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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023104197
(43)【公開日】2023-07-28
(54)【発明の名称】食品用包装袋
(51)【国際特許分類】
   B65D 85/36 20060101AFI20230721BHJP
   B65D 30/28 20060101ALI20230721BHJP
   B65D 33/00 20060101ALI20230721BHJP
   B65D 85/50 20060101ALI20230721BHJP
【FI】
B65D85/36 100
B65D30/28 L
B65D30/28 Q
B65D33/00 C
B65D85/50 100
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022005056
(22)【出願日】2022-01-17
(71)【出願人】
【識別番号】000241186
【氏名又は名称】朋和産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114421
【弁理士】
【氏名又は名称】薬丸 誠一
(72)【発明者】
【氏名】神谷 知毅
【テーマコード(参考)】
3E035
3E064
3E096
【Fターム(参考)】
3E035AA09
3E035AA20
3E035BA08
3E035BB08
3E035BC01
3E035BC02
3E035CA07
3E064AD16
3E064AD22
3E064BA01
3E064BA07
3E064BA26
3E064BA30
3E064BA55
3E064BB03
3E064BC18
3E064EA30
3E064FA01
3E064HM03
3E064HP02
3E096AA05
3E096BA28
3E096BB07
3E096CA12
3E096DA10
3E096EA01X
3E096EA01Y
3E096EA02X
3E096EA02Y
3E096FA27
(57)【要約】
【課題】適切かつ確実に開封することができる食品用包装袋を提供する。
【解決手段】食品用包装袋1は、第1方向の一端側よりも他端側が幅広となる形状を有する一対のシート2,3が重ね合わせられ、一端側の頂部接合部11と両側部の側部接合部12,12とにより三方が封止されて他端側が開口部13となる袋本体10を備えるものである。この食品用包装袋1は、袋本体10における一方のシート3のうち、第1方向と直交する第2方向における中心線よりも一方の側部接合部12寄りの箇所に形成される切込線32であって、一方のシート3を第2方向に沿って反対側の側部接合部12に向かって所定の幅で引き裂くための起点となる切込線32と、一方のシート3の内面側又は外面側から切込線32を覆って一方のシート3に接合される被覆片5とを備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向の一端側よりも他端側が幅広となる形状を有する一対のシートが重ね合わせられ、一端側の頂部接合部と両側部の側部接合部とにより三方が封止されて他端側が開口部となる袋本体を備える食品用包装袋であって、
袋本体における一方のシートのうち、第1方向と直交する第2方向における中心線よりも一方の側部接合部寄りの箇所に形成される切込線であって、一方のシートを第2方向に沿って反対側の側部接合部に向かって所定の幅で引き裂くための起点となる切込線と、
一方のシートの内面側又は外面側から切込線を覆って一方のシートに接合される被覆片とを備える
食品用包装袋。
【請求項2】
切込線は、頂部接合部の内縁及び包装される食品の底面によって折り曲げられる山折り線間に形成される
請求項1に記載の食品用包装袋。
【請求項3】
切込線は、切込線の一方の端点が頂部接合部の内縁の近傍に位置しかつ切込線の他方の端点が包装される食品の底面によって折り曲げられる山折り線の近傍に位置するように形成される
請求項2に記載の食品用包装袋。
【請求項4】
切込線は、切込線の両端点が反対側の側部接合部に近づくように形成される
請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の食品用包装袋。
【請求項5】
切込線は、切込線の両端点が包装される食品の側面によって折り曲げられる山折り線の近傍に位置するように形成される
請求項4に記載の食品用包装袋。
【請求項6】
一方のシートに、切込線の形成箇所を含む中段部が区画され、
中段部に、紙シートが用いられる
請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の食品用包装袋。
【請求項7】
被覆片は、側部接合部に沿って傾斜する斜辺部を有する
請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の食品用包装袋。
【請求項8】
被覆片は、直角台形状又は直角三角形状を有する
請求項7に記載の食品用包装袋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品を包装するための食品用包装袋に関する。
【背景技術】
【0002】
側面が三角形状(主として直角三角形状)で所定の幅を有する立体形状(三角柱を横に倒した形状)に仕上げられたサンドイッチ等の食品がある。この食品を包装するための食品用包装袋は、図20に示すものが一般的であり、たとえば特許文献1に記載されたものが公知である。
【0003】
食品用包装袋1’は、袋本体10’と、ヘッダ部15’とを備える。袋本体10’は、第1方向の一端側よりも他端側が幅広となる形状を有する一対のシート2’,3’が重ね合わせられ、一端側の頂部接合部11’と両側縁の側部接合部12’,12’とにより三方が封止され、他端側が開口部13’となるものである。ヘッダ部15’は、頂部接合部11’から突出する各シート2’,3’の突出片が適宜の箇所で互いに接合され、一体化されるものである。
【0004】
ヘッダ部15’における第2のシート3’には、たとえば逆U字状の切込線32’が形成されるとともに、切込線32’を外形線とする遊離片33’が形成される。第2のシート3’の内面には、遊離片33’から第1方向に沿って第2のシート3’の他端側に向かって、カットテープ等の開封用条体34’が接合される。
【0005】
食品用包装袋1’により包装された食品を食する際には、遊離片33’を摘んで引き下ろす。そうすると、開封用条体34’が引っ張られ、第2のシート3’が第1方向に沿って所定の幅で引き裂かれ、第2のシート3’に開封部が形成される。食品は、この開封部から取り出すことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2017-171326号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、後述するとおり、第2のシート3’の引き裂き方向性は、主として、第1方向と直交する第2方向、すなわち、第2のシート3’の幅方向である。これは、開封用条体34’による第2のシート3’の引き裂きが第2のシート3’の引き裂き方向性に抵抗して行われることを意味する。このため、従来の食品包装袋においては、開封時、第2のシート3’の引き裂きが開封用条体34’から逸脱して予期しない方向に進行することがある。そして、逸脱の程度が大きい場合、開封が困難になることもある。近年は、環境問題の観点から紙シートを用いる食品用包装袋が提案され始めているが、紙シートは、プラスチックシートに比べ、第2方向における引き裂き方向性が強く、開封性の不具合は顕著となる。
【0008】
そこで、本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、適切かつ確実に開封することができる食品用包装袋を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る食品用包装袋は、
第1方向の一端側よりも他端側が幅広となる形状を有する一対のシートが重ね合わせられ、一端側の頂部接合部と両側部の側部接合部とにより三方が封止されて他端側が開口部となる袋本体を備える食品用包装袋であって、
袋本体における一方のシートのうち、第1方向と直交する第2方向における中心線よりも一方の側部接合部寄りの箇所に形成される切込線であって、一方のシートを第2方向に沿って反対側の側部接合部に向かって所定の幅で引き裂くための起点となる切込線と、
一方のシートの内面側又は外面側から切込線を覆って一方のシートに接合される被覆片とを備える
食品用包装袋である。
【0010】
ここで、本発明に係る食品用包装袋の一態様として、
切込線は、頂部接合部の内縁及び包装される食品の底面によって折り曲げられる山折り線間に形成される
との構成を採用することができる。
【0011】
また、この場合、
切込線は、切込線の一方の端点が頂部接合部の内縁の近傍に位置しかつ切込線の他方の端点が包装される食品の底面によって折り曲げられる山折り線の近傍に位置するように形成される
との構成を採用することができる。
【0012】
また、本発明に係る食品用包装袋の他態様として、
切込線は、切込線の両端点が反対側の側部接合部に近づくように形成される
との構成を採用することができる。
【0013】
また、この場合、
切込線は、切込線の両端点が包装される食品の側面によって折り曲げられる山折り線の近傍に位置するように形成される
との構成を採用することができる。
【0014】
また、本発明に係る食品用包装袋の別の態様として、
一方のシートに、切込線の形成箇所を含む中段部が区画され、
中段部に、紙シートが用いられる
との構成を採用することができる。
【0015】
また、本発明に係る食品用包装袋のさらに別の態様として、
被覆片は、側部接合部に沿って傾斜する斜辺部を有する
との構成を採用することができる。
【0016】
また、この場合、
被覆片は、直角台形状又は直角三角形状を有する
との構成を採用することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る食品用包装袋によれば、開封時、切込線を起点とするシートの引き裂き方向は、シートの引き裂き方向性と一致する。これにより、シートは、第2方向に沿ってきれいに引き裂かれ、開封部は、一定の幅できれいに形成される。このため、本発明に係る食品用包装袋によれば、適切かつ確実に開封することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、実施形態1に係る食品用包装袋の分解斜視図である。
図2図2は、実施形態1に係る食品用包装袋の正面図である。
図3図3は、実施形態1に係る食品用包装袋の背面図である。
図4図4(a)は、実施形態1に係る食品用包装袋の第1のシートの正面図である。図4(b)は、図4(a)のA-A線断面図である。
図5図5(a)は、実施形態1に係る食品用包装袋の第2のシートの正面図である。図5(b)は、図5(a)のB-B線断面図である。
図6図6は、実施形態1に係る食品用包装袋により食品を包装した実施形態1に係る食品包装体の正面側から見た斜視図である。
図7図7は、実施形態1に係る食品包装体の背面側から見た斜視図である。
図8図8(a)及び(b)は、実施形態1に係る食品包装体を開封する様子の斜視図である。
図9図9は、実施形態1に係る食品用包装袋の第1のシート原反及び第2のシート原反の製造工程の説明図である。
図10図10は、実施形態1に係る食品用包装袋の第2のシート原反の製造工程の説明図であって、図9の続きの説明図である。
図11図11は、図10の続きの説明図である。
図12図12は、実施形態1に係る食品用包装袋の製造工程の説明図である。
図13図13は、他実施形態1に係る食品用包装袋の背面図である。
図14図14は、他実施形態1に係る食品用包装袋により食品を包装した他実施形態1に係る食品包装体の背面側から見た斜視図である。
図15図15は、他実施形態1に係る食品用包装袋の製造工程の説明図である。
図16図16は、他実施形態2に係る食品用包装袋の背面図である。
図17図17は、他実施形態2に係る食品用包装袋により食品を包装した他実施形態2に係る食品包装体の背面側から見た斜視図である。
図18図18は、他実施形態3に係る食品用包装袋の背面図である。
図19図19(a)~(g)は、切込線の各種実施例の説明図である。
図20図20は、従来の食品用包装袋の背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係る食品用包装袋の一実施形態として、サンドイッチの包装に用いられる食品用包装袋について、図1ないし図12を参酌して説明する。
【0020】
図1ないし図3に示すように、食品用包装袋1は、袋本体10と、ヘッダ部15とを備える。袋本体10は、一対のシート(第1のシート2、第2のシート3)が重ね合わせられ、接合されるものである。第1のシート2は、表シートともいい、第2のシート3は、裏シートともいう。一対のシートは、互いに直交する方向の一方が他方よりも長い形状を有し、かつ、一端側よりも他端側が幅広となる形状を有する。袋本体10は、一端側の頂部接合部11と、両側部の側部接合部12,12とにより、三方が接合、封止され、他端側が開口部13となるものである。ヘッダ部15は、頂部接合部11から突出する各シート2,3の突出片が適宜の箇所で互いに接合され、一体化されるものである。なお、以下では、上記一方(図2及び図3では、上下方向)を「長手方向」又は「第1方向」といい、上記他方(図2及び図3では、左右方向)を「幅方向」又は「第2方向」という。
【0021】
第1のシート2は、胴部20と、先端部21(上記突出片)とを備える。胴部20は、一端側から他端側に向かって次第に幅広となっていく形状を有する。先端部21は、胴部20の一端から延びる幅狭の形状を有する。
【0022】
第2のシート3は、胴部30と、先端部31(上記突出片)とを備える。胴部30は、一端側から他端側に向かって次第に幅広となっていく形状を有する。先端部31は、胴部30の一端から延びる幅狭の形状を有する。
【0023】
胴部20,30は、台形状である。このため、胴部20,30の一端(及びこれに一致する先端部21,31の他端)は、長手方向に対して直交する直線状である。言い換えれば、胴部20,30の一端は、幅方向と平行な直線状である。胴部20,30の両側縁及び先端部21,31の両側縁は、長手方向に対して傾斜する直線状である。ただし、胴部20,30の両側縁の他端側は、切欠部14により欠如している。これにより、胴部20,30の他端側は、切欠部14の分だけ幅狭とされる。
【0024】
図4に示すように、第1のシート2は、長手方向において複数の領域に区画される。具体的には、第1のシート2は、上段部22A、中段部22B、下段部22Cの3つの領域に区画される。上段部22Aは、胴部20の上部及び先端部21に区画される。下段部22Cは、胴部20の下部に区画される。中段部22Bは、上段部22A及び下段部22C間、すなわち、胴部20の中間部に区画される。上段部22A及び下段部22Cは、同一高さ寸法である。
【0025】
第1のシート2は、3つのシート(中間の分割シート23及び上下端部の分割シート23,23)が、縁部同士が重ね合わせられ(重ね合わせ部24)、重ね合わせ部24が第1のシート2の幅方向に沿って接合され(接合部25)、1枚のシートにされたものである。本実施形態においては、接合部25は、加熱バーや加熱ローラを用いた溶着により形成され、所定の幅を有する帯状のシールである。重ね合わせ部24において、端部の分割シート23の縁部は、中間の分割シート23の縁部の外面側に配置され、中間の分割シート23の縁部と端部の分割シート23の縁部とは、中間の分割シート23の縁部の外面と端部の分割シート23の縁部の内面とが対向するように、重ね合わせられる。
【0026】
中間の分割シート23は、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の熱溶着性を有するプラスチックシート(フィルム)である。一例として、シートは、二軸延伸ポリプロピレン(OPP)シート(フィルム)又は無延伸ポリプロピレン(CPP)シート(フィルム)である。あるいは、シートは、積層シート(フィルム)である。積層シート(フィルム)の一形態として、シートは、外面側から順に、基材層、接着層及び樹脂層を積層して形成される。基材層として、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)等の樹脂が用いられる。接着層として、ドライラミネート、押出しラミネート等が用いられる。樹脂層として、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)等の樹脂が用いられる。なお、ポリプロピレンシート(フィルム)とは、純度100%のポリプロピレンシート(フィルム)はもちろんのこと、ポリプロピレンを主成分として、他の成分(たとえばポリエチレンといった他の樹脂成分)を含有するシート(フィルム)も含む概念である。なお、「シート」は、厚みによって定められるものではなく、フィルムを含む概念である(以下、同様)。
【0027】
これに対し、上下端部の分割シート23,23は、紙、未晒しクラフト紙、和紙、混抄紙、合成紙、グラシン紙、紙質又は紙様(これらをまとめて「紙」という。)の、又は、これらを主とするシート(フィルム)である(これらをまとめて「紙シート」(フィルム)という。)。紙は、バイオベースポリエチレンテレフタレート(バイオベースPET、いわゆるバイオPET)を含む紙であってもよい。シートは、必要に応じて、内面側又は外面側の少なくとも一方側に全面的に又は必要箇所の部分的に熱溶着性を有する。たとえば、シートは、紙を外層とし、プラスチックシート(フィルム)を内層としてラミネートした積層シート(フィルム)である。積層シート(フィルム)の一形態として、シートは、外面側から順に、基材層、接着層及び樹脂層を積層して形成される。基材層として、紙が用いられる。接着層として、ドライラミネート、押出しラミネート等が用いられる。樹脂層として、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)等の樹脂が用いられる。一例として、基材層は、坪量が12g/m程度又は15g/m程度の紙であり、接着層は、ドライラミネートであり、樹脂層は、2軸延伸ポリプロピレン(OPP)である。
【0028】
あるいは、上下端部の分割シート23,23は、普通セロハン、防湿セロハン、セロハン質又はセロハン様(これらをまとめて「セロハン」という。)の、又は、これらを主とするシート(フィルム)である(これらをまとめて「セロハンシート」(フィルム)という。)。シートは、必要に応じて、内面側又は外面側の少なくとも一方側に全面的に又は必要箇所の部分的に熱溶着性を有する。たとえば、シートは、セロハンを外層とし、プラスチックシート(フィルム)を内層としてラミネートした積層シート(フィルム)である。積層シート(フィルム)の一形態として、シートは、外面側から順に、基材層、接着層及び樹脂層を積層して形成される。基材層として、セロハンが用いられる。接着層として、ドライラミネート、押出しラミネート等が用いられる。樹脂層として、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)等の樹脂が用いられる。一例として、基材層は、普通セロハン又は防湿セロハンであり、接着層は、ドライラミネートであり、樹脂層は、2軸延伸ポリプロピレン(OPP)である。
【0029】
上段部22Aは、上端部の分割シート23に相当する。中段部22Bは、中間の分割シート23のうち、上下の重ね合わせ部24,24を除いた部分に相当する。下段部22Cは、下端部の分割シート23に相当する。これにより、第1のシート2において、上段部22A及び下段部22Cは、上下端部の分割シート23,23が紙シートの場合は、不透明(ないし半透明)な部分となり、上下端部の分割シート23,23がセロハンシートの場合は、透明な部分となり、中段部22Bは、内部を視認可能な透明な部分となる。
【0030】
図5に示すように、第2のシート3は、長手方向において複数の領域に区画される。具体的には、第2のシート3は、上段部35A、中段部35B、下段部35Cの3つの領域に区画される。上段部35Aは、先端部31に区画される。下段部35Cは、胴部30の下部に区画される。中段部35Bは、上段部35A及び下段部35C間、すなわち、胴部30の下部を除く部分に区画される。中段部35Bは、第1のシート2の中段部22Bよりも大きい高さ寸法である。上段部35A及び下段部35Cは、同一高さ寸法である。上段部35A及び下段部35Cは、第1のシート2の上段部22A及び下段部22Cよりも小さい高さ寸法である。
【0031】
第2のシート3は、3つのシート(中間の分割シート36及び上下端部の分割シート36,36)が、縁部同士が重ね合わせられ(重ね合わせ部37)、重ね合わせ部37が第2のシート3の幅方向に沿って接合され(接合部38)、1枚のシートにされたものである。本実施形態においては、接合部38は、加熱バーや加熱ローラを用いた溶着により形成され、所定の幅を有する帯状のシールである。重ね合わせ部37において、端部の分割シート36の縁部は、中間の分割シート36の縁部の内面側に配置され、中間の分割シート36の縁部と端部の分割シート36の縁部とは、中間の分割シート36の縁部の内面と端部の分割シート36の縁部の外面とが対向するように、重ね合わせられる。
【0032】
中間の分割シート36は、紙シート又はセロハンシートである。これに対し、上下端部の分割シート36,36は、プラスチックシートである。
【0033】
上段部35Aは、上端部の分割シート36のうち、重ね合わせ部37を除いた部分に相当する。中段部35Bは、中間の分割シート36に相当する。下段部35Cは、下端部の分割シート36のうち、重ね合わせ部37を除いた部分に相当する。これにより、第2のシート3において、上段部35A及び下段部35Cは、透明な部分となり、中段部35Bは、中間の分割シート36が紙シートの場合は、不透明(ないし半透明)な部分となり、中間の分割シート36がセロハンシートの場合は、透明な部分となる。
【0034】
図2及び図3に示すように、頂部接合部11は、胴部20,30の一端に沿ってシート2,3を溶着することにより形成される。本実施形態においては、頂部接合部11は、加熱バーを用いた溶着により形成され、所定の幅を有する帯状のシールである。
【0035】
側部接合部12は、胴部20,30の側縁(斜辺)及び先端部21,31の側縁(斜辺)に沿ってシート2,3を溶着することにより形成される。本実施形態においては、側部接合部12は、加熱バーを用いた溶着により形成され、所定の幅を有する帯状のシールである。側部接合部12の幅は、頂部接合部11の幅より小さい。具体的には、側部接合部12は、2mm以上、より好ましくは、3mm以上であって、5mm以下、より好ましくは、4mm以下の幅を有する。
【0036】
このようにして構成された袋本体10の内部が食品の収容部となる。袋本体10における第1のシート2の内面には、内シート4が貼着される。内シート4は、たとえば他端部が二箇所でポイントシール等により接合され(接合部40)、一端側が自由端となっている。これにより、収容部内で食品が動いたとしても、内シート4が食品の表面に密着し、その動きに追従する。このため、第1のシート2は、汚れず、外観は損なわれない。
【0037】
図3及び図5に示すように、袋本体10における第2のシート3のうち、幅方向における中心線よりも一方の側部接合部12寄りの箇所、より詳しくは、包装される食品の側面に対応する平面領域の所定の箇所には、切込線32が形成される。切込線32は、全切線により形成される。切込線32は、第2のシート3を幅方向に沿って反対側の側部接合部12に向かって所定の幅で引き裂くための起点となる。
【0038】
切込線32は、第1部位32aと、第2部位32bと、第3部位32cとを備える。第1部位32aは、側部接合部12に沿って傾斜する線である。第2部位32bは、第1部位32aの頂部接合部11側の端点から第2のシート3の幅方向に沿って延びる線である。第3部位32cは、第1部位32aの開口部13側の端点から第2のシート3の幅方向に沿って延びる線である。これにより、切込線32は、切込線32の両端点32d,32dが反対側の側部接合部12に近づくように形成され、切込線32の端部が第2のシート3の幅方向と平行となるように形成される。
【0039】
ここで、包装される食品の側面によって折り曲げられる第2のシート3の山折り線、より詳しくは、包装される食品の背面と側面との交差線に対応する第2のシート3の山折り線(これは、頂部接合部11の内縁及び側部接合部12の内縁の交点を通る第2のシート3の長手方向に沿った線と一致する。)をL1とし、包装される食品の底面によって折り曲げられる山折り線、より詳しくは、包装される食品の底面の後縁に対応する第2のシート3の山折り線をL2とする。この場合、切込線32は、頂部接合部11の内縁及び山折り線L2間に形成される。より詳しくは、切込線32は、切込線32の一方の端点32dが頂部接合部11の内縁の近傍に位置しかつ切込線32の他方の端点32dが山折り線L2の近傍に位置するように形成される。また、切込線32は、切込線32の両端点32d,32dが山折り線L1の近傍に位置するように形成される。
【0040】
そして、袋本体10における第2のシート3には、切込線32の形成により、遊離片33が形成される。遊離片33は、切込線32を外形線とし、切込線32の両端点32d,32d間を固定端とし、側部接合部12側を自由端とするものである。
【0041】
食品用包装袋1は、被覆片5を備える。被覆片5は、第2のシート3の内面側から切込線32を覆って第2のシート3に接合される(接合部50)。被覆片5は、切込線32を介して異物等が内部に侵入するのを防止するための封止材である。被覆片5は、側部接合部12に沿って傾斜する斜辺部を有する。より詳しくは、被覆片5は、直角台形状又は直角三角形状を有する。接合部50は、斜辺部を除く被覆片5の外縁に沿って形成され、側部接合部12と協働して切込線32を取り囲むように形成される。
【0042】
被覆片5は、プラスチックシートである。被覆片5は、内面(第2のシート3との対向面)の全面又は該当箇所に感熱接着剤等のコート剤(パートコート剤)を塗布した上で、熱接着や自己粘着により、第2のシート3の内面に接合される。コート剤の使用により、接合部50は、小さな力では剥離することはないが、人がある程度以上の力を加えると剥離可能な弱接合となる。なお、被覆片5は、紙シートやセロハンシートであってもよい。
【0043】
食品用包装袋1による食品の包装方法は、次のとおりである。まず、開口部13が開かれ、食品が頂角側から袋本体10内に収容された後、食品の底面の外縁から角筒状に延出する開口部13側の余分なシート片が適宜折り畳まれ、開口部13が閉塞、封止される。これにより、図6及び図7に示すように、食品包装体7が完成する。食品包装体7は、頂部接合部11、側部接合部12,12、開口部13の封止、及び被覆片5(及び接合部50)による切込線32の封止により、気密状態に維持される。このため、外気等が内部に侵入することはなく、包装された食品6は、所期の品質が維持される。
【0044】
食品6を食する際には、図8(a)に示すように、遊離片33を摘んで第2のシート3の幅方向に沿って反対側の側部接合部12に向かって引く。そうすると、図8(b)に示すように、第2のシート3(の中段部35B)が幅方向に沿って所定の幅で引き裂かれ、第2のシート3(の中段部35B)に開封部が形成される。食品6は、この開封部から取り出すことができる。
【0045】
食品用包装袋1の製造方法は、次のとおりである。食品用包装袋1は、i)図9に示す、第1のシート2が連続する第1のシート原反2Xを製造する工程(第1工程)、ii)図9ないし図11に示す、第2のシート3が連続する第2のシート原反3Xを製造する工程(第2工程)、iii)図12に示す、第1のシート原反2X及び第2のシート原反3Xから食品用包装袋1を製造する工程(第3工程)、を経て製造される。
【0046】
なお、台形状を有するこの種の食品用包装袋1は、その形状から、シート原反2X,3Xの搬送方向に対し、横向きでかつ向きが交互に反対となるように製造される。すなわち、シート原反2X,3Xの搬送方向(MD)と直交する幅方向(TD)の一方側に開口部13が形成されるとともに、幅方向の他方側にヘッダ部15が形成される食品用包装袋1と、幅方向の他方側に開口部13が形成されるとともに、幅方向の一方側にヘッダ部15が形成される食品用包装袋1とが、交互に製造される。図10ないし図12において、前者の食品用包装袋1に係る構成には、符号の後に「A」を付し、後者の食品用包装袋1に係る構成には、符号の後に「B」を付している。
【0047】
図9に示すように、第1工程において、中間の分割シート23が連続する分割シート原反23Xがロール状に巻回されたシート原反ロールと、端部の分割シート23が連続する分割シート原反23Xがロール状に巻回されたシート原反ロールが2つ、それぞれ回転自在に保持される。一対の端部の分割シート原反23X,23Xは、同一幅である。中間の分割シート原反23X及び一対の端部の分割シート原反23X,23Xは、各シート原反ロールから繰り出し供給される。一対の端部の分割シート原反23X,23Xは、中間の分割シート原反23Xを挟むようにして供給され、中間の分割シート原反23Xの各側縁部と端部の分割シート原反23Xの側縁部とが重ね合わせられ(重ね合わせ部24)、重ね合わせ部24が接合され、1枚のシート原反となる。
【0048】
第2工程は、第1工程と同様である。第2工程は、さらに、i)図10に示す、第2のシート原反3Xに切込線32を形成する工程、より詳しくは、第2のシート原反3Xに切込線32を形成するとともに、切込線32の形成により、遊離片33を形成する工程(第2-1工程)、ii)図11に示す、第2のシート原反3Xの内面に、切込線32及び遊離片33を覆うように被覆片5を配置するとともに、切込線32及び遊離片33を囲むように被覆片5を接合する工程(第2-2工程)を備える。
【0049】
図10に示すように、第2-1工程では、隣り合う食品用包装袋1,1の切込線32,32が近接して形成される。図11に示すように、第2-2工程では、近接する2組の切込線32,32及び遊離片33,33を覆う大きさの矩形状(長方形状)の被覆片5が用いられる。被覆片5は、シート原反ロール(図示しないが、第2のシート原反3Xの側方に配置される)から繰り出されるシート原反が所定の大きさに切断されることにより形成され、第2のシート原反3Xの側方から供給される。
【0050】
シート原反2X,3Xは、このようにして製造される。そして、一旦ロール状に巻回された後、製袋装置にロールがセットされるか、あるいは、シート原反2X,3Xは、製袋装置によって製造されることで、引き続き搬送されて、次に、第3工程に移行する。
【0051】
図12に示すように、第3工程は、内シート4が接合された第1のシート原反2Xと、第2のシート原反3Xとを、内面同士が対向するように重ね合わせ、この状態で間欠的に搬送しつつ、i)頂部接合部11を形成する工程(第3-1工程)、ii)側部接合部12を形成する工程(第3-2工程、これは、第3-1工程と同時に行ってもよい。)、iii)側部接合部12の中間線に沿って側部接合部12を切断、分割するように、食品用包装袋1を個別に分離する工程(第3-3工程)、iv)切欠部14を形成する工程(第3-4工程)を備える。
【0052】
第3-3工程では、側部接合部12の切断、分割に伴い、被覆片5も、切断、分割され、各被覆片5は、上述のとおり、直角台形状又は直角三角形状となる。接合部50も、同様に、切断、分割される。
【0053】
第3工程の全体的な流れは、特開2005-219319号公報に記載されたものとおおむね同じである。ただし、この特許文献に記載されたものにおいて、側部接合部は、溶断により形成される。これに対し、本実施形態においては、側部接合部12は、溶着及び切断により形成される。溶着には、隣り合う食品用包装袋1,1の側部接合部12,12の幅、すなわち、側部接合部12の幅の2倍の幅を有する加熱バーが用いられる。切断には、トムソン刃が用いられる。なお、全周トムソン刃を用い、食品用包装袋1を打ち抜くことにより、第3-3工程及び第3-4工程を同時に行うようにしてもよい。
【0054】
以上のとおり、本実施形態に係る食品用包装袋1によれば、第2のシート3(の中段部35Bを構成する紙シート又はセロハンシート)の引き裂き方向性は、主として、第2のシート原反3Xの搬送方向(MD)であることから、開封時、切込線32を起点とする第2のシート3の引き裂き方向は、引き裂かれるシートの引き裂き方向性と一致する。これにより、第2のシート3は、幅方向に沿ってきれいに引き裂かれ、開封部は、一定の幅できれいに形成される。このため、本実施形態に係る食品用包装袋1によれば、適切かつ確実に開封することができる。
【0055】
また、本実施形態に係る食品用包装袋1によれば、切込線32は、頂部接合部11の内縁及び包装される食品6の底面によって折り曲げられる山折り線L2間に形成される。これにより、図8(b)に示すように、切込線32を起点とする第2のシート3の引き裂きは、主として、袋本体10における第2のシート3のうち、包装される食品6の背面に対応する平面領域において行われる。このため、本実施形態に係る食品用包装袋1によれば、より適切かつより確実に開封することができる。
【0056】
また、本実施形態に係る食品用包装袋1によれば、切込線32は、切込線32の一方の端点32dが頂部接合部11の内縁の近傍に位置しかつ切込線32の他方の端点32dが包装される食品6の底面によって折り曲げられる山折り線L2の近傍に位置するように形成される。このため、本実施形態に係る食品用包装袋1によれば、図8(b)に示すように、大きな開封部を形成することができ、食品6を円滑に取り出すことができる。
【0057】
また、本実施形態に係る食品用包装袋1によれば、切込線32は、切込線32の両端点32d,32dが反対側の側部接合部12に近づくように形成され、かつ、切込線32の両端点32d,32dが包装される食品6の側面によって折り曲げられる山折り線L1の近傍に位置するように形成される。これにより、図7に示すように、遊離片33は、袋本体10における第2のシート3のうち、包装される食品6の背面に対応する平面領域から突出し、摘みやすくなる。このため、本実施形態に係る食品用包装袋1によれば、遊離片33の位置を迅速に認識することができるとともに、遊離片33を簡単に摘むことができ、円滑に開封することができる。なお、切込線32の端点32dが山折り線L1の近傍に位置するとは、端点32dが山折り線L1上に位置する形態、端点32dが山折り線L1よりも側部接合部12側に位置する形態、又は端点32dがその反対側に位置する形態のいずれをも含む。
【0058】
また、本実施形態に係る食品用包装袋1によれば、シート2,3の一部に紙シート又はセロハンシートが用いられる。紙シート及びセロハンシートは、プラスチックシートに比べ、折り癖が付きやすい。このため、食品包装体7の各辺において、シート2,3は、鮮鋭に折れ曲がり、食品包装体7は、鮮鋭な外観形状を呈する。このため、本実施形態に係る食品用包装袋1によれば、食品包装体7となった状態において、外観に優れ、かつ、安定性、ひいては自立性に優れるという効果がある。
【0059】
また、紙シート及びセロハンシートは、プラスチックシートに比べ、剛性が高い(硬い)。これにより、シート2,3に腰が付与され、食品包装体7となった状態において、自立性が向上するという効果がある。また、シート2,3の腰により、食品包装体7の剛性が向上する。このため、本実施形態に係る食品用包装袋1によれば、食品6の型崩れ防止効果が高い。
【0060】
また、本実施形態に係る食品用包装袋1によれば、紙シート又はセロハンシートを用いることにより、プラスチックの使用量を削減することができる。近年は、廃棄プラスチックが全世界的な環境問題となっているが、本実施形態に係る食品用包装袋1によれば、この環境問題に対し、有効な対策となる。
【0061】
また、本実施形態に係る食品用包装袋1によれば、第1のシート2の上段部22Aは、袋本体10の上部及びヘッダ部15に区画され、下段部22Cは、袋本体10の下部に区画される。これにより、上段部22A及び下段部22Cのシートが紙シートの場合は、食品包装体7となった状態において、起立した状態の食品6の上部及び下部は、不透明な上段部22A及び下段部22Cによって隠され、食品6の中央部のみが透明な中段部22Bから視認可能となる。すなわち、食品6のうち、一番おいしく見える中央部のみが視認可能となって強調されることとなる。このため、本実施形態に係る食品用包装袋1によれば、食品包装体7となった状態において、購買者の購買意欲を喚起することができる。
【0062】
また、本実施形態に係る食品用包装袋1によれば、側部接合部12は、袋本体10の側縁及びヘッダ部15の側縁に沿って所定の幅で帯状に形成される。これにより、食品包装体7となった状態において、側部接合部12は、図6及び図7に示すように、後に倒れた状態となる。そうすると、ヘッダ部15は、両側に柱ができるため、起立状態となる。しかも、ヘッダ部15は、袋本体10の正面部から真っすぐに延びたフラットな状態となる。このため、本実施形態に係る食品用包装袋1によれば、食品包装体7となった状態において、見栄えをよくすることができるとともに、コンビニエンスストア等の店舗で陳列されている状態において、ヘッダ部15における表示を視認しやすくすることができる。
【0063】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0064】
上記実施形態においては、切込線32は、第2のシート3の一方の側部に形成される。しかし、本発明は、これに限定されるものではない。切込線32は、第2のシート3の他方の側部に形成されるものであってもよい。あるいは、図13ないし図15に示すように、切込線32は、第2のシート3の両側部に形成されるものであってもよい。この場合、左右いずれかのどちらからでも開封することができる。
【0065】
上記実施形態においては、切込線32は、袋本体10における第2のシート3のうち、包装される食品6の側面に対応する平面領域に形成される。しかし、本発明は、これに限定されるものではない。切込線32は、袋本体10における第2のシート3のうち、包装される食品6の側面によって折り曲げられる山折り線L1を大きく跨ぐように形成されるものであってもよい。あるいは、図16及び図17に示すように、切込線32は、袋本体10における第2のシート3のうち、包装される食品6の背面に対応する平面領域に形成されるものであってもよい。なお、この平面領域には、POSラベルないし食品表示ラベル8が貼られることがある。
【0066】
また、上記実施形態においては、被覆片5は、第2のシート3の内面側から切込線32を覆うものである。しかし、本発明は、これに限定されるものではない。図18に示すように、被覆片5は、第2のシート3の外面側から切込線32を覆うものであってもよい。この場合、被覆片5は、一部を除き、第2のシート3の外面に剥離可能に接合される。ただし、被覆片5は、第2のシート3の外面よりも強い接合強度で遊離片33に接合される。被覆片5の一部(非接合部)は、摘み部5aとなる。被覆片5は、ラベルであってもよい。開封に際しては、被覆片5の摘み部5aを摘んで第2のシート3の幅方向に沿って反対側の側部接合部12に向かって引くこととなる。
【0067】
また、上記実施形態における切込線32の形状は一例に過ぎない。切込線32は、各種の形状を採用することができる。図19(a)に示す切込線32は、第1部位32aが第2のシート3の長手方向に沿う線で構成される切込線である。図19(b)に示す切込線32は、曲線で構成される切込線である。図19(c)に示す切込線32は、切込線32の端部が第2のシート3の幅方向に対して傾斜する切込線である。図19(d)に示す切込線32は、遊離片33を形成しない切込線である。これは、被覆片5が第2のシート3の外面に接合される形態において採用することができる。図19(e)に示す切込線32は、開口部3に向かって延びる追加の切込線32eを有する切込線である。切込線32eは、食品包装体7をさらに大きく開封したい場合の、第2段階の開封操作用である。図19(f)に示す切込線32は、一方の側部接合部12に向かって延びる追加の切込線32f(図例では、第2部位32b及び第3部位32cの延長線)を有する切込線である。切込線32fは、食品包装体7を反対側にも開封したい場合の、第2段階の開封操作用である。図19(g)に示す切込線32は、1つないし複数の連結部32gを有する切込線である。連結部32gは、切込線32の内側領域及び外側領域を0.1mmないし3mm程度の細幅で連結する。これにより、食品用包装袋の製造時(の特にシート原反の搬送時)やハンドリング時、遊離片33がめくれて支障が出るのを防止することができる。
【0068】
また、上記実施形態においては、切込線32及び遊離片33は、第2のシート3に形成され、食品包装体7は、第2のシート3において開封される。しかし、本発明は、これに限定されるものではない。切込線及び遊離片は、第1のシートに形成され、食品包装体は、第1のシートにおいて開封されるようにしてもよい。
【0069】
また、上記実施形態においては、シートの引き裂き方向性が大きいため、開封用条体は不要である。しかし、本発明は、開封用条体の併用を除外するものではない。
【0070】
また、上記実施形態においては、一対のシート2,3の各シートは、第1方向において複数の領域に区画され、各領域に、プラスチックシート、紙シート又はセロハンシートのいずれかが選択的に用いられる。しかし、本発明は、これに限定されるものではない。たとえば、一対のシートの少なくとも一方のシートは、複数の領域に区画されない単一のシートであって、プラスチックシート、紙シート又はセロハンシートのいずれかが選択的に用いられるものであってもよい。
【0071】
また、上記実施形態においては、プラスチックシート、紙シート又はセロハンシートのいずれかが選択的に用いられる。しかし、本発明は、これに限定されるものではない。シートとして、不織布を用いるようにしてもよい。
【0072】
また、食品用包装袋において、ヘッダ部は必須ではない。たとえば、ヘッダ部がなく、袋本体のみで構成される食品用包装袋であってもよい。
【0073】
また、上記実施形態においては、食品は、サンドイッチである。しかし、包装対象の食品は、食品用包装袋に収容することができる形であれば、ケーキ等の洋菓子、カステラ等の和菓子、パン、おにぎり等の米飯加工食品であってもよく、食品の種類は、特に限定されるものではない。
【0074】
また、「三角形状」、「直角三角形状」、「台形状」、「直角台形状」、「矩形状」、「長方形状」、「中心」、「直線」、「中央」、「端部」、「側部」、「一致」、「同一」、「平行」、「直交」、「上下」、「左右」といった形状、部位、状態又は方向を特定する用語は、本発明において、そのもののほか、それに近いないし類するという意味の「略」の概念も含むものである。
【符号の説明】
【0075】
1…食品用包装袋、10…袋本体、11…頂部接合部、12…側部接合部、13…開口部、14…切欠部、15…ヘッダ部、2…第1のシート、2X…第1のシート原反、20…胴部、21…先端部、22A…上段部、22B…中段部、22C…下段部、23…分割シート、23X…分割シート原反、24…重ね合わせ部、25…接合部、3…第2のシート、3X…第2のシート原反、30…胴部、31…先端部、32…切込線、32a…第1部位、32b…第2部位、32c…第3部位、32d…端点、32e…切込線、32f…切込線、32g…連結部、33…遊離片、35A…上段部、35B…中段部、35C…下段部、36…分割シート、36X…分割シート原反、37…重ね合わせ部、38…接合部、4…内シート、40…接合部、5…被覆片、5a…摘み部、50…接合部、6…食品(サンドイッチ)、7…食品包装体、8…POSラベルないし食品表示ラベル、L1…包装される食品の背面と側面との交差線に対応する第2のシート3の山折り線、L2…包装される食品の底面の後縁に対応する第2のシート3の山折り線、L3…包装される食品の底面の側縁に対応する第2のシート3の谷折り線、L4…折り返される第2のシート3の山折り線
図1
図2
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図6
図7
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図9
図10
図11
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図13
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