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  • 特開-反動式天秤 図1
  • 特開-反動式天秤 図2
  • 特開-反動式天秤 図3
  • 特開-反動式天秤 図4
  • 特開-反動式天秤 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023010472
(43)【公開日】2023-01-20
(54)【発明の名称】反動式天秤
(51)【国際特許分類】
   A01K 91/053 20060101AFI20230113BHJP
【FI】
A01K91/053
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021114659
(22)【出願日】2021-07-10
(71)【出願人】
【識別番号】500268270
【氏名又は名称】小林 聰高
(72)【発明者】
【氏名】小林聰高
【テーマコード(参考)】
2B307
【Fターム(参考)】
2B307EB11
2B307EB20
(57)【要約】      (修正有)
【課題】反動を有する釣り天秤において、魚が針掛かりをするとき様々な動作により針外しをする。該針外し動作を防ぐ反動有する天秤により、針掛かりを効果的にするための天秤を提供する。
【解決手段】軸部3と弾力性の腕部2を有した天秤1において、軸部3の上端と腕部2の先端の間に伸縮性を有する、ゴム又はバネを設けて腕部2の反動を高める。しかし、魚の種類、その時の潮等により魚に対し合わせが微妙に異なることから天秤1の反動、及び振動数を変化することが望まれ、該反動を変化することを可能にした天秤である。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属線素材からなる軸部と腕部を具えた天秤と弾性体のゴム材、又はバネ材を用いて、
前記腕部の先端と軸部側、及び前記軸部側の腕部に複数のリングを設け、
前記弾性体の一方端を前記腕部の先端リングに着脱自在に装着し、
前記弾性体のもう一方端を前記軸部側、又は前記軸部側の腕部の間に設けたいずれかのリングに着脱自在に装着する。
前記弾性体のもう一方端をリングの装着位置により、魚信にたいして前記腕部の反動力、及び振動数の変化することを特徴とする反動式天秤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、釣り天秤において腕部と軸部の間に弾性体のゴム、又はバネを設け、反動力を変更可能な天秤に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、軸部(力糸と錘側)と腕部(先端は仕掛け側)を具えた天秤において、
軸部上端の道糸側と腕部先端のハリス側の間に引きバネ又はゴム材を取付け、腕部が弾力性の湾曲状を形成したことを特徴とする釣り天秤がある。(例えば特許文献1参照)
【0003】
また、片天秤のハリス側蔓に、遊離して添わせたハリス蔓と、ハリス側蔓と共に、圧縮コイル、バネ、及び圧縮コイルバネ群を直列に配した、中空内を貫通状に配し、圧縮コイルバネ、及び圧縮コイルバネを介し、ハリス側蔓及びはりす蔓とを設け、衝撃的な荷重を吸収し、緩衝効果を発揮するようにしてなることを特徴とする釣用片天秤がある。(例えば特許文献2参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007-105021号 広報
【特許文献2】特開2000-157125号 広報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記記載の特許文献の天秤において下記のような問題がある。
天秤の腕部先端より取り付けたハリスにおいて、魚の食いつきにより魚信に対し、天秤の腕部と腕部より軸部に設けた引く部材により反動を有するが、その反動が一定であることから、その時の潮の変化などにより、魚の食いつきの強さ、魚信が異なることが多い、また魚の大きさ、種類により引く強さが異なることから、前記天秤一体と竿先の魚信に対するあわせが異なることで、針掛かりが逢わない、まして置き竿等においては多々あるものである。
【0006】
上記の課題に鑑み、天秤の腕部と軸部の間に設ける弾性体のゴムなどを用いて、前記弾力材の一端を腕部の先端部に取付、前記弾力材のもう一端を軸部の先端、又は軸部の中間部、あるいは軸部と腕部の接合付近、又は腕部状に取付部を設け、取付位置を変えることができるようにし、反動力変化することが可能とし、魚の種類、潮、水の温度変化等により魚信の変化に対し敏感にあわせることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明は金属線素材からなる軸部と腕部を具えた天秤と弾性体のゴム材、又はバネ材を用いて、
前記腕部の先端と軸部側、及び前記軸部側の腕部に複数のリングを設け、
前記弾性体の一方端を前記腕部の先端リングに着脱自在に装着し、
前記弾性体のもう一方端を前記軸部側、又は前記軸部側の腕部の間に設けたいずれかのリングに着脱自在に装着する。
前記弾性体のもう一方端をリングの装着位置により、魚信にたいして前記腕部の反動力、及び振動数の変化することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、以上説明したように構成されているので、以下に記載されているような効果を奏する。
【0009】
魚の食いつきにより魚信に対し、天秤の腕部と腕部より軸部に設けたゴム又はバネにより反動を有するが、その反動が一定であることから、その時の潮の変化などにより、魚の食いつきの強さ、魚信が異なることが多い、また魚の大きさ、種類により食いつきの強さが異なることから、その状況によりゴム、又はバネの取付け位置を変えることで軸部と腕部の反動を変化し、微妙に合わせることで魚を容易に釣り上げることができる効果がある。
【0010】
また、ハリスの餌に魚が食いつくと、天秤の腕部と軸部間の弾性体のゴム、又はバネの反動により、良く合わせることができ、さらに弾性体のゴム、又はバネの装着位置を変更により反動力の変化とともに、天秤の振幅数が変化し魚への誘いが異なり、釣り上げる効果を上げることが可能である。
なお、置き竿においてもその効果を発揮するものである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施例において、反動式天秤に弾性体(ゴム又はバネ)を装着する状態の正面図である。
図2】本発明の実施例において、天秤の腕部の先端リングと軸部の各リングに弾性体(ゴム又はバネ)を装着した図において、弾性体を示す実線図は軸部の軸上リングに装着の状態、鎖線は軸中リングに装着の状態、点線は軸下、腕リングに装着した状態の反動式天秤の正面図である。
図3】本発明の反動式天秤の針に魚がかかり、引いた状態の動作図である。
図4】反動式天秤の針に魚がかかった状態で反動式天秤が反動作用した状態の正面図である。
図5】軸部と腕部を一体とした天秤にして、複数のリングを設けた反動式天秤の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施の形態について図面を参照して説明をする。
【0013】
本発明の実施例の形態について、図1から図4を参照して説明をする。
図1は天秤の腕部2と軸部3に弾性体のスナップを装着する各リング設けた反動式天秤と弾性体4としてゴム4を用いて、ゴム4の両端にスナップを取付て装着する状態の正面図である。
図2は反動式天秤1の腕部2の先端リングと軸部3の各リングに弾性体のゴム4を装着した図において、図の実線は軸部の軸上リングBにゴム4のスナップを装着した状態、 また、図の鎖線は軸中リングCに装着の状態、さらに、図の点線は軸下、腕リングDに装着した状態の反動式天秤の正面図である。
図3は反動式天秤の針に魚がかかり、魚が引いた状態の動作図である。
図4図3より反動式天秤の針に魚がかかった状態から、反動式天秤が反作用した状態の正面図である。
【0014】
図1図2図3及び図4に示すがごとく、弾性を有する金属線素材からなる軸部3と腕部2を形成した天秤、前記軸部3上端に道糸を装着する道糸リング9と軸部3の下端に錘7を着脱可能にする錘リング10にし、腕部2の先端に ハリス6を装着するハリスリング11を設けた天秤を用いて、
前記天秤の軸部3をもとに腕部2の反動を効果的にすることで、図1に示すように、弾性体4としてのゴム4を用いて、前記腕部2の端と前記軸部3の間に前記ゴム4を着脱可能とする。
前記弾性体4の装着の位置を変えることを可能にすることから、腕部2の腕先リングAを設けゴム4の一方端を装着し、またゴム4のもう一方端を装着することで軸部3の上部に軸上リングB、軸中程に軸中リングC、及び軸下部附近、又は軸下付近の腕部2に軸下、腕リングDを設けて、そのいずれかに前記ゴム4のもう一方端をするように設けた反動式天秤を形成する。
【0015】
また、前記ゴム4を前記腕部2端に腕先リングAを設け、軸部3側に上部に軸上リングB、軸中程に軸中リングC、及び軸下部附近、又は軸下付近の腕部2に軸下、腕リングDの複数のリングに装着を容易とすることから、前記ゴムの両端にスナップ12を設けてそれぞれのリングに着脱自在とする。
なお、金属線素材は主にピアノ線、硬質ステンレス線、又はスチール線等を用いる。
【0016】
よって、腕先リングAに前記ゴム4の一端のスナップ12を装着し、もう一端のゴム4端のスナップ12を軸部3に設けた軸上リングB(図2の実線)、又は軸中リングC(図2の鎖線)、又は軸下、腕リングD(図2の点線)に装着を変更することを可能とする反動式天秤1を形成する。
いま、反動天秤の作用について、一方のスナップ12を軸上リングBに装着と、軸中リングCに装置と、又は軸下、腕リングDに装着すると天秤は弓状を形成する。
前記弓状の形成は、スナップをリングの装着の位置で弓状の形状は異なり、反動式天秤の反動作用は異なることから、前記反動式天秤1の反動力は、
軸上リングBの反動力>軸中リングCの反動力>軸下、腕リングDの反動力
となり軸上リングBに装着した状態の反動式天秤1の強い反動となり、軸下、腕リングDに装着すると反動は弱くなる。
また、スナップをリングの装着の位置を変えることで、反動力(引き力)は前記記載の如く変化すると同時に振動数も変化し、軸上リングBの装着と軸下、腕イングDの装着の振動数は、
軸上リングB位置<軸中リングC位置<軸下、腕リング位置の各振動数
となり、装着位置により魚の誘い、合わせが異なるものである。
なお、魚信に対し反動力の強、弱の変化において、強い反動が良いとは限らず、魚の種類、大きさ、その時の潮、又は魚の喰い等の状況により異なるものである。
また、状況によっては弾性体の引きゴム等を取り外すことも可能である。
【0017】
以上の構造から、釣竿よりの道糸5を反動式天秤1の道糸リング9に結び、錘リング10に錘7を取付けて、ハリスリング11にハリス6を取付、針8は一般的に1本針から3本針程を利用する。例として、反動式天秤1の腕部2全長が15cm程のとき錘7は8号~15号程ので、針8は6号~10号程のものを構成することにより、主に海中のキス、カレイ、メゴチ、イシモチ等で、あるいは川の鮒を釣ろうとするものである。
以上の仕掛を水中に投げると、海底、河底等の砂地等に到達することで反動式天秤1は錘8を起点にして、魚が餌に食いつき、引きちぎるよう動作をすると、図3に示すようにXの方向に引かれるが道糸5の張りと錘7の重力によって、反動式天秤1の弓状に形成した腕部2の弾力性と引きゴム4の総合の反動により、図4に示すように、Yの方向に引き戻す力が働くことで瞬時に針8合わせすることができる。また、餌のみを食いちぎったときにおいても、魚がハリス6を引くことで腕部2と引きゴム4の反動によってハリス6が急激に戻り、餌が踊ることで魚を誘うことによって、再び魚が食いつき針8がかりをすることができるものである。
さらに、アジ釣り等においても反動式天秤1は魚信に対し、有効な効果を得るものでる。
【0018】
また、道糸5が竿との間で多少の弛みが生じても、錘7の重みによって弓状の腕部2とゴム4によって、自動合わせのようになり釣揚げることができる。
また、中層の魚を釣るときにおいても、錘7の重さ、引きバネ3と反動式天秤1の腕部2とのバランスによって引きの強いものを利用することで、魚の食い付きに対してタイミングよく合わせることができるものである。
【0019】
なお、魚の種類、魚の大きさ、又は潮の状態で餌の食いつきが様々に異なり、その状況により針8サイズ、餌の付け方、錘7の重さ竿を変えたりするものである。
この状態において反動式天秤1の反動力を変えることが必要となる。
これらのことから、(0015)項に記載の如く、ゴム4の装着のスナップ12を腕先リングAに装着し、一方のゴム4のスナップ12を軸部3の軸上リングB、軸中リングC、又は軸下、腕リングD等のいずれかにスナップ12を装着することで、反動式天秤1の反動を変化することで魚の針掛かりの効果を高めることが可能である。
【0020】
よって、前記反動式天秤1を用いることで、魚釣り効果はよく、また 置き竿においての魚釣りの効果は極めて良いものである。
【0021】
また、前記弾性体においてゴム材の利用を説明したが、弾性体をゴム材と同様にバネ材を用いることが可能である。
さらに、引き力の異なる強さのゴム、又はバネを用いることで釣りの応用範囲を広めることができる。
【0022】
なお、前記記載の反動天秤1とやや異なる反動式天秤について、図5に示した説明をする。
【0023】
軸部3と腕部2一体で弓状に形成した天秤と弾性体4のゴム材、又はバネ材を用いた反動式天秤1について、図5に示すように弓状に形成した軸部3と腕部2の連なる一部分に錘7を着脱自在に装着するリング10を設ける。
軸部3と腕部2一体の軸部3にあたる先端に道糸側とし、もう一方の腕部2にあたる先端にリング11ハリス側とする。
ここで、弾性体4の一端を腕部2端に装着する腕先リングAを設け、弾性体4のもう一方を軸部3から腕部2に至る軸上に複数のリングを設けて着脱自在に装着する反動式天秤1である。
前記軸上の複数のリングは軸部の先端から順に軸上リングB、軸中リングC、軸下、腕リングDの順に設ける。
よって、前記軸上リングB、軸中リングC、軸下、腕リングDのいずれかに着脱自在に装着することで、魚信に対し反動式天秤1の腕部2の反動力を変化することが可能となる反動式天秤1。
【符号の説明】
【0024】
1は反動式天秤
2は腕部
3は軸部
4は弾性体(ゴム、又はバネ)
5は道糸
6はハリス
7は錘
8は針
9は道糸リング
10は錘リング
11はハリスリング
12はスナップ
Aは腕先リング
Bは軸上リング
Cは軸中リング
Dは軸下、腕リング
図1
図2
図3
図4
図5