(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023010457
(43)【公開日】2023-01-20
(54)【発明の名称】サーバ装置、プログラムおよび方法
(51)【国際特許分類】
G06F 13/00 20060101AFI20230113BHJP
G06F 3/0484 20220101ALI20230113BHJP
【FI】
G06F13/00 650B
G06F13/00 650A
G06F3/0484
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021114613
(22)【出願日】2021-07-09
(71)【出願人】
【識別番号】521182951
【氏名又は名称】9seconds株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100151448
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 孝博
(74)【代理人】
【識別番号】230121016
【弁護士】
【氏名又は名称】小笠原 匡隆
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 将太
(72)【発明者】
【氏名】宇田川 嵩史
【テーマコード(参考)】
5B084
5E555
【Fターム(参考)】
5B084AA01
5B084AA14
5B084AB04
5B084AB11
5B084AB29
5B084AB31
5B084AB39
5B084BA01
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5B084CC02
5B084CC17
5B084CD08
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5B084CE03
5B084CE12
5B084CF12
5B084DB01
5B084DB02
5B084DB08
5B084DC02
5B084DC03
5B084EA47
5E555AA04
5E555AA06
5E555AA44
5E555AA71
5E555BA02
5E555BA45
5E555BA76
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5E555BC09
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5E555BD01
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5E555DA01
5E555DB04
5E555DC84
5E555DD06
5E555EA05
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】Webページの利用のためにより便利なサーバ装置などを提供する。
【解決手段】実施の形態にかかるサーバ装置は、WebページにアクセスしてWebページを1人以上のユーザに表示する1つ以上の端末装置と、ネットワークを介して通信する少なくとも1つのプロセッサ、を含むサーバ装置であって、プロセッサは、1つ以上の端末装置を介してWebページへのアクセスを行っている1人以上のユーザのユーザ属性および1人以上のユーザが属する組織の組織属性の少なくとも1つを取得し、取得されたユーザ属性および組織属性の少なくとも1つに基づいて1人以上のユーザから少なくとも1人のユーザを選択し、選択された1人のユーザの端末装置においてWebページと共に表示され、1人のユーザとのチャットに用いられるチャット画像を提供する処理を行うように構成される。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
Webページにアクセスして前記Webページを1人以上のユーザに表示する1つ以上の端末装置と、ネットワークを介して通信する少なくとも1つのプロセッサ、
を含むサーバ装置であって、
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記1つ以上の端末装置を介して前記Webページへのアクセスを行っている1人以上の前記ユーザのユーザ属性および1人以上の前記ユーザが属する組織の組織属性の少なくとも1つを取得し、
取得された前記ユーザ属性および前記組織属性の少なくとも1つに基づいて1人以上の前記ユーザから少なくとも1人のユーザを選択し、
選択された1人の前記ユーザの端末装置において前記Webページと共に表示され、1人の前記ユーザとのチャットに用いられる画像を提供する、
処理を行うように構成される、
サーバ装置。
【請求項2】
前記ユーザ属性および前記組織属性の少なくとも1つは、前記Webページへのアクセスに用いられたIPアドレスに基づいて収集される、
請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項3】
前記ユーザ属性および前記組織属性の少なくとも1つは、前記端末装置においてWebページを表示するブラウザから収集される、
請求項1または2に記載のサーバ装置。
【請求項4】
前記ユーザ属性および前記組織属性の少なくとも1つは、当該サーバと連携している情報サービスから収集される、
請求項1~3いずれか1項に記載のサーバ装置。
【請求項5】
収集される前記ユーザ属性および前記組織属性は、前記ユーザごとにカスタマイズされる、
請求項1~4のいずれか1項に記載のサーバ装置。
【請求項6】
前記Webページにアクセスした前記ユーザに対するアンケートの結果および前記チャットの内容にさらに基づいて、前記ユーザ属性および前記組織属性の少なくとも1つがさらに収集される、
請求項1~5のいずれか1項に記載のサーバ装置。
【請求項7】
前記チャットは、1人以上の前記ユーザと前記サーバ装置の運営者との間で行われる、
請求項1~6のいずれか1項に記載のサーバ装置。
【請求項8】
前記チャットは、1人以上の前記ユーザとチャットボットとの間で行われる、
請求項1~6のいずれか1項に記載のサーバ装置。
【請求項9】
表示された前記Webページにおけるポインタの位置を示す情報を、前記端末装置から取得し、
表示された前記Webページと、前記ポインタの位置を示す情報とに基づいて、前記端末装置に表示されている前記Webページを再現し、1人以上の前記ユーザに表示する、
請求項1~8のいずれか1項に記載のサーバ装置。
【請求項10】
前記Webページは、ランディングページであり、
再現される前記Webページは、前記ランディングページの少なくとも一部である、
請求項9に記載のサーバ装置。
【請求項11】
選択された1人の前記ユーザの端末装置との間で日程調整のための機能を提供する、
請求項9または10に記載のサーバ装置。
【請求項12】
選択された1人の前記ユーザの端末装置に対して、日程調整に用いられるカレンダーの画像を提供する、
請求項9または10に記載のサーバ装置。
【請求項13】
選択された1人の前記ユーザの端末装置に対して、前記Webページと共に表示される配信画像を提供する、
請求項9~10のいずれか1項に記載のサーバ装置。
【請求項14】
選択された1人の前記ユーザの端末装置に対して、前記Webページと共に表示され、Web通話に用いられる画像を提供する、
請求項9~12のいずれか1項に記載のサーバ装置。
【請求項15】
前記チャットの内容に基づいて、前記チャットにおいて用いられる文章のテンプレートを作成し、更新する、
請求項1~14のいずれか1項に記載のサーバ装置。
【請求項16】
Webページにアクセスして前記Webページを1人以上のユーザに表示する1つ以上の端末装置と、ネットワークを介して通信するサーバ装置を、
前記1つ以上の端末装置を介して前記Webページへのアクセスを行っている1人以上の前記ユーザのユーザ属性および1人以上の前記ユーザが属する組織の組織属性の少なくとも1つを取得し、
取得された前記ユーザ属性および前記組織属性の少なくとも1つに基づいて1人以上の前記ユーザから少なくとも1人のユーザを選択し、
選択された1人の前記ユーザの端末装置において前記Webページと共に表示され、1人の前記ユーザとのチャットに用いられるチャット画像を提供する、
ための処理を行う少なくとも1つのプロセッサ、
として機能させるプログラム。
【請求項17】
Webページにアクセスして前記Webページを1人以上のユーザに表示する1つ以上の端末装置と、ネットワークを介して通信する少なくとも1つのプロセッサ、
を含むサーバ装置において、前記少なくとも1つのプロセッサによりなされる方法であって、
前記1つ以上の端末装置を介して前記Webページへのアクセスを行っている1人以上の前記ユーザのユーザ属性および1人以上の前記ユーザが属する組織の組織属性の少なくとも1つを取得する段階と、
取得された前記ユーザ属性および前記組織属性の少なくとも1つに基づいて1人以上の前記ユーザから少なくとも1人のユーザを選択し、
選択された1人の前記ユーザの端末装置において前記Webページと共に表示され、1人の前記ユーザとのチャットに用いられるチャット画像を提供する段階と、
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チャット機能を提供するサーバ装置、プログラムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
人工知能により人間とのチャットを成立させる機能を実現する装置、いわゆるチャットボットが、企業におけるカスタマサポートなどに活用されている。特許文献1は、このようなチャットボットを開示する。しかしながら、引用文献1は、訪問者を選択して、サーバの運営者などに通知してチャットを行わせる機能、運営者と訪問者との間で日程を調整させる機能、および、ライブ画像配信を行う機能などを提供するシステムを開示しない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、本実施の形態は、Webページの利用のためにより便利なサーバ装置などを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、実施の形態にかかるサーバ装置は、Webページにアクセスして前記Webページを1人以上のユーザに表示する1つ以上の端末装置と、ネットワークを介して通信する少なくとも1つのプロセッサ、を含むサーバ装置であって、前記少なくとも1つのプロセッサは、前記1つ以上の端末装置を介して前記Webページへのアクセスを行っている1人以上の前記ユーザのユーザ属性および1人以上の前記ユーザが属する組織の組織属性の少なくとも1つを取得し、取得された前記ユーザ属性および前記組織属性の少なくとも1つに基づいて1人以上の前記ユーザから少なくとも1人のユーザを選択し、選択された1人の前記ユーザの端末装置において前記Webページと共に表示され、1人の前記ユーザとのチャットに用いられるチャット画像を提供する処理を行うように構成される。
【0006】
また、実施の形態にかかるプログラムは、Webページにアクセスして前記Webページを1人以上のユーザに表示する1つ以上の端末装置と、ネットワークを介して通信するサーバ装置を、前記1つ以上の端末装置を介して前記Webページへのアクセスを行っている1人以上の前記ユーザのユーザ属性および1人以上の前記ユーザが属する組織の組織属性の少なくとも1つを取得し、取得された前記ユーザ属性および前記組織属性の少なくとも1つに基づいて1人以上の前記ユーザから少なくとも1人のユーザを選択し、選択された1人の前記ユーザの端末装置において前記Webページと共に表示され、1人の前記ユーザとのチャットに用いられるチャット画像を提供するための処理を行う少なくとも1つのプロセッサとして機能させる。
【0007】
また、実施の形態にかかる方法は、Webページにアクセスして前記Webページを1人以上のユーザに表示する1つ以上の端末装置と、ネットワークを介して通信する少なくとも1つのプロセッサ、を含むサーバ装置において、前記少なくとも1つのプロセッサによりなされる方法であって、前記1つ以上の端末装置を介して前記Webページへのアクセスを行っている1人以上の前記ユーザのユーザ属性および1人以上の前記ユーザが属する組織の組織属性の少なくとも1つを取得する段階と、取得された前記ユーザ属性および前記組織属性の少なくとも1つに基づいて1人以上の前記ユーザから少なくとも1人のユーザを選択し、選択された1人の前記ユーザの端末装置において前記Webページと共に表示され、1人の前記ユーザとのチャットに用いられるチャット画像を提供する段階とを含む。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態にかかるシステムの構成を示す図である。
【
図2】
図1に示したシステムの端末装置、情報提供装置およびサーバ装置のコンピュータとしてのハードウェアの構成を例示する図である。
【
図3】ある企業のランディングページの画像を例示する図である。
【
図4】
図3に示したランディングページのうちの表示範囲を示す図である。
【
図5】サーバ装置のディスプレイに表示されるチャット一覧画像を例示する図である。
【
図6】運営者が
図5に示したタスクバーの表示範囲画像のアイコンを操作したときに表示されるライブビューの画像を例示する図である。
【
図7】運営者が
図6に示したライブビューの画像を用いてチャット相手を選択したときに表示される画像を例示する図である。
【
図8】
図7に示した画像がサーバ装置のディスプレイに表示されているときに端末装置14のディスプレイに表示される画像を例示する図である。
【
図9】運営者が
図7に示したライブビューの画像に含まれる日程調整ボタンに操作を行ったときにサーバ装置のディスプレイに表示される画像を例示する図である。
【
図10】
図9に示した日程調整用カレンダーに時間帯が書き込まれた後に端末装置のディスプレイに表示される画像を例示する図である。
【
図11】
図9,
図10に示した日程調整用カレンダーに含まれる記入済カレンダーを例示する図である。
【
図12】
図9~
図11に示した記入済カレンダーに日付ごとの時間帯をサーバ装置の運営者が記入するために用いる運営者用記入ツールを例示する図である。
【
図13】
図9~
図11に示した記入済カレンダーに示された時間帯が端末装置においてユーザにより選択されたときにサーバ装置のディスプレイに表示される画像を例示する図である。
【
図14】
図13に示した画像がサーバ装置のディスプレイに表示されているときに端末装置のディスプレイに表示される画像を例示する図である。
【
図15】サーバ装置のディスプレイに表示される1対多ライブ配信画像を示す図である。
【
図16】
図15に示した画像がサーバ装置2のディスプレイに表示されているときに1対多ライブ配信に参加している訪問者の端末装置のディスプレイに表示される1対多ライブ配信画像を例示する図である。
【
図17】ライブ配信画像とチャットボックスとが別々に表示範囲画像に重ね合わされて端末装置のディスプレイに表示される画像を例示する図である。
【
図18】
図13に示したチャット一覧ボタンが操作されたときにサーバ装置のディスプレイに表示されるチャット一覧の画像を例示する図である。
【
図19】運営者が
図13に示したライブビューの画像に含まれるWeb通話ボタンに操作を行ったときにサーバ装置のディスプレイに表示される画像を例示する図である。
【
図20】
図19に示した画像がサーバ装置のディスプレイに表示されているときに端末装置のディスプレイに表示される画像を例示する図である。
【
図21】
図19,
図20を参照して説明したWeb通話において運営者と訪問者との間のチャットがWeb通話画像に重ねて表示される場合を例示する図である。
【
図23】
図1に示した端末装置の構成を示す図である。
【
図25】
図24に示した訪問者データベースに記憶される訪問者属性情報に含まれるエントリの1つに含まれる情報を例示する図である。
【
図26】
図24に示した組織データベースに記憶される組織属性情報に含まれるエントリの1つに含まれる情報を例示する図である。
【
図27】
図24に示したチャットシステムの処理を示すフローチャートである。
【
図28】システムの動作を示す通信シーケンス図である。
【
図29】
図24に示したチャットシステムの処理の変形例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下、図面において実質的に同じ構成要素、処理、情報およびデータには同じ符号および名称が付される。また、図面において構成要素、および、データの数および種類は例示的に示され、適宜、増減されたり変更されたりしうる。また、情報の処理および通信の主体となりうる構成要素はノードと総称されることがある。また、ノードの間における通信の順番は例示的に示され、適宜、変更されうる。また、図面において、発明の本質的な説明に関係しない構成要素は、適宜、省略されることがある。また、図示の都合上、例えば、「チャット詳細情報を表示する機能」が「チャット詳細」と記載されるなど、用語の一部が省略されることがある。
【0010】
[本開示に係るシステム1の概要]
図1は、実施の形態にかかるシステム1の構成を示す図である。
図1に示すように、システム1は、PCあるいはスマートフォンなどの訪問者の端末装置14および運営者の端末装置18と、情報提供装置16と、サーバ装置2と、Webサーバ装置102とが、通信ネットワーク100を介して、互いにデータを通信可能に接続されて構成される。
【0011】
情報提供装置16は、例えば、WHOIS(登録商標)などの名称でIPアドレスに関する情報を提供する業者、および、Sales Force(登録商標)あるいはYahoo(登録商標)などの名称により様々な情報を提供するサービスを行う業者により運営されるサーバ装置である。情報提供装置16は、サーバ装置2からのIPアドレスを含む問い合わせを受けて、このIPアドレスが示すドメイン名、所在地その他の情報をサーバ装置2に提供する。サーバ装置2は、端末装置14を用いた訪問者からの要求に応じて、端末装置14に対してWebページを示す情報を送信して表示させる。通信ネットワーク100は、インターネットなどであって、有線通信回線および無線通信回線が組み合わされて構成される。
【0012】
図2は、
図1に示したシステム1の端末装置14,18、情報提供装置16、Webサーバ装置102およびサーバ装置2のコンピュータとしてのハードウェア12の構成を例示する図である。
図2に示すように、これらのノードは、バス120を介して相互にデータを入出力可能に接続されたプロセッサ(CPU)122と、ROM124と、RAM126と、通信ネットワーク100に接続される通信インターフェース(IF)128と、ディスプレイ、キーボード、スピーカ、カメラおよびマイクなど、ライブ画像配信、チャットおよびWeb通話に必要とされるユーザインターフェース(UI)装置が接続される入出力装置(I/O)130と、フラッシュメモリおよびDVDなどの記録媒体に対して、データの書き込みおよび読み出しを行う記録装置と、プリンタなどが接続される外部装置IF134とを備える。
【0013】
なお、システム1に含まれる各ノードの構成要素は、それぞれ専門のハードウェアによっても、ROM124および記録装置132から読み出されてRAM126にロードされるソフトウェアとして指示命令を含むプログラムを、プロセッサ122が、
図2に示したハードウェアを具体的に利用して実行することによっても、このようなソフトウェアとハードウェアとの組み合わせによっても実現されうる。
【0014】
また、以下、端末装置14を用いてWebページの配信を受けるシステム1のユーザは、Webページを訪問することから、以下、訪問者と呼ばれ、サーバ装置2を用いて、訪問者にチャットなどのサービスなどを提供する人は運営者と呼ばれる。システム1は、これらの構成要素により、サーバ装置2から端末装置14にWebページの配信を行い、さらに、訪問者と運営者との間、または、訪問者とサーバ装置2のチャットボットとの間のチャットなどを実現する。
【0015】
なお、「チャットボット」とは、「チャット」と「ボット」を組み合わせた用語であって、「チャット」は、インターネットを利用して、主にテキストデータにより双方向に行うリアルタイムコミュニケーションを意味する。また、「ボット」は、「ロボット」の略語であって、人間に代わって一定のタスクや処理を自動化するためのプログラムを意味する。
【0016】
次に、システム1において端末装置14およびサーバ装置2のディスプレイに表示される画像とその遷移とを説明する。
図3は、Webサーバ装置102により端末装置14に提供されて表示される企業または団体などの組織のランディングページの画像を例示する図である。
図4は、
図3に示したランディングページのうちの表示範囲を示す図である。訪問者が、検索などにより、ある企業のWebページにアクセスすると、まず、
図3に示すランディングページがWebサーバ装置102から端末装置14に送信され、端末装置14のディスプレイに表示される。
【0017】
一般的に、企業などの組織のランディングページは、通常、訪問者が最初に見るWebページであり、訪問者のアクションを誘導する情報を多く含む。訪問者のアクションには、企業が提供する商品・サービスへの注文・問い合わせ、企業が開き販売促進イベントへの予約、試供品の申し込み、および、求人への申し込みなどが含まれる。
【0018】
このため、ランディングページは大きくなりがちであり、1枚のディスプレイ画面に入りきらないことがあり、
図3に例示するように、ランディングページの一部(ライブビュー)の表示範囲に含まれる画像のみが、
図4に示すようにディスプレイに表示される。このような場合には、訪問者は、ランディングページのスクロールなしに、その全部を見ることはできない。従って、端末装置14に同一のランディングページの画像が表示されていたとしても、訪問者のスクロールの操作に応じて、ディスプレイの表示画像は変化する。
【0019】
一方、端末装置14からアクセス先のWebページのURLを受けることより、サーバ装置2は、Webサーバ装置102から端末装置14に送信されたランディングページの画像データを取得することができる。また、ランディングページにおける端末装置14のポインタの位置など、ディスプレイに表示されたWebページにおけるポインタの座標をサーバ装置2が取得するための処理は確立されている。従って、サーバ装置2は、ランディングページのいずれの部分が、表示範囲として端末装置14のディスプレイに表示されているかを把握しうる。
【0020】
なお、以下、表示範囲に含まれる画像は「表示範囲画像」と記載され、その縮小画像は「表示範囲縮小画像」と記載される。なお、
図4に示すように、表示範囲画像にはマウスポインタなどのポインタが表示されることがあり、端末装置14のディスプレイに表示されるポインタは、訪問者による端末装置14の操作に用いられることから、以下、「訪問者ポインタ」と記載される。
【0021】
Webページのデータと座標とを用いることにより、サーバ装置2は、端末装置14に送信されたWebページのデータから、ポインタの座標が示す部分を切り出して、各時点において端末装置14のディスプレイ画面に表示されているWebページを再現できる。このように、端末装置14のディスプレイ画面上の表示範囲画像は、サーバ装置2側において再現されうる。
【0022】
図5は、サーバ装置2のディスプレイに表示されるチャット一覧の画像を例示する図である。
図6は、運営者が
図5に示したタスクバーのライブビューのアイコンを操作したときに表示されるライブビューの画像を例示する図である。
図5に示すチャット一覧の画像には、過去から現在までに運営者またはチャットボットと訪問者(
図5においては訪問者A~Z)との間で行われたチャットの全てが表示され、運営者が過去のチャットを見るために用いられる。
【0023】
例えば、
図6に示すライブビューの画像に含まれる「戻る」ボタンが運営者により操作されると、サーバ装置2のディスプレイにはライブビューの画像が表示される。ライブビューの画像に続いて表示されたチャット一覧の画像は、ライブビュー過去のチャットの他に、現在においてランディングページにアクセスしているか否かが不明な訪問者のチャットを見るために用いられる。
【0024】
また、チャット一覧の画像は、さらに、サーバ装置2を運営する企業の取引相手となりうる特定の人物がランディングページにアクセスしたときにも表示され、この人物を特定の1つのチャットルームに導くために用いられる。なお、チャット一覧の画像から選択された1人の特定の訪問者のチャットを表示することは、チャット詳細情報を表示する機能とも呼ばれる。
【0025】
図5に示すように、チャット一覧画像は、左側から、タスクバーと、選択カラムと、チャット相手カラムと、チャット内容カラムと、訪問者情報カラムとを表形式に含む。チャット一覧画像においては、情報カラムの下には、運営者がメモを記入するメモボックス、および、チャット一覧画像内の文字検索に用いられる検索ボックスなどがさらに設けられてよい。なお、サーバ装置2のディスプレイに表示されるポインタは、運営者がサーバ装置2の操作に用いることから、以下、「運営者ポインタ」と記載される。
【0026】
タスクバーは、チャット、ライブビュー、連絡先および設定などのアイコンを含む。選択カラムは、チャットの相手を選択する「検索」、「オープン」、「クローズ」および「すべて」と記載されたボタンを含む。チャット相手カラムには、チャット相手となった訪問者(
図5においてA,B,・・・G)が、運営者によるチャット相手カラムに対する操作に応じて表示される。チャット相手カラムにおいては、選択された訪問者(
図5においては訪問者B)がハイライト表示され、チャットにおける最後のメッセージが示される。
【0027】
チャット内容カラムは、チャットを書き込んだ訪問者、運営者またはチャットボットを示すアイコンと、チャットの内容とを対応付けて示す。訪問者情報カラムは、訪問者の名前、所属する会社などの組織、組織内の役職、電子メールアドレス、電話番号、訪問者の現在地、ランディングページへのアクセスに用いた検索エンジンおよびWebアドレスのリンクなどを示す。
【0028】
運営者がサーバ装置2のディスプレイに表示されたチャット一覧画像のタスクバーに含まれるライブビューのアイコンに、クリックなどの操作をすると、
図6に示すライブビューの画像が表示される。ライブビューの画像は、チャット一覧の画像とは用途が異なり、サーバ装置2の運営者またはチャットボットが、ランディングページにアクセスしている訪問者に何らかのアクションを起こすために用いられる。なお、運営者は、ライブビューの画像からも過去のチャットを見うるが、運営者がライブビューの画像から見うる過去のチャットは、現在、ランディングページにアクセスしている訪問者との過去のチャットに限られる。
【0029】
ライブビューの画像には、訪問者の名前(
図6においてはA,C,E,・・・,G)と、組織名(
図6においてはH,I,L,N社)と、時間(
図6においてはR,S,V,X分)と、「チャットする」と記載されたチャットボタンと、戻るボタンとが表示される。訪問者の名前は、Webサーバ装置102が配信しているランディングページなどのWebページをリアルタイムに見てチャットしている訪問者の名前を示す。組織名は、これらの訪問者が属する組織の名称を示す。時間は、訪問者それぞれが、チャットに滞在している時間を示す。チャットボタンには「チャットする」との記載があり、これらの訪問者の1人以上とのチャットを開始するために用いられる。戻るボタンは、
図5に示したチャット一覧の画像に戻るために用いられる。
【0030】
なお、ライブビューの画像において、これらの情報の1つ以上が省略されたり、これら以外に、端末装置14がPCであるか携帯端末であるか、訪問者のステータス、訪問回数、および、サーバ装置2と端末装置14との間の接続経路などの情報がさらに表示されたりしてよい。また、サーバ装置2が、他のサーバ装置2から提供される情報サービスとの連携を行っているときには、連携している情報サービスからの情報が、さらにライブビューに表示されたり、組織の情報として取得されたりしてよい。また、これらのいずれの情報を表示するかを、訪問者ごとにカスタマイズされうる。
【0031】
例えば、訪問者Aが、サーバ装置2を運営する企業の取引相手となりえ、運営者が訪問者Aとチャットをすべきことが判断されると、この旨が、電子メール、コミュニケーションアプリケーションを利用して運営者の端末装置18に通知され、あるいは、サーバ装置2が出力する音声により運営者に通知される。通知を受けた運営者は、訪問者Aのチャットボタンをポインタなどにより選択すると、選択された訪問者Aを含む行はハイライトまたはホバー(hover)処理されて表示される。
【0032】
なお、
図6に示したライブビューの画像においては、Webページをリアルタイムに見てチャットしている訪問者の全てが表示される必要はない。例えば、サーバ装置2を、いわゆるBtoB企業が運営している場合には、顧客となりにくい個人の訪問者をライブビューから外してよい。あるいは、サーバ装置2を、いわゆるBtoC企業が運営している場合には、顧客となりにくい大企業からの訪問者をライブビューから外してよい。つまり、ライブビューに加えられる訪問者は、その属性、あるいは、訪問者が属する組織の属性により選択されうる。
【0033】
図7は、運営者が
図6に示したライブビューの画像を用いてチャット相手を選択したときに表示される画像を例示する図である。
図8は、
図7に示した画像がサーバ装置2のディスプレイに表示されているときに端末装置14のディスプレイに表示される画像を例示する図である。例えば、サーバ装置2の運営者が、
図6に示した画像において、訪問者Aをチャット相手として選択すると、
図7に示す画像が表示される。
【0034】
つまり、サーバ装置2に画像に表示されたライブビューリストの画像には、訪問者Aとチャットボットとの間のチャットの内容を含むチャットボックスと、その時点で端末装置14のディスプレイにリアルタイムに表示されているランディングページの一部の縮小画像、つまり、表示範囲の縮小画像とが、重ね合わされて表示される。さらに、ライブビューには、チャット相手として選択された訪問者Aの名前、会社、電子メールアドレスおよび電話番号などの訪問者Aのライブビュー詳細情報が表示される。さらに、ライブビューには、サーバ装置2のチャットボットまたは運営者と、訪問者Aとの間で行われているチャットの内容を示すチャット詳細情報が、チャットボックスの中に表示される。
【0035】
さらに、ライブビューの画像には、日程調整ボタンと、ポインタ共有ボタンと、戻るボタンと、三本線アイコンが表示される。ポインタ共有ボタンは、サーバ装置2と端末装置14との間で、訪問者ポインタまたは運営者ポインタを共有するために用いられる。三本線アイコンは、日程調整およびポインタ共有以外の機能を選択するために用いられる。
【0036】
なお、
図7には、訪問者とサーバ装置2のチャットボットとが1対1チャットを行っている場合が例示されているが、訪問者と運営者とがチャットを行ってもよく、この場合には、チャットボックスの一番上の行には、チャットを行っている運営者の名前およびアイコンが表示される。なお、以下、表示範囲の縮小画像は、「範囲表示縮小画像」と記載される。
【0037】
図8は、
図7に示した画像がサーバ装置2のディスプレイに表示されているときに、端末装置14のディスプレイに表示される画像を例示する図である。一方、サーバ装置2の運営者がライブビューの画像で訪問者Aを選択すると、訪問者Aが用いる端末装置14のディスプレイには、
図8に示すように、サーバ装置2のチャットボットとの間のチャットの内容を含むチャットボックスが、ランディングページに重ねて表示される。
【0038】
図9は、運営者が
図7に示したライブビューの画像に含まれる日程調整ボタンに操作を行ったときに、サーバ装置2のディスプレイに表示される画像を例示する図である。なお、
図9~
図11には、スケジュールや日程の調整のためにカレンダーを用いる場合が例示されるが、日程調整のためにはカレンダーの表示は必須ではなく、その他の手段により日程調整がなされてもよい。運営者が、訪問者とサーバ装置2側のチャットボットまたは運営者との間で、打合せ、商談および取引などの日程を調整するために用いられる日程調整ボタンを操作すると、
図9に示すように、ライブビューの画像に、日程調整用カレンダーがさらに重ねて表示される。
【0039】
さらに、チャットボックスにおいて、訪問者からの「打合せをしたい」とのメッセージに応じて、チャットボットまたは運営者により「日程調整します」とのメッセージが訪問者に返される。さらに、サーバ装置2の日程調整機能、チャットボットまたは運営者により、日程調整用カレンダーのカレンダー部分に、打合せが可能な日時が記入され、記入済カレンダーとされる。カレンダー部分への記入が終了すると、チャットボットにより自動的に、または、運営者の日程調整ボタンへの操作に応じて、記入済カレンダーを含む日程調整用カレンダーのデータは端末装置14に送信される。
【0040】
図10は、
図9に示した日程調整用カレンダーに時間帯が書き込まれた後に、端末装置14のディスプレイに表示される画像を例示する図である。端末装置14は、サーバ装置から日程調整用カレンダーのデータを受信し、
図10に示すように、表示範囲画像に、記入済カレンダーを含む日程調整用カレンダーがさらに重ねて表示される。
【0041】
図11は、
図9,
図10に示した日程調整用カレンダーに含まれる記入済カレンダーを例示する図である。
図11に示すように、記入済カレンダーには、サーバ装置2側で打合せなどを行う人員の空き時間など、サーバ装置2側の人員と訪問者との間の打合せなど用事の日程が調整できる可能性があり、訪問者による選択がなされうる時間帯が書き込まれている。さらに、記入済カレンダーにおいて、サーバ装置2側の人員と訪問者との間の用事の日程が調整できる可能性がある時間帯を含む日付は、他の日よりも明るくハイライト表示される。なお、このようにカレンダーにおいて、日程の調整ができる可能性がある日付をハイライト表示する必要は必ずしもなく、例えば、予定の調整が可能な時間のみが、カレンダーなしに列挙されて表示されてもよい。
【0042】
図12は、サーバ装置2の運営者が、
図9~
図11に示した記入済カレンダーに日付ごとの時間帯を記入するために用いる運営者用記入ツールを例示する図である。なお、サーバ装置2の運営者が記入済カレンダーを作成するためには、
図12に示すような運営者用記入ツールがサーバ装置2から運用者に提供され、運営者は、このツールからの指示に従って日付と時間帯とを入力することを繰り返すことにより、記入済カレンダーを作成する。なお、記入済カレンダーの1つの日付は複数の時間帯を含んでよく、時間帯ごとに行われてよい。なお、ここで述べた運営者による記入済カレンダーの作成は、サーバ装置2により提供される機能により自動化されうる。
【0043】
図13は、
図9~
図11に示した記入済カレンダーに示された時間帯が端末装置14においてユーザにより選択されたときに、サーバ装置2のディスプレイに表示される画像を例示する図である。
図14は、
図13に示した画像がサーバ装置2のディスプレイに表示されているときに、端末装置14のディスプレイに表示される画像を例示する図である。なお、
図13に示す画像は、
図7に示した画像と同様に日程決定ボタンと、ポインタ共有ボタンと、戻るボタンと、三本線アイコンとを含み、運営者が三本線アイコンを操作すると、1対多ライブ配信ボタンと、チャット一覧ボタンと、訪問者一覧ボタンと、Web通話ボタンとが表示される。なお、三本線アイコンに対する操作に応じて表示されるボタンの数は4つ以上であっても4つ未満であってもよい。
【0044】
図9~
図11に示した記入済カレンダーに示された時間帯のうち、訪問者が所望する1つ以上の時間帯、例えば6月3日の15時から17時の間の時間帯の選択が終わると、端末装置14は、選択された時間帯を示すデータをサーバ装置2に送信する。
【0045】
チャットボットにより自動的に、あるいは、表示された時間帯を見たサーバ装置2の運営者の日程決定ボタンに対する操作に応じて、サーバ装置2は、選択された時間帯における用事の日程を調整し、確定させる。
【0046】
以上、
図9~
図11を参照して説明したように、訪問者と運営者とは、サーバ装置2および端末装置14のディスプレイに共通に表示されたカレンダーに、訪問者とサーバ装置2の人員との間の用事の日程を調整できる時間帯を示し、両者の間で確認する。さらに、訪問者と運営者とは、チャットボックスを利用したチャットにより相談しながら、打合せなどの日程を調整し、決定できる。このように調整されて決定された日程は、訪問者およびサーバ装置2の人員との間で確実に共有される。
【0047】
ライブ配信画像とは、資料画像および動画像など、サーバ装置2と端末装置14とで共有され、打合わせなどに利用される画像である。サーバ装置2および端末装置14に表示されるライブ配信画像は、
図7などに示したチャットボックスの機能も兼ね備え、ライブ配信画像には、チャットボットまたはサーバ装置2の運営者との間のチャットが表示される。
【0048】
図15は、サーバ装置2のディスプレイに表示される1対多ライブ配信画像を示す図である。
図16は、
図15に示した画像がサーバ装置2のディスプレイに表示されているときに、1対多ライブ配信に参加している訪問者の端末装置14のディスプレイに表示される1対多ライブ配信画像を例示する図である。
【0049】
図13に示した1対多ライブ配信ボタンが操作されると、サーバ装置2のディスプレイには
図15に示した1対多ライブ配信画像が表示され、端末装置14のディスプレイには
図16に示した1対多ライブ配信画像が表示される。1対多ライブ配信画像は、あたかも1つのチャットルームを構成するかのように機能する。このように、1対多ライブ配信画像が配信されているときに行われるチャットは、1対多チャットとも呼ばれる。
【0050】
図15に示すように、サーバ装置2のディスプレイに表示される1対多ライブ配信画像は、ライブビューの画像と、ライブビューの画像に重ねられた運営者の画像、チャットの内容および1対多ライブ配信の参加者の一覧(
図15においてはA,C,E,G)とを含む。また、
図16に示すように、端末装置14のディスプレイに表示される1対多ライブ配信画像は、ライブビューの画像と、ライブビューの画像に重ねられた運営者の画像およびチャットの内容とを含む。ただし、サーバ装置2および端末装置14に表示される画像は、必ずしも運営者の画像である必要はなく、様々な動画像および静止画像が運営者の画像の代わりに表示されてよい。
【0051】
サーバ装置2と複数の端末装置14との間で1対多ライブ配信が行われると、サーバ2の運営者は、
図15に示すように、1対多ライブ配信の参加者を把握しつつ、自らの画像を複数の端末装置14に配信し、自らと複数の訪問者との間でチャットを行える。また、1対多ライブ配信に参加する訪問者は、サーバ装置2の運営者の画像を見ながら、運営者および1対多ライブ配信に参加する訪問者とチャットを行える。
【0052】
図17は、ライブ配信画像とチャットボックスとが別々に表示範囲画像に重ね合わされて端末装置14のディスプレイに表示される画像を例示する図である。なお、
図15,
図16を参照して説明した画像においては、チャットがライブ配信画像に重ねられて表示されたが、
図17に示すように、これらは別々の領域に表示されたり、一部だけが重なり合う状態で表示されたりしてよい。
【0053】
図18は、
図13に示したチャット一覧ボタンが操作されたときに、サーバ装置2のディスプレイに表示されるチャット一覧の画像を例示する図である。1対多のライブ画像配信がライブ画像配信の一種として行われているときに、
図13に示したチャット一覧ボタンがサーバ装置2の運営者により操作されると、
図18に示すように、
図5に示したチャット一覧の画像がディスプレイに表示される。
【0054】
図19は、運営者が
図13に示したWeb通話ボタンに操作を行ったときにサーバ装置2のディスプレイに表示される画像を例示する図である。運営者が、訪問者とサーバ装置2側のチャットボットまたは運営者との間でWeb通話を行うために用いられるWeb通話ボタンを操作すると、
図19に示すように、ライブビューの画像において、例えば、
図9に示した日程調整用カレンダーの位置に訪問者の画像を含むWeb通話画像が表示される。
【0055】
図20は、
図19に示した画像がサーバ装置2のディスプレイに表示されているときに、端末装置14のディスプレイに表示される画像を例示する図である。運営者がライブビューに表示されたWeb配信ボタンを操作すると、
図20に示すように、端末装置14のディスプレイには、表示範囲画像において、例えば、
図9に示した日程調整用カレンダーの位置にサーバ装置2の運営者の画像を含むWeb通話画像が表示される。さらに、端末装置14からサーバ装置2に訪問者の音声が送信され、サーバ装置2から端末装置14に運営者の音声が送信されるようになり、訪問者と運用者との間のWeb通話が行われる。
【0056】
このように、サーバ装置2のディスプレイに訪問者が表示され、端末装置14のディスプレイに運営者が表示されると、訪問者と運営者とが互いの顔を見ながら通話を行うことができるようになる。なお、サーバ装置2のチャットボット装置222と端末装置14を用いる訪問者との間でWeb通話が行われるときには、サーバ装置2のディスプレイにチャットボットのアイコンが表示されてもよい。なお、運営者と訪問者とがWeb通話を行っている間に、サーバ装置2のディスプレイと端末装置14のディスプレイとで同じ画像を共有する双方向画面共有が行われてよい。
【0057】
図21は、
図19,
図20を参照して説明したWeb通話において、Web通話画像が大きく表示され、運営者と訪問者との間のチャットが、Web通話画像に重ねて表示される場合を例示する図である。
図21に示すように、Web通話において、運営者および訪問者の画像を含むWeb通話画像とチャットボックスとが別々に表示される必要はなく、
図21に示すように、Web画像のなかに、運営者と訪問者とのチャットが重ねて表示されてよい。なお、処理に矛盾が生じない限り、
図9~
図21を参照して説明したサーバ装置2および端末装置14の機能および処理のうちの2つ以上が組み合わされてよい。
【0058】
図22は、
図6~
図21を参照して説明した機能の間の遷移を示す図である。
図22に示すように、
図6を参照して説明したライブビューの画像を表示する機能と、
図15~
図17を参照して説明した1対多ライブ配信および1対多チャットを行う機能、
図7を参照して説明したライブビュー詳細情報を表示する機能、および、
図5および
図18を参照して説明したチャット一覧情報を表示する機能との間で双方向の遷移が可能である。
【0059】
また、ライブビュー詳細情報を表示する機能と、
図19~
図21を参照して説明したWeb通話および双方向画面共有を行う機能、
図7を参照して説明した1対1チャットを行う機能、および、
図9~
図14に示した日程調整を行う機能とは双方向の遷移が可能である。
【0060】
チャット詳細情報を表示する機能と、双方向画面共有およびWeb通話を行う機能、1対1チャットを行う機能、日程調整を行う機能、および、チャット一覧情報を表示する機能との間では、双方向の遷移が可能である。
【0061】
以下、端末装置14およびサーバ装置2の構成を説明する。まず、端末装置14の構成を説明する。
図23は、
図1に示した端末装置14の構成を示す図である。
図23に示すように、端末装置14は、ブラウザ142、IPアドレス通知装置144およびURL通知装置146を備える。ブラウザ142は、Webサーバ装置102にアクセスし、Webページを取得してディスプレイに表示し、また、サーバ装置2から送られてきた画像をWebページに重ね合わせて表示する。ブラウザ142、IPアドレス通知装置144およびURL通知装置146は、例えばROM124に指示命令を含むプログラムとして記憶され、RAM126にロードされ、プロセッサ122により端末装置のハードウェア資源を具体的に利用して実行される。
【0062】
IPアドレス通知装置144は、端末装置14がWebサーバ装置102へのアクセスに用いたIPアドレスをサーバ装置2に通知する。URL通知装置146は、端末装置14が取得したWebページのURLおよびこのURLに至るまでに通過した検索エンジンなどを示す経路をサーバ装置2に通知する。なお、IPアドレス通知装置144およびURL通知装置146は、ブラウザ142に含まれてよい。この場合には、Webサーバ装置102から端末装置146に配信されたWebページのデータに含まれた命令をブラウザ142が実行することによりこれらの機能および処理が実現されてよい。
【0063】
以下、サーバ装置2において動作するチャットシステム20を説明する。
図24は、チャットシステム20の構成を示す図である。
図24に示すように、チャットシステム20は、状態遷移管理装置200と、IPアドレス解析装置202と、訪問者データベース(DB)204と、訪問者解析装置206と、表示範囲画像作成装置208と、ポインタ位置解析装置210と、訪問者解析装置212と、組織データベース214と、チャット入出力装置220と、チャットボット装置222と、チャットカスタマイズ装置224と、チャット装置226と、Web通話装置228と、アクセス通知装置230と、日程調整装置232と、1対多ライブ配信画像処理装置234とを備える。チャットシステム20は、例えば、記録媒体を介して指示命令を含むプログラムとしてサーバ装置2に提供され、RAM126にロードされ、プロセッサ122により、サーバ装置2のハードウェアを具体的に利用して実行される。
【0064】
なお、チャットシステム20のこれらの構成要素は、相互にデータを受けたり渡したり、通信インターフェース128を介して他のノードとの間でデータの通信を行ったりできる。また、これらの構成要素は、入出力装置130を介してサーバ装置2の運営者からの入力操作および音声入力を受けたり、運営者に画像および音声を出力したりできる。
【0065】
チャットシステム20は、これらの構成要素により、
図4~
図7,
図9,
図11~13,
図15,
図18,
図19を参照して説明した画像をサーバ装置2のディスプレイに表示し、
図8,
図10,
図14,
図16,
図17,
図20,
図21を参照して説明した画像を端末装置14のディスプレイに表示する。また、チャットシステム20は、これらの画像をディスプレイに表示されるサーバ装置2の機能の遷移を、
図22を参照して説明したように制御する。また、チャットシステム20は、訪問者のサーバ装置2へのアクセスを選択的または非選択的に運用者に通知し、訪問者と運営者またはチャットボットとの間でチャットを行わせ、これらの間の音声による通話を制御する。
【0066】
状態遷移管理装置200は、
図5,
図6に例示したチャット一覧画像およびライブビューの画像をサーバ装置2のディスプレイに表示し、
図4に示した表示範囲画像に、カレンダー、チャットボックス、ライブ配信画像およびWeb通話画像のうちの1つ以上を重ね合わせた画像を作成してサーバ装置2のディスプレイに表示する。また、状態遷移管理装置200は、カレンダー、チャットボックス、ライブ配信画像およびWeb通話画像のうちの1つ以上を端末装置14に送信し、表示範囲画像に重ね合わせてディスプレイに表示させる。
【0067】
さらに、状態遷移管理装置200は、
図22に示したように、サーバ装置2および端末装置14のディスプレイに表示される画像を表示させる機能の遷移を管理する。
【0068】
IPアドレス解析装置202は、端末装置14からサーバ装置2へのアクセスに用いられたIPアドレスを受信し、このIPアドレスを情報提供装置16に送って問い合わせを行う。IPアドレス解析装置202は、情報提供装置16から返された情報を処理し、サーバ装置2からのIPアドレスが示す個人または組織およびその場所などを解析する。IPアドレス解析装置202は、この解析結果を訪問者データベース204に出力する。
【0069】
訪問者解析装置206は、訪問者とサーバ装置2の運営者などとの間のチャットの内容を解析する。訪問者解析装置206は、解析の結果として、訪問者の氏名、所属する組織(会社)、組織における役職、電子メールアドレスおよび電話番号などの情報を得る。訪問者解析装置206は、これらの回答を訪問者データベース204に出力する。なお、訪問者解析装置206は、訪問者に対するアンケートを行って、これらの情報を得てもよい。さらに、訪問者解析装置206は、端末装置14で動作するブラウザ142から得られる情報として、URLおよびクッキーなどを収集する。また、訪問者解析装置206は、連携している情報サービスからの情報を、組織などの情報として得る。
【0070】
図25は、
図24に示した訪問者データベース204に記憶される訪問者属性情報(ユーザ属性)に含まれるエントリの1つに含まれる情報を例示する図である。訪問者データベース204は、複数の訪問者うちの1人の訪問者属性をそれぞれ示すエントリを作成し、さらに、作成したエントリを複数、含む訪問者属性情報を作成して記憶する。
【0071】
図25に示すように、訪問者属性情報に含まれるエントリそれぞれは、互いに対応付けられた訪問者のIPアドレスと、氏名、組織、役職、電子メールアドレス、電話番号、年齢、性別、個人か組織に属しているか、趣味・嗜好・見ているWebページ、経路および現在地と、対応付けたられたこれらの情報を一意に識別する訪問者識別子(ID)とを含む。さらに、チャットシステム20の処理に利用するために、訪問者属性情報のエントリそれぞれに、訪問者が作成した組織リスト(企業リスト)と、訪問者がサーバ装置2に初訪問したか再訪問したかを示す情報が付加されてよい。
【0072】
訪問者属性情報に含まれる訪問者のIPアドレスは、サーバ装置2にアクセスするために訪問者が用いた端末装置14のIPアドレスである。訪問者の氏名、組織、役職、電子メールアドレス、電話番号、年齢、性別、個人か組織に属するかおよび趣味・嗜好は、上述したように、チャットの内容の解析などにより得られる。訪問者が見ているWebページは、各時点において訪問者が見ているWebページであり、上述したように、この実施形態においてはサーバ装置2のランディングページである。
【0073】
経路は、端末装置14のURL通知装置146から送られてきたデータを解析して得られ、訪問者がサーバ装置2にアクセスするまでに用いた検索エンジンおよびWebアドレスのリンクなど、訪問者がサーバ装置2に至るまでの論理的な経路を示す。訪問者の現在地は、IPアドレスを用いてサーバ装置2が情報提供装置16に問い合わせをすることにより得られる。
【0074】
ポインタ位置解析装置210は、端末装置14から、端末装置14のディスプレイの画像におけるポインタの位置を示す座標データを取得し、表示範囲画像作成装置208に出力する。
【0075】
表示範囲画像作成装置208は、端末装置14から受信したURLにアクセスして受信したWebページの画像、例えば
図4に示したランディングページの画像データと、ポインタ位置解析装置210から入力された座標データとから、
図4に示した表示範囲画像のデータを再現する。また、表示範囲画像作成装置208は、表示範囲縮小画像の画像データを作成する。
【0076】
図26は、
図24に示した組織データベース214に記憶される組織属性情報に含まれるエントリの1つに含まれる情報を例示する図である。組織データベース214は、複数の訪問者うちの1人が属する企業などの組織の属性を示す組織属性をそれぞれ示すエントリを作成し、さらに、作成したエントリを複数、含む組織属性情報を作成して記憶する。
【0077】
図26に示すように、訪問者属性情報に含まれるエントリそれぞれは、互いに対応付けられた訪問者が属する組織およびその名称および設立年月日と、組織が企業である場合の業種(企業が電機業界に属するか自動車業界に属するかなど)、資本金、売上、利益、成長率、上場企業か非上場企業かの区別(上場/非上場)、株価、および、株価収益率(PER)/株価純資産倍率(PBR)など、組織(企業)の名称を情報提供装置16に送って調べることにより得られる情報が含まれる。訪問者属性情報は訪問者属性と、組織の項目を共通に含み、これらのエントリ同士は、この項目に含まれる情報の内容でリンクする。なお、これらの情報の一部は、訪問者解析装置206によっても得られる。
【0078】
訪問者解析装置212は、訪問者データベース204から訪問者属性情報を読み出して解析し、訪問者の属性、例えば、訪問者が企業に属する人か、個人かなどを解析する。
【0079】
チャット入出力装置220は、
図5などに示したように、サーバ装置2の運営者から訪問者に送られるテキストデータを受け入れてチャット装置226に出力する。また、チャット入出力装置220は、訪問者からサーバ装置2の運営者に送られてきたテキストデータをチャット装置226から受け入れてサーバ装置2のディスプレイに表示する。
【0080】
チャットボット装置222は、人工知能を活用した自動会話プログラムであって、訪問者からのテキストデータをチャット装置226から受け、受けたテキストデータへの回答するためのテキストデータを作成してチャット装置226に出力する。
【0081】
チャットカスタマイズ装置224は、サーバ装置2の運営者の管理職などの操作に応じて、チャット入出力装置220およびチャット装置226を用いて訪問者との間でチャットを行うサーバ装置2の運営者が、訪問者属性に応じて、チャットにおいて用いるべき用語および文章のテンプレートを作成し、運営者に表示する。
【0082】
あるいは、チャットカスタマイズ装置224は、管理職などの操作に応じて、あるいは、自動学習により、チャットボット装置222がチャットにおいて用いる用語および文章をカスタマイズし、チャットボット装置222が用いる文章および用語のテンプレートを作成し、チャットボット装置222に使用させる。チャットカスタマイズ装置224は、これらのようなテンプレートを用意することにより、チャットの内容をカスタマイズする。
【0083】
チャット装置226は、端末装置14を用いる訪問者と、サーバ装置2の運営者またはチャットボット装置222との間のチャットのための処理を行う。
【0084】
Web通話装置228は、
図19~
図21を参照して説明したように、端末装置14を用いる訪問者と、サーバ装置2の運営者またはチャットボット装置222との間の画像および音声を用いたコミュニケーションを実現する。つまり、Web通話装置228は、サーバ装置2のディスプレイに端末装置14を用いる訪問者の動画像を表示し、端末装置14のディスプレイに運営者またはチャットボットとのアイコンの動画像を表示し、訪問者と運営者などが、互いの画像を見ながら通話を行うための処理を行う。
【0085】
アクセス通知装置230は、訪問者がサーバ装置2にアクセスしたときに、組織データベース214からさらに組織属性情報を読み出す。さらに、アクセス通知装置230は、訪問者解析装置212の解析結果と、訪問者が属する組織の属性とに基づいて、訪問者または訪問者が属する組織がサーバ装置2を運営する企業の取引相手になるか否かなどを判断する。
【0086】
具体的には、例えば、アクセス通知装置230は、サーバ装置2が、自動車部品会社により運営されているときには、大手の自動車会社に勤務する訪問者または訪問者が属する会社がサーバ装置2を運営する会社の取引相手になると判断する。あるいは、サーバ装置2が、個人向けの小売業により運営されているときには、特定の性別の特定の年齢層の個人がサーバ装置2を運営する会社の取引相手になると判断する。
【0087】
さらに、アクセス通知装置230は、判断の結果に基づいて、訪問者とサーバ装置2の運営者またはチャットボット装置222との間でチャットを行うべきか否かをさらに判断する。アクセス通知装置230は、訪問者とサーバ装置2の運営者またはチャットボット装置222との間でチャットを行うべきと判断すると、その旨をサーバ装置2の運営者、電子メール、チーム内コミュニケーションツールやチャットツール等のコミュニケーションアプリケーションを用いて運営者が携帯する携帯装置18などに通知し、あるいは、サーバ装置2が発生する音声で通知し、訪問者との間のチャットを行わせる。あるいは、アクセス通知装置230は、チャットボット装置222に対して通知を行い、訪問者との間のチャットを行わせる。
【0088】
なお、以上、アクセス通知装置230が訪問者解析装置212の解析結果と、組織データベース214から読み出した組織属性情報との両方を用いてチャットを行うべきか否かを判断する場合を例示したが、これらのいずれかに基づいてこの判断をしてもよい。アクセス通知装置230がチャットを行うか否かの判断の基準は、運営者により、サーバ装置2を運営する企業の方針などにより自由に設定され、また、更新されうる。
【0089】
日程調整装置232は、
図9~
図11を参照して説明したように、訪問者の端末装置14とサーバ装置2との間で、カレンダーを共有して表示する処理を行い、訪問者とサーバ装置2の運営者との間の日程調整などを行う。
【0090】
1対多ライブ配信画像処理装置234は、
図15~
図17を参照して説明したように、サーバ装置2から端末装置14に、1対多ライブ配信画像を配信するための処理を行う。
【0091】
以下、チャットシステム20の動作を説明する。
図27は、
図24に示したチャットシステム20の処理を示すフローチャートである。
図27に示す処理は、例えば、サーバ装置2が端末装置14から何らかのデータを受信するたびに起動される。なお、
図27に示す処理は、運営者から訪問者に対するチャットを開始する場合を考慮していない。運営者から訪問者に対するチャットを開始する場合には、単に運用者が訪問者を呼び出してチャットを開始すればよい。
【0092】
ステップS100において、チャットシステム20の状態遷移管理装置200は、端末装置14からIPアドレスなどを受信したか否かを判断する。チャットシステム20は、IPアドレスなどを受信したとき(S100の処理においてY)にはS102の処理に進み、IPアドレスなどを受信しなかったとき(S100の処理においてN)にはS100の処理に留まる。
【0093】
ステップS102において、IPアドレス解析装置202は、情報提供装置16を利用して、端末装置14がWebサーバ装置102にアクセスするために用いたデータに含まれるIPアドレスの解析を行う。訪問者解析装置206は、アンケート結果などからこの訪問者の氏名などの情報を得る。IPアドレス解析装置202および訪問者解析装置206により得られた情報は、訪問者データベース204に訪問者属性情報として記憶される。また、訪問者解析装置212は、この訪問者属性情報に含まれる項目のうち、組織の項目の内容を用いて、情報提供装置16から組織の情報を得て、組織データベース214に記憶する。
【0094】
訪問者解析装置212は、端末装置14のIPアドレスを用いて、訪問者データベース204からこのIPアドレスが示す訪問者の属性を解析する。また、アクセス通知装置230は、組織データベース214から読み出した訪問者が属する組織の属性を解析する。アクセス通知装置230は、これらの解析結果に基づく判断を行い、サーバ装置2にアクセスしてきた訪問者が、サーバ装置2を運営する企業の取引相手になるか否かなどを判断する。
【0095】
ステップS104において、アクセス通知装置230は、S102の処理における判断に応じて、訪問者または訪問者が属する組織がサーバ装置2を運営する企業の取引相手などになる可能性が高く、サーバ装置2の運営者が訪問者とチャットをすべきか判断する。チャットシステム20は、訪問者と運営者とがチャットをすべきと判断したき(S104の処理においてY)にはS106の処理に進む。チャットシステム20は、訪問者がサーバ装置2を運営する企業の取引相手などになる可能性が低く、訪問者と運営者とがチャットをする必要がなく、訪問者とチャットボット装置222とがチャットすべきと判断したとき(S104の処理においてN)にはS110の処理に進む。
【0096】
ステップS106の処理において、チャット入出力装置220は、運営者に訪問者との間のチャットをすべきことを、電子メール、コミュニケーションアプリケーションを用いて端末装置18を介し、または、音声により運営者に通知する。
【0097】
ステップS108において、チャット入出力装置220は、運営者がチャットを行うために、電子メール、コミュニケーションアプリケーションまたは音声を用いた通知に応答したか否かを判断する。チャットシステム20は、運営者が、一定の時間が経過する前に応答したとき(S108の処理においてY)にはS114の処理に進み、応答しなかったとき(S108の処理においてN)にはS110の処理に進む。
【0098】
なお、訪問者とチャットボット装置222との間でチャットが行われているときには、上述のようにサーバ装置2のディスプレイにその内容が表示される。従って、サーバ装置2の運営者は、運営者は表示されたチャットの内容に応じて、適宜、このチャットに参加したり、チャットボット装置222に代わってチャットを続けたりできる。
【0099】
ステップS110において、チャット装置226は、チャットカスタマイズ装置224によるカスタマイズに従って、
図7~
図10,
図13~
図17,
図19~
図21を参照して説明したように、チャットボット装置222に訪問者との間のチャットを行わせ、チャットの内容をサーバ装置2のディスプレイに表示させる。このとき、状態遷移管理装置200は、端末装置14のディスプレイに、
図8に示したように、表示範囲画像にチャットボックスを重ねて表示する。
【0100】
なお、S110の処理においては、
図7,
図8に図示したチャット入出力装置220、チャットボット装置222、チャットカスタマイズ装置224およびチャット装置226の機能を利用したチャットが行われる他に、さらに、
図9,
図10に図示したサーバ装置2の機能を利用したカレンダーを共有して行われる日程調整および決定が適宜、行われうる。
【0101】
また、S110の処理においては
図15~
図17を参照して説明した1対多ライブ配信画像処理装置234の機能を利用し、1対多ライブ配信画像を共用したチャットが適宜、行われうる。さらに、
図19~
図21を参照して説明したWeb通話装置228の機能を利用したWeb通話のコミュニケーションが適宜、行われうる。
【0102】
ステップS112において、チャットボット装置222は、訪問者が端末装置14とサーバ装置2との間の接続を切断し、あるいは、明示的なチャットの終了のための操作を行って、チャットを終了させたか否かを判断する。チャットシステム20は、チャットが終了されたとき(S112の処理においてY)にはチャットの内容をRAM126などに記憶してS122の処理に進み、チャットが終了されなかったとき(S112の処理においてN)にはS108の処理に戻る。
【0103】
ステップS114において、状態遷移管理装置200は、Webサーバ装置102からWebページを取得する。
【0104】
ステップS116において、表示範囲画像作成装置208は、端末装置14のディスプレイに表示されている表示範囲画像を再現して作成する。チャットボット装置222は、
図7に示したように、ライブビューの画像に、表示範囲画像縮小画像とチャットボックスとを重ねて、サーバ装置2のディスプレイに表示する。
【0105】
ステップS118において、チャット入出力装置220およびチャットボット装置222は、訪問者と運営者との間のチャットを行う。なお、S116において、
図7に示した日程調整ボタンが操作されると、サーバ装置2および端末装置14のディスプレイに、
図9,
図10に示したように、カレンダーの画像がさらに重ねて表示される。
【0106】
なお、S118の処理においても、
図9~
図11を参照して説明したカレンダーを共用して利用する日程調整および決定、
図15~
図17を参照して説明した1対多ライブ配信画像を共用したチャット、および、
図19~
図21を参照して説明したWeb通話を利用した音声によるコミュニケーションが、適宜、行われうる。
【0107】
ステップS120において、チャットボット装置222は、チャットが終了されたか否かを判断する。チャットシステム20は、チャットが終了されたとき(S118においてY)にはチャットの内容をRAM126などに記憶してS122の処理に進み、チャットが終了されなかったとき(S118においてN)にはS108の処理に進む。
【0108】
ステップS122において、チャットカスタマイズ装置224は、S110,S118の処理において行われたチャットの内容を解析し、運営者またはチャットボットのチャットのシナリオを作成し、あるいは、既にあるシナリオの内容を更新する。
【0109】
以下、システム1の動作を説明する。
図28は、システム1の動作を示す通信シーケンス図である。サーバ装置2は、
図24に示したチャットシステム20を実行する。ステップS200において、訪問者の端末装置14は、Webサーバ装置102にアクセスして、
図3に示したランディングページなどのWebページの配信を求める。
【0110】
ステップS202において、サーバ装置2は、端末装置14に、ランディングページなどのWebページを送信する。
【0111】
ステップS204において、端末装置14は、サーバ装置2に、Webページの取得に使ったIPアドレスおよびWebアドレスのURLを送信する。
【0112】
ステップS206において、サーバ装置2は、情報提供装置16に対してIPアドレスなどを用いた問い合わせを行う。
【0113】
ステップS208において、サーバ装置2は、情報提供装置16から、訪問者および組織のドメイン名および所在地などの情報を得る。
【0114】
ステップS210において、サーバ装置2は、Webサーバ装置102にアクセスし、Webサーバ装置102からWebページを取得し、端末装置14にアクセスし、端末装置14からポインタの座標を取得する。
【0115】
ステップS212において、サーバ装置2は、端末装置14のディスプレイに
図8に示したチャットボックスを表示させる。
【0116】
ステップS214において、サーバ装置2は、訪問者と運営者との間のチャット、または、訪問者とチャットボットとの間のチャットを行わせる。このとき、サーバ装置2のディスプレイには、
図7に示した画像が表示され、端末装置14のディスプレイには、
図8に示した画像が表示される。
【0117】
ステップS216において、サーバ装置2は、
図9~
図14を参照して説明したように、日程調整のための処理を行う。
【0118】
ステップS218において、サーバ装置2は、運営者による操作を、UI装置を介して受けると、サーバ装置2と端末装置14との間で、1対多ライブ画像配信を行わせる。このとき、サーバ装置2および端末装置14のディスプレイには
図15~
図17に示した画像が表示される。
【0119】
ステップS220において、サーバ装置2は、運営者による操作を、UI装置を介して受けると、サーバ装置2と端末装置14との間でWeb通話を行わせる。このとき、サーバ装置2および端末装置14のディスプレイには、
図19~
図21に示した画像が表示される。なお、S220の処理においては、必ずしも文字の送受信は必要とされず、音声のみによる通話が行われてもよい。
【0120】
ステップS222において、サーバ装置2は、訪問者と運営者との間のチャット、または、訪問者とチャットボットとの間のチャットを終了させる。
【0121】
以下、チャットシステム20の処理の変形例を説明する。
図29は、
図24に示したチャットシステム20の処理の変形例を示すフローチャートである。
図29に示すように、チャットシステム20は、
図27に示したS104の処理を、S140の処理で置換した処理を行う。
【0122】
ステップS140において、アクセス通知装置230は、S102の処理における判断に応じて、運営者が訪問者とのチャットを行うべきか否かを判断する。チャットシステム20は、チャットを行うべきと判断したき(S140の処理においてY)にはS106の処理に進み、チャットを行うべきと判断しなかったとき(S140の処理においてN)にはS112の処理に進む。
【0123】
図27に示したチャットシステム20の処理を、
図29に示したように、その一部を適宜、変更し、また、
図28に示した通信シーケンスもまた、適宜、変更することにより、訪問者とサーバ装置2の運営者とに最適なサービスを提供できる。
【0124】
本開示にかかる処理および手順は、実施形態において明示的に説明された装置よってだけでなく、具体的には、本明細書で説明された処理および手順は、集積回路、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、磁気ディスク、光ストレージなどの媒体に、当該処理に相当するロジックを実装することにより実現されうる。また、本明細書で説明される処理および手順は、それらの処理および手順をコンピュータプログラムとして実装されえ、端末装置およびサーバ装置を含む各種のコンピュータにより実行されうる。
【0125】
本明細書中において、単一の装置、ソフトウェア、コンポーネント、および/または、モジュールによって実行されると説明された処理および手順は、複数の装置、複数のソフトウェア、複数のコンポーネント、および/または、複数のモジュールによって実行されうる。また、本明細書において、単一のメモリまたは記録媒体に格納される旨が説明された各種情報は、単一の装置に含まれる複数のメモリまたは複数の装置に分散して配置された複数のメモリに分散して格納されうる。さらに、本明細書において説明された複数のソフトウェアおよびハードウェアは、それらをより少ない構成要素に統合することにより、または、より多い構成要素に分解することにより実現されうる。
【0126】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、この実施の形態は、例として提示されたものであり、発明の範囲を限定することを意図されていない。この新規な実施の形態は、その他の様々な形態で実施されることができ、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更され得る。この実施の形態やその変形は、本発明の範囲および要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0127】
1 システム、14,18 端末装置、16 情報提供装置、100 通信ネットワーク、102 Webサーバ装置、2 サーバ装置、20 チャットシステム、200 状態遷移管理装置、202 IPアドレス解析装置、204 訪問者データベース、206 訪問者解析装置、208 表示範囲画像作成装置、210 ポインタ位置解析装置、212 訪問者解析装置、214 組織データベース、220 チャット入出力装置、222 チャットボット装置、224 チャットカスタマイズ装置、226 チャット装置、228 Web通話装置、230 アクセス通知装置、232 日程調整装置、234 1対多ライブ配信画像処理装置、