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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023104467
(43)【公開日】2023-07-28
(54)【発明の名称】型紙切断補助具
(51)【国際特許分類】
   B26B 29/06 20060101AFI20230721BHJP
【FI】
B26B29/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022005465
(22)【出願日】2022-01-18
(71)【出願人】
【識別番号】000105039
【氏名又は名称】クロバー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135389
【弁理士】
【氏名又は名称】臼井 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100086380
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 稔
(74)【代理人】
【識別番号】100103078
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 達也
(74)【代理人】
【識別番号】100130650
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 泰光
(74)【代理人】
【識別番号】100168099
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 伸太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100168044
【弁理士】
【氏名又は名称】小淵 景太
(74)【代理人】
【識別番号】100200609
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 智和
(72)【発明者】
【氏名】山内 英莉
(72)【発明者】
【氏名】岸上 麗奈
【テーマコード(参考)】
3C061
【Fターム(参考)】
3C061AA26
3C061EE02
3C061EE40
(57)【要約】
【課題】 等間隔の縫い代を設定の上で型紙を切断することと、種々な刃に装着可能とすることで利便性の向上を図ることとが可能な型紙切断補助具を提供する。
【解決手段】 補助具A10は、スリット11および第1位置決め部131が設けられたガイド部材10と、ガイド部材10から第1方向に突出し、かつ第2方向Xにおいてスリット11と第1位置決め部131との間に位置する第1保持体21と、第2方向Xにおいて第1保持体21を基準として第1位置決め部131とは反対側に位置し、かつ第1保持体21に対向する第2保持体22とを備える。第2保持体22は、第1保持体21に接触しうる位置まで第2方向Xに移動可能である。第2保持体22を第1保持体21に接触させると、前記第1方向に視て第2保持体22がスリット11に重なる。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に貫通するスリットと、前記第1方向に対して直交する第2方向において前記スリットから離れて位置する第1位置決め部と、が設けられたガイド部材と、
前記ガイド部材から前記第1方向に突出し、かつ前記第2方向において前記スリットと前記第1位置決め部との間に位置する第1保持体と、
前記第2方向において前記第1保持体を基準として前記第1位置決め部とは反対側に位置し、かつ前記第1保持体に対向する第2保持体と、を備え、
前記第2保持体は、前記第1保持体に接触しうる位置まで前記第2方向に移動可能であり、
前記第2保持体を前記第1保持体に接触させると、前記第1方向に視て前記第2保持体が前記スリットに重なる、型紙切断補助具。
【請求項2】
前記第2方向において前記第2保持体を基準として前記第1保持体とは反対側に位置し、かつ前記第2保持体に接触する復元力発生手段をさらに備え、
前記第2方向において前記第1保持体から離れる側に前記第2保持体を移動させると、前記復元力発生手段は、前記第2方向において前記第1保持体に近づく側への復元力を発生する、請求項1に記載の型紙切断補助具。
【請求項3】
前記ガイド部材の一部を覆い、かつ前記復元力発生手段が収容されるカバーをさらに備え、
前記第2保持体は、前記カバーに収容された基部と、前記第1方向において前記第1保持体が突出する側に前記基部から突出するレバー部と、を有し、
前記カバーには、前記第1方向に貫通し、かつ前記第2方向に延びる開口が設けられており、
前記レバー部は、前記開口から外部に突出している、請求項2に記載の型紙切断補助具。
【請求項4】
前記カバーは、前記復元力発生手段に対向する内側面を有し、
前記復元力発生手段は、前記内側面に接触しており、
前記ガイド部材には、前記第1方向において前記第1保持体が突出する側とは反対側に凹み、かつ前記第2方向に延びる溝が設けられており、
前記基部は、前記溝に配置されている、請求項3に記載の型紙切断補助具。
【請求項5】
前記第1方向に視て、前記第1保持体は、前記スリットにつながっており、
前記第1方向において前記第1保持体が突出する側に前記ガイド部材から突出する突起をさらに備え、
前記突起は、前記第2方向において前記第1保持体と前記スリットとの境界に位置する、請求項1ないし4のいずれかに記載の型紙切断補助具。
【請求項6】
前記ガイド部材は、前記第1方向および前記第2方向に対して直交する第3方向を向き、かつ前記スリットを規定する第1面を有し、
前記第1面は、前記第3方向において前記第1保持体を基準として前記突起とは反対側に位置しており、
前記突起は、前記第1方向において前記ガイド部材から離れて位置する第2面を有し、
前記第2面は、前記第3方向において前記第1面に近づくほど前記第1方向において前記スリットに近づく側に傾斜している、請求項5に記載の型紙切断補助具。
【請求項7】
前記第2方向に視て、前記第1面から延びる第1延長線と、前記第2面から延びる第2延長線と、は、前記第1方向において前記スリットを基準として前記第1保持体が位置する側とは反対側で交差する、請求項6に記載の型紙切断補助具。
【請求項8】
前記ガイド部材には、前記第2方向において前記第1保持体と前記第1位置決め部との間に位置する第2位置決め部が設けられている、請求項1ないし7のいずれかに記載の型紙切断補助具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手芸用型紙を切断する際に用いる型紙切断補助具に関する。
【背景技術】
【0002】
布製のバッグなどを家庭で作製する際に用いられる手芸用型紙には、出来上がり線と、当該出来上がり線に対して等間隔の縫い代を設定する必要がある。特許文献1には、等間隔の縫い代を設定しつつ型紙を切断する裁断具が開示されている。
【0003】
特許文献1に開示されている裁断具は、切断刃と、切断刃から所定の間隔で離れて位置するラインガイドとを備える。ラインガイドを型紙の出来上がり線に合わせ、かつ型紙に切断刃を入れた上で当該裁断具を出来上がり線に沿って移動させると、等間隔の縫い代が設定された型紙を得ることができる。
【0004】
しかし、特許文献1に開示されている裁断具は、切断刃が専用のものである。したがって、市販の種々のカッターナイフなどを当該裁断具に装着することができないため、利便性に劣る。さらに、当該裁断具においては、等間隔の縫い代は、単一寸法しか設定できないという課題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開平3-24064号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記事情に鑑み、等間隔の縫い代を設定の上で型紙を切断することと、種々な刃に装着可能とすることで利便性の向上を図ることとが可能な型紙切断補助具を提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によって提供される型紙切断補助具は、第1方向に貫通するスリットと、前記第1方向に対して直交する第2方向において前記スリットから離れて位置する第1位置決め部と、が設けられたガイド部材と、前記ガイド部材から前記第1方向に突出し、かつ前記第2方向において前記スリットと前記第1位置決め部との間に位置する第1保持体と、前記第2方向において前記第1保持体を基準として前記第1位置決め部とは反対側に位置し、かつ前記第1保持体に対向する第2保持体と、を備え、前記第2保持体は、前記第1保持体に接触しうる位置まで前記第2方向に移動可能であり、前記第2保持体を前記第1保持体に接触させると、前記第1方向に視て前記第2保持体が前記スリットに重なる。
【0008】
本発明の実施において好ましくは、前記第2方向において前記第2保持体を基準として前記第1保持体とは反対側に位置し、かつ前記第2保持体に接触する復元力発生手段をさらに備え、前記第2方向において前記第1保持体から離れる側に前記第2保持体を移動させると、前記復元力発生手段は、前記第2方向において前記第1保持体に近づく側への復元力を発生する。
【0009】
本発明の実施において好ましくは、前記ガイド部材の一部を覆い、かつ前記復元力発生手段が収容されるカバーをさらに備え、前記第2保持体は、前記カバーに収容された基部と、前記第1方向において前記第1保持体が突出する側に前記基部から突出するレバー部と、を有し、前記カバーには、前記第1方向に貫通し、かつ前記第2方向に延びる開口が設けられており、前記レバー部は、前記開口から外部に突出している。
【0010】
本発明の実施において好ましくは、前記カバーは、前記復元力発生手段に対向する内側面を有し、前記復元力発生手段は、前記内側面に接触しており、前記ガイド部材には、前記第1方向において前記第1保持体が突出する側とは反対側に凹み、かつ前記第2方向に延びる溝が設けられており、前記基部は、前記溝に配置されている。
【0011】
本発明の実施において好ましくは、前記第1方向に視て、前記第1保持体は、前記スリットにつながっており、前記第1方向において前記第1保持体が突出する側に前記ガイド部材から突出する突起をさらに備え、前記突起は、前記第2方向において前記第1保持体と前記スリットとの境界に位置する。
【0012】
本発明の実施において好ましくは、前記ガイド部材は、前記第1方向および前記第2方向に対して直交する第3方向を向き、かつ前記スリットを規定する第1面を有し、前記第1面は、前記第3方向において前記第1保持体を基準として前記突起とは反対側に位置しており、前記突起は、前記第1方向において前記ガイド部材から離れて位置する第2面を有し、前記第2面は、前記第3方向において前記第1面に近づくほど前記第1方向において前記スリットに近づく側に傾斜している。
【0013】
本発明の実施において好ましくは、前記第2方向に視て、前記第1面から延びる第1延長線と、前記第2面から延びる第2延長線と、は、前記第1方向において前記スリットを基準として前記第1保持体が位置する側とは反対側で交差する。
【0014】
本発明の実施において好ましくは、前記ガイド部材には、前記第2方向において前記第1保持体と前記第1位置決め部との間に位置する第2位置決め部が設けられている。
【発明の効果】
【0015】
本発明にかかる型紙切断補助具によれば、等間隔の縫い代を設定の上で型紙を切断することと、種々な刃に装着可能とすることで利便性の向上を図ることとが可能である。
【0016】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面に基づき以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の第1実施形態にかかる型紙切断補助具の斜視図である。
図2図1に示す型紙切断補助具の平面図である。
図3図1に示す型紙切断補助具の底面図である。
図4図1に示す型紙切断補助具の右側面図である。
図5図2のV-V線に沿う断面図である。
図6図2のVI-VI線に沿う断面図である。
図7図2のVII-VII線に沿う断面図である。
図8図1に示す型紙切断補助具の使用状態を説明する平面図である。
図9図8のIX-IX線に沿う断面図である。
図10】本発明の第2実施形態にかかる型紙切断補助具の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明を実施するための形態について、添付図面に基づいて説明する。
【0019】
〔第1実施形態〕
図1図7に基づき、本発明の第1実施形態にかかる型紙切断補助具(以下「補助具A10」と呼ぶ。)について説明する。補助具A10は、ガイド部材10、第1保持体21、第2保持体22、2つの突起23、復元力発生手段30およびカバー40を備える。補助具A10は、復元力発生手段30を除き樹脂を含む材料からなる。ただし、補助具A10の材料は、これに限定されない。
【0020】
補助具A10の説明においては、第1保持体21がガイド部材10から突出する方向を「第1方向Z」と呼ぶ。第1方向Zに対して直交する方向を「第2方向X」と呼ぶ。第1方向Zおよび第2方向Xに対して直交する方向を「第3方向Y」と呼ぶ。
【0021】
ガイド部材10は、図1および図2に示すように、第2方向Xに延びている。ガイド部材10は、たとえば、ポリカーボネートを含む透明の樹脂材料からなる。ガイド部材10には、スリット11、切断基準部12、複数の位置決め部13、溝14、および複数の支持孔15が設けられている。
【0022】
図5に示すように、スリット11は、ガイド部材10を第1方向Zに貫通している。スリット11は、第3方向Yに延びている。ガイド部材10は、第3方向Yを向く第1面101および第3面102を有する。第1面101および第3面102は、スリット11を規定している。第1面101および第3面102は、互いに対向している。
【0023】
図2に示すように、第1方向Zに視て、スリット11は、第1保持体21につながっている。これにより、ガイド部材10は、スリット11と第1保持体21との境である境界103を有する。境界103は、第3方向Yにおいてスリット11を基準として互いに反対側に位置する2つの点である。
【0024】
図2に示すように、切断基準部12の第2方向Xの位置は、境界103の第2方向Xの位置に等しい。補助具A10においては、切断基準部12は、第3方向Yにおいてスリット11を基準として互いに反対側に位置する2つの線を含む。当該2つの線は、第3方向Yに延び、かつガイド部材10の第3方向Yの両側の縁に到達している。
【0025】
図2に示すように、複数の位置決め部13は、第2方向Xにおいてスリット11から離れて位置する。複数の位置決め部13は、いずれも第2方向Xにおいて第1保持体21を基準としてスリット11とは反対側に位置する。複数の位置決め部13の各々は、切断基準部12から第2方向Xにおいて所定の間隔で離れている。補助具A10においては、複数の位置決め部13のは、第3方向Yに延びる線を含む。複数の位置決め部13は、ガイド部材10の第3方向Yの両側の縁に到達している。
【0026】
図2に示すように、複数の位置決め部13は、第1位置決め部131および第2位置決め部132の2つを含む。ただし、複数の位置決め部13の数は、これに限定されず、自在に設定可能である。第2位置決め部132は、第2方向Xにおいて第1保持体21と第1位置決め部131との間に位置する。
【0027】
図6および図7に示すように、溝14は、第1方向Zにおいて第1保持体21がガイド部材10から突出する側とは反対側に凹み、かつ第2方向Xに延びている。溝14は、第2方向Xにおいてスリット11を基準として第1保持体21とは反対側に位置する。溝14は、スリット11につながっている。
【0028】
図3に示すように、複数の支持孔15は、第1方向Zに視て溝14の周囲に位置する。複数の支持孔15は、ガイド部材10を第1方向Zに貫通している。
【0029】
第1保持体21は、図1および図4に示すように、先述のとおりガイド部材10から第1方向Zに突出している。第1保持体21は、第2方向Xにおいてスリット11と複数の位置決め部13との間に位置する。補助具A10においては、第1保持体21は、ガイド部材10と一体成形されている。したがって、第1保持体21の材料は、ガイド部材10の材料と同一である。この他、第1保持体21は、ガイド部材10に接合され、かつガイド部材10の材料とは異なる材料からなる場合でもよい。
【0030】
図2図4および図7に示すように、第1保持体21は、第1保持面211を有する。第1保持面211は、第2方向Xにおいて第2保持体22に対向する側を向く。
【0031】
第2保持体22は、図1および図2に示すように、第2方向Xにおいて第1保持体21を基準として複数の位置決め部13とは反対側に位置する。第2保持体22は、第1保持体21に対向している。第2保持体22は、たとえば、ABS樹脂を含む樹脂材料からなる。図2および図7に示すように、第2保持体22は、基部221、レバー部222および連結部223を有する。
【0032】
図6および図7に示すように、基部221は、ガイド部材10の溝14に配置されている。基部221は、溝14に沿って第2方向Xに滑動可能とされている。基部221は、第2保持面221Aを有する。第2保持面221Aは、第1保持体21の第1保持面211に対向している。
【0033】
図5図7に示すように、レバー部222は、第1方向Zにおいて第1保持体21がガイド部材10から突出する側に基部221から突出している。レバー部222は、第2方向Xにおいて第1保持体21よりも復元力発生手段30の近くに位置する。
【0034】
図2および図7に示すように、連結部223は、第2方向Xにおいて第1保持体21と対向する側とは反対側に基部221から突出している。連結部223は、レバー部222に隣接している。
【0035】
先述のとおり基部221がガイド部材10の溝14に沿って第2方向Xに滑動可能とされていることにより、第2保持体22は、第2方向Xに移動可能である。第2方向Xにおいて第1保持体21に近づく側に第2保持体22を移動させると、基部221の第2保持面221Aが第1保持体21の第1保持面211に接触しうる位置まで第2保持体22が移動する。図2および図3に示すように、第2保持面221Aを第1保持面211に接触させると、第1方向Zに視て基部221がガイド部材10のスリット11に重なる。
【0036】
2つの突起23は、図1および図4に示すように、第1方向Zにおいて第1保持体21がガイド部材10から突出する側にガイド部材10から突出している。2つの突起23の各々の第1方向Zの寸法は、第1保持体21の第1方向Zの寸法よりも小さい。補助具A10においては、2つの突起23は、ガイド部材10と一体成形されている。したがって、2つの突起23の材料は、ガイド部材10の材料と同一である。
【0037】
図2に示すように、2つの突起23は、第1突起231および第2突起232を含む。第1突起231および第2突起232は、第3方向Yにおいて第1保持体21を基準として互いに反対側に位置する。さらに第1突起231および第2突起232は、ガイド部材10の境界103に位置する。第1突起231は、第3方向Yにおいてガイド部材10の第1面101よりも第3面102の近くに位置する。したがって、第1面101は、第3方向Yにおいて第1保持体21を基準して第1突起231とは反対側に位置する。
【0038】
図5に示すように、第1突起231は、ガイド部材10から離れて位置する第2面231Aを有する。第2面231Aは、第3方向Yにおいてガイド部材10の第1面101に近づくほど第1方向Zにおいてスリット11に近づく側に傾斜している。第3方向Yに対する第2面231Aの傾斜角は、たとえば30°である。
【0039】
図5に示すように、第2方向Xに視て、ガイド部材10の第1面101から延びる第1延長線L1と、第1突起231の第2面231Aから延びる第2延長線L2とは、第1方向Zにおいてガイド部材10のスリット11を基準として第1保持体21が位置する側とは反対側において交点P1で交差する。
【0040】
図5に示すように、第2突起232は、ガイド部材10から離れて位置する第4面232Aを有する。第4面232Aは、第3方向Yにおいてガイド部材10の第3面102に近づくほど第1方向Zにおいてスリット11に近づく側に傾斜している。第3方向Yに対する第4面232Aの傾斜角は、たとえば30°である。
【0041】
図5に示すように、第2方向Xに視て、ガイド部材10の第3面102から延びる第3延長線L3と、第2突起232の第4面232Aから延びる第4延長線L4とは、第1方向Zにおいてガイド部材10のスリット11を基準として第1保持体21が位置する側とは反対側において交点P2で交差する。
【0042】
復元力発生手段30は、図1図2および図7に示すように、第2保持体22を基準として第1保持体21とは反対側に位置する。復元力発生手段30は、第2保持体22に接触している。第2方向Xにおいて第1保持体21から離れる側に第2保持体22を移動させると、復元力発生手段30は、第2方向Xにおいて第1保持体21に近づく側への復元力を発生する。当該復元力により、第2保持体22は、第1保持体21に接触しうる位置まで移動する。さらに、第2保持体22の基部221の第2保持面221Aが第1保持体21の第1保持面211に接触すると、第1保持面211には第2方向Xの圧縮力が作用し、かつ第2保持面221Aには当該圧縮力の反力が作用する。これにより、第1保持面211および第2保持面221Aは、互いに押しつけ合う状態をとる。
【0043】
補助具A10においては、復元力発生手段30は、第2方向Xに圧縮可能なコイルバネである。当該コイルバネは、たとえばステンレス鋼からなる。当該コイルバネの一端は、第2保持体22の連結部223に差し込まれている。これにより、復元力発生手段30は、第2保持体22に接触し、かつ保持された状態をとる。
【0044】
カバー40は、図5図7に示すように、ガイド部材10の一部を覆っている。第2保持体22の基部221および連結部223と、復元力発生手段30とは、カバー40に収納されている。カバー40は、たとえば、ABS樹脂を含む樹脂材料からなる。図4に示すように、カバー40は、主部41、壁部42、および複数の支持部43を有する。
【0045】
図1および図2に示すように、主部41は、第2方向Xに延びている。第2保持体22の基部221および連結部223と、復元力発生手段30とは、主部41に覆われている。図7に示すように、主部41は、開口411および内側面412を有する。図5図7に示すように、開口411は、第1方向Zに主部41を貫通している。開口411は、第2方向Xに延びている。第2保持体22のレバー部222は、開口411に挿通されている。レバー部222は、開口411から外部に露出している。図7に示すように、内側面412は、第2方向Xにおいて復元力発生手段30を基準として第2保持体22の基部221とは反対側に位置する。内側面412は、復元力発生手段30に対向している。復元力発生手段30は、内側面412に接触している。
【0046】
図1および図4に示すように、壁部42は、第1方向Zにおいて第1保持体21がガイド部材10から突出する側に主部41から突出している。壁部42は、第2方向Xにおいて第2保持体22を基準として第1保持体21とは反対側に位置する。壁部42は、第2保持体22のレバー部222に対向している。
【0047】
図4に示すように、複数の支持部43は、第1方向Zにおいて第1保持体21がガイド部材10から突出する側とは反対側に主部41から突出している。図3に示すように、複数の支持部43は、ガイド部材10の複数の支持孔15に個別に差し込まれている。これにより、カバー40は、ガイド部材10に保持された状態をとる。
【0048】
次に、図8および図9に基づき、補助具A10の使用状態について説明する。
【0049】
最初に、図8および図9に示すように、補助具A10を刃50に装着する。刃50は、市販されている種々のカッターナイフである。補助具A10の装着にあたっては、以下の手順により行う。まず、第2保持体22のレバー部222と、カバー40の壁部42とを指で強くつまむことにより、第2方向Xにおいて第1保持体21から離れる側に第2保持体22を移動させる。次いで、ガイド部材10のスリット11に刃50を挿通させ、かつ刃50を第1保持体21の第1保持面211に接触させる。最後にレバー部222および壁部42から指を離すと、復元力発生手段30の復元力により第2保持体22が第1保持体21に向けて移動し、かつ第2保持体22の基部221の第2保持面221Aが刃50に接触する。これにより、第2方向Xの圧縮力が刃50に作用しつつ、第1保持面211と第2保持面221Aとに刃50が挟み込まれた状態となる。以上により、補助具A10の装着が完了する。
【0050】
次いで、図8に示すように、ガイド部材10の複数の位置決め部13のいずれかを型紙60の出来上がり線61に合わせる。図8に示す例では、第1位置決め部131を出来上がり線61に合わせている。その状態で、出来上がり線61から第1位置決め部131がずれないように補助具A10を出来上がり線61に沿って移動させながら刃50で型紙60を切断すると、型紙60には切断線62が形成され、かつ型紙60には等間隔の縫い代63が設定される。この際、ガイド部材10の切断基準部12は、切断線62の上を通る。
【0051】
図9に示すように、補助具A10を刃50に装着すると、2つの突起23のいずれかに刃50を支持させることができる。図9に示す例は、刃50を第1突起231に支持させた場合である。この場合において、刃50は、第1突起231の第2面231Aに接触する。この状態で刃50を第3方向Yにおいて第2突起232に近づく側に移動させると、刃50は、ガイド部材10の第1面101に接触する。このとき、第2方向Xに視て、刃50の先端は、第1延長線L1と第2延長線L2との交点P1の位置に略一致する。
【0052】
図9に示す例とは他に、刃50を第2突起232に支持させた場合、刃50は、第2突起232の第4面232Aに接触する。この状態で刃50を第3方向Yにおいて第1突起231に近づく側に移動させると、刃50は、ガイド部材10の第3面102に接触する。このとき、第2方向Xに視て、刃50の先端は、第3延長線L3と第4延長線L4との交点P2の位置に略一致する。
【0053】
次に、補助具A10の作用効果について説明する。
【0054】
補助具A10は、スリット11および第1位置決め部131が設けられたガイド部材10と、ガイド部材10から第1方向Zに突出する第1保持体21と、第1保持体21に対抗する第2保持体22とを備える。第1保持体21は、第2方向Xにおいてスリット11と第1位置決め部131との間に位置する。第2保持体22は、第2方向Xにおいて第1保持体21を基準として第1位置決め部131とは反対側に位置し、かつ第1保持体21に接触しうる位置まで第2方向Xに移動可能である。第2保持体22を第1保持体21に接触させると、第1方向Zに視て第2保持体22がスリット11に重なる。本構成をとることにより、刃50をスリット11に挿通させた上で、第1保持体21と第2保持体22により刃50を挟み込むことができる。これにより、補助具A10を種々のカッターナイフの刃50に装着することができる。さらに、図8に示すように、第1位置決め部131を型紙60の出来上がり線61に合わせた上で、補助具A10を出来上がり線61に沿って移動されながら刃50で型紙60を切断すると、切断された型紙60に等間隔の縫い代63を設定することができる。したがって、補助具A10によれば、等間隔の縫い代63を設定の上で型紙60を切断することと、種々な刃50に装着可能とすることで利便性の向上を図ることとが可能となる。
【0055】
補助具A10は、第2方向Xにおいて第2保持体22を基準として第1保持体21とは反対側に位置し、かつ第2保持体22に接触する復元力発生手段30をさらに備える。本構成をとることにより、復元力発生手段30の復元力により第2保持体22を第1保持体21に押しつけることができる。これにより、比較的簡易な構造によって、第1保持体21と第2保持体22とにより刃50を強固に挟み込むことができる。
【0056】
補助具A10は、ガイド部材10の一部を覆い、かつ復元力発生手段30が収容されるカバー40をさらに備える。第2保持体22は、カバー40に収容された基部221と、第1方向Zにおいて第1保持体21が突出する側に基部221から突出するレバー部222とを有する。レバー部222は、カバー40に設けられた開口411から外部に突出している。本構成をとることにより、基部221をカバー40に収容させた場合であってもレバー部222に指を押し当てることによって、第2保持体22の第2方向Xの移動が可能である。
【0057】
カバー40は、復元力発生手段30に対向する内側面412を有する。復元力発生手段30は、内側面412に接触している。本構成をとることにより、内側面412が復元力発生手段30の固定端となるため、第2方向Xにおいて第1保持体21から遠ざかる側に第2保持体22を移動させた場合であっても、復元力発生手段30に第2方向Xの圧縮力を導入できる。これにより、復元力発生手段30に復元力が確実に発生する。
【0058】
ガイド部材10には、第1方向Zにおいて第1保持体21が突出する側とは反対側に凹み、かつ第2方向Xに延びる溝14が設けられている。第2保持体22の基部221は、溝14に配置されている。本構成をとることにより、第2保持体22が第2方向Xに移動する際、第2保持体22の第3方向Yの移動を規制することができる。
【0059】
補助具A10は、第1方向Zにおいて第1保持体21が突出する側にガイド部材10から突出する第1突起231を備える。第1突起231は、第2方向Xにおいて第1保持体21とガイド部材10のスリット11との境界103に位置する。本構成をとることにより、刃50をスリット11に挿通させる際、刃50を第1突起231に支持させることにより、スリット11の周辺に位置するガイド部材10の部分が刃50により損傷することを防止できる。
【0060】
ガイド部材10は、第3方向Yを向き、かつスリット11を規定する第1面101を有する。第1面101は、第3方向Yにおいて第1保持体21を基準として第1突起231とは反対側に位置する。第1突起231は、第1方向Zにおいてガイド部材10から離れて位置する第2面231Aを有する。第2面231Aは、第3方向Yにおいて第1面101に近づくほど、第1方向Zにおいてスリット11に近づく側に傾斜している。本構成をとることにより、第2面231Aの全体に刃50を接触させると、補助具A10を刃50に装着した際、第3方向Yに対して刃50が所定の角度で傾斜した姿勢を保持することができる(図9参照)。
【0061】
第2方向Xに視て、ガイド部材10の第1面101から延びる第1延長線L1と、第1突起231の第2面231Aから延びる第2延長線L2は、第1方向Zにおいてガイド部材10のスリット11を基準として第1保持体21が位置する側とは反対側で交差する。本構成をとることにより、図9に示すように、第1面101が刃50の第3方向Yの移動を規制させ、かつ第1方向Zにおいて第1保持体21が突出する側とは反対側にスリット11から突出する刃50の突出量を規制することができる。
【0062】
ガイド部材10には、第2方向Xにおいて第1保持体21と第1位置決め部131との間に位置する第2位置決め部132が設けられている。本構成をとることにより、型紙60に設定される等間隔の縫い代63を複数の寸法から選択することができる。
【0063】
〔第2実施形態〕
図10に基づき、本発明の第2実施形態にかかる型紙切断補助具(以下「補助具A20」と呼ぶ。)について説明する。これらの図において、先述した補助具A10と同一、または類似の要素には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
【0064】
補助具A20においては、ガイド部材10の構成が、補助具A10の当該構成と異なる。
【0065】
図10に示すように、ガイド部材10には、第1方向Zに貫通し、かつ第2方向Xに延びる窓16が形成されている。窓16は、第2方向Xにおいて第1保持体21を基準としてガイド部材10のスリット11とは反対側に位置する。複数の位置決め部13の各々は、第3方向Yにおいて窓16を基準として2つに分断されている。
【0066】
次に、補助具A20の作用効果について説明する。
【0067】
補助具A20は、スリット11および第1位置決め部131が設けられたガイド部材10と、ガイド部材10から第1方向Zに突出する第1保持体21と、第1保持体21に対抗する第2保持体22とを備える。第1保持体21は、第2方向Xにおいてスリット11と第1位置決め部131との間に位置する。第2保持体22は、第2方向Xにおいて第1保持体21を基準として第1位置決め部131とは反対側に位置し、かつ第1保持体21に接触しうる位置まで第2方向Xに移動可能である。第2保持体22を第1保持体21に接触させると、第1方向Zに視て第2保持体22がスリット11に重なる。したがって、補助具A20によっても、等間隔の縫い代63を設定の上で型紙60を切断することと、種々な刃50に装着可能とすることで利便性の向上を図ることとが可能となる。さらに、補助具A20は、補助具A10と共通する構成を具備することにより、補助具A10と同等の作用効果を奏する。
【0068】
補助具A20においては、ガイド部材10には、窓16が設けられている。複数の位置決め部13の各々は、第3方向Yにおいて窓16を基準として2つに分断されている。本構成をとることにより、型紙60の出来上がり線61を窓16から視認することができる。これにより、出来上がり線61に対する複数の位置決め部13のいずれかの位置合わせを精度よく行うことができる。
【0069】
本発明は、先述した実施形態に限定されるものではない。本発明の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【符号の説明】
【0070】
A10,A20:補助具、10:ガイド部材、101:第1面、102:第3面、103:境界、11:スリット、12:切断基準部、13:位置決め部、131:第1位置決め部、132:第2位置決め部、14:溝、15:支持孔、16:窓、21:第1保持体、211:第1保持面、22:第2保持体、221:基部、221A:第2保持面、222:レバー部、223:連結部、23:突起、231:第1突起、231A:第2面、232:第2突起、232A:第4面、30:復元力発生手段、40:カバー、41:主部41、411:開口、412:内側面、42:壁部、43:支持部、50:刃、60:型紙、61:出来上がり線、62:切断線、63:縫い代、L1:第1延長線、L2:第2延長線、L3:第3延長線、L4:第4延長線、P1,P2:交点
図1
図2
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図10