(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023104820
(43)【公開日】2023-07-28
(54)【発明の名称】廃棄物を利用したエネルギー創出システム
(51)【国際特許分類】
C01B 3/02 20060101AFI20230721BHJP
C12P 5/02 20060101ALI20230721BHJP
C02F 11/04 20060101ALI20230721BHJP
【FI】
C01B3/02 B
C12P5/02 ZAB
C01B3/02 H
C02F11/04 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2022015224
(22)【出願日】2022-01-17
(71)【出願人】
【識別番号】500435562
【氏名又は名称】有限会社高島商事
(72)【発明者】
【氏名】高嶋 二夫
【テーマコード(参考)】
4B064
4D059
【Fターム(参考)】
4B064AB03
4B064CA01
4B064DA16
4D059AA01
4D059AA03
4D059AA07
4D059BA12
4D059BA56
4D059CC10
(57)【要約】 (修正有)
【要約】
【課題】これまで廃棄されてきた無機、有機物をエネルギーに変換し、主に電気そして水素を安価で大量に製造するシステムおよび方法を提供する。
【解決手段】焼却炉、下水処理、バイオマス処理をコンビナート化し、焼却炉の排熱を段階的温度体系で、発電、水素製造、バイオマスからのメタン製造ならびにメタンからの水素製造に利用するシステム。廃棄物の焼却で生じた1000℃以上の高温を利用し、水素製造、熱電発電の熱源とした後に残熱でバイオマスからのメタン発生を行い、メタンは焼却炉排熱を用いた水素製造の原料とする。これらの工程で生じたNOX等の有害物質は水処理で除外する。これまで、処理のためエネルギーを消費してきた廃棄物から、廃棄物がもつ潜在エネルギーを効率よく引き出す事により、エネルギーを逆に取得することが可能になる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項001】
焼却炉、下水処理場、バイオマスをコンビナート化し、焼却炉の排熱を段階的温度体系で発電及び水素を製造する。
【請求項002】
下水処理場での全ての有機廃棄物をバイオマスに送り、メタンを製造し、水素製造の原材料とする。メタン発生の熱源は焼却炉の排熱及び、復水器、冷却熱を使用する。
【請求項003】
焼却炉の最終排熱(常温)は有害物質であるNOX、SOX等、全て特許4786038を使用して水処理する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
これまで、焼却炉、下水処理場、バイオマスをトータル的にゼロエミッションの実現を考慮したエネルギー創出システムは無く、プラスチック類を含む熱エネルギー活用がなされていなかった。故に環境汚染が地球規模となった。今回出願するシステムは人類が産業革命以来、見落とされてきた静脈ともいえる廃棄物をエネルギー化し、利益追求型また持続可能産業として環境改革を実現化するシステムである。
【0002】
焼却炉は現在ダイオキシン及びNOX、SOXを考慮した焼却方式である故に、950~1000℃までで処理されている。故に大量のプラスチックを焼却する事ができない。それで二次炉を併設し、プラスチック等の廃棄物で1500℃まで昇温を可能にする。燃料は廃棄物プラスチック類(化学繊維を含む)を使用する。熱量コントロールはHHOガスを活用する。尚、水を水素にする時は酸素を二次炉で活用する。
【0003】
2次炉の廃熱1500℃から段階的に熱カロリーを利用するエネルギーを創出する。
廃棄物のみでの常温~1500℃も可能(*)
▲1▼1500~1000℃熱利用の流れ
・集塵室 排熱に含む不燃物質ごみを採集。サイフォン方式、フィルター方式を使用する。
・焼窯分割室6~10室を使用して排気最終工程で用いたゼオライトを用いてレンガを作る。分割室は準備、予備加熱、加熱、冷却、取り出しと,生産量に対応して分割室を考慮する。
・火力発電 生産された電気エネルギーは水を水素にするために使用する。(売電も可能)
*現在の火力発電は復水器を使用してタービン効率を上げている。
復水器は海水が使用され冷却されているのが現状である。
復水器の冷却を海水ではなくバイオマス昇温のための熱源に使用する。
故に、バイオマスにて使用する熱は焼却炉排熱と復水器冷却熱を使用するため、十分なメタン発生が可能となる(図面2参照)。
▲2▼1000~800℃
・SDFC方式による水素製造を行う。
▲3▼800~600℃
・半導体発電(ゼベック効果)。
▲4▼600~250℃
・MCFC方式(カーソード発電)。
▲5▼250~50℃
・PAFC、PEFC(熱電変換モジュール)。
*▲2▼~▲5▼の温度体系の熱カロリーを使用して、メタンより水素製造を優先する。
▲6▼▲5▼以下の熱は全てバイオマスにてメタン発生に使用する。
*蒸気温度体系の中でナノファイバー生産も考慮する。
生産性の高いものに使用する。
【0004】
バイオマス(微生物活用のメタン発生バイオマス)。
効率よくメタンを発生させる為、焼却炉排熱の使用済みエネルギーをバイオマスに利用する。温度体系は30~80℃まで活用し特許4786038を使用して処理する。
バイオマスで使用する有機物
▲1▼下水処理場の有機物全てを使用する。
▲2▼生ごみ、畜糞、魚あら、農作物の残渣、畜死骸、草類、米糠、産業廃棄有機物等。
*メタンを発生させる有機物全て使用する。
▲3▼メタンは全て焼却炉排熱を使用して水素製造を行う。
▲4▼下水処理場からの有機物利用のメタン発生済みの有機汚泥は、重金属を除去する為。
電気除去方式、バイオ菌による除去方式を使用する。重金属除去後の汚泥は有機肥料として使用する。
【0005】
下水処理場は現行通り運用し集積後はバイオマスに送る。尚メタン発生後汚染水はバイオマスから下水処理場に送水する。
(現状の公営で処理するものと、バイオマスにてメタン発生及び重金属除去後の肥料として使用している民営企業の役割を明確にする)。
バイオマスの昇温システムは最終排熱、NOX、SOX等を含む排熱と復水器冷却時の熱で,十分可能となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
〔自然法則に調和〕
上記の論題は人類が文明と調和し自然環境を守り循環型産業活動を成し遂げる具体案である。
SDGs、カーボンニュートラル、ゼロエミッションを実現したものである。
〔技術的思想〕
焼却炉はNOX,SOXを発生させない為、1000℃以下にて処理。
(400~600℃はダイオキシン発生の為、900~1000℃燃焼を行っている。これを有効活用する)。
2次炉を使用して1000℃の排熱を1500℃まで昇温し発電効率,
及び段階的エネルギー活用により水素製造を行う。
発電においても復水器の冷却が海水を使用して排熱が有効活用されていなかったものを、バイオマスに大量メタン発生の為のエネルギー源として活用する。
(冷却コントロール水槽案を使用する)(図面2参照)
発電からバイオマスまで(1500~30℃)有効活用をし常温水処理により、NOX、SOXを水処理することを可能にした特許4786038使用し安価で処理する。
最終排気を特許4786038に基づきゼオライト槽を使用するが利用後のゼオライトを燃焼室でレンガを作り集塵室等でも利用する。
〔創作性〕
本システムは焼却後、下水処理場、バイオマスをコンビナート化することにより、エネルギーを最大限まで利用でき、CO2削減による温暖化防止、及びプラスチックゴミによる海洋汚染防止につながり、故にエネルギー創出となる有機、無機の廃棄物全てがエネルギーとなり、静脈が産業化され、水素社会が現実となる未だだれも試みたことがない案件である。
〔高度性〕
人類がこれまで採用したことがなく高度な文明を維持するために不可欠なものを実現する案件である。廃棄物で汚染されない地球環境の実現となる。負を追わない生産こそ高度なものである。(人類は高度なものを見出すとそれを悪用してきたが、この案 件は悪用されることはないと考えられる)。
人類全てが参画するシステムである。
高度とは全人類が求めているもの、また解決するための案件である。
【発明の効果】
1、焼却炉、下水処理場、バイオマスをコンビナート化して電気及び水素製造を安価かつ大量生産する事が可能となる。
2、現在求められている地球規模的環境汚染の解決策となる。
SDGs、カーボンニュートラル、ゼロエミッションを現実化できる。
3、エネルギー源として、有機および無機全ての廃棄物が、いわば静脈を産業化したものとなり利益追求型産業となる。
4、わが国で1000箇所以上の焼却炉があることを鑑みると、地方創生を含むエネルギー企業が生み出され、我が国は資源創出国となる。
〔発明のメリット〕
1、自然界に存在する循環システムと調和した社会構築の実現。
2、負のエネルギーを効率よく利用する循環型社会の構築。
3、稼働中の焼却炉を高温燃焼させるか、高温焼却用の2次炉を建設し、火力発電、SOFC,MCFC,PAFC,PAFC,PEFCを用いて燃料電池社会の構築。
4、水素製造による水素社会の構築。
5、全国各地に燃料生産拠点ができ労働分散型社会が構築可能。
分別作業、間伐材・雑草等の未利用資源の回収作業、コンビナートの作業および管理。バイオ処理後の有機肥料の生産。廃プラを回収し粉末加工。埋め立てされているプラスチック類の取り出し洗浄作業。畜糞。魚あら回収。その他エネルギーとなるものすべて回収する作業等。
6、国、産、学、官、民の参画になる為、生活密着型の生産活動となる。
7、CO2削減と低コストでNOX、SOXを常温で除去。地球環境に貢献。
8、化石燃料の高騰抑制。
地球温暖化抑制効果となる。
9、高熱を利用した分散型連続稼働可能焼き窯によるタイル、ブロック生産。(SOX処理からできる石膏利用。使用済みゼオライトも活用)。
10、下水処理場に集積される有機物はすべてバイオマスに流れる物量を増加させる為各家庭にディスポーザを採用。また生ごみ水分率の高い焼却物を少なくする。
11、このプランニングには国民に公募して公平な審査により誰でも参画できるようにすることにより、国民全体の認識が高まり新産業ができる。
12、消費地での電力生産のため放電ロスが少ない。
13、政府が打ち出した地方創生の条件に最適である。
イ)永続的新産業であること
ロ)若者が都会からのUターンする魅力ある産業であることが求められ、それに適合する。
14、この計画の成功は現在熱エネルギー利用企業にも適用出来る新し産業創出が期待できる。
15、火力発電を効率化する為、燃焼炉排熱を2次炉を使用して1500℃にしてNOX、SOX(高温にする為NOX 〉SOX)となり水処理時点でメリットが出る。
16、現状の火力発電所にも水素製造また復水利用もバイオマスエネルギーにも活用できる。
17、このシステムはSDGs、カーボンニュートラル、ゼロエミッションが現実のものとなり、静脈(廃棄物)を利益追及型産業の創生となる。
【図面の簡単な説明】
【
図1】1,下水処理場 ・家庭からの台所、トイレ、排出物。・ディスポーザーを活用し下水管を最大限活用。・集積した有機物据えてバイオマスに送る。2,廃棄物燃焼炉 ◎焼却炉(1000℃以下)。・家庭からの生ゴミ、庭ゴミ、木くず等。・燃えるゴミ全て(現状通り)。3、廃棄物燃焼炉 ◎2次炉(1500℃)。・プラステック類、家庭、オフィス、工場。・織物廃棄化合物。・廃油。・HHO及び酸素(水からH2を分離したO)。4、火力発電(1500~1000℃)・廃棄物燃焼炉から排熱1500~1000℃の温度帯で発電を行い水から水素を製造するエネルギーとして用いる。*売電も可。・復水器は海水冷却を行っているが、全てバイオマスにてメタン発生エネルギーとして使用する。5、水素製造 ・1000~50℃温度体系に要るエネルギー創出。・メタンから水素製造は熱エネルギーが必要なためこの温度帯で優先的に水素製造に使用する。・その他は電気エネルギーを生み出す。・火力発電1500~1000℃。・SOFC 1000~800℃。・半導体発電 800~600℃。・MCFC(アーノードカソードー)600~250℃。*電気エネルギーで水から水素を作る。・PAFC,PEFC 250~50℃。・50℃以下。バイオマスへ。6、バイオマス ・メタン発生。・メタンは水素製造に使用する。・30℃以下の排熱は水処理する(クリーン排気システム 特許4786038)。・生ゴミ、下水処理場からのもの。・畜糞、魚アラ、農作物残渣、畜死骸、草木類、米糠、有機産業廃棄物。・全ての有機物をメタンにする。7、重金属除去 ・メタン発生使用済み有機物は電気除去法と嫌気性菌による除去法を、活用する。・重金属除去後の有機物は有機肥料とする。*(下水処理場からの有機物のみ)。8、有機肥料 ・田、畑等の作物用として販売する。・畜糞、魚アラ、農作物残渣、畜死骸のメタン発生使用済みは全て有機肥料として販売する。9、水処理 ・NOX,SOXを完全に除去し特許4786038を使用してクリーンな排気を行う。・NOX,SOXは硝酸、人工大理石等を製造する。
【
図2】副復水器 1、副復水器は復水を常温まで冷却するため、現状では海水が使用されているが、本装置はバイオマスにて冷却する方式を採用する。発電復水器に安定した冷却水を送る為、冷却コントロールを行う。2、副復水器はラジエターを使用する。