(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023104524
(43)【公開日】2023-07-28
(54)【発明の名称】充電ボックス設備
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20230721BHJP
A62C 3/16 20060101ALI20230721BHJP
A62C 35/10 20060101ALI20230721BHJP
A62D 1/06 20060101ALI20230721BHJP
【FI】
H02J7/00 301A
H02J7/00 S
A62C3/16 C
A62C35/10
A62D1/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022005557
(22)【出願日】2022-01-18
(71)【出願人】
【識別番号】503171913
【氏名又は名称】サコス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082658
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 儀一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100221615
【弁理士】
【氏名又は名称】竹本 祐子
(72)【発明者】
【氏名】原 甲太
【テーマコード(参考)】
2E189
2E191
5G503
【Fターム(参考)】
2E189BA07
2E191AA06
2E191AB51
2E191AC08
5G503AA01
5G503BA02
5G503BB01
5G503EA01
5G503FA01
5G503FA18
(57)【要約】 (修正有)
【課題】バッテリーを安全・安心、かつ、簡易操作で充電でき、貴重品も保管することができる防犯性と施錠忘れや置き忘れを防止する機能の両立を図ることを可能とし、さらには充電ボックス内でバッテリーが発火したときに迅速に初期消火出来る充電ボックス設備を提供する。
【解決手段】電気製品のバッテリー充電が出来る複数個の充電ボックス2を備えた充電ボックス設備1であって、充電ボックス2内には充電用電源を備え、表面には錠により施解錠可能な開閉扉5を有する。開閉扉5には、錠が施錠されたとき、内掛け部材が回動して内部照明装置の通電スイッチをオンし、かつ、通電スイッチオンにより開閉扉5表面を透明状態にして内部可視可能となるよう透明不透明手段が通電動作してなる。各充電ボックス2の内部には、内部が所定温度以上に上昇したとき、消火出来る消火シートが取り付けられる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気製品のバッテリー充電が出来る複数個の充電ボックスを備えた充電ボックス設備であり、前記充電ボックス内には充電用電源を備え、表面には錠により施解錠可能に構成された開閉扉を有し、
前記開閉扉には、錠が施錠されたとき、内掛け部材が回動して内部照明装置の通電スイッチをオンとし、かつ前記通電スイッチオンにより開閉扉表面を透明状態にして内部可視可能となるよう透明不透明手段が通電動作してなり、
前記各充電ボックスの内部には内部が所定温度以上に上昇したとき、エアロゾル状の液体を放出して消火出来る消火シートが取り付けられた、
ことを特徴とする充電ボックス設備。
【請求項2】
前記透明不透明手段は、通電、不通電により透明、不透明状態になる調光パネルである、
ことを特徴とする請求項1記載の充電ボックス設備。
【請求項3】
前記消火シートは、消火薬剤として、結合剤、塩素酸塩及びカリウム塩を含有して構成し、結合剤として、ポリエステル樹脂、ポリスチレン、ポリオレ フィン樹脂、ポリウレタン樹脂が用いられ、前記塩素酸塩とカリウム塩との燃焼により熱エネルギーを発生させ、エアロゾルを発生させて消火成分のカリウムラジカルを放出し、負触媒効果によって燃焼の連鎖を断ち切る、
ことを特徴とする請求項1または請求項2記載の充電ボックス設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動工具やスマートフオンなど電気製品のバッテリーを充電する充電ボックス設備に係り、特に、充電ボックス内においてバッテリーの異常などによる発火を検知して初期消火できる機能を備え、かつ充電ボックス空き状況の場合は透明になって内部が確認でき、使用中の場合は不透明になって内部の状態が確認できない窓を前面扉に備えた充電ボックス設備に関するものである。
【背景技術】
【0002】
建築や土木工事現場での作業において、締め付け・穴あけ・研削・切断・ハツリ・送風などを行うあらゆる作業でコードレスの充電式電動工具が一般に広く普及している。
これらの充電式電動工具を長時間使用する場合には、作業の合間に電源が取得できる場所でバッテリーを充電するか、それでも充電が追い付かない場合には、交換用のバッテリーを用意し、一方のバッテリーを充電している間に、もう一方のバッテリーを作業で使用し、順繰りに充電しながら作業を行っている。
【0003】
ここで、充電式電動工具のバッテリーを充電するための電源を取得できる場所は、作業場所から離れていることもあり、特に目が行き届かない場所では、バッテリーや充電器を盗難されたり、他の作業者が自分のものと勘違いして持ち出してしまう恐れがあった。
特に、高層ビルや商業施設などの大規模な建設現場では、複数の業者が出入りするため、盗難や誤認により持ち出されて紛失するリスクが高まる。
【0004】
ところで、工事現場には、詰所と呼ばれる仮設の建物内に、あるいはその近辺に、作業者の着替えや貴重品などを収納する一般的なロッカーが設置されていることが多い。しかしながら、前記ロッカー内で電源が取得できる設備は少なく、詰所やその近辺に設けられた電源コンセント、あるいは現場内の仮設分電盤など、複数の作業者が共有で使用し、かつ人目に多く触れる場所でバッテリーの充電を余儀なくされていたのが現状である。
【0005】
また近年では、充電式電動工具に純正のバッテリーではなく、安価な非純正の互換バッテリーを購入して使用し、該バッテリーが経年劣化により、充電中に異常発熱を起こし、発火する事故が急激に増加することが指摘されている。
そして、発火した場合には、発火した該バッテリーから近くの資材に燃え移ることが懸念されており、工事現場や工場などで火災につながる事例も数多く発生している。
【0006】
しかるに、従来では、電動アシスト自転車のバッテリーを充電するために、格納部に電源を設け、電源部に充電器が接続された充電ロッカーの発明が提案され、開示されている。また、複数の同時並行的な充電が行われても、使用電力が商用電源で供給し得る電力を越えないように配慮され、点検ができる限り簡便かつ確実に行える充電ロッカー、および内部で発生する火災から収納物品が保護される消火充電ボックスも提案されて開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2013-66315号公報
【特許文献2】実用新案登録第3233554号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、前記従来からの提案をさらに向上させて創案され、また種々の従来課題に対処すべく創案されたものであって、充電式電動工具やスマートフオンなどのバッテリーを安全・安心、且つ簡易操作で充電でき、バッテリーやその他の貴重品も保管することができる防犯性と施錠忘れや置き忘れを防止する機能の両立を図ることを可能とし、さらには充電ボックス内でバッテリーが発火したときに迅速に初期消火出来る充電ボックス設備を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明による充電ボックス設備は、
電気製品のバッテリー充電が出来る複数個の充電ボックスを備えた充電ボックス設備であり、前記充電ボックス内には充電用電源を備え、表面には錠により施解錠可能に構成された開閉扉を有し、
前記開閉扉には、錠が施錠されたとき、内掛け部材が回動して内部照明装置の通電スイッチをオンとし、かつ前記通電スイッチオンにより開閉扉表面を透明状態にして内部可視可能となるよう透明不透明手段が通電動作してなり、
前記各充電ボックスの内部には内部が所定温度以上に上昇したとき、エアロゾル状の液体を放出して消火出来る消火シートが取り付けられた、
ことを特徴とし、
または、
前記透明不透明手段は、通電、不通電により透明、不透明状態になる調光パネルである、
ことを特徴とし、
または、
前記消火シートは、消火薬剤として、結合剤、塩素酸塩及びカリウム塩を含有して構成し、結合剤として、ポリエステル樹脂、ポリスチレン、ポリオレ フィン樹脂、ポリウレタン樹脂が用いられ、前記塩素酸塩とカリウム塩との燃焼により熱エネルギーを発生させ、エアロゾルを発生させて消火成分のカリウムラジカルを放出し、負触媒効果によって燃焼の連鎖を断ち切る、
ことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の充電ボックス設備によれば、充電式電動工具やスマートフオンなどのバッテリーを安全・安心、且つ簡易操作で充電でき、バッテリーやその他の貴重品も保管することができる防犯性と施錠忘れや置き忘れを防止する機能の両立を図ることを可能とし、さらには充電ボックス内でバッテリーが発火したときに迅速に初期消火出来る充電ボックス設備を提供することを目的とするものである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】充電ボックス設備の概略構成を説明する概略構成説明図である。
【
図2】調光パネルの概略構成を説明する概略構成説明図である。
【
図3】機能性液晶ブラインドフィルムの動作を説明する動作説明図である。
【
図4】充電ボックスの概略構成を説明する概略構成説明図である。
【
図5】開閉扉の裏面に取り付けられた内部照明装置の構成を説明する構成説明図である。
【
図6】内掛け部材の回動によりスイッチをオンにする状態を説明する構成説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を図に示す実施例に基づいて説明する。
本発明による充電ボックス設備1は、電気工具などの電気製品のバッテリー充電が出来る複数個の充電ボックス2を備えている。
【0013】
ここで、前記充電ボックス2内には、充電用電源が取得できる電源タップ3が設けられている。該充電ボックス2は各々箱形をなしており、充電ボックス2の前面には開閉扉5が設けられている。そして、開閉扉5には、錠装置4が取り付けられており、この錠装置4を施解錠することにより扉を開閉出来る構成とされている。なお、前記錠装置4は電子錠で構成してもかまわないし、またキーを差し込んで回動し、施解錠出来る機械的な錠装置4であっても構わない。
【0014】
しかるに、前記開閉扉5に取り付けられた錠装置4の施解錠操作が行われると、錠装置4の内掛け部材6が回動し、開閉扉5をあけた状態にしたとき、該内掛け部材6が内部照明装置14の照明のスイッチ15等に接触する様に構成され、前記接触によって内部照明装置14のスイッチ15等がオンするようになっている。そして、通常は、開閉扉5を開扉するときに内部照明装置14がオンして照明が点灯するよう構成されている。
また、開閉扉5には、所定の大きさからなる窓部7が設けられており、この窓部7には調光パネル8が取り付けられている。
【0015】
ここで調光パネル8の構成につき説明すると、調光パネル8は、例えば、電源をオン状態にすることにより、調光パネル8内の機能性液晶ブラインドフィルムに通電され、この通電操作により前記調光パネル8が透明状態になるよう構成されている。
【0016】
調光パネル8の構成については、
図2のように構成することが出来る。すなわち、機能性液晶ブラインドフィルム9を挟み、その両面、あるいは一面に緩衝材10を介して接着部材11により透明のアクリル板12等で補強したものとして構成することが出来る。
【0017】
そして、開閉扉5を開扉したとき、内掛け部材6が内部照明装置14の照明のスイッチ15への接触によって内部照明装置14のスイッチ15がオンされる。それと同時に調光パネル8の機能性液晶ブラインドフィルム9もスイッチ15がオンされて電源が入る。
【0018】
すると、前記調光パネル8内の機能性液晶ブラインドフィルム9に通電され、その結果充電ボックス2の内部を可視可能にする透明パネルとなるのである。
そして、機能性液晶ブラインドフィルム9への電源をオフにすると、充電ボックス2の内部を可視出来ないように不透明パネルになる。
【0019】
すなわち、開閉扉5に設けられた窓部7を透明状態にして、充電ボックス2の内部を可視可能にする透明パネルとしたり、窓部7を不透明状態にして、充電ボックス2の内部を可視出来ない不透明パネルとすることが出来るのである。
しかるに、この透明パネル及び不透明パネルに切り替える動作を前記開閉扉5を開閉する錠装置の施解錠操作に連動させることとした。
【0020】
ここで、調光パネル8は、透明状態、不透明状態を通電動作、不通電操作によって瞬時に切り替えられる調光フィルム、すなわち、機能性液晶ブラインドフィルム9を使用して構成した。
【0021】
ここで、機能性液晶ブラインドフィルム9の動作につき
図3を参照して説明する。
通常、液晶ブラインドフィルムは、PDLCフィルム、調光フィルム、機能性液晶フィルムなどとも呼ばれている。
PDLCとは、高分子マトリクス内において液晶が相分離した構造を取ることを利用した液晶方式のことを指標し、
図3で示す様に、フィルムとフィルムの間の液晶がPDLC方式となる。
【0022】
すなわち、調光パネル8が不透明になるのは機能性液晶ブラインドフィルム9への入力電源をオフにしたときで、電源をオフにすると、機能性液晶ブラインドフィルム9内に有する液晶の向きが不均衡になり、入射した光が散乱することで不透明にみえるのである。
【0023】
これに対し、調光パネル8が透明になるのは機能性液晶ブラインドフィルム9への電源をオンにしたときで、電源をオンにして通電されると、機能性液晶ブラインドフィルム9内に有する液晶の向きが均一に配列することとなり、その結果高分子で構成される調光フィルムと液晶の屈折率が等しくなる。すると、入射した光が散乱せず、もって透明状態になるのである(
図3参照)。
【0024】
よって、本発明では錠装置4の内掛け部材6が回動して前記スイッチ15に接触して機能性液晶ブラインドフィルム9への電源をオンにし、もって調光パネル8内の機能性液晶ブラインドフィルム9への通電がなされ、開閉扉5に設けられた窓部7を透明状態にして充電ボックス2の内部が可視できることとなる。
【0025】
次に、本発明では、前記各充電ボックス2の内部に、充電ボックス2内が所定温度以上に上昇したとき、エアロゾル状の液体を放出して初期消火出来る消火シート13を取り付けた構成とした。
【0026】
ここで、消火シート13の構成につき説明する。
モバイル機器やモビリティなどについて内蔵用蓄電池の用途が広がるなか、リチウムイオン二次電池の使用はますます拡大し、さらに高出力化が進んでいる。しかしながら、普及にともない、使用中のみならず充電時の発火事故のリスクが高まっている。
【0027】
ここで、本発明では、高い消火能力を持つ消火剤を使用した消火シート13を使用することとした。すなわち、透明蒸着バリアフィルムと高い塗工技術を組み合わせることで耐久性・施工性の課題を解決し、発火の可能性がある場所に手軽に貼って消火能力を発揮できる消火シート13を採用したのである。
【0028】
本発明による消火シート13は、軽量でコンパクトなため、リチウムイオン二次電池のケース内や、配電盤・分電盤設備の内部、公共施設のゴミ箱など、密閉空間で発火リスクのあるさまざまな箇所に貼ることが可能となっている。また、火災発生時の熱に即座に反応して消火能力を発揮し、延焼を抑えることが出来る構造となっている。
【0029】
消火シート13は、所定温度の熱で表面のフィルムが溶け、内部からエアロゾルのカリウムが放出される構造である。すなわち、所定温度の熱に到達すると熱分解して消火成分を発生させる消火成分としてのエアロゾルを含む消火薬剤を含んでいるのである。
【0030】
本発明の消火シート13は、消火薬剤として、結合剤、塩素酸塩及びカリウム塩を含有して構成した。結合剤としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリスチレン、ポリオレ フィン樹脂、ポリウレタン樹脂が挙げられる。また、塩素酸塩は強力な酸化剤であり、カリウム塩との燃焼により熱エネルギーを発生させ、エアロゾル(カリウムラジカル)を発生させるための成分となる。
【0031】
そして、このエアロゾルは、消火成分のカリウムラジカル(カリウム化合物)を放出し、負触媒効果によって燃焼の連鎖を断ち切り、素早い消火を実現することになる。
尚、前記カリウム塩としては、例えば酢酸カリウム、プロピオン酸カリウム、ク エン酸一カリウムが挙げられる。
なお、本発明の消火シート13は、前記の消火薬剤の各成分を混合してシート状に成型し、適宜乾燥することによって作製出来る。
【0032】
そして、当該消火シート13の厚さ及び面積等の寸法は、用いる設備、装置、機械、工具、構造物 等の消火対象物及び用途等によって適宜調整出来るのである。さらに、複数の消火シート13を積層して用いることも出来るのである。
また、前記設定温度の変更は例えば70℃乃至300℃などの範囲で出来るものとなっている。
【0033】
そして、本発明によれば、バッテリー充電中の異常による発火が起こったとき、充電ボックス2内に貼られた消火シート13が発火の熱に反応して消火剤エアロゾルを放出し、負触媒作用により延焼を抑制するのである。
通常、消火シート13は、充電ボックス2内の天井に貼って取り付けられる。しかし、それだけではなく、側面に貼ったり、下面に貼ったりして使用することが出来る。
【0034】
ところで、充電ボックス2には、各充電ボックス2につき同時に充電が行われることを想定し、入力側の電源容量を超えないよう、例えば、左右4部屋ずつ別系統の電源とし、入力用の電源コードを2本に分けている。これにより片側4部屋で合計15Aまで使用することが可能となる。充電の使用頻度が低く、8部屋合計で15Aを超えることが考えにくい場合には、左右の電源コードを1系統につないでも良い。
【0035】
ここで、電源コードは、配線収納部底面の配線穴より、配線収納部内に通され、電力供給遮断器に接続される。電力供給遮断器は、片側4部屋に流れる電流の合計値が15Aを超える場合に電力の供給を遮断する。
【0036】
電力供給遮断機は、電力の供給が遮断された際に、充電設備の外側からスイッチを入れなおして復帰できるよう、配線収納部の側面下部に取付けられる。このとき、電力供給遮断器のスイッチの先端部が充電設備の外側に飛び出さないよう取り付けることが望ましい。
【0037】
電力供給遮断器から、配線収納部の中央フレーム下部に固定された電源タップに配線され、電源タップから充電ボックス4部屋それぞれに取付けられた遮断器を介して、充電ボックス内の電源タップに配線される。
【0038】
さらに、配線収納部の中央フレーム下部に固定された電源タップには、冷却用の排気ファンと充電設備の前面扉に取り付けられた電子錠、マイクロスイッチ15を介して調光パネルと小型LED照明の電源が送出されるよう構成されている。
【0039】
冷却用の排気ファンは、バッテリー充電中の熱を逃がすことを目的とし、配線収納部の側面上部に取り付けられる。吸気は、各充電ボックス2の開閉扉5に設けた通気口から行われ、充電ボックス2の背面の通気口を通り、排気ファンより排出される。
【0040】
冷却用排気ファンの配線は、配線収納部の中央フレーム上部に固定されるDINレール上に装着したヒューズを介して、配線収納部の中央フレーム下部に固定された電源タップに配線される。
【0041】
開閉扉5に取り付けられた例えば電子錠の配線は、充電ボックス2の背面の配線穴を通り、配線収納部の中央フレーム上部に固定されるDINレール上に装着した前記ヒューズとは異なる、同レール上に装着したヒューズとAC-DCアダプタを介して、配線収納部の中央フレーム下部に固定された電源タップにつながれている。
【0042】
開閉扉5に取り付けられた調光パネル8と小型LED照明で構成された内部照明装置14の配線は、マイクロスイッチを介して充電ボックス2の背面の配線穴を通り、配線収納部の中央フレーム上部に固定されるDINレール上に装着した前記ヒューズとは異なる、同レール上に装着したヒューズを介して、配線収納部の中央フレーム下部に固定された電源タップにつながれる。
【0043】
なお、配線収納部には、全面をカバーする背面カバーが取り付けられている。
本充電ボックス設備1は、移動しやすいように、本体及び配線収納部の底面にキャスターを取り付けてられている。
定置式でキャスターが不要な場合には、入力用電源コードの配線穴を配線収納部側面か背面カバーに設ければ良い。
【0044】
そして、本発明による充電ボックス設備1は、広く普及している充電式電動工具やスマートフオンなどのバッテリー充電中における盗難などを防ぐことができると共に、バッテリー以外の貴重品も保管することができる。
【0045】
また、施錠機能は、従来のような4桁のダイヤルロック錠において、「0000」「1111」「1234」といった第三者から推測されやすい数字では、盗難の危険にさらされる。また、第三者に暗証番号を盗み見されたり、使用者自身が暗証番号を忘れてしまうリスクがある。よって、本発明では、手持ちのICカードをかざすことで施錠及び開錠可能な電子錠の使用を行い、前記リスクから使用者を保護し、安全・安心、且つ簡易操作での使用が可能となる。
【0046】
また、施錠機能だけでなく、開閉扉5に取り付けた調光パネル8が、施錠中は不透明となり、収納物を見えなくすることで、保管中の貴重品を第三者に見られることを防止することができる。さらに、未施錠中は調光パネル8が透明となり、小型のLED照明が点灯して充電ボックス2内部を照らすことにより、一目で空き室を見つけることができるだけでなく、収納物を入れたあとの施錠忘れ防止と、使用後の収納物の置き忘れ防止に大きな効果がある。
【0047】
図1に示すように、本発明の充電ボックス設備1は、開閉扉5つきの充電ボックス2が8部屋設けられている。しかし、本発明は充電ボックス2の部屋数を8部屋に限定するものではない。
すなわち、本実施例では、開閉扉5つき充電ボックス2を8部屋設けているが、入力側の電源容量に合わせて充電ボックス2の部屋数を増減出来るものとなっている。
【符号の説明】
【0048】
1 充電ボックス設備
2 充電ボックス
3 電源タップ
4 錠装置
5 開閉扉
6 内掛け部材
7 窓部
8 調光パネル
9 機能液晶ブラインドフィルム
10 緩衝材
11 接着部材
12 アクリル板
13 消火シート
14 内部照明装置
15 スイッチ