再生することができる。
【0014】
本発明のうち第8の態様によるものは、第7の態様による音楽生成方法であって、前記音楽データを生成することは、取得した前記位置データに基づいて、高気圧中心の数及び低気圧中心の数を計数し、その差に応じて、生成する音楽の調性を決定する。
この構成によれば、高気圧中心の数及び低気圧中心の数の差に応じて調性の異なる音楽データが得られる。
【0015】
本発明のうち第9の態様によるものは、第8の態様による音楽生成方法であって、前記気圧配置データを取得することは、前記所定領域における高気圧中心及び低気圧中心の気圧データをも取得する。また、前記音楽データを生成することは、取得した前記気圧データの平均値である平均中心気圧を算出し、当該平均中心気圧が標準気圧より大きいか、小さいかに応じて、前記調性が長調か短調かを決定する。
この構成によれば、平均中心気圧と標準気圧との大小関係に応じて、長調か短調かが異なる音楽データが得られる。
【0016】
本発明のうち第10の態様によるものは、第7から第9のいずれかの態様による音楽生成方法であって、前記気圧配置データを取得することは、前記所定領域における天気図の画像データを取得することと、取得した前記画像データから、前記所定領域における前記気圧配置データを抽出することと、を有する。
この構成によれば、天気図の画像データから気圧配置データが得られ、得られた気圧配置データに基づいて音楽データが生成される。
【発明の効果】
【0017】
以上のように本発明によれば、気圧配置データに基づいて音楽を生成する音楽生成装置、音楽生成プログラム、音楽生成プログラム記録媒体、及び音楽生成方法が実現する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施の形態による音楽生成装置の構成を例示するブロック図である。
図2図1の音楽生成装置の動作を例示するフローチャートである。
図3図2のフローチャートのステップS1の動作を例示するフローチャートである。
図4図1の音楽生成装置のハードウェア構成を例示するブロック図である。
図5図1の音楽生成装置の動作を例示する動作説明図である。
図6図1の音楽生成装置の動作に関し、調性の設定を例示する動作説明図である。
図7図1の音楽生成装置の動作に関し、長調・短調の設定を例示する動作説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は、本発明の一実施の形態による音楽生成装置の構成を例示するブロック図である。また、図2は、図1に例示する音楽生成装置101の動作を例示するフローチャートである。さらに、図3は、図2のフローチャートのステップS1の動作を例示するフローチャートである。以下、これらの図を参照しつつ、音楽生成装置101の構成及び動作を説明する。なお、図2及び図3に手順を例示する方法は、音楽生成装置101に限らず、人手によって実行することも可能である。
音楽生成装置101は、気圧配置データ取得部1及び音楽データ生成部2を有している。気圧配置データ取得部1は、地球表面上の所定領域における気圧配置データを取得する(ステップS1)。音楽データ生成部2は、取得された気圧配置データに基づいて、音楽データを生成する(ステップS2)。すなわち、音楽生成装置101は、気圧配置データを音楽データに変換する装置である。
【0020】
気圧配置データは、所定領域内における高気圧中心及び低気圧中心の経度及び緯度等の位置データを含む、気圧配置に関するデータである。気圧配置データは、数値データとして気圧配置データ取得部1に入力してもよく、図示例のように、天気図の画像データである天気図画像データ10を気圧配置データ取得部1に入力してもよい。後者の場合には気圧配置データ取得部1は、図示例のように、画像データ取得部3及び気圧配置データ抽出部4を有する。画像データ取得部3は、天気図画像データ10を取得し(ステップS11)、気圧配置データ抽出部4は、取得した天気図画像データ10から、例えば画像認識の手法により気圧配置データを抽出する(ステップS12)。
【0021】
天気図画像データ10から、高気圧中心、低気圧中心の位置は、天気図画像データ10に表現される「高」「低」又は「H」「L」などの気圧の中心を表現する記号とともに、環状の等圧線の中心の位置を、画像認識の手法により認識することにより、特定することができる。また、中心気圧の高さのデータが必要である場合には、等圧線の所々に付される気圧を表す数値を認識し、中心気圧までの等圧線の数を認識することにより、特定することができる。いずれも、周知の画像認識の手法により可能である。なお、ステップS12の動作を、気圧配置データ抽出部4ではなく人手により実行する場合には、画像認識のための技術的手法は無くてもよい。
【0022】
音楽データ生成部2は、取得された高気圧中心及び低気圧中心の位置データに基づいて、高気圧中心及び低気圧中心の、経度を楽譜上の拍に対応させ、緯度を楽譜上の音程に対応させることにより、音楽データを生成する。生成された音楽データは、音声再生装置5に入力することにより、音楽として再生することができる。図示例では、音声再生装置5は、音楽生成装置101の外部装置であるが、音楽生成装置101は、音声再生装置5を内蔵していてもよい。
【0023】
なお、天気図画像データ10は、例えばウェブ上で取得することができ、印刷媒体等の記録シート上に記録された天気図を、スキャナで読み取ることにより取得することもできる。音楽生成装置101は、スキャナを内蔵していてもよい。印刷媒体等の記録シート上に記録された天気図は、天気図データ10を表現したものとみることもできる。このため、ステップS11の動作を、画像データ取得部3ではなく人手により実行する場合には、記録シート上に記録された天気図を取得すること自体も、天気図データ10を取得することに相当する。
【0024】
図4は、音楽生成装置101のハードウェア構成を例示するブロック図である。図示の例では、音楽生成装置101は、パーソナルコンピュータ102により構成されており、主要回路部12、入力装置11、表示装置13及びハードディスク装置(HDD)14を有している。また、主要回路部12は、CPU(Central Processing Unit;中央演算処理部)21、ROM(Read Only Memory)22、RAM(Random Access Memory)23、インタフェース(I/F)24、及び読取装置25を有している。
【0025】
CPU21は、ROM22及びRAM23に格納されたプログラムを実行する。ROM22には、例えば、パーソナルコンピュータ102の立ち上げ直後にOS(Operating System)の起動やハードウェアの設定を行うBIOS(Basic Input Output System)が格納されている。RAM23には、ハードディスク装置14に保存されているOS、アプリケーション等が必要に応じて展開され、CPU21による実行に供される。RAM23は、CPU21が処理を実行する際に生成されるデータを、一時的に格納するワークメモリとしても用いられる。
【0026】
インタフェース(I/F)24は、不図示のIDE(Integrated Device Electronics)コントローラ、LANコントローラ、入出力コントローラなどを有しており、これらの回路を通じて、入力装置11等の外部装置がCPU21に接続される。CPU21、ROM22、RAM23及びインタフェース24は、バスライン26を通じて互いに接続されている。
【0027】
入力装置11は、例えばキーボード、マウスなどを含み、操作者が手操作によりデータを入力するための装置である。表示装置13は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)装置であり、画像データを目視可能な画像として表示する装置である。ハードディスク装置14は、OS、アプリケーション等を格納すると共に、処理に要するデータを格納する。読取装置25は、プログラムやデータを記録したCD-ROM等の記録媒体27から、記録された内容を読み取る装置である。パーソナルコンピュータ102は、例えばLAN15を通じて、インターネット等のネットワーク5(図1)に接続され、例えばTCP/IPプロトコルによる通信を実現する。LAN15は、インタフェース24に含まれているLANコントローラを通じてバスライン26に接続され、ルータ(図示略)を通じてインターネットなどの広域ネットワーク(図示略)に接続される。
【0028】
なお、音楽生成装置101は、スマートフォンなど、他のコンピュータ装置として構成することも当然可能である。一般に、パーソナルコンピュータ102、スマートフォンなどの汎用のコンピュータ装置に、特定のアプリケーション・プログラムをインストールすることにより、コンピュータ装置は、図1に例示した音楽生成装置101として動作する。
【0029】
図5は、図1の音楽生成装置の動作を例示する動作説明図である。図示例は、日本の国土を中心とする東経110°~東経170°の経度範囲、及び北緯20°~北緯60°の緯度範囲を、所定領域とする天気図データに基づいて、音楽を生成している。所定領域内の高気圧中心及び低気圧中心が、楽譜上の音符に対応付けられる。図示例では、西から東に向かう経度の方向に沿って楽音が進行するように、経度の区画10°が、楽譜の一拍に対応付けられている。また、南から北へ向かう緯度の方向に沿って音程が高くなるように、緯度の区画5°が、半音階毎の音程に対応付けられている。所定領域内の高気圧中心及び低気圧中心は、各々が属する経度区画及び緯度区画に対応する拍及び音程となるように、楽譜の音符に対応付けられる。ある経度区画内に高気圧中心も低気圧中心も無ければ、対応する音符は存在しないので、対応する拍は休符を割り当てたことと同等となる。同一経度区画内に、複数の高気圧中心又は低気圧中心があれば、その拍は重音となり、和声を生じる。
【0030】
一般に、東から西に向かうように楽音が進行してもよく、また、楽譜の一拍は、経度の10°以外の区画の大きさに対応付けても良い。また、北から南に向かうのに伴い、音程が高くなってもよく、また、半音階が緯度の5°以外の区画の大きさに対応付けられても良い。また、所定領域は、全地球表面であってもよい。
【0031】
図6は、音楽生成装置101の動作に関し、調性の設定を例示する動作説明図である。音楽データ生成部2は、高気圧中心及び低気圧中心の位置データに基づいて、高気圧中心の数及び低気圧中心の数を計数し、その差に応じて、生成する音楽の調性を決定する。それにより、高気圧中心の数及び低気圧中心の数の差に応じて調性の異なる音楽データが得られる。図示例では、高気圧中心の数Hから低気圧中心の数Lを差引いた結果の数値Nが、正の数であれば、嬰記号「♯」をN個要する調性に設定し、負の数であれば、変記号「♭」を-N個要する調性に、音楽の調性が設定される。図示例は、図5の天気図データ10に基づき、高気圧中心の数Hが「3」であり、低気圧中心の数Lが「4」であるので、数値Nは「―1」となり、調性は変記号「♭」を1個要するヘ長調、又はニ短調に設定される。いずれを選択するかは、一方に固定されていても良く、ユーザの操作に基づいて音楽データ生成部2が設定しても良く、以下の図7に例示するように、高気圧中心及び低気圧中心の平均気圧に基づいて、音楽データ生成部2が設定しても良い。
【0032】
図7は、音楽生成装置101の動作に関し、長調・短調の設定の一例を示す動作説明図である。この例では、気圧配置データ取得部1は、所定領域における高気圧中心及び低気圧中心の気圧データをも取得する。そして、音楽データ生成部2は、取得された気圧データの平均値である平均中心気圧Paを算出し、この平均中心気圧が標準気圧Ps(例えば、地表面においては1013.25hPa)より大きいか、小さいかに応じて、調性が長調か短調かを決定する。図示例は、図5の天気図データ10に基づき、平均気圧Paは1017.7hPaとして算出され、標準気圧Psよりも大きいため、調性は長調であり、ヘ長調に設定される。
調性が逆に短調である、と決定された場合には、通常の短音階に従って、「ソ」の音階に臨時記号「♯」が付され、半音階高められる。図5の例では、ニ短調となり、「C」の音階に臨時記号「♯」が付される。このようにして、長調と短調とは異なる音階となる。
【符号の説明】
【0033】
1 気圧配置データ取得部、 2 音楽データ生成部、 3 画像データ取得部、 4 気圧配置データ抽出部、 5 音声再生装置、 11 入力装置、 12 主要回路部、 13 表示装置、 14 ハードディスク装置(HDD)、 15 LAN、 21 CPU(Central Processing Unit;中央演算処理部)、 22 ROM(Read Only Memory)、 23RAM(Random Access Memory)、 24インタフェース(I/F)、 25 読取装置、 26 バスライン、 27 記録媒体、 101 音楽生成装置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2022-02-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地球表面上の所定領域における気圧配置データを取得する気圧配置データ取得部と、
取得された前記気圧配置データに基づいて、音楽データを生成する音楽データ生成部と、を備え、
前記気圧配置データ取得部は、前記所定領域における高気圧中心及び低気圧中心の位置データを取得し、
前記音楽データ生成部は、取得された前記位置データに基づいて、高気圧中心及び低気圧中心の、経度を楽譜上の拍に対応させ、緯度を楽譜上の音程に対応させることにより、前記音楽データを生成する、音楽生成装置。
【請求項2】
前記音楽データ生成部は、取得された前記位置データに基づいて、高気圧中心の数及び低気圧中心の数を計数し、その差に応じて、生成する音楽の調性を決定する、請求項1に記載の音楽生成装置。
【請求項3】
前記気圧配置データ取得部は、前記所定領域における高気圧中心及び低気圧中心の気圧データをも取得し、
前記音楽データ生成部は、取得された前記気圧データの平均値である平均中心気圧を算出し、当該平均中心気圧が標準気圧より大きいか、小さいかに応じて、前記調性が長調か短調かを決定する、請求項2に記載の音楽生成装置。
【請求項4】
前記気圧配置データ取得部は、
前記所定領域における天気図の画像データを取得する画像データ取得部と、
取得した前記画像データから、前記所定領域における前記気圧配置データを抽出する気圧配置データ抽出部、とを有する、請求項1から3のいずれかに記載の音楽生成装置。
【請求項5】
コンピュータに読み取られることにより、当該コンピュータを、請求項1から4のいずれかに記載の音楽生成装置が備える、前記気圧配置データ取得部と、前記音楽データ生成部として動作させる、音楽生成プログラム。
【請求項6】
請求項5に記載の音楽生成プログラムを、コンピュータにより読み取り可能に記録した、音楽生成プログラム記録媒体。
【請求項7】
コンピュータが、地球表面上の所定領域における気圧配置データを取得することと、
コンピュータが、取得された前記気圧配置データに基づいて、音楽データを生成することと、を備え、
前記気圧配置データを取得することは、前記所定領域における高気圧中心及び低気圧中心の位置データを取得し、
前記音楽データを生成することは、取得した前記位置データに基づいて、高気圧中心及び低気圧中心の、経度を楽譜上の拍に対応させ、緯度を楽譜上の音程に対応させることにより、前記音楽データを生成する、音楽生成方法。
【請求項8】
前記音楽データを生成することは、取得した前記位置データに基づいて、高気圧中心の数及び低気圧中心の数を計数し、その差に応じて、生成する音楽の調性を決定する、請求項7に記載の音楽生成方法。
【請求項9】
前記気圧配置データを取得することは、前記所定領域における高気圧中心及び低気圧中心の気圧データをも取得し、
前記音楽データを生成することは、取得した前記気圧データの平均値である平均中心気圧を算出し、当該平均中心気圧が標準気圧より大きいか、小さいかに応じて、前記調性が長調か短調かを決定する、請求項8に記載の音楽生成方法。
【請求項10】
前記気圧配置データを取得することは、
前記所定領域における天気図の画像データを取得することと、
取得した前記画像データから、前記所定領域における前記気圧配置データを抽出することと、を有する、請求項7から9のいずれかに記載の音楽生成方法。