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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023104536
(43)【公開日】2023-07-28
(54)【発明の名称】プログラム及び情報処理システム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/5252 20140101AFI20230721BHJP
   A63F 13/86 20140101ALI20230721BHJP
   A63F 13/5255 20140101ALI20230721BHJP
   A63F 13/837 20140101ALN20230721BHJP
【FI】
A63F13/5252
A63F13/86
A63F13/5255
A63F13/837
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022005577
(22)【出願日】2022-01-18
(71)【出願人】
【識別番号】000129149
【氏名又は名称】株式会社カプコン
(74)【代理人】
【識別番号】100207619
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 知晴
(72)【発明者】
【氏名】三嶋 文子
(72)【発明者】
【氏名】奥山 幹樹
(72)【発明者】
【氏名】川上 智司
(72)【発明者】
【氏名】田中 大将
(72)【発明者】
【氏名】木村 哲
(72)【発明者】
【氏名】津原 一成
(57)【要約】
【課題】視聴者がゲーム配信等をより快適に視聴できる技術を提供する。
【解決手段】第1カメラ制御手段180は、配信者の入力操作に応じて、ゲームの仮想空間内に配置された第1仮想カメラを制御する。第2カメラ制御手段181は、第1カメラ制御手段180による第1仮想カメラの動作に応じて、動作する第2仮想カメラを制御する。動作制限手段190は、第1仮想カメラの動作が所定の条件(移動量、角度、速度等)を満たしているか否かを判定し、第1仮想カメラの動作が所定の条件を満たしている場合に、第2仮想カメラの動作を制限する制御を実行する。第3カメラ制御手段182は、第1仮想カメラ及び第2仮想カメラの動作と連動しない第3仮想カメラを制御する。画像管理手段183は、配信者又は視聴者に提示する各種ゲーム画像を管理する。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲームをプレイする第1ユーザにより使用される第1情報処理端末と、
前記ゲームの配信を視聴する第2ユーザにより使用される第2情報処理端末と、
を含む情報処理システムを構成する情報処理装置を、
前記第1ユーザの入力操作に応じて、前記ゲームの仮想空間に配置された第1仮想カメラを制御する第1カメラ制御手段と、
前記第1仮想カメラの動作に応じて、動作する第2仮想カメラを制御する第2カメラ制御手段と、
前記第1仮想カメラにより生成された第1画像を前記第1ユーザに提示し、前記第2仮想カメラにより生成された第2画像を前記第2ユーザに提示する画像提示手段と、
として機能させるプログラム。
【請求項2】
前記第1仮想カメラの動作が所定の条件を満たしているか否かを判定し、前記条件が満たされている場合に前記第2仮想カメラの動作を制限する動作制限手段としてさらに機能させる、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記第1仮想カメラ及び前記第2仮想カメラの動作と連動しない第3仮想カメラを制御する第3カメラ制御手段としてさらに機能させ、
前記画像提示手段は、前記動作制限手段で前記条件が満たされていると判定された場合に、前記第3仮想カメラにより生成された第3画像を前記第2ユーザに提示する、
請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記第2カメラ制御手段は、前記第2画像を提示された前記第2ユーザの画面酔いを低減するための処理を実行する刺激低減手段としてさらに機能させる、
請求項1乃至3のうちいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項5】
前記刺激低減手段は、前記第2仮想カメラにおける上下揺れを低減する処理を実行する、
請求項4に記載のプログラム。
【請求項6】
ゲームをプレイする第1ユーザにより使用される第1情報処理端末と、
前記ゲームの配信を視聴する第2ユーザにより使用される第2情報処理端末と、
を含む情報処理システムであって、
前記第1ユーザの入力操作に応じて、前記ゲームの仮想空間に配置された第1仮想カメラを制御する第1カメラ制御手段と、
前記第1仮想カメラの動作に応じて、動作する第2仮想カメラを制御する第2カメラ制御手段と、
前記第1仮想カメラにより生成された第1画像を前記第1ユーザに提示し、前記第2仮想カメラにより生成された第2画像を前記第2ユーザに提示する画像提示手段と、
を備える情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム及び情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年のゲームや映画等において、画面上に表示される情報量の増加等を要因として、いわゆるユーザの画面酔いが問題となっている。この点、例えば、仮想カメラの稼働角度を制限すること等によりユーザの画面酔いを低減させる技術が提案されている(例えば、特許文献1の段落[0045]等を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-226767号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の特許文献1に記載の技術を含む従来技術において、ゲームをプレイするユーザに画面酔いを低減する措置を適用すると、ゲームの臨場感や疾走感が損なわれてしまう。
他方、近年では、ゲーム画像を多数の視聴者に配信するゲーム配信も一般的になっている。ゲーム配信において、上述の特許文献1に記載の技術のような画面酔いを低減する措置を適用すると、配信の目玉となるゲームのプレイ技術自体に影響を与えてしまうと考えられる。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、視聴者がゲーム配信等をより快適に視聴できる技術を提供する。
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の第1の側面は、
ゲームをプレイする第1ユーザにより使用される第1情報処理端末と、
前記ゲームの配信を視聴する第2ユーザにより使用される第2情報処理端末と、
を含む情報処理システムを構成する情報処理装置を、
前記第1ユーザの入力操作に応じて、前記ゲームの仮想空間に配置された第1仮想カメラを制御する第1カメラ制御手段と、
前記第1仮想カメラの動作に応じて、動作する第2仮想カメラを制御する第2カメラ制御手段と、
前記第1仮想カメラにより生成された第1画像を前記第1ユーザに提示し、前記第2仮想カメラにより生成された第2画像を前記第2ユーザに提示する画像提示手段と、
として機能させるプログラムである。
【0007】
また第1の側面において、前記プログラムは、前記第1仮想カメラの動作が所定の条件を満たしているか否かを判定し、前記条件が満たされている場合に前記第2仮想カメラの動作を制限する動作制限手段としてさらに機能させることができる。
【0008】
また第1の側面において、前記プログラムは、前記第1仮想カメラ及び前記第2仮想カメラの動作と連動しない第3仮想カメラを制御する第3カメラ制御手段としてさらに機能させることができ、前記画像提示手段は、前記動作制限手段で前記条件が満たされていると判定された場合に、前記第3仮想カメラにより生成された第3画像を前記第2ユーザに提示することができる。
【0009】
また第1の側面において、前記第2カメラ制御手段は、前記第2画像を提示された前記第2ユーザの画面酔いを低減するための処理を実行する刺激低減手段としてさらに機能させることができる。
【0010】
また第1の側面において、前記刺激低減手段は、前記第2仮想カメラにおける上下揺れを低減する処理を実行することができる。
【0011】
また本発明の第2の側面は、
ゲームをプレイする第1ユーザにより使用される第1情報処理端末と、
前記ゲームの配信を視聴する第2ユーザにより使用される第2情報処理端末と、
を含む情報処理システムであって、
前記第1ユーザの入力操作に応じて、前記ゲームの仮想空間に配置された第1仮想カメラを制御する第1カメラ制御手段と、
前記第1仮想カメラの動作に応じて、動作する第2仮想カメラを制御する第2カメラ制御手段と、
前記第1仮想カメラにより生成された第1画像を前記第1ユーザに提示し、前記第2仮想カメラにより生成された第2画像を前記第2ユーザに提示する画像提示手段と、
を備える情報処理システムである。
【0012】
本発明の一態様の情報処理システムも、本発明の一態様のプログラムに対応する情報処理システムとして提供される。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、視聴者がゲーム配信等をより快適に視聴できる技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の第1実施形態にかかる情報処理システムの構成の一例を示す図である。
図2】本発明の第1実施形態にかかる情報処理システムのうち、配信者端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3】本発明の第1実施形態にかかる配信者端末、視聴者端末及びサーバの機能的構成の一例を示すブロック図である。
図4】本発明の第1実施形態にかかる第1視聴者用画像を生成する方法を説明するためのイメージ図である。
図5図3のサーバで実行される第1視聴者用画像生成処理の流れを説明するフローチャートである。
図6図3の配信者端末に表示される画像の一例を示すイメージ図である。
図7図3の視聴者端末に表示される画像の一例を示すイメージ図である。
図8】本発明の第2実施形態にかかる情報処理システムの構成の一例を示す図である。
図9】本発明の第2実施形態にかかる配信者端末及び視聴者端末の機能的構成の一例を示すブロック図である。
図10図9の配信者端末又は視聴者端末に表示される画像を示すイメージ図である。
図11図9の配信者端末で実行される第2視聴者用画像生成処理の流れを説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態にかかる情報処理システム(以下、「本第1システム」と呼ぶ)について、図面を用いて説明する。
【0016】
まず、本第1システムの説明に先立ち、本第1システムと関係する「画面酔い(3D酔い)」について簡単に説明する。上述の通り、近年のゲームや映画等において、画面遷移速度の向上やグラフィック性能の高度化等により軽度の眩暈や吐気等を催す画面酔いという現象が知られている。
この画面酔いのメカニズムは、正確には明らかになっていないものの、一般的には、自身の運動感覚により予測される動きと、視覚により得られる動きの相違によって生じる現象と考えられている。そのため、上述の特許文献1に記載の技術を含む多くの従来技術において、表示される画像の画角の範囲を狭めたり、画像遷移の速度を下げる等により、画面酔いの現象を低減する試みがなされてきた。
しかし、このような方法は、いずれもゲーム本来の臨場感や疾走感を損なわせるだけでなく、例えば、高いレベルでの対戦を前提とした場合に競技者のプレイ技術が低下する(高速で画面遷移するプレイができなくなる)という影響がある。このようなプレイ技術の低下は、特にゲーム配信等において、問題となり得る。
また、この画面酔いは、慣れることで症状が改善することが知られている。そのため、ゲームを日常的にプレイしているユーザであれば、画面酔いは問題となりにくいと考えられる。しかし、ゲーム配信の視聴者には普段ゲームをプレイしないユーザも多く、より画面酔いの問題が生じやすいと考えられる。
【0017】
このような背景の元、本第1システムとは、ゲーム配信を希望するユーザ(以下、「配信者」と呼ぶ)に対してゲーム環境を提供しつつ、ゲーム配信の視聴を希望するユーザ(以下、「視聴者」と呼ぶ)に配信者のゲーム画像を共有することでゲーム配信を実現する情報処理システムである。
ここで、本第1システムの特徴の一つは、配信者に提示するゲーム画像と視聴者に提示するゲーム画像が同一とは限らない点である。すなわち、本第1システムは、配信者には通常のゲーム環境(ゲーム画像)を提供する一方で、視聴者には画面酔いの問題が生じにくいように編集を加えたゲーム画像(以下、「第1視聴者用画像」と呼ぶ)を提示する。これにより、配信者は、普段と変わらないゲーム環境において自由にゲームをプレイしつつ、ゲーム画像等に慣れていない視聴者は画面酔いをすることなく、安全にゲーム配信を楽しむことができる。
【0018】
ここで、本第1システムに関連するゲーム(以下、「本ゲーム」と呼ぶ)は、例えば、FPS(First Person Shooter)やTPS(Third Person Shooter)と呼ばれるネットワーク型の対戦ゲームである。
本ゲームでは、例えば、ネットワークを介して接続された多数のプレイヤが仮想空間を共有し、各プレイヤは、武器(銃火器など)や回復アイテムなどを活用しながら戦闘を行い、ゲームの勝利を目指す。そして、各プレイヤは、敵の攻撃を受けるなどのゲーム中の様々な要因により減少するHP(ヒットポイント)が、一定の数値を下まわると、ゲームの継続が認められない状態となり、ゲームから除外される。
なお、以降の説明において、「画像」という表記は、単なる画像だけでなく、文字や記号、音声等を含む場合がある。また、本ゲームにおいて、配信者は、キャラクタへの操作指示及び背景画像の視点の操作指示(仮想カメラの制御)をそれぞれ独立して行うことができるものとする。
【0019】
<概要の説明>
図1は、本発明の第1実施形態にかかる情報処理システムの構成の一例を示している。
図1に示すように、本第1システムは、配信者端末1と、視聴者端末2-1乃至2-n(nは、1以上の任意の整数値)と、サーバ3とを含み構成される。配信者端末1と、視聴者端末2-1乃至2-nと、サーバ3とは、インターネット等によるネットワークNを介して相互に接続されている。
ただし、ネットワークNは必須の構成要素ではないし、例えば、NFC(Near Field Communication)、ブルートゥース(登録商標)、LAN(Local Area Network)等が利用されてもよい。
なお、視聴者端末2-1乃至2-nを区別する必要がない場合、これらをまとめて「視聴者端末2」と呼ぶ。
【0020】
配信者端末1は、本ゲームの配信者により使用される。配信者端末1は、汎用的なパーソナルコンピュータ、ゲーム機、タブレット等で構成される。配信者端末1は、他のハードウェア等と通信を行いながら、本ゲームの進行及び本ゲームの配信に必要となる各種処理等を実行する。
【0021】
視聴者端末2は、本ゲームの配信の視聴者により使用される。視聴者端末2は、汎用的なパーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット等で構成される。視聴者端末2は、本ゲーム配信の視聴のために必要となる各種処理等を実行する。
【0022】
サーバ3は、本第1システムの管理者等により管理される。サーバ3は、汎用的なパーソナルコンピュータ等で構成される。サーバ3は、後述する第1視聴者用画像生成処理における各種処理を実行する。また、サーバ3は、配信者端末1等におけるゲームの進行に必要となる情報の保存や管理等を実行する。
【0023】
<ハードウェア構成>
図2は、本発明の第1実施形態にかかる情報処理システムのうち、配信者端末のハードウェア構成の一例を示している。
【0024】
図2に示すように、配信者端末1は、制御部11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、出力部16と、入力部17と、記憶部18と、通信部19と、ドライブ20と、を備えている。
【0025】
制御部11は、CPU、GPU、半導体メモリを含むマイクロコンピュータ等により構成される。制御部11は、ROM12に記録されているプログラム、又は、記憶部18からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
RAM13には、制御部11が各種の処理を実行する上で必要な情報等も適宜記憶される。
【0026】
制御部11、ROM12及びRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インターフェース15も接続されている。入出力インターフェース15には、出力部16、入力部17、記憶部18、通信部19、ドライブ20が接続されている。
【0027】
出力部16は、ディスプレイ又はスピーカ等に対して、画像情報又は音声情報等を出力する。出力部16が出力した画像情報や音声情報は、ディスプレイやスピーカ等から、画像や音声として人が認識可能な状態で出力される。
【0028】
入力部17は、マウス、キーボード、ゲーム用のコントローラ等で構成され、配信者等の入力操作に応じて各種情報を入力する。
【0029】
記憶部18は、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等で構成され、各種情報を記憶する。例えば、記憶部18には、ゲームの進行に必要となる各種ゲームプログラム、セーブデータ、アカウント情報等が格納されている。
【0030】
通信部19は、インターネットを含むネットワークNを介して、他のハードウェア等との間で相互に行う通信等を制御する。
【0031】
ドライブ20は、必要に応じて設けられる。ドライブ20には磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア31が適宜装着される。リムーバブルメディア31には、ゲームを実行するための各種プログラム等が格納される。ドライブ20によってリムーバブルメディア31から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部18にインストールされる。
また、リムーバブルメディア31は、記憶部18に記憶されている各種情報も、記憶部18と同様に記憶することができる。
【0032】
ここで、視聴者端末2及びサーバ3のハードウェア構成は、配信者端末1のハードウェア構成と基本的に同様とすることができるため、説明を省略する。このような各種ハードウェアと各種ソフトウェアとの協働により、配信者端末1、視聴者端末2及びサーバ3における各種処理の実行が可能となる。
【0033】
図3は、本発明の第1実施形態にかかる配信者端末、視聴者端末及びサーバの機能的構成の一例を示している。
まずは、配信者端末1の機能的構成の一例を説明する。
図3に示すように、配信者端末1の制御部11は、各種プログラム等を実行することにより、ゲーム処理実行手段60と、カメラ制御手段61と、カメラ情報管理手段62と、配信者用画像生成手段63と、出力制御手段64とが機能する。
【0034】
ゲーム処理実行手段60は、ゲームに関する各種処理を実行する。
具体的にゲーム処理実行手段60は、配信者の各種入力操作に従い、ゲーム情報等に含まれる仮想のゲーム空間オブジェクト及びテクスチャ等を図示せぬ記憶部等から読み出す等して、ゲームプログラムを実行しつつ、ゲームに関する2次元又は3次元の画像や音声等を生成する。すなわち、ゲーム処理実行手段60は、ユーザによる操作指示の結果を生成し、管理することで、ゲームの進行を制御する。また、ゲーム処理実行手段60は、サーバ3等から、適宜、ゲームの進行に必要となる各種情報等を取得する。
【0035】
カメラ制御手段61は、配信者の入力操作等に応じて、ゲームの仮想空間内に配置された仮想カメラを制御する。具体的にカメラ制御手段61は、配信者の入力操作等に応じて、ゲーム画像を生成する基準となる仮想空間内の任意の視点の位置(仮想空間内における三次元座標等)及び回転角度(上述の座標から視線方向の画角の範囲等)に関する制御処理を実行する。
【0036】
カメラ情報管理手段62は、カメラ制御手段61で制御されている仮想カメラの仮想空間内における位置及び回転角度に関する情報(以下、「配信者カメラ情報」と呼ぶ)を、サーバ3へ送信する。なお、カメラ情報管理手段62は、配信者による入力操作に関する情報(以下、「配信者入力情報」と呼ぶ)も合わせて、サーバ3へ送信する。
【0037】
配信者用画像生成手段63は、配信者の入力操作及びカメラ制御手段61で制御された仮想カメラの位置及び回転角度の情報に基づく、各種ゲーム処理の結果として配信者に提示するためのゲーム画像(以下、「配信者用画像」と呼ぶ)を生成する。
すなわち、配信者用画像は、配信者の入力操作に基づく、ゲーム処理の結果を反映した仮想空間内の所定の位置から所定の視点方向に向けたゲーム画像である。
【0038】
出力制御手段64は、各種画像(ゲーム画像等)や音声等を出力部16等に出力するための制御処理を実行する。
【0039】
次に、サーバ3の機能的構成の一例を説明する。
図3に示すように、サーバ3の制御部120は、各種プログラム等を実行することにより、配信者情報取得手段140と、条件判定手段141と、視聴者用画像生成手段142と、提示画像管理手段143とが機能する。
【0040】
配信者情報取得手段140は、配信者端末1から送信されてきたカメラ情報及び配信者入力情報を、通信部130を介して取得する。
【0041】
条件判定手段141は、配信者情報取得手段140で取得されたカメラ情報及び配信者入力情報に基づいて、配信者の入力操作又は配信者に提示される画像が、画面酔いに関する所定の条件を満たしているか否かを判定する。
具体的に配信者の入力操作又は配信者に提示される画像が、画面酔いに関する所定の条件を満たしている場合とは、例えば、画像毎の変化が大きい場合、各画像を提示するスピードが速い場合、画像の視野角が大きい場合、画像の背景等の奥行きが広い場合、ゲームキャラクタの動作が通常の人間の動作として想起しにくい場合等である。
条件判定手段141は、例えば、これらの要素に基づいて、配信者の入力操作又は配信者に提示される画像が、画面酔いに関する所定の条件を満たしているか否かを判定する。
また、条件判定手段141は、配信者の入力操作又は配信者に提示される画像が、画面酔いに関する所定の条件を満たしていると判定しなかった場合、配信者情報取得手段140で取得された配信者カメラ情報及び配信者入力情報に基づいて、視聴者に提示するための通常の視聴用ゲーム画像を生成する。なお、ここで言う通常の視聴用ゲーム画像とは、配信者用画像と基本的に同様である。
【0042】
視聴者用画像生成手段142は、条件判定手段141において所定の条件が満たされていると判定された場合、画面酔いを低減する措置を施し、視聴者に提示するためのゲーム画像(以下、「第1視聴者用画像」と呼ぶ)を生成する。
ここで、視聴者用画像生成手段142は、画像音声編集手段150が設けられている。画像音声編集手段150は、条件判定手段により所定の条件が満たされていると判定された区間(以下、「検知区間」と呼ぶ)のゲーム画像に対して、編集処理を実行する。なお、画像音声編集手段150による編集処理の詳細は図4を参照しながら後述する。すなわち、視聴者用画像生成手段142は、条件判定手段141において所定の条件が満たされていると判定された場合、カメラ情報、配信者入力情報及び画像音声編集手段150による編集処理の結果に基づいて、第1視聴者用画像を生成する。
なお、区間とは、ゲーム内の時間経過やゲーム画像の管理のために用いられる、時間の単位を示す用語として使用する。すなわち、検知区間とは、例えば、所定のゲーム内時間の単位を基準として、条件判定手段により所定の条件が満たされていると判定された一定の区間を示している。
【0043】
提示画像管理手段143は、条件判定手段141において所定の条件が満たされていると判定されなかった場合、条件判定手段141で生成された通常の視聴用ゲーム画像に関する情報(以下、「通常ゲーム画像情報」と呼ぶ)を、視聴者端末2へ送信する。
また、提示画像管理手段143は、条件判定手段141において所定の条件が満たされていると判定された場合、視聴者用画像生成手段142で生成された第1視聴者用画像に関する情報(以下、「第1視聴者用画像情報」と呼ぶ)を、視聴者端末2へ送信する。
【0044】
さらに、視聴者端末2の機能的構成の一例を説明する。
図3に示すように、視聴者端末2の制御部80は、各種プログラム等を実行することにより、画像情報管理手段100と、出力制御手段101とが機能する。
【0045】
画像情報管理手段100は、サーバ3から送信されてきた通常ゲーム画像情報又は第1視聴者用画像情報を、通信部90を介して取得する。
【0046】
出力制御手段101は、各種画像(ゲーム画像等)や音声等を図示せぬ出力部等に出力するための制御処理を実行する。例えば、出力制御手段101は、通常ゲーム画像情報又は第1視聴者用画像情報に基づいて、視聴者に通常の視聴用ゲーム画像又は第1視聴者用画像を提示する。
【0047】
続いて、図4を参照しながら、画像音声編集手段150による編集処理の例を説明する。図4は、本発明の第1実施形態にかかる第1視聴者用画像を生成する方法のイメージを示している。
【0048】
図4(A)の横軸上の一領域には、「検知区間」という表示がされている。これは、横軸に示すゲーム内の時間経過の所定の領域において検知区間が検出されたことを示している。検知区間とは、本来のゲーム画像に動きや変化が大きい画像が含まれており、生成したゲーム画像をそのまま視聴者に提示した場合、画面酔いを生じてしまう可能性が高い区間である。
そこで、本第1システムにおいては、図4の(B)に示すように、例えば、検知区間における同時間毎の画像の表示回数を増やす(画像の再生速度を遅くする)、いわゆるスローモーション効果を付与することで、画面酔いを生じにくいゲーム画像(第1視聴者用画像)を生成することができる。これにより、ゲーム配信の視聴者は、本来は動きや変化が大きいゲーム画像であっても、画面酔いの危険性なく、ゆっくりとゲーム状況の動きや変化を認識することができる。
なお、本第1システムは、検知区間におけるゲーム画像等に音声等が紐づけられている場合、音声等にスローモーション効果を付与してもよいし、図4の(B)に示すように、検知区間における画像提示が終了するタイミングに合わせて、音声等を通常の速さで再生してもよい。
【0049】
図5を参照しながら、第1視聴者用画像生成処理の流れを説明する。図5は、図3のサーバで実行される第1視聴者用画像生成処理の流れの一例を示している。
【0050】
ステップS1において、サーバ3の配信者情報取得手段140は、配信者端末1から送信されてきたカメラ情報及び配信者入力情報を、通信部130を介して取得する。
【0051】
ステップS2において、条件判定手段141は、配信者情報取得手段140で取得されたカメラ情報及び配信者入力情報に基づいて、配信者の入力操作又は配信者に提示される画像が、画面酔いに関する所定の条件を満たしているか否かを判定する。
配信者の入力操作又は配信者に提示される画像が、画面酔いに関する所定の条件を満たしていない場合、ステップS2はNoであると判定され、処理はステップS5へ進む。
これに対して、配信者の入力操作又は配信者に提示される画像が、画面酔いに関する所定の条件を満たしている場合、ステップS2はYesであると判定され、処理はそのままステップS3へ進む。
【0052】
ステップS3において、画像音声編集手段150は、条件判定手段により所定の条件が満たされていると判定された検知区間のゲーム画像等に対して、編集処理を実行する。
【0053】
ステップS4において、視聴者用画像生成手段142は、配信者情報取得手段140で取得されたカメラ情報、配信者入力情報及び画像音声編集手段150による編集処理の結果に基づいて、第1視聴者用画像を生成する。その後、処理は、ステップS6へ進む。
【0054】
ステップS5において、条件判定手段141は、配信者の入力操作又は配信者に提示される画像が、画面酔いに関する所定の条件を満たしていないと判定した場合、配信者情報取得手段140で取得された配信者カメラ情報及び配信者入力情報に基づいて、視聴者に提示するための通常のゲーム画像を生成する。その後、処理は、ステップS6へ進む。
【0055】
ステップS6において、提示画像管理手段143は、通常ゲーム画像情報又は第1視聴者用画像情報を視聴者端末2へ送信する。これにより、第1視聴者用画像生成処理は終了する。
【0056】
ここで、図6及び図7を参照しながら、画像音声編集手段150による編集処理の一例について、図4の例とは異なる例を説明する。
まず図6の(A)の例では、画面下方向(南方向)から画面上方向(北方向)に向けたゲーム画像(視野)において、画面左方向に向かって武器(銃)を構えているキャラクタC1が表示されている。これに対して、図6の(B)は、図6の(A)の次の瞬間(ゲーム画像を表示するタイミング)に、画面上方向(北方向)から画面下方向(南方向)に向けたゲーム画像(視野)において、画面右方向に向かって武器を構えているキャラクタC1が表示されている。
なお、各図の上部に示すt(tは、1以上の任意の整数値)、t+1、t+2の表示は、各ゲーム画像がゲーム内の処理における所定の時間単位を示している。すなわち、ゲームにおける各種処理は、t、t+1、t+2等の所定の単位時間毎に入力情報が処理され、その単位時間毎の入力情報に基づいてゲーム画像が生成され、ゲームが進行する。
すなわち、図6の(A)及び(B)は、簡単に言えば、仮想空間内の画面左方向に向かって武器を構えていたキャラクタC1に対して、画面右方向への転換指示及び背景画像の視点の変更指示が同時に行われた場合のゲーム画像の遷移を示している。ゲーム内でこのような操作指示が素早く行われた場合、表示されるゲーム画像の内容は急激に変化するため、結果として、配信者や視聴者に画面酔いを誘発してしまう可能性がある。
【0057】
これに対して、図7には、画面酔いの防止を目的として視聴者に表示される第1視聴者用画像の一例を示す。
図7の(A)を見ると、図6の(A)の場合と同様に、画面下方向(南方向)から画面上方向(北方向)に向けたゲーム画像(視野)において、画面左方向に向かって武器を構えているキャラクタC1が表示されている。
これに対して、図7の(B)では、画面下方向(南方向)から画面上方向(北方向)に向けたゲーム画像(視野)において、画面右方向に向かって武器(銃)を構えているキャラクタC1が表示されている。そして、図7の(C)では、図6の(B)の場合と同様、画面上方向(北方向)から画面下方向(南方向)に向けたゲーム画像(視野)において、画面右方向に向かって武器を構えているキャラクタC1が表示されている。
図7の(B)の例は、図7の(C)と同様に、キャラクタC1は配信者の指示により画面右方向に向かって武器を構えているものの、背景画像の視点の変更は行わず、図7の(A)と同様の視点からのゲーム画像が示されている。言い換えれば、図7の(B)は、図7の(A)のゲーム画像から図7の(C)のゲーム画像へ遷移するにあたって、背景画像の視点を固定して生成された編集画像である。本第1システムは、このような中間的な編集画像を視聴者にのみ提示することで、結果として、配信者には自由にゲームをプレイさせつつ、視聴者の画面酔いのリスクを低減することができる。以上、本第1システムの説明を終了する。
【0058】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態にかかる情報処理システム(以下、「本第2システム」と呼ぶ)について、図面を用いて説明する。
本発明の第2実施形態では、本発明の第1実施形態と異なる方法により、画面酔いのリスクを軽減する視聴者用のゲーム画像を生成する例を示す。
【0059】
図8は、本発明の第2実施形態にかかる情報処理システムの構成の一例を示している。
図8に示すように、本第2システムは、配信者端末1と、視聴者端末2-1乃至2-m(mは、1以上の任意の整数値)とを含み構成される。配信者端末1と、視聴者端末2-1乃至2-mとは、インターネット等によるネットワークNを介して相互に接続されている。
ただし、ネットワークNは必須の構成要素ではないし、例えば、NFC(Near Field Communication)、ブルートゥース(登録商標)、LAN(Local Area Network)等が利用されてもよい。
なお、配信者端末1、視聴者端末2-1乃至2-mのハードウェア構成は、図2等で示した第1実施形態におけるハードウェア構成と同様である。また、以降の説明において、視聴者端末2-1乃至2-mの夫々を特に区別する必要がない場合、第1実施形態の場合と同様に「視聴者端末2」と呼ぶ。
【0060】
図9は、本発明の第2実施形態にかかる配信者端末及び視聴者端末の機能的構成の一例を示している。
図9に示すように配信者端末1の制御部11は、各種プログラム等を実行することにより、ゲーム処理実行手段60と第1カメラ制御手段180と、第2カメラ制御手段181と、第3カメラ制御手段182と、画像管理手段183と、出力制御手段64とが機能する。なお、ゲーム処理実行手段60、出力制御手段64の機能的構成は、対応する第1実施形態の各機能的構成の内容と同様である。
【0061】
第1カメラ制御手段180は、配信者の入力操作に応じて、ゲームの仮想空間内に配置された第1仮想カメラを制御する。具体的に第1カメラ制御手段180は、配信者の入力操作等に応じて、ゲーム画像を生成する基準となる仮想空間内の任意の視点の位置(仮想空間内における三次元座標等)及び回転角度(上述の座標から視線方向の画角の範囲等)に関する制御処理を実行する。
【0062】
第2カメラ制御手段181は、第1カメラ制御手段180による第1仮想カメラの動作に応じて、動作する第2仮想カメラを制御する。具体的に、第2カメラ制御手段181は、第1仮想カメラの動作に追従し、ゲーム画像を生成する基準となる仮想空間内の任意の視点の位置及び回転角度に関する制御処理を実行する。
【0063】
ここで、第2カメラ制御手段181には、動作制限手段190が設けられている。
動作制限手段190は、第1仮想カメラの動作が所定の条件(移動量、角度、速度等)を満たしているか否かを判定し、第1仮想カメラの動作が所定の条件を満たしている場合に、第2仮想カメラの動作を制限する制御を実行する。
【0064】
第3カメラ制御手段182は、第1仮想カメラ及び第2仮想カメラの動作と連動しない第3仮想カメラを制御する。具体的に、第3カメラ制御手段182は、第1仮想カメラ及び第2仮想カメラの動作とは独立して任意に設定される仮想空間内の任意の視点の位置及び回転角度に関する制御処理を実行する。
【0065】
画像管理手段183は、配信者又は視聴者に提示する各種ゲーム画像を管理する。具体的に、画像管理手段183には、配信者用画像生成手段200と、視聴者用画像生成手段201とが設けられている。
【0066】
配信者用画像生成手段200は、配信者の入力操作、第1カメラ制御手段180で制御された第1仮想カメラの位置及び回転角度の情報に基づく、各種ゲーム処理の結果として配信者に提示するための配信者用画像を生成する。
【0067】
視聴者用画像生成手段201は、視聴者に提示するためのゲーム画像(以下、「第2視聴者用画像」と呼ぶ)を生成する。
具体的に、視聴者用画像生成手段201は、動作制限手段190で第1仮想カメラの動作が所定の条件(移動量、角度、速度等)を満たしていると判定されなかった場合、配信者の入力操作、第2カメラ制御手段181で制御された第2仮想カメラの位置及び回転角度に基づいて、視聴者に提示するための第2視聴者用画像を生成する。
他方、視聴者用画像生成手段201は、動作制限手段190で第1仮想カメラの動作が所定の条件(移動量、角度、速度等)を満たしていると判定された場合、配信者の入力操作、第2カメラ制御手段181で制御された第2仮想カメラの位置及び回転角度、第3カメラ制御手段182で制御された第3仮想カメラの位置及び回転角度に基づいて、視聴者に提示するための第2視聴者用画像を生成する。
また、視聴者用画像生成手段201は、生成した第2視聴者用画像に関する情報(以下、「第2視聴者用画像情報」と呼ぶ)を、視聴者端末2へ送信する。
【0068】
図9に示すように視聴者端末2の制御部80は、各種プログラム等を実行することにより、第2視聴者用画像情報取得手段230と、出力制御手段101とが機能する。なお、出力制御手段101の機能的構成は、対応する第1実施形態の各機能的構成の内容と同様である。
【0069】
第2視聴者用画像情報取得手段230は、配信者端末1から送信されてきた第2視聴者用画像情報を、通信部90を介して取得する。
【0070】
続いて、図10を参照しながら、第2視聴者用画像のイメージを説明する。図10は、配信者端末1又は視聴者端末2に表示される第2視聴者用画像のイメージを示している。
【0071】
図10の(A)は、第1仮想カメラにより撮像された通常のゲーム画像の一例である。ここで、図10の(A)の示すゲーム状況において、動作制限手段190で所定の条件が満たされていると判定されるような第1仮想カメラの動作が確認されたとする。その場合、上述の通り、第1仮想カメラの動作により、第2仮想カメラの動作が制限され、第3仮想カメラで撮像されたゲーム画像が第2視聴者用画像として採用される。
この第3仮想カメラの視点により撮像されたゲーム画像が、例えば、図10の(B)の画像である。上述の通り、第3仮想カメラの位置及び回転角度は、第1仮想カメラや第2仮想カメラとは独立した位置に配置される。図10の(B)の例では、ゲーム空間内の上空の視点である。
すなわち、視聴者用画像生成手段201は、動作制限手段190で所定の条件が満たされていると判定された場合、第2仮想カメラの制御処理だけでなく、適宜、第3仮想カメラによる画像を採用して第2視聴者用画像を生成し、それを視聴者に提示する。これにより、本第2システムでは、配信者が自由にゲームをプレイできる環境を確保しつつ、視聴者が画面酔いを引き起こす可能性を低減する。
【0072】
図11を参照しながら、第2視聴者用画像生成処理の流れを説明する。図11は、図9の配信者端末で実行される第2視聴者用画像生成処理の流れの一例を示している。
【0073】
ステップS21において、第1カメラ制御手段180は、配信者の入力操作に応じて、ゲームの仮想空間内に配置された仮想カメラを制御する。
【0074】
ステップS22において、配信者用画像生成手段200は、配信者の入力操作、第1カメラ制御手段180で制御された第1仮想カメラの位置及び回転角度の情報に基づく、各種ゲーム処理の結果として配信者に提示するための配信者用画像を生成する。
【0075】
ステップS23において、第2カメラ制御手段181は、第1カメラ制御手段180による第1仮想カメラの動作に応じて、動作する第2仮想カメラを制御する。
【0076】
ステップS24において、動作制限手段190は、第1仮想カメラの動作が所定の条件(移動量、角度、速度等)を満たしているか否かを判定する。
第1仮想カメラの動作が所定の条件(移動量、角度、速度等)を満たしていない場合、動作制限手段190は、ステップS24はNoであると判定され、処理は、ステップS26へ進む。
これに対して、第1仮想カメラの動作が所定の条件(移動量、角度、速度等)を満たしている場合、ステップS24はYesであると判定され、処理はそのままステップS25へ進む。
【0077】
ステップS25において、視聴者用画像生成手段201は、動作制限手段190で第1仮想カメラの動作が所定の条件(移動量、角度、速度等)を満たしていると判定された場合、配信者の入力操作、第2カメラ制御手段181で制御された第2仮想カメラの位置及び回転角度、第3カメラ制御手段182で制御された第3仮想カメラの位置及び回転角度に基づいて、視聴者に提示するための第2視聴者用画像を生成する。
【0078】
ステップS26において、視聴者用画像生成手段201は、動作制限手段190で第1仮想カメラの動作が所定の条件(移動量、角度、速度等)を満たしていると判定されなかった場合、配信者の入力操作、第2カメラ制御手段181で制御された第2仮想カメラの位置及び回転角度に基づいて、視聴者に提示するための第2視聴者用画像を生成する。
【0079】
ステップS27において、視聴者用画像生成手段201は、生成した第2視聴者用画像に関する第2視聴者用画像情報を、視聴者端末2へ送信する。これにより、第2視聴者用画像生成処理は終了する。
【0080】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0081】
<他の実施形態>
また、上述の第1実施形態及び第2実施形態において、配信のための第1視聴者用画像又は第2視聴者用画像は、サーバ3等により自動で生成されるものとして説明したが、限定されない。本第1システム又は本第2システムは、配信者に動画像の編集を受け付ける機能を備えていてもよい。なお、以下、第1視聴者用画像と第2視聴者用画像とを区別する必要がない場合、単に視聴者用画像と呼び、本第1システムと本第2システムとを区別する必要がない場合、単に本システムと呼ぶ。
具体的に例えば、本システムは、条件判定手段141又は動作制限手段190等により第1仮想カメラの動作が所定の条件を満たしていると判定された場合に、編集のためのフラグを設定してもよい。
これにより、編集者は、画面酔いのリスクが高い動画像等を容易に編集して視聴者用画像を生成することができる。
【0082】
また、上述の第1実施形態において、カメラ情報はサーバに送信されるものとして説明したが、限定されない。例えば、サーバはカメラの回転角度、移動速度等のみを取得し、各種判定を行ってもよい。
また例えば、各種判定は他の情報処理端末(例えば、配信者端末1)で行ってもよい。なお、各種判定に関するプログラムはゲームプログラムに含まれてもよいし、別途用意されたプログラムにより処理されてもよい。
これらの態様を含めてまとめると、上述の第1実施形態において、サーバ3で行われる処理の全て又は一部は、配信者端末1又は視聴者端末2で行われてもよい。
【0083】
また、本システムは、上述のように配信者による動画像の編集を受け付ける場合、例えば、以下のような編集を受け付けてもよい。
例えば、本システムは、0.5倍速、1.2倍速、2.0倍速のように動画像を再生するスピードを変更する等の編集を受け付けてもよい。
さらに言えば、本システムは、視聴者等からの動画像の再生スピードの変更を受け付けてもよい。
【0084】
また、上述の第1実施形態及び第2実施形態では説明を省略したが、本システムは、第1仮想カメラの動作の程度(条件を超過した程度等)に応じて、生成する視聴者用画像の内容を変更してもよい。
【0085】
また、上述の第1実施形態及び第2実施形態では簡易的な説明のみにとどめたが、本システムは、画面酔いを低減するための編集方法(例えば、第1実施形態の画像音声編集手段150等)として、本システムは、例えば、視聴者用画像の生成のために以下のような編集の方法を採用してもよい。
(1)本システムは、例えば、上述の実施形態における検知区間の背景画像を削除する、又は画像を表示する数(フレーム数)を減少させ、視聴者用画像を生成してもよい。
(2)本システムは、例えば、カメラ(第1実施形態における仮想カメラ又は第2実施形態における第1仮想カメラ)が所定の条件を満たし、特に取得画像に上下の揺れが認められた場合(例えば、ゲームキャラクタが仮想空間内で上下に大きく移動するような場合)、仮想カメラ又はキャラクタの位置座標に基づいて、上下の不要な画像を削除して、視聴者用画像を生成してもよい。なお、本システムは、単に不要な画像を削除するのではなく、補正した画像等を補完して、視聴者用画像を生成してもよい。
(3)本システムは、例えば、検知区間の画像を全て固定して、視聴者用画像を生成してもよい。
(4)本システムは、例えば、検知区間の画像について、画像の中心部(キャラクタの周囲)の画像の変更のみを許可し、画像の外周部(背景等を含む)の画像を固定又は削除して、視聴者用画像を生成してもよい。
【0086】
また、上述の第1実施形態及び第2実施形態では説明を省略したが、本システムは、視聴者用画像の生成(画像の編集)において、レンダリング等の技術を活用することもできる。本システムは、例えば、キャラクタ部分のみを移動させ、背景画像等全て固定した画像をレンダリング等により生成してもよい。
【0087】
また、上述の第1実施形態及び第2実施形態において、条件判定手段141又は動作制限手段190が所定の条件を満たしているか否かは、配信者や配信者の使用するキャラクタ等によらず、一律であるものとして説明したが、限定されない。
例えば、本システムは、ゲームの進行状況(特定のイベント、敵)、キャラクタの性質(レベルや職業)、保有しているゲーム媒体、視聴者の性質等に応じて、条件の内容を変更してもよい。さらに言えば、本システムは、配信者又は視聴者が、条件の内容を変更できる仕様を採用してもよい。
【0088】
また、上述の第2実施形態において、第1仮想カメラが所定の条件(移動量、角度、速度等)を満たした場合、動作制限手段190は、第2仮想カメラの動作を禁止する(動作する仮想カメラを第3仮想カメラに切り替える)ものとして説明したが、限定されない。動作制限手段190は、第1仮想カメラが所定の条件(移動量、角度、速度等)を満たした場合、第2仮想カメラの動作(移動量、角度、速度等)を制限してもよい。なお、この場合、第3仮想カメラは第2仮想カメラと同時に動作しても良いし、動作しなくてもよい。
【0089】
また、上述の第2実施形態では説明を省略したが、本システムは、第2仮想カメラ及び第3仮想カメラの切り替えについて優先度等を設定する、もしくは第2仮想カメラ及び第3仮想カメラの画像の両方を視聴者等に提示してもよい。
例えば、急に敵キャラクタ等が現れるような場面が、ゲームの進行上予め分かっている場合に、そのような場面が訪れるタイミングで自動的に第3仮想カメラの画像を取得して、視聴者用画像を生成することで、容易に視聴者の画面酔いのリスクを低減し、かつ(事前に第3仮想カメラでそのような画像を取得しておくことで)迫力のある動画像を生成することができる。
また例えば、本システムは、第2仮想カメラ又は第3仮想カメラの画像を配信者等に提示してもよい。これにより、配信者は、視聴者に提示される画像を確認することで、より適切に配信(又はゲームのプレイ)を行うことができる。なお、この場合、本システムは、第2仮想カメラ又は第3仮想カメラの画像を第1仮想カメラの画像とは別の画像として表示しても良いし、第1仮想カメラの画像の一領域に第2仮想カメラ又は第3仮想カメラの画像を構成する形で配信者に提示してもよい。
【0090】
また、上述の第2実施形態では説明を省略したが、本システムは、第3仮想カメラは複数台設定してもよい。ゲーム内のキャラクタの位置等により適切な第3仮想カメラに切り替えることで、より適切なゲーム画像を生成することができる。
【0091】
また、上述の第2実施形態では説明を省略したが、本システムは、第2仮想カメラの制御に際して、各種画面酔いへの刺激を低減するための措置を行ってもよい。ここで、刺激を低減するための措置とは、例えば、デジタルカメラやドローン等で採用される上下揺れや手振れ等を防止して撮像を安定させるための、いわゆるジンバル機能等が含まれる。
【0092】
また、上述の第1実施形態及び第2実施形態では説明を省略したが、ゲームにおいて、あらかじめ配信等に制限を設ける特定の区間(いわゆるネタバレ禁止区間等)が設定されている場合、本システムは、例えば、その区間に生成した静止画像を表示してもよいし、各仮想カメラの撮像を強制的に停止してもよい。なお、本システムは、静止画像を表示する場合に、静止画像に合わせて、配信者の音声等を視聴者に提示してもよい。
【0093】
また、本システムは、ゲームに適用されるものとして説明したが、特に限定されない。例えば、各種動画像の配信システム等のゲーム以外の汎用的な情報処理システム等に適用されてもよい。
【0094】
また、本ゲームが実行されるハードウェアは、例えば、プレイステーション(登録商標)等の家庭用ゲーム機、ニンテンドースイッチ(登録商標)等の携帯用のゲーム機、業務用に設計された各種ゲーム機、もしくは、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット等の電子機器等であってもよい。
【0095】
また、上述の実施形態及び他の実施形態において、本システムの適用対象となるゲームは、FPSやTPSと呼ばれるネットワーク型の対戦ゲームであるものとして説明したが、限定されない。
本システムは、例えば、RPG(Role Playing Game)、シミュレーションゲーム、スポーツゲーム、カードゲーム、MOBA(Multiplayer online battle arena)、音楽ゲーム、格闘ゲーム、クイズゲーム等のあらゆるゲームに適用されてもよい。
【0096】
また、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。
換言すると、図3図9等の機能的構成は例示に過ぎず、特に限定されない。
即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が情報処理システムに備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは図3図9等の例に限定されない。また、機能ブロックの存在場所も、図3図9等の例に限定されず、任意でよい。
また、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成されてもよいし、ソフトウェア単体で構成されてもよいし、それらの組み合わせで構成されてもよい。
【0097】
また、本システムを構成する各種ハードウェア又は使用者等の数は任意であるし、本システムは、他のハードウェア等を含み任意に構成されてもよい。
【0098】
また、一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされてもよい。
【0099】
また、上述の実施形態における各種ハードウェアには、任意のコンピュータ、任意のスマートフォン等の携帯端末、任意のゲーム機等が自由に採用されてもよい。さらに言えば、各種入力部や各種出力部等の種別や内容についても任意の組み合わせが採用されてもよい。
【0100】
また、上述の実施形態におけるコンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータであってもよい。
【0101】
また、このようなプログラムを含む記録媒体は、ユーザ等にプログラムを提供するために装置本体とは別に提供される図示せぬリムーバブルメディアにより構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体等で構成されてもよい。
【0102】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理は勿論、並列的又は個別に実行されてもよい。また、上述の実施形態で記載するステップは、一部が省略されてもよい。
【0103】
また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置や複数の手段等より構成される全体的な装置を意味している。
【0104】
これらの他の実施形態を採用した場合においても、本実施形態の作用効果は発揮される。また、本実施形態と他の実施形態、及び他の実施形態同士を適宜組み合わせることも可能である。
【0105】
以上をまとめると、本発明が適用される情報処理システムは、次のような構成を有する各種各様の実施形態を取ることができる。
すなわち本発明が適用されるプログラムは、
ゲームをプレイする第1ユーザにより使用される第1情報処理端末と、
前記ゲームの配信を視聴する第2ユーザにより使用される第2情報処理端末と、
を含む情報処理システムを構成する情報処理装置を、
前記第1ユーザの入力操作に応じて、前記ゲームの仮想空間に配置された第1仮想カメラを制御する第1カメラ制御手段(例えば、第1カメラ制御手段180)と、
前記第1仮想カメラの動作に応じて、動作する第2仮想カメラを制御する第2カメラ制御手段(例えば、第2カメラ制御手段181)と、
前記第1仮想カメラにより生成された第1画像を前記第1ユーザに提示し、前記第2仮想カメラにより生成された第2画像を前記第2ユーザに提示する画像提示手段(例えば、画像管理手段183)と、
として機能させるプログラムであれば足りる。
【0106】
すなわち、カメラ制御手段61は、カメラ制御手段として機能する。
配信者用画像生成手段63は、画像生成手段として機能する。
画像音声編集手段150は、画像音声編集手段として機能する。
提示画像管理手段153は、画像表示手段として機能する。
第1カメラ制御手段180は、第1カメラ制御手段として機能する。
第2カメラ制御手段181は、第2カメラ制御手段として機能する。
第3カメラ制御手段182は、第3カメラ制御手段として機能する。
動作制限手段190は、動作制限手段として機能する。
画像管理手段183は、画像提示手段として機能する。
【0107】
<効果>
これにより、視聴者がゲーム配信等をより快適に視聴することができる。
【符号の説明】
【0108】
<第1実施形態>
1 配信者端末
11 制御部
60 ゲーム処理実行手段
61 カメラ制御手段
62 カメラ情報管理手段
63 配信者用画像生成手段
64 出力制御手段
2(2-1乃至2-n) 視聴者端末
80 制御部
100 画像情報管理手段
101 出力制御手段
3 サーバ
120 制御部
140 配信者情報取得手段
141 条件判定手段
142 視聴者用画像生成手段
143 提示画像管理手段
150 画像音声編集手段
<第2実施形態>
1 配信者端末
60 ゲーム処理実行手段
180 第1カメラ制御手段
181 第2カメラ制御手段
182 第3カメラ制御手段
183 画像管理手段
190 動作制限手段
200 配信者用画像生成手段
201 視聴者用画像生成手段
2(2-1乃至2-m) 視聴者端末
80 制御部
230 第2視聴者用画像情報取得手段
101 出力制御手段
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11