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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023104275
(43)【公開日】2023-07-28
(54)【発明の名称】自立型防音パネル
(51)【国際特許分類】
   E01F 8/00 20060101AFI20230721BHJP
   G10K 11/16 20060101ALI20230721BHJP
【FI】
E01F8/00
G10K11/16 120
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022005159
(22)【出願日】2022-01-17
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-01-19
(71)【出願人】
【識別番号】593204199
【氏名又は名称】有限会社幸昭
(74)【代理人】
【識別番号】100098936
【弁理士】
【氏名又は名称】吉川 晃司
(74)【代理人】
【識別番号】100098888
【弁理士】
【氏名又は名称】吉川 明子
(72)【発明者】
【氏名】宮川 昭夫
【テーマコード(参考)】
2D001
5D061
【Fターム(参考)】
2D001AA01
2D001BA03
2D001CA01
2D001CB05
2D001CD01
2D001CD05
5D061BB17
5D061BB37
5D061DD01
(57)【要約】
【課題】防音パネルを組み合わせて防音壁としたときに、柱が無くともその防音壁に自立性と風圧等に耐えられる強度を与えることができるものとする。
【解決手段】パネル本体3は円弧状に湾曲しており、その自重を受け止めて単体として自立する。左側にくる自立型防音パネル1Aの包持部31のパイプ33に、右側にくる自立型防音パネル1Aの被包持部21のパイプ23が包持され、パイプ33のスリット37を介して、パイプ23の円弧の一部が露出されるので、その露出部分をアングル材25との連結部位に連ならせることができる。従って、自立型防音パネル1A、1A、……を左右方向に並べて設置することができる。また、中継部材45を介して自立型防音パネル1A、1Bどうし、または、自立型防音パネル1B、1Bどうしを上下方向に連結させることもできる、自立型防音パネル1どうしが互いに協働し合ってより安定的に自立する。
【選択図】 図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パネル本体と、前記パネル本体の左右方向両側に連結機構を有する自立型防音パネルであって、
前記パネル本体は、上方視湾曲して騒音源側が凹曲面になっており、
前記連結機構は、左右方向一方側に設けられ外方に延出する被包持部と、他方側に設けられ外方に延出して前記被包持部を包持する抱持部で構成されており、
前記自立型防音パネルは、前記パネル本体の下面をなす湾曲面で自重を受け止めて自立すると共に、
左右方向で隣接する前記自立型防音パネルどうしは、前記被包持部が前記包持部に包持されることで、連結されることを特徴とする自立型防音パネル。
【請求項2】
請求項1に記載した自立型防音パネルにおいて、
連結機構の被包持部と包持部のそれぞれの上下端部が開放筒部になって、その端縁には凹面状の一対の受け部が形成されており、更に、長手方向中間に外方に突出する接続ピンを有する中継部材を別体として備えており、
上下方向で隣接する前記自立型防音パネルどうしは、それぞれの開放筒部に前記中継部材が上下側に分かれて挿入されると共に、前記受け部が上下方向で対向してできた貫通孔を貫通して前記接続ピンが外方に突出することで、前記自立型防音パネルの湾曲面どうしが当接した状態で連結されることを特徴とするパネル本体。
【請求項3】
請求項2に記載した自立型防音パネルにおいて、
連結機構の被包持部はパイプで構成され、包持部は上下方向に延びたスリット入りのパイプで構成され、前記パイプの端縁が切り欠かれて受け部が形成されていることを特徴とする自立型防音パネル。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載した自立型防音パネルにおいて、
ベースプレートにパネル本体と連結機構の下面が固定されて一体化され、前記ベースプレートにはアンカーボルトの挿通穴が形成されており、
コンクリート基礎に固定する最下段の自立型防音パネルとして用いることを特徴とする自立型防音パネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、騒音源の近傍に設置して騒音がそのまま周囲に漏れ出すのを防ぐ防音壁を構築できる自立型防音パネルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
幹線道路の道路沿いや建築工事現場には、そこから発生する騒音がそのまま周囲に漏れ出すのを防ぐために、防音壁が設置されている。
このような防音壁は、コンクリート基礎の上に鉄骨製の柱を立てて、その柱に防音パネルを取り付けたもので構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021―161610号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記したように、防音壁を設置する際には、柱を先ず固定しなければならないが、この柱固定工事は大変面倒でどうにか柱を必要としないで済ますことができないかとの要望はかなり昔からあった。
しかしながら、特許文献1に記載のように、相も変わらず、柱を立てることが前提となっている。
【0005】
本発明はこのような現状に鑑みて創案されたもので、防音パネルの外形に工夫を凝らすことで、防音パネルを組み合わせて防音壁としたときに、その防音壁に自立性と風圧等に耐えられる強度を柱無しで与えることができる、新規且つ有用な自立型防音パネルを提供することを、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記目的を達成するために為されたものであり、請求項1の発明は、 パネル本体と、前記パネル本体の左右方向両側に連結機構を有する自立型防音パネルであって、前記パネル本体は、上方視湾曲して騒音源側が凹曲面になっており、前記連結機構は、左右方向一方側に設けられ外方に延出する被包持部と、他方側に設けられ外方に延出して前記被包持部を包持する抱持部で構成されており、前記自立型防音パネルは、前記パネル本体の下面をなす湾曲面で自重を受け止めて自立すると共に、左右方向で隣接する前記自立型防音パネルどうしは、前記被包持部が前記包持部に包持されることで、連結されることを特徴とする自立型防音パネルである。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載した自立型防音パネルにおいて、連結機構の被包持部と包持部のそれぞれの上下端部が開放筒部になって、その端縁には凹面状の一対の受け部が形成されており、更に、長手方向中間に外方に突出する接続ピンを有する中継部材を別体として備えており、上下方向で隣接する前記自立型防音パネルどうしは、それぞれの開放筒部に前記中継部材が上下側に分かれて挿入されると共に、前記受け部が上下方向で対向してできた貫通孔を貫通して前記接続ピンが外方に突出することで、前記自立型防音パネルの湾曲面どうしが当接した状態で連結されることを特徴とするパネル本体である。
【0008】
請求項3の発明は、請求項2に記載した自立型防音パネルにおいて、連結機構の被包持部はパイプで構成され、包持部は上下方向に延びたスリット入りのパイプで構成され、前記パイプの端縁が切り欠かれて受け部が形成されていることを特徴とする自立型防音パネルである。
【0009】
請求項4の発明は、請求項1から3のいずれかに記載した自立型防音パネルにおいて、ベースプレートにパネル本体と連結機構の下面が固定されて一体化され、前記ベースプレートにはアンカーボルトの挿通穴が形成されており、コンクリート基礎に固定する最下段の自立型防音パネルとして用いることを特徴とする自立型防音パネルである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の自立型防音パネルを組み合わせて連結すれば、柱無しでも従来と同様な自立性と風圧等に耐えられる強度を備えた防音壁を構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施の形態に係る自立型防音パネルの構造を生かした自立型防音パネルの設置方法の説明図である。
図2図1の単体の自立型防音パネルの騒音源側を向いたときの正面図と横断面図である。
図3図1に続いて、自立型防音パネルを左右方向に並べて設置するときの設置方法の説明図である。
図4図3に続いて、自立型防音パネルを左右方向に並べて設置するときの設置方法の説明図である。
図5図4の2つ左右方向に並べた設置した状態の自立型防音パネルの騒音源側を向いたときの正面図と横断面図である。
図6図4に続いて、自立型防音パネルを上下方向に並べて設置するときの設置方法の説明図である。
図7図6で、自立型防音パネルを上下方向に並べて設置するときに使用する、接続ピン部材の上面図及び互いに直交関係にある2方向の側面図である。
図8図6に続いて、自立型防音パネルを上下方向に並べて設置するときの設置方法の説明図である。
図9図2の自立型防音パネルのパネル本体の別の構成例の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態に係る自立型防音パネル1を図面にしたがって説明する。
図1図3図4図6図8に示すように、自立型防音パネル1は左右方向及び上下方向に複数連結させてその騒音発生環境に対応して最適な縦横サイズに実質的に拡大することができる。
単体の自立型防音パネル1にはベースプレート39が溶接により固定されたタイプ1Aと、ベースプレート39無しのタイプ1Bに分かれており、前者のタイプがコンクリート基礎Cに対して直接固定する最下段用のものになっている。
自立型防音パネル1A、1Bはベースプレート39の有無を除けば、同じ構成になっており、図面と以下の説明では、共通の符号を利用して構成を指し示している。
【0013】
図1で示すように自立型防音パネル1Aはパネル本体3と連結機構19を備えている。
パネル本体3は、金属板からなる扁平な角形箱状の筐体5で外形が構成されており、扁平面が横方向を向いて立たせた状態で設置される。パネル本体3は上方視ほぼ円弧状に湾曲している。騒音源側が凹曲面部7、反対側が凸曲面部9、その間が左右端面部11、11と、上下端面部13、13になっている。
【0014】
図2に示すように、凹曲面部7は、多孔質で剛性のアルミ吸音板やアルミ製のパンチングメタルで構成されており、開口から、騒音を直接透過させるようになっている。左右端面部11、11は凹曲面部7の左右両側が折り曲げられて形つけられている。凸曲面部9は角波板で構成されており、遮音と外装板としての機能が担わされている。上下端面部13、13は仕舞板で構成されている。
【0015】
筐体5の内部には、吸音材15としてポリエステルウールが充填されている。また、間隔をあけて、音パット17、17、17が配置されている。
凹曲面部7を透過した騒音はこの吸音材15で乱反射により減衰させたり、音パット17により振動を軽減させたりして、吸音される。
音パット17の挿置箇所では、ブラインドリベット(図示省略)を利用して凹曲面部7と凸曲面部9が音パット17を挟んで締結されており、筐体5が保形されている。
【0016】
パネル本体3の左右方向両側には連結機構19として、それぞれ被包持部21と包持部31が取付けられている。
被包持部21は、円筒状のパイプ23を利用して構成されており、このパイプ23の外周面には軸方向に平行にアングル材25の長手方向端縁が溶接固定されて一体化されている。このアングル材25の凹内面側が、凹曲面部7と左端面部11の角部に外側から重ね合わされ、ブラインドリベット(図示省略)により、アングル材25が凹曲面部7に対して締結されている。
【0017】
パイプ23は、パネル本体3の凸曲面部9と左端面部11の角部から左方向外方に延出しており、パネル本体3が湾曲した関係で凸曲面部9と左端面部11の角部は凹曲面部7と左端面部11の角部よりも左方向外方に位置しているので、左方向突端にパイプ23の周面が固定された状態になっている。
パイプ23の上下方向の端縁27、27はそれぞれ筐体5側の上下端面部13、13とほぼ揃えられている。
【0018】
このパイプ23の端縁27、27にはそれぞれ受け部として半円状に浅く切り欠かれて凹曲溝29が形成されている。上側の端縁27には径方向に対向して一対の凹曲溝29、29が形成されている。この凹曲溝29はパネル本体3の左右方向中心部を通る中心線L1と平行な線L2上に位置している。下側の端縁27も同様に一対の凹曲縁29、29が形成されている。
【0019】
包持部31は、円筒状のパイプ33を利用して構成されている。このパイプ33の内径はパイプ23の外径よりも大きくなっており、パイプ33にパイプ23は入れ子状に収納可能になっている
このパイプ33の外周面にも軸方向に平行にアングル材25の長手方向端縁が溶接固定されて一体化されており、パイプ23と左右方向で対称をなすように、パネル本体3の凸曲面部9と右端面部11の角部から右方向外方に延出しており、上下方向の端縁35、35はそれぞれ筐体5側の上下端面部13、13とほぼ揃えられている。
【0020】
このパイプ33の端縁35、35にもパイプ23と同様に凹曲縁29が形成されている。
更に、パイプ33には、パイプ肉厚部分を貫通したスリット37が上下方向に延びており、このスリット37は上下の端縁35、35で開放されている。スリット37の周方向の長さは1/4円弧程度になっており、上方から端縁35を見ると、パイプ33の上下方向中心線よりやや右上側がスリット37の幅方向の中心になっている。
【0021】
自立型防音パネル1Aは、上記したように、コンクリート基礎Cに対して固定する最下段用のものになっており、ベースプレート39が固定されている。このベースレート39は左右方向に長い長方形になっており、その上面にパネル本体3と連結機構19が立った状態でパネル本体3の下端面部13が溶接により固定されて一体化されている。
【0022】
パネル本体3は円弧状に湾曲しており、下端面部13の最膨出部がベースプレート39の一方の長辺縁39aの左右方向ほぼ中間の近傍に位置して、下端面部13の左右方向両端部が他方の長辺縁39aの左右方向両端の近傍にそれぞれ位置している。パネル本体3はベースプレート39上に縦横方向に広がった状態で立ち上がっているので、その自重を受け止めて単体として自立する。また、パネル本体3の左右方向の長さが湾曲分だけ増えていることで強度も高くなっている。
【0023】
自立型防音パネル1A、1Aは、左右方向に並べて設置することができる。左右方向で隣接する自立型防音パネル1A、1Aのベースプレート39、39どうしを、左側にくるベースプレート39の右方の短辺縁39bと右側にくるベースプレート39の左方の短辺縁39bどうしを突き合わせ、騒音源側、反対側それぞれの長辺縁39a、39aを面一に連なるように揃える。
その揃えた状態では、左側にくる自立型防音パネル1Aの包持部31のパイプ33に、右側にくる被包持部21のパイプ23が同軸状に収容される位置関係になる。また、パイプ33のスリット37を介して、パイプ23の円弧の一部が露出されるので、その露出部分をアングル材25との連結部位に連ならせることができる。
【0024】
従って、自立型防音パネル1A、1A、……を左右方向に並べて設置することができ、その場合には、図1に示すように、まず、ベースプレート39に対応した上面になるコンクリート基礎C、C、……を作る。このコンクリート基礎CにはアンカーボルトB、B、……が突出しており、ベースプレート39には、その四隅と、更に、長辺縁39a、39aの長手方向中間でパネル本体3に被らない位置に二箇所の合計六箇所にボルト挿通穴41が形成されているので、コンクリート基礎Cの上面に、ベースプレート39をそれぞれの辺縁を揃えた状態で下ろすと、このアンカーボルトB、B、……は、ベースプレート39側のボルト挿通穴41、41、……を各別に貫通する。図3に示すように、この貫通したネジ軸を、ナット43で締め付けると、自立型防音パネル1Aはコンクリート基礎Cの上に固定される。
【0025】
最も左側の自立型防音パネル1Aを上記のように設置した後、図3に示すように、そのパイプ33に、右側に隣接する自立型防音パネル1Aのパイプ23を上方から矢印に示すように差込んで下ろし、コンクリート基礎Cに載せた後は、図4に示すように、ナット43を利用してコンクリート基礎Cに対して固定する。包持部31のパイプ33に被包持部21のパイプ23が包持された状態になって、図5に示すように、左右方向に自立型防音パネル1A、1A、……が連結される。
左右方向で連結されることで、隣接する自立型防音パネル1Aどうしが互いに協働し合ってより安定的に自立する。
【0026】
更に、自立型防音パネル1は横方向だけでなく、上方向にも並べて設置することができる。上方に並べる場合には、自立型防音パネル1Bを利用する。この自立型防音パネル1Bは、上記したように、ベースプレート39の有無を除けば、自立型防音パネル1Aと同じ構成になっており、これに、連結用補助部材として、図6に示すように、中継部材45を併用するようになっている。
中継部材45は、図7で詳細に示すように、細長い円筒軸47の軸方向中間に径方向に一対の貫通穴が形成されており、その一対の貫通穴に接続ピン49が貫通して一体化されている。従って、接続ピン49の軸方向両部は円筒軸47から外方に突出している。接続ピン49の軸方向に直交する断面は円形になっている。
【0027】
図6の矢印に示すように、自立型防音パネル1Aの左側でパイプ23、33で二重筒になったところに、中継部材45を上方から差し込むと、円筒軸47と直交方向に延びた接続ピン45が端縁27、35で引っ掛かり、下半分ほどがパイプ23の内側に挿入された状態になる。パイプ23側の凹曲溝29とパイプ33側の凹曲溝29は径方向に並んでいるので、周方向に回して凹曲溝29、29、29、29に接続ピン49の両端部を入り込ませると、パイプ23の端縁27から更に外側のパイプ33の端縁35を通り抜けて上半円部分が外方に突出する。右側についても、パイプ33に同様に中継部材45を上方から差し込んでおくと、接続ピン49が外方に突出する。
【0028】
この後に、自立型防音パネル1Bを、自立型防音パネル1Aに対して、それぞれのパイプ23、33が上下方向で同軸状に連なるように上方から矢印に示すように下ろすと、円筒軸47の上半分ほどが上側にくるパイプ23、31に挿入される。
上側にくるパイプ23、33の凹曲溝29と、下側にくるパイプ23、33の凹曲溝29は上下で対向して円形の貫通孔51を形成し、そこを接続ピン49が通り抜けるので、上側にくるパイプ23の端縁27と下側にくるパイプ23の端縁27は全面的に当接して、パイプ33、33についても同様に全面的に当接する。
【0029】
従って、図8に示すように、自立型防音パネル1Aの上側端面部13に対して、自立型防音パネル1Bの下側端面部13が全面的に重なり合って当接することになり、自立型防音パネル1Bは安定的に自立する。また、自立型防音パネル1Bについても、自立型防音パネル1Aと同様にして左右方向に並べることができる。
この自立型防音パネル1Bについても、左右方向で連結されることで、隣接する自立型防音パネル1Bどうしが協働してより安定的に自立する。
【0030】
上記のように、自立型防音パネル1A、1Bが組み合わされて連結されることにより、柱工事無しに防音壁を構築することができる。この防音壁は、柱無しでも従来と同様な自立性と風圧等に耐えられる強度を備えている。
また、パネル本体3が曲面状になっており、パネル本体3に入射する時に音の入射角度が変化することから、吸音効果が増大する。
【0031】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、種々の変形・変更が可能である。
例えば、パネル本体3は振動型や共鳴型など種々のタイプのものがあり、他のタイプのものに代替することは可能である。
図9に示すパネル本体53では、凹曲面部7がフェルトボード等の曲面硬質吸音シートで構成され、凸曲面部9が外装を兼ねた曲面遮音板で構成され、吸音材15がポリエステルルール等の軟質吸音材、またアルミニウム焼結吸音板等のアルミ吸音材で構成されている。
入射音が曲面硬質吸音シートに入射する時に、音の入射角度が変化する。曲面硬質吸音シートを透過した音の大部分は外側の曲面遮音板に当たって反射し、軟質吸音材中で効率良く乱反射する。従って、吸音効果が格段と増大して、外側の曲面遮音板を通り抜ける音が減音されるので、減音量が増幅する。
【符号の説明】
【0032】
1A、1B…自立型防音パネル 3…パネル本体
5…筐体 7…凹曲面部 9…凸曲面部
11…左右端面部 13…上下端面部 15…吸音材
17…音パット 19…連結機構 21…被包持部
23…パイプ 25…アングル材 27…端縁
29…凹曲溝 31…包持部 33…パイプ
35…端縁 37…スリット 39…ベースプレート
39a…長辺縁 39b…短辺縁 41…ボルト挿通穴
43…ナット 45…中継部材 47…円筒軸
49…接続ピン 51…貫通孔
53…パネル本体
L1…中心線 L2…平行線
C…コンクリート基礎 B…アンカーボルト
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2022-11-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パネル本体と、前記パネル本体の左右方向両側に連結機構を有する自立型防音パネルであって、
前記パネル本体は、上方視湾曲して騒音源側が凹曲面になっており、
前記連結機構は、左右方向一方側に設けられ外方に延出する被包持部と、他方側に設けられ外方に延出して前記被包持部を包持する抱持部で構成されており、
前記自立型防音パネルは、前記パネル本体の下面をなす湾曲面で自重を受け止めて自立すると共に、
左右方向で隣接する前記自立型防音パネルどうしは、前記被包持部が前記包持部に包持されることで、連結され
前記連結機構の前記被包持部と前記包持部のそれぞれの上下端部が開放筒部になって、その端縁には凹面状の一対の受け部が形成されており、更に、長手方向中間に外方に突出する接続ピンを有する中継部材を別体として備えており、
上下方向で隣接する前記自立型防音パネルどうしは、それぞれの開放筒部に前記中継部材が上下側に分かれて挿入されると共に、前記受け部が上下方向で対向してできた貫通孔を貫通して前記接続ピンが外方に突出することで、前記自立型防音パネルの湾曲面どうしが当接した状態で連結されることを特徴とするパネル本体。
【請求項2】
請求項1に記載した自立型防音パネルにおいて、
連結機構の被包持部はパイプで構成され、包持部は上下方向に延びたスリット入りのパイプで構成され、前記パイプの端縁が切り欠かれて受け部が形成されていることを特徴とする自立型防音パネル。
【請求項3】
請求項1または2に記載した自立型防音パネルにおいて、
ベースプレートにパネル本体と連結機構の下面が固定されて一体化され、前記ベースプレートにはアンカーボルトの挿通穴が形成されており、
コンクリート基礎に固定する最下段の自立型防音パネルとして用いることを特徴とする自立型防音パネル。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本発明は、上記目的を達成するために為されたものであり、請求項1の発明は、
パネル本体と、前記パネル本体の左右方向両側に連結機構を有する自立型防音パネルであって、前記パネル本体は、上方視湾曲して騒音源側が凹曲面になっており、前記連結機構は、左右方向一方側に設けられ外方に延出する被包持部と、他方側に設けられ外方に延出して前記被包持部を包持する抱持部で構成されており、前記自立型防音パネルは、前記パネル本体の下面をなす湾曲面で自重を受け止めて自立すると共に、左右方向で隣接する前記自立型防音パネルどうしは、前記被包持部が前記包持部に包持されることで、連結され、前記連結機構の前記被包持部と前記包持部のそれぞれの上下端部が開放筒部になって、その端縁には凹面状の一対の受け部が形成されており、更に、長手方向中間に外方に突出する接続ピンを有する中継部材を別体として備えており、上下方向で隣接する前記自立型防音パネルどうしは、それぞれの開放筒部に前記中継部材が上下側に分かれて挿入されると共に、前記受け部が上下方向で対向してできた貫通孔を貫通して前記接続ピンが外方に突出することで、前記自立型防音パネルの湾曲面どうしが当接した状態で連結されることを特徴とするパネル本体である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
請求項2の発明は、請求項に記載した自立型防音パネルにおいて、連結機構の被包持部はパイプで構成され、包持部は上下方向に延びたスリット入りのパイプで構成され、前記パイプの端縁が切り欠かれて受け部が形成されていることを特徴とする自立型防音パネルである。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
請求項の発明は、請求項1または2に記載した自立型防音パネルにおいて、ベースプレートにパネル本体と連結機構の下面が固定されて一体化され、前記ベースプレートにはアンカーボルトの挿通穴が形成されており、コンクリート基礎に固定する最下段の自立型防音パネルとして用いることを特徴とする自立型防音パネルである。
【手続補正書】
【提出日】2022-11-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項1】
パネル本体と、前記パネル本体の左右方向両側に連結機構を有する自立型防音パネルであって、
前記パネル本体は、上方視湾曲して騒音源側が凹曲面になっており、
前記連結機構は、左右方向一方側に設けられ外方に延出する被包持部と、他方側に設けられ外方に延出して前記被包持部を包持する持部で構成されており、
前記自立型防音パネルは、前記パネル本体の下面をなす湾曲面で自重を受け止めて自立すると共に、
左右方向で隣接する前記自立型防音パネルどうしは、前記被包持部が前記包持部に包持されることで、連結され、
前記連結機構の前記被包持部と前記包持部のそれぞれの上下端部が開放筒部になって、当該開放筒部の端縁には凹面状の一対の受け部が形成されており、更に、長手方向中間に外方に突出する接続ピンを有する中継部材を別体として備えており、
上下方向で隣接する前記自立型防音パネルどうしは、それぞれの開放筒部に前記中継部材が上下側に分かれて挿入されると共に、前記受け部が上下方向で対向してできた貫通孔を貫通して前記接続ピンが外方に突出することで、前記自立型防音パネルの湾曲面どうしが当接した状態で連結されることを特徴とするパネル本体。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本発明は、上記目的を達成するために為されたものであり、請求項1の発明は、パネル本体と、前記パネル本体の左右方向両側に連結機構を有する自立型防音パネルであって、前記パネル本体は、上方視湾曲して騒音源側が凹曲面になっており、前記連結機構は、左右方向一方側に設けられ外方に延出する被包持部と、他方側に設けられ外方に延出して前記被包持部を包持する持部で構成されており、前記自立型防音パネルは、前記パネル本体の下面をなす湾曲面で自重を受け止めて自立すると共に、左右方向で隣接する前記自立型防音パネルどうしは、前記被包持部が前記包持部に包持されることで、連結され、前記連結機構の前記被包持部と前記包持部のそれぞれの上下端部が開放筒部になって、当該開放筒部の端縁には凹面状の一対の受け部が形成されており、更に、長手方向中間に外方に突出する接続ピンを有する中継部材を別体として備えており、上下方向で隣接する前記自立型防音パネルどうしは、それぞれの開放筒部に前記中継部材が上下側に分かれて挿入されると共に、前記受け部が上下方向で対向してできた貫通孔を貫通して前記接続ピンが外方に突出することで、前記自立型防音パネルの湾曲面どうしが当接した状態で連結されることを特徴とするパネル本体である。