(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023104607
(43)【公開日】2023-07-28
(54)【発明の名称】作業システム、作業装置、および作業方法
(51)【国際特許分類】
G05D 1/02 20200101AFI20230721BHJP
B25J 5/00 20060101ALI20230721BHJP
【FI】
G05D1/02 T
B25J5/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022005703
(22)【出願日】2022-01-18
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】酒井 希
(72)【発明者】
【氏名】平田 修一
(72)【発明者】
【氏名】松川 茂
(72)【発明者】
【氏名】松崎 浩文
【テーマコード(参考)】
3C707
5H301
【Fターム(参考)】
3C707AS05
3C707BS10
3C707CS08
3C707HS27
3C707KS12
3C707KT01
3C707KT04
3C707LV02
3C707WA16
5H301CC09
5H301CC10
5H301GG08
5H301GG09
5H301LL01
5H301LL03
5H301LL06
5H301LL08
5H301QQ01
(57)【要約】
【課題】人への接触リスクを低減することができる作業システムを提供する。
【解決手段】作業システム1は、第1作業装置100と、第2作業装置200とを備え、第1作業装置100は、第1検知対象領域103aにおける物体の有無を検知し、検知結果を示す第1検知情報を出力する第1検知部103と、可動部101と、第1検知情報に基づいて可動部101を制御する第1制御部104とを備え、可動部101が第2作業装置200と協調作業を行う場合には、第1制御部104は、第1検知対象領域103aを制限し、第2作業装置200に取り付けられている第2検知部203から、第2作業装置200の周辺における物体の有無を示す第2検知情報を取得し、第1検知情報および第2検知情報に基づいて可動部101を制御する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業を行う第1作業装置と、
前記第1作業装置と協調作業を行う第2作業装置とを備え、
前記第1作業装置は、
前記第1作業装置を走行させる第1走行部と、
前記第1作業装置の周辺の検知対象領域における物体の有無を検知し、検知結果を示す第1検知情報を出力する第1検知部と、
作業のための動作を行う可動部と、
前記第1検知情報に基づいて前記可動部を制御する制御部とを備え、
前記第1作業装置の走行が前記第1走行部によって停止されて前記協調作業が行われるときには、
前記制御部は、
前記第1作業装置から見て前記第2作業装置側にある範囲が前記検知対象領域から除かれるように、前記検知対象領域を制限し、
前記第2作業装置に取り付けられている第2検知部から、前記第2作業装置の周辺における物体の有無を示す第2検知情報を取得し、
前記第1検知情報および前記第2検知情報に基づいて前記可動部を制御する
作業システム。
【請求項2】
前記第2検知部は、前記第2作業装置から見て前記第1作業装置と反対側にある領域における物体の有無を検知し、検知結果を示す前記第2検知情報を出力する、
請求項1に記載の作業システム。
【請求項3】
前記第1作業装置の前記制御部は、
物体が有ることを前記第2検知情報が示す場合には、前記可動部の動きを減速させる、または、前記可動部の動作を停止させる、
請求項1または2に記載の作業システム。
【請求項4】
前記第2作業装置は、
前記第2作業装置を走行させる第2走行部と、
前記第2検知部とを備える、
請求項1~3の何れか1項に記載の作業システム。
【請求項5】
前記制御部は、
前記第2検知情報を取得するときには、
前記第1作業装置と前記第2作業装置とを接続する通信ケーブルを介して、前記第2検知部から前記第2検知情報を取得する、
請求項1~4の何れか1項に記載の作業システム。
【請求項6】
前記第1作業装置および前記第2作業装置の何れか一方の装置は、
前記協調作業が行われる前に、前記通信ケーブルを前記第1作業装置と前記第2作業装置との間に接続する、
請求項5に記載の作業システム。
【請求項7】
前記第1作業装置は、さらに、
前記通信ケーブルを備え、
前記制御部は、
前記通信ケーブルの一端を前記可動部に把持させて前記第2作業装置に接続させる、
請求項6に記載の作業システム。
【請求項8】
前記第1作業装置と前記第2作業装置とを上方から見た状態において、
前記可動部は、前記第1作業装置と前記第2作業装置との間の空間を介して前記第1作業装置から前記第2作業装置に、前記通信ケーブルの一端を移動させて前記第2作業装置に接続する、
請求項7に記載の作業システム。
【請求項9】
前記第1作業装置および前記第2作業装置の何れか一方の装置は、
前記協調作業が行われた後に、前記第1作業装置と前記第2作業装置との間に接続されている前記通信ケーブルを外す、
請求項5~8の何れか1項に記載の作業システム。
【請求項10】
前記制御部は、
前記通信ケーブルの一端を前記可動部に把持させて前記第2作業装置から外させる、
請求項9に記載の作業システム。
【請求項11】
前記第1作業装置は、さらに、
前記第2検知部を備え、
前記制御部は、
前記協調作業が行われる前に、前記第2検知部を前記可動部に把持させて前記第2作業装置に取り付けさせる、
請求項1~3の何れか1項に記載の作業システム。
【請求項12】
相手作業装置と協調作業を行う作業装置であって、
前記作業装置を走行させる走行部と、
前記作業装置の周辺の検知対象領域における物体の有無を検知し、検知結果を示す第1検知情報を出力する第1検知部と、
作業のための動作を行う可動部と、
前記第1検知情報に基づいて前記可動部を制御する制御部とを備え、
前記作業装置の走行が前記走行部によって停止されて前記協調作業が行われるときには、
前記制御部は、
前記作業装置から見て前記相手作業装置側にある範囲が前記検知対象領域から除かれるように、前記検知対象領域を制限し、
前記相手作業装置に取り付けられている第2検知部から、前記相手作業装置の周辺における物体の有無を示す第2検知情報を取得し、
前記第1検知情報および前記第2検知情報に基づいて前記可動部を制御する、
作業装置。
【請求項13】
相手作業装置と協調作業を行う作業装置の作業方法であって、
前記作業装置は、
前記作業装置を走行させる走行部と、
前記作業装置の周辺の検知対象領域における物体の有無を検知し、検知結果を示す第1検知情報を出力する第1検知部と、
作業のための動作を行う可動部とを備え、
前記作業方法では、
前記作業装置の走行が前記走行部によって停止されて前記協調作業を行われるときには、
前記作業装置から見て前記相手作業装置側にある範囲が前記検知対象領域から除かれるように、前記検知対象領域を制限し、
前記相手作業装置に取り付けられている第2検知部から、前記相手作業装置の周辺における物体の有無を示す第2検知情報を取得し、
前記第1検知情報および前記第2検知情報に基づいて前記可動部を制御する、
作業方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、作業を行う作業システムなどに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、安全性を確保した自走ロボット用の自走ロボット制御システムが、作業システムとして提案されている(特許文献1参照)。この自走ロボット制御システムは、自走する自走ロボットと指令装置とを備える。自走ロボットは、第1領域および第2領域を含む作業領域において走行し、作業を行う。第1領域は、人の立ち入りが許容された領域であり、第2領域は、人の立ち入りが許容されていない領域である。自走ロボットが第1領域にあるときには、その自走ロボットと指令装置とは有線で接続される。そして、指令装置は、自走ロボットの動作を強制制御させる強制制御指令を、その有線を介して自走ロボットに与える。一方、自走ロボットが第2領域にあるときには、自走ロボットと指令装置との間の有線接続は自動的に切り離される。これにより、自走ロボットが第1領域にあるときに人がその第1領域に立ち入っても、指令装置が強制制御指令を自走ロボットに与えることによって、その自走ロボットを強制的に停止させることができ、安全性を確保することができる。一方、自走ロボットが第2領域にあるときには、有線接続が切り離されるため、自走ロボットの作業範囲または移動範囲の制限を緩和することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1の作業システムでは、例えば自走ロボットなどのような作業装置が複数あって、複数の作業装置が協調作業を行う場合には、作業装置などが人に接触するリスクを低減することが難しいという課題がある。なお、このようなリスクは、接触リスクとも呼ばれる。例えば、複数の作業装置のうちの第1作業装置は、その周辺の人の有無を検知しながら第2作業装置と協調作業を行うことが想定される。しかし、第2作業装置が存在するために、第1作業装置による検知には死角が生じる可能性がある。その結果、第1作業装置などが人に接触するリスクが生じる可能性がある。
【0005】
そこで、本開示は、人への接触リスクを低減することができる作業システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る作業システムは、作業を行う第1作業装置と、前記第1作業装置と協調作業を行う第2作業装置とを備え、前記第1作業装置は、前記第1作業装置を走行させる第1走行部と、前記第1作業装置の周辺の検知対象領域における物体の有無を検知し、検知結果を示す第1検知情報を出力する第1検知部と、作業のための動作を行う可動部と、前記第1検知情報に基づいて前記可動部を制御する制御部とを備え、前記第1作業装置の走行が前記第1走行部によって停止されて前記協調作業が行われるときには、前記制御部は、前記第1作業装置から見て前記第2作業装置側にある範囲が前記検知対象領域から除かれるように、前記検知対象領域を制限し、前記第2作業装置に取り付けられている第2検知部から、前記第2作業装置の周辺における物体の有無を示す第2検知情報を取得し、前記第1検知情報および前記第2検知情報に基づいて前記可動部を制御する。
【0007】
なお、これらの包括的または具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。また、記録媒体は、非一時的な記録媒体であってもよい。
【発明の効果】
【0008】
本開示の作業システムは、人への接触リスクを低減することができる。
【0009】
本開示の一態様における更なる利点および効果は、明細書および図面から明らかにされる。かかる利点および/または効果は、いくつかの実施の形態並びに明細書および図面に記載された特徴によってそれぞれ提供されるが、1つまたはそれ以上の同一の特徴を得るために必ずしも全てが提供される必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、実施の形態における作業システムが協調作業を行う状態を説明するための図である。
【
図2】
図2は、実施の形態における第1作業装置および第2作業装置のそれぞれの機能構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、実施の形態における、走行している第1作業装置の検知対象領域の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施の形態における、走行している第2作業装置の検知対象領域の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、実施の形態における第1作業装置に死角が生じることを説明するための図である。
【
図6】
図6は、実施の形態における第1作業装置による通信ケーブルの接続処理を説明するための図である。
【
図7】
図7は、実施の形態における、協調作業が行われるときの第1作業装置および第2作業装置のそれぞれの検知対象領域の一例を示す図である。
【
図8A】
図8Aは、実施の形態における第1作業装置の処理動作を示すフローチャートである。
【
図8B】
図8Bは、実施の形態における第2作業装置の処理動作を示すフローチャートである。
【
図9】
図9は、実施の形態の変形例における協調作業が行われるときの第1作業装置の検知対象領域の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示の一態様に係る作業システムは、作業を行う第1作業装置と、前記第1作業装置と協調作業を行う第2作業装置とを備え、前記第1作業装置は、前記第1作業装置を走行させる第1走行部と、前記第1作業装置の周辺の検知対象領域における物体の有無を検知し、検知結果を示す第1検知情報を出力する第1検知部と、作業のための動作を行う可動部と、前記第1検知情報に基づいて前記可動部を制御する制御部とを備え、前記第1作業装置の走行が前記第1走行部によって停止されて前記協調作業が行われるときには、前記制御部は、前記第1作業装置から見て前記第2作業装置側にある範囲が前記検知対象領域から除かれるように、前記検知対象領域を制限し、前記第2作業装置に取り付けられている第2検知部から、前記第2作業装置の周辺における物体の有無を示す第2検知情報を取得し、前記第1検知情報および前記第2検知情報に基づいて前記可動部を制御する。なお、制御部は、第1制御部とも呼ばれ、検知対象領域は、例えば第1検知対象領域とも呼ばれる。
【0012】
これにより、第1作業装置が第2作業装置と協調作業を行うときには、検知対象領域が制限されることによって、第2作業装置などが障害物として検知されることを抑制することができる。また、その検知対象領域の制限によって、第2作業装置の周辺には、第1検知部では検知することができない領域、すなわち、第1検知部の死角とされる領域が生じる。しかし、第2作業装置に取り付けられている第2検知部の検知対象領域がその死角をカバーすることができる。なお、第2検知部の検知対象領域は、第2検知対象領域とも呼ばれる。第1制御部は、このような死角をカバー可能な第2検知部の検知対象領域における物体の有無を示す第2検知情報を取得するため、第1作業装置の死角の発生を抑制することができる。したがって、第1制御部は、第1作業装置の周辺だけでなく、第2作業装置の周辺においても死角の発生を抑制して広い範囲で物体の有無を把握しながら、可動部を制御することができる。これにより、可動部が人などの物体に接触するような接触リスクを低減することができる。
【0013】
また、前記第2検知部は、前記第2作業装置から見て前記第1作業装置と反対側にある領域における物体の有無を検知し、検知結果を示す前記第2検知情報を出力してもよい。
【0014】
これにより、第2作業装置の周辺のうちでも、第1検知部の制限された検知対象領域でカバーすることが困難な領域を、第2検知部の検知対象領域に適切に含めることができる。その結果、第1制御部は、第1作業装置の周辺だけでなく、第2作業装置の周辺においても死角の発生を適切に抑制して広い範囲で物体の有無を把握しながら、可動部を制御することができる。
【0015】
また、前記第1作業装置の前記制御部は、物体が有ることを前記第2検知情報が示す場合には、前記可動部の動きを減速させる、または、前記可動部の動作を停止させてもよい。
【0016】
これにより、例えば、上述の死角とされる領域に人が進入して、その人が物体として第2検知部に検知された場合には、第2検知情報は物体が有ることを示し、可動部の動きが減速するか、停止する。その結果、可動部とその人との接触リスクを効果的に低減することができ、可動部が人に接触しても、その人へのダメージを抑えることができる。
【0017】
また、前記第2作業装置は、前記第2作業装置を走行させる第2走行部と、前記第2検知部とを備えてもよい。
【0018】
これにより、第2作業装置は、第1作業装置と同様に自律的に走行することができ、さらに、第1作業装置は、協調作業が行われるときには、自らに第2検知部が備えられていなくても、その第2作業装置に備えられている第2検知部を利用することができる。したがって、第1作業装置の構成を簡略化することができる。
【0019】
また、前記制御部は、前記第2検知情報を取得するときには、前記第1作業装置と前記第2作業装置とを接続する通信ケーブルを介して、前記第2検知部から前記第2検知情報を取得してもよい。
【0020】
これにより、第2検知情報は、通信ケーブルを介して第2検知部から制御部に送信される。つまり、第2検知情報は有線で送信される。したがって、第2検知情報が無線で送信される場合と比べて、送信の遅延が生じたり、送信ができなかったりする事象の発生を抑制することができる。その結果、人への接触リスクをより適切に低減することができ、安全性をさらに高めることができる。
【0021】
また、前記第1作業装置および前記第2作業装置の何れか一方の装置は、前記協調作業が行われる前に、前記通信ケーブルを前記第1作業装置と前記第2作業装置との間に接続してもよい。
【0022】
これにより、通信ケーブルの接続が第1作業装置または第2作業装置によって自動的に行われるため、作業システムのユーザの負担を低減することができる。
【0023】
また、前記第1作業装置は、さらに、前記通信ケーブルを備え、前記制御部は、前記通信ケーブルの一端を前記可動部に把持させて前記第2作業装置に接続させてもよい。
【0024】
これにより、可動部は、協調作業に用いられるだけでなく、通信ケーブルの接続にも用いられるため、可動部を有効に利用することができ、通信ケーブルの接続のための新たな機構の設置を省くことができる。
【0025】
また、前記第1作業装置と前記第2作業装置とを上方から見た状態において、前記可動部は、前記第1作業装置と前記第2作業装置との間の空間を介して前記第1作業装置から前記第2作業装置に、前記通信ケーブルの一端を移動させて前記第2作業装置に接続してもよい。
【0026】
これにより、第1作業装置と第2作業装置とを上方から見た状態において、第1作業装置と、第2作業装置と、それらの間の空間とを囲う領域から、通信ケーブルの一端が外に出る可能性を抑えて、通信ケーブルを接続することができる。したがって、可動部がその領域から外に出る可能性も抑えることができる。その結果、例えば、人がその領域に近づいても、可動部がその人に干渉することを抑制することができる。つまり、通信ケーブルが接続される前であっても、人への接触リスクを低減することができる。
【0027】
また、前記第1作業装置および前記第2作業装置の何れか一方の装置は、前記協調作業が行われた後に、前記第1作業装置と前記第2作業装置との間に接続されている前記通信ケーブルを外してもよい。
【0028】
これにより、通信ケーブルの取り外しが第1作業装置または第2作業装置によって自動的に行われるため、作業システムのユーザの負担を低減することができる。
【0029】
また、前記制御部は、前記通信ケーブルの一端を前記可動部に把持させて前記第2作業装置から外させてもよい。
【0030】
これにより、可動部は、協調作業に用いられるだけでなく、通信ケーブルの取り外しにも用いられるため、可動部を有効に利用することができ、通信ケーブルの取り外しのための新たな機構の設置を省くことができる。
【0031】
また、前記第1作業装置は、さらに、前記第2検知部を備え、前記制御部は、前記協調作業が行われる前に、前記第2検知部を前記可動部に把持させて前記第2作業装置に取り付けさせてもよい。
【0032】
これにより、例えば、第2作業装置が第2検知部を備えていなくても、第1作業装置に備えられている第2検知部が、第2作業装置に取り付けられて利用される。したがって、第2作業装置の構成を簡略化することができ、第2作業装置として利用可能な装置の条件を緩和することができる。
【0033】
なお、これらの包括的または具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたは記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。また、記録媒体は、非一時的な記録媒体であってもよい。
【0034】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0035】
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置および接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0036】
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、同じ構成部材については同じ符号を付している。また、以下の実施の形態において、略水平などの表現を用いている。例えば、略水平は、完全に水平であることを意味するだけでなく、実質的に水平である、すなわち、例えば数%程度の誤差を含むことも意味する。また、略水平は、本開示による効果を奏し得る範囲において水平という意味である。他の「略」を用いた表現についても同様である。
【0037】
(実施の形態)
図1は、本実施の形態における作業システムが協調作業を行う状態を説明するための図である。
【0038】
作業システム1は、例えば基板Bに部品Pを実装することによって実装基板を生産する生産施設に配置され、その実装基板を生産するための作業を行う第1作業装置100と、第2作業装置200とを備える。生産施設には、例えば、部品実装装置10などが配置されている。作業システム1の第1作業装置100および第2作業装置200は、例えば、その部品実装装置10の準備のための作業を行う。
【0039】
部品実装装置10は、例えば、複数のカセット11が取り付けられる部品供給部11aを備える。複数のカセット11のそれぞれには、例えば、リール状の部品テープが格納される。部品テープには複数の部品Pが収納されている。部品実装装置10は、そのカセット11から部品テープを繰り出しながら、その部品テープから部品Pを取り出す。そして、部品実装装置10は、搬入された基板Bにその部品Pを実装し、部品Pが実装された基板Bである実装基板を搬出する。
【0040】
第1作業装置100は、例えば、本体111および可動部101を有するAGV(Automatic Guided Vehicle)として構成されている。可動部101は、本体111の上部に取り付けられ、例えば、ロボットアームとして構成されている。このような第1作業装置100は、自走ロボットであるとも言える。
【0041】
第2作業装置200は、例えば作業台201を有するAGVとして構成され、第1作業装置100と協調作業を行う。このような第2作業装置200は、自走ロボットであるとも言える。また、第2作業装置200は、第1作業装置100と協調作業を行う相手作業装置の一例である。
【0042】
このような作業システム1の第1作業装置100および第2作業装置200は、部品実装装置10の部品供給部11aに、部品テープが格納されたカセット11を取り付ける作業を協調作業として行う。具体的には、第1作業装置100と、作業台201に複数のカセット11が載置された第2作業装置200とは、部品実装装置10の部品供給部11aの手前まで移動し、予め定めれた位置に停止する。そして、第1作業装置100の可動部101は、第2作業装置200の作業台201に載置されているカセット11を把持し、そのカセット11を部品供給部11aに取り付ける。
【0043】
あるいは、作業システム1の第1作業装置100および第2作業装置200は、空のカセット11を部品供給部11aから取り出して収集する作業を協調作業として行う。具体的には、第1作業装置100と、第2作業装置200とは、部品実装装置10の部品供給部11aの手前まで移動し、予め定めれた位置に停止する。そして、第1作業装置100の可動部101は、部品供給部11aに取り付けられている空のカセット11を把持し、そのカセット11を部品供給部11aから取り外す。そして、可動部101は、その取り外されたカセット11を第2作業装置200の作業台201に載置する。なお、このような協調作業は、共同作業であるとも言える。
【0044】
図2は、第1作業装置100および第2作業装置200のそれぞれの機能構成を示すブロック図である。
【0045】
第1作業装置100は、可動部101、第1走行部102、複数の第1検知部103、第1制御部104、および第1接続部105を備える。なお、これらの構成要素のうち、可動部101以外の各構成要素は、本体111に備えられている。
【0046】
可動部101は、例えば上述のようにロボットアームとして構成され、カセット11の取り付けおよび取り外しなどの、作業のための動作を行う。
【0047】
第1走行部102は、例えば複数のタイヤと、そのタイヤを駆動するモータとを有し、第1作業装置100を走行させる。
【0048】
第1検知部103は、第1作業装置100の周辺の検知対象領域における物体の有無を検知し、検知結果を示す第1検知情報を第1制御部104に出力する。このような第1検知部103は、例えばLiDAR(Laser Imaging Detection and Ranging)として構成されている。なお、第1検知部103は、LiDARに限定されることなく、例えばカメラを用いたセンサなどであってもよく、他の形式のセンサであってもよい。また、本実施の形態では、第1作業装置100に備えられる第1検知部103の数は、2つである。しかし、その数は、2つに限らず、1つであってもよく、3つ以上であってもよい。
【0049】
第1接続部105は、通信ケーブル300のコネクタ301に電気的に接続される部材である。なお、通信ケーブル300は、第1作業装置100の本体111に付属する部材であって、2つのコネクタ301を有する。2つのコネクタ301のうちの一方のコネクタ301は、第1接続部105に接続されている。他方のコネクタ301は、第2作業装置200への接続に用いられるが、協調作業が行われるとき以外は、何れにも接続されることなく本体111に取り付けられている。
【0050】
第1制御部104は、第1検知部103から第1検知情報を取得し、その第1検知情報に基づいて可動部101および第1走行部102を制御する。また、第1制御部104は、通信ケーブル300を介して第2作業装置200から後述の第2検知情報を取得した場合には、第1検知情報だけでなくその第2検知情報にも基づいて可動部101などを制御する。
【0051】
第2作業装置200は、作業台201、第2走行部202、複数の第2検知部203、第2制御部204、および第2接続部205を備える。
【0052】
作業台201は、上述のカセット11などが載置されるための略水平な平面を有する台である。
【0053】
第2走行部202は、例えば複数のタイヤと、そのタイヤを駆動するモータとを有し、第2作業装置200を走行させる。
【0054】
第2検知部203は、第2作業装置200の周辺の検知対象領域における物体の有無を検知し、検知結果を示す第2検知情報を第2制御部204に出力する。このような第2検知部203は、第1検知部103と同様、例えばLiDARとして構成されている。なお、第2検知部203は、LiDARに限定されることなく、例えばカメラを用いたセンサなどであってもよく、他の形式のセンサであってもよい。また、本実施の形態では、第2作業装置200に備えられる第2検知部203の数は、2つである。しかし、その数は、2つに限らず、1つであってもよく、3つ以上であってもよい。
【0055】
第2接続部205は、第1作業装置100に付属されている通信ケーブル300のコネクタ301に電気的に接続される部材である。
【0056】
第2制御部204は、第2検知部203から第2検知情報を取得し、その第2検知情報に基づいて第2走行部202を制御する。また、第2制御部204は、第2接続部205に通信ケーブル300のコネクタ301が接続されたときには、通信ケーブル300を介してその第2検知情報を第1作業装置100に送信する。
【0057】
図3は、走行している第1作業装置100の検知対象領域の一例を示す図である。なお、
図3では、上方から第1作業装置100を見た状態が示されている。また、本開示において、鉛直方向をZ軸方向と称し、鉛直方向に対して垂直な面における一方向をY軸方向と称し、その垂直な面においてY軸方向と垂直な方向をX軸方向と称す。つまり、X軸方向およびY軸方向は、水平方向である。また、本開示において、Z軸方向の正側は、上方、上向きまたは上であり、Z軸方向の負側は、下方、下向きまたは下である。
【0058】
第1作業装置100の本体111における上面110は、例えば水平方向に沿う略矩形状の平面であって、その上面110の中央付近に可動部101の基部が固定されている。さらに、その上面110の対角方向に沿う2つの角に、上述の2つの第1検知部103が配置されている。また、その上面110には、2つのコネクタ301を有する通信ケーブル300が配置されており、その2つのコネクタ301のうちの一方は、第1作業装置100の第1接続部105に接続され、他方は、何れにも接続されていない。
【0059】
第1作業装置100が、例えば、Y軸方向(以下、進行方向とも呼ばれる)の正側に向かって走行する場合、第1制御部104は、第1作業装置100のモードを移動モードに設定する。この移動モードでは、第1制御部104は、可動部101が走行経路の周辺にある物体と干渉しないように、上面110の中央付近の位置で可動部101を折り畳んだ状態で静止させる。そして、第1制御部104は、第1走行部102を制御することによって、2つの第1検知部103のうちの一方が進行方向の前側に配置され、かつ、他方が進行方向の後側に配置されるような状態で、第1作業装置100を走行させる。2つの第1検知部103のそれぞれの検知対象領域である第1検知対象領域103aは、第1作業装置100が含まれない領域であって、例えば、中心角が略270°である扇形の領域である。そして、2つの第1検知対象領域103aのそれぞれの一部は互いに重なっていてもよい。2つの第1検知部103のそれぞれは、その第1検知対象領域103aにおける物体の有無を検知し、その検知結果を示す第1検知情報を第1制御部104に出力する。第1制御部104は、それらの第1検知情報に基づいて、人などの物体に第1作業装置100が接触しないように、第1走行部102を制御する。例えば、第1制御部104は、物体が存在することを第1検知情報が示している場合、第1走行部102を制御することによって、第1作業装置100の走行速度を落としたり、第1作業装置100の走行を停止させたりする。さらに、第1制御部104は、それらの第1検知情報に基づいて、生産施設における第1作業装置100の位置を確認しながら、第1走行部102を制御する。この制御によって、第1制御部104は、例えば第2作業装置200と協調作業を行うための第1協調作業位置に向かって第1作業装置100を走行させる。
【0060】
図4は、走行している第2作業装置200の検知対象領域の一例を示す図である。なお、
図4では、上方から第2作業装置200を見た状態が示されている。
【0061】
第2作業装置200の作業台201における上面210は、例えば水平方向に沿う略矩形状の平面である。その上面210の一辺に沿う2つの角に、上述の2つの第2検知部203が配置されている。なお、この上面210には、通信ケーブル300のコネクタ301に接続される第2接続部205が配設されている。
【0062】
第2作業装置200が、例えば、Y軸方向の正側に向かって走行する場合、第2制御部204は、第2作業装置200のモードを移動モードに設定する。この移動モードでは、第2制御部204は、第2走行部202を制御することによって、2つの第2検知部203が共に進行方向(すなわちY軸方向)の前側に配置されるような状態で、第2作業装置200を走行させる。2つの第2検知部203のそれぞれの検知対象領域である第2検知対象領域203aは、第2作業装置200が含まれない領域であって、例えば、中心角が略270°である扇形の領域である。そして、2つの第2検知対象領域203aのそれぞれの一部は互いに重なっていてもよい。2つの第2検知部203のそれぞれは、その第2検知対象領域203aにおける物体の有無を検知し、その検知結果を示す第2検知情報を第2制御部204に出力する。第2制御部204は、それらの第2検知情報に基づいて、人などの物体に第2作業装置200が接触しないように、第2走行部202を制御する。例えば、第2制御部204は、物体が存在することを第2検知情報が示している場合、第2走行部202を制御することによって、第2作業装置200の走行速度を落としたり、第2作業装置200の走行を停止させたりする。さらに、第2制御部204は、それらの第2検知情報に基づいて、生産施設における第2作業装置200の位置を確認しながら、第2走行部202を制御する。この制御によって、第2制御部204は、例えば第1作業装置100と協調作業を行うための第2協調作業位置に向かって第2作業装置200を走行させる。
【0063】
図5は、第1作業装置100に死角が生じることを説明するための図である。
【0064】
第1作業装置100および第2作業装置200は、協調作業を行うために、それぞれに対して定められている協調作業位置まで走行して、その協調作業位置で停止する。つまり、第1作業装置100は、上述の第1協調作業位置まで走行し、そこで停止し、第2作業装置200は、上述の第2協調作業位置まで走行し、そこで停止する。例えば、
図5に示すように、第1作業装置100および第2作業装置200は、Y軸方向に沿って互いに隣り合う状態で停止する。
【0065】
そして、第1作業装置100の第1制御部104と、第2作業装置200の第2制御部204とのそれぞれは、モードを移動モードから協調モードに切り換える。具体的には、第1制御部104は、第1作業装置100が第2作業装置200と協調作業を行うため、2つの第1検知部103のうち、第2作業装置200に近い第1検知部103の第1検知対象領域103aを制限する。つまり、第1制御部104は、第2作業装置200が物体として存在することを検知した第1検知部103の第1検知対象領域103aを制限する。具体的には、第1制御部104は、その第1検知対象領域103aの中心角を、略270°から略180°に制限することによって、その第2作業装置200が存在する領域を第1検知対象領域103aから除く。なお、第1検知対象領域103aの制限は、第1検知部103の処理として行われてもよく、第1制御部104の内部処理として行われてもよい。例えば、第1検知部103が、第1制御部104による制御に応じて、LiDARに用いられるレーザの照射範囲を制限することによって、その第1検知対象領域103aを制限してもよい。あるいは、第1制御部104が、第1検知部103によって検知される予め定められた領域の検知結果を取得し、その領域の全体または一部である第1検知対象領域103aを内部的に制限してもよい。
【0066】
このように、本実施の形態では、第1作業装置100の走行が第1走行部102によって停止されて協調作業が行われるときには、第1制御部104は、第1作業装置100から見て第2作業装置200側にある範囲が第1検知対象領域103aから除かれるように、その第1検知対象領域103aを制限する。
【0067】
その結果、第2作業装置200と、その第2作業装置200の作業台201に載置されるカセット11となどが、障害物として第1検知部103によって検知されることを抑制することができる。したがって、第1作業装置100は、第2作業装置200と適切に協調作業を行うことができる。しかし、その第1検知対象領域103aの制限によって、第2作業装置200の周辺には、第1検知部103では検知することができない領域、すなわち、第1検知部103の死角とされる領域が生じる。例えば、第2作業装置200から見てY軸方向の負側にある領域20は、第1作業装置100の2つの第1検知部103によって物体の有無を検知することができない死角となってしまう。
【0068】
本実施の形態における作業システム1では、このような死角の発生が抑制されるように、第1作業装置100と第2作業装置200とが通信ケーブル300を介して接続される。
【0069】
図6は、第1作業装置100による通信ケーブル300の接続処理を説明するための図である。
【0070】
第1作業装置100の第1制御部104は、可動部101を制御することによって、通信ケーブル300の2つのコネクタ301のうち、第1接続部105に接続されていないコネクタ301を、その可動部101に把持させる。そして、第1制御部104は、可動部101を制御することによって、その可動部101によって把持されているコネクタ301を、第2作業装置200の第2接続部205に接続させる。
【0071】
第2作業装置200は、コネクタ301が第2接続部205に接続されると、2つの第2検知部203のうちの少なくとも一方の検知結果を示す第2検知情報を第1作業装置100に送信する。
【0072】
このように、本実施の形態では、第1作業装置100は、協調作業が行われる前に、通信ケーブル300を第1作業装置100と第2作業装置200との間に接続する。これにより、通信ケーブル300の接続が第1作業装置100によって自動的に行われるため、作業システム1のユーザの負担を低減することができる。つまり、生産施設における無人化の促進を図ることができる。具体的には、第1作業装置100は、通信ケーブル300を備え、第1制御部104は、その通信ケーブル300の一端を可動部101に把持させて第2作業装置200に接続させる。これにより、可動部101は、協調作業に用いられるだけでなく、通信ケーブル300の接続にも用いられるため、可動部101を有効に利用することができ、通信ケーブル300の接続のための新たな機構の設置を省くことができる。
【0073】
図7は、協調作業が行われるときの第1作業装置100および第2作業装置200のそれぞれの検知対象領域の一例を示す図である。
【0074】
第2作業装置200が有する2つの第2検知部203のうちの一方の第2検知対象領域203aは、
図7に示すように、
図5の領域20を覆う。そして、その一方の第2検知部203によって得られる第2検知情報は、通信ケーブル300を介して第2作業装置200から第1作業装置100に送信される。つまり、第2作業装置200の第2制御部204は、協調モードでは、第2接続部205に通信ケーブル300のコネクタ301が接続されると、第2検知部203から第2検知情報を取得し、第2接続部205および通信ケーブル300を介してその第2検知情報を第1作業装置100に送信する。
【0075】
その結果、第1作業装置100の第1制御部104は、第2作業装置200から通信ケーブル300および第1接続部105を介してその第2検知情報を取得することができる。そして、第1制御部104は、その第2検知情報に基づいて、
図5に示す領域20を含む第2検知対象領域203aにおいて物体が存在するか否かを把握することができる。したがって、第1制御部104では上述の死角の発生を抑制することができる。
【0076】
このように、本実施の形態では、第1制御部104は、第2作業装置200に取り付けられている第2検知部203から、第2作業装置200の周辺における物体の有無を示す第2検知情報を取得する。そして、第1制御部104は、第1検知情報および第2検知情報に基づいて可動部101を制御する。
【0077】
したがって、第2作業装置200に取り付けられている第2検知部203の第2検知対象領域203aが死角をカバーすることができる。第1制御部104は、このような死角をカバー可能な第2検知部203の第2検知対象領域203aにおける物体の有無を示す第2検知情報を取得するため、第1作業装置100の死角の発生を抑制することができる。その結果、第1制御部104は、第1作業装置100の周辺だけでなく、第2作業装置200の周辺においても死角の発生を抑制して広い範囲で物体の有無を把握しながら、可動部101を制御することができる。これにより、可動部101が人などの物体に接触するような接触リスクを低減することができる。
【0078】
また、本実施の形態では、第2検知部203は、第2作業装置200から見て第1作業装置100と反対側にある領域における物体の有無を検知し、検知結果を示す第2検知情報を出力する。これにより、第2作業装置200の周辺のうちでも、第1検知部103の制限された第1検知対象領域103aでカバーすることが困難な領域20を、第2検知部203の第2検知対象領域203aに適切に含めることができる。その結果、第1制御部104は、第1作業装置100の周辺だけでなく、第2作業装置200の周辺においても死角の発生を適切に抑制して広い範囲で物体の有無を把握しながら、可動部101を制御することができる。
【0079】
また、本実施の形態では、第1制御部104は、第2検知情報を取得するときには、第1作業装置100と第2作業装置200とを接続する通信ケーブル300を介して、第2検知部203から第2検知情報を取得する。これにより、第2検知情報は、通信ケーブル300を介して第2検知部203から第1制御部104に送信される。つまり、第2検知情報は有線で送信される。したがって、第2検知情報が無線で送信される場合と比べて、送信の遅延が生じたり、送信ができなかったりする事象の発生を抑制することができる。その結果、人への接触リスクをより適切に低減することができ、安全性をさらに高めることができる。
【0080】
また、本実施の形態では、
図7に示すように、第1作業装置100と第2作業装置200とを上方から見た状態において、可動部101は、第1作業装置100と第2作業装置200との間の空間を介して第1作業装置100から第2作業装置200に、通信ケーブル300の一端を移動させて第2作業装置200に接続する。
【0081】
これにより、上方から見た状態において、第1作業装置100と、第2作業装置200と、それらの間の空間とを囲う領域から、通信ケーブル300の一端が外に出る可能性を抑えて、通信ケーブル300を接続することができる。したがって、可動部101がその領域から外に出る可能性も抑えることができる。その結果、例えば、人がその領域に近づいても、可動部101がその人に干渉することを抑制することができる。つまり、通信ケーブル300が接続される前であっても、人への接触リスクを低減することができる。また、第2接続部205は、上述の第1作業装置100と、第2作業装置200と、それらの間の空間とを囲う領域の中央付近にあってもよい。つまり、第2接続部205は、第2作業装置200の第1作業装置100側にあって、かつ、その第1作業装置100と第2作業装置200との配列方向に対して垂直な方向において第2作業装置200の中央付近に配置されていてもよい。この場合には、上述の第1作業装置100と、第2作業装置200と、それらの間の空間とを囲う領域から、通信ケーブル300の一端、可動部101などが外に出る可能性をさらに抑えて、通信ケーブル300を接続することができる。したがって、安全性をさらに高めることができる。
【0082】
また、本実施の形態では、第1作業装置100の第1制御部104は、物体が有ることを第2検知情報が示す場合には、可動部101の動きを減速させる、または、可動部101の動作を停止させる。これにより、例えば、上述の死角とされる領域20に人が進入して、その人が物体として第2検知部203に検知された場合には、第2検知情報は物体が有ることを示し、可動部101の動きが減速するか、停止する。その結果、可動部101とその人との接触リスクを効果的に低減することができ、可動部101が人に接触しても、その人へのダメージを抑えることができる。
【0083】
図8Aは、本実施の形態における第1作業装置100の処理動作を示すフローチャートである。
【0084】
まず、第1作業装置100は、第1検知情報を取得しながら、その第1検知情報に基づいて周囲の物体を把握しながら走行する(ステップS11)。つまり、第1作業装置100の第1制御部104は、移動モードで制御を行う。具体的には、第1制御部104は、第1検知部103から第1検知情報を逐次取得し、その第1検知情報が物体の存在を示しているか否かを確認しながら、さらに、第1作業装置100の現在の位置を確認しながら第1走行部102を制御する。
【0085】
そして、第1制御部104は、その第1検知情報に基づいて第1作業装置100が第1協調作業位置に到着したか否かを判定する(ステップS12)。この第1協調作業位置は、第1作業装置100が第2作業装置200と協調作業を行うための位置である。ここで、第1制御部104は、第1協調作業位置に到着していないと判定する(ステップS12のNo)、ステップS11からの処理を繰り返し実行する。
【0086】
一方、第1制御部104は、第1協調作業位置に到着したと判定すると(ステップS12のYes)、モードを移動モードから協調モードに切り換える。そして、第1制御部104は、2つの第1検知部103のそれぞれの第1検知対象領域103aのうち、第2作業装置200が検知された第1検知対象領域103aを制限する(ステップS13)。つまり、第1制御部104は、その第1検知対象領域103aから第2作業装置200が存在する領域が除かれるように、その第1検知対象領域103aの中心角を狭めることによって、その第1検知対象領域103aを制限する。
【0087】
次に、第1制御部104は、可動部101を制御することによって、通信ケーブル300のコネクタ301を第2作業装置200の第2接続部205に接続する(ステップS14)。
【0088】
次に、第1制御部104は、2つの第1検知部103のそれぞれから第1検知情報を取得し、第2作業装置200から通信ケーブル300を介して第2検知部203の第2検知情報を取得する(ステップS15)。
【0089】
そして、第1制御部104は、その第1検知情報および第2検知情報に基づいて可動部101を制御する(ステップS16)。これにより、第1作業装置100は、第2作業装置200と協調作業を行う。
【0090】
次に、第1制御部104は、協調作業が終了したか否かを判定する(ステップS17)。例えば、第1制御部104は、指定された1以上のカセット11が部品実装装置10の部品供給部11aから取り外されて第2作業装置200の作業台201に載置された場合に、協調作業が終了したと判定する。あるいは、第1制御部104は、第2作業装置200の作業台201に載置されている全てのカセット11が部品実装装置10の部品供給部11aに取り付けられた場合に、協調作業が終了したと判定する。
【0091】
ここで、第1制御部104は、協調作業が終了していないと判定すると(ステップS17のNo)、ステップS15からの処理を繰り返し実行する。一方、第1制御部104は、協調作業が終了したと判定すると(ステップS17のYes)、可動部101を制御することによって、通信ケーブル300のコネクタ301を第2作業装置200の第2接続部205から取り外す(ステップS18)。
【0092】
つまり、本実施の形態では、第1作業装置100は、協調作業が行われた後に、第1作業装置100と第2作業装置200との間に接続されている通信ケーブル300を外す。これにより、通信ケーブル300の接続と同様、通信ケーブル300の取り外しが第1作業装置100によって自動的に行われるため、作業システム1のユーザの負担を低減することができる。つまり、生産施設における無人化の促進を図ることができる。具体的には、第1制御部104は、通信ケーブル300の一端を可動部101に把持させて第2作業装置200から外させる。これにより、可動部101は、協調作業に用いられるだけでなく、通信ケーブル300の取り外しにも用いられるため、可動部101を有効に利用することができ、通信ケーブル300の取り外しのための新たな機構の設置を省くことができる。
。
【0093】
次に、第1制御部104は、モードを協調モードから移動モードに切り換えることによって、ステップS13で行われた第1検知対象領域103aの制限を解除する(ステップS19)。例えば、第1制御部104は、扇形の第1検知対象領域103aの中心角を略180°から略270°に広げる。
【0094】
そして、第1制御部104は、第1作業装置100による作業が全て終了したか否かを判定する(ステップS20)。ここで、第1制御部104は、作業が全て終了していないと判定すると(ステップS20のNo)、ステップS11からの処理を繰り返し実行する。一方、第1制御部104は、作業が全て終了したと判定すると(ステップS20のYes)、全ての処理を終了する。
【0095】
図8Bは、本実施の形態における第2作業装置200の処理動作を示すフローチャートである。
【0096】
まず、第2作業装置200は、第2検知情報を取得しながら、その第2検知情報に基づいて周囲の物体を把握しながら走行する(ステップS31)。つまり、第2作業装置200の第2制御部204は、移動モードで制御を行う。具体的には、第2制御部204は、第2検知部203から第2検知情報を逐次取得し、その第2検知情報が物体の存在を示しているか否かを確認しながら、さらに、第2作業装置200の現在の位置を確認しながら第2走行部202を制御する。
【0097】
そして、第2制御部204は、その第2検知情報に基づいて第2作業装置200が第2協調作業位置に到着したか否かを判定する(ステップS32)。この第2協調作業位置は、第2作業装置200が第1作業装置100と協調作業を行うための位置である。ここで、第2制御部204は、第2協調作業位置に到着していないと判定すると(ステップS32のNo)、ステップS31からの処理を繰り返し実行する。
【0098】
一方、第2制御部204は、第2協調作業位置に到着したと判定すると(ステップS32のYes)、モードを移動モードから協調モードに切り換える。そして、第2制御部204は、第1作業装置100によって通信ケーブル300のコネクタ301が第2作業装置200の第2接続部205に接続されたか否かを判定する(ステップS33)。ここで、第2制御部204は、通信ケーブル300のコネクタ301が接続されていないと判定すると(ステップS33のNo)、ステップS33の処理を再び実行する。つまり、第2制御部204は、通信ケーブル300のコネクタ301が接続されるまで待機する。
【0099】
一方、第2制御部204は、通信ケーブル300のコネクタ301が接続されたと判定すると(ステップS33のYes)、第2検知部203から第2検知情報を取得し、その第2検知情報を、通信ケーブル300を介して第1作業装置100に送信する(ステップS34)。そして、第2制御部204は、第1作業装置100によるカセット11を扱う作業が終了するまで、第2作業装置200が第2協調作業位置で待機するように第2走行部202を制御する。これにより、第2作業装置200は、第1作業装置100と協調作業を行う(ステップS35)。
【0100】
次に、第2制御部204は、通信ケーブル300のコネクタ301が第2接続部205から取り外されたか否かを判定する(ステップS36)。ここで、第2制御部204は、通信ケーブル300のコネクタ301が取り外されていないと判定すると(ステップS36のNo)、ステップS34からの処理を繰り返し実行する。一方、第2制御部204は、通信ケーブル300のコネクタ301が取り外されたと判定すると(ステップS36のYes)、さらに、第2作業装置200の作業が全て終了したか否かを判定すると(ステップS37)。
【0101】
ここで、第2制御部204は、作業が全て終了していないと判定すると(ステップS37のNo)、モードを協調モードから移動モードに切り換えてステップS31からの処理を繰り返し実行する。一方、第2制御部204は、作業が全て終了したと判定すると(ステップS37のYes)、全ての処理を終了する。
【0102】
以上のように、本実施の形態における作業システム1では、第1作業装置100と第2作業装置200とが協調作業を行うときには、第1制御部104が第2検知情報を取得するため、第1作業装置100の死角の発生を抑制することができる。したがって、第1制御部104は、第1作業装置100の周辺だけでなく、第2作業装置200の周辺においても死角の発生を抑制して広い範囲で物体の有無を把握しながら、可動部101を制御することができる。これにより、可動部101が人などの物体に接触するような接触リスクを低減することができる。
【0103】
(変形例)
上記実施の形態における第2作業装置200は、第2検知部203を備えている。しかし、第2作業装置200は、第2検知部203を備えていなくてもよい。
【0104】
図9は、本変形例における協調作業が行われるときの第1作業装置100の検知対象領域の一例を示す図である。
【0105】
本変形例における第2作業装置200は、第2検知部203を備えていない。その代わりに、第1作業装置100が、可搬性を有する第2検知部203を備えている。つまり、第1作業装置100の第1制御部104は、協調作業が行われるときには、可動部101を制御することによって、第1作業装置100に可搬性を有するように据え付けられている第2検知部203をその可動部101に把持させる。そして、第1制御部104は、可動部101を制御することによって、その第2検知部203を、第2作業装置200の作業台201における上面210の角に取り付けさせる。例えば、第1制御部104は、上面210の4つの角のうち、第1作業装置100の2つの第1検知部103から最も離れている角に、その第2検知部203を配置させる。ここで、第2検知部203には通信ケーブル300の一端が接続され、通信ケーブル300の他端にあるコネクタ301は、第1作業装置100の第1接続部105に接続されている。
【0106】
このように配置されて取り付けられた第2検知部203は、上記実施の形態と同様、第2作業装置200の周辺の第2検知対象領域203aにおける物体の有無を検知する。そして、第2検知部203は、検知結果を示す第2検知情報を、通信ケーブル300を介して第1作業装置100の第1制御部104に送信する。第2検知対象領域203aは、第2作業装置200の領域を除き、かつ、
図5の領域20を覆うように、中心角が略270°に設定された扇形の領域である。
【0107】
これにより、第1制御部104は、第2作業装置200に第2検知部203が備えらえていなくても、第2検知部203を第2作業装置200に取り付けることによって、その第2検知部203から第2検知情報を取得することができる。
【0108】
このように、本変形例における第1作業装置100は、第2検知部203を備える。そして、第1作業装置100の第1制御部104は、協調作業が行われる前に、第2検知部203を可動部101に把持させて第2作業装置200に取り付けさせる。これにより、第2作業装置200が第2検知部203を備えていなくても、第1作業装置100に備えられている第2検知部203が、第2作業装置200に取り付けられて利用される。したがって、第2作業装置200の構成を簡略化することができ、第2作業装置200として利用可能な装置の条件を緩和することができる。また、第2作業装置200が第2検知部203を備えていても、第1制御部104が、その第2検知部203の第2検知情報を、通信ケーブル300を介して取得することができないケースが想定される。例えば、第1作業装置100および第2作業装置200のそれぞれのメーカが異なっている場合に、そのようなケースが生じる可能性がある。しかし、このようなケースであっても、本変形例では、第1作業装置100が、第1接続部105に予め接続されている第2検知部203を、第2作業装置200に取り付けるため、第1制御部104は第2検知情報を適切に取得することができる。
【0109】
(その他の変形例)
以上、一つまたは複数の態様に係る作業システム1について、実施の形態およびその変形例に基づいて説明したが、本開示は、この実施の形態およびその変形例に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を上記実施の形態およびその変形例に施したものや、実施の形態およびその変形例における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本開示に含まれてもよい。
【0110】
例えば、上記実施の形態およびその変形例では、第2検知情報は、通信ケーブル300を介して、すなわち有線で第1作業装置100に送信されるが、無線で第2作業装置200に送信されてもよい。つまり、第1作業装置100の第1接続部105と、第2作業装置200の第2接続部205とは、それぞれ無線の通信インターフェースであってもよい。協調作業が行われるときには、第2作業装置200の第2制御部204は、第2検知部203によって得られた第2検知情報を、第2接続部205から第1作業装置100に無線で送信させる。第1作業装置100の第1接続部105は、その無線で送信された第2検知情報を受信し、その第2検知情報を第1制御部104に出力する。無線の方式は、例えば、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)、特定小電力無線、赤外線通信などであってもよく、これら以外の方式であってもよい。また、上記変形例における可搬性を有する第2検知部203が、無線の通信インターフェースを備えていてもよい。この場合には、第2検知部203は、第2制御部204および第2接続部205を介することなく、第1作業装置100に第2検知情報を直接送信することができる。
【0111】
また、上記実施の形態では、第1作業装置100が、通信ケーブル300のコネクタ301を、第2作業装置200の第2接続部205に接続するが、逆に、第2作業装置200が通信ケーブル300のコネクタ301を接続してもよい。この場合、第2作業装置200は、可動部101と同様の動作を行う可動部を備える。そして、協調作業が行われるときには、第2作業装置200の可動部が、通信ケーブル300の何れにも接続されていないコネクタ301を把持して、そのコネクタ301を第2作業装置200の第2接続部205に接続する。さらに、その第2作業装置200の可動部が、通信ケーブル300のコネクタ301を第2接続部205から外してもよい。
【0112】
あるいは、上記実施の形態では、通信ケーブル300は、第1作業装置100に付属する部材であるが、第2作業装置200に付属する部材であってもよい。通信ケーブル300の2つのコネクタ301のうちの一方は、第2作業装置200の第2接続部205に接続され、他方は、協調作業が行われるとき以外は、何れにも接続されていない。そして、協調作業が行われるときには、第2作業装置200の可動部が、通信ケーブル300の何れにも接続されていないコネクタ301を把持して、そのコネクタ301を第1作業装置100の第1接続部105に接続する。さらに、その第2作業装置200の可動部が、通信ケーブル300のコネクタ301を第1作業装置100の第1接続部105から外してもよい。
【0113】
つまり、第1作業装置100および第2作業装置200の何れか一方の装置が、協調作業が行われる前に、通信ケーブル300を第1作業装置100と第2作業装置200との間に接続してもよい。さらに、第1作業装置100および第2作業装置200の何れか一方の装置が、協調作業が行われた後に、第1作業装置100と第2作業装置200との間に接続されている通信ケーブル300を外してもよい。
【0114】
また、上記実施の形態の変形例では、第1作業装置100の可動部101が、第2検知部203を把持して第2作業装置200に取り付けるが、逆に、第2作業装置200が取り付けてもよい。この場合、第2作業装置200は、可動部101と同様の動作を行う可動部を備える。そして、第2作業装置200の可動部は、第1作業装置100にある第2検知部203を把持して第2作業装置200の例えば作業台201に取り付ける。
【0115】
また、上記実施の形態では、
図7に示すように、第2作業装置200の2つの第2検知部203のうちの1つによって得られた第2検知情報が、第1作業装置100に送信される。しかし、2つの第2検知部203のそれぞれによって得られた第2検知情報が、第1作業装置100に送信されてもよい。これにより、第1作業装置100の第1制御部104は、2つの第2検知部203のそれぞれの第2検知対象領域203aに人などの物体が存在するか否かを把握することができる。
【0116】
また、上記実施の形態では、可動部101が通信ケーブル300のコネクタ301を、第2作業装置200の第2接続部205に接続する。このとき、第1制御部104は、例えばカメラによる撮像によって得られた第2接続部205の画像から、その第2接続部205の位置を確認しながら、そのコネクタ301の第2接続部205への接続を可動部101に実行させてもよい。そのカメラは、第1作業装置100に備えられていてもよく、可動部101に備え付けられていてもよい。また、コネクタ301を第2接続部205から取り外すときにも、そのカメラの画像が用いられてもよい。つまり、第1制御部104は、そのカメラの画像から、その第2接続部205に接続されているコネクタ301の位置を確認しながら、そのコネクタ301の第2接続部205からの取り外しを可動部101に実行させてもよい。
【0117】
同様に、上記実施の形態の変形例では、可動部101が第2検知部203を、第2作業装置200に取り付ける。このとき、第1制御部104は、例えばカメラによる撮像によって得られた第2作業装置200の画像から、その第2作業装置200の各部位の位置を確認しながら、その第2検知部203の第2作業装置200への取り付けを可動部101に実行させてもよい。また、第2検知部203を第2作業装置200から取り外すときにも、そのカメラの画像が用いられてもよい。つまり、第1制御部104は、そのカメラの画像から、その第2作業装置200に取り付けられている第2検知部203の位置を確認しながら、その第2検知部203の第2作業装置200からの取り外しを可動部101に実行させてもよい。
【0118】
また、上記実施の形態およびその変形例では、第1作業装置100の第1制御部104および第2作業装置200の第2制御部204は、モードを移動モードと協調モードとに切り換える。このときに、第1作業装置100の第1制御部104および第2作業装置200の第2制御部204は、第1検知部103または第2検知部203の扇形の検知対象領域の半径を変更してもよい。例えば、移動モードでは、協調モードよりもその半径が大きく変更され、逆に、協調モードでは、移動モードよりもその半径が小さく変更されてもよい。
【0119】
また、上記実施の形態およびその変形例では、2つの第1検知部103は、第1作業装置100の本体111の上面110における対角方向に沿う2つの角に配置されているが、他の部位に配置されていてもよい。また、2つの第1検知部103は、上面110よりも低い位置に配置されていてもよい。さらに、上記実施の形態では、2つの第2検知部203は、第2作業装置200の作業台201の上面210における一辺に沿う2つの角に配置されているが、他の部位に配置されていてもよい。また、2つの第2検知部203は、上面210よりも低い位置に配置されていてもよい。
【0120】
また、上記実施の形態では、第1接続部105が第1作業装置100の本体111の上面110に配設されているが、その第1接続部105は、協調作業が行われるときに第2作業装置200と対向する本体111の側面に配設されていてもよい。同様に、上記実施の形態では、第2接続部205が第2作業装置200の作業台201の上面210に配設されているが、その第2接続部205は、協調作業が行われるときに第1作業装置100と対向する作業台201の側面に配設されていてもよい。
【0121】
なお、上記実施の形態およびその変形例において、各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。ここで、上記実施の形態の第1作業装置100などを実現するソフトウェアは、例えば
図8Aに示すフローチャートの各ステップをコンピュータに実行させ、上記実施の形態の第2作業装置200などを実現するソフトウェアは、例えば
図8Bに示すフローチャートの各ステップをコンピュータに実行させる。
【0122】
なお、以下のような場合も本開示に含まれる。
【0123】
(1)上記の少なくとも1つの装置は、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスクユニット、ディスプレイユニット、キーボード、マウスなどから構成されるコンピュータシステムである。そのRAMまたはハードディスクユニットには、コンピュータプログラムが記憶されている。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、上記の少なくとも1つの装置は、その機能を達成する。ここでコンピュータプログラムは、所定の機能を達成するために、コンピュータに対する指令を示す命令コードが複数個組み合わされて構成されたものである。
【0124】
(2)上記の少なくとも1つの装置を構成する構成要素の一部または全部は、1個のシステムLSI(Large Scale Integration:大規模集積回路)から構成されているとしてもよい。システムLSIは、複数の構成部を1個のチップ上に集積して製造された超多機能LSIであり、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどを含んで構成されるコンピュータシステムである。前記RAMには、コンピュータプログラムが記憶されている。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、システムLSIは、その機能を達成する。
【0125】
(3)上記の少なくとも1つの装置を構成する構成要素の一部または全部は、その装置に脱着可能なICカードまたは単体のモジュールから構成されているとしてもよい。ICカードまたはモジュールは、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどから構成されるコンピュータシステムである。ICカードまたはモジュールは、上記の超多機能LSIを含むとしてもよい。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、ICカードまたはモジュールは、その機能を達成する。このICカードまたはこのモジュールは、耐タンパ性を有するとしてもよい。
【0126】
(4)本開示は、上記に示す方法であるとしてもよい。また、これらの方法をコンピュータにより実現するコンピュータプログラムであるとしてもよいし、コンピュータプログラムからなるデジタル信号であるとしてもよい。
【0127】
また、本開示は、コンピュータプログラムまたはデジタル信号をコンピュータ読み取り可能な記録媒体、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD(Compact Disc)-ROM、DVD、DVD-ROM、DVD-RAM、BD(Blu-ray(登録商標) Disc)、半導体メモリなどに記録したものとしてもよい。また、これらの記録媒体に記録されているデジタル信号であるとしてもよい。
【0128】
また、本開示は、コンピュータプログラムまたはデジタル信号を、電気通信回線、無線または有線通信回線、インターネットを代表とするネットワーク、データ放送等を経由して伝送するものとしてもよい。
【0129】
また、プログラムまたはデジタル信号を記録媒体に記録して移送することにより、またはプログラムまたはデジタル信号をネットワーク等を経由して移送することにより、独立した他のコンピュータシステムにより実施するとしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0130】
本開示は、例えば生産施設で作業を行う複数の作業装置を備えた作業システムに利用可能である。
【符号の説明】
【0131】
1 作業システム
10 部品実装装置
11 カセット
11a 部品供給部
100 第1作業装置
101 可動部(ロボットアーム)
102 第1走行部
103 第1検知部
103a 第1検知対象領域
104 第1制御部
105 第1接続部
110 上面
111 本体
200 第2作業装置
201 作業台
202 第2走行部
203 第2検知部
203a 第2検知対象領域
204 第2制御部
205 第2接続部
210 上面
300 通信ケーブル
301 コネクタ
P 部品
B 基板