IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 福徳産業株式会社の特許一覧

特開2023-104525ズボンの裾上げ採寸・発注方法、システムおよび採寸用ズボン
<>
  • 特開-ズボンの裾上げ採寸・発注方法、システムおよび採寸用ズボン 図1
  • 特開-ズボンの裾上げ採寸・発注方法、システムおよび採寸用ズボン 図2
  • 特開-ズボンの裾上げ採寸・発注方法、システムおよび採寸用ズボン 図3
  • 特開-ズボンの裾上げ採寸・発注方法、システムおよび採寸用ズボン 図4
  • 特開-ズボンの裾上げ採寸・発注方法、システムおよび採寸用ズボン 図5
  • 特開-ズボンの裾上げ採寸・発注方法、システムおよび採寸用ズボン 図6
  • 特開-ズボンの裾上げ採寸・発注方法、システムおよび採寸用ズボン 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023104525
(43)【公開日】2023-07-28
(54)【発明の名称】ズボンの裾上げ採寸・発注方法、システムおよび採寸用ズボン
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20230721BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022005558
(22)【出願日】2022-01-18
(71)【出願人】
【識別番号】593013627
【氏名又は名称】福徳産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091719
【弁理士】
【氏名又は名称】忰熊 嗣久
(72)【発明者】
【氏名】細田 信彦
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 直揮
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC11
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ユニフォームや作業着を着用する本人が股下寸法を簡単にズボンの裾上げをして裾の長さ状態を確認できるズボンの裾上げ採寸・発注方法及びシステム並びに採寸用ズボンを提供する。
【解決手段】裾に対して脚の長さ方向に間隔を開けて複数の帯体(テープ、樹脂帯)が裾の幅方向に取り付けられており、かつ、テープ同士の間隔の部分は、テープよりも折れ曲がりやすく、かつ、テープの夫々に対応して、当該テープの股下からの位置を表すバーコードが裾の内側に表示されている採寸用ズボン50であって、携帯端末のカメラによりバーコードを読み取り、オーダー票の情報としてメーカーのデータベース8に送信する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンプルの採寸用ズボンを履いて股下の採寸を行い、求められた股下寸法によって納品すべきズボンの裾直しが行われるズボンの裾上げ採寸・発注方法において、
前記採寸用ズボンの裾の内側に対して裾の幅方向を長さ方向として、脚の長さ方向に互いの間隔を開けて、股下からの位置を表す股下寸法が夫々に表示された複数の帯体を付着し、
前記採寸用ズボンが試着されたときに、前記帯体が付着した部分よりも折れ曲がりやすくなっている帯体同士の間の部分で折曲げて、裾の長さ調整し、
折曲げられて外側に一番下に現れている帯体に表示されている股下寸法を読み取り、
前記納品すべきズボンに対して当該読み取った股下寸法に基づいて裾上指示を含む発注を行うズボンの裾上げ採寸・発注方法。
【請求項2】
請求項1のズボンの裾上げ採寸・発注方法において、前記股下寸法はバーコードで表記されており、
前記股下寸法の読み取りは、メーカーのデータベースに発注を送信するオーダープログラムを実行する携帯端末に搭載されたカメラにより、前記バーコードを読み取ることで行われ、
前記発注は、読み取ったバーコードから股下寸法を取得して、これをオーダー票に転載して前記携帯端末から送ることで行われるズボンの裾上げ採寸・発注方法。
【請求項3】
納品すべきズボンに対するサンプルとして提供される採寸用ズボンであって、裾に対して脚の長さ方向に間隔を開けて複数の帯体が取り付けられており、かつ前記帯体同士の間隔の部分は、前記帯体よりも折れ曲がりやすく、かつ前記帯体の夫々に対応して、当該帯体の股下からの位置を表す股下寸法が裾の内側に表示されている採寸用ズボン。
【請求項4】
納品すべきズボンに対して、指定された股下寸法によって裾直しを行う裾上げ採寸・発注システムにおいて、
前記納品すべきズボンに対するサンプルとして提供される採寸用ズボンであって、裾に対して脚の長さ方向に間隔を開けて、複数の帯体が裾の幅方向に取り付けられており、かつ前記帯体同士の間隔の部分は、前記帯体よりも折れ曲がりやすく、かつ前記帯体の夫々に対応して股下からの位置を表す股下寸法がバーコードとして裾の内側になる位置に表示された採寸用ズボンと、
カメラを備えた携帯端末にダウンロードされるプログラムであって、前記カメラにより前記バーコードを読み取り、オーダー票の股下寸法としてメーカーのデータベースに送信するオーダープログラムとを備えた裾上げ採寸・発注システム。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、「ズボン」「パンツ」「スラックス」「ボトムス」等と称されるズボンの裾上げに関し、股下の採寸の経験の無い不慣れな顧客でも簡単に裾上げ寸法を採寸しズボンを発注できるズボンの裾上げ採寸・発注方法、システムおよび採寸用ズボンに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のズボンの裾上げには、店舗において試着の際に店員による待ち針や安全ピンなどを使用して仮留めが行われ、裾上げ作業の後に顧客に引き渡される。最近では、カタログ通信販売やインターネット通信販売により、顧客は店舗に出向くことなく家庭に居ながらズボンを注文することも可能になっているが、顧客側で股下寸法を採寸した上で注文する必要がある。
【0003】
例えば、特許文献1では、衣服にメジャーを組み合わせた伸縮自在な素材からなるパターンオーダー仕立てのための採寸具を開示している。詳細には、伸縮自在な採寸用衣服の各部位に一端が基準点零として固定され、他端が採寸点として移動自由に装着された採寸用メジャーを用いて、これに表された採寸値を読み取ることで採寸用衣服を着用した着用者の実寸を採寸できるとしている。これによれば、上着の場合、首廻り、肩巾、袖丈、胸巾、胴囲など、ズボンの場合、ウエスト、もも周り、ヒップ、ひざ位置など、熟練を要さずに着用者の細かいサイズを正確に採寸できる。
【0004】
また、特許文献2では、樹脂製の前身頃と後身頃とを有する着採寸用ズボンを開示している。着採寸用ズボンの裾口を折り返した位置には目盛が備えられており、折り返した股下部分の丈を指定の寸法に容易に調整できるようになっている。かかる折り返しは面ファスナー等で係止できる。
【0005】
特許文献3には、採寸用のズボンではないが、脚被着部の内面下端部に、面と面とを押し付けることにより止着される面ファスナーを周方向に間隔を置いて縫い付けて、被着者の足の長さに応じて任意に選択して簡単に調整することができるようにしたズボンが開示されている。
【0006】
特許文献4には、特許文献3と同様に採寸用のズボンではないが、脚部内側にズボンの長さ方向に間隔を開けて多段にテープが縫着されており、かつ夫々のテープには、スナップが多数個設けられているズボンが開示されている。予めスナップを取り付けたテープを脚部内側に縫着するだけでよく、特許文献3の多数の面ファスナーを取り付ける技術よりも取付作業が簡単である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002-88552号公報
【特許文献2】特開2015-10303号公報
【特許文献4】実登第3054303号公報
【特許文献3】実登第3167386号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、企業の従業員が着用するユニフォームや作業着のサイズ合わせにおいては、当該企業の庶務担当者に採寸を依頼する訳にもいかず、また採寸作業は一定の熟練が必要で有るため、ユニフォームや作業着を提供する商社、販売店などの提供側から担当が当該企業に出向いて採寸作業を行っている。
【0009】
特許文献1および2の技術は、裾にメジャー若しくは目盛りが付けられており、裾を折りかえしたときの目盛りを読むものであるが、目盛りを読む作業を着用した本人がする場合において、手で裾を折ろうと前屈み状になると裾が持ち上がり、起立姿勢とは状態が異なってしまう。また、起立姿勢でも裾がきちんと同心円状に折られた状態に維持されるには、まち針や安全ピン等の使用が避けられない。このため、これらの技術を用いても、着用者が単独で採寸することは難しい。
【0010】
また、特許文献3および4の技術は、股下寸法を自由に調整する機能を有するものであるが、予め面ファスナーやスナップを多段に取り付けておかなければならず、股下の寸法は一回固定すれば、殆どの場合その後に長さ調整をすることはないので、通常の使用においては股下寸法の調整する機能は無用である。ユニフォームや作業着では、面ファスナーやスナップのような着脱自在のものが多段に裾にあっては、作業の支障になる。
【0011】
本発明は、上記したような状況に鑑みてなされたものであって、ユニフォームや作業着を着用する本人が股下寸法を簡単にズボンの裾上げをして裾の長さ状態を確認でき、かつその場で採寸された寸法を直ちにオーダー票として発注できるズボンの裾上げ採寸・発注方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明によれば、サンプルの採寸用ズボンを履いて股下の採寸を行い、求められた股下寸法によって納品すべきズボンの裾直しが行われるズボンの裾上げ採寸・発注方法において、
前記採寸用ズボンの裾の内側に対して裾の幅方向を長さ方向として、脚の長さ方向に互いの間隔を開けて、股下からの位置を表す股下寸法が夫々に表示された複数の帯体を付着し、
前記採寸用ズボンが試着されたときに、前記帯体が付着した部分よりも折れ曲がりやすくなっている帯体同士の間の部分で折曲げて、裾の長さ調整し、
折曲げられて外側に一番下に現れている帯体に表示されている股下寸法を読み取り、
前記納品すべきズボンに対して当該読み取った股下寸法に基づいて裾上指示を含む発注を行う。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、採寸用ズボンの裾の折曲げは、テープ若しくは樹脂帯体によりガイドされるため、着用者自身でも容易に綺麗に折曲げることができるため、着用者本人による裾の長さ状態の確認が容易である。また、裾上げの寸法間隔は段階的であり、誰が計っても同じ寸法が計測できる。取得した寸法は、オーダー票の情報として、直ちにメーカーMのデータベースに登録できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】裾上げ採寸・発注の手順を示す図である。
図2】オーダープログラムを説明する図である。
図3】オーダープログラムを説明する図である。
図4】オーダープログラムを説明する図である。
図5】ズボンの採寸用ズボンを示す図である。
図6】他の実施例によるズボンのサンプル(採寸用ズボン)を示す図である。
図7】データベースを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
ユニフォームや作業着は、私的な衣服と異なり、裾の長さについての着用者個人の趣向はさほど考慮する必要が無いので、股下寸法の採寸についてもおおよそ好みに合っていれば良い。また、着用者自身が一人で裾を合わせる際に、着用者が屈んで裾を一周にわたって綺麗に揃える事が簡単にできれば、その後立ち上がって、裾の状態を確認する事が可能であり、この状態を保持できれば脱いだ後でその着用者一人による採寸も可能である。本発明は、このような観点から創作されたものである。
【0016】
本発明においては、ズボンの裾上げ採寸・発注方法の実施の為のシステムは、採寸用ズボンと携帯端末をハードウェアとして含んでいる。まず、ズボンの裾上げ採寸・発注の手順の概要について説明する。
【0017】
図1において、ユニフォームや作業着(以下、「ユニフォーム」)を必要とする企業(お客様C)が、販売店Sにユニフォームの提案をするように要求する(Step1)。販売店Sは、お客様Cとかねてから取引関係がある、若しくはお客様Cの地元の企業であることを想定している。販売店Sは、お客様Cの要望を纏めて要望を具体化するユニフォームを提案するようにメーカーMに依頼する(Step2)。メーカーMは、ユニフォームの採寸用ズボン50を作成し、販売店Sに提供する(Step3)。提供は、貸し出し、販売、譲渡いずれの態様でも良い。この採寸用ズボン50は、要望に添って提案される商品ズボンに対して図4、5において後述する加工を追加したズボンである。採寸用ズボン50は、S、M、L、LL等の各種サイズ、商品ズボンの品番、標準的な色のものが用意されて貸し出される。尚、色については全色について採寸用ズボンを用意しても良いが、生地の色見本、若しくは採寸用ズボン50の色と異なる商品ズボンをサンプルとして貸し出してもよい。
【0018】
販売店Sは、貸し出された採寸用ズボン50を持って、お客様に対して営業が行なわれる(Step4)。この営業においては、採寸用ズボン50の試着が行われる。その際に、図2で説明するオーダープログラムが利用される。発注することが決まれば、オーダー票7が作成されメーカーMに送られる(Step5)。発注することにならなければ、貸し出された採寸用ズボン50は、メーカーM側に返却される。
【0019】
このオーダー票7は、お客様Cの各従業員に対して作られるものであり、お客様名、従業員氏名、生年月日、性別、身長/体重等が記入される。また、ズボンに対して、夫々品番/サイズ/色/股下の寸法を示す股下データが記入される。尚、お客様からの要望がズボンだけでは無い場合もあるため、上着についての情報も図面においてオーダー票7に含めているが、以降説明を省略する。また、つなぎ服に関しては、上着とズボンが一体化したものであるので、採寸用ズボンとして準用すれば良い。
【0020】
オーダー票7がメーカーMに送られると、メーカーMはオーダー票7に基づき、指定された上着、ズボンに対して、指定された股下寸法による裾上げを裾上げ工場において実施する。完成した商品は、オーダー票7との現物確認がされて、販売店S若しくはお客様Cに送られる(Step6、お客様C宛のみを図示した)。オーダー票7により取得されたデータは、顧客データとして、リピート時に対応できるように、データベース8において管理する。
【0021】
図2は、図1のStep4において用いられるオーダープログラムを説明する図である。オーダープログラムは、オーダー票7を作成してメーカーMのデータベース8に登録するためのコンピュータプログラムである。オーダープログラムは、メーカーMのサーバー(図示せず)からダウンロード可能であり、販売店Sの携帯端末の上で動作する。携帯端末としては、カメラが付き、インターネットにLTEや5G、wifi等で無線接続できるコンピュータ、具体的にはスマートフォンを用いるのが望ましく、以降の説明ではスマートフォンが用いられているものとして説明する。図2図3及び図4は、スマートフォンの画面を示している。
【0022】
図2において、図2Aは、オーダープログラムをダウンロードしたスマートフォンの待ち受け画面10である。オーダープログラムのアイコン11をクリックするとオーダープログラムが起動する。図2Bの起動画面12において、販売店ID13とパスワード14を入力すると当該販店Sのマイページ15が立ち上がる(図2C)。マイページ15からオーダー票の作成が可能である。「オーダー票の作成」ボタン16を選択すると、図2Dに示すオーダー票作成ページ19が開く。
【0023】
図2Dにおいて、オーダー票作成ページ19では、お客様名欄27、従業員氏名欄20、性別欄21、生年月日18、身長/体重欄22、ズボンの品番/サイズ/色/股下データ/数量欄23、上着の品番/サイズ/色/数量欄25が設けられている。これらは、オーダー票7(図1)を作成するための情報である。お客様名欄27、従業員氏名欄20については、「検索」ボタン28、40が夫々設けられており、これらのボタンを選択すると、夫々図4Aのお客様検索ページ61、図4Bの従業員検索ページ71へ夫々移動する。これについては、後述する。尚、お客様検索ページ61や従業員検索ページ71に登録されていないお客様若しくは従業員氏名が書き込まれたときには、新規に登録するかどうかを確認して登録する画面に移動するが、詳細な説明は省略する。登録した結果は、お客様検索ページ61や従業員検索ページ71に反映される。
【0024】
以降、入力された情報を「オーダー票の情報」と称することにする。また、ズボンの品番/サイズ/色/股下データ/数量欄23、上着の品番/サイズ/色/数量欄25の夫々に対応してバーコード「読取」ボタン24、26が設けられており、いずれかを選択すると、スマートフォン付属のカメラを用いたバーコード読み取り機能を動作し、ズボン/上着の品番/サイズ/色/及びズボンの股下データを入力することができる。図3Bは、バーコード「読取」ボタン24、26を選択した場合に立ち上がる読み込みページ36を示している。読み込みページ36において、スマートフォンのカメラをバーコード(バーコード53、図5C参照)にかざすと、バーコード53がカメラの画面37に映し出され、これに対応する文字情報が、読み取り欄38に出力される。「登録」ボタン39を選択すると読み取られた文字情報が、選択されたバーコード「読取」ボタン24、26に対応したオーダー票作成ページ19のズボンの品番/サイズ/色/股下データ/数量欄23、若しくは上着の品番/サイズ/色/数量欄25に戻されて記入される。尚、図3Bの画面37に示されたバーコードは、「S、WA21914、銀、70」の文字列を記述しており、これが順に読み取られて読み取り欄38に表示されている。
【0025】
図2Dに戻り、オーダー票作成ページ19の「登録」ボタン29は記入したオーダー票を一時的にスマートフォンのメモリに保持するためのボタンであり、「戻る」ボタン30は移動元に戻るボタンである。図2Cのマイページ15では、一時的に保持したオーダー票の情報が、いくつ存在するかが示されており、「オーダー票確認」ボタン17を選択すると、図4Aに示すオーダー票一覧ページ81が表示され、スマートフォンのメモリに一時保管したオーダー番号一覧85が確認できるようになっている。記入欄83に記入して「検索」ボタン84を選択すれば、オーダー番号一覧85の選択行が強調表示される。各行には「詳細」ボタン86が設けられている。「詳細」ボタン86を選択すると、オーダー票一覧ページ31に移動する。記入欄68に記入して「検索」ボタン69を選択すれば、オーダー票一覧48の選択行が強調表示される。オーダー票一覧48では、各行に従業員に関する情報が記録されている。オーダー票一覧48の各行には、「詳細」ボタン32、「削除」ボタン33が設けられている。「詳細」ボタン32を選択するとオーダー票作成ページ19に移動する。また、「削除」ボタン33を選択すると個別の従業員のオーダー票の情報を削除することが可能になっている。「発注」ボタン34は、納入先入力ページ41(図3C)に移動するためのボタンであり、「戻る」ボタン35は移動元へ戻るためのボタンである。
【0026】
納入先入力ページ41では、納品先を販売店Sにするか(矢印42)、お客様Cへ直送納品する(矢印43)かが選択できるようになっている。尚、「検索」ボタン49は、後述するお客様検索ページ61へ移動するためのボタンである。「発注」ボタン44を選択することにより、入力された全てのオーダー票の情報がインターネットを介してメーカーMが管理するデータベース8に送られる。メーカーMは、オーダー番号をスマートフォンへ返送する。図3Dは、これを受け取ったスマートフォンの画面であり、このオーダー番号47が表示されている。以降、メーカーMはオーダー票の情報に基づき商品手配を開始する。
【0027】
図4Aのお客様検索ページ61では、お客様の検索ができる。記入欄63に記入がないときに「検索」ボタン64が選択されると、お客様一覧65を表示する。記入欄63に記入があれば、該当するお客様の行を表示する。ラジオボタン66により、お客様一覧65から一行を選択できる。「選択」ボタン67を選択すると、遷移元のお客様名欄27に選択されたお客様名を表示する。「戻る」ボタン62により遷移元に戻る。図4Bの従業員検索ページ71では、従業員の検索ができる。記入欄73に記入がないときに「検索」ボタン74が選択されると、お客様一覧75を表示する。記入欄73に記入があれば、該当するお客様の行を表示する。ラジオボタン76により、お客様一覧75から一行を選択できる。「選択」ボタン77を選択すると、遷移元のお客様名欄27に選択されたお客様名を表示する。「戻る」ボタン72により遷移元に戻る
【0028】
図5は、メーカーMから提供された採寸用ズボン50の一例である。採寸用ズボン50は、要望に添って提案される商品ズボンではあるが、通常の商品ズボンとは違い裾に採寸のための本発明実施のための構成を有している。
【0029】
図5Aは裾を折りかえした採寸用ズボン50の正面図(表身頃側)、図5Bは背面図(裏身頃側)であり、図5Cは折りかえした裾の拡大図である。採寸用ズボン50の腰周りには、サンプルの品番/サイズ/色を記入したタグ51が付されている。タグ51には、品番/サイズ/色をバーコード(図示せず)としてコード化したマークも合わせて付されており、スマートフォンで読み取り可能である。
【0030】
裾の内側になる位置には、採寸用ズボン50の脚の長さ方向に間隔を開けて、複数本の帯体が裾の幅方向に付着されている。帯体としてテープ52を用いた。テープ52は、樹脂薄板、生地、不織布を素材としている。テープ52を付けることで、テープ52同士の間の部分(採寸用ズボン50の生地のみの部分)をテープ52が付着した部分よりも折れ曲がり易くすることができる。各テープ52には、当該テープ52の股下からの位置に基づき、股下寸法をコード化したバーコード53が表記されている。また、タグ51の情報である品番/サイズ/色/もあわせてコード化されて夫々のバーコード53に共通に記述されている。本例では、情報量を多く記述できる2次元バーコードであるQRコード(QRコード: (株)デンソーウェーブの登録商標第4075066号、マトリックス型二次元コード)が用いられているが、一次元バーコードを用いてもよい。テープ52は厚く固い素材が用いられている。本実施例としては、採寸用ズボン50の表身頃にのみテープ52が付着している。各テープ52は、表身頃にのみではなく、表身頃から裏身頃にかけて、裾の相異なる同周を一周する長さで取り付けてもよいが、完全に一周しなくてもてもよい。また、「股下寸法」としては、文字通りの股下からの寸法を表す数値データでなくとも、折曲げる長さを表す数値データでも良い。また、後述する微調整ができなくなるが、「股下寸法」は、例えば「A」「B」「C」「D」・・・等の符号でも、メーカーMが把握できるものであれば良い。
【0031】
テープ52の取り付けは、接着や縫着である。テープ52の厚さは、採寸用ズボン50の生地よりも固い素材であれば、薄くても良いが、採寸用ズボン50の生地と同程度の硬さであれば、採寸用ズボン50と同じか厚いものを用いることが望ましい。テープ52の幅は、裾上げの段階に応じて決められる。図の例では、裾は一段の間隔Intを1cmとして6段階で調整することができるようになっているため、テープ52の幅Wは9mmとし、テープ52同士の間隔vは1mmとした。間隔Intを1.5cmにする場合は、テープ52の幅Wは1.2cmとし、テープ52同士の間隔vは3mmとするのがよい。
【0032】
図5Dは、採寸用ズボン50を試着して所望の寸法で裾を折り返した際の断面を示している。テープ52が表身頃に付着されているので、テープ52がガイドとなり、折曲げた後に両側の脇線(表身頃と後身頃が重なる位置)を裾の下から持って内側から押し広げるようにすれば、裾を一周にわたって綺麗に揃えて折曲げる事が簡単にできる。裾の一番下側において表側に表れるテープ52が目的とする股下寸法に対応するテープ52である。試着者はその後起き上がって、裾の長さが適当であるかを確認する事が可能であり、脱いだ後でもこの状態を保持することができる。この場合、裾の一番下に表れているテープ52が股下の寸法を示している。販売店Sの担当者は、一番下のテープ52に対応した数値を手入力するかバーコードをスキャンするかして、スマートフォンに入力する。また、スマートフォンで入力したのちに、その数値を手入力により若干修正しても良い。
【0033】
図6は、採寸用ズボン50の他の例である。図5の採寸用ズボン50では、帯体として、テープ52を用いていたが、この例では、帯体として、採寸用ズボン50の脚の長さ方向に間隔を開けて透明な樹脂を塗布して複数本の樹脂帯56を形成するものである。樹脂帯56が付着した部分は固められて折れ曲がりにくく、樹脂帯56同士の間に開けられた間隔vの折曲げをガイドするようになっている。また、股下寸法の表示は、夫々の長さのアラビア数字表記である股下寸法54と、品番/サイズ/色/股下寸法をコード化したバーコード53とが一括して印刷された薄膜シート55を、裾の内側になる位置に貼り付ける(図6A)。その後、裾を横切る窓が間隔を置いて多数開口されたマスク57を、窓の位置が股下寸法54とバーコード53に対応するように配置して、樹脂を塗布し硬化させる(図6B)。前身頃と後身頃にこの作業を繰り返し、塗布された樹脂が裾の同周上に配置されるようにする。図6Cはこのようにして作成された裾の断面を示している。採寸用ズボン50の生地の上に薄膜シート55が、その上に多数の樹脂帯56が互いに間隔vを開けて積層されている。樹脂帯56は、先の実施例のテープ52と同様に、裾の幅方向に取り付けられている。この例では、採寸用ズボン50の裾の内側に、薄膜シート55、樹脂帯56を積層したが、採寸用ズボン50の裾の内側に薄膜シート55、採寸用ズボン50の裾の外側に樹脂帯56を積層しても良い。この場合、樹脂帯56は透明で無くても良く、採寸用ズボン50の生地を固めるものであれば良い。
【0034】
QRコードの大きさは、一辺6mmの大きさで読み取り可能となり、9mm以上の大きさがあれば、殆どのスマートフォンに読み取り可能である。この実施例においては、バーコード53の大きさと樹脂帯56の幅Wは独立に設定できる。よって、バーコード53を大きくして、樹脂帯56の幅Wを超えていても、その大部分が樹脂帯56の幅Wにはいるようにしておけば、バーコード53と樹脂帯56を一対一に対応付けられる。このようにすれば、間隔Intよりも大きいバーコード53を採用することが可能である。
【0035】
図5図6で示した採寸用ズボン50を用いて採寸する手順を説明する。販売店Sの担当者は、スマートフォンでオーダープログラムを起動し(図2B図2C)、オーダー票作成ページ19を開き(図2D)、お客様名、従業員氏名、性別、身長/体重を入力する。
【0036】
従業員に採寸用ズボン50を試着して貰い、販売店Sの担当者若しくは試着している従業員自身で所望の長さだけ裾を上げる。テープ52若しくは樹脂帯56が付着されているので、これがガイドとなり、裾を一周にわたって綺麗に揃えて折曲げる事ができる。この状態は、維持されるため、試着している従業員本人が起き上がった状態で長さ状態を確認できる。
【0037】
寸法が決まって採寸用ズボン50を脱衣しても、裾の折曲げの状態は維持される。販売店Sの担当者は、オーダー票作成ページ19において、採寸用ズボンの品番/サイズ/色/股下データ欄23にあるバーコード「読取」ボタン24を選択し、読み込みページ36を開き(図3B)、裾の一番下に現れているバーコード53から品番/サイズ/色/股下データを読み取る。読み込みページ36の「登録」ボタン39を選択してオーダー票作成ページ19(図2D)に戻る。バーコード53から読み取った品番/サイズ/色/股下データが、品番/サイズ/色/股下データ/数量欄24に転載される。
【0038】
「登録」ボタン29を選択して1人のオーダー票の情報の入力を終了する。なお、オーダー票作成ページ19では、手動により品番/サイズ/色/股下データ/数量の修正が可能である。品番/サイズ/色/股下データ/数量の入力は、スマートフォンのソフトウェアキーボードを表示して、手入力をしても良い。また、採寸用ズボン50は、一色のみの貸し出ししかしていないので、色見本等を参照して必要な色に手動で変更する。さらに、バーコードにより読み取った股下データは、標準的な離散的データであるので、メーカーM側が許容できる範囲で微少な修正を加えてもよい。
【0039】
お客様Cの対象従業員全員に対してオーダー票のデータを一通りスマートフォンに蓄積した後、オーダー票作成ページ19からの遷移元であるマイページ15へ移動し、そこから、オーダー票一覧ページ31へ移動する。「発注」ボタン34により納入先入力ページ41において納品先を決めて「発注」ボタン44を選択すると、オーダー票の情報は裾上げ作業が指示された「発注」として、メーカーMのデータベース8に転送される。図7は、データベース8を示している。メーカーMは、オーダー票の情報に基づいて納品すべきズボンへの裾上げ作業を行うのである。
【0040】
本実施例のズボンの裾上げ採寸・発注方法によれば、採寸用ズボン50の裾の折曲げは、テープ52若しくは樹脂帯56によりガイドされるため、着用者自身でも容易に綺麗に折曲げることができるため、着用した人による裾の長さ状態の確認が容易である。また、裾上げの寸法間隔は段階的であり、誰が計っても同じ寸法が計測できる。また、取得した寸法は、オーダー票の情報として、直ちにメーカーMのデータベースに登録できる。
【0041】
上記実施例において、販売者Sの担当者がお客様である企業に訪問して裾上げ採寸・発注を行う例を示したが、お客様Cである企業の総務部門が、直接、メーカーM側と裾上げ採寸・発注についての取引をしても良い。この場合、上記の実施例において、「販売店の担当者」を「お客様Cの担当者」と読み替えても差し支えない。
【0042】
上記実施例において、スマートフォンを使用したが、メーカーMのデータベースにインターネット回線を介して接続できる端末であれば、バーコード読み取り機能を有するコンピュータを用いても良い。また、上記実施例では、オーダープログラムは、スマートフォンのアプリケーションであったが、マイページ15、オーダー票作成ページ19、オーダー票一覧ページ31、読み込みページ36、納入先入力ページ41はメーカーMのサーバーが開設するウエブページであっても良い。この場合において、オーダー番号一覧85、お客様一覧65、お客様一覧75、オーダー票一覧48のデータは、サーバーに保持しても良い。また、読み込みページ36におけるバーコード53の読み取りは、スマートフォンのカメラを用いて取り込まれた画像をクラウドで解析することにより実現しても良いし、ウエブページを閲覧したスマートフォンのキャッシュに一時的に格納されるプログラムによって読み取りを実行しても良い。
【符号の説明】
【0043】
7 オーダー票
8 データベース
10 待ち受け画面
11 アイコン
12 起動画面
14 パスワード
15 マイページ
16 「オーダー票作成」ボタン
17 「オーダー票確認」ボタン
18 生年月日
19 オーダー票作成ページ
20 従業員氏名欄
21 性別欄
22 身長/体重欄
23 サイズ/品番/色/股下データ/数量欄
24、26 バーコード「読取」ボタン
25 サイズ/品番/色/数量欄
27 お客様名欄
28 「検索」ボタン
29 「登録」ボタン
30 「戻る」ボタン
31 オーダー票一覧ページ
32 「詳細」ボタン
33 「削除」ボタン
34 「発注」ボタン
35 「戻る」ボタン
36 読み込みページ
37 画面
38 読み取り欄
39 「登録」ボタン
40 「検索」ボタン
41 納入先入力ページ
42 矢印
43 矢印
44 「発注」ボタン
47 オーダー番号
48 オーダー票一覧
49 「検索」ボタン
50 採寸用ズボン
51 タグ
52 テープ
53 バーコード
54 股下寸法
55 薄膜シート
56 樹脂帯
57 マスク
61 お客様検索ページ
62 「戻る」ボタン
63 記入欄
64 「検索」ボタン
65 お客様一覧
66 ラジオボタン
67 「選択」ボタン
68 記入欄
69 「検索」ボタン
71 従業員検索ページ
72 「戻る」ボタン
73 記入欄
74 「検索」ボタン
75 お客様一覧
76 ラジオボタン
77 「選択」ボタン
81 オーダー票一覧ページ
83 記入欄
84 「検索」ボタン
85 オーダー番号一覧
86 「詳細」ボタン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7