(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023010460
(43)【公開日】2023-01-20
(54)【発明の名称】生体反応(生理反応)を検知して、虐待されている可能性のある人を早期発見する方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/22 20180101AFI20230113BHJP
【FI】
G06Q50/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021114618
(22)【出願日】2021-07-09
(71)【出願人】
【識別番号】514229889
【氏名又は名称】井上 博喜
(72)【発明者】
【氏名】井上博喜
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA13
(57)【要約】 (修正有)
【課題】生体反応(生理反応)を検知して、虐待されている人の反応を検知し、人工知能を有する機器を用いて早期発見する方法を提供する。
【解決手段】人口知能を使ったシステムにおいて、学校の行事にあわせて対象児童全員に対し、生体反応(生理反応)を検知し、情報を発信する機器Aを配布する。機器Aより反応した情報を入力装置Iが受信し、マルチモーダル機能のついた人工知能を有する装置Jが集積し、虐待の有無を分析する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
子供(学習なしモデルA)に対し、マルチモダール(この場合反応がでるもの)で、被験者に虐待・恐怖を連想させることにより、生体反応(生理反応)が起こった場合、それを検知する機器を使って検知し、虐待の疑いを知る方法(学習済みモデル0)
【請求項2】
虐待のあった子供(学習なしモデルB)に対し、マルチモダール(この場合反応がでるもの)で、被験者に虐待・恐怖を連想させることにより、生体反応(生理反応)が起こった場合、それを検知する機器を使って検知し、虐待の疑いを知る方法(学習済みモデル1)
【請求項3】
学習済みモデル0及び学習済みモデル1に対してマルチモダール(この場合反応がでるもの)で、被験者に虐待・恐怖を連想させることにより、生体反応(生理反応)が起こった場合、それを検知する機器を使って、さらに蓄積、人工知能を有するソフトの機能を使う(自らの学習のみも含む)ことで、生体反応から得た情報の精度をさらにあげるシステムを有する装置を使って検知し、虐待の疑いを知る方法(学習済みモデル2)
【請求項4】
学習済みモデル0及び学習済みモデル1及び学習済みモデル2に対してマルチモダール(この場合反応がでるもの)で、被験者に虐待・恐怖を連想させることにより、生体反応(生理反応)が起こった場合、それを検知する機器を使って、さらに蓄積、人工知能を有するソフトの機能を使う(自らの学習のみも含む)ことで、生体反応から得た情報の精度をさらにあげるシステムを有する装置を使い(学習済みモデル2)外的要因で得た情報を入れることにより、情報を蓄積させ人工知能の技術を用いて検知し、虐待の疑いを知る方法(学習済みモデル3)
【請求項5】
学習済みモデル0及び学習済みモデル1及び学習済みモデル2及び学習済みモデル3に対してマルチモダール(この場合反応がでるもの)で、被験者に虐待・恐怖を連想させることにより、生体反応(生理反応)が起こった場合、それを検知する機器を使って、さらに蓄積、人工知能を有するソフトの機能を使う(自らの学習のみも含む)ことで、生体反応から得た情報の精度をさらにあげるシステムを有する装置を使い、更に別の外的要因で得た情報を入れることにより、情報を蓄積させ人工知能の技術を用いて検知し、虐待の疑いを知る方法(学習済みモデル4)
【請求項6】
虐待の疑いを知る方法で得た、上記の学習モデルの情報をステークホルダーに伝えることが出来るシステム
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、恐怖の時に反応する、生体反応(生理反応)を検知して、虐待されている可能性のある人を見つけ出し、情報を付加し、人工知能を有する機器によってさらに分析を繰り返すことで、虐待されている可能性のある人を早期発見する方法である。
【背景技術】
【0002】
従来では虐待の有無を調べる場合、子供の体の傷や、痩せているなど、身体的な異常や精神的な異常を見つけ、調査することによってでしか、虐待であること見抜けない状況であった。また、虐待の事実である、パーソナルデータを組入れてからの教師データがないと、分析が行えない状態であった 特許文献1
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
子供虐待の発見と対応の遅れが問題になっている。対応したくても発見がなければ、対応ができない。虐待は、されている本人が直接話すか、している本人が話す以外、特定のしようがないのが現状。被虐待者が怪我での通院や110や189による近所の通報、学校であれば不登校や異常行動でもない限り、わからない。また、わかったとしても、被虐待者であるのではないかと、特定するのは難しい。
また、裏付けを取るために、子供に確認をするが、子供は虐待者の虐待を恐れて言葉にできない。この方法であれば、子供は本当のことを言葉にすることはない。言葉にしたことで負い目を感じ、それを引きずる。この方法であれば、それを必要としない。
特許文献1にも「虐待可能性をより人手に頼ることなく高精度かつ自動的に判別する」とあるが、参照用画像情報を最初に準備する必要があるとされている。また、そのデータも、「参照用聴取情報」、「参照用画像情報」、「参照用家庭環境情報」の3件のうち、「参照用聴取情報」「参照用家庭環境情報」は、個人情報保護の観点から、使用する側が限定され、利用されないのであれば偏った情報になる。このように、虐待の早期発見は通常では困難を極める。本発明は、以上の問題点を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第一発明は、人間の恐怖は、脳の扁桃体で感じ、恐怖を感じると、交換神経が一気に開放され、防御を取るという生体反応(生理反応)が起こる。本発明は、それを検知する。
本発明では、機器から外傷体験を経験(虐待されている)とリンクする内容が含まれる情報が発せられた時、その防御(過覚醒)としての生体反応の一つ、瞳孔が開くというのがあり、その情報の中に恐怖を感じ、恐怖体験と認識すると、瞳孔が一時的に拡張する。外傷体験を経験(虐待されている)している子供は、その恐怖を特に強く感じているため、外傷体験の経験のある子供の場合、反応が早い。それを機器に送る。
生体反応(生理反応)は瞳孔を例に上げているが、それ以外の生体反応も同様である、自律神経系、免疫系、内分泌系の反応も、恐怖体験の経験があれば、反応が見られるものもあるので、これによっても検知することが出来る。
第二発明は、虐待されている子供の場合、虐待者である親から、口止めされているケースも有るため、本当のことが言えないケースがある。また、親と離れ離れになるのが嫌で、知らないふりをすることがある。虐待の事実があれば、知らないふりをしても、ポリグラフのような検知を使った生体反応(生理反応)では、検知できる。例えば大人から殴られた記憶がある子供は、大声だけでも、反射的に恐怖を感じ、防衛本能が働き、身構える行動や、呼吸が荒くなる反応や、脈拍が早くなったり、動悸や息切れや、苦しさを感じたり、発汗や血管の収縮等の生体反応(生理反応)がみられるので、黙っている事自体に負荷がかかり、自律神経が司る各部位に反応が出るため検知ができる。
生体反応(生理反応)は、本発明の場合、ポリグラフ検査の内容を例に上げているが、それ以外の生体反応(生理反応)も、恐怖体験の経験があれば、反応が見られるので、これによっても検知することが出来る
第一発明も第二発明も、同時に行う。これらの反応を高精度で自動的に機器が読み取り、人工知能の記録を司る部分に集積し、人工知能のデータを解析する部分で解析し更に精度の高い生理反応及び生体反応を検知するシステムを作り出す。それにより、外傷体験を経験(虐待されている)の可能性のある人間を判別する。
第三発明であるが、虐待の有無の診断は、児童福祉司・児童心理司他による社会診断によるため、虐待があっても、社会診断に時間を要する。判断に時間がかかる。第一発明も第二発明によって検知された場合、これらによって、虐待の可能性があると判断されれば、出力されたデータが関係各所に転送される仕組みを持つ。例えば、それによって、関係各所が、社会診断というなされたと認識し、各々の部署が各々の対応をすることができるようになる。また、そのデータをフィードバックすることも含まれる。
本発明は、以上の問題点を解決することを目的とした検知・判別・最適解を提供する
検知には瞳孔の拡張や、ポリグラフに近い項目での生体反応や生理反応を行っているが、脳活動の計測にはEEG(イーイージー 脳波計測)、NIRS(ニルス 微弱な近赤外光を用いて大脳皮質部分を計測し画像化)、fMRI(ファンクショナルエムアールアイ 磁気共鳴)がある。生体反応(生理反応)は、脳活動の計測であるため、これらの計測を援用するようにしてもよい。
また、以下の詳細の説明は省略する場合がある。
例えば、既によく知られたパソコンの内部説明や検知器の詳細な説明等はメーカーによって異なるため、それをすべて網羅することは不可能である。
これらの機器においては、何の目的で何をするのための装置がある機器か、それよって何がわかる機器なのか、だけを説明する。そうしないと、例えば、パソコンの電源を入れての起動、パソコンの立ち上げ、スイッチ部分の場所はどこでなどと、事細かく記載すると膨大な量になるため、そうしている。
誤解なきは、図面およびイメージや、以下の説明の中には、特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
本発明の、生体反応(生理反応)は、生体反応は、バイオエンジニアリングを含む。バイオエンジニアリングに関しては、分子生物学,生物物理学,生理学,解剖学,心理学などを基礎学問とし,遺伝子工学,細胞工学,発生工学,医用工学,人間工学,制御工学,人工知能など多岐にわたるが、例えば、本発明の場合、ポリグラフに近い項目の内容を上げているため、そう記しているが他の生理反応でも検知は可能のため、このようにしている。
生理反応に関しては、例えば、本発明の場合、瞳孔の拡張を含んだものを出しているため、そう記しているが他の生理反応でも検知は可能のため、このようにしている。
【発明の効果】
【0006】
本発明により、生体反応(生理反応)を検知して、虐待されている可能性のある人を見つけ出し、情報を付加し、人工知能を有する機器によってさらに分析を繰り返すことで、被虐待子供を早期発見する方法である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【
図2】は、外傷体験を思い出させる起因を含む情報を知る前と後の変化。瞳孔の場合を例にしたイメージ図である。
【
図3】は、ポリグラフに近い項目での生体反応(生理反応)のイメージ図である。
【
図4】は、ポリグラフに近い検知器での生体反応(生理反応)検査結果の検知器のイメージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
「
図1」は虐待の有無を知るために行う。例えば学校の行事にあわせて、対象児童全員に対し、生体反応(生理反応)を検知するために、情報を発信し検知する機器を配する。そこから反応した情報を集積し、人工知能を有する機器によって分析する。「
図2」が生体反応(生理反応)の瞳孔の例を示している。「
図3」は同様に、生体反応(生理反応)のポリグラフのようなものでの検知の例を示している。「
図4」は「
図3」の検査結果の一例である。「
図5」は人工知能の学習の一例を示している
【符号の説明】
【0009】
A 検知器甲・乙と機器丙を含む機器の総称である。検知器は一台一台分離している場合もあれば、複数台がセットになっている場合もある
B 生体反応(生理反応)検知器 甲
B1 眼球を観るためのイメージである
C 生体反応(生理反応)検知器 乙
D 皮膚コンダクタンスを測定するための検査キッド
D1 皮膚コンダクタンスを測定するための検査キッドに繋いだCまでの機器用の通信用及び電気機器、電子・通信機器間の配線および機器内配線に用いられる電線
E 容積脈波を測定するための検査キッド
E1 容積脈波を測定するための検査キッドに繋いだCまでの機器用の通信用及び電気機器、電子・通信機器間の配線および機器内配線に用いられる電線
F 呼吸運動センサーを測定するための検査キッド
F1 呼吸運動センサーを測定するための検査キッドに繋いだCまでの機器用の通信用及び電気機器、電子・通信機器間の配線および機器内配線に用いられる電線
G 心拍数を測定するための検査キッド
G1 心拍数を測定するための検査キッドに繋いだCまでの機器用の通信用及び電気機器、電子・通信機器間の配線および機器内配線に用いられる電線
G2 心拍数を測定するための検査キッドに繋いだCまでの機器用の通信用及び電気機器、電子・通信機器間の配線および機器内配線に用いられる電線
H 質問を発する設問用の機器 丙
I 入力装置
I1 B・I機器用の通信用及び電気機器、電子・通信機器間の配線および機器内配線に用いられる電線または、無線
I2 C・I機器用の通信用及び電気機器、電子・通信機器間の配線および機器内配線に用いられる電線または、無線
I3 H・I機器用の通信用及び電気機器、電子・通信機器間の配線および機器内配線に用いられる電線または、無線
I4 I・J機器用の通信用及び電気機器、電子・通信機器間の配線および機器内配線に用いられる電線または、無線
J 人工知能を有するCPU及び記憶装置を入れる機器の本体または、Cloudにある場合、それを有するサーバー
J1 J・N機器用の通信用及び電気機器、電子・通信機器間の配線および機器内配線に用いられる電線または、無線
K 制御装置
L 演算装置
M 記憶装置
N 出力装置
O ステークホルダー
P 出力装置から出る学習済みデータ
Q 学習済みデータにステークホルダーから得た(外的要因の)データを含んだ学習済みデータ
R 被験者
S 眼球を含む眼のイメージ
T PTSD等、外傷体験を思い出させる起因を含む情報をデータ化
U 眼球
V 扁桃体
W 脳
X 外傷体験の記憶(イメージ)
Y 自律神経(イメージ)
Z 瞳孔が開いた時の眼球
AA 脳内扁桃体
BB 呼吸運動センサーの記録(イメージ)
BB1 悪く反応が出たときの呼吸運動センサーの記録(イメージ)
CC 皮膚コンダクタンス(ガルバニック皮膚反応)の記録(イメージ)
CC1 悪く反応が出たときの皮膚コンダクタンス(ガルバニック皮膚反応)の記録(イメ
ージ)
DD 心拍数を測定するためのの記録(イメージ)
DD1 悪く反応が出たときの心拍数の記録(イメージ)
EE 容積脈波の記録(イメージ)
EE1悪く反応が出たときの容積脈波の記録(イメージ)
FF 無反応だったときの記録(全体イメージ)
GG 反応があったときの記録(全体イメージ)
HH 無反応だったときの記録(全体イメージ)