IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ヤフー株式会社の特許一覧

特開2023-104567提供装置、提供方法および提供プログラム
<>
  • 特開-提供装置、提供方法および提供プログラム 図1
  • 特開-提供装置、提供方法および提供プログラム 図2
  • 特開-提供装置、提供方法および提供プログラム 図3
  • 特開-提供装置、提供方法および提供プログラム 図4
  • 特開-提供装置、提供方法および提供プログラム 図5
  • 特開-提供装置、提供方法および提供プログラム 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023104567
(43)【公開日】2023-07-28
(54)【発明の名称】提供装置、提供方法および提供プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20230101AFI20230721BHJP
【FI】
G06Q30/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022005634
(22)【出願日】2022-01-18
(71)【出願人】
【識別番号】319013263
【氏名又は名称】ヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田島 玲
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB05
(57)【要約】
【課題】利用者の匿名性を担保しつつ、ターゲットとなる利用者に関する有益な情報を提供することができる提供装置、提供方法および提供プログラムを提供すること。
【解決手段】本願に係る提供装置は、特定部と、生成部と、提供部とを備える。特定部は、クライアントによって指定された利用者と類似する利用者群を特定する。生成部は、特定した利用者群の興味に関する統計情報を生成する。提供部は、生成した統計情報をクライアントへ提供する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クライアントによって指定された利用者と類似する利用者群を特定する特定部と、
特定した前記利用者群の興味に関する統計情報を生成する生成部と、
生成した前記統計情報を前記クライアントへ提供する提供部と
を備える提供装置。
【請求項2】
前記特定部は、
k匿名性を満たすように前記利用者群を特定する
請求項1に記載の提供装置。
【請求項3】
前記特定部は、
前記クライアントから指定された属性情報が類似する前記利用者群を特定する
請求項1または2に記載の提供装置。
【請求項4】
前記特定部は、
前記クライアントに対応する属性情報が類似する前記利用者群を特定する
請求項1~3のいずれか1つに記載の提供装置。
【請求項5】
前記クライアントに対応する属性情報は、
前記クライアントが行う事業の属性情報である
請求項4に記載の提供装置。
【請求項6】
前記生成部は、
前記利用者群に含まれる利用者それぞれの興味に関するベクトルを推定し、推定した各ベクトルに基づいた統計情報を生成する
請求項1~5のいずれか1つに記載の提供装置。
【請求項7】
前記生成部は、
所定の対象に対する興味を示すスコアを前記利用者群に含まれる利用者毎に算出し、算出した各スコアに基づいた統計情報を生成する
請求項1~6のいずれか1つに記載の提供装置。
【請求項8】
前記特定部は、
利用者それぞれの前記クライアントへの紐づきの有無に基づいて、前記クライアントへの近さを示すクライアントベクトルを推定し、推定した前記クライアントベクトルに基づいた前記利用者群を特定する
請求項1~7のいずれか1つに記載の提供装置。
【請求項9】
コンピュータが実行する提供方法であって、
クライアントによって指定された利用者と類似する利用者群を特定する特定工程と、
特定した前記利用者群の興味に関する統計情報を生成する生成工程と、
生成した前記統計情報を前記クライアントへ提供する提供工程と
を含む提供方法。
【請求項10】
クライアントによって指定された利用者と類似する利用者群を特定する特定手順と、
特定した前記利用者群の興味に関する統計情報を生成する生成手順と、
生成した前記統計情報を前記クライアントへ提供する提供手順と
をコンピュータに実行させる提供プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、提供装置、提供方法および提供プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ビジネスシーン等に活用することを目的として、インターネットを介してやり取りされる膨大なデータを様々な側面から分析するための様々な技術が提案されている。たとえば、購買履歴データ等を用いて時期のトレンドを考慮して顧客を分析する技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-146145号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術は、利用者の匿名性を担保しつつ、ターゲットとなる利用者に関する有益な情報を提供する点で改善の余地があった。
【0005】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、利用者の匿名性を担保しつつ、ターゲットとなる利用者に関する有益な情報を提供することができる提供装置、提供方法および提供プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に係る提供装置は、特定部と、生成部と、提供部とを備える。前記特定部は、クライアントによって指定された利用者と類似する利用者群を特定する。前記生成部は、特定した前記利用者群の興味に関する統計情報を生成する。前記提供部は、生成した前記統計情報を前記クライアントへ提供する。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の一態様によれば、利用者の匿名性を担保しつつ、ターゲットとなる利用者に関する有益な情報を提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る提供装置が実行する処理を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る提供システムの構成例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る提供装置の構成例を示す図である。
図4図4は、利用者情報の一例を示す図である。
図5図5は、実施形態に係る提供装置が実行する提供処理の処理手順を示すフローチャートである。
図6図6は、ハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る提供装置、提供方法および提供プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と記載する)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る提供装置、提供方法および提供プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0010】
(実施形態)
まず、図1を用いて、実施形態に係る提供装置が実行する処理について説明する。図1は、実施形態に係る提供装置が実行する処理を示す図である。なお、図1では、実施形態に係る提供装置1を含む提供システムSの動作例を示している。図1に示すように、実施形態に係る提供システムSは、第1の事業者端末100と、第2の事業者端末1とを含む。第1の事業者端末100は、提供装置に対して情報提供を依頼する第1の事業者(クライアント)が扱う端末装置である。第2の事業者端末1は、クライアントへ情報提供を行う第2の事業者が扱う端末装置であり、提供装置を含む。なお、以下では、第1の事業者端末100をクライアント端末100と称し、第2の事業者端末1を提供装置1と称する。
【0011】
また、第1の事業者および第2の事業者は、それぞれ独立して、利用者に対して商品または役務の事業を行う。第1の事業者端末100は、第1の事業者が行う事業を利用した第1の利用者に関する利用者情報を収集する。また、第2の事業者端末1は、第2の事業者が行う事業を利用した第2の利用者に関する利用者情報を収集する。また、第1の事業者端末100および第2の事業者端末1は、それぞれが収集した利用者情報について、同一の利用者の場合には、同一の利用者IDにて管理する。
【0012】
実施形態に係る提供システムSでは、提供装置1は、クライアント端末100を介してクライアントから第1の利用者の指定を受け付ける(ステップS1)。図1に示す例では、利用者IDが「U1」の利用者の指定を受け付けたとする。
【0013】
つづいて、提供装置1は、利用者IDに基づいて、クライアントによって指定された第1の利用者と同一の第2の利用者を特定する(ステップS2)。具体的には、提供装置1は、第1の利用者と同一の利用者IDとなる第2の利用者を特定する。
【0014】
つづいて、提供装置1は、第2の利用者の中から、第1の利用者と類似する第2の利用者群を特定する(ステップS3)。具体的には、提供装置1は、ステップS2にて特定した第2の利用者と類似する第2の利用者群を特定する。図1に示す例では、利用者ID「U1」、「U2」および「U3」を第2の利用者群として特定した例を示す。特定した第2の利用者群の利用者の数は、k匿名性を満たす数であることが好ましい。
【0015】
つづいて、提供装置1は、特定した第2の利用者群に含まれる第2の利用者それぞれの興味に関する興味情報を生成する(ステップS4)。図1に示す例では、提供装置1は、第2の利用者それぞれについて、所定の対象に対する興味を示すスコア(興味スコア)を算出する。興味スコアは、例えば、第2の事業者が行う事業における第2の利用者の行動履歴や、利用者の属性情報等に基づいて算出可能である。
【0016】
また、提供装置1は、興味スコアに限らず、第2の利用者それぞれの興味に関する多次元のベクトルを推定し興味情報として生成してもよい。
【0017】
つづいて、提供装置1は、生成した利用者それぞれの興味情報に基づいて、第2の利用者群の興味に関する統計情報を生成する(ステップS5)。図1に示す例では、提供装置1は、第2の利用者それぞれの興味スコアの平均値(平均興味スコア)を統計情報として生成する。
【0018】
そして、提供装置1は、生成した統計情報をクライアント端末100を介してクライアントへ提供する(ステップS6)。
【0019】
つまり、提供装置1は、クライアントによって指定された利用者を含む複数の利用者の興味情報の統計情報をクライアントへ提供することで、利用者の匿名性を担保しつつ、クライアントのターゲットとなる利用者の有益な情報を提供することができる。
【0020】
次に、図2を用いて、実施形態に係る提供システムSの構成例について説明する。図2は、実施形態に係る提供システムSの構成例を示すブロック図である。図2に示すように、実施形態に係る提供システムSは、提供装置1と、複数のクライアント端末100とがネットワークNに対して有線又は無線により接続される。ネットワークNは、例えば、インターネット、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)等のネットワークである。
【0021】
提供装置1は、インターネット上の各種サービスを利用者に提供する事業を反復継続的に独立して行っている第2の事業者が管理する情報処理装置である。たとえば、提供装置1は、サーバ装置やクラウドシステムなどにより実現される。
【0022】
また、提供装置1は、各利用者に対して、オンラインで何らかのWebサービスを提供する情報処理装置であってもよい。例えば、提供装置1は、Webサービスとして、インターネット接続、検索サービス、SNS(Social Networking Service)、電子商取引(EC:Electronic Commerce)、電子決済、オンラインゲーム、オンラインバンキング、オンライントレーディング、宿泊・チケット予約、動画・音楽配信、ニュース、地図、ルート検索、経路案内、路線情報、運行情報、天気予報等のサービスを提供してもよい。実際には、提供装置1は、上記のようなWebサービスを提供する各種サーバと連携し、Webサービスを仲介してもよいし、Webサービスの処理を担当してもよい。
【0023】
クライアント端末100は、第1の事業者が管理する情報処理装置である。たとえば、第1の事業者は、消費者に対して所定の商品又は役務を提供する事業を反復継続的に独立して行っている。クライアント端末100は、典型的には、デスクトップ型またはノート型のパーソナルコンピュータである。なお、クライアント端末100は、スマートフォンやタブレット、PDA(Personal Digital Assistant)などの任意の情報処理端末により実現されてもよい。
【0024】
また、クライアント端末100は、提供装置1から提供される情報を、ウェブブラウザやアプリケーションにより表示できる。
【0025】
次に、図3を参照して、提供装置1の構成例について説明する。
【0026】
図3は、実施形態に係る提供装置1の構成例を示す図である。図3に示されるように、提供装置1は、通信部2と、制御部3と、記憶部4とを有する。制御部3は、受付部31と、特定部32と、生成部33と、提供部34とを備える。記憶部4は、利用者情報41とを記憶する。
【0027】
通信部2は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。通信部2は、有線または無線によりネットワーク網と接続される。
【0028】
制御部3は、コントローラ(controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等のプロセッサによって、提供装置1内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(提供プログラムの一例に相当)がRAM等を作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部3は、コントローラ(controller)であり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、GPGPU(General Purpose Graphic Processing Unit)等の集積回路により実現されてもよい。
【0029】
記憶部4は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。
【0030】
利用者情報41は、第2の事業者の事業を利用した利用者に関する情報である。図4は、利用者情報41の一例を示す図である。図4に示すように、利用者情報41は、「利用者ID」、「属性情報」、「興味情報」等の項目を含む。
【0031】
「利用者ID」は、利用者を識別する識別情報である。「属性情報」は、利用者の属性に関する情報であり、サイコグラフィック属性や、デモグラフィック属性等を含む。「興味情報」は、後述する生成部33によって生成される情報であり、利用者の興味に関する情報である。
【0032】
なお、利用者情報41は、上記以外にも、例えば、第2の事業者の事業を利用した際の行動履歴の情報等が含まれてもよい。
【0033】
次に、提供装置1の制御部3の各機能(受付部31、特定部32、生成部33および提供部34)について説明する。
【0034】
受付部31は、クライアント端末100を介してクライアントから利用者の指定を受け付ける。利用者の指定は、例えば、クライアントである第1の事業者の事業を利用した第1の利用者の利用者IDの指定により行われる。
【0035】
なお、上述したように、利用者IDは、第1の事業者および第2の事業者の間で共有され、同一の利用者IDが割り振られている。同一の利用者IDの割振りは、例えば、第1の事業者または第2の事業者の事業への利用登録をする際に、第1の事業者または第2の事業者の事業で既に使用している利用者IDを利用者から取得することで割り振り可能である。
【0036】
なお、受付部31は、クライアントから受け付けた利用者IDが、第2の利用者の利用者IDと一致しない場合、すなわち、利用者が第1の事業者の事業のみを利用し、第2の事業者の事業を利用していなかった場合、利用者IDの受付が不可であることをクライアント端末100を介してクライアントへ通知する。
【0037】
特定部32は、クライアントから指定された利用者と類似する利用者群を特定する。具体的には、まず、特定部32は、受付部31が受け付けた第1の利用者の利用者IDと同一の利用者IDを有する第2の利用者を特定する。
【0038】
次に、特定部32は、特定した第2の利用者と類似する複数の第2の利用者を利用者群として特定する。つまり、特定部32が特定する利用者群は、受付部31が受け付けた第1の利用者の利用者IDと同一の利用者IDを有する第2の利用者(同一利用者と称する場合がある)と、かかる第2の利用者と類似する第2の利用者(類似利用者と称する場合がある)とを含む。
【0039】
例えば、特定部32は、k匿名性を満たすように利用者群を特定する。つまり、特定部32は、同一利用者と類似利用者との総数がk人となるように類似利用者を選定する。
【0040】
これにより、クライアントが指定した利用者の特定を困難にできるため、利用者のプライバシーを保護することができる。
【0041】
類似利用者の特定は、例えば、第2の利用者の属性情報に基づいて行う。例えば、特定部32は、属性情報から抽出される特徴情報を説明変数とし、同一利用者との類似の有無(あるいは類似スコア)を目的変数として学習したモデルを用いて特定を行う。
【0042】
類似利用者の特定のための属性情報は、クライアントに対応する属性情報を用いることができる。例えば、特定部32は、クライアントが行う事業の属性情報が類似する類似利用者を特定する。これにより、クライアントの事業に合わせた類似利用者を特定できるため、後段で生成される統計情報に求めるクライアントの精度を満たすことができる。
【0043】
なお、特定部32は、クライアントが行う事業における特定の商品または役務の属性情報が類似する類似利用者を特定してもよい。
【0044】
あるいは、特定部32は、クライアントから属性情報の指定を受け付けてもよい。つまり、特定部32は、クライアントから指定された属性情報が類似する類似利用者を特定する。これにより、クライアントが所望する属性に類似する類似利用者の統計情報を提供することができる。
【0045】
また、特定部32は、例えば、類似利用者として、クライアントへの近さに基づいた特定を行ってもよい。具体的には、特定部32は、第2の利用者それぞれのクライアントへの紐付きの有無に基づいて、クライアントへの近さを示すクライアントベクトルを推定し、推定したクライアントベクトルに基づいた利用者群を特定する。
【0046】
例えば、特定部32は、クライアントへの紐付きの有無として、例えば、クライアントの事業の利用頻度や、購入金額、利用登録の有無等に基づいて、クライアントと密接に関係する利用者の基準となるクライアントベクトルを推定する。
【0047】
そして、特定部32は、予め生成しておいた基準となるクライアントベクトルと、第2の利用者毎に生成したクライアントベクトルとの類似度により類似利用者を特定する。
【0048】
生成部33は、特定部32が特定した利用者群の興味に関する統計情報を生成する。具体的には、まず、生成部33は、特定した利用者群に含まれる複数の第2の利用者それぞれについて、興味に関する興味情報を生成する。
【0049】
例えば、生成部33は、興味に関するベクトルを推定(生成)する。具体的には、生成部33は、各対象に対する興味を各次元とする多次元ベクトルを推定する。ベクトルの推定は、例えば、利用者の属性情報や、事業を利用した際に利用履歴等に基づいて推定可能である。利用履歴は、例えば、検索行動や購買行動、購買履歴、位置履歴等である。
【0050】
次に、生成部33は、生成した利用者毎のベクトルに基づいた統計情報を生成する。例えば、生成部33は、生成した各ベクトルを平均した平均ベクトルを統計情報として生成する。また、生成部33は、生成した各ベクトルを同一利用者との類似度で重み付けした加重平均のベクトルを統計情報として生成してもよい。
【0051】
あるいは、生成部33は、ベクトルの各次元をヒストグラム化し、各ヒストグラムの中央値や最頻値を各次元の値とするベクトルを統計情報として生成してもよい。
【0052】
また、生成部33は、ベクトルに限らず、図1で示したように、所定の対象に対する興味に関するスコア(興味スコア)を興味情報とする統計情報を生成してもよい。所定の対象は、例えば、クライアントが事業で扱う商品や役務、クライアントによって指定された商品や役務等である。なお、所定の対象は、特定の商品や役務に限らず、分野やカテゴリ等の属性情報であってもよい。
【0053】
例えば、生成部33は、利用者毎の興味スコアを興味情報として算出し、各興味スコアの平均値や、加重平均値、ヒストグラムにおける中央値や、最頻値等を統計情報として生成する。
【0054】
なお、統計情報は、上記した値に限らず、最小値や最大値等のように、興味情報を集計または統計処理した情報であれば任意のものを用いることができる。
【0055】
提供部34は、生成部33によって生成された統計情報をクライアント端末100を介してクライアントへ提供する。
【0056】
次に、図5を用いて、実施形態に係る提供装置1が実行する提供処理の処理手順について説明する。図5は、実施形態に係る提供装置1が実行する提供処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0057】
図5に示すように、制御部3は、クライアント端末100を介してクライアントから利用者の指定を受け付ける(ステップS101)。
【0058】
つづいて、制御部3は、第2の利用者の中から、指定された第1の利用者と同一の利用者IDを有する第2の利用者を特定する(ステップS102)。
【0059】
つづいて、制御部3は、特定した第2の利用者と類似する第2の利用者群を特定する(ステップS103)。
【0060】
つづいて、制御部3は、特定した第2の利用者群の利用者毎の興味情報を生成する(ステップS104)。
【0061】
つづいて、制御部3は、生成した利用者毎の興味情報を統計処理した統計情報を生成する(ステップS105)。
【0062】
つづいて、制御部3は、クライアントへ統計情報を提供し(ステップS106)、処理を終了する。
【0063】
〔その他〕
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の一部を手動的に行うこともできる。あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0064】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0065】
例えば、図3に示した記憶部4の一部又は全部は、各装置によって保持されるのではなく、ストレージサーバ等に保持されてもよい。この場合、各装置は、ストレージサーバにアクセスすることで、各種情報を取得する。
【0066】
〔ハードウェア構成〕
また、上述してきた実施形態に係る提供装置1は、例えば図6に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。図6は、ハードウェア構成の一例を示す図である。コンピュータ1000は、出力装置1010、入力装置1020と接続され、演算装置1030、一次記憶装置1040、二次記憶装置1050、出力IF(Interface)1060、入力IF1070、ネットワークIF1080がバス1090により接続された形態を有する。
【0067】
演算装置1030は、一次記憶装置1040や二次記憶装置1050に格納されたプログラムや入力装置1020から読み出したプログラム等に基づいて動作し、各種の処理を実行する。一次記憶装置1040は、RAM等、演算装置1030が各種の演算に用いるデータを一時的に記憶するメモリ装置である。また、二次記憶装置1050は、演算装置1030が各種の演算に用いるデータや、各種のデータベースが登録される記憶装置であり、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ等により実現される。
【0068】
出力IF1060は、モニタやプリンタといった各種の情報を出力する出力装置1010に対し、出力対象となる情報を送信するためのインタフェースであり、例えば、USB(Universal Serial Bus)やDVI(Digital Visual Interface)、HDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)といった規格のコネクタにより実現される。また、入力IF1070は、マウス、キーボード、およびスキャナ等といった各種の入力装置1020から情報を受信するためのインタフェースであり、例えば、USB等により実現される。
【0069】
なお、入力装置1020は、例えば、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等から情報を読み出す装置であってもよい。また、入力装置1020は、USBメモリ等の外付け記憶媒体であってもよい。
【0070】
ネットワークIF1080は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信して演算装置1030へ送り、また、ネットワークNを介して演算装置1030が生成したデータを他の機器へ送信する。
【0071】
演算装置1030は、出力IF1060や入力IF1070を介して、出力装置1010や入力装置1020の制御を行う。例えば、演算装置1030は、入力装置1020や二次記憶装置1050からプログラムを一次記憶装置1040上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。
【0072】
例えば、コンピュータ1000が提供装置1として機能する場合、コンピュータ1000の演算装置1030は、一次記憶装置1040上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部3の機能を実現する。
【0073】
〔効果〕
上述してきたように、実施形態に係る提供装置1は、特定部32と、生成部33と、提供部34とを備える。特定部32は、クライアントによって指定された利用者と類似する利用者群を特定する。生成部33は、特定した利用者群の興味に関する統計情報を生成する。提供部34は、生成した統計情報をクライアントへ提供する。このような構成により、利用者の匿名性を担保しつつ、ターゲットとなる利用者に関する有益な情報を提供することができる。
【0074】
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0075】
〔その他〕
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0076】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0077】
また、上述してきた実施形態に記載した各処理は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0078】
また、上記してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、制御部3は、制御手段や制御回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0079】
1 提供装置
2 通信部
3 制御部
4 記憶部
31 受付部
32 特定部
33 生成部
34 提供部
41 利用者情報
100 クライアント端末
N ネットワーク
S 提供システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6