(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023010481
(43)【公開日】2023-01-20
(54)【発明の名称】セミフラット街渠用縁石付き蓋掛けU形側溝
(51)【国際特許分類】
E03F 5/04 20060101AFI20230113BHJP
E01C 11/22 20060101ALI20230113BHJP
【FI】
E03F5/04 A
E01C11/22 B
E03F5/04 D
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2021132464
(22)【出願日】2021-07-07
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-08-23
(71)【出願人】
【識別番号】503234115
【氏名又は名称】大嶋 正剛
(72)【発明者】
【氏名】大嶋 正剛
【テーマコード(参考)】
2D051
2D063
【Fターム(参考)】
2D051AA03
2D051AB03
2D051AC06
2D063CA03
2D063CA22
2D063CB14
(57)【要約】
【課題】 段差のある歩車道境界において歩道と自転車通行帯の環境に適した縁石付き蓋掛けU形側溝セミフラット街渠を形成する。
【解決手段】 越流部と車止部とが交互する縁石と、エプロンとで一定長さに成型したL形エプロンをU形側溝に蓋掛け連続布設し、歩道と自転車通行帯に適したセミフラット街渠を設ける。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自転車通行帯とそれより高い段差のある歩道との境界を区分するL形ブロック落し蓋掛けU形側溝によるセミフラット街渠であって、
越流部と車止部とが交互に切れ目なく連続する縁石と、エプロンとで一定長さに成型したスリット付L形ブロック落し蓋掛けU形側溝を連続して用い、歩道面と一致する高さの前記越流部縁石上面にて布設するセミフラット街渠において、前記越流部は自転車乗入可能幅で前記車止部縁石の間隔ごとに自転車通行帯に沿って連続状態に配設されてなり、
前記越流部縁石が連続状態で歩道からの雨水流出水を滞留することなく、スリット付エプロンへ傾斜排水し、前記スリットからU形側溝内へ落下排水することと併せ、走行自転車のみ歩道への乗入れを街渠沿いに自由とすることを特徴とするスリット付きL形ブロック落し蓋掛けU形側溝によるセミフラット街渠。
【請求項2】
自転車通行帯とそれより高い段差のある歩道との境界を区分するスリット付きL形ブロック上蓋掛けU形側溝による請求項1に記載のセミフラット街渠。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、舗装道路の車道側帯と、それより高い段差のある歩道との境界に設置するセミフラット街渠用縁石付きスリット蓋掛けU形側溝に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のセミフラット街渠用縁石付蓋掛け側溝においては、縁石側面を歩道止として、車道路肩と並行して帯び状に延び、車道側帯を自転車通行用としている。
【0003】
従来、歩道のバリアフリー化において、国が示す「道路の移動円滑化整備ガイドライン」で、車道からの歩道面の高さを標準5cmと定めてあり、エプロン渠底とそれより高い5cm段差境界のセミフラット街渠においては、縁石が車止構造として歩道面からさらに10cm~20cm高く設置されるので、歩道面の雨水排水を切れ目なく連続する境界縁石が遮るため、水抜きに設けた穴明開口からのみエプロンに排出している。
【0004】
連続する歩車道境界縁石に沿って、路肩車道側帯を走行する自転車が、時として、前方に駐停車中の車両を避ける場合、安全な歩道には乗入できず、隣接車線の車道へ入らざるをえない危険を有してもいる。
【先行技術文献】
【0005】
【特許文献1】特開2014-66057号公報
【特許文献2】特開2017-106291号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
段差境界のセミフラット街渠においては、歩道面の雨水排水を境界縁石が連続して遮るため、水抜きに設けた穴明開口からのみエプロンに排出しており、大雨時の水たまりや歩行者への水はねを抑制できず、集水幅員が広い歩道や縦断勾配が取れない箇所では、快適な歩行環境を得にくく、
また、切れ目なく連続する歩車道境界縁石の障壁に沿って、歩道に進入出来ない路肩通行帯を走行する自転車が前方に駐停車中の車両を避けて隣の車道車線に入らざるをえない場合が生じる危険性も常に伴っているので、歩道面への一時回避による安全向上の必要も課題とされている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため本発明の側溝は、縁石付蓋を用い、その縁石を歩道面に一致する自転車乗入も可能の排水越流部と、それより高い歩車道境界車止部とが、交互にエプロンから立上る構造とし、アスファルト主舗装止めを兼ねる落し蓋U形側溝か、上蓋U形側溝で蓋版の上をセミフラットL形エプロン排水落下スリット付き街渠とする。
【0008】
自転車通行帯と、それより高い歩道面との段差境界の縁石付きL形エプロン街渠において、連続する縁石が歩道面と一致する低い越流部と、高い車止部が、おおむね1m交互に設置されて歩道面の雨水が道路沿い連続状態でエプロンに越流排水できるとともに、自転車のみ走行中に歩道面への乗り入れが、ずい時可能となる。
【0009】
L形エプロンは、U形側溝の排水落下スリット付き蓋版でもあり、連続状態のスリットが歩車道面への流出雨水をU形側溝内に落下排水するものである。
【発明の効果】
【0010】
越流部と車止部とが交互し、切れ目なく連続する縁石付き蓋掛街渠によって、車止部は通行車両が乗り入れできない高さに形成され、越流部が広い歩道面の雨水を街渠エプロンへ落下排水するための十分な流下帯となる。
【0011】
車止部と越流部とが交互に連続する歩車道境界縁石沿い自転車通行帯においては自転車走行中に前方に駐停車中の車両を避けて、歩道内に一時回避する場合も安全性が確保でき、安全で快適な自転車通行帯を創出するものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】 縁石付き落し蓋を用い、上面L形エプロン街渠とする蓋掛けU形側溝の実施例を示す切欠斜面図である。
【
図2】 縁石付上蓋を用い、上面L形エプロン街渠とする蓋掛けU形側溝の実施例を示す切欠斜面図である。
【
図5】
図1の実施例における縁石付き落し蓋の斜面図である。
【
図6】
図2の実施例における縁石付き上蓋の斜面図である。
【
図7】 縁石付き落し蓋の側溝本体との支承面に対応した他の実施例を示す斜面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
U形側溝は、おおむね通水断面が内幅上部30cm~40cm、内高10cm刻みで30~120cm、長さは2mとするプレキャストコンクリートで供給され、基礎上に順勾配で落し蓋側溝では路面を天端高として、また上蓋側溝では路面から蓋版厚さ下りを天端高として布設する。
上面の蓋版は厚さ9cm~12cm、長さは2m等とする越流部と車止部とが交互する縁石付きプレキャストコンクリートで供給され、側溝本体上に落し蓋か上蓋として設置する。
【0014】
舗装道路の車道側帯用側溝としては、段差のある車道と歩道の境界に沿って越流部と車止部とが交互する縁石付き蓋を用い、蓋版上をエプロン街渠とする。
縁石は渠底から用途に応じ高さ15cm、20cm、25cmで蓋版の歩道側に歩道面とセミフラット形成での設置とする。
【実施例0015】
図1に路面を天端高として布設した側溝本体上に縁石付き落し蓋を設置した舗装道路の車道側帯用側溝の実施例を示す。
図1の実施例は
図3図5にも示すとおり落し蓋(2)とする路肩(16)に設けたL形街渠施設である。
U形側溝(1)に設置する落し蓋(2)は、越流部(5A)と車止部(5B)とが交互する縁石(5)付きでL形エプロン(4)の渠底近くに長さ方向連続状態のスリット(8)付きである。
スリット(8)は街渠(15)からU形側溝内への落下排水用となる。
この実施例ではU形側溝の内底に調整コンクリート(25)を打設し必要な排水勾配を形成している。
【0016】
図2は路面から蓋版厚さ下りを天端高として布設した側溝本体上に舗装止めを兼ねて縁石付き上蓋を設置した舗装道路の車道側帯用側溝の実施例を示す。
図2の実施例は
図4図6にも示すとおり、上蓋(3)とする路肩(16)に設けたL形街渠施設である。
U形側溝(1)に設置する上蓋(3)は、越流部(5A)と車止部(5B)とが交互する縁石(5)付きでL形エプロン(4)の渠底近くに長さ方向連続状態のスリット(8)付きである。
スリット(8)は街渠(15)からU形側溝内への落下排水用となる。
【0017】
図7は縁石付き落し蓋(2)でU形側溝(1)の支承面形状に対応し、蓋隅角部を弯曲および傾斜とした実施例である。