(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023104205
(43)【公開日】2023-07-28
(54)【発明の名称】サーボモータの制御装置
(51)【国際特許分類】
G05B 11/36 20060101AFI20230721BHJP
H02P 29/00 20160101ALI20230721BHJP
B29C 45/03 20060101ALI20230721BHJP
B29C 45/76 20060101ALI20230721BHJP
【FI】
G05B11/36 Q
H02P29/00
B29C45/03
B29C45/76
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022005066
(22)【出願日】2022-01-17
(71)【出願人】
【識別番号】000180025
【氏名又は名称】山洋電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】井出 勇治
(72)【発明者】
【氏名】北原 通生
(72)【発明者】
【氏名】平出 敏雄
(72)【発明者】
【氏名】碓井 淳之
【テーマコード(参考)】
4F206
5H004
5H501
【Fターム(参考)】
4F206AP02
4F206AP06
4F206AP07
4F206AR02
4F206AR07
4F206AR08
4F206JA07
4F206JL02
4F206JM04
4F206JM05
4F206JQ88
4F206JT02
4F206JT33
4F206JT40
5H004GB20
5H004HA08
5H004HB03
5H004HB08
5H004LA08
5H501AA22
5H501GG01
5H501GG03
5H501GG20
5H501JJ24
5H501LL07
5H501LL35
5H501LL42
(57)【要約】
【課題】圧力制限に関するパラメータの調整を要さず、速度制御中や位置制御中に圧力制限が可能なサーボモータの制御装置を提供する。
【解決手段】速度制御装置であって、圧力取得部9と、圧力偏差値算出器2と、圧力指令値算出器3と、指定圧力取得部12と、圧力制限器4と、圧力制御器5と、モータ速度制御部15と、を有する。圧力制限器4は、圧力指令値Prc1が指定圧力Prsを下回る場合は、圧力指令値Prc1をそのまま維持し、圧力指令値Prc1が指定圧力Prsを上回る場合は、指定圧力Prsを圧力指令値に設定する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物を移動させる直動機構を駆動するサーボモータを速度指令値に基づき制御するサーボモータの制御装置であって、
前記直動機構が前記対象物を押す圧力を検出する圧力センサから検出圧力を取得する圧力取得部と、
前記速度指令値に基づき、前記検出圧力をどのくらい変化させるかを示す圧力偏差値を算出する圧力偏差値算出器と、
前記圧力偏差値と前記検出圧力とを加算して圧力指令値を算出する圧力指令値算出器と、
指定圧力を取得する指定圧力取得部と、
前記指定圧力に基づき、前記圧力指令値を制限する圧力制限器と、
前記検出圧力が前記圧力制限器により制限された前記圧力指令値と一致するように圧力を制御してモータ速度指令値を算出する圧力制御器と、
前記サーボモータを前記モータ速度指令値に応じて速度制御するモータ速度制御部と、を有し、
前記圧力制限器は、
前記圧力指令値が前記指定圧力を下回る場合は、前記圧力指令値をそのまま維持し、
前記圧力指令値が前記指定圧力を上回る場合は、前記指定圧力を前記圧力指令値に設定する、サーボモータの制御装置。
【請求項2】
前記サーボモータの制御装置は、
前記圧力制限器の出力と外部から入力される圧力指令を切り替える切替部と、を有する、請求項1に記載のサーボモータの制御装置。
【請求項3】
前記サーボモータの制御装置は、
指定速度を取得する指定速度取得部と、
前記指定速度に基づき、前記モータ速度指令値を制限する速度制限器と、を更に有し、
前記速度制限器は、
前記切替部において前記圧力指令が選択された状態で、かつ、前記モータ速度指令値が前記指定速度を下回る場合は、前記モータ速度指令値をそのまま維持し、
前記切替部において前記圧力指令が選択された状態で、かつ、前記モータ速度指令値が前記指定速度を上回る場合は、前記指定速度を前記モータ速度指令値に設定する、請求項2に記載のサーボモータの制御装置。
【請求項4】
対象物を移動させる直動機構を駆動するサーボモータを位置指令値に基づき制御するサーボモータの制御装置であって、
前記サーボモータの位置を検出するエンコーダと、
前記検出位置と前記位置指令値から位置偏差値を算出し、前記位置偏差値から速度指令値を算出する位置制御器と、
前記直動機構が前記対象物を押す圧力を検出する圧力センサから検出圧力を取得する圧力取得部と、
前記速度指令値に基づき、前記検出圧力をどのくらい変化させるかを示す圧力偏差値を算出する圧力偏差値算出器と、
前記圧力偏差値と前記検出圧力とを加算して圧力指令値を算出する圧力指令値算出器と、
指定圧力を取得する指定圧力取得部と、
前記指定圧力取得部から取得した前記指定圧力に基づき、前記圧力指令値を制限する圧力制限器と、
前記検出圧力が前記圧力制限器により制限された前記圧力指令値と一致するように圧力を制御してモータ速度指令値を算出する圧力制御器と、
前記サーボモータを前記モータ速度指令値に応じて速度制御するモータ速度制御部と、を有し、
前記圧力制限器は、
前記圧力指令値が前記指定圧力を下回る場合は、前記圧力指令値をそのまま維持し、
前記圧力指令値が前記指定圧力を上回る場合は、前記指定圧力を前記圧力指令値に設定する、サーボモータの制御装置。
【請求項5】
前記サーボモータの制御装置は、
前記圧力制限器の出力と外部から入力される圧力指令を切り替える切替部と、を有する、請求項4に記載のサーボモータの制御装置。
【請求項6】
前記サーボモータの制御装置は、
指定速度を取得する指定速度取得部と、
前記指定速度に基づき、前記モータ速度指令値を制限する速度制限器と、を更に有し、
前記速度制限器は、
前記切替部において前記圧力指令が選択された状態で、かつ、前記モータ速度指令値が前記指定速度を下回る場合は、前記モータ速度指令値をそのまま維持し、
前記切替部において前記圧力指令が選択された状態で、かつ、前記モータ速度指令値が前記指定速度を上回る場合は、前記指定速度を前記モータ速度指令値に設定する、請求項5に記載のサーボモータの制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーボモータの制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術において、射出工程において射出スクリュを速度制御し、保圧工程において射出スクリュを圧力制御する射出成型機が知られている。さらに、射出圧力が高すぎることによる樹脂形成不良を防止するため、射出工程において射出圧力を制限する射出成型機が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、射出工程において射出圧力の実行値が予め設定された射出圧力上限値を超えないように、圧力制限する制御装置が開示されている。当該制御装置は、射出速度の実行値を検出して当該実行値と設定値との偏差に基づきフィードバック制御する速度制御回路と、射出圧力の実行値を検出して当該実行値が射出圧力上限値を超えたときのみ演算出力する圧力制限回路と、圧力制限回路の出力と速度制御回路の出力を加算する加算回路と、を備える。これにより、射出工程における射出速度制御中に、射出圧力の実行値を検出して射出圧力上限値を超えないように射出圧力制限を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、このような速度制御回路の出力を圧力制限回路の出力で補正する構成において、圧力制限時に速度制御回路の出力を制限するための圧力制限回路の出力が必要となる。また、圧力を指令通りに制限するためには、速度制御回路の出力を考慮して圧力制御ゲインを調整しなければならない。しかしながら、速度制御回路の出力は負荷状態により変動するため、圧力制御ゲインの調整が困難となる。したがって、サーボモータの駆動制御においてはさらなる改善の余地がある。
【0006】
そこで、本発明は、圧力制限に関するパラメータの調整を要さず、速度制御中や位置制御中に圧力制限が可能なサーボモータの制御装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面に係るサーボモータの制御装置は、
対象物を移動させる直動機構を駆動するサーボモータを速度指令値に基づき制御するサーボモータの制御装置であって、
前記直動機構が前記対象物を押す圧力を検出する圧力センサから検出圧力を取得する圧力取得部と、
前記速度指令値に基づき、前記検出圧力をどのくらい変化させるかを示す圧力偏差値を算出する圧力偏差値算出器と、
前記圧力偏差値と前記検出圧力とを加算して圧力指令値を算出する圧力指令値算出器と、
指定圧力を取得する指定圧力取得部と、
前記指定圧力に基づき、前記圧力指令値を制限する圧力制限器と、
前記検出圧力が前記圧力制限器により制限された前記圧力指令値と一致するように圧力を制御してモータ速度指令値を算出する圧力制御器と、
前記サーボモータを前記モータ速度指令値に応じて速度制御するモータ速度制御部と、を有し、
前記圧力制限器は、
前記圧力指令値が前記指定圧力を下回る場合は、前記圧力指令値をそのまま維持し、
前記圧力指令値が前記指定圧力を上回る場合は、前記指定圧力を前記圧力指令値に設定する。
【0008】
本発明の一側面に係るサーボモータの制御装置は、
対象物を移動させる直動機構を駆動するサーボモータを位置指令値に基づき制御するサーボモータの制御装置であって、
前記サーボモータの位置を検出するエンコーダと、
前記検出位置と前記位置指令値から位置偏差値を算出し、前記位置偏差値から速度指令値を算出する位置制御器と、
前記直動機構が前記対象物を押す圧力を検出する圧力センサから検出圧力を取得する圧力取得部と、
前記速度指令値に基づき、前記検出圧力をどのくらい変化させるかを示す圧力偏差値を算出する圧力偏差値算出器と、
前記圧力偏差値と前記検出圧力とを加算して圧力指令値を算出する圧力指令値算出器と、
指定圧力を取得する指定圧力取得部と、
前記指定圧力取得部から取得した前記指定圧力に基づき、前記圧力指令値を制限する圧力制限器と、
前記検出圧力が前記圧力制限器により制限された前記圧力指令値と一致するように圧力を制御してモータ速度指令値を算出する圧力制御器と、
前記サーボモータを前記モータ速度指令値に応じて速度制御するモータ速度制御部と、を有し、
前記圧力制限器は、
前記圧力指令値が前記指定圧力を下回る場合は、前記圧力指令値をそのまま維持し、
前記圧力指令値が前記指定圧力を上回る場合は、前記指定圧力を前記圧力指令値に設定する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、圧力制限に関するパラメータの調整を要さず、速度制御中や位置制御中に圧力制限が可能なサーボモータの制御装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の第一実施形態に係るサーボモータの制御装置の構成を示すブロック図である。
【
図2】本発明の第二実施形態に係るサーボモータの制御装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】本発明の第三実施形態に係るサーボモータの制御装置の構成を示すブロック図である。
【
図4】本発明の第四実施形態に係るサーボモータの制御装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。尚、実施形態の説明において既に説明された部材と同一の参照番号を有する部材については、説明の便宜上、その説明は省略する。また、本図面に示された各部材の寸法は、説明の便宜上、実際の各部材の寸法とは異なる場合がある。
【0012】
(第一実施形態)
図1は、本発明の第一実施形態に係るサーボモータの制御装置の構成を示すブロック図である。第一実施形態に係るサーボモータの制御装置は、サーボモータが搭載される射出成型機において、融溶樹脂等の材料を金型内へ射出(以下、「射出工程」ともいう。)または保圧(以下、「保圧工程」ともいう。)する際の圧力範囲(以下、「制限圧力範囲」ともいう。)を外部から設定することにより、設定された制限圧力範囲内でモータの速度を制御することが可能な制御装置である。サーボモータは、対象物を移動させる直動機構を駆動制御する。
【0013】
図1に示すように、サーボモータMの制御装置(以下、モータ制御装置100ともいう。)は、圧力偏差値算出器2と、圧力指令値算出器3と、圧力制限器4と、圧力偏差値算出器14と,圧力制御器5と、モータ速度制御部15と、圧力取得部9と、エンコーダ10と、速度算出器11と、指定圧力取得部12と、を備える。モータ速度制御部15は、速度偏差値算出器6と、速度制御器7と、トルク制御器8から構成される。
【0014】
このような構成のモータ制御装置100には、サーボモータMのモータ速度Vmを制御するための速度指令値Vcが外部から入力されて、射出成型機IMの圧力Prを制限するための指定圧力値Prsが指定圧力取得部12において取得される。指定圧力取得部12は、不揮発性メモリ(不図示)からあらかじめ記録された指定圧力値Prsを取得してもよいし、外部の入力装置などの機器から指定圧力値Prsを取得してもよい。速度指令値Vcと指定圧力値Prsにより、モータ制御装置100は、所望の速度と一定の圧力制限の下でサーボモータMのモータ速度Vmの速度制御を行う。
【0015】
外部から与えられる所望の速度指令値Vcは、圧力偏差値算出器2に入力される。圧力偏差値算出器2は、入力される速度指令値Vcに基づいて、現在の射出成型機IMの圧力Prをどのくらい変更させる必要があるかを示す圧力偏差値Prdを算出する。
【0016】
圧力偏差値算出器2は、算出した圧力偏差値Prdを、圧力指令値算出器3に入力する。また、射出成型機IMに設けられた圧力センサ13が射出成型機IMの圧力Prを検出し、圧力取得部9が検出された圧力Prを取得し、圧力指令値算出器3に入力する。圧力指令値算出器3は、圧力偏差値Prdと圧力Prとを加算して、速度指令値Vcに基づく圧力指令値Prc1を算出する。
【0017】
圧力指令値算出器3は、算出した圧力指令値Prc1を、圧力制限器4に入力する。圧力制限器4には、射出成型機IMの圧力Prを制限するための指定圧力値Prsが入力される。圧力制限器4は、圧力指令値Prc1と指定圧力値Prsとに基づき、射出成型機IMの圧力Prを指定圧力値Prsに応じて圧力制限するように圧力指令値Prc2を算出する。
【0018】
算出された圧力指令値Prc2は、圧力偏差値算出器14に入力される。また、圧力取得部9で取得された圧力Prが圧力偏差値算出器14に入力される。圧力偏差値算出器14は、圧力指令値Prc2から現在の射出成型機IMの圧力Prを減算し、圧力制御器5で圧力制御演算を行い、モータ速度指令値Vmc1を算出する。
【0019】
圧力制御器5で算出されたモータ速度指令値Vmc1は、モータ速度制御部15の速度偏差値算出器6に入力される。また、エンコーダ10は、サーボモータMのモータ位置Pを検出し、検出したモータ位置Pを速度算出器11に入力する。速度算出器11はモータ位置Pを微分処理してモータ速度Vmを算出する。算出されたモータ速度Vmは、速度偏差値算出器6に入力される。速度偏差値算出器6は、モータ速度指令値Vmc1から現在のモータ速度Vmを減算することにより、速度偏差値Vdを算出する。
【0020】
算出された速度偏差値Vdは、速度制御器7に入力される。速度制御器7は比例積分制御器などで構成され、速度偏差値Vdに基づいて、モータトルク指令値Tmcを算出する。
【0021】
算出されたモータトルク指令値Tmcは、トルク制御器8に入力される。トルク制御器8は、モータトルク指令値Tmcに基づいて、所望(指令値通りの)のモータトルクTが出力されるようにサーボモータMを制御する。
【0022】
そして、エンコーダ10はサーボモータMから出力されるモータトルクTにより移動したモータ位置Pを検出し、検出したモータ位置Pを速度算出器11で微分処理してモータ速度Vmを算出し、モータ速度指令値Vmc1と現在のサーボモータMのモータ速度Vmとが一致するように速度制御する。このようにして、モータ制御装置100による制御ループが実行される。
【0023】
次に、圧力制御器5における圧力制御ループの演算について説明する。モータ制御装置100において、例えば、圧力制御器5を比例制御器で構成し、そのゲインをGとすると、圧力制御器5における圧力制御ループの演算は、以下のようになる。
【0024】
圧力指令値Prc2-圧力Pr=圧力偏差値Prd2・・・(1)
圧力偏差値Prd2×比例制御器のゲインG=モータ速度指令値Vmc1・・・(2)
【0025】
(1)、(2)式より、モータ速度指令値Vmc1から圧力指令値Prc2を次のように逆算して求めることができる。
圧力偏差値Prd2=モータ速度指令値Vmc1/比例制御器のゲインG・・・(3)
圧力指令値Prc2=圧力偏差値Prd2+圧力Pr・・・(4)
【0026】
本実施形態では、外部から与えられる速度指令値Vcに対して、上式(3)、(4)の関係を用いて、速度指令値Vcに基づく圧力指令値Prc1を算出する。
速度指令値Vcに基づく圧力偏差値Prd=速度指令値Vc/G・・・(5)
速度指令値Vcに基づく圧力指令値Prc1=速度指令値Vcに基づく圧力偏差値Prd+圧力Pr・・・(6)
【0027】
そして、求められた速度指令値Vcに基づく圧力指令値Prc1に対して、指定圧力値Prsで圧力制限を行い、圧力指令値Prc2を求める。
この圧力指令値Prc2に基づいて射出成型機IMを圧力制御すると、
モータ速度指令値Vmc1
=圧力偏差値Prd2×比例制御器のゲインG
=(圧力指令値Prc2-圧力Pr)×比例制御器のゲインG
【0028】
ここで、圧力指令値Prc1が制限圧力範囲内である場合、すなわち、速度指令値Vcに基づいて算出した圧力指令値Prc1が指定圧力値Prsによる圧力制限にかからない場合には、圧力指令値Prc2=速度指令値Vcに基づく圧力指令値Prc1となる。この場合、速度指令値Vcに基づいて算出した圧力指令値Prc1をそのまま圧力指令値Prc2として設定する。
【0029】
このため、
モータ速度指令値Vmc
=(速度指令値Vcに基づく圧力指令値Prc1-圧力Pr)×比例制御器のゲインG
={(速度指令値Vcに基づく圧力偏差値Prd+圧力Pr)-圧力Pr}×比例制御器のゲインG
=(速度指令値Vcに基づく圧力偏差値Prd)×比例制御器のゲインG
=(速度指令値Vc/比例制御器のゲインG)×比例制御器のゲインG
=速度指令値Vc
となり、モータ速度指令値Vmc1は、速度指令値Vcと一致し、このモータ速度指令値Vmcに基づきサーボモータMが速度制御されて、モータ速度指令値Vmcどおりの速度、すなわち、速度指令値Vcどおりの速度にサーボモータMのモータ速度Vmが速度制御される。
【0030】
これに対して、圧力指令値Prc1が制限圧力範囲内でない場合、すなわち、速度指令値Vcに基づいて算出した圧力指令値Prc1が指定圧力Prsで定められた圧力制限の範囲を超えた場合には、圧力制限器5は圧力指令値Prc2を圧力制限値(指定圧力Prs)に設定する。例えば、圧力指令値Prc1が制限圧力範囲の最大値よりも大きい場合には、最大値が圧力指令値Prc2として設定される。そして、指定圧力Prsに基づくサーボモータMの圧力制御が行われ、圧力Prが指定圧力値Prsに制御される。なお,圧力制御中の定常偏差を抑制したい場合は,圧力制御器を比例積分制御器で構成し,速度制御中は比例制御,圧力制限中は比例積分制御にする。
【0031】
これにより、指定圧力値Prsを機械の許容範囲内の上限値に設定しておけば、圧力を許容範囲内に収めつつサーボモータMを速度制御することができる。
【0032】
なお、指定圧力Prsは、所定の閾値、所定のテーブル値、所定の関数値等に基づいて定めることもできる。この場合、「所定の」とは、任意に定めることができることを含むことはいうまでもなく、さらに、モータ速度制御装置の製造時、試験時、出荷時、使用時等いずれの時点においても任意に設定することが可能であることをも包含する。
【0033】
以上説明したように、本実施形態に係るモータ制御装置100は、速度指令値Vcに基づいて圧力指令値Prc1を算出し、圧力制限を行ってモータ速度指令値Vmc1を求め、モータ速度指令値Vmc1に基づいてサーボモータMを速度制御するという簡単な構成で圧力Prの制限機能を備えた速度制御を実現できる。圧力Prが設定された制限圧力範囲を超えない場合は、設定された速度指令値VcどおりにサーボモータMのモータ速度Vmを速度制御することができる。一方で、圧力指令値Prc1が制限圧力範囲を超える場合は、圧力制限器は圧力指令値Prc1を制限圧力値Prsに設定するため、圧力Prを指定圧力値Prsに制限することができる。これにより、新たに圧力制御用のパラメータを必要としない。また、モータ速度指令値Vmc1が設定された制限圧力範囲を超えない場合、圧力制御器5のゲインGは圧力制御に影響しないため、ゲインGの調整が容易となる。
【0034】
(第二実施形態)
図2は、本発明の第二実施形態に係るモータ制御装置の構成を示すブロック図である。第二実施形態に係るモータ制御装置は、サーボモータが搭載される射出成型機において、射出工程および保圧工程での、制限圧力範囲および射出成型機の速度範囲(以下、「制限速度範囲」ともいう。)を、外部から設定することにより、設定された制限圧力範囲内および制限速度範囲内でサーボモータを制御する。本実施形態に係るモータ制御装置は、射出工程において圧力を制限しながら速度制御でサーボモータを駆動し、保圧工程において速度を制限しながら圧力制御でサーボモータを駆動することができる。
【0035】
図2に示すように、サーボモータMの制御装置(以下、モータ制御装置200ともいう。)は、圧力偏差値算出器2と、圧力指令値算出器3と、圧力制限器4と、切替部16と、圧力偏差値算出器14と,圧力制御器5と、速度制限器17と、モータ速度制御部15と、圧力取得部9と、エンコーダ10と、速度算出器11と、指定圧力取得部12と、指定速度取得部18と、を備える。モータ速度制御部15は、速度偏差値算出器6と、速度制御器7と、トルク制御器8から構成される。
図2に示す本発明の第二実施形態に係るモータ制御装置200は、
図1に示す第一実施形態のモータ制御装置100に、切替部16および指定速度取得部18を追加した構成となっている。
【0036】
このような構成のモータ制御装置200には、サーボモータMのモータ速度Vmを制御するための速度指令値Vcと、射出成型機IMの圧力Prを制御するための圧力指令値Prcが外部から入力される。指定圧力取得部12が射出成型機IMの圧力Prを制限するための指定圧力値Prsを取得し、指定速度取得部18がサーボモータMのモータ速度Vmを制限するための指定速度値Vsを取得する。指定圧力取得部12および指定速度取得部18は、不揮発性メモリ(不図示)からあらかじめ記録された指定圧力値Prsおよび指定速度値Vsを取得してもよいし、外部から入力されて指定圧力値Prsおよび指定速度値Vsを取得してもよい。これにより、モータ制御装置200は、所望の速度指令値Vcと一定の圧力制限、および所望の圧力指令値Prcと速度制限の下でサーボモータMのモータ速度Vmの速度制御と射出成型機IMの圧力Prの圧力制御を行う。
【0037】
外部から与えられる所望の速度指令値Vcは、圧力偏差値算出器2に入力される。圧力偏差値算出器2は、入力される速度指令値Vcに基づいて、現在の射出成型機IMの圧力Prをどのくらい変更させる必要があるかを示す圧力偏差値Prdを算出する。
【0038】
算出された圧力偏差値Prdは、圧力指令値算出器3に入力される。また、射出成型機IMに設けられた圧力センサ13が射出成型機IMの圧力Prを検出し、検出された圧力Prが圧力取得部9で取得されて、圧力指令値算出器3に入力される。圧力指令値算出器3は、圧力偏差値Prdと圧力Prとを加算して、速度指令値Vcに基づく圧力指令値Prc1を算出する。
【0039】
算出された圧力指令値Prc1は、圧力制限器4に入力される。圧力制限器4には、射出成型機IMの圧力Prを制限するための指定圧力値Prsが入力される。圧力制限器4は、圧力指令値Prc1と指定圧力値Prsとに基づき、射出成型機IMの圧力Prを圧力指令値Prc1と指定圧力値Prsに応じて圧力制限するように圧力指令値Prc2を算出する。
【0040】
算出された圧力指令値Prc2と外部から与えられる所望の圧力指令値Prcは、切替部16に入力される。切替部16は、射出工程では速度制御でサーボモータMを駆動するため圧力指令値Prc3として圧力指令値Prc2を出力し、保圧工程では圧力制御でサーボモータMを駆動するため圧力指令値Prc3として圧力指令値Prcを出力する。
【0041】
出力された圧力指令値Prc3は、圧力偏差算出器14に入力される。また、圧力取得部9で取得された圧力Prが圧力偏差算出器14に入力される。圧力偏差算出器14は、圧力指令値Prc3から現在の射出成型機IMの圧力Prを減算し、圧力制御器5で圧力制御演算を行いモータ速度指令値Vmc1を算出する。
【0042】
算出されたモータ速度指令値Vmc1は、速度制限器17に入力される。速度制限器17には、サーボモータMのモータ速度Vmを制限するための指定速度値Vsが入力される。切替部16において圧力指令値Prc2が出力されている場合、速度制限器17はモータ速度指令値Vmc1と指定速度値Vsとに基づき、サーボモータMのモータ速度Vmをモータ速度指令値Vmc1と指定速度値Vsに応じて速度制限するようにモータ速度指令値Vmc2を算出する。切替部16において圧力指令値Prcが出力されている場合、速度制限器17は速度制限をしないように指定速度値Vsを高い値に設定し、モータ速度指令値Vmc1がモータ速度指令値Vmc2となるように算出する。
【0043】
算出されたモータ速度指令値Vmc2は、モータ速度制御部15の速度偏差値算出器6に入力される。
モータ速度制御部15以降の構成(速度偏差値算出器6、速度制御器7、およびトルク制御器8)は、
図1に示す第一実施形態の各構成と同様である。したがって、これらの説明については省略する。
【0044】
また、保圧工程での圧力制御器5における圧力制御ループの演算についても、第一実施形態で説明した圧力制御器5における圧力制御ループの演算と同様である。したがって、これらの説明についても省略する。
【0045】
以上のように、射出工程および保圧工程において、速度制御時は圧力制限を行い、速度制御から圧力制御に切り替わった後の圧力制御時は速度制限を行うことで、サーボモータMの速度と射出成型機IMの圧力Prをコントロールすることが可能となる。
【0046】
(第三実施形態)
図3は、本発明の第三実施形態に係るサーボモータの制御装置の構成を示すブロック図である。第三実施形態に係るサーボモータの制御装置は、サーボモータが搭載される射出成型機において、射出工程および保圧工程での制限圧力範囲を外部から設定することにより、設定された制限圧力範囲内でサーボモータの位置を制御することが可能な制御装置である。
【0047】
図3に示すように、サーボモータMの制御装置(以下、モータ制御装置300ともいう。)は、位置偏差値算出器19と,位置制御器20と、圧力偏差値算出器2と、圧力指令値算出器3と、圧力制限器4と、圧力偏差値算出器14と、圧力制御器5と、モータ速度制御部15と、圧力取得部9と、エンコーダ10と、速度算出器11と、指定圧力取得部12と、を備える。モータ速度制御部15は、速度偏差値算出器6と、速度制御器7と、トルク制御器8から構成される。
図3に示す本発明の第三実施形態に係るモータ制御装置300は、
図1に示す第一実施形態のモータ制御装置100に、位置制御器20を追加した構成となっている。
【0048】
このような構成のモータ制御装置300には、サーボモータMのモータ位置Pを制御するための位置指令値Pcが外部から入力される。指定圧力取得部12は、射出成型機IMの圧力Prを制限するための指定圧力値Prsを取得する。指定圧力取得部12は、不揮発性メモリ(不図示)からあらかじめ記録された指定圧力値Prsを取得してもよいし、外部から入力されて指定圧力値Prsを取得してもよい。位置指令値Pcと指定圧力値Prsにより、モータ制御装置300は、所望の位置指令値Pcと一定の圧力制限の下でサーボモータMのモータ位置Pの位置制御を行う。
【0049】
外部から与えられる所望の位置指令値Pcは、位置偏差算出器19に入力される。また、エンコーダ10はサーボモータMのモータ位置Pを検出し、検出されたモータ位置Pが位置偏差算出器19に入力される。位置偏差値算出器19は、位置指令値Pcから現在のサーボモータMのモータ位置Pを減算することにより、位置偏差値PDを算出し、位置偏差値PDから位置制御器20により速度指令値Vcを算出する。
【0050】
算出された速度指令値Vcは、圧力偏差値算出器2に入力される。圧力偏差値算出器2は、入力される速度指令値Vcに基づいて、現在の射出成型機IMの圧力Prをどのくらい変更させる必要があるかを示す圧力偏差値Prdを算出する。
【0051】
算出された圧力偏差値Prdは、圧力指令値算出器3に入力される。また、射出成型機IMに設けられた圧力センサ13が射出成型機IMの圧力Prを検出し、検出された圧力Prが圧力取得部9で取得されて、圧力指令値算出器3に入力される。圧力指令値算出器3は、圧力偏差値Prdと圧力Prとを加算して、速度指令値Vcに基づく圧力指令値Prc1を算出する。
【0052】
算出された圧力指令値Prc1は、圧力制限器4に入力される。圧力制限器4には、射出成型機IMの圧力Prを制限するための指定圧力値Prsが入力される。圧力制限器4は、圧力指令値Prc1と指定圧力値Prsとに基づき、射出成型機IMの圧力Prを圧力指令値Prc1と指定圧力値Prsに応じて圧力制限するように圧力指令値Prc2を算出する。
【0053】
算出された圧力指令値Prc2は、圧力制御器5に入力される。また、圧力取得部9で取得された圧力Prが圧力偏差算出器14に入力される。圧力偏差算出器14は、圧力指令値Prc2から現在の射出成型機IMの圧力Prを減算し,圧力制御器5で圧力制御演算を行いモータ速度指令値Vmc1を算出する。
【0054】
圧力制御器5で算出されたモータ速度指令値Vmc1は、モータ速度制御部15の速度偏差値算出器6に入力される。
モータ速度制御部15以降の構成(速度偏差値算出器6、速度制御器7、およびトルク制御器8)は、
図1に示す第一実施形態の各構成と同様である。したがって、これらの説明については省略する。
【0055】
また、保圧工程での圧力制御器5における圧力制御ループの演算についても、第一実施形態で説明した圧力制御器5における圧力制御ループの演算と同様である。したがって、これらの説明についても省略する。
【0056】
以上のように、射出工程において、位置制御時に圧力制限を行うことで、サーボモータMのモータ位置Pと射出成型機IMの圧力Prをコントロールすることが可能となる。
【0057】
(第四実施形態)
図4は、本発明の第四実施形態に係るモータ制御装置の構成を示すブロック図である。第四実施形態に係るモータ制御装置は、サーボモータが搭載される射出成型機において、射出工程および保圧工程での、制限圧力範囲および制限速度範囲を、外部から設定することにより、射出工程において位置制御でサーボモータを駆動し、保圧工程において圧力制御でサーボモータを駆動し、位置制御中の圧力制限と、圧力制御中の速度制限を切り替える構成となっている。
【0058】
図4に示すように、サーボモータMの制御装置(以下、モータ制御装置400ともいう。)は、位置偏差値算出器19と,位置制御器20と、圧力偏差値算出器2と、圧力指令値算出器3と、圧力制限器4と、切替部16と、圧力偏差値算出器14と、圧力制御器5と、速度制限器17と、モータ速度制御部15と、圧力取得部9と、エンコーダ10と、速度算出器11と、指定圧力取得部12と、指定速度取得部18と、を備える。モータ速度制御部15は、速度偏差値算出器6と、速度制御器7と、トルク制御器8から構成される。
図4に示す本発明の第四実施形態に係るモータ制御装置400は、
図1に示す第一実施形態のモータ制御装置100に、切替部16、指定速度取得部18、および位置制御器20を追加した構成となっている。
【0059】
このような構成のモータ制御装置400には、サーボモータMのモータ速度Vmを制御するための速度指令値Vcと、射出成型機IMの圧力Prを制御するための圧力指令値Prcが外部から入力されて、射出成型機IMの圧力Prを制限するための指定圧力値Prsが指定圧力取得部12において取得されて、サーボモータMのモータ速度Vmを制限するための指定速度値Vsが指定速度取得部18において取得される。指定圧力取得部12および指定速度取得部18は、不揮発性メモリ(不図示)からあらかじめ記録された指定圧力値Prsおよび指定速度値Vsを取得してもよいし、外部から入力されて指定圧力値Prsおよび指定速度値Vsを取得してもよい。これにより、モータ制御装置200は、所望の位置指令値Pcと一定の圧力制限、および所望の圧力指令値Prcと速度制限の下でサーボモータMのモータ位置Pの位置制御と射出成型機IMの圧力Prの圧力制御を行う。
【0060】
外部から与えられる所望の位置指令値Pcは、位置偏差値算出器19に入力される。また、エンコーダ10はサーボモータMのモータ位置Pを検出し、検出されたモータ位置Pが位置偏差値算出器19に入力される。位置偏差値算出器19は、位置指令値Pcから現在のサーボモータMのモータ位置Pを減算することにより、位置偏差値PDを算出し、位置偏差値PDから位置制御器20により速度指令値Vcを算出する。算出された速度指令値Vcは、圧力偏差値算出器2に入力される。圧力偏差値算出器2は、入力される速度指令値Vcに基づいて、現在の射出成型機IMの圧力Prをどのくらい変更させる必要があるかを示す圧力偏差値Prdを算出する。
【0061】
算出された圧力偏差値Prdは、圧力指令値算出器3に入力される。また、射出成型機IMに設けられた圧力センサ13が射出成型機IMの圧力Prを検出し、検出された圧力Prが圧力取得部9で取得されて、圧力指令値算出器3に入力される。圧力指令値算出器3は、圧力偏差値Prdと射出圧力Prとを加算して、速度指令値Vcに基づく圧力指令値Prc1を算出する。
【0062】
算出された圧力指令値Prc1は、圧力制限器4に入力される。圧力制限器4には、射出成型機IMの圧力Prを制限するための指定圧力値Prsが入力される。圧力制限器4は、圧力指令値Prc1と指定圧力値Prsとに基づき、射出成型機IMの圧力Prを圧力指令値Prc1と指定圧力値Prsに応じて圧力制限するように圧力指令値Prc2を算出する。
【0063】
算出された圧力指令値Prc2と外部から与えられる所望の圧力指令値Prcは、切替部16に入力される。切替部16は、射出工程では位置制御でサーボモータMを駆動するため圧力指令値Prc3として圧力指令値Prc2を出力し、保圧工程では圧力制御でサーボモータMを駆動するため圧力指令値Prc3として圧力指令値Prcを出力する。
【0064】
出力された圧力指令値Prc3は、圧力制御器5に入力される。また、圧力取得部9で取得された圧力Prが圧力偏差算出器14に入力される。圧力偏差算出器14は、圧力指令値Prc3から現在の射出成型機IMの圧力Prを減算し、圧力制御器5で圧力制御演算を行いモータ速度指令値Vmc1を算出する。
【0065】
算出されたモータ速度指令値Vmc1は、速度制限器17に入力される。速度制限器17には、サーボモータMのモータ速度Vmを制限するための指定速度値Vsが入力される。切替部16において圧力指令値Prc2が出力されている場合、速度制限器17はモータ速度指令値Vmc1と指定速度値Vsとに基づき、サーボモータMのモータ速度Vmをモータ速度指令値Vmc1と指定速度値Vsに応じて速度制限するようにモータ速度指令値Vmc2を算出する。切替部16において圧力指令値Prcが出力されている場合、速度制限器17は速度制限をしないように指定速度値Vsを高い値に設定し、モータ速度指令値Vmc1がモータ速度指令値Vmc2となるように算出する。
【0066】
算出されたモータ速度指令値Vmc2は、モータ速度制御部15の速度偏差値算出器6に入力される。
モータ速度制御部15以降の構成(速度偏差値算出器6、速度制御器7、およびトルク制御器8)は、
図1に示す第一実施形態の各構成と同様である。したがって、これらの説明については省略する。
【0067】
また、保圧工程での圧力制御器5における圧力制御ループの演算についても、第一実施形態で説明した圧力制御器5における圧力制御ループの演算と同様である。したがって、これらの説明についても省略する。
【0068】
以上のように、射出工程および保圧工程において、位置制御時は圧力制限を行い、位置制御から圧力制御に切り替わった後の圧力制御時は速度制限を行うことで、サーボモータMのモータ位置Pと射出成型機IMの圧力Prをコントロールすることが可能となる。
【0069】
以上、本発明の実施形態について説明をしたが、本発明の技術的範囲が本実施形態の説明によって限定的に解釈されるべきではないのは言うまでもない。本実施形態は単なる一例であって、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内において、様々な実施形態の変更が可能であることが当業者によって理解されるところである。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲に記載された発明の範囲及びその均等の範囲に基づいて定められるべきである。
【符号の説明】
【0070】
100、200、300、400 モータ制御装置
2 圧力偏差値算出器
3 圧力指令値算出器
4 圧力制限器
5 圧力制御器
6 速度偏差値算出器6
7 速度制御器
8 トルク制御器
9 圧力取得部
10 エンコーダ
11 速度算出器
12 指定圧力取得部
13 圧力センサ
14 圧力偏差値算出器
15 モータ速度制御部
16 切替部
17 速度制限器
18 指定速度取得部
19 位置偏差値算出器
20 位置制御器
M サーボモータ
IM 射出成型機
Pr 圧力
P モータ位置
Vm モータ速度
Vc 速度指令値
Vmc、Vmc1、Vmc2 モータ速度指令値
Prc、Prc1、Prc2、Prc3 圧力指令値
Pc 位置指令値
Tmc モータトルク指令値
Vd 速度偏差値
Prd 圧力偏差値
Prs 指定圧力値
Vs 指定速度値