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特開2023-104697生体情報検出用エアパッドの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023104697
(43)【公開日】2023-07-28
(54)【発明の名称】生体情報検出用エアパッドの製造方法
(51)【国際特許分類】
   A47C 27/08 20060101AFI20230721BHJP
【FI】
A47C27/08 F
A47C27/08 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022005845
(22)【出願日】2022-01-18
(71)【出願人】
【識別番号】000220262
【氏名又は名称】東京瓦斯株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】513302477
【氏名又は名称】エコナビスタ株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】513026399
【氏名又は名称】三菱ケミカルインフラテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086911
【弁理士】
【氏名又は名称】重野 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100144967
【弁理士】
【氏名又は名称】重野 隆之
(72)【発明者】
【氏名】清 文乃
(72)【発明者】
【氏名】安田 輝訓
(72)【発明者】
【氏名】川又 大祐
(72)【発明者】
【氏名】梅田 一徳
(72)【発明者】
【氏名】久家 毅
【テーマコード(参考)】
3B096
【Fターム(参考)】
3B096AC11
3B096AD03
(57)【要約】
【課題】チューブと1対のシートとの三重会合部が気密に封じられた、気密性の高いエアパッドを製造する方法を提供する。
【解決手段】シート2,3間にクッション材4を配置した状態で該シート2,3の周縁部同士をウェルダー溶着により融着を形成し、この際、シート同士が融着されていない未融着部16を形成する工程と、該未融着部16にチューブ5の一端側を差し込む工程と、該未融着部16及びチューブ5をウェルダー溶着装置の治具31,32で挟んで該未融着部16のシートとチューブ5とを融着させる工程とを有する生体情報検出用エアパッドの製造方法であって、前記未融着部16の長さLと、チューブ5の外周長さπ×D(Dはチューブの外径)との関係式2L/(π×D)を1.02~1.30とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
周縁部がウェルダー溶着又はヒートシールされた1対の熱可塑性合成樹脂製のシートと、該シート間のヒートシール融着部で囲まれたスペース内に配置されたクッション材と、一端側が該スペース内に差し込まれ、他端側がエアパッド外に延出している熱可塑性合成樹脂製のチューブとを有する生体情報検出用エアパッドの製造方法において、1対の該シート間に該クッション材を配置した状態で該シートの周縁部同士をウェルダー溶着もしくは、ヒートシールにより融着を形成し、この際、シートの一辺部に沿って、シート同士が融着されていない未融着部を形成する工程と、該未融着部に前記チューブの一端側を差し込む工程と、該未融着部及び該未融着部に差し込まれたチューブをウェルダー溶着装置もしくは、ヒートシール装置の治具で挟んで該未融着部のシートとチューブとを融着させる工程とを有する生体情報検出用エアパッドの製造方法であって、前記未融着部の前記一辺と平行方向の長さLと、前記チューブの外周長π×D(Dはチューブの外径)との関係式2L/(π×D)を1.02~1.30とすることを特徴とする生体情報検出用エアパッドの製造方法。
【請求項2】
前記治具は、前記シートに対面する面に、前記チューブが差し込まれた未融着部を挟圧するための半円筒形の凹所を有しており、半円筒形の該凹所の半径rと、チューブ外径Dと、未融着部のシートの厚さtとは、2r/(D+2t)の値が0.70~0.98となる関係を満たす請求項1記載の生体情報検出用エアパッドの製造方法。
【請求項3】
前記スペースは長方形状であり、前記融着部は、該スペースの長側辺に沿う1対の長手融着部と、該スペースの短側辺に沿う1対の短手融着部とを有しており、一方の短手融着部の辺方向、もしくは一方の長手融着部の辺方向のいずれかの箇所の1箇所に前記未融着部が設けられている請求項1もしくは2記載の生体情報検出用エアパッドの製造方法。
【請求項4】
前記シートの融着前の厚さが50~1000μmであり、前記チューブの外径が2.0~7.0mmであり、チューブの肉厚が0.5~1.5mmであり、前記治具により融着する部分の前記チューブ長さ方向の長さaが3.0~20.0mmであり、チューブと直交方向の長さbが10.0~60.0mmである請求項1~3の生体情報検出用エアパッドの製造方法。
【請求項5】
前記熱可塑性合成樹脂は、塩化ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリウレタン樹脂、及びフッ素樹脂のいずれかであり、且つチューブとシートの融着面の素材が同一である請求項1~4のいずれかの生体情報検出用エアパッドの製造方法。
【請求項6】
チューブ内径dの内面側に外径がEの金属棒もしくは、熱硬化性樹脂棒を挿入してウェルダー溶着もしくは、ヒートシールを行い、この時、E/dの値が0.8~1.0である請求項1~5のいずれかの生体情報検出用エアパッドの製造方法。
【請求項7】
前記治具と前記シートに対面する面に、厚さTで、前記熱可塑性樹脂よりも軟化点が20℃以上高い熱可塑性樹脂もしくは、熱硬化性樹脂の厚さ調整シートをはさみこみ、ウェルダー溶着もしくは、ヒートシールを行い、この時、T/((D-d)/2)の値が0.03~0.30である請求項1~6のいずれかの生体情報検出用エアパッドの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人体の横臥姿勢の変化(寝返り等)、人の心拍、呼吸などの生体情報を検出するためのエアパッドを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
生体情報を検出するための生体情報検出システムとして、空気が封入されたエアパッド(空気袋)と、この空気袋に一端側が差し込まれた空気管と、空気袋内に配置されたクッション材(スポンジ)とを有するものがある。空気袋内に空気が封入され、空気管の他端が圧力検出用センサ装置に接続される。複数個の空気袋が、ベッド(寝具)と人体との間に配置され、空気袋内の空気圧の変化から人体の横臥姿勢の変化を検出することができる。また、空気圧の検出信号に基づいて心拍や呼吸を検出することができる(特許文献1,2)。
【0003】
図6はエアパッドの一例を示す斜視図、図7,8は図6のVII-VII線及びVIII-VIII線断面図、図9図8のIX-IX線断面図、図10図9のX部分の拡大図である。図11は、従来のエアパッドの製造方法を示す斜視図である。
【0004】
図6~9の通り、このエアパッド1は、周縁部がウェルダー溶着もしくは、ヒートシールされたシート2,3と、シート2,3間に介在されたスポンジ等のクッション材4と、一端側がエアパッド1内に差し込まれたチューブ5とを有する。シート2,3及びチューブは塩化ビニル樹脂等の熱可塑性合成樹脂製である。このエアパッド1は、図11の通り、2枚の熱可塑性合成樹脂シート2,3間にスポンジ等のクッション材4及び熱可塑性合成樹脂製チューブ5の一端側を配置し、シート2,3の周縁部をウェルダー溶着もしくは、ヒートシールすることにより製造される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許5887676号公報
【特許文献2】特許4423481号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の通り、シート2,3をウェルダー溶着もしくは、ヒートシールをしてエアパッド1を製造するに際しては、シート2,3間にクッション材4とチューブ5の一端側とを介在させた状態で、ウェルダー溶着装置もしくは、ヒートシール装置でシート2,3の周縁部を挟み、加圧、加熱する。シート2,3及びチューブ5は熱可塑性合成樹脂製であるので、この加圧、加熱によりシート2,3同士が融着される。また、チューブ5の外周面もシート2,3に融着する。
【0007】
ところが、図10の通り、チューブ5の外周面とシート2,3とが会合する三重会合部(チューブ側面部)にあっては、三者の間に微小な隙間が生じ、空気リーク(漏出)が生じ、心拍や呼吸の検出精度が悪くなることがあった。
【0008】
本発明は、チューブと1対のシートとの三重会合部が気密に封じられた、気密性の高いエアパッドを製造する方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の要旨は次の通りである。
【0010】
[1]周縁部がウェルダー溶着もしくは、ヒートシールされた1対の熱可塑性合成樹脂製のシートと、該シート間のシール融着部で囲まれたスペース内に配置されたクッション材と、一端側が該スペース内に差し込まれ、他端側がエアパッド外に延出している熱可塑性合成樹脂製のチューブとを有する生体情報検出用エアパッドの製造方法において、
1対の該シート間に該クッション材を配置した状態で該シートの周縁部同士をウェルダー溶着もしくは、ヒートシールにより融着を形成し、この際、シートの一辺部に沿って、シート同士が融着されていない未融着部を形成する工程と、該未融着部に前記チューブの一端側を差し込む工程と、該未融着部及び該未融着部に差し込まれたチューブをウェルダー溶着装置もしくは、ヒートシール装置の治具で挟んで該未融着部のシートとチューブとを融着させる工程とを有する生体情報検出用エアパッドの製造方法であって、前記未融着部の前記一辺と平行方向の長さLと、前記チューブの外周長π×D(Dはチューブの外径)との関係式2L/(π×D)を1.02~1.30とすることを特徴とする生体情報検出用エアパッドの製造方法。
【0011】
[2]前記治具は、前記シートに対面する面に、前記チューブが差し込まれた未融着部を挟圧するための半円筒形の凹所を有しており、半円筒形の該凹所の半径rと、チューブ外径Dと、未融着部のシートの厚さtとは、2r/(D+2t)の値が0.70~0.98となる関係を満たす[1]の生体情報検出用エアパッドの製造方法。
【0012】
[3]前記スペースは長方形状であり、前記融着部は、該スペースの長側辺に沿う1対の長手融着部と、該スペースの短側辺に沿う1対の短手融着部とを有しており、一方の短手融着部の辺方向、もしくは一方の長手融着部の辺方向のいずれかの箇所の1箇所に前記未融着部が設けられている[1]又は[2]の生体情報検出用エアパッドの製造方法。
【0013】
[4]前記シートの融着前の厚さが50~1000μmであり、前記チューブの外径が2.0~7.0mmであり、チューブの肉厚が0.5~1.5mmであり、前記治具により融着する部分の前記チューブ長さ方向の長さaが3.0~20.0mmであり、チューブと直交方向の長さbが10.0~60.0mmである[1~3]の生体情報検出用エアパッドの製造方法。
【0014】
[5]前記熱可塑性合成樹脂は、塩化ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリウレタン樹脂、及びフッ素樹脂のいずれかであり、且つチューブとシートの融着面の素材が同一である[1]~[4]のいずれかの生体情報検出用エアパッドの製造方法。
【0015】
[6]チューブ内径dの内面側に外径がEの金属棒もしくは、熱硬化性樹脂棒を挿入してウェルダー溶着もしくは、ヒートシールを行い、この時、E/dの値が0.8~1.0である[1]~[5]のいずれかの生体情報検出用エアパッドの製造方法。
【0016】
[7]前記治具と前記シートに対面する面に、厚さTで、前記熱可塑性樹脂よりも軟化点が20℃以上高い熱可塑性樹脂もしくは、熱硬化性樹脂の厚さ調整シートをはさみこみ、ウェルダー溶着もしくは、ヒートシールを行い、この時、T/((D-d)/2)の値が0.03~0.30である[1]~[6]のいずれかの生体情報検出用エアパッドの製造方法。
【発明の効果】
【0017】
本発明の生体情報検出用エアパッドの製造方法によると、チューブの外周面と1対のシートとの三重会合部において三者が気密に融着するので、この三重会合部からの空気リークが防止された、気密性の高いエアパッドが製造される。気密性試験の結果は、図13において示す。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】実施の形態に係る生体情報検出用エアパッドの製造方法を示す斜視図である。
図2図1のII-II線に沿う拡大断面図である。
図3図2のIII部分の模式的な拡大図である。
図4】シート間のチューブ挿入部にチューブを挿入した状態における図1のIV矢視図である。
図5】ウェルダー溶着もしくはヒートシール方法を示す説明図である。
図6】エアパッドの一例を示す斜視図である。
図7図6のVII-VII線断面図である。
図8図6のVIII-VIII線断面図である。
図9図8のIX-IX線断面図である。
図10図9のX部分の拡大図である。
図11】従来のエアパッドの製造方法を示す斜視図である。
図12】ウェルダー溶着もしくはヒートシール方法を示す説明図である。
図13】ウェルダー溶着もしくはヒートシール試験の結果である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図1~5を参照して実施の形態に係る生体情報検出用エアパッドの製造方法ついて説明する。
【0020】
この実施の形態に係る生体情報検出用エアパッドの製造方法により製造されたエアパッド1の構成は図6~9と同じである。即ち、エアパッド1は、周縁部がウェルダー溶着もしくはヒートシールされたシート2,3と、シート2,3間に介在されたクッション材4と、一端側がエアパッド1内に差し込まれたチューブ5とを有する。シート2,3及びチューブ5は熱可塑性合成樹脂製である。シート2,3の厚さは同一である。
【0021】
クッション材4は、ウェルダー融着もしくはヒートシールによる融着部11~15で囲まれた部分(スペース)内に配置されている。
【0022】
この実施の形態に係る生体情報検出用エアパッドの製造方法によってエアパッドを製造するには、図1の通り、2枚のシート2,3間にクッション材4(図1では図示略)を介在させた状態でシート2,3の周縁部をウェルダー溶着もしくはヒートシールする。ウェルダー溶着もしくはヒートシールによりシート2,3同士を融着する融着部11~15が形成される。
【0023】
シート2,3は長方形状であり、融着部11,12は長方形のシート2,3の双方の長側辺部21,22に沿って延在する。融着部11,12は、シート2,3の一方の短辺部23から他方の短辺部24にまで連続して直線状に延在している。
【0024】
融着部13は、シート2,3の一方の短辺部23に沿って長側辺部21から長側辺部22まで直線状に延在している。
【0025】
融着部14,15は短辺部24に沿って直線状に延在している。融着部14は、長側辺部21から短辺部24の辺方向中央近傍にまで延在している。融着部15は長側辺部22から短辺部24の辺方向中央近傍にまで延在している。融着部14,15の延在方向長さは、短辺部24の辺長の1/2よりも短い。そのため、短辺部24の辺方向中央付近においては、融着部14,15間に長さL(図3)の未融着部16が形成される。
【0026】
本発明では、この長さLをチューブ5の外周長の1.02~1.30倍とする。即ち、チューブ5の直径(外径)をDとした場合、2L/(π×D)を1.02~1.30とする。2L/(π×D)は好ましくは1.02~1.20、特に好ましくは1.02~1.10とする。πは円周率である。
【0027】
図1のようにシート2,3の周縁部を融着部11~15によって融着した後、未融着部16に矢印IVの通りチューブ5の一端側を差し込み、融着部14,15よりも奥側にまで挿入する(図4の状態。なお、図4はチューブを未融着部16に挿入した後における図1のIV矢視図であり、チューブ5は断面として示されている。)。
【0028】
その後、図5の通り、ウェルダー溶着装置もしくはヒートシール装置の治具31,32で未融着部16及びその近傍領域を上下両側から挟み、加圧、加熱する。治具31,32の対向面(図5では、治具31の下面及び治具32の上面)には、それぞれ、チューブ5及びチューブ5に重なるシート2,3を受容するための、半円筒形の凹所31a,32aが設けられている。
【0029】
この実施の形態では、半円筒形の凹所31a,32aの半円筒の半径rと、シート2,3の厚さ(融着前の厚さ)tと、チューブ5の直径Dとの関係が次の通りとなるように半径rを設定する。即ち、2r/(D+2t)が好ましくは0.70~0.98、特に好ましくは0.80~0.98となるように半径rを設定する。
【0030】
上述のように、未融着部16の長さLとチューブ5の外周長π・Dとの関係式2L/π・Dを1.03~1.30と小さくする、即ち、未融着部16を円筒形とした場合の該円筒の内径をチューブ5の外径よりもごく僅かだけ大きくした形態にてチューブ5とシート2,3とを治具31,32で融着させることにより、チューブ5とシート2,3との三重会合部における隙間の発生が防止される。これにより、エアパッド1の気密性が高いものとなる。
【0031】
また、ウェルダー溶着装置もしくはヒートシール装置の治具31,32の半円筒形凹所31a,32aの半円筒の半径rと、シート2,3の厚さtと、チューブ5の直径(外径)Dとの関係を2r/(D+2t)=0.70~0.98を満たすものとすることにより、ウェルダー溶着時もしくはヒートシール時に凹所31a,32aの内周面がシート2,3をチューブ5の外周面に強く押し付ける。この結果、チューブ5とシート2,3との三重会合部における隙間の発生が防止される。これにより、エアパッド1の気密性が極めて高いものとなる。なお、治具31,32の半円筒形凹所31a,32aの半円筒の内周面と治具31,32の対向面とが交わる角縁部は、治具の制作加工精度の許容範囲内において、なるべくシャープであること(丸みを帯びていないこと)が好ましい。
【0032】
治具31,32の対向面は、シート2,3に直に接してもよいが、図12のように、該対向面に厚さ調整シート37,38を設けてもよい。また、図12のように、チューブ5内に、チューブ5が治具31,32に押圧されたときに潰れることを防止するための円柱状の棒(又は円筒状のパイプ)36を挿入してもよい。棒又はパイプ外径Eとチューブ内径dとの比E/dは0.8~1.0であることが好ましい。
【0033】
このようにして製造されたエアパッドは、気密性が良好であるため、このエアパッドを用いて人体の横臥姿勢の変化、人の心拍、呼吸などの生体情報を長期にわたって精度よく検出することができる。
【0034】
上記実施の形態ではシート2,3間に融着部11~15で囲まれたスペースが1個だけ形成されるが、辺23,24方向の長さが図1の2倍又は3倍以上のシートを用い、2個又は3個以上の該スペースを設け、各スペースにそれぞれチューブ5を挿入する場合にも本発明を適用することができる。
【0035】
上記実施の形態では、未融着部16は短辺部に配置されているが、長側辺部に配置されてもよい。また、中央部ではなく中央からずれた位置に配置されてもよい。
【0036】
なお、本発明を特に限定するものではないが、シート2,3、チューブ5、クッション材4、及びヒートシールの好ましい条件を挙げると、次の通りである。
【0037】
<シート2,3>
材料:融着面が塩化ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリウレタン樹脂、フッ素樹脂(PTFE樹脂など)等の単層のもの、もしくは、融着面ではない側に別の単層もしくは複層の樹脂層を積層したもの
厚さ:50~1000μm、特に100~500μm
【0038】
<融着部間の距離>
融着部11,12間の距離:30~150mm、特に40~100mm
融着部13と融着部14,15間の距離:160~1000mm、特に200~800mm
【0039】
<チューブ5>
材料:塩化ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリウレタン樹脂、フッ素樹脂(PTFE樹脂など)等で、特にシート2,3と同一樹脂であることが好ましい
外径:2.0~7.0mm、特に3.0~6.0mm
肉厚:0.5~1.5mm、特に0.7~1.2mm
【0040】
<クッション材4>
材料:ポリウレタン樹脂スポンジ、ポリエチレン樹脂スポンジ、スチレンブタジエンゴムスポンジ、天然ゴムスポンジ、クロロプレンゴムスポンジ、エチレンプロピレンゴムスポンジ、アクリルニトリルブタジエンゴムスポンジ、及びその混合材料のスポンジ等
厚さ:3~30mm、特に5~15mm
【0041】
<ウェルダー溶着>
融着方法:高周波誘電加熱により直接被加熱部を加熱し溶接する高周波ウェルダー溶着、超音波振動を被加熱部に伝えて加熱し溶接する超音波ウェルダー溶着等
融着温度:80~150℃、特に100~120℃
融着時間:2~60s、特に3~30s
【0042】
<ヒートシール>
融着方法:外部熱源で加熱した熱線もしくは熱板を用いて熱伝導による加熱方式
融着温度:80~180℃、特に100~140℃
融着時間:5~120s、特に10~60s
【0043】
<チューブ内部に挿入する棒又はパイプ>
材料:SUS、アルミ、真鍮等の金属、熱硬化性樹脂
外径:1.0~4.0mm、特に1.6~3.6mm
【0044】
<厚さ調整シート>
材料:フッ素樹脂、エポキシ樹脂、熱硬化性ポリイミド樹脂等
厚さ:35μm~350μm、特に45μm~250μm
【0045】
<チューブ5付近における治具31,32による融着部a,bの大きさ>
チューブ5の長さ方向における融着部の長さa(図8):3.0~20.0mm、特に4.0~15.0mm
チューブ5と直交方向における融着部の長さb(図9):10.0~60.0mm、特に20.0~50.0mm
【符号の説明】
【0046】
1 エアパッド
2,3 シート
4 クッション材
5 チューブ
11~15 融着部
16 未融着部
21,22 長側辺部
23,24 短辺部
31,32 ウェルダー融着もしくはヒートシール装置の治具
31a,32a 凹所
36 チューブに挿入する棒
37,38 厚さ調整シート
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13