(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023104691
(43)【公開日】2023-07-28
(54)【発明の名称】五塩化モリブデン触媒系を用いる置換ポリ(ジフェニルアセチレン)類の製造方法
(51)【国際特許分類】
C08F 38/00 20060101AFI20230721BHJP
C08F 4/78 20060101ALI20230721BHJP
【FI】
C08F38/00
C08F4/78
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022005834
(22)【出願日】2022-01-18
(71)【出願人】
【識別番号】504160781
【氏名又は名称】国立大学法人金沢大学
(74)【代理人】
【識別番号】100080791
【弁理士】
【氏名又は名称】高島 一
(74)【代理人】
【識別番号】100136629
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 光宜
(74)【代理人】
【識別番号】100125070
【弁理士】
【氏名又は名称】土井 京子
(74)【代理人】
【識別番号】100121212
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 弥栄子
(74)【代理人】
【識別番号】100174296
【弁理士】
【氏名又は名称】當麻 博文
(74)【代理人】
【識別番号】100137729
【弁理士】
【氏名又は名称】赤井 厚子
(74)【代理人】
【識別番号】100151301
【弁理士】
【氏名又は名称】戸崎 富哉
(72)【発明者】
【氏名】前田 勝浩
(72)【発明者】
【氏名】谷口 剛史
(72)【発明者】
【氏名】西村 達也
(72)【発明者】
【氏名】宮入 真美
【テーマコード(参考)】
4J015
4J100
【Fターム(参考)】
4J015DA22
4J015DA24
4J100AT05P
4J100BA20P
4J100BA72P
4J100BB03P
4J100BB18P
4J100BC43P
4J100CA01
4J100CA27
4J100DA01
4J100DA04
4J100FA08
4J100FA19
4J100GA19
4J100GC07
4J100GC16
4J100GC26
4J100GC35
4J100JA32
4J100JA43
(57)【要約】 (修正有)
【課題】緩和な条件下、多様な官能基を有するジフェニルアセチレン類の重合反応を行うことが可能な、線状の置換ポリ(ジフェニルアセチレン)の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明は、五塩化モリブデン、及びアリール化剤として機能する助触媒の存在下、式(I):
で表される化合物を重合させる工程を含む、式(II):
で表される繰り返し単位を有する、線状の置換ポリ(ジフェニル)アセチレンの製造方法に関する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
五塩化モリブデン、及びアリール化剤として機能する助触媒の存在下、式(I):
【化1】
[式中、
n個のR
1は、それぞれ独立して、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルコキシ基、置換されていてもよいアルキルスルファニル基、置換されていてもよいアシル基、置換されていてもよいアシルオキシ基、置換されていてもよいアルキルスルホニルオキシ基、置換されていてもよいアリールスルホニルオキシ基、置換されていてもよいアルコキシ-カルボニル基、置換されていてもよいアリールオキシ-カルボニル基、置換されていてもよいカルバモイル基、トリ置換シリル基、又は置換アミノ基を示し、
m個のR
2は、それぞれ独立して、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルコキシ基、置換されていてもよいアルキルスルファニル基、置換されていてもよいアシル基、置換されていてもよいアシルオキシ基、置換されていてもよいアルキルスルホニルオキシ基、置換されていてもよいアリールスルホニルオキシ基、置換されていてもよいアルコキシ-カルボニル基、置換されていてもよいアリールオキシ-カルボニル基、置換されていてもよいカルバモイル基、トリ置換シリル基、又は置換アミノ基を示し、
nは、0~3の整数を示し、及び
mは、0~3の整数を示す。]
で表される化合物を重合させる工程を含む、式(II):
【化2】
[式中の各記号は、前記と同義を示す。]
で表される繰り返し単位を有する、線状の置換ポリ(ジフェニルアセチレン)の製造方法。
【請求項2】
アリール化剤として機能する助触媒が、置換されていてもよいテトラアリールスズ、置換されていてもよいアリール(トリn-ブチル)スズ、及び置換されていてもよいヘテロアリール(トリn-ブチル)スズからなる群より選択される、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
重合させる工程が、室温下で行われる、請求項1又は2に記載の製造方法。
【請求項4】
式(II):
【化3】
[式中、
n個のR
1は、それぞれ独立して、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルコキシ基、置換されていてもよいアルキルスルファニル基、置換されていてもよいアシル基、置換されていてもよいアシルオキシ基、置換されていてもよいアルキルスルホニルオキシ基、置換されていてもよいアリールスルホニルオキシ基、置換されていてもよいアルコキシ-カルボニル基、置換されていてもよいアリールオキシ-カルボニル基、置換されていてもよいカルバモイル基、トリ置換シリル基、又は置換アミノ基を示し;
m個のR
2は、それぞれ独立して、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルコキシ基、置換されていてもよいアルキルスルファニル基、置換されていてもよいアシル基、置換されていてもよいアシルオキシ基、置換されていてもよいアルキルスルホニルオキシ基、置換されていてもよいアリールスルホニルオキシ基、置換されていてもよいアルコキシ-カルボニル基、置換されていてもよいアリールオキシ-カルボニル基、置換されていてもよいカルバモイル基、トリ置換シリル基、又は置換アミノ基を示し;
nは、0~3の整数を示し;及び
mは、0~3の整数を示す。]
で表される繰り返し単位を有し、且つ数平均分子量が、30,000以上であることを特徴とする、線状の置換ポリ(ジフェニルアセチレン)。
【請求項5】
一方の末端基が、置換されていてもよいアリール基、又は置換されていてもよいヘテロアリール基であり、且つ他方の末端基が、水素原子である、請求項4に記載の置換ポリ(ジフェニルアセチレン)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、室温から高温まで幅広い温度範囲で重合反応を行うことができ、収率も良い、様々な官能基を有する線状の置換ポリ(ジフェニルアセチレン)類の新規製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
置換ポリアセチレン誘導体は、代表的な共役高分子の一つであり、剛直な主鎖に種々の側鎖を導入した構造を有することから、他の高分子材料には見られない特異的な性質を示し、実際に、気体分離膜や有機EL、液晶、有機ダイオード等の材料の開発に向けた研究が盛んに行われている。中でも、置換ポリ(ジフェニルアセチレン)類は、他の置換ポリアセチレン誘導体と比べて非常に高い熱安定性を持つだけでなく、強い発光特性を示すことから実用的な応用が期待されている高分子化合物である。
【0003】
置換ポリ(ジフェニルアセチレン)類は、対応するジフェニルアセチレン類を、遷移金属触媒を用いて連鎖重合することにより合成できるが、ジフェニルアセチレンに存在する二つのベンゼン環の立体障害に起因して、置換アセチレン類の一般的な重合法に比べてしばしば困難を伴う。これまで、ジフェニルアセチレン類の重合法として、五塩化タンタル(TaCl5)と有機スズ試薬を組み合わせた触媒系を用いる方法、又は六塩化タングステン(WCl6)と有機スズ試薬を組み合わせた触媒系を用いる方法が報告されているが、これらの重合法は、適用できるモノマー、すなわち、ジフェニルアセチレン類、の範囲が限られており、また、望みの分子量や官能基を持つポリ(ジフェニルアセチレン)類を収率良く得ることが困難であった(特許文献1~2、非特許文献1~3)。
【0004】
本発明者らは、WCl6の代わりに、オキシ四塩化タングステン(WOCl4)を触媒として用いることにより、アルコキシ-カルボニル基、ハロゲン原子、アルコキシ基等の種々の官能基を有するポリ(ジフェニルアセチレン)類が高収率で得られることを報告した(非特許文献4)。しかし、この方法を用いても得られるポリ(ジフェニルアセチレン)類の分子量は、約20000程度が上限であり、それよりも大きな分子量を有する官能基化されたポリ(ジフェニルアセチレン)類を得ることは困難であった。
【0005】
特許文献3には、五塩化モリブデン(MoCl5)を触媒として用いたフェニルアセチレン類の重合反応の実施例が記載されているが、ジフェニルアセチレン類の重合に関する実施例は皆無である。一般に、ジフェニルアセチレン類とフェニルアセチレン類とでは、重合反応におけるモノマーとしての反応性が劇的に異なることが知られており、実際、本発明者らは、後述するように、特許文献3に記載の重合方法では、ジフェニルアセチレン類の重合反応は全く進行しないことを確認している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平5-271338号公報
【特許文献2】特開平6-107737号公報
【特許文献3】特開平4-212205号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Handbook of Metathesis, Grubbs, R. H., Ed. Wiley-VCH: Weinheim, 2003; Vol. 3, pp 375-406
【非特許文献2】J. Polym. Sci., Part A: Polym. Chem. 2007, 45, 165-180
【非特許文献3】Polymer Reviews 2017, 57, 175-199
【非特許文献4】Angew. Chem. Int. Ed. 2020, 59, 14772-14780
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
このような背景のもと、所望の官能基を有する広範なモノマーに適用でき、且つ室温下でも重合反応を行うことが可能な、線状の置換ポリ(ジフェニルアセチレン)類の効果的な製造方法の開発が切望されている。
【0009】
本発明の課題は、緩和な重合反応条件下で、各種官能基を有し、且つ比較的高分子量範囲(3万から350万程度)において、分子量をある程度制御することが可能な、線状の置換ポリ(ジフェニルアセチレン)類の収率の良い製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、かかる状況下、鋭意検討を重ねた結果、五塩化モリブデン、及びアリール化剤として機能する助触媒の存在下、式(I):
【0011】
【0012】
[式中、
n個のR1は、それぞれ独立して、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルコキシ基、置換されていてもよいアルキルスルファニル基、置換されていてもよいアシル基、置換されていてもよいアシルオキシ基、置換されていてもよいアルキルスルホニルオキシ基、置換されていてもよいアリールスルホニルオキシ基、置換されていてもよいアルコキシ-カルボニル基、置換されていてもよいアリールオキシ-カルボニル基、置換されていてもよいカルバモイル基、トリ置換シリル基、又は置換アミノ基を示し、
m個のR2は、それぞれ独立して、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルコキシ基、置換されていてもよいアルキルスルファニル基、置換されていてもよいアシル基、置換されていてもよいアシルオキシ基、置換されていてもよいアルキルスルホニルオキシ基、置換されていてもよいアリールスルホニルオキシ基、置換されていてもよいアルコキシ-カルボニル基、置換されていてもよいアリールオキシ-カルボニル基、置換されていてもよいカルバモイル基、トリ置換シリル基、又は置換アミノ基を示し、
nは、0~3の整数を示し、及び
mは、0~3の整数を示す。]
で表される化合物(以下、「化合物(I)」と称することもある。)を重合させる工程を含む、式(II):
【0013】
【0014】
[式中の各記号は、前記と同義を示す。]
で表される繰り返し単位を有する、線状の置換ポリ(ジフェニルアセチレン)(以下、「化合物(II)」と称することもある。)の製造方法(以下、「本発明の製造方法」と称することもある。)により、緩和な反応条件下、速やかに重合反応が進行するとともに、比較的高い分子量領域(3万から350万程度)においても、分子量をある程度制御することができること、および当該製造方法により得られる置換ポリ(ジフェニルアセチレン)が線状構造を有し、末端基として助触媒由来の官能基を導入できることを初めて見出し、本発明を完成するに至った。
【0015】
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1]五塩化モリブデン、及びアリール化剤として機能する助触媒の存在下、式(I):
【0016】
【0017】
[式中、
n個のR1は、それぞれ独立して、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルコキシ基、置換されていてもよいアルキルスルファニル基、置換されていてもよいアシル基、置換されていてもよいアシルオキシ基、置換されていてもよいアルキルスルホニルオキシ基、置換されていてもよいアリールスルホニルオキシ基、置換されていてもよいアルコキシ-カルボニル基、置換されていてもよいアリールオキシ-カルボニル基、置換されていてもよいカルバモイル基、トリ置換シリル基、又は置換アミノ基を示し、
m個のR2は、それぞれ独立して、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルコキシ基、置換されていてもよいアルキルスルファニル基、置換されていてもよいアシル基、置換されていてもよいアシルオキシ基、置換されていてもよいアルキルスルホニルオキシ基、置換されていてもよいアリールスルホニルオキシ基、置換されていてもよいアルコキシ-カルボニル基、置換されていてもよいアリールオキシ-カルボニル基、置換されていてもよいカルバモイル基、トリ置換シリル基、又は置換アミノ基を示し、
nは、0~3の整数を示し、及び
mは、0~3の整数を示す。]
で表される化合物を重合させる工程を含む、式(II):
【0018】
【0019】
[式中の各記号は、前記と同義を示す。]
で表される繰り返し単位を有する、線状の置換ポリ(ジフェニルアセチレン)の製造方法。
[2]アリール化剤として機能する助触媒が、置換されていてもよいテトラアリールスズ、置換されていてもよいアリール(トリn-ブチル)スズ、及び置換されていてもよいヘテロアリール(トリn-ブチル)スズからなる群より選択される、前記[1]に記載の製造方法。
[3]重合させる工程が、室温下で行われる、前記[1]又は[2]に記載の製造方法。
[4]式(II):
【0020】
【0021】
[式中、
n個のR1は、それぞれ独立して、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルコキシ基、置換されていてもよいアルキルスルファニル基、置換されていてもよいアシル基、置換されていてもよいアシルオキシ基、置換されていてもよいアルキルスルホニルオキシ基、置換されていてもよいアリールスルホニルオキシ基、置換されていてもよいアルコキシ-カルボニル基、置換されていてもよいアリールオキシ-カルボニル基、置換されていてもよいカルバモイル基、トリ置換シリル基、又は置換アミノ基を示し;
m個のR2は、それぞれ独立して、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルコキシ基、置換されていてもよいアルキルスルファニル基、置換されていてもよいアシル基、置換されていてもよいアシルオキシ基、置換されていてもよいアルキルスルホニルオキシ基、置換されていてもよいアリールスルホニルオキシ基、置換されていてもよいアルコキシ-カルボニル基、置換されていてもよいアリールオキシ-カルボニル基、置換されていてもよいカルバモイル基、トリ置換シリル基、又は置換アミノ基を示し;
nは、0~3の整数を示し;及び
mは、0~3の整数を示す。]
で表される繰り返し単位を有し、且つ数平均分子量が、30,000以上であることを特徴とする、線状の置換ポリ(ジフェニルアセチレン)。
[5]一方の末端基が、置換されていてもよいアリール基、又は置換されていてもよいヘテロアリール基であり、他方の末端基が、水素原子である、前記[4]に記載の置換ポリ(ジフェニルアセチレン)。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、室温~110℃程度の緩和な反応条件下で、3万から350万程度までの比較的高い分子量領域において分子量を制御しつつ、速やかに収率良く種々の官能基を有する、線状の置換ポリ(ジフェニルアセチレン)類を製造することができる。また、本発明の製造方法によれば、所望の官能基を有するだけでなく、置換ポリ(ジフェニルアセチレン)類の重合開始末端に助触媒由来の官能基(具体的には、アリール基、ヘテロアリール基等)を導入することができ、且つ高分子量の置換ポリ(ジフェニルアセチレン)類を、分子量をある程度制御して得ることもできることから、各種機能性高分子材料の原料合成法としても極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】
図1のA~Cは、高配向性熱分解グラファイト基板上に塗布した化合物(II-1)を、アサイラム・リサーチ社製の原子間力顕微鏡(AFM)(Cypher(登録商標))又は日立ハイテクノロジーズ社製のAFM5000II SPA-400を用いて測定した画像及び部分拡大画像を示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本明細書中に用いられる用語及び各記号の定義について、以下に説明する。
【0025】
本明細書中、「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を意味する。
【0026】
本明細書中、「アルキル(基)」とは、直鎖状又は分岐鎖状の炭素原子数1以上のアルキル基を意味し、特に炭素数範囲の限定がない場合には、好ましくは、C1-20アルキル基であり、中でも、C1-6アルキル基がより好ましい。
【0027】
本明細書中、「C1-20アルキル(基)」とは、直鎖又は分岐鎖の炭素原子数1~20のアルキル基を意味し、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、1-エチルプロピル、ヘキシル、イソヘキシル、1,1-ジメチルブチル、2,2-ジメチルブチル、3,3-ジメチルブチル、2-エチルブチル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、エイコシル等が挙げられる。
【0028】
本明細書中、「C1-6アルキル(基)」とは、直鎖又は分岐鎖の炭素原子数1~6のアルキル基を意味し、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、1-エチルプロピル、ヘキシル、イソヘキシル、1,1-ジメチルブチル、2,2-ジメチルブチル、3,3-ジメチルブチル、2-エチルブチル等が挙げられる。
【0029】
本明細書中、「シクロアルキル(基)」とは、環状アルキル基を意味し、特に炭素数範囲の限定がない場合には、好ましくは、C3-8シクロアルキル基である。
【0030】
本明細書中、「C3-8シクロアルキル(基)」とは、炭素原子数3~8の環状アルキル基を意味し、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル等が挙げられる。中でも、C3-6シクロアルキル基が好ましい。
【0031】
本明細書中、「アルコキシ(基)」とは、直鎖又は分岐鎖のアルキル基が酸素原子と結合した基を意味し、特に炭素数範囲は限定されないが、好ましくは、C1-20アルコキシ基であり、より好ましくは、C1-8アルコキシ基であり、さらに好ましくは、C1-6アルコキシ基である。
【0032】
本明細書中、「C1-20アルコキシ(基)」とは、直鎖又は分岐鎖の炭素原子数1~20のアルコキシ基を意味し、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ、ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、ネオペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、イソヘキシルオキシ、1,1-ジメチルブトキシ、2,2-ジメチルブトキシ、3,3-ジメチルブトキシ、2-エチルブトキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ、ウンデシルオキシ、ドデシルオキシ、トリデシルオキシ、エイコシルオキシ等が挙げられる。
【0033】
本明細書中、「C1-6アルコキシ(基)」とは、直鎖又は分岐鎖の炭素原子数1~6のアルコキシ基を意味し、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ、ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、ネオペンチルオキシ、ヘキシルオキシ等が挙げられる。
【0034】
本明細書中、「アルキルスルファニル(基)」とは、直鎖又は分岐鎖のアルキル基が硫黄原子と結合した基を意味し、特に炭素数範囲は限定されないが、好ましくは、C1-6アルキルスルファニル基であり、より好ましくは、C1-4アルキルスルファニル基である。
【0035】
本明細書中、「C1-6アルキルスルファニル(基)」とは、硫黄原子に前記「C1-6アルキル」基が結合した基、すなわち、炭素数が1-6の直鎖又は分岐鎖アルキルスルファニル基を意味する。該「C1-6アルキルスルファニル(基)」としては、例えば、メチルスルファニル、エチルスルファニル、プロピルスルファニル、イソプロピルスルファニル、ブチルスルファニル、イソブチルスルファニル、sec-ブチルスルファニル、tert-ブチルスルファニル、ペンチルスルファニル、イソペンチルスルファニル、ネオペンチルスルファニル、1-エチルプロピルスルファニル、へキシルスルファニル等が挙げられる。
【0036】
本明細書中、「C1-6アルキルスルホニル(基)」とは、スルホニル基に前記「C1-6アルキル」基が結合した基、すなわち、炭素数が1~6の直鎖又は分岐鎖アルキルスルホニル基を意味する。該「C1-6アルキルスルホニル(基)」としては、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、イソプロピルスルホニル、ブチルスルホニル、イソブチルスルホニル、sec-ブチルスルホニル、tert-ブチルスルホニル、ペンチルスルホニル、イソペンチルスルホニル、ネオペンチルスルホニル、1-エチルプロピルスルホニル、へキシルスルホニル等が挙げられる。
【0037】
本明細書中、「アルコキシ-カルボニル(基)」とは、前記アルコキシ基がカルボニル基に結合した基を意味し、特に炭素数範囲は限定されないが、好ましくは、C1-20アルコキシ-カルボニル基であり、より好ましくは、C1-8アルコキシ-カルボニル基である。
【0038】
本明細書中、「アシル(基)」とは、アルカノイル又はアロイルを意味し、特に炭素数範囲は限定されないが、好ましくは、C1-7アルカノイル基又はC7-11アロイル基である。
【0039】
本明細書中、「C1-7アルカノイル(基)」とは、炭素原子数1~7の直鎖又は分枝鎖状のホルミル又はアルキルカルボニル(すなわち、C1-6アルキル-カルボニル)であり、例えば、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、ペンタノイル、ヘキサノイル、ヘプタノイル等が挙げられる。
【0040】
本明細書中、「C7-11アロイル(基)」とは、炭素原子数7~11のアリールカルボニル(すなわち、C6-10アリール-カルボニル)であり、ベンゾイル等が挙げられる。
【0041】
本明細書中、「アシルオキシ(基)」とは、前記アルカノイル基又はアロイル基が酸素原子と結合した基を意味し、特に炭素数範囲は限定されないが、好ましくは、C1-7アルカノイルオキシ基又はC7-11アロイルオキシ基である。
【0042】
本明細書中、「C1-7アルカノイルオキシ(基)」としては、例えば、ホルミルオキシ、アセトキシ、エチルカルボニルオキシ、プロピルカルボニルオキシ、イソプロピルカルボニルオキシ、ブチルカルボニルオキシ、イソブチルカルボニルオキシ、sec-ブチルカルボニルオキシ、tert-ブチルカルボニルオキシ(ピバロイルオキシ)、ペンチルカルボニルオキシ、イソペンチルカルボニルオキシ、ネオペンチルカルボニルオキシ、ヘキシルカルボニルオキシ等が挙げられ、好ましくは、アセトキシ又はピバロイルオキシである。
【0043】
本明細書中、「C7-11アロイルオキシ(基)」としては、例えば、ベンゾイルオキシ、1-ナフトイルオキシ、2-ナフトイルオキシ等が挙げられる。
【0044】
本明細書中、「アリール(基)」とは、芳香族性を示す単環式或いは多環式(縮合)の炭化水素基を意味し、具体的には、例えば、フェニル、1-ナフチル、2-ナフチル、ビフェニリル、2-アンスリル、フルオレニル等のC6-14アリール基が挙げられ、中でもC6-10アリール基が好ましい。
【0045】
本明細書中、「C6-10アリール(基)」とは、例えば、フェニル、1-ナフチル、2-ナフチルが挙げられ、フェニル又は1-ナフチルが特に好ましい。
【0046】
本明細書中、「アリールオキシ(基)」とは、前記アリール基が酸素原子と結合した基を意味し、好ましくは、C6-14アリールオキシ基であり、より好ましくは、C6-10アリールオキシ基である。
【0047】
本明細書中、「アリールオキシ-カルボニル(基)」とは、前記アリールオキシ基がカルボニル基に結合した基を意味し、特に炭素数範囲は限定されないが、好ましくは、C6-14アリールオキシ-カルボニル基であり、より好ましくは、C6-10アリールオキシ-カルボニル基であり、特に好ましくは、フェノキシ-カルボニル基である。
【0048】
本明細書中、「アラルキル(基)」とは、アルキル基にアリール基が置換した基を意味し、特に炭素数範囲は限定されないが、好ましくは、C7-14アラルキルである。
【0049】
本明細書中、「C7-22アラルキル(基)」とは、「C1-4アルキル基」に「C6-18アリール基」が置換した基を意味し、例えば、ベンジル、1-フェニルエチル、2-フェニルエチル、(ナフチル-1-イル)メチル、(ナフチル-2-イル)メチル、1-(ナフチル-1-イル)エチル、1-(ナフチル-2-イル)エチル、2-(ナフチル-1-イル)エチル、2-(ナフチル-2-イル)エチル、ジフェニルメチル、フルオレニルメチル、トリチル等が挙げられる。
【0050】
本明細書中、「アリールスルホニル(基)」とは、アリール基がスルホニル基に結合した基を意味し、特に炭素数範囲は限定されないが、好ましくは、C6-10アリールスルホニル基である。
【0051】
本明細書中、「C6-10アリールスルホニル(基)」とは、「C6-10アリール基」がスルホニル基に結合した基を意味し、例えば、フェニルスルホニル、1-ナフチルスルホニル、2-ナフチルスルホニル等が挙げられる。
【0052】
本明細書中、「アルキルスルホニルオキシ(基)」とは、アルキルスルホニル基が酸素原子に結合した基を意味し、特に炭素数範囲は限定されないが、好ましくは、C1-6アルキルスルホニルオキシ基である。
【0053】
本明細書中、「C1-6アルキルスルホニルオキシ(基)」とは、C1-6アルキルスルホニル基が酸素原子に結合した基を意味し、例えば、メチルスルホニルオキシ、エチルスルホニルオキシ、プロピルスルホニルオキシ、イソプロピルスルホニルオキシ、ブチルスルホニルオキシ等が挙げられる。
【0054】
本明細書中、「アリールスルホニルオキシ(基)」とは、アリールスルホニル基が酸素原子に結合した基を意味し、特に炭素数範囲は限定されないが、好ましくは、C6-10アリールスルホニルオキシ基である。
【0055】
本明細書中、「C6-10アリールスルホニルオキシ(基)」とは、C6-10アリールスルホニル基が酸素原子に結合した基を意味し、例えば、フェニルスルホニルオキシ、1-ナフチルスルホニルオキシ、2-ナフチルスルホニルオキシ等が挙げられる。
【0056】
本明細書中、「置換アミノ基」とは、アミノ基の2個の水素原子のうちの少なくとも1個が水素原子以外の基で置換された基を意味し、2個の水素原子の両方が置換基により置換されている場合には、該置換基は、同一又は異なっていてもよい。
【0057】
本明細書中、「トリ置換シリル(基)」とは、同一又は異なる3個の置換基(例、C1-6アルキル基、C6-10アリール基等)により置換されたシリル基を意味し、当該基としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、tert-ブチルジメチルシリル基等のトリアルキルシリル基(好ましくは、トリC1-6アルキルシリル基、より好ましくは、トリC1-4アルキルシリル基)、tert-ブチルジフェニルシリル基、トリフェニルシリル基等が好ましい。
【0058】
本明細書中、「トリ置換シリルオキシ(基)」とは、トリ置換シリル基が酸素原子に結合した基を意味し、当該基としては、トリメチルシリルオキシ基、トリエチルシリルオキシ基、トリイソプロピルシリルオキシ基、tert-ブチルジメチルシリルオキシ基等のトリアルキルシリルオキシ基(好ましくは、トリC1-6アルキルシリルオキシ基、より好ましくは、トリC1-4アルキルシリルオキシ基)、tert-ブチルジフェニルシリルオキシ基、トリフェニルシリルオキシ基等が好ましい。
【0059】
本明細書中、「置換アミノ基」を構成する置換基としては、例えば、Protective Groups in Organic Synthesis, John Wiley and Sons(第3版、1999年)に記載のアミノ基の保護基等を使用し得、例えば、C1-6アルキル基、C1-6アルキルスルホニル、C7-22アラルキル基、C6-10アリール基、C1-7アルカノイル基、C7-11アロイル基、C7-14アラルキル-カルボニル基、C1-6アルコキシ-カルボニル基、C7-14アラルキルオキシ-カルボニル基、C6-10アリールスルホニル、トリC1-6アルキルシリル基(例、トリ-C1-6アルキルシリル基(例、トリメチルシリル、tert-ブチル(ジメチル)シリル))等の保護基が挙げられる。上記の保護基は、ハロゲン原子、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基又はニトロ基により更に置換されていてもよい。当該アミノ基の保護基の具体例としては、メチル(モノメチル又はジメチル)、ベンジル、トリチル、アセチル、トリフルオロアセチル、ピバロイル、tert-ブトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、トリフルオロメタンスルホニル、p-トルエンスルホニル等が挙げられる。
【0060】
「置換されていてもよい」とは、無置換、又は置換可能な位置に1個~5個(好ましくは、1個~3個)の置換基を有することを意味し、各置換基は同一であっても異なっていてもよい。
【0061】
「置換されていてもよい」の置換基としては、例えば、(1)ハロゲン原子、(2)ヒドロキシ基、(3)シアノ基、(4)ニトロ基、(5)アジド基、(6)置換アミノ基、(7)C1-6アルキル基、(8)C1-6アルコキシ基、(9)C3-8シクロアルキル基、(10)C6-10アリール基、(11)C7-22アラルキル基、(12)C1-7アルカノイル基、(13)C7-11アロイル基、(14)C1-7アルカノイルオキシ基、(15)C7-11アロイルオキシ基、(16)C1-6アルコキシ-カルボニル基、(17)C1-6アルキル基でモノ又はジ-置換されていてもよいカルバモイル基、(18)C1-6アルキルスルホニルオキシ基、(19)C6-10アリールスルホニルオキシ基、(20)C1-6アルキルスルファニル、(21)トリ置換シリル基、(22)トリ置換シリルオキシ基、(23)C6-10アリールオキシ-カルボニル基等が挙げられる。中でも、ハロゲン原子、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、アセチル、ホルミル、カルバモイル、アジド、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリイソプロピルシリル、tert-ブチルジメチルシリル、tert-ブチルジメチルシリルオキシ、フェニル、シクロヘキシル、ジメチルアミノ、アセチルアミノ、tert-ブトキシカルボニルアミノ、ベンジルオキシカルボニルアミノ、メトキシカルボニル、メチルスルファニル等が好ましい。
「置換されていてもよいアルキル」又は「置換されていてもよいアルコキシ」の置換基としては、上記置換基リストから「(7)C1-6アルキル基」及び「(11)C7-22アラルキル基」を除いた置換基が挙げられる。
【0062】
上記置換基は、また、さらに、それぞれ1個以上の、ヒドロキシ基、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、フェニル基等で置換されていてもよい。
【0063】
本明細書中、「アリール化剤として機能する助触媒」とは、それ自体は重合反応を促進させる能力を有さないが、五塩化モリブデンと共に用いることにより、五塩化モリブデンの触媒作用を向上させる触媒であり、且つ重合開始末端をアリール化(又はヘテロアリール化)する機能も併せ持つ化合物を意味する。
【0064】
本明細書中、「繰り返し単位」とは、ポリマー化合物を構成する部分単位構造を意味する。該繰り返し単位は、本発明の製造方法により得られる置換ポリ(ジフェニルアセチレン)中に複数個連続して存在する。本発明のポリアセチレン中に複数種の繰り返し単位が存在する場合には、それら複数種の繰り返し単位が、置換ポリ(ジフェニルアセチレン)中にそれぞれ複数個のブロックを形成して存在する。
【0065】
本明細書中、「線状の置換ポリ(ジフェニルアセチレン)」とは、前記繰り返し単位が互いに一次元の鎖状に連なって結合してできた置換ポリ(ジフェニルアセチレン)を意味する。
【0066】
本明細書中、「分子量分布」とは、重量平均分子量(Mw)を、数平均分子量(Mn)で除した値(Mw/Mn)を意味し、この値が1に近いほど、ポリマー化合物(すなわち、置換ポリ(ジフェニルアセチレン))の分子量が揃っていることを意味する。後述する実施例に記載の分子量分布は、紫外可視検出器を備えたゲル浸透クロマトグラフィーにより概算され、ポリスチレン標準により校正されたものである。
【0067】
本明細書中、「ある程度制御された分子量」とは、使用する触媒とモノマーのモル比と生成するポリマーの分子量(Mn)との間に相当な相関関係があることを意味する。本発明の製造方法においては、使用するモノマーや助触媒の種類にも依るが、得られる置換ポリ(ジフェニルアセチレン)の分子量(Mn)は、3万から350万程度までの広範な分子量範囲で触媒とモノマーのモル比を変化させることによって作り分けることができる。このように、本明細書においては、比較的高い精度で得られる任意の分子量(Mn)を「ある程度制御された分子量」という。
【0068】
(本発明の製造方法)
本発明の製造方法は、
五塩化モリブデン、及び
アリール化剤として機能する助触媒の存在下、式(I):
【0069】
【0070】
n個のR1は、それぞれ独立して、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルコキシ基、置換されていてもよいアルキルスルファニル基、置換されていてもよいアシル基、置換されていてもよいアシルオキシ基、置換されていてもよいアルキルスルホニルオキシ基、置換されていてもよいアリールスルホニルオキシ基、置換されていてもよいアルコキシ-カルボニル基、置換されていてもよいアリールオキシ-カルボニル基、置換されていてもよいカルバモイル基、トリ置換シリル基、又は置換アミノ基を示し、
m個のR2は、それぞれ独立して、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルコキシ基、置換されていてもよいアルキルスルファニル基、置換されていてもよいアシル基、置換されていてもよいアシルオキシ基、置換されていてもよいアルキルスルホニルオキシ基、置換されていてもよいアリールスルホニルオキシ基、置換されていてもよいアルコキシ-カルボニル基、置換されていてもよいアリールオキシ-カルボニル基、置換されていてもよいカルバモイル基、トリ置換シリル基、又は置換アミノ基を示し、
nは、0~3の整数を示し、及び
mは、0~3の整数を示す。]
で表される化合物(化合物(I))を重合させる工程を含むことを特徴とする。
【0071】
五塩化モリブデンは、市販品をそのまま使用することができる。
【0072】
アリール化剤として機能する助触媒としては、五塩化モリブデンをアリール化することにより活性化する能力を有し、且つ重合開始末端のアリール化剤として機能する化合物であれば、特に限定されないが、アリール基又はヘテロアリール基を有する、有機スズ化合物、有機リチウム化合物、有機マグネシウム化合物(Grignard試薬)、有機アルミニウム化合物、有機亜鉛化合物、有機ビスマス化合物等が挙げられる。中でも、好ましくは、置換されていてもよいテトラアリールスズ、置換されていてもよいアリール(トリn-ブチル)スズ、及び置換されていてもよいヘテロアリール(トリn-ブチル)スズからなる群より選択される有機スズ化合物であり、より好ましくは、テトラフェニルスズ、フェニル(トリn-ブチル)スズ(商品名:トリブチルフェニルスタナン)、4-メトキシフェニル(トリn-ブチル)スズ、2,4,6-トリメチルフェニル(トリn-ブチル)スズ、4-エトキシカルボニルフェニル(トリn-ブチル)スズ、及びフラン-2-イル(トリn-ブチル)スズ(商品名:トリブチル(2-フリル)スズ)からなる群より選択される助触媒である。当該助触媒としては、市販品をそのまま使用してもよいし、自体公知の方法(例えば、J. Am. Chem. Soc., 2010, 132, 12150-12154参照)により調製したものを使用することができる。
【0073】
本発明の製造方法に使用する溶媒としては、原料を溶解でき、反応に不活性な溶媒であれば、特に制限なく用いることができる。例えば、エチルtert-ブチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化水素類;N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド等のアミド類が挙げられ、これらは1種又は2種以上で用いることもできる。中でも、トルエンが好ましい。
【0074】
本発明の製造方法における、五塩化モリブデン、及びアリール化剤として機能する助触媒の配合割合は、当該助触媒の種類により変化するが、当該助触媒が有機スズ化合物である場合には、五塩化モリブデン1モルに対して、アリール化剤として機能する助触媒は、1.0~5.0モル(好ましくは、1.0~3.0モル、より好ましくは、1.0~1.5モル)である。
【0075】
本発明の製造方法における化合物(I)の添加量は、所望する化合物(II)(ポリマー)の分子量に応じて任意に設定することが可能であるが、通常、五塩化モリブデン1モルに対する化合物(I)(モノマー)のモル比([モノマー]/[五塩化モリブデン])で、5~100であり、好ましくは20~50である。
【0076】
本発明の製造方法においては、使用するアリール化剤として機能する助触媒や溶媒の種類により適宜好適な反応条件を選択し得るが、不活性ガス雰囲気下、封管(密閉した耐圧管)中で室温から使用する溶媒の還流温度の範囲内(好ましくは、室温から110℃程度)で0.5~24時間(好ましくは、1~12時間)反応(重合反応)を行うのが好ましい。
【0077】
本重合反応の反応液中の化合物(I)(モノマー)の濃度は、化合物(I)の反応溶媒に対する溶解性により適宜最適化し得るものであり、特に制限されないが、通常、0.1M~2.0Mの濃度範囲内であり、好ましくは、0.5M~1.2Mである。
【0078】
前記重合反応終了後、反応液に過剰量の貧溶媒(例、メタノール)に注ぎ込むことにより沈殿化等を行うことにより、目的とする化合物(II)を得ることができる。
【0079】
本発明の製造方法で得られる化合物(II)は、数平均分子量(Mn)が、3万以上350万以下であり、好ましくは、3万以上150万以下であり、ゲル浸透クロマトグラフィー測定による分子量分布(Mw/Mn)は、1.5~6程度(好ましくは、1.5~4.5)である。
【0080】
一般に、ジフェニルアセチレン類の重合反応においては、加熱することが必須であるのに対し、本発明の製造方法では、室温下という緩和な反応条件下であっても、速やかに重合反応が進行し、高分子量の置換ポリ(ジフェニルアセチレン)類が収率良く得られることを特徴とする。
【0081】
また、本発明の製造方法においては、ジフェニルアセチレン類(モノマー)を添加する前に、五塩化モリブデン、及びアリール化剤として機能する助触媒を予め混合、撹拌しておくことにより、より高分子量の置換ポリ(ジフェニルアセチレン)類を得ることができる。
【0082】
(化合物(I))
原料モノマー、すなわち、化合物(I)の好ましい態様について、以下に説明する。
化合物(I)としては、前記式(I)中の
n個のR1が、好ましくは、それぞれ独立して、ハロゲン原子、シアノ基又はハロゲン原子により置換されていてもよいC1-6アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、トリフルオロメチル)、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1-8アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロエトキシ)、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1-7アルカノイル基(例、アセチル、トリフルオロアセチル)、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1-7アルカノイルオキシ基(例、アセトキシ、トリフルオロアセトキシ)、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1-6アルキルスルホニルオキシ基(例、メタンスルホニルオキシ、トリフルオロメタンスルホニルオキシ)、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基及びC1-6アルキル基からなる群より選択される基により置換されていてもよいアリールスルホニルオキシ基(例、ベンゼンスルホニルオキシ、4-フルオロベンゼンスルホニルオキシ、2-ニトロベンゼンスルホニルオキシ、p-トルエンスルホニルオキシ)、C1-8アルコキシ-カルボニル基(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、ヘプチルオキシカルボニル)、ハロゲン原子により置換されていてもよいC6-10アリールオキシ-カルボニル基(例、ペンタフルオロフェノキシ-カルボニル)、トリC1-6アルキルシリル基(例、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリイソプロピルシリル)、或いは、C1-6アルキルスルホニル基、C1-7アルカノイル基、C7-11アロイル基、C7-14アラルキル-カルボニル基、C1-6アルコキシ-カルボニル基、C7-14アラルキルオキシ-カルボニル基及びC6-10アリールスルホニル基からなる群より選択される基により置換されたアミノ基であり、
より好ましくは、それぞれ独立して、ハロゲン原子、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1-6アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ペンチル、トリフルオロメチル)、C1-6アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ)、C1-8アルコキシ-カルボニル基(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、ヘプチルオキシカルボニル)、ハロゲン原子により置換されていてもよいC6-10アリールオキシ-カルボニル基(例、ペンタフルオロフェノキシ-カルボニル)又はトリC1-4アルキルシリル基(例、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリイソプロピルシリル)であり;
m個のR2が、好ましくは、それぞれ独立して、ハロゲン原子、シアノ基又はハロゲン原子により置換されていてもよいC1-6アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、トリフルオロメチル)、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1-8アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロエトキシ)、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1-7アルカノイル基(例、アセチル、トリフルオロアセチル)、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1-7アルカノイルオキシ基(例、アセトキシ、トリフルオロアセトキシ)、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1-6アルキルスルホニルオキシ基(例、メタンスルホニルオキシ、トリフルオロメタンスルホニルオキシ)、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基及びC1-6アルキル基からなる群より選択される基により置換されていてもよいアリールスルホニルオキシ基(例、ベンゼンスルホニルオキシ、4-フルオロベンゼンスルホニルオキシ、2-ニトロベンゼンスルホニルオキシ、p-トルエンスルホニルオキシ)、C1-8アルコキシ-カルボニル基(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、ヘプチルオキシカルボニル)、ハロゲン原子により置換されていてもよいC6-10アリールオキシ-カルボニル基(例、ペンタフルオロフェノキシ-カルボニル)、トリC1-6アルキルシリル基(例、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリイソプロピルシリル)、或いは、C1-6アルキルスルホニル基、C1-7アルカノイル基、C7-11アロイル基、C7-14アラルキル-カルボニル基、C1-6アルコキシ-カルボニル基、C7-14アラルキルオキシ-カルボニル基及びC6-10アリールスルホニル基からなる群より選択される基により置換されたアミノ基であり、
より好ましくは、それぞれ独立して、ハロゲン原子、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1-6アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ペンチル、トリフルオロメチル)、C1-6アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ)、C1-8アルコキシ-カルボニル基(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、ヘプチルオキシカルボニル)、ハロゲン原子により置換されていてもよいC6-10アリールオキシ-カルボニル基(例、ペンタフルオロフェノキシ-カルボニル)、又はトリC1-4アルキルシリル基(例、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリイソプロピルシリル)であり;
nが、好ましくは、0~2の整数であり、より好ましくは、0又は1であり;及び
mが、好ましくは、0~2の整数であり、より好ましくは、0又は1である。
また、n個のR1及びm個のR2が、それぞれ独立して、存在しないか、或いはフェニルエチニル基に対してメタ位及び/又はパラ位に存在することが好ましく、存在しないか、或いはフェニルエチニル基に対してメタ位又はパラ位に存在することがより好ましい。
【0083】
好適な化合物(I)としては、以下の化合物が挙げられる。
[化合物I-A]
前記式(I)中の
n個のR1が、それぞれ独立して、ハロゲン原子、シアノ基又はハロゲン原子により置換されていてもよいC1-6アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、トリフルオロメチル)、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1-8アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロエトキシ)、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1-7アルカノイル基(例、アセチル、トリフルオロアセチル)、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1-7アルカノイルオキシ基(例、アセトキシ、トリフルオロアセトキシ)、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1-6アルキルスルホニルオキシ基(例、メタンスルホニルオキシ、トリフルオロメタンスルホニルオキシ)、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基及びC1-6アルキル基からなる群より選択される基により置換されていてもよいアリールスルホニルオキシ基(例、ベンゼンスルホニルオキシ、4-フルオロベンゼンスルホニルオキシ、2-ニトロベンゼンスルホニルオキシ、p-トルエンスルホニルオキシ)、C1-8アルコキシ-カルボニル基(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、ヘプチルオキシカルボニル)、ハロゲン原子により置換されていてもよいC6-10アリールオキシ-カルボニル基(例、ペンタフルオロフェノキシ-カルボニル)、トリC1-6アルキルシリル基(例、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリイソプロピルシリル)、或いは、C1-6アルキルスルホニル基、C1-7アルカノイル基、C7-11アロイル基、C7-14アラルキル-カルボニル基、C1-6アルコキシ-カルボニル基、C7-14アラルキルオキシ-カルボニル基及びC6-10アリールスルホニル基からなる群より選択される基により置換されたアミノ基であり;
m個のR2が、それぞれ独立して、ハロゲン原子、シアノ基又はハロゲン原子により置換されていてもよいC1-6アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、トリフルオロメチル)、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1-8アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロエトキシ)、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1-7アルカノイル基(例、アセチル、トリフルオロアセチル)、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1-7アルカノイルオキシ基(例、アセトキシ、トリフルオロアセトキシ)、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1-6アルキルスルホニルオキシ基(例、メタンスルホニルオキシ、トリフルオロメタンスルホニルオキシ)、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基及びC1-6アルキル基からなる群より選択される基により置換されていてもよいアリールスルホニルオキシ基(例、ベンゼンスルホニルオキシ、4-フルオロベンゼンスルホニルオキシ、2-ニトロベンゼンスルホニルオキシ、p-トルエンスルホニルオキシ)、C1-8アルコキシ-カルボニル基(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、ヘプチルオキシカルボニル)、ハロゲン原子により置換されていてもよいC6-10アリールオキシ-カルボニル基(例、ペンタフルオロフェノキシ-カルボニル)、トリC1-6アルキルシリル基(例、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリイソプロピルシリル)、或いは、C1-6アルキルスルホニル基、C1-7アルカノイル基、C7-11アロイル基、C7-14アラルキル-カルボニル基、C1-6アルコキシ-カルボニル基、C7-14アラルキルオキシ-カルボニル基及びC6-10アリールスルホニル基からなる群より選択される基により置換されたアミノ基であり;
nが、0~2の整数であり;
mが、0~2の整数であり;並びに
n個のR1及びm個のR2が、それぞれ独立して、存在しないか、或いはフェニルエチニル基に対してメタ位及び/又はパラ位に存在する、
化合物(I)。
【0084】
[化合物I-B]
前記式(I)中の
n個のR1が、それぞれ独立して、ハロゲン原子、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1-6アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ペンチル、トリフルオロメチル)、C1-6アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ)、C1-8アルコキシ-カルボニル基(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、ヘプチルオキシカルボニル)、ハロゲン原子により置換されていてもよいC6-10アリールオキシ-カルボニル基(例、ペンタフルオロフェノキシ-カルボニル)、又はトリC1-4アルキルシリル基(例、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリイソプロピルシリル)であり;
m個のR2が、それぞれ独立して、ハロゲン原子、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1-6アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ペンチル、トリフルオロメチル)、C1-6アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ)、C1-8アルコキシ-カルボニル基(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、ヘプチルオキシカルボニル)、ハロゲン原子により置換されていてもよいC6-10アリールオキシ-カルボニル基(例、ペンタフルオロフェノキシ-カルボニル)、又はトリC1-4アルキルシリル基(例、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリイソプロピルシリル)であり;
nが、0又は1であり;
mが、0又は1であり;並びに
n個のR1及びm個のR2が、それぞれ独立して、存在しないか、或いはフェニルエチニル基に対してメタ位又はパラ位に存在する、
化合物(I)。
【0085】
化合物(I)の好ましい具体例としては、例えば、下記式:
【0086】
【0087】
で表される化合物等が挙げられる。
【0088】
化合物(I)は、市販品を容易に入手して、そのまま使用することができるか、又は自体公知の方法(例えば、Molecules 2016, 21, 1487;Chem. Lett. 2016, 45, 1063-1065; Angew. Chem. Int. Ed. 2020, 59, 14772-14780等参照)、若しくはそれに準ずる方法に従って製造することが可能である。
【0089】
(化合物(II))
本発明の製造方法により得られる化合物は、下記式(II):
【0090】
【0091】
[式中の各記号は、前記と同義を示す。]
で表される繰り返し単位を有する、線状の置換ポリ(ジフェニルアセチレン)(化合物(II))である。
【0092】
化合物(II)の好ましい態様について、以下に説明する。
化合物(II)としては、前記式(II)中の
n個のR1が、好ましくは、それぞれ独立して、ハロゲン原子、シアノ基又はハロゲン原子により置換されていてもよいC1-6アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、トリフルオロメチル)、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1-8アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロエトキシ)、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1-7アルカノイル基(例、アセチル、トリフルオロアセチル)、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1-7アルカノイルオキシ基(例、アセトキシ、トリフルオロアセトキシ)、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1-6アルキルスルホニルオキシ基(例、メタンスルホニルオキシ、トリフルオロメタンスルホニルオキシ)、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基及びC1-6アルキル基からなる群より選択される基により置換されていてもよいアリールスルホニルオキシ基(例、ベンゼンスルホニルオキシ、4-フルオロベンゼンスルホニルオキシ、2-ニトロベンゼンスルホニルオキシ、p-トルエンスルホニルオキシ)、C1-8アルコキシ-カルボニル基(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、ヘプチルオキシカルボニル)、ハロゲン原子により置換されていてもよいC6-10アリールオキシ-カルボニル基(例、ペンタフルオロフェノキシ-カルボニル)、トリC1-6アルキルシリル基(例、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリイソプロピルシリル)、或いは、C1-6アルキルスルホニル基、C1-7アルカノイル基、C7-11アロイル基、C7-14アラルキル-カルボニル基、C1-6アルコキシ-カルボニル基、C7-14アラルキルオキシ-カルボニル基及びC6-10アリールスルホニル基からなる群より選択される基により置換されたアミノ基であり、
より好ましくは、それぞれ独立して、ハロゲン原子、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1-6アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ペンチル、トリフルオロメチル)、C1-6アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ)、C1-8アルコキシ-カルボニル基(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、ヘプチルオキシカルボニル)、ハロゲン原子により置換されていてもよいC6-10アリールオキシ-カルボニル基(例、ペンタフルオロフェノキシ-カルボニル)、又はトリC1-4アルキルシリル基(例、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリイソプロピルシリル)であり;
m個のR2が、好ましくは、それぞれ独立して、ハロゲン原子、シアノ基又はハロゲン原子により置換されていてもよいC1-6アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、トリフルオロメチル)、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1-8アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロエトキシ)、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1-7アルカノイル基(例、アセチル、トリフルオロアセチル)、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1-7アルカノイルオキシ基(例、アセトキシ、トリフルオロアセトキシ)、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1-6アルキルスルホニルオキシ基(例、メタンスルホニルオキシ、トリフルオロメタンスルホニルオキシ)、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基及びC1-6アルキル基からなる群より選択される基により置換されていてもよいアリールスルホニルオキシ基(例、ベンゼンスルホニルオキシ、4-フルオロベンゼンスルホニルオキシ、2-ニトロベンゼンスルホニルオキシ、p-トルエンスルホニルオキシ)、C1-8アルコキシ-カルボニル基(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、ヘプチルオキシカルボニル)、ハロゲン原子により置換されていてもよいC6-10アリールオキシ-カルボニル基(例、ペンタフルオロフェノキシ-カルボニル)、トリC1-6アルキルシリル基(例、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリイソプロピルシリル)、或いは、C1-6アルキルスルホニル基、C1-7アルカノイル基、C7-11アロイル基、C7-14アラルキル-カルボニル基、C1-6アルコキシ-カルボニル基、C7-14アラルキルオキシ-カルボニル基及びC6-10アリールスルホニル基からなる群より選択される基により置換されたアミノ基であり、
より好ましくは、それぞれ独立して、ハロゲン原子、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1-6アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ペンチル、トリフルオロメチル)、C1-6アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ)、C1-8アルコキシ-カルボニル基(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、ヘプチルオキシカルボニル)、ハロゲン原子により置換されていてもよいC6-10アリールオキシ-カルボニル基(例、ペンタフルオロフェノキシ-カルボニル)、又はトリC1-4アルキルシリル基(例、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリイソプロピルシリル)であり;
nが、好ましくは、0~2の整数であり、より好ましくは、0又は1であり;及び
mが、好ましくは、0~2の整数であり、より好ましくは、0又は1である。
また、n個のR1及びm個のR2が、それぞれ独立して、存在しないか、或いは置換スチリル基に対してメタ位及び/又はパラ位に存在することが好ましく、存在しないか、或いは置換スチリル基に対してメタ位又はパラ位に存在することがより好ましい。
【0093】
好適な化合物(II)としては、以下の化合物が挙げられる。
[化合物II-A]
前記式(II)中の
n個のR1が、それぞれ独立して、ハロゲン原子、シアノ基又はハロゲン原子により置換されていてもよいC1-6アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、トリフルオロメチル)、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1-8アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロエトキシ)、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1-7アルカノイル基(例、アセチル、トリフルオロアセチル)、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1-7アルカノイルオキシ基(例、アセトキシ、トリフルオロアセトキシ)、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1-6アルキルスルホニルオキシ基(例、メタンスルホニルオキシ、トリフルオロメタンスルホニルオキシ)、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基及びC1-6アルキル基からなる群より選択される基により置換されていてもよいアリールスルホニルオキシ基(例、ベンゼンスルホニルオキシ、4-フルオロベンゼンスルホニルオキシ、2-ニトロベンゼンスルホニルオキシ、p-トルエンスルホニルオキシ)、C1-8アルコキシ-カルボニル基(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、ヘプチルオキシカルボニル)、ハロゲン原子により置換されていてもよいC6-10アリールオキシ-カルボニル基(例、ペンタフルオロフェノキシ-カルボニル)、トリC1-6アルキルシリル基(例、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリイソプロピルシリル)、或いは、C1-6アルキルスルホニル基、C1-7アルカノイル基、C7-11アロイル基、C7-14アラルキル-カルボニル基、C1-6アルコキシ-カルボニル基、C7-14アラルキルオキシ-カルボニル基及びC6-10アリールスルホニル基からなる群より選択される基により置換されたアミノ基であり;
m個のR2が、それぞれ独立して、ハロゲン原子、シアノ基又はハロゲン原子により置換されていてもよいC1-6アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、トリフルオロメチル)、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1-8アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロエトキシ)、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1-7アルカノイル基(例、アセチル、トリフルオロアセチル)、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1-7アルカノイルオキシ基(例、アセトキシ、トリフルオロアセトキシ)、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1-6アルキルスルホニルオキシ基(例、メタンスルホニルオキシ、トリフルオロメタンスルホニルオキシ)、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基及びC1-6アルキル基からなる群より選択される基により置換されていてもよいアリールスルホニルオキシ基(例、ベンゼンスルホニルオキシ、4-フルオロベンゼンスルホニルオキシ、2-ニトロベンゼンスルホニルオキシ、p-トルエンスルホニルオキシ)、C1-8アルコキシ-カルボニル基(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、ヘプチルオキシカルボニル)、ハロゲン原子により置換されていてもよいC6-10アリールオキシ-カルボニル基(例、ペンタフルオロフェノキシ-カルボニル)、トリC1-6アルキルシリル基(例、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリイソプロピルシリル)、或いは、C1-6アルキルスルホニル基、C1-7アルカノイル基、C7-11アロイル基、C7-14アラルキル-カルボニル基、C1-6アルコキシ-カルボニル基、C7-14アラルキルオキシ-カルボニル基及びC6-10アリールスルホニル基からなる群より選択される基により置換されたアミノ基であり;
nが、0~2の整数であり;
mが、0~2の整数であり;並びに
n個のR1及びm個のR2が、それぞれ独立して、存在しないか、或いは置換スチリル基に対してメタ位及び/又はパラ位に存在する、繰り返し単位を有する、
化合物(II)。
【0094】
[化合物II-B]
前記式(II)中の
n個のR1が、それぞれ独立して、ハロゲン原子、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1-6アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ペンチル、トリフルオロメチル)、C1-6アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ)、C1-8アルコキシ-カルボニル基(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、ヘプチルオキシカルボニル)、ハロゲン原子により置換されていてもよいC6-10アリールオキシ-カルボニル基(例、ペンタフルオロフェノキシ-カルボニル)、又はトリC1-4アルキルシリル基(例、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリイソプロピルシリル)であり;
m個のR2が、それぞれ独立して、ハロゲン原子、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1-6アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ペンチル、トリフルオロメチル)、C1-6アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ)、C1-8アルコキシ-カルボニル基(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、ヘプチルオキシカルボニル)、ハロゲン原子により置換されていてもよいC6-10アリールオキシ-カルボニル基(例、ペンタフルオロフェノキシ-カルボニル)、又はトリC1-4アルキルシリル基(例、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリイソプロピルシリル)であり;
nが、0又は1であり;
mが、0又は1であり;並びに
n個のR1及びm個のR2が、それぞれ独立して、存在しないか、或いは置換スチリル基に対してメタ位又はパラ位に存在する、繰り返し単位を有する、
化合物(II)。
【0095】
化合物(II)の好ましい具体例としては、例えば、下記式:
【0096】
【0097】
で表される繰り返し単位を有する、線状の置換ポリ(ジフェニルアセチレン)(化合物(II))である。
【0098】
本発明の製造方法で得られる化合物(II)は、数平均分子量(Mn)が、3万以上350万以下であり、好ましくは、3万以上150万以下であり、ゲル浸透クロマトグラフィー測定による分子量分布(Mw/Mn)は、1.5~6程度(好ましくは、1.5~4.5)である。
【0099】
化合物(II)の中でも、一方の末端基が、前記したアリール化剤として機能する助触媒由来の、置換されていてもよいアリール基又は置換されていてもよいヘテロアリール基であり、且つ他方の末端基が、水素原子であり、及び/又は数平均分子量(Mn)が、3万以上350万以下であり、好ましくは、3万以上150万以下である、線状の置換ポリ(ジフェニルアセチレン)は、新規化合物である。
【0100】
かかる置換されていてもよいアリール基又は置換されていてもよいヘテロアリール基としては、フェニル基、4-メトキシフェニル基、2,4,6-トリメチルフェニル基、4-エトキシカルボニルフェニル基、又はフラン-2-イル基が好ましい。
【0101】
より好適な化合物(II)としては、以下の化合物が挙げられる。
[化合物II-C]
前記式(II)中の
n個のR1が、それぞれ独立して、ハロゲン原子、シアノ基又はハロゲン原子により置換されていてもよいC1-6アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、トリフルオロメチル)、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1-8アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロエトキシ)、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1-7アルカノイル基(例、アセチル、トリフルオロアセチル)、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1-7アルカノイルオキシ基(例、アセトキシ、トリフルオロアセトキシ)、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1-6アルキルスルホニルオキシ基(例、メタンスルホニルオキシ、トリフルオロメタンスルホニルオキシ)、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基及びC1-6アルキル基からなる群より選択される基により置換されていてもよいアリールスルホニルオキシ基(例、ベンゼンスルホニルオキシ、4-フルオロベンゼンスルホニルオキシ、2-ニトロベンゼンスルホニルオキシ、p-トルエンスルホニルオキシ)、C1-8アルコキシ-カルボニル基(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、ヘプチルオキシカルボニル)、ハロゲン原子により置換されていてもよいC6-10アリールオキシ-カルボニル基(例、ペンタフルオロフェノキシ-カルボニル)、トリC1-6アルキルシリル基(例、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリイソプロピルシリル)、或いは、C1-6アルキルスルホニル基、C1-7アルカノイル基、C7-11アロイル基、C7-14アラルキル-カルボニル基、C1-6アルコキシ-カルボニル基、C7-14アラルキルオキシ-カルボニル基及びC6-10アリールスルホニル基からなる群より選択される基により置換されたアミノ基であり;
m個のR2が、それぞれ独立して、ハロゲン原子、シアノ基又はハロゲン原子により置換されていてもよいC1-6アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、トリフルオロメチル)、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1-8アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロエトキシ)、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1-7アルカノイル基(例、アセチル、トリフルオロアセチル)、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1-7アルカノイルオキシ基(例、アセトキシ、トリフルオロアセトキシ)、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1-6アルキルスルホニルオキシ基(例、メタンスルホニルオキシ、トリフルオロメタンスルホニルオキシ)、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基及びC1-6アルキル基からなる群より選択される基により置換されていてもよいアリールスルホニルオキシ基(例、ベンゼンスルホニルオキシ、4-フルオロベンゼンスルホニルオキシ、2-ニトロベンゼンスルホニルオキシ、p-トルエンスルホニルオキシ)、C1-8アルコキシ-カルボニル基(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、ヘプチルオキシカルボニル)、ハロゲン原子により置換されていてもよいC6-10アリールオキシ-カルボニル基(例、ペンタフルオロフェノキシ-カルボニル)、トリC1-6アルキルシリル基(例、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリイソプロピルシリル)、或いは、C1-6アルキルスルホニル基、C1-7アルカノイル基、C7-11アロイル基、C7-14アラルキル-カルボニル基、C1-6アルコキシ-カルボニル基、C7-14アラルキルオキシ-カルボニル基及びC6-10アリールスルホニル基からなる群より選択される基により置換されたアミノ基であり;
nが、0~2の整数であり;
mが、0~2の整数であり;
n個のR1及びm個のR2が、それぞれ独立して、存在しないか、或いは置換スチリル基に対してメタ位及び/又はパラ位に存在する、繰り返し単位を有し;並びに
一方の末端基が、置換されていてもよいアリール基又は置換されていてもよいヘテロアリール基であり、且つ他方の末端基が、水素原子である、化合物(II)。
【0102】
[化合物II-D]
前記式(II)中の
n個のR1が、それぞれ独立して、ハロゲン原子、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1-6アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ペンチル、トリフルオロメチル)、C1-6アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ)、C1-8アルコキシ-カルボニル基(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、ヘプチルオキシカルボニル)、ハロゲン原子により置換されていてもよいC6-10アリールオキシ-カルボニル基(例、ペンタフルオロフェノキシ-カルボニル)、又はトリC1-4アルキルシリル基(例、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリイソプロピルシリル)であり;
m個のR2が、それぞれ独立して、ハロゲン原子、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1-6アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ペンチル、トリフルオロメチル)、C1-6アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ)、C1-8アルコキシ-カルボニル基(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、ヘプチルオキシカルボニル)、ハロゲン原子により置換されていてもよいC6-10アリールオキシ-カルボニル基(例、ペンタフルオロフェノキシ-カルボニル)、又はトリC1-4アルキルシリル基(例、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリイソプロピルシリル)であり;
nが、0又は1であり;
mが、0又は1であり;
n個のR1及びm個のR2が、それぞれ独立して、存在しないか、或いは置換スチリル基に対してメタ位又はパラ位に存在する、繰り返し単位を有し;並びに
一方の末端基が、フェニル基、4-メトキシフェニル基、2,4,6-トリメチルフェニル基、4-エトキシカルボニルフェニル基、又はフラン-2-イル基であり、且つ他方の末端基が、水素原子である、化合物(II)。
【0103】
[化合物II-E]
前記式(II)中の
n個のR1が、それぞれ独立して、ハロゲン原子、シアノ基又はハロゲン原子により置換されていてもよいC1-6アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、トリフルオロメチル)、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1-8アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロエトキシ)、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1-7アルカノイル基(例、アセチル、トリフルオロアセチル)、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1-7アルカノイルオキシ基(例、アセトキシ、トリフルオロアセトキシ)、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1-6アルキルスルホニルオキシ基(例、メタンスルホニルオキシ、トリフルオロメタンスルホニルオキシ)、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基及びC1-6アルキル基からなる群より選択される基により置換されていてもよいアリールスルホニルオキシ基(例、ベンゼンスルホニルオキシ、4-フルオロベンゼンスルホニルオキシ、2-ニトロベンゼンスルホニルオキシ、p-トルエンスルホニルオキシ)、C1-8アルコキシ-カルボニル基(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、ヘプチルオキシカルボニル)、ハロゲン原子により置換されていてもよいC6-10アリールオキシ-カルボニル基(例、ペンタフルオロフェノキシ-カルボニル)、トリC1-6アルキルシリル基(例、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリイソプロピルシリル)、或いは、C1-6アルキルスルホニル基、C1-7アルカノイル基、C7-11アロイル基、C7-14アラルキル-カルボニル基、C1-6アルコキシ-カルボニル基、C7-14アラルキルオキシ-カルボニル基及びC6-10アリールスルホニル基からなる群より選択される基により置換されたアミノ基であり;
m個のR2が、それぞれ独立して、ハロゲン原子、シアノ基又はハロゲン原子により置換されていてもよいC1-6アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、トリフルオロメチル)、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1-8アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロエトキシ)、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1-7アルカノイル基(例、アセチル、トリフルオロアセチル)、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1-7アルカノイルオキシ基(例、アセトキシ、トリフルオロアセトキシ)、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1-6アルキルスルホニルオキシ基(例、メタンスルホニルオキシ、トリフルオロメタンスルホニルオキシ)、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基及びC1-6アルキル基からなる群より選択される基により置換されていてもよいアリールスルホニルオキシ基(例、ベンゼンスルホニルオキシ、4-フルオロベンゼンスルホニルオキシ、2-ニトロベンゼンスルホニルオキシ、p-トルエンスルホニルオキシ)、C1-8アルコキシ-カルボニル基(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、ヘプチルオキシカルボニル)、ハロゲン原子により置換されていてもよいC6-10アリールオキシ-カルボニル基(例、ペンタフルオロフェノキシ-カルボニル)、トリC1-6アルキルシリル基(例、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリイソプロピルシリル)、或いは、C1-6アルキルスルホニル基、C1-7アルカノイル基、C7-11アロイル基、C7-14アラルキル-カルボニル基、C1-6アルコキシ-カルボニル基、C7-14アラルキルオキシ-カルボニル基及びC6-10アリールスルホニル基からなる群より選択される基により置換されたアミノ基であり;
nが、0~2の整数であり;
mが、0~2の整数であり;
n個のR1及びm個のR2が、それぞれ独立して、存在しないか、或いは置換スチリル基に対してメタ位及び/又はパラ位に存在する、繰り返し単位を有し; 一方の末端基が、置換されていてもよいアリール基又は置換されていてもよいヘテロアリール基であり、且つ他方の末端基が、水素原子であり;並びに
数平均分子量(Mn)が、3万以上350万以下である、化合物(II)。
【0104】
[化合物II-F]
前記式(II)中の
n個のR1が、それぞれ独立して、ハロゲン原子、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1-6アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ペンチル、トリフルオロメチル)、C1-6アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ)、C1-8アルコキシ-カルボニル基(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、ヘプチルオキシカルボニル)、ハロゲン原子により置換されていてもよいC6-10アリールオキシ-カルボニル基(例、ペンタフルオロフェノキシ-カルボニル)、又はトリC1-4アルキルシリル基(例、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリイソプロピルシリル)であり;
m個のR2が、それぞれ独立して、ハロゲン原子、ハロゲン原子により置換されていてもよいC1-6アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ペンチル、トリフルオロメチル)、C1-6アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ)、C1-8アルコキシ-カルボニル基(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、ヘプチルオキシカルボニル)、ハロゲン原子により置換されていてもよいC6-10アリールオキシ-カルボニル基(例、ペンタフルオロフェノキシ-カルボニル)、又はトリC1-4アルキルシリル基(例、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリイソプロピルシリル)であり;
nが、0又は1であり;
mが、0又は1であり;
n個のR1及びm個のR2が、それぞれ独立して、存在しないか、或いは置換スチリル基に対してメタ位又はパラ位に存在する、繰り返し単位を有し;
一方の末端基が、フェニル基、4-メトキシフェニル基、2,4,6-トリメチルフェニル基、4-エトキシカルボニルフェニル基、又はフラン-2-イル基であり、且つ他方の末端基が、水素原子であり;並びに
数平均分子量(Mn)が、3万以上150万以下である、化合物(II)。
【0105】
化合物(II)の好ましい具体例としては、例えば、
前記式(II-1)~式(II-8)で表される繰り返し単位を有し;
一方の末端基が、フェニル基、4-メトキシフェニル基、2,4,6-トリメチルフェニル基、4-エトキシカルボニルフェニル基、又はフラン-2-イル基であり、且つ他方の末端基が、水素原子であり;
数平均分子量(Mn)が、3万以上150万以下であり;及び
ゲル浸透クロマトグラフィー測定による分子量分布(Mw/Mn)が、1.5~6程度(好ましくは、1.5~4.5)である、線状の置換ポリ(ジフェニルアセチレン)(化合物(II))である。
【0106】
本発明の製造方法は、緩和な反応条件下、簡便な操作により、3万から350万程度までの比較的高い分子量範囲において分子量を制御しつつ、収率良く種々の官能基を有する置換ポリ(ジフェニルアセチレン)類を製造することが可能である。また、本発明の製造方法により得られる置換ポリ(ジフェニルアセチレン)類は、熱重量分析で少なくとも200℃付近までは重量損失が観測されず、熱安定性に優れることから、各種機能性高分子材料の原料ポリマーとしても極めて有用である。
【実施例0107】
以下に、実施例及び試験例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明は、実施例及び試験例により限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない範囲で変化させてもよい。また、本発明において使用する試薬や原料化合物は特に言及されない限り、商業的に入手可能である。
【0108】
下記実施例で使用された試薬及び原料化合物である、五塩化モリブデン(Sigma-Aldrich社製)、テトラフェニルスズ(東京化成工業株式会社(TCI)製)、トリブチルフェニルスタナン(Sigma-Aldrich社製)、トリブチル(2-フリル)スズ(東京化成工業株式会社(TCI)製)、及びトルエン(脱水)(関東化学株式会社製)は、それぞれ市販品をそのまま使用した。
【0109】
%は、収率についてはmol/mol%を示し、その他については特記しない限り、重量%を示す。また、室温とは、特記しない限り、15から30℃の温度を示す。
1H-、13C-及び19F-NMRスペクトルは、JEOL JNM-ECA 500を用い、重クロロホルムを溶媒として測定した。1H-NMRについてのデータは、化学シフト(δppm)、多重度(s=シングレット、d=ダブレット、t=トリプレット、q=カルテット、quint=クインテット、m=マルチプレット、dd=ダブルダブレット、dt=ダブルトリプレット、br=ブロード)、積分及び割当てとして報告する。赤外分光スペクトルは、日本分光株式会社製フーリエ変換赤外分光光度計IR-4700を用いて測定した。平均分子量および分子量分布は、ゲル浸透クロマトグラフィー(日本分光株式会社製高速液体クロマトグラフィーポンプ PU-4180、日本分光株式会社製紫外可視検出器 MD-4010、日本分光株式会社製カラムオーブン CO-4060、Shodex製カラム KF-805L又は東ソー株式会社製カラム TSKgel GMHHR-H(S))によりポリスチレン換算で算出した。原子間力顕微鏡(AFM)は、アサイラム・リサーチ社製のCypher(登録商標)を用いて、高配向性熱分解グラファイト基板上に塗布した試料を測定した。
【0110】
[実施例1]
アルゴン雰囲気下、15mLの耐圧管に五塩化モリブデン(MoCl5)(27.3mg,0.1mmol)及び式(I-1):
【0111】
【0112】
で表される化合物(化合物(I-1);モノマー)(925mg,2.0mmol)の混合物にトルエン(2mL)とトリブチルフェニルスタナン(36.7mg(32.6μl),0.1mmol)を加えた後、耐圧管を密閉し、30℃で5時間撹拌した。得られた反応混合物を過剰量のメタノールに注ぎ込み、生じた沈殿をテトラヒドロフラン(20ml)に溶解させた溶液を、過剰量のメタノール/テトラヒドロフラン混合溶液(3/1,v/v)に注ぎ込んで沈殿を得た。この沈殿をメタノール/テトラヒドロフラン混合溶液(4/1,v/v)で洗浄し、減圧下で乾燥することにより、式(II-1):
【0113】
【0114】
で表される繰り返し単位を有するポリマー(化合物(II-1))(904mg,モノマーの仕込み量に対するポリマーの収量から算出した収率:98%)を黄色固体として得た。得られた化合物(II-1)のゲル浸透クロマトグラフィーから見積もられた数平均分子量(Mn)及び分子量分布(Mw/Mn)は、それぞれ、Mnが776,000であり、Mw/Mnが2.80であった。
1H NMR (500 MHz, CDCl3, 20℃): δ 7.0-7.3 (br, 4H), 6.4-6.7 (br, 2H), 5.8-6.2 (br, 2H), 4.0-4.4 (br-d, 4H), 1.6-1.9 (br, 4H), 1.1-1.7 (br, 16H), 0.7-1.0 (br, 6H);
13C NMR (126 MHz, CDCl3, 20℃): δ 165.6, 146.0-147.0 (br), 125.0-131.0 (br), 65.4, 31.9, 29.2, 28.7, 26.0, 22.7, 14.2;
IR (KBr, cm-1): 2929, 1722, 1274, 1105;
Anal. Calcd for (C30H38O4)n: C, 77.89; H, 8.28, N, 0.00. Found: C, 77.67; H, 8.52; N, 0.12.
【0115】
化合物(II-1)を、高配向性熱分解グラファイト基板上に塗布して、アサイラム・リサーチ社製の原子間力顕微鏡(AFM)(Cypher(登録商標))を用いて測定した画像及び部分拡大画像を
図1に示した。
図1に示されるように、線状の化合物(II-1)が観測されたことから、五塩化モリブデン触媒を用いるジフェニルアセチレン類の重合反応においては、移動挿入機構を経て重合反応が進行して、線状構造を有する置換ポリ(ジフェニルアセチレン)が生成したものと推察される。
【0116】
[実施例2~5]
実施例1における反応温度(60℃、80℃、110℃)、又はモノマーと触媒系の混合順序(モノマーを加える前に五塩化モリブデンと助触媒であるトリブチルフェニルスタナン(nBu3SnPh)の混合物をトルエン中で90分間撹拌しておく)を変更した以外は、実施例1と同様の反応条件下で、化合物(I-1)の重合反応を行った。下記表1に、実施例1~5により得られた化合物(II-1)の収率、数平均分子量(Mn)及び分子量分布(Mw/Mn)を示す。
【0117】
【0118】
表1の結果から、重合温度が高くなるにつれて得られるポリマーの数平均分子量が低下する傾向が確認された。また、モノマーを加える前に五塩化モリブデンと助触媒を予め混合、撹拌しておくと高分子量のポリマーが生成することが確認された。
【0119】
[実施例6~10]
実施例1における助触媒をトリブチルフェニルスタナン(nBu3SnPh)から他の有機スズ化合物に代えた以外は、実施例1と同様の反応条件下(実施例6、9及び10は、重合温度も変更)で、化合物(I-1)の重合反応を行った。下記表2に、実施例6~10により得られた化合物(II-1)の収率、数平均分子量(Mn)及び分子量分布(Mw/Mn)を示す。
なお、実施例6~10により得られた化合物(II-1)では、ポリマーの開始末端(一方の末端)には、助触媒由来のアリール基(4-メトキシフェニル基、2,4,6-トリメチルフェニル基、又は4-エトキシカルボニルフェニル基)又はヘテロアリール基(2-フリル基)が導入され、終末端(他方の末端)には、水素原子が導入される。
【0120】
【0121】
[実施例11~17]
モノマーとして、化合物(I-1)に代えて、下記式:
【0122】
【0123】
で表されるジフェニルアセチレン(化合物(I-2)(実施例11)、化合物(I-3)(実施例12)、化合物(I-4)(実施例13)、化合物(I-5)(実施例14)、化合物(I-6)(実施例15)、化合物(I-7)(実施例16)又は化合物(I-8)(実施例17)のいずれか)を用いた以外は、実施例1と同様の反応条件下でジフェニルアセチレンの重合反応を行った。表3に、使用したモノマー、得られた置換ポリ(ジフェニルアセチレン)の繰り返し単位の構造式、収率、数平均分子量(Mn)及び分子量分布(Mw/Mn)を示す。
【0124】
【0125】
得られた各ポリマー(化合物(II))の機器分析データを以下に示す。
【0126】
化合物(II-2)(実施例11):
1H NMR (500 MHz, CDCl3, 20℃): δ 5.3-7.5 (br, 9H), 3.3-4.5 (br, 2H), 1.6-1.9 (br, 2H), 1.0-1.5 (br, 8H), 0.7-1.0 (br, 3H);
13C NMR (126 MHz, CDCl3, 20℃): δ 166.3, 124.0-150.0 (br) 65.2, 31.8, 29.1, 28.8, 26.0, 22.7, 14.1;
IR (KBr, cm-1): 2929, 1720, 1271, 1103.
Anal. Calcd for (C22H24O2)n: C, 82.46; H, 7.55; N, 0.00. Found: C, 82.32; H, 7.74; N, 0.14.
【0127】
化合物(II-3)(実施例12):
1H NMR (500 MHz, CDCl3, 20℃): δ 5.3-8.0 (br, 8H), 3.5-4.6 (br, 2H), 1.6-1.9 (br, 2H), 1.1-1.5 (br, 8H), 0.7-1.0 (br, 3H);
13C NMR (126 MHz, CDCl3, 20℃): δ 165.8, 120.0-150.0 (m), 65.5, 31.9, 29.1, 28.7, 26.0, 22.7, 14.2;
IR (KBr, cm-1): 2927, 1721, 1272, 1105.
Anal. Calcd for (C22H23BrO2)n: C, 66.17; H, 5.81; N, 0.00. Found: C, 65.88; H, 5.95; N, 0.11.
【0128】
化合物(II-4)(実施例13):
1H NMR (500 MHz, CDCl3, 20℃): δ 5.3-8.0 (br, 8H), 3.8-4.7 (br, 2H), 1.5-1.9 (br, 2H), 1.1-1.5 (br, 8H), 0.7-1.0 (br, 3H);
13C NMR (126 MHz, CDCl3, 20℃): δ 165.5, 120.0-150.0 (m), 65.6, 31.8, 28.9, 29.0, 25.7-26.0 (m), 22.7, 14.1;
19F NMR (470 MHz, CDCl3, 20℃): δ-64.0- -62.5 (m);
IR (KBr, cm-1): 2930, 1723, 1274, 1169, 1128.
Anal. Calcd for (C23H23F3O2)n: C, 71.12; H, 5.97; N, 0.00. Found: C, 70.98; H, 6.17; N, 0.00.
【0129】
化合物(II-5)(実施例14):
1H NMR (500 MHz, CDCl3, 20℃): δ 5.3-7.5 (br, 9H), -0.1-0.3 (br, 9H);
13C NMR (126 MHz, CDCl3, 20℃): δ 145.0-147.3 (br), 143.0-145.0 (br), 136.0-137.0 (br), 130.0-132.5 (br), 127.1-128.0 (br), 125.8-127.0 (br), 124.5-125.7 (br), -1.1- -0.4 (m);
IR (KBr, cm-1): 2954, 1248, 1117.
Anal. Calcd for (C17H18Si)n: C, 81.54; H, 7.25; N, 0.00. Found: C, 81.30; H, 7.32; N, 0.13.
【0130】
化合物(II-6)(実施例15):
1H NMR (500 MHz, CDCl3, 20℃): δ 5.1-7.5 (br, 8H), 3.2-3.9 (br, 3H), 2.0-2.5 (br, 2H), 1.0-1.6 (br, 6H), 0.7-1.0 (br, 3H);
13C NMR (126 MHz, CDCl3, 20℃): δ 157.3, 145.2, 141.5, 139.3, 137.5, 130.0-133.0 (br), 128.6, 127.3, 126.1, 124.9, 109.0-114.5 (br), 55.1-55.3 (m), 35.7, 31.5-32.5 (m), 22.6-22.9 (m), 14.1;
IR (KBr, cm-1): 2927, 1510, 1245.
Anal. Calcd for (C20H22O)n: C, 86.29; H, 7.97; N, 0.00. Found: C, 86.22; H, 8.17; N, 0.10.
【0131】
化合物(II-7)(実施例16):
1H NMR (500 MHz, CDCl3, 20℃): δ 5.6-7.5 (br, 8H), 3.4-4.5 (br, 4H), 1.0-1.9 (br, 20H), 0.7-1.0 (br, 6H);
13C NMR (126 MHz, CDCl3, 20℃): δ 165.0-167.0 (m), 145.0-148.5 (br), 142.0-144.5 (br), 124.0-134.0 (br), 64.4, 31.8-32.1 (m), 28.7-29.3 (m), 25.9-26.2 (m), 22.8, 14.2;
IR (KBr, cm-1): 2928, 1720, 1285, 1109;
Anal. Calcd for (C30H38O4)n: C, 77.89; H, 8.28; N, 0.00. Found: C, 77.68; H, 8.20; N, 0.10.
【0132】
化合物(II-8)(実施例17):
1H NMR (500 MHz, CDCl3, 20℃): δ 5.7-7.8 (br, 9H);
13C NMR (126 MHz, CDCl3, 20℃): δ 161.9, 144.3-150.0 (br), 142.3, 140.4, 138.8, 137.0, 126.0-132.5 (m), 125.4;
19F NMR (470 MHz, CDCl3, 20℃): δ-153.2, -157.2, -158.1, -162.1, -163.1 (m);
IR (KBr, cm-1): 3057, 1765, 1522, 1050;
Anal. Calcd for (C21H9F5O2)n: C, 64.96; H, 2.34; N, 0.00. Found: C, 64.64; H, 2.50; N, 0.11.
【0133】
以上の結果から、従来法では、低分子量(2万程度までの分子量)且つ低収率でしか得られなかった置換ポリ(ジフェニルアセチレン)(化合物(II))が、緩和な反応条件下で高分子量(3万以上、好ましくは10万以上の分子量)且つ高収率で得られることが確認された。
本発明によれば、室温~110℃程度の緩和な反応条件下で、3万から350万程度までの比較的高い分子量領域において分子量を制御しつつ、速やかに収率良く種々の官能基を有する、線状の置換ポリ(ジフェニルアセチレン)類を製造することができる。また、本発明の製造方法によれば、所望の官能基を有するだけでなく、置換ポリ(ジフェニルアセチレン)類の重合開始末端に助触媒由来の官能基(具体的には、アリール基、ヘテロアリール基等)を導入することができ、且つ高分子量の置換ポリ(ジフェニルアセチレン)類を、分子量をある程度制御して得ることもできることから、各種機能性高分子材料の原料合成法としても極めて有用である。