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特開2023-1042情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023001042
(43)【公開日】2023-01-04
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 40/253 20200101AFI20221222BHJP
【FI】
G06F40/253
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022081767
(22)【出願日】2022-05-18
(31)【優先権主張番号】P 2021100797
(32)【優先日】2021-06-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】518287076
【氏名又は名称】FRAIM株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(72)【発明者】
【氏名】堀口 圭
(72)【発明者】
【氏名】宮坂 豪
(72)【発明者】
【氏名】塚本 拓也
【テーマコード(参考)】
5B091
【Fターム(参考)】
5B091EA04
(57)【要約】      (修正有)
【課題】レビューの効率化を図ることが可能な情報処理装置、方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】情報処理装置であるサーバ1は、ドキュメント内で用いる語句に関し、ドキュメント内で定義する前の語句又は置き換えする前の語句を定義前語句と呼び、ドキュメント内で定義した後の語句又は置き換えした後の語句を定義後語句と呼び、定義後語句を使用すべき箇所で定義前語句が用いられてしまうことを定義語未使用と呼び、定義又は置き換えがなされずに定義前語句が繰り返し出現してしまうことを定義漏れと呼ぶことにすると、定義語未使用及び定義漏れのうち少なくとも一方についてドキュメントの情報から検出した検出結果に基づき、少なくとも一方について報知する報知手段としての報知部116を備える。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドキュメント内で用いる語句に関し、前記ドキュメント内で定義する前の語句又は置き換えする前の語句を定義前語句と呼び、前記ドキュメント内で定義した後の語句又は置き換えした後の語句を定義後語句と呼び、前記定義後語句を使用すべき箇所で前記定義前語句が用いられてしまうことを定義語未使用と呼び、前記定義又は前記置き換えがなされずに前記定義前語句が繰り返し出現してしまうことを定義漏れと呼ぶことにすると、
前記定義語未使用及び前記定義漏れのうち少なくとも一方について前記ドキュメントの情報から検出した検出結果に基づき、前記少なくとも一方について報知する報知手段を備える、
情報処理装置。
【請求項2】
前記報知手段は、前記報知の対象者に向けて前記ドキュメントを表示するためのドキュメント表示画面で、前記少なくとも一方について報知する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記報知手段は、前記ドキュメント表示画面の前記ドキュメントにおける前記少なくとも一方に該当する箇所を他の箇所と区別するようにして、前記少なくとも一方について報知する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記報知手段は、前記ドキュメント表示画面の前記ドキュメントにおける前記少なくとも一方に該当する箇所が前記対象者により選択されることで、修正すべき語句となる前記定義後語句が前記ドキュメント表示画面に表示されるようにする、
請求項2又は3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記報知手段は、前記ドキュメント表示画面の前記ドキュメントにおける前記少なくとも一方に該当する箇所が前記対象者により選択されることで、前記少なくとも一方が前記定義語未使用であれば前記ドキュメント表示画面における定義箇所に遷移するように、又は、前記少なくとも一方が前記定義漏れであれば前記定義前語句がある箇所に遷移するようにする、
請求項2又は3に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記報知手段は、前記ドキュメント表示画面を分割するように設定されたサブ表示画面に、前記少なくとも一方に関連する語句が表示されるようにする、
請求項2又は3に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記報知手段は、前記ドキュメント表示画面にアラートを伴いながら前記少なくとも一方について報知する、
請求項2又は3に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記報知手段は、前記ドキュメント表示画面の前記ドキュメントにおける前記定義後語句が前記対象者により選択されることで、前記定義後語句が選択された箇所から前記定義前語句がある箇所に遷移するようにする、
請求項2又は3に記載の情報処理装置。
【請求項9】
情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
ドキュメント内で用いる語句に関し、前記ドキュメント内で定義する前の語句又は置き換えする前の語句を定義前語句と呼び、前記ドキュメント内で定義した後の語句又は置き換えした後の語句を定義後語句と呼び、前記定義後語句を使用すべき箇所で前記定義前語句が用いられてしまうことを定義語未使用と呼び、前記定義又は前記置き換えがなされずに前記定義前語句が繰り返し出現してしまうことを定義漏れと呼ぶことにすると、
前記定義語未使用及び前記定義漏れのうち少なくとも一方について前記ドキュメントの情報から検出した検出結果に基づき、前記少なくとも一方について報知する報知ステップを含む、
情報処理方法。
【請求項10】
ドキュメント内で用いる語句に関し、前記ドキュメント内で定義する前の語句又は置き換えする前の語句を定義前語句と呼び、前記ドキュメント内で定義した後の語句又は置き換えした後の語句を定義後語句と呼び、前記定義後語句を使用すべき箇所で前記定義前語句が用いられてしまうことを定義語未使用と呼び、前記定義又は前記置き換えがなされずに前記定義前語句が繰り返し出現してしまうことを定義漏れと呼ぶことにすると、
情報処理装置を制御するコンピュータに、
前記定義語未使用及び前記定義漏れのうち少なくとも一方について前記ドキュメントの情報から検出した検出結果に基づき、前記少なくとも一方について報知する報知ステップを含む処理を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、契約書・規程・仕様書・書籍など(限定列挙ではなく例示列挙である)のドキュメント(以下、「ドキュメント」という)は、その内容について齟齬がないことが求められる。このため、作成されたドキュメントは、レビューを行うのが一般的である。
レビューを行う際には、語句の定義や置き換えが適切に行われているか等をチェックすることも行われている。
【0003】
図18は、定義の一例について示す図である。
図18(a)において、下線L201に示す「本契約において、甲が委託し、乙が受託する□□業務」は、ドキュメントにおける定義前の語句221に該当する。これに対し、下線L202に示す「本件業務」は、ドキュメントにおける定義後の語句222に該当する。
図18(b)において、下線L204に示す「the currency of the United States of America」は、ドキュメントにおける定義前の語句221に該当する。これに対し、下線L203に示す「Dollar」は、ドキュメントにおける定義後の語句222に該当する。
【0004】
図19は、置き換えの一例について示す図である。
図19(a)において、下線L205に示す「□□業務」は、ドキュメントにおける置き換え前の語句223に該当する。これに対し、下線L206に示す「(以下「本件業務」という)」は、ドキュメントにおける置き換え後の語句224に該当する(実際に置き換え後の語句224に該当するのは、下線L206に示す「(以下「本件業務」という)」のうち「本件業務」である。以下、同様であるものとして一部記載を省略する)。
図19(b)において、下線L208に示す「(本契約において、甲が委託し、乙が受託する□□業務をいう)」は、ドキュメントにおける置き換え前の語句223に該当する。これに対し、下線L207に示す「本件業務」は、ドキュメントにおける置き換え後の語句224に該当する。
【0005】
図20は、定義語未使用の一例について示す図である。
下線L210に示す「(本契約において、甲が委託し、乙が受託する□□業務をいう)」は、ドキュメントにおける置き換え前の語句223に該当する。また、下線L209に示す「本件業務」は、ドキュメントにおける置き換え後の語句224に該当する。ドキュメントにおける「第1条(目的)~」を見ると、語句の置き換えが行われていることが分かる。
これに対し、ドキュメントにおける「第2条(費用負担)~」を見ると、下線L211に示す「本契約において、甲が委託し、乙が受託する□□業務」は、置き換え前の語句(定義前の語句)であることが分かる。即ち、定義後の語句が未使用であることが分かる。本来なら「本件業務」になるべきところを、置き換え前の語句223(定義前の語句)が使用されたことになる。従って、「定義語未使用」である。
【0006】
図21は、定義漏れの一例について示す図である。
ドキュメントにおける「第1条(目的)~」及び「第2条(費用負担)~」を夫々見ると、下線L212に示すように「□□業務」が繰り返し出てきていることが分かる。即ち、一般的でない語句が繰り返し出てきていることが分かる。従って、定義や置き換えをすべきところでしておらず、定義漏れであることが分かる。
【0007】
レビュー対象となるドキュメントの齟齬として、ドキュメント内で定義(図18参照)又は置き換え(図19参照)を行っているにも関わらず、定義後の語句222や置き換え後の語句224を使用せずに、定義前の語句221や置き換え前の語句223を使用(図20参照)するというケースがある。また、一般的でない語句が繰り返して出てきて、定義や置き換えをすべきところでしていない(図21参照)というケースもある。従って、確認に時間を要することになり、レビューの負担が重いという問題点がある。
【0008】
また、特に図示しないが、ドキュメント内に定義後の語句が出現した際、その定義前の語句を確認しようとするためには、定義や置き換えをした箇所まで遡る必要がある。従って、確認に時間を要し、レビューの負担が重いという問題がある。これらは日本語に限らず、英語その他の言語においても共通する問題である。
【0009】
下記特許文献1の情報処理装置(文章校正支援装置)では、作成したドキュメントを合成音声で読み上げ、そして、読み上げ音声の抑揚やアクセントがドキュメントの文の前後関係から違和感がある場合に、所定の操作を行うことで、校正すべき箇所を記憶する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2011-247941号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
前述の特許文献1の従来技術にあっては、作成したドキュメントを合成音声で読み上げる必要があることから、効率の良いレビューが行われているとは言えない。また、従来技術にあっては、違和感で判断すると共に所定の操作を行う必要があることから、効率の良いレビューが行われているとは言えない。
【0012】
本発明は、このような状況を鑑みてなされたものであり、レビューの効率化を図ることが可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前述の目的を達成するため、本発明の一態様の情報処理装置は、
ドキュメント内で用いる語句に関し、前記ドキュメント内で定義する前の語句又は置き換えする前の語句を定義前語句と呼び、前記ドキュメント内で定義した後の語句又は置き換えした後の語句を定義後語句と呼び、前記定義後語句を使用すべき箇所で前記定義前語句が用いられてしまうことを定義語未使用と呼び、前記定義又は前記置き換えがなされずに前記定義前語句が繰り返し出現してしまうことを定義漏れと呼ぶことにすると、
前記定義語未使用及び前記定義漏れのうち少なくとも一方について前記ドキュメントの情報から検出した検出結果に基づき、前記少なくとも一方について報知する報知手段を備える。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、レビューの効率化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態に係る情報処理システムにより提供される本サービスの概要例(定義語未使用の場合)を示す図である。
図2】本発明の一実施形態に係る情報処理システムにより提供される本サービスの概要例(定義漏れの場合)を示す図である。
図3】定義前語句及び定義後語句についての一例を示す図であって、(a)は例1、(b)は例2について示す図である。
図4】定義語未使用についての一例を示す図である。
図5】定義漏れについての一例を示す図である。
図6】本発明の一実施形態に係る情報処理システムに関するシステム構成の一例を示すブロック図である。
図7】サーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図8】サーバの機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
図9】サーバの処理動作の流れの一例を示すフローチャート図である。
図10】検出した定義前の語句及び定義後の語句の表示に関する一例を示す図である。
図11】報知に関する画面表示の一例(定義語未使用)について示す図である。
図12】報知に関する画面表示の一例(定義語未使用、アラートあり)について示す図である。
図13】画面表示の一例(読み替え表示)について示す図である。
図14】画面表示の一例(画面遷移による定義箇所の表示)について示す図である。
図15】画面表示の一例(定義箇所の表示)について示す図である。
図16】報知に関する画面表示の一例(定義漏れ)について示す図である。
図17】報知に関する画面表示の一例(定義漏れ)について示す図である。
図18】定義の一例について示す図であって、(a)は日本語の例、(b)は英語の例について示す図である。
図19】置き換えの一例について示す図であって、(a)は例1、(b)は例2について示す図である。
図20】定義語未使用の一例について示す図である。
図21】定義漏れの一例について示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
<本サービスの概要について>
本発明の一実施形態に係る情報処理システム100の適用対象となるサービス(以降「本サービス」と呼ぶ)の概要を説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る情報処理システム100により提供される本サービスの概要例(定義語未使用の場合)を示す図である。
また、図2は、本発明の一実施形態に係る情報処理システム100により提供される本サービスの概要例(定義漏れの場合)を示す図である。
【0017】
本サービスは、ドキュメントの情報から検出した検出結果に基づき、定義語未使用及び定義漏れのうち少なくとも一方についてユーザに報知することができるようにし、これによってレビューの効率化を図ることを目的とする。
本サービスでは、前述の少なくとも一方についてユーザに報知するにあたり、後述するサーバ1が機能してもよいし、或いはサーバ1に限らず、例えば、後述するユーザ端末2のみが機能してもよいものとする。
【0018】
本サービスでは、前述の「ドキュメント」を、例えば、契約書・規程・仕様書・書籍等(限定列挙ではなく例示列挙である)の各種のドキュメントを指すものとして説明する。ここでは、「ドキュメント」の一例として、「業務請負契約書」を挙げることにする(これに限らないものとする)。
【0019】
図1に示すドキュメント表示画面Gは、ユーザU(図8参照)が操作するユーザ端末2の表示部として設けられる。このドキュメント表示画面Gには、「ドキュメント」の一例として、「業務請負契約書」の一部が表示される。
具体的には、「業務請負契約書」、「発注者株式会社XX(以下「甲」という)と請負人株式会社YY(以下「乙」という)とは、乙が甲から業務の処理を請け負うに当たり、次のとおり業務請負契約(以下「本契約」という)を締結する。」、「第1条(目的)」、「甲は、乙に対し、本件業務(本契約において、甲が委託し、乙が受託する□□業務をいう)の処理を委託し、乙は、甲の指図に従って、業務を処理することを受託した。」、「第2条(費用負担)」、「乙は、本契約において、甲が委託し、乙が受託する□□業務の処理に必要な一切の費用を負担する。」がドキュメント表示画面Gに表示される。
【0020】
本サービスでは、下線L1に示す「本件業務」、及び、下線L2に示す「本契約において、甲が委託し、乙が受託する□□業務をいう」から、下線L3に示す「本契約において、甲が委託し、乙が受託する□□業務」に対し、例えば、後述する定義語未使用であることが報知される。即ち、定義語未使用を報知するために報知H1がドキュメント表示画面Gに出力(表示)される。
報知H1は、ここではユーザU(図8参照)に向けて表示されるように、例えば、「!」を三角で囲んだアラート記号A1と、「定義語未使用です」のアラート文字A2とが一緒に枠囲みされるようなものになる(一例であるものとする)。
報知H1がドキュメント表示画面Gに出力(表示)されることにより、ユーザU(図8参照)は定義語未使用があることや、その定義語未使用の箇所が分かるようになり、結果、レビューの効率化を図ることができる。
【0021】
図2に示すドキュメント表示画面Gには、「ドキュメント」の一例として、「業務請負契約書」の一部が表示される。
具体的には、「業務請負契約書」、「発注者株式会社XX(以下「甲」という)と請負人株式会社YY(以下「乙」という)とは、乙が甲から業務の処理を請け負うに当たり、次のとおり業務請負契約(以下「本契約」という)を締結する。」、「第1条(目的)」、「甲は、乙に対し、□□業務の処理を委託し、乙は、甲の指図に従って、業務を処理することを受託した。」、「第2条(費用負担)」、「乙は、□□業務の処理に必要な一切の費用を負担する。」がドキュメント表示画面Gに表示される。
【0022】
本サービスでは、下線L4に示す「□□業務」に対し、例えば、後述する定義漏れであることが報知される。即ち、定義漏れを報知するために報知H2がドキュメント表示画面Gに出力(表示)される。
報知H2は、ここではユーザU(図8参照)に向けて表示されるように、例えば、「!」を三角で囲んだアラート記号A1と、「定義漏れです」のアラート文字A3とが一緒に枠囲みされるようなものになる(一例であるものとする)。
報知H2がドキュメント表示画面Gに出力(表示)されることにより、ユーザU(図8参照)は定義漏れがあることや、その定義漏れの箇所が分かるようになり、結果、レビューの効率化を図ることができる。
【0023】
<どのような語句であるかについて>
ここでは、「定義前語句」、「定義後語句」、「定義語未使用」、及び「定義漏れ」がどのような語句であるかについて説明する。
図3は、定義前語句31及び定義後語句32についての一例を示す図であって、(a)は例1、(b)は例2について示す図である。また、図4は、定義語未使用41についての一例を示す図である。また、図5は、定義漏れ42についての一例を示す図である。
なお、定義前語句31、定義後語句32、定義語未使用41、及び定義漏れ42に該当する語句が幾つか含まれる図面もあるが、便宜上、数を絞って説明するものとする。
【0024】
図3(a)において、ドキュメント表示画面Gには、「第1条(目的)」、「甲は、乙に対し、□□業務(以下「本件業務」という)の処理を委託し、乙は、甲の指図に従って、業務を処理することを受託した。」が表示される。ここで、下線L5に示す「□□業務」は、置き換え前の語句(定義前語句31)に該当する。これに対し、下線L6に示す「以下「本件業務」という」は、置き換え後の語句(定義後語句32)に該当する。
【0025】
図3(b)において、ドキュメント表示画面Gには、「第1条(目的)」、「甲は、乙に対し、本件業務(本契約において、甲が委託し、乙が受託する□□業務をいう)の処理を委託し、乙は、甲の指図に従って、業務を処理することを受託した。」が表示される。ここで、下線L8に示す「本契約において、甲が委託し、乙が受託する□□業務をいう」は、置き換え前の語句(定義前語句31)に該当する。これに対し、下線L7に示す「本件業務」は、置き換え後の語句(定義後語句32)に該当する。
【0026】
図4において、ドキュメント表示画面Gには、「業務請負契約書」、「発注者株式会社XX(以下「甲」という)と請負人株式会社YY(以下「乙」という)とは、乙が甲から業務の処理を請け負うに当たり、次のとおり業務請負契約(以下「本契約」という)を締結する。」、「第1条(目的)」、「甲は、乙に対し、本件業務(本契約において、甲が委託し、乙が受託する□□業務をいう)の処理を委託し、乙は、甲の指図に従って、業務を処理することを受託した。」、「第2条(費用負担)」、「乙は、本契約において、甲が委託し、乙が受託する□□業務の処理に必要な一切の費用を負担する。」が表示される。
ここで、下線L10に示す「本契約において、甲が委託し、乙が受託する□□業務をいう」は、置き換え前の語句(定義前語句31)に該当する。また、下線L9に示す「本件業務」は、置き換え後の語句(定義後語句32)に該当する。
これに対し、下線L11に示す「本契約において、甲が委託し、乙が受託する□□業務」は、既に置き換えを行った語句について、置き換え前の語句を使用していることが分かる。従って、本明細書では、これを定義語未使用41と呼ぶことにする。
【0027】
図5において、ドキュメント表示画面Gには、「業務請負契約書」、「発注者株式会社XX(以下「甲」という)と請負人株式会社YY(以下「乙」という)とは、乙が甲から業務の処理を請け負うに当たり、次のとおり業務請負契約(以下「本契約」という)を締結する。」、「第1条(目的)」、「甲は、乙に対し、□□業務の処理を委託し、乙は、甲の指図に従って、業務を処理することを受託した。」、「第2条(費用負担)」、「乙は、□□業務の処理に必要な一切の費用を負担する。」が表示される。
ここで、下線L12及び下線L13に示す「□□業務」を見ると、一般的でない語句が繰り返して出てきていることが分かる。即ち、定義や置き換えをすべきところでしていないことが分かる。従って、本明細書では、これを定義漏れ42と呼ぶことにする。
【0028】
<情報処理システム100に関するシステム構成について>
図6は、本発明の一実施形態に係る情報処理システム100に関するシステム構成の一例を示すブロック図である。
【0029】
情報処理システム100は、サーバ1(情報処理装置)と、ユーザ端末2と、これらを接続するインターネット等の所定のネットワークNとを備えて構成される。
サーバ1は、例えば、負荷が重すぎる場合、複数あってもよいものとする。ユーザ端末2は、ここでは一又は複数あるものとする。
なお、図6に示すように、サーバ1とユーザ端末2とが繋がり、サーバ1から本サービスが提供されるようになるが、この限りでないものとする。即ち、サーバ1の後述する機能をユーザ端末2に持たせるようにすれば、ユーザU(図8参照)は、ユーザ端末2のみで本サービスが提供されるものとする。
【0030】
<サーバ1のハードウェア構成について>
図7は、サーバ1のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0031】
サーバ1は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、出力部16と、入力部17と、記憶部18と、通信部19と、ドライブ20とを備える。
【0032】
CPU11は、ROM12に記録されているプログラム、又は、記憶部18からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
【0033】
CPU11、ROM12及びRAM13は、バス14によって相互に接続される。このバス14には、入出力インターフェース15が接続される。
入出力インターフェース15には、出力部16、入力部17、記憶部18、通信部19及びドライブ20が接続される。
【0034】
出力部16は、例えば、ディスプレイにより構成され、各種画像を表示する。入力部17は、各種ハードウェア等で構成され、各種情報を入力する。
記憶部18は、ハードディスクやDRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各種データを記憶する。
通信部19は、所定のネットワークNによってユーザ端末2との間で行う通信を制御する。
【0035】
ドライブ20は、必要に応じて設けられる。ドライブ20には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア21が適宜装着される。
ドライブ20によってリムーバブルメディア21から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部18にインストールされる。また、リムーバブルメディア21は、記憶部18に記憶されている各種データも、記憶部18と同様に記憶することができる。
【0036】
以上のようなサーバ1に関し、前述の各種ハードウェアと各種ソフトウェアとの協働により、後述する各種処理が実現されるようになる。
また、ユーザ端末2に関しても、これらの各種ハードウェアと各種ソフトウェアとの協働により、後述する各種処理が実現されるようになる。
【0037】
<ユーザ端末2のハードウェア構成について>
図6及び図8において、ユーザ端末2は、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)等の情報処理端末である。ユーザ端末2のハードウェア構成は、ここでは特に図示しないが、前述のサーバ1のハードウェア構成と基本的に同様である。即ち、CPUと、ROMと、RAMと、バスと、入出力インターフェースと、出力部(例えば、ドキュメント表示画面Gを有する表示部)と、入力部と、記憶部と、通信部と、ドライブとを備える。
【0038】
<サーバ1の機能的構成について>
図8は、サーバ1の機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
【0039】
サーバ1は、CPU11と、記憶部18と、通信部19等とを備える。サーバ1には、通信部19によってユーザ端末2が接続され、通信可能になっている。
CPU11は、受信制御部111と、画面生成部112と、検出部113と、抽出部114と、記憶制御部115と、報知部116と、送信制御部117とを有する。
別な言い方をすれば、サーバ1のCPU11においては、動作する際に、受信制御部111と、画面生成部112と、検出部113と、抽出部114と、記憶制御部115と、報知部116と、送信制御部117とが機能する。
サーバ1の記憶部18においては、この一領域に、ドキュメント情報記憶部181と、検出・抽出情報記憶部182と、報知情報記憶部183と、画面情報記憶部184とが確保される。
【0040】
サーバ1のCPU11における受信制御部111は、ユーザ端末2から送信されるドキュメントの情報が通信部19によって受信されるようにする。また、受信制御部111は、ユーザUにより選択(後述する)された定義語未使用41や定義漏れ42に該当する箇所の情報が通信部19によって受信されるようにする。前述のドキュメントの情報は、ドキュメント情報記憶部181に記憶される。
画面生成部112は、ユーザ端末2のドキュメント表示画面Gに表示される(出力される)各種の画面の情報を生成する。この各種の画面の情報は、記憶制御部115により画面情報記憶部184に記憶される。
【0041】
検出部113は、ドキュメントの情報から、定義前語句31、定義後語句32、定義語未使用41、及び定義漏れ42を検出する。
ここで、検出部113による検出の方法について幾つか挙げることにする(一例である。ここでの例に限定されないものとする)。
1つ目の例として、検出部113は、「(以下「~」という)」や「(~という)」の前の語句を定義前語句31と認識する。また、「(以下「~」という)」の「」内の語句(~)を定義後語句32と認識する。なお、「(以下「~」という)」の他に、「(以降「~」という)」や「(以下「~」と称する)」等も同様に認識する。
検出部113は、定義対象の語句(定義前語句31)として認識した語句が再度使用された場合に、定義語未使用41として認識する。
2つ目の例として、検出部113は、定義前と定義後とを対比させた一覧表のようなものを作成し、これに基づき、例えば、定義前の語句について2回以上出現した場合に、2回目以降を定義語未使用41として認識する。
3つ目の例として、検出部113は、機械学習を用いて、例えば、定義漏れ42を認識する。具体的には、文字単位の系列ラベリングにより、定義されるべき語句(先行詞)と定義されているであろう語句(照応詞)とを抽出し、先行詞の対象となる照応詞がない場合に定義漏れ42として認識する(一例であるものとする)。
4つ目の例として、検出部113は、定義対象の語句(定義前語句31)として認識した語句に対し、この語句と類似する意味合いを持つ語句も、定義語未使用41として認識する。
5つ目の例として、検出部113は、「本~」、「本件~」のような特定の表現となる語句に対し、その語句が定義されていない場合に定義漏れ42として認識する。具体的には、例えば、「(以下「本業務」という)」や「(以下「本件業務」という)」が漏れていた状態で特定の表現となる語句、即ち「本業務」や「本件業務」が出てきた場合に定義漏れ42として認識する。
なお、以上のような検出部113を解析部と呼んでもよいものとする。
【0042】
抽出部114は、検出部113にてドキュメントの情報から検出された、定義前語句31、定義後語句32、定義語未使用41、及び定義漏れ42の抽出をする。検出・抽出された定義前語句31、定義後語句32、定義語未使用41、及び定義漏れ42に関する情報は、記憶制御部115により検出・抽出情報記憶部182に記憶される。
【0043】
報知部116は、ユーザU(報知の対象者)に向けて、定義語未使用41や定義漏れ42を報知する各種の制御を行う。
具体的には、報知部116は、ドキュメント表示画面Gで定義語未使用41や定義漏れ42を報知するように制御する。また、報知部116は、ドキュメント表示画面Gに表示されたドキュメントにおける定義語未使用41や定義漏れ42に該当する箇所を他の箇所と区別するようにして、定義語未使用41や定義漏れ42を報知するように制御する。また、報知部116は、ドキュメント表示画面Gに表示されたドキュメントにおける定義語未使用41や定義漏れ42に該当する箇所がユーザUにより選択される(例えば、クリックされる)ことで、修正すべき語句となる定義後語句32がドキュメント表示画面Gに表示されるように報知を制御する。
また、報知部116は、ドキュメント表示画面Gに表示されたドキュメントにおける定義語未使用41や定義漏れ42に該当する箇所がユーザUにより選択される(例えば、クリックされる)ことで、これが定義語未使用41であればドキュメント表示画面Gにおける定義箇所に遷移するように、又は、定義漏れ42であれば定義前語句31がある箇所に遷移するように報知を制御する。また、報知部116は、ドキュメント表示画面Gを分割するように設定されたサブ表示画面G2(図11参照)に、定義語未使用41や定義漏れ42に関連する語句が表示されるように報知を制御する。
また、報知部116は、ドキュメント表示画面Gにアラートを伴いながら定義語未使用41や定義漏れ42について報知を制御する。また、報知部116は、ドキュメント表示画面Gに表示されたドキュメントにおける定義後語句32がユーザUにより選択される(例えば、クリックされる)ことで、この定義後語句32が選択された箇所から定義前語句31がある箇所に遷移するように報知を制御する。
前述の報知に関する情報は、記憶制御部115により報知情報記憶部183に記憶される。
【0044】
送信制御部117は、前述の報知に関する情報等が通信部19によってユーザ端末2に向けて送信されるようにする。
【0045】
<サーバ1の処理動作の流れについて>
図9は、サーバ1の処理動作の流れの一例を示すフローチャート図である。
【0046】
サーバ1の処理動作として、ステップSS1では、ドキュメントの情報から検出部113が定義前の語句と、定義後の語句の検出を行う。次に、ステップSS2では、検出部113が検出した定義前語句31及び定義後語句32に基づき定義語未使用41及び定義漏れ42のうち少なくとも一方を検出すると共に、抽出部114が少なくとも一方を抽出することを行う。次に、ステップSS3では、報知部116が前述の少なくとも一方について、これをユーザUに向けて報知することを行う。
【0047】
<定義前語句31及び定義後語句32の表示について>
図10は、検出した定義前の語句(定義前語句31)及び定義後の語句(定義後語句32)の表示に関する一例を示す図である。
【0048】
本サービスでは、検出部113が検出した定義前語句31及び定義後語句32を、例えば、左右に並べるようにした一覧表51をドキュメント表示画面Gに出力(表示)することができる。
図10に示す一覧表51は、左側の一番上に定義前に該当するボックス51aが設けられ、右側の一番上には定義後に該当するボックス51bが設けられる。
定義前に該当するボックス51aの下には、ボックス51c、ボックス51e、ボックス51g、ボックス51j、ボックス51mが設けられる。定義前の語句(定義前語句31)として、ボックス51cには「株式会社XX」、ボックス51eには「株式会社YY」、ボックス51gには「□□業務」、ボックス51jには「Agreement」、ボックス51mには「Dollar」が表示される。
一方、定義後に該当するボックス51bの下には、ボックス51d、ボックス51f、ボックス51h、ボックス51k、ボックス51nが設けられる。定義後の語句(定義後語句32)として、ボックス51dにはボックス51cの「株式会社XX」に対応するように「甲」が表示される。また、ボックス51fにはボックス51eの「株式会社YY」に対応するように「乙」が表示される。また、ボックス51hにはボックス51gの「□□業務」に対応するように「本件業務」が表示される。また、ボックス51kにはボックス51jの「Agreement」に対応するように「this agreement」が表示される。また、ボックス51nにはボックス51mの「Dollar」に対応するように「the currency of the United States of America」が表示される。
以上のような一覧表51により、ユーザUは定義前語句31及び定義後語句32をドキュメント表示画面Gから確認することができる。
【0049】
<報知H3に関する画面表示(1)について>
図11は、報知H3に関する画面表示の一例(定義語未使用)について示す図である。
図11では、ドキュメント表示画面Gがドキュメントを表示するメイン表示画面G1と、報知に関するサブ表示画面G2とで構成される。
【0050】
メイン表示画面G1には、「ドキュメント」の一例として、「業務請負契約書」の一部が表示される。
具体的には、「業務請負契約書」、「発注者株式会社XX(以下「甲」という)と請負人株式会社YY(以下「乙」という)とは、乙が甲から業務の処理を請け負うに当たり、次のとおり業務請負契約(以下「本契約」という)を締結する。」、「第1条(目的)」、「甲は、乙に対し、□□業務(以下「本件業務」という)の処理を委託し、乙は、甲の指図に従って、業務を処理することを受託した。」、「第2条(費用負担)」、「乙は、□□業務の処理に必要な一切の費用を負担する。」がメイン表示画面G1に表示される。
第2条の下線L14に示す「□□業務」は、第1条でも同じ語句が出てきているので、定義語未使用41に該当する。ここでは、下線L14に示す「□□業務」が他の箇所と区別するようにハイライト表示される(この場合、下線L14がハイライト表示を意味するものとする。なお、単に下線で区別するようにしてもよい。他の箇所と区別できるのであれば特に限定されないものとする)。
本サービスでは、前述のハイライト表示の他、下線L14或いは「□□業務」をユーザUが、例えば、マウスでクリックすると、定義後語句32が表示されるようになっている。
【0051】
本サービスでは、下線L14に示す「□□業務」がハイライト表示されると共に、サブ表示画面G2には、定義語未使用41を報知する報知H3が表示される。報知H2としては、「定義後未使用の語句」、「・第2条(費用負担)」、「□□業務」、「・~」がサブ表示画面G2に表示される。また、「定義漏れの語句」、「定義前の語句」もサブ表示画面G2に表示される。本サービスでは、定義語未使用41に対応するように、「定義箇所」についてもサブ表示画面G2に表示される。具体的には、「定義箇所」、「第1条(目的)」、「甲は、乙に対し、□□業務(以下「本件業務」という)の処理を委託し、乙は、甲の指図に従って、業務を処理することを受託した。」のような状態に報知H3は表示される(「□□業務(以下「本件業務」という)」には下線が引かれている)。
修正をするにあたっては、例えば、修正ボタンB1をクリックすることで可能になる。
【0052】
<報知H4に関する画面表示(2)について>
図12は、報知H4に関する画面表示の一例(定義語未使用、アラートあり)について示す図である。
【0053】
ドキュメント表示画面Gには、「ドキュメント」の一例として、「業務請負契約書」の一部が表示される。
具体的には、「業務請負契約書」、「発注者株式会社XX(以下「甲」という)と請負人株式会社YY(以下「乙」という)とは、乙が甲から業務の処理を請け負うに当たり、次のとおり業務請負契約(以下「本契約」という)を締結する。」、「第1条(目的)」、「甲は、乙に対し、□□業務(以下「本件業務」という)の処理を委託し、乙は、甲の指図に従って、業務を処理することを受託した。」、「第2条(費用負担)」、「乙は、□□業務の処理に必要な一切の費用を負担する。」がドキュメント表示画面Gに表示される。
第2条の下線L15に示す「□□業務」は、第1条でも同じ語句が出てきているので、定義語未使用41に該当する。ここでは、下線L15に示す「□□業務」が他の箇所と区別するようにハイライト表示される他、アラート・定義後の語句(定義後語句32)等が表示されるような報知H4がドキュメント表示画面Gに表示される。図12に示す報知H4は、自動的にドキュメント表示画面Gに表示されたり、下線L15或いは「□□業務」をユーザUが、例えば、マウスでクリックすることでドキュメント表示画面Gにポップアップで表示されたりしたりする。
【0054】
<画面表示(3)について>
図13は、画面表示の一例(読み替え表示)について示す図である。
【0055】
ドキュメント表示画面Gには、「ドキュメント」の一例として、「業務請負契約書」の一部が表示される。
具体的には、「業務請負契約書」、「発注者株式会社XX(以下「甲」という)と請負人株式会社YY(以下「乙」という)とは、乙が甲から業務の処理を請け負うに当たり、次のとおり業務請負契約(以下「本契約」という)を締結する。」、「第1条(目的)」、「甲は、乙に対し、□□業務(以下「本件業務」という)の処理を委託し、乙は、甲の指図に従って、業務を処理することを受託した。」、「第2条(費用負担)」、「乙は、本件業務の処理に必要な一切の費用を負担する。」がドキュメント表示画面Gに表示される。
第2条の下線L16に示す「本件業務」は、定義後の語句(定義後語句32)として正しく表示されたものである。即ち、正しく定義後の語句(定義後語句32)が使用されている。
本サービスでは、正しく定義後の語句(定義後語句32)が使用されている場合も、定義後の語句「本件業務」はハイライト、下線のような形で認識できるように表示される。
本サービスでは、下線L16或いは「本件業務」をユーザUが、例えば、マウスでクリックすると、ドキュメント表示画面Gの一部に定義前の語句(定義前語句31)や定義している箇所などが表示されるようになっている。なお、前者に関しては図示を省略するが、後者に関しては図14を参照しながら後述する。
【0056】
<画面表示(4)について>
図14は、画面表示の一例(画面遷移による定義箇所の表示)について示す図である。
【0057】
ドキュメント表示画面Gには、「ドキュメント」の一例として、「業務請負契約書」の一部が表示される。
具体的には、「業務請負契約書」、「発注者株式会社XX(以下「甲」という)と請負人株式会社YY(以下「乙」という)とは、乙が甲から業務の処理を請け負うに当たり、次のとおり業務請負契約(以下「本契約」という)を締結する。」、「第1条(目的)」、「甲は、乙に対し、□□業務(以下「本件業務」という)の処理を委託し、乙は、甲の指図に従って、業務を処理することを受託した。」、「~」、「第10条(費用負担)」、「乙は、本件業務の処理に必要な一切の費用を負担する。」がドキュメント表示画面Gに表示される。
第10条の下線L16に示す「本件業務」は、定義後の語句(定義後語句32)として正しく表示されたものである。即ち、正しく定義後の語句(定義後語句32)が使用されている。
本サービスでは、正しく定義後の語句(定義後語句32)が使用されている場合も、定義後の語句「本件業務」はハイライト、下線のような形で認識できるように表示される。
本サービスでは、下線L17或いは「本件業務」をユーザUが、例えば、マウスでクリックすると、矢印Y1で示すように、「本件業務」を定義している箇所が表示されるようになっている。即ち、下線L18に示す「□□業務(以下「本件業務」という)」が表示されるようになっている。また、図14の場合、第10条から第1条へ画面遷移するようになっている。
【0058】
<画面表示(5)について>
図15は、画面表示の一例(定義箇所の表示)について示す図である。
なお、ドキュメント表示画面Gにおける「ドキュメントの一部」の表示について、説明は省略する。
【0059】
本サービスでは、下線L19或いは「本件業務」をユーザUが、例えば、マウスでクリックすると、矢印Y2で示すように、「本件業務」を定義している箇所がサブ表示画面G2に表示されるようになっている。図15の場合、第10条から第1条へ画面遷移しなくともユーザUは確認できるようになっている。
【0060】
<画面表示(6)について>
図16は、報知H4に関する画面表示の一例(定義漏れ42)について示す図である。
【0061】
ドキュメント表示画面Gには、「ドキュメント」の一例として、「業務請負契約書」の一部が表示される。
具体的には、「業務請負契約書」、「発注者株式会社XX(以下「甲」という)と請負人株式会社YY(以下「乙」という)とは、乙が甲から業務の処理を請け負うに当たり、次のとおり業務請負契約(以下「本契約」という)を締結する。」、「第1条(目的)」、「甲は、乙に対し、本件業務の処理を委託し、乙は、甲の指図に従って、業務を処理することを受託した。」がドキュメント表示画面Gに表示される。
本サービスでは、下線L21に示す「本件業務」に対し、定義漏れ42であることが報知される。即ち、定義漏れ42を報知するために報知H4がドキュメント表示画面Gに表示される。
報知H4は、ここではユーザUに向けて表示されるように、例えば、「!」を三角で囲んだアラート記号A1と、「定義漏れです」のアラート文字A3とが一緒に枠囲みされるようなものになる(一例であるものとする)。
【0062】
<画面表示(7)について>
図17は、報知に関する画面表示の一例(定義漏れ42)について示す図である。
【0063】
ドキュメント表示画面Gには、「ドキュメント」の一例として、「業務請負契約書」の一部が表示される。
具体的には、「業務請負契約書」、「発注者株式会社XX(以下「甲」という)と請負人株式会社YY(以下「乙」という)とは、乙が甲から業務の処理を請け負うに当たり、次のとおり業務請負契約(以下「本契約」という)を締結する。」、「第1条(目的)」、「甲は、乙に対し、本件業務の処理を委託し、乙は、甲の指図に従って、業務を処理することを受託した。」、「第2条(費用負担)」、「乙は、□□業務(以下「本件業務」という)の処理に必要な一切の費用を負担する。」がドキュメント表示画面Gに表示される。
第2条の下線L23に示す「□□業務」及び下線L24に示す「(以下「本件業務」という)」よりも前に、第1条の下線L22に示す「本件業務」が出てきてしまっていることから、本サービスでは、下線L22に示す「本件業務」に対し、定義漏れ42であることが報知される。即ち、定義漏れ42を報知するために報知H5がドキュメント表示画面Gに表示される。
報知H5は、ここではユーザUに向けて表示されるように、例えば、「!」を三角で囲んだアラート記号A1と、「定義漏れです」のアラート文字A3とが一緒に枠囲みされるようなものになる(一例であるものとする)。
【0064】
<効果について>
以上、図1乃至図17を参照しながら説明してきた通り、本サービスでは、ドキュメントの情報から検出した検出結果に基づき、定義語未使用41及び定義漏れ42のうち少なくとも一方についてユーザUに報知することができる。従って、ユーザUは定義語未使用41、定義漏れ42があることや、その定義語未使用41、定義漏れ42の箇所が分かるようになり、結果、レビューの効率化を図ることができる。
【0065】
<まとめ>
以上、本発明の情報処理システム100の実施形態について説明したが、本発明は上述した本実施形態に限定されない。また、本実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果の列挙に過ぎず、本発明による効果は、本実施形態に記載されたものに限定されない。
【0066】
本実施形態において、図7に示すハードウェア構成は、本発明の目的を達成するための例示に過ぎず、特に限定されない。換言すると、図8に示す機能的構成は例示に過ぎず、特に限定されない。即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が情報処理システム100に備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは特に図8の例に限定されない。
【0067】
また、機能ブロックの存在場所も、図8に特に限定されず、任意でよい。例えば、サーバ1の機能ブロックを複数のサーバに分散させてもよい。また、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
【0068】
また、例えば、一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。また、コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれるコンピュータであってもよい。
【0069】
コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えばサーバの他、汎用のスマートフォンやパーソナルコンピュータであってもよい。
【0070】
また、例えば、このようなプログラムを含む記録媒体は、利用者にプログラムを提供するために、装置本体とは別に配布される図示しないリムーバブルメディアにより構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態で利用者に提供される記録媒体等で構成されるものであってもよい。
【0071】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理は勿論、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的或いは個別に実行される処理をも含む。また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置や複数の手段等より構成される全体的な装置を意味する。
【0072】
このようなプログラムを含む記録媒体は、ユーザにプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される図7のリムーバブルメディア21により構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態で利用者に提供される記録媒体等で構成される。
リムーバブルメディア21は、例えば、磁気ディスク(フロッピディスクを含む)、光ディスク、又は光磁気ディスク等により構成される。光ディスクは、例えば、CD-ROM(Compact Disk-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk)等により構成される。光磁気ディスクは、MD(Mini-Disk)等により構成される。
装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体は、例えば、プログラムが記録されている図7のROM12や、図7の記憶部18に含まれるハードディスク等で構成される。
【0073】
以上まとめると、本発明が適用される情報処理装置は、次のような構成を取れば足り、各種各様な実施形態を取ることができる。
即ち、本発明が適用される情報処理装置(例えば、図6のサーバ1)は、
ドキュメント内で用いる語句に関し、前記ドキュメント内で定義する前の語句又は置き換えする前の語句を定義前語句(例えば、図3の定義前語句31)と呼び、前記ドキュメント内で定義した後の語句又は置き換えした後の語句を定義後語句(例えば、図3の定義後語句32)と呼び、前記定義後語句を使用すべき箇所で前記定義前語句が用いられてしまうことを定義語未使用(例えば、図4の定義語未使用41)と呼び、前記定義又は前記置き換えがなされずに前記定義前語句が繰り返し出現してしまうことを定義漏れ(例えば、図5の定義漏れ42)と呼ぶことにすると、
前記定義語未使用及び前記定義漏れのうち少なくとも一方について前記ドキュメントの情報から検出した検出結果に基づき、前記少なくとも一方について報知(例えば、図1及び図2の報知H1及びH2)する報知手段(例えば、図8の報知部116)を備える。
本発明によれば、定義語未使用及び定義漏れのうち少なくとも一方について報知されることから、少なくとも一方があることや、その箇所が分かるようになり、結果、レビューの効率化を図ることができる。
【0074】
また、本発明が適用される情報処理装置では、
前記報知手段は、前記報知の対象者(例えば、図8のユーザU)に向けて前記ドキュメントを表示するためのドキュメント表示画面(例えば、図1のドキュメント表示画面G)で、前記少なくとも一方について報知する。
本発明によれば、報知の対象者に向けて定義語未使用及び定義漏れのうち少なくとも一方についてドキュメント表示画面に報知されることから、ドキュメント表示画面で少なくとも一方があることや、その箇所が分かるようになり、結果、レビューの効率化を図ることができる。
【0075】
また、本発明が適用される情報処理装置では、
前記報知手段は、前記ドキュメント表示画面の前記ドキュメントにおける前記少なくとも一方に該当する箇所を他の箇所と区別する(例えば、図11の下線L14のハイライト表示)ようにして、前記少なくとも一方について報知する。
本発明によれば、定義語未使用及び定義漏れのうち少なくとも一方に該当する箇所を他の箇所と区別することから、少なくとも一方があることや、その箇所が分かるようになり、結果、レビューの効率化を図ることができる。
【0076】
また、本発明が適用される情報処理装置では、
前記報知手段は、前記ドキュメント表示画面の前記ドキュメントにおける前記少なくとも一方に該当する箇所が前記対象者により選択されることで、修正すべき語句となる前記定義後語句が前記ドキュメント表示画面に表示されるようにする。
本発明によれば、修正すべき語句となる定義後語句がドキュメント表示画面に表示されることから、レビューの効率化を図ることができる。
【0077】
また、本発明が適用される情報処理装置では、
前記報知手段は、前記ドキュメント表示画面の前記ドキュメントにおける前記少なくとも一方に該当する箇所が前記対象者により選択されることで、前記少なくとも一方が前記定義語未使用であれば前記ドキュメント表示画面における定義箇所に遷移するように、又は、前記少なくとも一方が前記定義漏れであれば前記定義前語句がある箇所に遷移するようにする。
本発明によれば、定義語未使用であればドキュメント表示画面における定義箇所に遷移し、又は、定義漏れであれば定義前語句がある箇所に遷移することから、レビューの効率化を図ることができる。
【0078】
また、本発明が適用される情報処理装置では、
前記報知手段は、前記ドキュメント表示画面を分割するように設定されたサブ表示画面(例えば、図11のサブ表示画面G2)に、前記少なくとも一方に関連する語句が表示されるようにする。
本発明によれば、定義語未使用及び定義漏れのうち少なくとも一方に関連する語句がサブ表示画面に表示されることから、少なくとも一方があることが分かるようになり、結果、レビューの効率化を図ることができる。
【0079】
また、本発明が適用される情報処理装置では、
前記報知手段は、前記ドキュメント表示画面にアラートを伴いながら前記少なくとも一方について報知する。
本発明によれば、ドキュメント表示画面にアラートを伴いながら定義語未使用及び定義漏れのうち少なくとも一方が表示されることから、レビューの効率化を図ることができる。
【0080】
また、本発明が適用される情報処理装置では、
前記報知手段は、前記ドキュメント表示画面の前記ドキュメントにおける前記定義後語句が前記対象者により選択されることで、前記定義後語句が選択された箇所から前記定義前語句がある箇所に遷移するようにする。
本発明によれば、定義後語句が選択された箇所から定義前語句がある箇所に遷移することから、レビューの効率化を図ることができる。
【0081】
本発明が適用される情報処理方法は、
情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
ドキュメント内で用いる語句に関し、前記ドキュメント内で定義する前の語句又は置き換えする前の語句を定義前語句と呼び、前記ドキュメント内で定義した後の語句又は置き換えした後の語句を定義後語句と呼び、前記定義後語句を使用すべき箇所で前記定義前語句が用いられてしまうことを定義語未使用と呼び、前記定義又は前記置き換えがなされずに前記定義前語句が繰り返し出現してしまうことを定義漏れと呼ぶことにすると、
前記定義語未使用及び前記定義漏れのうち少なくとも一方について前記ドキュメントの情報から検出した検出結果に基づき、前記少なくとも一方について報知する報知ステップ(例えば、図9のステップSS3)を含む。
本発明によれば、レビューの効率化を図ることが可能な技術を提供することができる。
【0082】
本発明が適用されるプログラムは、
ドキュメント内で用いる語句に関し、前記ドキュメント内で定義する前の語句又は置き換えする前の語句を定義前語句と呼び、前記ドキュメント内で定義した後の語句又は置き換えした後の語句を定義後語句と呼び、前記定義後語句を使用すべき箇所で前記定義前語句が用いられてしまうことを定義語未使用と呼び、前記定義又は前記置き換えがなされずに前記定義前語句が繰り返し出現してしまうことを定義漏れと呼ぶことにすると、
情報処理装置を制御するコンピュータ(例えば、図8のCPU11)に、
前記定義語未使用及び前記定義漏れのうち少なくとも一方について前記ドキュメントの情報から検出した検出結果に基づき、前記少なくとも一方について報知する報知ステップを含む処理を実行させる。
本発明によれば、レビューの効率化を図ることが可能な技術を提供することができる。
【符号の説明】
【0083】
1・・・サーバ(情報処理装置)
2・・・ユーザ端末
31・・・定義前語句
32・・・定義後語句
41・・・定義語未使用
42・・・定義漏れ
116・・・報知部(検知手段)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21