(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023104540
(43)【公開日】2023-07-28
(54)【発明の名称】ガスバルブ装置の取り付け構造
(51)【国際特許分類】
F24C 3/00 20060101AFI20230721BHJP
F24C 3/08 20060101ALI20230721BHJP
F24C 15/08 20060101ALI20230721BHJP
【FI】
F24C3/00 N
F24C3/08 R
F24C15/08 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022005583
(22)【出願日】2022-01-18
(71)【出願人】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111257
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 栄二
(74)【代理人】
【識別番号】100110504
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 智裕
(72)【発明者】
【氏名】丹下 雅斗
(72)【発明者】
【氏名】近藤 秀幸
(72)【発明者】
【氏名】畑岡 完
(72)【発明者】
【氏名】原田 大樹
(72)【発明者】
【氏名】草譯 翔平
(57)【要約】
【課題】ガスコンロ本体を裏返す必要がなく、低コストでマニホールドにガスバルブ装置を取り付けることができる取り付け構造を提供する。
【解決手段】ガス開口部が上部に形成されるとともに、支持部74により下方を支持されたマニホールド4が上方から連結部81で挟まれ、一対の下フランジ部85,86の間で、マニホールド4のガス開口部とガスバルブ装置1のガス導入口部とがシール部材8により密接した状態で、連結部81の一対の下フランジ部85,86に対してガスバルブ装置1に設けた上フランジ部13,14を上方から螺子締結した。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マニホールドに一体的に連結されるガスバルブ装置の取り付け構造であって、
マニホールドを下方から支持する支持部を上部に有するマニホールド支え部が、ガスコンロの底面に接合され、
一対の下フランジ部を上部に有する連結部が、支持部の上方に位置し、
ガス開口部が上部に形成されるとともに、支持部により下方を支持されたマニホールドが上方から連結部で挟まれ、一対の下フランジ部の間で、マニホールドのガス開口部とガスバルブ装置のガス導入口部とがシール部材により密接した状態で、連結部の一対の下フランジ部に対してガスバルブ装置に設けた一対の上フランジ部を上方から螺子締結したガスバルブ装置の取り付け構造。
【請求項2】
請求項1に記載のガスバルブ装置の取り付け構造であって、
マニホールド支え部と連結部とは、別部材であり、
連結部は、支持部に接合される底壁部と、底壁部の対向する側縁から上方に延びる一対の側壁部と、各側壁部の上端部から外方に折り曲げられた一対の下フランジ部とからなり、
一対の側壁部と底壁部には、マニホールドを挿通させるマニホールド挿通部が形成されたガスバルブ装置の取り付け構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マニホールドに一体的に連結されるガスバルブ装置の取り付け構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、マニホールドにガスバルブ装置を取り付ける場合、2種類の方式が採用されている。1つは、主としてテーブルコンロで採用されている、ガスバルブ装置と固定金具との間にマニホールドを挟み込むようにしてガスバルブ装置と固定金具とを螺子止めする方式である(例えば、特許文献1)。もう1つは、主としてビルトインコンロで採用されている、マニホールドの開口周縁に開口と一致するように連通口を配置させたフランジ部を溶接し、溶接したフランジ部とガスバルブ装置のフランジ部とを螺子止めする方式である(例えば、特許文献2)。
【0003】
前者の方式の場合、マニホールドよりも上方にはガスバルブ装置が位置するため、固定金具とガスバルブ装置とを螺子止めするためには、ガスコンロ本体を裏返して取り付け作業を行う必要がある。そのため、重量のあるビルトインコンロでは採用することが難しい。
【0004】
一方、後者の方式の場合、マニホールドの開口とフランジ部の連通口とを一致させた状態で、マニホールドの開口の全周縁にフランジ部をガス漏れ無く溶接する必要がある。そのため、マニホールドの周面方向にフランジ部の取り付け位置の誤差が生じたり、フランジ部の取り付け角度に誤差が生じたりする不良率の発生や作業精度の観点から取り付け作業のコストが増加するという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2016-23849号公報
【特許文献2】特開平9-318079号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記課題を解決するものであり、本発明の目的は、テーブルコンロあるいはビルトインコンロのいずれのタイプのガスコンロであっても、ガスコンロ本体を裏返す必要がなく、低コストでマニホールドにガスバルブ装置を取り付けることができる取り付け構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、
マニホールドに一体的に連結されるガスバルブ装置の取り付け構造であって、
マニホールドを下方から支持する支持部を上部に有するマニホールド支え部が、ガスコンロの底面に接合され、
一対の下フランジ部を上部に有する連結部が、支持部の上方に位置し、
ガス開口部が上部に形成されるとともに、支持部により下方を支持されたマニホールドが上方から連結部で挟まれ、一対の下フランジ部の間で、マニホールドのガス開口部とガスバルブ装置のガス導入口部とがシール部材により密接した状態で、連結部の一対の下フランジ部に対してガスバルブ装置に設けた一対の上フランジ部を上方から螺子締結したガスバルブ装置の取り付け構造が提供される。
【0008】
上記取り付け構造によれば、マニホールドにガスバルブ装置を取り付けるとき、上方からガスバルブ装置の上フランジ部と連結部の一対の下フランジ部とを螺子締結することができるから、テーブルコンロあるいはビルトインコンロのいずれのタイプのガスコンロでも、ガスコンロ本体を裏返すことなく容易に取り付け作業を行うことができる。また、従来のようにマニホールドのガス開口部の全周縁にフランジ部を高精度に溶接する必要がないから、溶接不良が発生せず、作業コストを低減することができる。さらに、ガスコンロのタイプに関わらず、マニホールドにガスバルブ装置を取り付けることができるから、共通のガスバルブ装置を使用することもできる。
【0009】
好ましくは、上記ガスバルブ装置の取り付け構造において、
マニホールド支え部と連結部とは、別部材であり、
連結部は、支持部に接合される底壁部と、底壁部の対向する側縁から上方に延びる一対の側壁部と、各側壁部の上端部から外方に折り曲げられた一対の下フランジ部とからなり、
一対の側壁部と底壁部には、マニホールドを挿通させるマニホールド挿通部が形成される。
【0010】
上記取り付け構造によれば、マニホールド支え部へのマニホールドの装着が容易であるとともに、上フランジ部と下フランジ部とを螺子締結するとき、マニホールドのガタツキが抑えられるから、マニホールドのガス開口部とガスバルブ装置のガス導入口部との気密接続の作業性がよく、ガス漏れ防止の品質を向上することができる。
【発明の効果】
【0011】
以上のように、本発明によれば、テーブルコンロあるいはビルトインコンロのいずれのタイプのガスコンロでも、ガスコンロ本体を裏返す必要がなく、低コストでマニホールドにガスバルブ装置を取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、本発明の実施の形態1に係るガスコンロの一例を示す概略斜視図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施の形態1に係るガスコンロ本体を示す概略平面部である。
【
図3】
図3(a)は、本発明の実施の形態1に係るガスバルブ装置を示す概略斜視図であり、
図3(b)は、バルブ本体の接続部の周囲を示す部分斜視図である。
【
図4】
図4は、本発明の実施の形態1に係るマニホールドとガスバルブ装置と取り付け具とを示す概略分解斜視図である。
【
図5】
図5は、本発明の実施の形態1に係るマニホールドにガスバルブ装置が取り付けられた状態を示す概略斜視図である。
【
図6】
図6は、本発明の実施の形態1に係るマニホールドにガスバルブ装置が取り付けられた状態を示す要部概略縦断面図である。
【
図7】
図7は、本発明の実施の形態2に係るマニホールドにガスバルブ装置が取り付けられた状態を示す概略斜視図である。
【
図8】
図8は、本発明の実施の形態2に係る取り付け具を示す概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(実施の形態1)
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態に係るマニホールドとガスバルブ装置との取り付け構造を説明する。
図1に示すように、本実施の形態のガスコンロは、例えば、キッチンの収納台等に載置して使用される所謂テーブルコンロ型のガスコンロであり、2つのコンロバーナ9と、グリル99と、これらを収容し、上方に開放するガスコンロ本体100と、ガスコンロ本体100の上方開放部102(
図2参照)を閉塞する天板101とを備える。ガスコンロ本体100の前面パネル103には、コンロバーナ9や図示しないグリルバーナの点火や消火を行うための点消火操作ボタン92や各バーナの火力を調節する操作つまみ15などが設けられている。なお、本明細書では、前面パネル103をガスコンロの正面とし、ガスコンロ本体100を正面側から見たときの奥行き方向を前後方向、幅方向を左右方向、高さ方向を上下方向という。
【0014】
ガスバルブ装置1は、前面パネル103の後方にコンロバーナ9及びグリルバーナに対応して設けられる。
図2に示すように、ガスバルブ装置1は、ガスコンロ本体100内に延設されたマニホールド4に一体的に連結されており、マニホールド4から各バーナへ供給される燃料ガスの供給量を調節する。各バーナには共通の構成を有するガスバルブ装置1が使用されているため、以下ではマニホールド4と1つのガスバルブ装置1との取り付け構造について説明する。
【0015】
ガスバルブ装置1は、内部にガス通路を有するバルブ本体10と、バルブ本体10に対して左右方向に回動可能に連結支持される火力調節レバー11と、バルブ本体10に対して前後方向に摺動可能に支持される点消火操作子19とを備える。ガスバルブ装置1は、火力調節レバー11の前端部に装着された操作つまみ15が前面パネル103に開設されたレバー挿通孔を介してガスコンロ本体100内から前方に突出し、点消火操作子19が前面パネル103に設けられた点消火操作ボタン92の後方に位置する状態で、ガスコンロ本体100に支持固定される。
【0016】
バルブ本体10は鋳造体からなる。バルブ本体10の胴部20の前後方向中央部の下側には、マニホールド4と接続される接続部12が形成され、接続部12の上方には、胴部20から左右方向外方に略水平に延びる一対のフランジ部(以下、単に「上フランジ部」という)13,14が形成され、胴部20の前後方向中央部の上側には、バーナのガス入口に臨む噴射ノズル(図示せず)が形成されている。接続部12は、バルブ本体10に交差する左右方向に半円柱状の嵌合凹部(以下、「上嵌合凹部」という)16と、上嵌合凹部16の中心に下方に突設する筒部17とを有する。筒部17は、下方に向かって僅かに縮径するように形成されている。筒部17の外周には、シール部材であるOリング8が嵌め込まれ、マニホールド4にガスバルブ装置1が取り付けられるとき、筒部17の下端部が後述するマニホールド4の開口41周縁に圧接され、筒部17の開口がマニホールド4の開口41と連通する。従って、本実施の形態では、筒部17がガス導入口部を構成する。筒部17の周囲には、Oリング8が嵌入される環状溝18が形成されており、一対の上フランジ部13,14にはそれぞれ、ビス孔Hが開設されている。
【0017】
マニホールド4は内部に燃料ガスが流動する断面略円形状の金属管体であり、その上流端にはガスコンロ本体100の後壁を貫通してガスホースを接続するためのホースエンド410が設けられ、下流端には潰し加工等による閉塞部(図示せず)が形成されている。そして、マニホールド4の前面パネル103に沿って左右に延びる部分にガスバルブ装置1が取り付けられている。
【0018】
マニホールド4の所定箇所の管壁には、切削加工やプレス加工等による開口41が開設されている。開口41には、既述したバルブ本体10の接続部12に形成された筒部17の下端部が圧接され、Oリング8により筒部17の外周とマニホールド4の開口41周縁の管壁との間が気密接続される。従って、本実施の形態では、開口41及びその周縁のマニホールド4の管壁部分がガス開口部を構成する。
図6に示すように、マニホールド4にガスバルブ装置1が取り付けられるとき、接続部12の上嵌合凹部16に外嵌状態となる。
【0019】
取り付け具6は、マニホールド4を下方から支持する支え板(マニホールド支え部)71と、支え板71に接合され、バルブ本体10と螺子締結される連結ブラケット(連結部)81との2部材からなる。支え板71は、金属板を折り曲げることによって形成された、下端部の略矩形状の固定片72と、固定片72の前端部から略垂直に上方に向かって延びる略矩形状の立設片73と、立設片73の上端部から前方に向かって略水平に延びる略矩形状の支持片(支持部)74とを有する。図示しないが、固定片72はビス孔を有し、ガスコンロ本体100の前面パネル103の下端部を内方に折り返した内周フランジ部110に螺子止めされる。従って、本実施の形態では、内周フランジ部110がガスコンロ本体100の底面を構成する。
【0020】
支え板71の支持片74の前後方向中央部には、既述したバルブ本体10の接続部12に設けられている上嵌合凹部16に対応して、左右方向に半円柱状の浅い嵌合凹部(以下、「下嵌合凹部」という)75が形成されている。下嵌合凹部75は、マニホールド4に外嵌する。
【0021】
支え板71の支持片74の上方には、前方視略コ字状の連結ブラケット81が接合される。連結ブラケット81は、略矩形状の金属板を折り曲げることによって形成され、支持片74の上面に重ねて接合される略矩形状の底壁部82と、底壁部82の左右方向両端部からそれぞれ上方に向かって略垂直に延びる略矩形状の一対の側壁部83,84と、各側壁部83,84の上端部から左右方向外方に略水平に延びる略矩形状の一対のフランジ部(以下、「下フランジ部」という)85,86とを有する。連結ブラケット81の一対の下フランジ部85,86の間には、下方に凹の凹部87が形成されている。凹部87は、既述したバルブ本体10の接続部12が収容される左右方向の幅を有し、バルブ本体10の接続部12が凹部87に収容されたとき、上フランジ部13,14が下フランジ部85,86に当接する高さを有する。
【0022】
支え板71の支持片74と連結ブラケット81の底壁部82とは、かしめ処理やスポット溶接等により接合される。また、連結ブラケット81には、底壁部82の前後方向中央部に開口する略矩形状の下方開口部88と、下方開口部88に連続し、側壁部83,84の下端から上方に向かって切り欠かれた略逆U字状の側方開口部89,90とが形成されている。底壁部82の下方開口部88は、底壁部82を支え板71の支持片74に接合したときに、下方開口部88が下嵌合凹部75と対向する。また、下方開口部88は、マニホールド4の外径よりも若干大きな幅を有する。また、側方開口部89,90の側壁部83,84の下端からの高さは、下嵌合凹部75の深さ寸法を加えると、マニホールド4の外径と略同一になるように設定されており、側方開口部89,90の上端の略半円状の切欠は、マニホールド4と略同一の直径を有する。このため、マニホールド4を支え板71の支持片74に支持させた状態で、上方から連結ブラケット81をマニホールド4に嵌めこむと、マニホールド4が下方開口部88内で一対の側壁部83,84を貫通するように一方の側壁部83の側方開口部89と他方の側壁部84の側方開口部90とに挿通されて、マニホールド4が前後方向に位置決めされる。従って、本実施の形態では、側方開口部89,90及び下方開口部88がマニホールド挿通部を構成する。
【0023】
連結ブラケット81の一対の下フランジ部85,86にはそれぞれ、ビス孔Hが開設されている。これらのビス孔Hは、マニホールド4にガスバルブ装置1が取り付けられるとき、上フランジ部13,14のビス孔Hに対向する位置に設けられている。
【0024】
マニホールド4にガスバルブ装置1を取り付ける取り付け手順を説明すると、まず、マニホールド4の開口41が支え板71の支持片74の左右方向中央部に位置するように支持片74上にマニホールド4を載置し、上方から連結ブラケット81をマニホールド4に嵌める。このとき、マニホールド4の下半体が底壁部82の下方開口部88を介して支持片74の下嵌合凹部75に嵌り込むとともに、マニホールド4の上半体が側壁部83,84の側方開口部89,90内に嵌り込み、上向きに開口するマニホールド4の開口41が凹部87に収容される。そして、底壁部82を支持片74にスポット溶接等によって接合する。このようにしてマニホールド4が支え板71の支持片74上に支持され、上方から連結ブラケット81に挟まれた状態で、マニホールド4が取り付け具6に固定されたサブアセンブリが完成する。
【0025】
次いで、上方開放部102からガスコンロ本体100内にサブアセンブリを収容し、支え板71の下端部の固定片72を、既述したガスコンロ本体100の内周フランジ部110の上面の所定箇所に螺子止めにより固定する。なお、ビルトインコンロのようにガスコンロ本体の下面全体が底壁で覆われている場合、底壁がガスコンロ本体の底面を構成する。
【0026】
上記のようにして、ガスコンロ本体100内にマニホールド4を有する取り付け具6が固定されると、バルブ本体10の接続部12の下方に突出する筒部17の下端部がマニホールド4の開口41の上方に位置するように、ガスバルブ装置1を配置させる。なお、ガスバルブ装置1を配置させるとき、ガスバルブ装置1の火力調節レバー11を前面パネル103に開設されたレバー挿通孔を介してガスコンロ本体100内から前方に突出させ、点消火操作子19を前面パネル103に取り付けられた点消火操作ボタン92の後方に配置させる。
【0027】
また、上記のようにしてガスバルブ装置1が配置されると、バルブ本体10から左右方向外方に延びる上フランジ部13,14と連結ブラケット81の下フランジ部85,86とが上下に重なり合い、上下のビス孔Hが対向する。従って、ガスコンロ本体100の上方開放部102から螺子Sをビス孔Hに螺合させることで上フランジ部13,14と下フランジ部85,86とが螺子締結され、マニホールド4に一体的にガスバルブ装置1が連結される。また、接続部12の筒部17の下端部が開口41の周縁に圧接されて、Oリング8によりマニホールド4の開口41とバルブ本体10の筒部17の開口とが気密接続される。
【0028】
以上詳細に説明したように、本実施の形態によれば、マニホールド4にガスバルブ装置1を取り付けるとき、ガスコンロ本体100の上方からバルブ本体10の上フランジ部13,14と連結ブラケット81の下フランジ部85,86とを螺子締結することができるから、テーブルコンロあるいはビルトインコンロのいずれでも、ガスコンロ本体100を裏返すことなく容易に取り付け作業を行うことができる。また、従来のビルトインコンロようにマニホールドの開口の全周縁にフランジ部を気密且つ高精度に溶接する必要がないから、溶接不良が発生せず、取り付け作業を低コスト化することができる。また、ガスコンロのタイプに関わらず、マニホールド4にガスバルブ装置1を取り付けることができるから、共通のガスバルブ装置1を使用することもできる。
【0029】
また、本実施の形態によれば、上フランジ部13,14と下フランジ部85,86とを接続するとき、マニホールド4のガタツキが抑えられているから、マニホールド4のガス開口部とバルブ本体10のガス導入口部との気密接続の作業性がよく、ガス漏れ防止の品質を向上することができる。
【0030】
以上のように、本実施の形態によれば、テーブルコンロあるいはビルトインコンロのいずれのタイプのガスコンロでも、ガスコンロ本体100を裏返す必要がなく、低コストでマニホールド4にガスバルブ装置1を取り付けることができる取り付け構造を提供することができる。
【0031】
(実施の形態2)
本実施の形態は、支え板と連結ブラケットとが一体に形成された取り付け具が用いられる以外は、実施の形態1と同一の構成を有する。このため、同一の構成については、同一の引用番号を使用して説明を省略する。
【0032】
図7は、本実施の形態のマニホールド4にガスバルブ装置1が取り付けられた状態を示す概略斜視図であり、
図8は、支え板と連結ブラケットとが一体に形成された取り付け具600の概略斜視図である。本実施の形態の取り付け具600は、実施の形態1と同様に、金属板を所定形状に成形することにより、ガスコンロ本体100の底面110に接合される固定片720と、固定片720の前端部から上方に略垂直に立設する略矩形状の立設片730と、立設片730の上端部から略水平に前方に延びる略矩形状の支持片740と、支持片740の左右方向両端部から略垂直に上方に延びる一対の側壁部830,840と、各側壁部830,840の上端部から左右方向外方に略水平に延びる略矩形状の一対の下フランジ部850,860とを有する。すなわち、本実施の形態の取り付け具600は、実施の形態1の支え板71の支持片74と連結ブラケット81の底壁部82とが一体になった構成を有し、固定片720、立設片730、及び支持片740がマニホールド支え部を構成し、一対の側壁部830,840、及び一対の下フランジ部850,860が連結部を構成する。
【0033】
本実施の形態の取り付け具600は、一対の側壁部830,840に、側方開口部890,900が形成されている。これら側方開口部890,900にはマニホールド4が挿通され、一対の下フランジ部850,860の間の凹部870には開口41が収容される。なお、図では、支持片740に下嵌合凹部が形成されていないが、実施の形態1と同様に、支持片740にマニホールド4の下半体に外嵌する下嵌合凹部を形成してもよい。本実施の形態のマニホールド4にガスバルブ装置1を取り付ける手順は、支え板71と連結ブラケット81との接合が不要であることと、マニホールド4を側方開口部890,900に対して側方から挿通させること以外は、実施の形態1のそれと略同様であるため説明を省略する。
【0034】
本実施の形態によれば、マニホールド4にガスバルブ装置1を取り付けるとき、ガスコンロ本体100の上方からバルブ本体10の上フランジ部13,14と下フランジ部850,860とを螺子締結することができるから、テーブルコンロあるいはビルトインコンロのいずれでも、ガスコンロ本体100を裏返すことなく容易に取り付け作業を行うことができる。また、気密且つ高精度な溶接の必要がないから、溶接不良が発生せず、取り付け作業を低コスト化することができる。さらに、ガスコンロのタイプに関わらず、マニホールド4にガスバルブ装置1を取り付けることができるから、共通のガスバルブ装置1を使用することもできる。
【0035】
また、本実施の形態では、実施の形態1と同様に、上フランジ部13,14と下フランジ部850,860とを接続するとき、マニホールド4のガタツキが抑えられているから、マニホールド4のガス開口部とバルブ本体10のガス導入口部との気密接続の作業性がよく、ガス漏れ防止の品質を向上することができる。また、本実施の形態によれば、実施の形態1と異なり、支え板と連結ブラケットとが一体に形成されているから、部品点数を削減でき、低コスト化することができる。
【0036】
なお、上記実施の形態ではいずれも、シール部材としてOリング8が用いられているが、シール部材として専用のパッキンを使用してもよい。
【符号の説明】
【0037】
1 ガスバルブ装置
10 バルブ本体
13,14 上フランジ部
17 筒部
4 マニホールド
41 開口
71 支え板
73 支持片
81 連結ブラケット
85,86 下フランジ部