(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023104322
(43)【公開日】2023-07-28
(54)【発明の名称】ハンプ施工方法
(51)【国際特許分類】
E01C 7/35 20060101AFI20230721BHJP
E01C 9/00 20060101ALI20230721BHJP
E01F 9/518 20160101ALI20230721BHJP
E01F 9/529 20160101ALI20230721BHJP
【FI】
E01C7/35
E01C9/00
E01F9/518
E01F9/529
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022005241
(22)【出願日】2022-01-17
(71)【出願人】
【識別番号】506052998
【氏名又は名称】株式会社 中野建設
(74)【代理人】
【識別番号】110001601
【氏名又は名称】弁理士法人英和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】轟木 直也
(72)【発明者】
【氏名】小川 千晶
【テーマコード(参考)】
2D051
2D064
【Fターム(参考)】
2D051AA07
2D051AC01
2D051AG01
2D051AH01
2D064AA06
2D064BA01
2D064DA06
2D064EA14
2D064JA02
(57)【要約】
【課題】 道路の任意の箇所にハンプの平場部を容易に形成できるようにすること規格に沿ったハンプを機械施工で連続打設することによって迅速に形成できるようにすること。
【解決手段】
一層目の矩形平場部、前記矩形平場部の前後に形成される一層目のスロープ部並びに前記矩形平場部と前記一層目のスロープ部の上面に形成される二層目の平場部及びスロープ部からなるハンプを、舗装材料を用いて道路上に施工するハンプ施工方法であって、(1)矩形型枠設置工程、(2)矩形平場部打設工程、(3)矩形型枠撤去工程、(4)スロープ用型枠設置工程、(5)一層目のスロープ部打設工程、(6)スロープ用型枠撤去工程、(7)二層目用型枠設置工程、(8)二層目打設転圧工程、(9)二層目用型枠撤去工程を実施することを特徴とするハンプ施工方法。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一層目の矩形平場部、前記矩形平場部の前後に形成される一層目のスロープ部並びに前記矩形平場部と前記一層目のスロープ部の上面に形成される二層目の平場部及びスロープ部からなるハンプを、舗装材料を用いて道路上に施工するハンプ施工方法であって、
次の(1)~(9)の工程を実施することを特徴とするハンプ施工方法。
(1)前記矩形平場部を施工する位置の周囲に矩形型枠を設置する矩形型枠設置工程。
(2)前記矩形型枠の高さと前記矩形平場部の高さが一致するように、前記矩形型枠の内側に舗装材料を撒き出しながら打設する矩形平場部打設工程。
(3)前記矩形型枠を取り外す矩形型枠撤去工程。
(4)前記矩形平場部の側辺の延長線に沿ってスロープ用型枠を設置するスロープ用型枠設置工程。
(5)前記一層目のスロープ部の長さが、前記矩形平場部の隅から前記スロープ用型枠の先端までの長さと同じ長さとなるように、前記スロープ用型枠の内側に舗装材料を撒き出しながら打設する一層目のスロープ部打設工程。
(6)前記スロープ用型枠を取り外すスロープ用型枠撤去工程。
(7)前記矩形平場部及び前記一層目のスロープ部の上面に、それらの側辺に対して平行に2本の二層目用型枠を設置する二層目用型枠設置工程。
(8)前記矩形平場部及び前記一層目のスロープ部の上面に、前記二層目用型枠と同じ長さの前記二層目の平場部及びスロープ部のうちの一部又は全部が形成されるように、前記2本の二層目用型枠の内側に舗装材料を撒き出しながら連続的に打設及び転圧する二層目打設転圧工程。
(9)前記二層目用型枠を取り外す二層目用型枠撤去工程。
【請求項2】
前記二層目用型枠撤去工程によって前記二層目の平場部及びスロープ部のうちの一部が形成された後に、次の(10)~(12)の工程を実施することを特徴とする請求項1に記載のハンプ施工方法。
(10)前記矩形平場部及び前記一層目のスロープ部の上面に、前記二層目の平場部及びスロープ部の側辺に対して平行に前記二層目用型枠を設置する拡幅二層目用型枠設置工程。
(11)前記矩形平場部及び前記一層目のスロープ部の上面に、前記二層目用型枠と同じ長さの前記二層目の平場部及びスロープ部のうちの一部が形成されるように、前記二層目の平場部及びスロープ部の側縁と前記二層目用型枠との内側に舗装材料を撒き出しながら連続的に打設及び転圧する拡幅二層目打設転圧工程。
(12)前記二層目用型枠を取り外す拡幅二層目用型枠撤去工程。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、舗装材料を用いて道路上にハンプを施工するハンプ施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の走行速度を抑制するために、ハンプを道路上に設置する場合がある。
ハンプの形状については、車両の速度抑制効果、安全性、騒音、振動等を考慮して、国土交通省によって、凸部の平坦部(平場部)の高さは10cm、縦断方向の長さは2m以上を標準とすること、凸部の傾斜部(スロープ部)の縦断方向の傾斜は平均で5%、最大で8%以下を標準とすること、スロープ部と路面及び平場部とのすりつけ部はなめらかなものとすること等が規定されている。
そして、特許文献1(特開2006-342582号公報)には、本体(10)および傾斜部(11)を、ベース層(21)、ベース層(21)を覆う舗装層(22)及び舗装層(22)を覆う被覆層(23)の3層構造とする点、ベース層(21)は透水性があり、かつ、強度のある材質(例えば、透水性アスファルトコンクリート)により構成する点、舗装層(22)には廃タイヤから形成したゴムチップを含む舗装材を用いる点、被覆層(23)には所望の色に着色されたバージンゴムチップを用いる点等が記載されている(特に、段落0023及び
図2を参照)。
また、特許文献2(特許第6686110号公報)には、ハンプを施工する道路の両側端部に型枠を設置し、型枠の内側に所定の曲線の縦断曲線部を設けたハンプゲージシートを貼り付け、ハンプゲージシートの縦断曲線部の曲線と型枠内の舗装材料の表面が一致するように、型枠の内側に舗装材料を撒き出しながら転圧する点等が記載されている(特に、請求項1及び
図1、4を参照)。
【0003】
しかし、これらのハンプ施工方法では、交差点の全面や横断歩道の部分に平場部が形成され、その前後両側にスロープ部が形成されており(特許文献1の段落0021及び
図1、特許文献2の段落0029を参照)、道路の任意の箇所に平場部を形成することが容易ではないという問題があった。
また、特許文献2のハンプ施工方法によれば、すりつけ部(スロープ部)の縦断方向の傾斜を所定の縦断曲線となるように施工することができるが、すりつけ部(9b)の表面をハンプゲージシート(1)の縦断曲線部(3)と一致するように、ハンプ(9)を施工していく必要があり(段落0033を参照)、機械施工で連続打設しにくいという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006-342582号公報
【特許文献2】特許第6686110号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記の問題を解決し、道路の任意の箇所にハンプの平場部を容易に形成できるようにすることを第1の課題とし、規格に沿ったハンプを機械施工で連続打設することによって迅速に形成できるようにすることを第2の課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係る発明は、一層目の矩形平場部、前記矩形平場部の前後に形成される一層目のスロープ部並びに前記矩形平場部と前記一層目のスロープ部の上面に形成される二層目の平場部及びスロープ部からなるハンプを、舗装材料を用いて道路上に施工するハンプ施工方法であって、
次の(1)~(9)の工程を実施することを特徴とする。
(1)前記矩形平場部を施工する位置の周囲に矩形型枠を設置する矩形型枠設置工程。
(2)前記矩形型枠の高さと前記矩形平場部の高さが一致するように、前記矩形型枠の内側に舗装材料を撒き出しながら打設する矩形平場部打設工程。
(3)前記矩形型枠を取り外す矩形型枠撤去工程。
(4)前記矩形平場部の側辺の延長線に沿ってスロープ用型枠を設置するスロープ用型枠設置工程。
(5)前記一層目のスロープ部の長さが、前記矩形平場部の隅から前記スロープ用型枠の先端までの長さと同じ長さとなるように、前記スロープ用型枠の内側に舗装材料を撒き出しながら打設する一層目のスロープ部打設工程。
(6)前記スロープ用型枠を取り外すスロープ用型枠撤去工程。
(7)前記矩形平場部及び前記一層目のスロープ部の上面に、それらの側辺に対して平行に2本の二層目用型枠を設置する二層目用型枠設置工程。
(8)前記矩形平場部及び前記一層目のスロープ部の上面に、前記二層目用型枠と同じ長さの前記二層目の平場部及びスロープ部のうちの一部又は全部が形成されるように、機械施工によって前記2本の二層目用型枠の内側に舗装材料を撒き出しながら連続的に打設及び転圧する二層目打設転圧工程。
(9)前記二層目用型枠を取り外す二層目用型枠撤去工程。
【0007】
請求項2に係る発明は、請求項1記載のハンプ施工方法において、
前記二層目用型枠撤去工程によって前記二層目の平場部及びスロープ部のうちの一部が形成された後に、次の(10)~(12)の工程を実施することを特徴とする。
(10)前記矩形平場部及び前記一層目のスロープ部の上面に、前記二層目の平場部及びスロープ部の側辺に対して平行に前記二層目用型枠を設置する拡幅二層目用型枠設置工程。
(11)前記矩形平場部及び前記一層目のスロープ部の上面に、前記二層目用型枠と同じ長さの前記二層目の平場部及びスロープ部のうちの一部が形成されるように、機械施工によって前記二層目の平場部及びスロープ部の側縁と前記二層目用型枠との内側に舗装材料を撒き出しながら連続的に打設及び転圧する拡幅二層目打設転圧工程。
(12)前記二層目用型枠を取り外す拡幅二層目用型枠撤去工程。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に係る発明のハンプ施工方法によれば、矩形型枠を設置した後、矩形型枠の高さと矩形平場部の高さが一致するように、矩形型枠の内側に舗装材料を撒き出しながら打設するだけで、表面が平坦な一層目の矩形平場部を形成することができる。
また、矩形平場部及び一層目のスロープ部の上面に、それらの側辺に対して平行に2本の二層目用型枠を設置し、矩形平場部及び一層目のスロープ部の上面に、機械施工によって2本の二層目用型枠の内側に舗装材料を撒き出しながら連続的に打設及び転圧するだけで、二層目用型枠と同じ長さの二層目の平場部及びスロープ部のうちの一部又は全部が形成されるので、規格に沿ったハンプを機械施工で容易に形成できる。
【0009】
請求項2に係る発明によれば、請求項1に係る発明による効果に加えて、二層目の平場部及びスロープ部の側辺に対して平行に二層目用型枠を設置し、機械施工によって二層目の平場部及びスロープ部の側縁と前記二層目用型枠との内側に舗装材料を撒き出しながら連続的に打設及び転圧する拡幅二層目打設転圧工程を加えるだけで、1回の機械施工では形成できない幅のハンプを形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図2】実施例に係るハンプの一層目及び二層目の断面図及び平面図。
【
図3】実施例に係るハンプを施工する際の作業手順を示すフロー図。
【
図4】実施例に係るハンプの一層目を施工する工程を説明するための図。
【
図5】実施例に係るハンプの二層目を施工する工程を説明するための図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施例によって本発明の実施形態を説明する。
【実施例0012】
図1は実施例に係るハンプの斜視図である。
図1に示すとおり、実施例に係るハンプは、道路1上の任意の箇所に、車両等の進行方向に沿ってスロープ部2、平場部3、スロープ部4を有しており、表面には全面に塗料が塗布されているとともに、路側帯や車線を示す線5及び運転者等にハンプが設置されていることを知らせ注意喚起するための三角形の路面標示6が施されている。
【0013】
図2は実施例に係るハンプの一層目及び二層目の断面図及び平面図である。
実施例に係るハンプは、
図2(A)及び(B)に示すように、路面上に設置される矩形平場部7及び矩形平場部7の前後に設置されるスロープ部8を有する一層目と、
図2(C)及び(D)に示すように、一層目前後の路面、矩形平場部7及びスロープ部8の上面に形成される平場部9及びスロープ部10を有する二層目からなっている。
また、一層目、二層目ともに舗装材料であるアスファルトで形成され、一層目の矩形平場部7及び二層目の平場部9は、厚さ5cm、側辺の長さ2~4mであり、前後辺の長さはハンプを設置する道路幅に応じて適宜決定される。そして、一層目のスロープ部8は側辺の長さが100cm、二層目のスロープ部10は側辺の長さが200cmであるため、一層目及び二層目のスロープ部8、10の傾斜は平均で約5%となる。
【0014】
図3は実施例に係るハンプを施工する際の作業手順を示すフロー図である。
図3に示すとおり、実施例に係るハンプは次の手順1~5により施工する。
(手順1)<準備段階>
既設舗装面の清掃及び墨出しの作業を行う。
(手順2)<一層目の矩形平場部舗設段階>
一層目の矩形平場部7を施工する箇所に矩形状の舗装型枠(矩形型枠)を設置し、人力施工によって矩形型枠内にアスファルト混合物を打設して上面を均し、一層目の平場部の高さが矩形型枠と同じ高さ(5cm)となるようにローラで転圧する。
(手順3)<一層目のスロープ部舗設段階>
矩形型枠を取り外した後、矩形平場部7の四隅に直線状の舗装型枠(スロープ用型枠)を設置し、人力施工によって矩形平場部7の前方側に設置した2本のスロープ用型枠の間及び矩形平場部7の後方側に設置した2本のスロープ用型枠の間にアスファルト混合物を打設して上面を均し、矩形平場部7付近で高さ5cm、長さ1mのスロープ用型枠の先端を結ぶ線上付近で高さが0cmとなるようにローラで転圧する。
【0015】
(手順4)<二層目の舗設段階>
スロープ用型枠を取りした後、一層目前後の路面及び一層目の上面に、側辺に対して平行に直線状の舗装型枠(二層目用型枠)を2本設置し、アスファルトフィニッシャで2本の二層目用型枠の間にアスファルト混合物を撒き出しながら連続的に打設及び転圧する。
なお、二層目の高さは、一層目の上部で二層目用型枠と同じ高さ(5cm)、長さ2mの二層目用型枠の先端を結ぶ線上付近で高さが0cmとなるように施工する。
また、2本の二層目用型枠の間隔は、アスファルトフィニッシャで連続的に打設可能な幅とし、1回でハンプ幅全部の打設ができない場合には、打設済みの二層目の側辺に対して平行に二層目用型枠を1本設置し、アスファルトフィニッシャで二層目の側縁と設置した二層目用型枠の間にアスファルト混合物を撒き出しながら、1回目と同様に連続的に打設及び転圧する。
2回目の舗設でもハンプ幅全部の打設ができない場合には、2回目と同様の舗設を繰り返し、ハンプ幅全部に対する二層目の打設を行う。
(手順5)<表面仕上げ段階>
二層目の表面に塗装や路面標示等を施す。塗装はハンプの表面全体に塗料を塗布したり、合成樹脂を塗布した上で滑り止め用の骨材を散布したりする。
【0016】
図4は実施例に係るハンプの一層目を施工する工程を説明するための図であり、
図5は実施例に係るハンプの二層目を施工する工程を説明するための図である。
本発明は、ハンプの一層目及び二層目を施工する工程に特徴があるので、その工程について詳細に説明する。
【0017】
(1)<矩形型枠設置工程>
図4(A)に示すように、一層目の矩形平場部7を施工する位置の周囲に矩形型枠11を釘やピンにより道路上に固定して設置する。
なお、矩形型枠11の長さ(図の上辺及び下辺の長さ)は2~4m、幅(図の左辺及び右辺の長さ)はハンプを設置する道路の幅に応じた任意の長さであり、矩形型枠11を構成する枠は、幅15cm、高さ5cmの平板である。
(2)<矩形平場部打設工程>
図4(B)に示すように、矩形型枠11の内側にアスファルト混合物を撒き出しながら打設し、上面が矩形型枠11の高さ(5cm)と同じ高さの平面となるような矩形平場部7を形成する。
(3)<矩形型枠撤去工程>
図4(C)に示すように、矩形型枠11を取り外す。
(4)<スロープ用型枠設置工程>
図4(C)に示すように、矩形平場部7の四隅から側辺(図の上辺及び下辺)の延長線に沿って長さ1mのスロープ用型枠12を釘やピンにより道路上に固定して設置する。
なお、スロープ用型枠12を構成する枠も、矩形型枠11を構成する枠と同様、幅15cm、高さ5cmの平板である。
(5)<一層目のスロープ部打設工程>
図4(D)に示すように、矩形平場部7の左上隅に設置されたスロープ用型枠12と左下隅に設置されたスロープ用型枠12の内側及び矩形平場部7の右上隅に設置されたスロープ用型枠12と右下隅に設置されたスロープ用型枠12の内側に、人力施工によってアスファルト混合物を撒き出しながら打設して上面を均し、矩形平場部7付近で高さ5cm、左側に配置されたスロープ用型枠12の先端を結ぶ線上付近及び右側に配置されたスロープ用型枠12の先端を結ぶ線上付近で高さが0cmとなるようにローラで転圧する。
(6)<スロープ用型枠撤去工程>
図4(E)に示すように、スロープ用型枠12を取り外す。
以上の工程(1)~(6)を実施することにより、ハンプの一層目の施工が終了する。
【0018】
(7)<二層目用型枠設置工程>
図5(F)に示すように、二層目用型枠13を2本平行に配置し、釘やピンにより路面及び一層目の上面に固定して設置する。
ここで、二層目用型枠13の路面に固定される部分はいずれも1mであり、2本の二層目用型枠13のうちの一方は一層目の側辺(
図5では上辺)付近に配置し、他方はアスファルトフィニッシャのローラ幅分の間隔をあけて配置する。
なお、二層目用型枠13を構成する枠も、矩形型枠11及びスロープ用型枠12を構成する枠と同様、幅15cm、高さ5cmの平板である。
また、二層目用型枠13は1枚の平板でも良いが、矩形平場部7の上面に固定される長さ2~4mの平板1枚、一層目のスロープ部8の上面に固定される長さ1mの平板2枚、路面に固定される長さ1mの平板2枚で構成しても良い。
(8)<二層目打設転圧工程>
図5(G)に示すように、2本の二層目用型枠13の内側に、アスファルトフィニッシャでアスファルト混合物を撒き出しながら連続的に打設及び転圧し、矩形平場部7及び一層目のスロープ部8の上部で二層目の厚さが5cmとなるようにし、そこから徐々に厚さを小さくして2本の二層目用型枠13の左端を結ぶ線上付近及び右端を結ぶ線上付近で高さが0cmとなるようにする。
(9)<二層目用型枠撤去工程>
図5(H)に示すように、二層目用型枠13を取り外す。
すると、二層目の平場部9及び二層目のスロープ部10が形成される。
ここで、ハンプの幅が小さい場合には、この工程が終了するとハンプが完成するが、ハンプの幅が大きい場合には、二層目の施工を複数回行うことによりハンプが完成する。
そして、本実施例では二層目の施工を2回行うことでハンプが完成するものとする。
(10)<拡幅二層目用型枠設置工程>
図5(G)で用いた2本の二層目用型枠13を取り外した後、
図5(H)に示すように、二層目用型枠13を一層目の側辺(
図5では下辺)に沿って配置し、釘やピンにより路面及び一層目の上面に固定して設置する。
そして、二層目用型枠13の路面に固定される部分は、上述した二層目用型枠設置工程と同様いずれも1mであり、二層目用型枠13と二層目打設転圧工程で形成された二層目の平場部9及び二層目のスロープ部10の側縁との間隔はアスファルトフィニッシャのローラ幅分となるようにする。
(11)<拡幅二層目打設転圧工程>
図5(I)に示すように、二層目の平場部9及び二層目のスロープ部10の側縁14と路面及び一層目の上面に設置された二層目用型枠13の内側に、アスファルトフィニッシャでアスファルト混合物を撒き出しながら連続的に打設及び転圧し、矩形平場部7及び一層目のスロープ部8の上部で二層目の厚さが5cm、側縁14の左端と二層目用型枠13の左端を結ぶ線上付近及び側縁14の右端と二層目用型枠13の右端を結ぶ線上付近で高さが0cmとなるようにする。
(12)<拡幅二層目用型枠撤去工程>
図5(J)に示すように、二層目用型枠13を取り外す。
すると、二層目の平場部9及び二層目のスロープ部10の全部が形成される。
【0019】
実施例に係るハンプ施工方法の変形例を説明する。
(1)実施例においては、矩形型枠11、スロープ用型枠12及び二層目用型枠13はいずれも高さが5cmであったが、矩形型枠11の高さとスロープ用型枠12の一端部の高さが同じで、矩形型枠11と二層目用型枠13の高さの和が9~11cmになっていれば良く、例えば、矩形型枠11と二層目用型枠13の高さの組合せが、7cmと2~4cm、6cmと3~5cm、5cmと4~6cmといった例が考えられる。
(2)実施例のスロープ用型枠12及び二層目用型枠13はいずれも高さが均一(5cm)であったが、スロープ部の傾斜に合わせて先端に近くなるほど低くするとより良い。
また、スロープ部表面の断面形状は直線状でも良いが、スロープ部と路面及び平場部とのすりつけ部がなめらかとなる形状(サインカーブ状等)とすればより良い。
(3)
図4(C)に示すスロープ用型枠設置工程においては、スロープ用型枠12を四隅から4本のスロープ用型枠12を設置したが、矩形平場部7の左端及び右端から左右に突出する2本の長いスロープ用型枠を、矩形平場部7の側辺に沿って設置しても良い。
(4)
図4(D)に示す一層目のスロープ部打設工程においては、ローラで転圧したが、打設のみでも良い。
(5)実施例においては、ハンプの一層目、二層目ともに舗装材料に同じアスファルト混合物を使用したが、一層目には再生粗粒度アスファルト混合物、二層目には再生密粒度アスファルト混合物を使用するとより良い。また、二層目の舗装材料に密粒度ギャップアスファルト混合物などの耐すべり抵抗性、耐流動性を有する特殊合材を使用しても良く、二層目の表面にすべり止め舗装(薄層カラー舗装)の施工を行っても良い。