IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ニチユ三菱フォークリフト株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-フォークリフト用アタッチメント 図1
  • 特開-フォークリフト用アタッチメント 図2
  • 特開-フォークリフト用アタッチメント 図3
  • 特開-フォークリフト用アタッチメント 図4
  • 特開-フォークリフト用アタッチメント 図5
  • 特開-フォークリフト用アタッチメント 図6
  • 特開-フォークリフト用アタッチメント 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023104206
(43)【公開日】2023-07-28
(54)【発明の名称】フォークリフト用アタッチメント
(51)【国際特許分類】
   B66F 9/12 20060101AFI20230721BHJP
   B66F 9/24 20060101ALI20230721BHJP
【FI】
B66F9/12 D
B66F9/24 P
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022005067
(22)【出願日】2022-01-17
(71)【出願人】
【識別番号】000232807
【氏名又は名称】三菱ロジスネクスト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000475
【氏名又は名称】弁理士法人みのり特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】尾崎 時矢
【テーマコード(参考)】
3F333
【Fターム(参考)】
3F333AA02
3F333AD02
3F333AE05
3F333FA11
3F333FA27
3F333FD14
3F333FE05
(57)【要約】
【課題】フィルムによってフォーク差込口が完全に覆われていても、フォークをフォーク差込口に適切に挿入させる。
【解決手段】アタッチメント10は、第1底板11と、第1側板12とを備え、フォークの先端に連結される。第1底板11は、前部に平面視鋭角状の底板角部11aを有し、第1側板12は、前部に側面視鋭角状の側板角部12aを有する。側板角部12aの頂点は、底板角部11aの頂点と一致するよう構成されている。第1側板12は、側面視において側板角部12aに向かって傾斜する側板傾斜部12bを有し、第1底板11は、平面視において底板角部11aから中央後方に向かって傾斜する底板傾斜部11bを有する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フォークリフトのフォークの先端に連結されるアタッチメントであって、
前部に平面視鋭角状の底板角部を有する第1底板と、
前部に側面視鋭角状の側板角部を有する第1側板と、を備え、
前記側板角部の頂点は、前記底板角部の頂点と一致するよう構成されており、
前記第1側板は、側面視において前記側板角部に向かって傾斜する側板傾斜部を有し、
前記第1底板は、平面視において前記底板角部から中央後方に向かって傾斜する底板傾斜部を有する
ことを特徴とするアタッチメント。
【請求項2】
前記底板傾斜部の傾斜辺は、断面鋭角状に形成されている
ことを特徴とする請求項1に記載のアタッチメント。
【請求項3】
前記側板傾斜部の傾斜辺は、断面鋭角状に形成されている
ことを特徴とする請求項1または2に記載のアタッチメント。
【請求項4】
前記底板角部および前記側板角部は、山状を有するプレートを山の頂点から続く折り曲げ線に沿って折り曲げられることにより形成された
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のアタッチメント。
【請求項5】
前記底板角部および前記側板角部は、山状を有するプレートを山の頂点から続く折り曲げ線に沿ってRをつけて折り曲げられることにより形成された
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のアタッチメント。
【請求項6】
前記側板傾斜部の後端は、中央に向かって円弧状に形成されている
ことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載のアタッチメント。
【請求項7】
前記底板角部は、前記第1底板の前部左右にそれぞれ設けられており、
前記アタッチメントは、前記第1側板を2つ備え、
2つの前記第1側板は、前記第1底板の左右にそれぞれ設けられている
ことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載のアタッチメント。
【請求項8】
前記フォークは、
フォーク前部に設けられ前方をセンシングするセンサと、
前記センサの上面を覆う天板を有するセンサカバーと、を有し、
前記アタッチメントは、
前記第1底板の後端から後方に向かって延びる第2底板をさらに備え、
前記第2底板は、前記センサの下面を覆う
ことを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載のアタッチメント。
【請求項9】
前記センサカバーは、さらに前記センサの側面を覆う第2側板を有し、
前記第1側板の外側面は、前記第2側板の外側面と面一で構成されている
ことを特徴とする請求項8に記載のアタッチメント。
【請求項10】
前記側板角部の角度は、20°~70°で形成されている
ことを特徴とする請求項1~9のいずれか1項に記載のアタッチメント。
【請求項11】
前記底板角部の角度は、20°~70°で形成されている
ことを特徴とする請求項1~10のいずれか1項に記載のアタッチメント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フォークリフトのフォークに連結されるフォークリフト用アタッチメントに関する。
【背景技術】
【0002】
図6Aに示すように、左右一対のフォーク7を荷役パレットPのフォーク差込口Phに差し込み、荷役を行う無人フォークリフトFが知られている。このフォークリフトFのフォーク7は、図6Bに示すように、フォーク7の先端に二重格納検出センサといった荷役の際に用いるセンサ8と、そのセンサ8を覆うセンサカバー71とを有していることがある。無人フォークリフトFは、このセンサ8を利用して荷置場所に荷があるか否かを判定し二重格納を防止する。比較的小さな搬送物Wは、パレットPの上に積み上げられ、図6Aに示すように、積み上げられた搬送物Wは、その周囲をフィルムQによって巻かれることにより、搬送中におけるパレットPからの落下を防止される。
【0003】
ところで、前述のフィルムQがフォーク差込口Phの上部を覆っていることがある。この場合に、フォークリフトFをフォーク差込口Phに向かって前進させると、フォーク7がフォーク差込口Phに差し込まれずフィルムQごとパレットPを後退させるという問題があった。そこで、特許文献1に開示のアタッチメントが開発されている。このアタッチメントは、上面が先端に向かって低くなるように形成されたラッピング捲り上げ部を備えており、ラッピング捲り上げ部は、フィルムQに覆われていないフォーク差込口Phの隙間に差し込まれ、フィルムQを上方に押し上げながらフォーク差込口Phに挿入される。これにより、フォーク7は、フィルムQを破損させることなく、フォーク差込口Phに挿入される。
【0004】
ところが、図7Aに示すように、フィルムQがフォーク差込口Phを完全に覆っている場合がある。この場合、上記アタッチメントは、フィルムQを上方に押し上げることができない。したがって、この場合、フォークリフトFは、フォーク差込口Phを覆うフィルムQに突進させられると、フィルムQごとパレットPを後退させたり、強引にフィルムQを突き破ったりすることになる。強引にフィルムQを突き破った場合、図7Bに示すように、破り取られたフィルムQがフォーク7先端に付着することがある。この場合、フィルムQがフォーク7先端に設けられたセンサ8の前方を遮ってしまい、センサ8が正常に動作しなくなるので問題であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2012-25527号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、フィルムによってフォーク差込口が完全に覆われていても、フォークをフォーク差込口に適切に挿入させることができるフォークリフト用アタッチメントを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係るフォークリフト用アタッチメントは、
フォークリフトのフォークの先端に連結されるアタッチメントであって、
前部に平面視鋭角状の底板角部を有する第1底板と、
前部に側面視鋭角状の側板角部を有する第1側板と、を備え、
側板角部の頂点は、底板角部の頂点と一致するよう構成されており、
第1側板は、側面視において側板角部に向かって傾斜する側板傾斜部を有し、
第1底板は、平面視において底板角部から中央後方に向かって傾斜する底板傾斜部を有する、ことを特徴とする。
【0008】
上記アタッチメントは、好ましくは、
底板傾斜部の傾斜辺が、断面鋭角状に形成されている。
【0009】
上記アタッチメントは、好ましくは、
側板傾斜部の傾斜辺が、断面鋭角状に形成されている。
【0010】
上記アタッチメントは、好ましくは、
底板角部および側板角部が、山状を有するプレートを山の頂点から続く折り曲げ線に沿って折り曲げられることにより形成されている。
【0011】
上記アタッチメントは、好ましくは、
底板角部および側板角部が、山状を有するプレートを山の頂点から続く折り曲げ線に沿ってRをつけて折り曲げられることにより形成されている。
【0012】
上記アタッチメントは、好ましくは、
底板傾斜部の後端が、中央に向かって円弧状に形成されている。
【0013】
上記アタッチメントは、好ましくは、
底板角部が、第1底板の前部左右にそれぞれ設けられており、
アタッチメントは、第1側板を2つ備え、
2つの第1側板が、第1底板の左右にそれぞれ設けられている。
【0014】
上記アタッチメントは、好ましくは、
フォークが、
フォークの前部に設けられ前方をセンシングするセンサと、
センサの上面を覆う天板を有するセンサカバーと、を有し、
アタッチメントが、第1底板の後端から後方に向かって延びる第2底板をさらに備え、
第2底板が、センサの下面を覆う。
【0015】
上記アタッチメントは、好ましくは、
センサカバーが、さらにセンサの側面を覆う第2側板を有し、
第1側板の外側面が、第2側板の外側面と面一で構成されている。
【0016】
上記アタッチメントは、好ましくは、
側板角部の角度が、20°~70°で形成されている。
【0017】
上記アタッチメントは、好ましくは、
底板角部の角°が、20°~70°で形成されている。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係るアタッチメントは、フィルムによってフォーク差込口が完全に覆われていても、フォークをフォーク差込口に適切に挿入させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】Aは、本発明の一実施形態のアタッチメントと当該アタッチメントが連結されたフォークリフトの側面図であり、Bは、AのB部拡大図である。
図2】Aは、図1に示されたフォークリフトの平面図であり、Bは、AのB部の底面拡大図であり、Cは、BのC部拡大図である。
図3】Aは、図1に示されたアタッチメントを示す斜視図であり、Bは、アタッチメントの先端形状を示す断面図である。
図4】Aは、図1に示されたアタッチメントの側面図であり、BはAのB部拡大図である。
図5図1に示されたアタッチメントが形成される前のプレートの形状を示す平面図である。
図6】Aは、従来のフォークリフトとパレットとを示す概略側面図であり、Bは、従来のフォーク先端のB-B部を示す概略正面図である。
図7】従来例を示し、Aは、フィルムに覆われたパレットを示す側面図であり、Bは、フィルムが付着したフォークを示す概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図を参照しつつ、本発明の一実施形態に係るフォークリフト用アタッチメント10について説明する。なお、図中における両矢印Xは前後方向を示し、両矢印Yは左右方向を示し、両矢印Zは上下方向を示している。
【0021】
<フォークリフト>
まず、アタッチメント10が連結されるフォークリフトFの構成について説明する。なお、本実施形態におけるフォークリフトFは、無人フォークリフトであるが、本発明に係るアタッチメント10が連結されるフォークリフトは、無人フォークリフトに限定されない。例えば、アタッチメント10は、有人フォークリフトまたは有人無人兼用のフォークリフトに設けられてもよい。
【0022】
図1および図2に示すように、フォークリフトFは、後輪1と、車体2と、前輪3と、リーチレグ4と、左右一対のマスト5と、ブラケット6と、左右一対のフォーク7と、センサ8と、を備えている。
【0023】
車体2は、後輪1の上に配置され、リーチレグ4は、車体2から前方に延びている。前輪3は、リーチレグ4の前部に設けられている。後輪1は、駆動輪で構成され、前輪3は、従動輪で構成されている。
【0024】
左右一対のマスト5は、車体2の前方に配置されるとともに上下に延びている。ブラケット6は、左右一対のマスト5に連結され、昇降装置(図示略)によってマスト5に沿って昇降させられる。
【0025】
左右一対のフォーク7は、前方に延びるとともにその基部をブラケット6に連結され、昇降装置によってブラケット6とともに昇降させられる。図1および図2に示すように、フォーク7は、フォーク本体70と、フォーク本体70の先端に設けられたセンサカバー71とを有する。
【0026】
センサカバー71は、天板と左右一対の第2側板とを有し、左右の第2側板にはセンサ8を操作するための窓71aがそれぞれ設けられている。センサカバー71の天板および第2側板の表面は、フォーク本体70の表面と面一に構成されている。第2側板の下端は、フォーク本体70の前面下端から前方上方に向かって延びており、これにより、パレットPのフォーク差込口Phにフォーク7が差し込みやすくなっている。センサカバー71は、例えば、溶接によってフォーク本体70に固定されてもよい。センサカバー71の天板の下面には、雌ねじを有する連結部(図示略)が設けられており、アタッチメント10は、ボルトなどによって、この連結部を介してセンサカバー7に連結される。
【0027】
センサ8は、フォーク7の前方をセンシングする。センサ8は、センサカバー71の中心位置においてボルトなどによって固定されている。センサ8の側面には、センサ8を調整するための調整部(図示略)が設けられている。
【0028】
<アタッチメント>
次に、アタッチメント10の構成について説明する。図1および図2に示すように、アタッチメント10は、第1底板11と、左右一対の第1側板12と、第2底板13と、左右一対の第3側板14と、左右一対の連結板15と、を備えている。
【0029】
第1底板11は、金属製であって、図2Bおよび図3Aに示すように、前部に平面視鋭角状の底板角部11aを左右に有する。底板角部11aの角度aとは、図2Cにおける角度aのことである。底板角部11aの角度aは、62°であるが、単なる一例であって、底板角部11aの角度aは、20°~70°、好ましくは、45°~70°でもよい。なお、本発明における第1底板11は、樹脂製であってもよく、例えば、MCナイロン(モノマーキャストナイロン)製でもよい。
【0030】
第1底板11は、図2Bおよび図3Aに示すように、平面視において左右の底板角部11aから中央後方に向かって傾斜する2つの底板傾斜部11bを左右に有する。左右の底板傾斜部11bの後端は、中央に向かって円弧状に形成され連結されている。底板傾斜部11bは、図2Bおよび図3Aに示すように、切り欠きを有しない。
【0031】
底板傾斜部11bは、図3および図4に示すように、下部を面取り加工(C面取り加工)されており、これにより、底板傾斜部11bの傾斜辺11cは、断面鋭角状に形成されている。なお、傾斜辺11cは、面取り加工後、約0.2mmの垂直面が残されている。傾斜辺11cの断面形状の角度は45°であるが単なる一例であって、傾斜辺11cの断面形状の角度は、例えば、20°~75°、好ましくは、35°~55°で形成されてもよい。
【0032】
第1側板12は、金属製であって、左右一対に構成されており、左右の第1側板12は、前部に側面視鋭角状の側板角部12aをそれぞれ有する。左右の第1側板12の外側面は、フォーク7の外側面と面一にそれぞれ構成されている。また、側板角部12aの頂点は、底板角部11aと一致するよう構成されている。側板角部12aの角度cとは、図4Bにおける角度cのことであり、側板角部12aの角度cは、45°であるが単なる一例であって、底板角部11aの角度cは、例えば、20°~70°、好ましくは、35°~55°でもよい。なお、本発明における第1側板12は、樹脂製であってもよく、例えば、MCナイロン(モノマーキャストナイロン)製でもよい。
【0033】
第1側板12は、図3Aおよび図4に示すように、側面視において側板角部12aに向かって傾斜する側板傾斜部12bを有する。側板傾斜部12bは、図3Aおよび図4に示すように、切り欠きを有しない。
【0034】
側板傾斜部12bは、図3および図4に示すように、外側部を面取り加工(C面取り加工)されており、これにより、側板傾斜部12bの傾斜辺12cは、断面鋭角状に形成されている。なお、傾斜辺12cは、面取り加工後、約0.2mmの水平面が残されている。傾斜辺12cの断面形状の角度は45°であるが単なる一例であって、傾斜辺12cの断面形状の角度は、例えば、20°~75°、好ましくは、35°~55°で形成されてもよい。
【0035】
図2Cにおける傾斜辺11cと側板傾斜部12bの面取りとによって形成される平面視の角部bの角度bは、112°であるが単なる一例であって、例えば、角度bは、45°~135°、好ましくは、100°~120°でもよい。また、図4Bにおける傾斜辺12cと底板傾斜部11bの面取りとによって形成される側面視の角部dの角度dは、90°であるが単なる一例であって、角度dは、例えば、45°~135°、好ましくは、80°~100°でもよい。
【0036】
図3に示すように、第1底板11と第1側板12とは、連続して形成されており、その連続部はR加工をされている。本実施形態では、第1底板11と第1側板12は、図5に示された2つの山状を有する1枚のプレートを加工され形成されている。図5における第1側板12は、山の頂点から続く折り曲げ線Lを中心にRをつけて垂直に折り曲げられる。
【0037】
第2底板13は、金属製であって、図2Bおよび図3Aに示すように、第1底板11に固定され第1底板11の後端から後方に向かって延びている。第2底板13は、センサ8の下面を覆い、センサ8を保護する。第2底板13は、図3Aおよび図4Aに示すように、複数の孔13aを有する。複数の孔13aは、第2底板13をセンサカバー71の天板に連結させるためのボルトなどが挿入される。この孔は、例えば、ザグリ加工がされて、平ネジが挿入されてもよい。第2底板13の底面は、フォーク本体70の底面と面一に構成されてもよい。第2底板13がセンサカバー71に連結されることにより、アタッチメント10がフォーク7に連結される。
【0038】
図3Aに示すように、左右の第3側板14は、第2底板13の側端から立設されている。本実施形態では、第2底板13および第3側板14は、第1底板11および第1側板12と同様に、1つのプレートから形成されており、第3側板14は、第2底板13からRをつけて折り曲げられて形成されている。左右の第3側板14は、センサ8を左右で囲むとともに、センサカバー71の第2側板の内側に配置される。第3側板14は、図3Aおよび図4に示すように、左右方向中央上部において切り欠き14aが設けられている。この切り欠き14aの位置とセンサカバー71の窓71aの位置と一致するよう構成されている。これにより、センサ8は、アタッチメント10がフォーク7に連結された状態においても、調整部を操作することができる。
【0039】
図3Aに示すように、左右一対の連結板15は、第1底板11の上面後端の左右、かつ左右の第1側板12の後端内側にそれぞれ配置されている。連結板15は、上部が直方体に形成され、下部が下方に向かって縮小するテーパ状に形成されている。連結板15は、外側面を第1側板12の内側面に溶接され、後面の内側端を第3側板14の前端面に溶接され、下端面を第1側板12の上面に溶接されている。これにより、第1底板11と、第1側板12と、第3側板14とが連結板15を介して固定され、アタッチメント10全体の剛性が高められている。
【0040】
アタッチメント10は、図3Aに示すように、センサ8の前方に延びる光軸を遮る部材を有さず、かつ、センサ8に他の物体が接触しないよう適切にセンサ8を保護するよう構成されている。
【0041】
次に、アタッチメント10を設けられたフォーク7が、フィルムQによって覆われたフォーク差込口Phに差し込まれる方法について説明する。
【0042】
フォークリフトFは、通常の動作と同様にフォーク差込口Phに正対して前進し、フォーク差込口Phを覆うフィルムQにアタッチメント10の先端を押し当てる。アタッチメント10は、底板角部11aおよび側板角部12aの頂点が一致しているので、アタッチメント10を備えたフォークリフトFは、左右のフォーク7にそれぞれ2つの頂点を有し、合計4つの頂点をフィルムQに押し当てることになる。したがって、アタッチメント10は、通常のフォークと異なり、フォークリフトFの前進力を4つの頂点に集約させて4つの頂点をフィルムQに押し当てることができる。
【0043】
次いで、フォークリフトFは、さらに前進することにより、頂点によって孔が開けられたかもしくは孔が開けられず押されたのみのフィルムQの部分を、底板傾斜部11bおよび側板傾斜部12bによって、上下方向および水平方向にさらに押し拡げてフィルムQを破る。傾斜辺11c、傾斜辺12cは、断面鋭角状に形成され断面くさび状になっており、かつ、第1辺および第2辺は、直進する方向に対して傾斜しているので、安定して適切にフィルムQを裂くことができる。フォークリフトFは、さらに前進することにより、フィルムQをフォーク7が通過可能な大きさに破りながらフォーク7をフォーク差込口Phに完全に差し込む。
【0044】
アタッチメント10の第1底板11および第1側板12の連結部はR加工をされているので、4つの頂点の周囲は、それぞれ丸く形成されている。その結果、アタッチメント10は、突き破られたフィルムQが引っかかる部分、すなわちフィルムQとアタッチメント10との摩擦力が特に強くなる部分を有しない。しかも、底板傾斜部11bおよび側板傾斜部12bは、切り欠きを有しないので、底板傾斜部11bおよび側板傾斜部12bにおいても、フィルムQが引っかかる部分を特に有しない。さらに、第1側板12の外側面は、フォーク7の側面に面一に構成されているので、アタッチメント10は、フィルムQが引っかかる部分をさらに有しない。
【0045】
アタッチメント10を備えたフォークリフトFは、上記構成を備えていることにより、フィルムQを破りながらフォーク7をフォーク差込口Phに挿入させても、アタッチメント10にフィルムQが残存することを防止することができる。したがって、アタッチメント10は、フィルムQによってフォーク差込口Phが完全に覆われていても、フォーク7をフォーク差込口Phに適切に挿入させることができる。これにより、センサ8は、フォーク7(アタッチメント10)に付着したフィルムQによって前方を覆われることを防止される。しかも、アタッチメント10は、ボルトなどによってセンサカバー71に連結してあるだけなので、センサ8の下面を覆う従来のセンサカバーと容易に取り替えることができる。
【0046】
以上、本発明の一実施形態に係るアタッチメント10について説明してきたが、本発明に係るアタッチメント10は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、本発明に係るアタッチメント10は、以下の変形例によって実施されてもよい。
【0047】
・底板角部11aは、左右両方に形成されることに限定されない。例えば、底板角部11aは、第1底板11の左右いずれかに形成されてもよい。また、第1底板11は、前部に3つ以上の角部を有してもよい。また、左右の底板角部11aの前後方向の長さは、それぞれ異なっていてもよい。
【0048】
・底板角部11aおよび側板角部12aは、安全のために頂点を面取りされてもよい。
【0049】
・第1底板11と第1側板12とは別部材で構成されていてもよいし、第1底板11と第1側板12との連続部は、R加工されていなくてもよい。
【符号の説明】
【0050】
F フォークリフト
P パレット
Ph フォーク差込口
Q フィルム
1 後輪
2 車体
3 前輪
4 リーチレグ
5 マスト
6 ブラケット
7 フォーク
70 フォーク本体
71 センサカバー
71a 窓
8 センサ
10 アタッチメント
11 第1底板
11a 底板角部
11b 底板傾斜部
11c 傾斜辺
12 第1側板
12a 側板角部
12b 側板傾斜部
12c 傾斜辺
13 第2底板
13a 孔
14 第3側板
14a 切り欠き
15 連結板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7