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特開2023-104876燃焼器用ノズル、燃焼器およびこれを含むガスタービン
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023104876
(43)【公開日】2023-07-28
(54)【発明の名称】燃焼器用ノズル、燃焼器およびこれを含むガスタービン
(51)【国際特許分類】
   F23R 3/28 20060101AFI20230721BHJP
   F23R 3/30 20060101ALI20230721BHJP
   F23R 3/14 20060101ALI20230721BHJP
   F02C 7/232 20060101ALI20230721BHJP
【FI】
F23R3/28 B
F23R3/30
F23R3/14
F02C7/232 B
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022180894
(22)【出願日】2022-11-11
(31)【優先権主張番号】10-2022-0007492
(32)【優先日】2022-01-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】507002918
【氏名又は名称】ドゥサン エナービリティー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シェルシニョフ、ボリス
(57)【要約】      (修正有)
【課題】燃料と空気との混合特性を向上させて窒素酸化物の発生を最小化し、火炎安定性を高められる燃焼器用ノズル、燃焼器およびこれを含むガスタービンを提供する。
【解決手段】燃焼器用ノズルのモジュールが、燃料供給管1420と燃料プレナム1510と空気流入口1511と複数のチューブ1520とスワラ1530とを含み、燃料供給管1420は前方から後方に燃料を供給し、燃料プレナム1510は内部に燃料の流動する燃料流路1513が形成され燃料供給管1420と連通する。空気流入口1511は燃料プレナム1510の前方に形成され、チューブ1520は燃料プレナム1510の前後を貫通して配置されかつ、燃料プレナム1510によって支持され、前端が空気流入口1151と連通し、側部に燃料流路1513と連通する燃料ポートが形成される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ノズルモジュールを含む燃焼器用ノズルにおいて、
前記ノズルモジュールは、
前方から後方に燃料を供給する燃料供給管と、
内部に燃料の流動する燃料流路が形成され、前記燃料供給管と連通する燃料プレナムと、
前記燃料プレナムの前方に形成された空気流入口と、
前記燃料プレナムの前後を貫通して配置されかつ、前記燃料プレナムによって支持され、前端が前記空気流入口と連通し、側部に前記燃料流路と連通する燃料ポートが形成された複数のチューブと、
前記チューブの内周面から軸方向および円周方向に傾斜して配置されて流体を旋回させる複数の旋回ガイドを含み、前記チューブの軸方向から眺めると、中央部分が開口したスワラとを含む燃焼器用ノズル。
【請求項2】
前記スワラは、
前記チューブの軸方向から眺めると、前記中央部分が円形に開口した、請求項1に記載の燃焼器用ノズル。
【請求項3】
前記旋回ガイドは、
前記チューブの軸方向から眺めると、連続した環状に配置された、請求項1に記載の燃焼器用ノズル。
【請求項4】
前記旋回ガイドは、
前記チューブの軸方向に沿って延びた直線部と、
前記直線部の後端から前記チューブの軸方向および円周方向に延びた旋回部とを含む、請求項1に記載の燃焼器用ノズル。
【請求項5】
前記旋回部は、
前記チューブで曲線の形状に傾斜して形成された、請求項4に記載の燃焼器用ノズル。
【請求項6】
前記チューブの軸方向を基準として、
前記旋回部の長さは、前記直線部の長さより長く形成される、請求項4に記載の燃焼器用ノズル。
【請求項7】
前記直線部の前端部には、
前記チューブの内側へいくほど後方に傾斜した傾斜部が形成される、請求項4に記載の燃焼器用ノズル。
【請求項8】
前記燃料ポートは、
前記チューブおよび前記旋回ガイドを貫通し、前記旋回ガイドに配置される第1燃料ポートを含む、請求項1に記載の燃焼器用ノズル。
【請求項9】
前記燃料ポートは、
前記チューブおよび前記旋回ガイドを貫通し、前記直線部に配置される第1燃料ポートを含む、請求項4に記載の燃焼器用ノズル。
【請求項10】
前記燃料ポートは、
前記チューブを貫通し、前記複数の旋回ガイドの間に配置される第2燃料ポートを含む、請求項1に記載の燃焼器用ノズル。
【請求項11】
前記燃料ポートは、
前記チューブを貫通し、複数の前記直線部の間に配置される第2燃料ポートを含む、請求項4に記載の燃焼器用ノズル。
【請求項12】
前記燃料ポートは、
前記チューブを貫通し、複数の前記旋回部の間に配置される第2燃料ポートを含む、請求項4に記載の燃焼器用ノズル。
【請求項13】
前記スワラは、
前記チューブの前端部に配置される、請求項1に記載の燃焼器用ノズル。
【請求項14】
前記燃料ポートは、
前記チューブを貫通し、前記スワラの前方に配置される第3燃料ポートを含む、請求項1に記載の燃焼器用ノズル。
【請求項15】
前記燃料ポートは、
前記チューブを貫通し、前記スワラの後方に配置される第4燃料ポートを含む、請求項1から14のいずれか一項に記載の燃焼器用ノズル。
【請求項16】
ノズルモジュールを含む燃焼器用ノズルと、前記燃焼器用ノズルの一側に結合され、燃料と空気とが内部で燃焼され、燃焼されたガスをタービンに伝達するダクト組立体とを含む燃焼器において、
前記ノズルモジュールは、
前方から後方に燃料を供給する燃料供給管と、
内部に燃料の流動する燃料流路が形成され、前記燃料供給管と連通する燃料プレナムと、
前記燃料プレナムの前方に形成された空気流入口と、
前記燃料プレナムの前後を貫通して配置されかつ、前記燃料プレナムによって支持され、前端が前記空気流入口と連通し、側部に前記燃料流路と連通する燃料ポートが形成された複数のチューブと、
前記チューブの内周面から軸方向および円周方向に傾斜して配置されて流体を旋回させる複数の旋回ガイドを含み、前記チューブの軸方向から眺めると、中央部分が開口したスワラとを含む燃焼器。
【請求項17】
前記スワラは、
前記チューブの軸方向から眺めると、前記中央部分が円形に開口した、請求項16に記載の燃焼器。
【請求項18】
前記旋回ガイドは、
前記チューブの軸方向に沿って延びた直線部と、
前記直線部の後端から前記チューブの軸方向および円周方向に延びた旋回部とを含む、請求項16に記載の燃焼器。
【請求項19】
前記燃料ポートは、
前記チューブおよび前記旋回ガイドを貫通し、前記旋回ガイドに配置される第1燃料ポートを含む、請求項16から18のいずれか一項に記載の燃焼器。
【請求項20】
外部から流入した空気を圧縮する圧縮機と、前記圧縮機で圧縮された圧縮空気と燃料とを混合して燃焼する燃焼器と、前記燃焼器で燃焼された燃焼ガスによって回転する複数のタービンブレードを含むタービンとを含むガスタービンにおいて、
前記燃焼器は、ノズルモジュールを含む燃焼器用ノズルと、前記燃焼器用ノズルの一側に結合され、前記圧縮空気と燃料とが内部で燃焼され、燃焼された前記燃焼ガスを前記タービンに伝達するダクト組立体とを含み、
前記ノズルモジュールは、
前方から後方に燃料を供給する燃料供給管と、
内部に燃料の流動する燃料流路が形成され、前記燃料供給管と連通する燃料プレナムと、
前記燃料プレナムの前方に形成された空気流入口と、
前記燃料プレナムの前後を貫通して配置されかつ、前記燃料プレナムによって支持され、前端が前記空気流入口と連通し、側部に前記燃料流路と連通する燃料ポートが形成された複数のチューブと、
前記チューブの内周面から軸方向および円周方向に傾斜して配置されて流体を旋回させる複数の旋回ガイドを含み、前記チューブの軸方向から眺めると、中央部分が開口したスワラとを含むガスタービン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃焼器用ノズル、燃焼器およびこれを含むガスタービンに関し、より詳しくは、スワラが配置された複数のチューブを含む燃焼器用ノズル、燃焼器およびこれを含むガスタービンに関する。
【背景技術】
【0002】
ガスタービンは、圧縮機で圧縮された圧縮空気と燃料とを混合して燃焼させ、燃焼で発生した高温のガスでタービンを回転させる動力機関である。ガスタービンは、発電機、航空機、船舶、列車などを駆動するのに用いられる。
【0003】
一般的に、ガスタービンは、圧縮機と、燃焼器と、タービンとを含む。圧縮機は、外部空気を吸入して圧縮した後、燃焼器に伝達する。圧縮機で圧縮された空気は高圧および高温の状態になる。燃焼器は、圧縮機から流入した圧縮空気と燃料とを混合して燃焼させる。燃焼によって発生した燃焼ガスはタービンに排出される。燃焼ガスによってタービン内部のタービンブレードが回転し、これにより動力が発生する。発生した動力は発電、機械装置の駆動などの多様な分野に使用される。
【0004】
燃料は各燃焼器内に設けられたノズルを介して噴射され、ノズルは気体燃料および液体燃料を噴射することができる。近年は、二酸化炭素の排出を抑制するために、水素燃料または水素を含む燃料の使用が推奨されている。
【0005】
しかし、水素は燃焼速度が速いため、ガスタービン燃焼器でこれらの燃料を燃焼させた場合に、ガスタービン燃焼器内で形成される火炎がガスタービン燃焼器の構造物に近づいて加熱し、ガスタービン燃焼器の信頼性から問題を引き起こす可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の技術的背景に基づき、本発明は、燃料と空気との混合特性を向上させて窒素酸化物の発生を最小化し、火炎安定性を高められる燃焼器用ノズル、燃焼器およびこれを含むガスタービンを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施形態に係る燃焼器用ノズルは、ノズルモジュールを含む。ノズルモジュールは、燃料供給管と、燃料プレナムと、空気流入口と、複数のチューブと、スワラとを含む。燃料供給管は、前方から後方に燃料を供給する。燃料プレナムは、内部に燃料の流動する燃料流路が形成され、燃料供給管と連通する。空気流入口は、燃料プレナムの前方に形成される。チューブは、燃料プレナムの前後を貫通して配置されかつ、燃料プレナムによって支持され、前端が空気流入口と連通し、側部に燃料流路と連通する燃料ポートが形成される。スワラは、チューブの内周面から軸方向および円周方向に傾斜して配置されて流体を旋回させる複数の旋回ガイドを含み、チューブの軸方向から眺めると、中央部分が開口する。
【0008】
本発明の一実施形態に係る燃焼器用ノズルにおいて、スワラは、チューブの軸方向から眺めると、中央部分が円形に開口できる。
【0009】
本発明の一実施形態に係る燃焼器用ノズルにおいて、旋回ガイドは、チューブの軸方向から眺めると、連続した環状に配置される。
【0010】
本発明の一実施形態に係る燃焼器用ノズルにおいて、旋回ガイドは、チューブの軸方向に沿って延びた直線部と、直線部の後端からチューブの軸方向および円周方向に延びた旋回部とを含むことができる。
【0011】
本発明の一実施形態に係る燃焼器用ノズルにおいて、旋回部は、チューブで曲線の形状に傾斜して形成される。
【0012】
本発明の一実施形態に係る燃焼器用ノズルにおいて、チューブの軸方向を基準として、旋回部の長さは、直線部の長さより長く形成される。
【0013】
本発明の一実施形態に係る燃焼器用ノズルにおいて、直線部の前端部には、チューブの内側へいくほど後方に傾斜した傾斜部が形成される。
【0014】
本発明の一実施形態に係る燃焼器用ノズルにおいて、燃料ポートは、チューブおよび旋回ガイドを貫通し、旋回ガイドに配置される第1燃料ポートを含むことができる。
【0015】
本発明の一実施形態に係る燃焼器用ノズルにおいて、燃料ポートは、チューブおよび旋回ガイドを貫通し、直線部に配置される第1燃料ポートを含むことができる。
【0016】
本発明の一実施形態に係る燃焼器用ノズルにおいて、燃料ポートは、チューブを貫通し、複数の旋回ガイドの間に配置される第2燃料ポートを含むことができる。
【0017】
本発明の一実施形態に係る燃焼器用ノズルにおいて、燃料ポートは、チューブを貫通し、複数の直線部の間に配置される第2燃料ポートを含むことができる。
【0018】
本発明の一実施形態に係る燃焼器用ノズルにおいて、燃料ポートは、チューブを貫通し、複数の旋回部の間に配置される第2燃料ポートを含むことができる。
【0019】
本発明の一実施形態に係る燃焼器用ノズルにおいて、スワラは、チューブの前端部に配置される。
【0020】
本発明の一実施形態に係る燃焼器用ノズルにおいて、燃料ポートは、チューブを貫通し、スワラの前方に配置される第3燃料ポートを含むことができる。
【0021】
本発明の一実施形態に係る燃焼器用ノズルにおいて、燃料ポートは、チューブを貫通し、スワラの後方に配置される第4燃料ポートを含むことができる。
【0022】
本発明の実施形態に係る燃焼器は、燃焼器用ノズルと、ダクト組立体とを含む。燃焼器用ノズルは、ノズルモジュールを含む。ダクト組立体は、ノズルの一側に結合され、燃料と空気とが内部で燃焼され、燃焼されたガスをタービンに伝達する。ノズルモジュールは、燃料供給管と、燃料プレナムと、空気流入口と、複数のチューブと、スワラとを含む。燃料供給管は、前方から後方に燃料を供給する。燃料プレナムは、内部に燃料の流動する燃料流路が形成され、燃料供給管と連通する。空気流入口は、燃料プレナムの前方に形成される。チューブは、燃料プレナムの前後を貫通して配置されかつ、燃料プレナムによって支持され、前端が空気流入口と連通し、側部に燃料流路と連通する燃料ポートが形成される。スワラは、チューブの内周面から軸方向および円周方向に傾斜して配置されて流体を旋回させる複数の旋回ガイドを含み、チューブの軸方向から眺めると、中央部分が開口する。
【0023】
本発明の一実施形態に係る燃焼器において、スワラは、チューブの軸方向から眺めると、中央部分が円形に開口する。
【0024】
本発明の一実施形態に係る燃焼器において、旋回ガイドは、チューブの軸方向に沿って延びた直線部と、直線部の後端からチューブの軸方向および円周方向に延びた旋回部とを含むことができる。
【0025】
本発明の一実施形態に係る燃焼器において、燃料ポートは、チューブおよび旋回ガイドを貫通し、旋回ガイドに配置される第1燃料ポートを含むことができる。
【0026】
本発明の実施形態に係るガスタービンは、圧縮機と、燃焼器と、タービンとを含む。圧縮機は、外部から流入した空気を圧縮する。燃焼器は、圧縮機で圧縮された圧縮空気と燃料とを混合して燃焼する。タービンは、燃焼器で燃焼された燃焼ガスによって回転する複数のタービンブレードを含む。燃焼器は、ノズルと、ダクト組立体とを含む。ノズルは、ノズルモジュールを含む。ダクト組立体は、ノズルの一側に結合され、圧縮空気と燃料とが内部で燃焼され、燃焼された燃焼ガスをタービンに伝達する。ノズルモジュールは、燃料供給管と、燃料プレナムと、空気流入口と、複数のチューブと、スワラとを含む。燃料供給管は、前方から後方に燃料を供給する。燃料プレナムは、内部に燃料の流動する燃料流路が形成され、燃料供給管と連通する。空気流入口は、燃料プレナムの前方に形成される。チューブは、燃料プレナムの前後を貫通して配置されかつ、燃料プレナムによって支持され、前端が空気流入口と連通し、側部に燃料流路と連通する燃料ポートが形成される。スワラは、チューブの内周面から軸方向および円周方向に傾斜して配置されて流体を旋回させる複数の旋回ガイドを含み、チューブの軸方向から眺めると、中央部分が開口する。
【発明の効果】
【0027】
本発明による燃焼器用ノズル、燃焼器およびこれを含むガスタービンは、スワラが配置された複数のチューブを含むことで、空気と燃料との混合特性を向上させて窒素酸化物の発生を最小化し、火炎安定性を高められるというメリットがある。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の第1実施形態に係るガスタービンの内部が示される図である。
図2図1の燃焼器を示す図である。
図3】本発明の第1実施形態に係るノズルにおいてノズルモジュールがチューブ組立体に結合された様子を示す縦断面図である。
図4図3におけるチューブおよびスワラを別途に拡大して示す斜視図である。
図5図3におけるチューブおよびスワラを別途に拡大して示す正面図である。
図6】本発明の第1実施形態に係るスワラの周辺に形成された流速分布を概略的に示す図である。
図7】本発明の第2実施形態に係るノズルのチューブおよびスワラを別途に拡大して示す斜視図である。
図8】本発明の第3実施形態に係るノズルのチューブおよびスワラを別途に拡大して示す縦断面図である。
図9】本発明の第4実施形態に係るノズルのチューブおよびスワラを別途に拡大して示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明は多様な変換が加えられて様々な実施例を有することができるが、特定の実施例を例示して詳細な説明に詳しく説明する。しかし、これは本発明を特定の実施形態に対して限定しようとするのではなく、本発明の思想および技術範囲に含まれるあらゆる変換、均等物または代替物を含むことが理解されなければならない。
【0030】
本発明で使った用語は単に特定の実施例を説明するために使われたものであり、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は文脈上明らかに異なって意味しない限り、複数の表現を含む。本発明において、「含む」または「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであって、1つまたはそれ以上の他の特徴や、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものの存在または付加の可能性を予め排除しないことが理解されなければならない。
【0031】
以下、添付した図面を参照して、本発明の好ましい実施形態を詳しく説明する。この時、添付した図面において、同一の構成要素はできるだけ同一の符号で表していることに留意する。また、本発明の要旨をあいまいにしうる公知の機能および構成に関する詳細な説明は省略する。同様の理由から、添付図面において一部の構成要素は誇張または省略されるか、概略的に示された。
【0032】
以下、本発明による燃焼器用ノズル、燃焼器およびこれを含むガスタービンについて説明する。
【0033】
図1は、本発明の第1実施形態に係るガスタービンの内部が示される図であり、図2は、図1の燃焼器を示す図である。
【0034】
以下、図1および図2を参照して、本発明の第1実施形態に係るガスタービンについて説明する。本実施形態に係るガスタービン1000の熱力学的サイクルは、理想的にはブレイトンサイクル(Brayton cycle)によることができる。ブレイトンサイクルは、等エントロピー圧縮(断熱圧縮)、定圧給熱、等エントロピー膨張(断熱膨張)、定圧放熱につながる4つの過程からなる。すなわち、大気の空気を吸入して高圧に圧縮した後、定圧環境で燃料を燃焼して熱エネルギーを放出し、この高温の燃焼ガスを膨張させて運動エネルギーに変換させた後に、残留エネルギーを含む排気ガスを大気中に放出することができる。すなわち、圧縮、加熱、膨張、放熱の4過程でサイクルが行われる。
【0035】
このようなブレイトンサイクルを実現するガスタービン1000は、図1に示されるように、圧縮機1100と、燃焼器1200と、タービン1300とを含むことができる。以下の説明は図1を参照するが、本発明の説明は、図1に例として示されたガスタービン1000と同等の構成を有するタービン機関に対しても幅広く適用可能である。
【0036】
図1を参照すれば、ガスタービン1000の圧縮機1100は、外部から空気を吸入して圧縮することができる。圧縮機1100は、圧縮機ブレード1130によって圧縮された圧縮空気を燃焼器1200に供給し、また、ガスタービン1000で冷却が必要な高温領域に冷却用空気を供給することができる。この時、吸入された空気は圧縮機1100で断熱圧縮過程を経るので、圧縮機1100を通過した空気の圧力と温度は上昇する。
【0037】
圧縮機1100は、遠心圧縮機(centrifugal compressors)や軸流圧縮機(axial compressor)で設計されるが、小型ガスタービンでは遠心圧縮機が適用されるのに対し、図1に示されるような大型ガスタービン1000は、大量の空気を圧縮しなければならないため、多段軸流圧縮機が適用されることが一般的である。この時、多段軸流圧縮機において、圧縮機1100の圧縮機ブレード1130は、ロータディスクの回転に伴って回転して、流入した空気を圧縮しながら圧縮された空気を後段の圧縮機ベーン1140に移動させる。空気は、多段に形成された圧縮機ブレード1130を通過しながら次第により高圧に圧縮される。
【0038】
圧縮機ベーン1140は、ハウジング1150の内部に装着され、複数の圧縮機ベーン1140が段を形成して装着される。圧縮機ベーン1140は、前段の圧縮機ブレード1130から移動した圧縮空気を後段の圧縮機ブレード1130側に案内する。一実施形態において、複数の圧縮機ベーン1140の少なくとも一部は、空気の流入量の調節などのために、定められた範囲内で回転可能に装着される。
【0039】
圧縮機1100は、タービン1300から出力される動力の一部を用いて駆動できる。このために、図1に示されるように、圧縮機1100の回転軸と、タービン1300の回転軸とは直結可能である。大型ガスタービン1000の場合、タービン1300で生産される出力のほぼ半分程度が圧縮機1100を駆動するのに消耗しうる。したがって、圧縮機1100の効率を向上させることは、ガスタービン1000の全体効率を向上させるのに直接的な影響を及ぼす。
【0040】
タービン1300は、ロータディスク1310と、ロータディスク1310に放射状に配置される複数のタービンブレードおよびタービンベーンとを含む。ロータディスク1310は、略円板形状を有しており、その外周部には複数の溝が形成されている。溝は屈曲面を有するように形成され、溝にタービンブレードとタービンベーンが挿入される。タービンベーンは、回転しないように固定され、タービンブレードを通過した燃焼ガスの流れ方向を案内する。タービンブレードは、燃焼ガスによって回転しながら回転力を生成する。
【0041】
一方、燃焼器1200は、圧縮機1100の出口から供給される圧縮空気を燃料と混合して、等圧燃焼させて、高いエネルギーの燃焼ガスを作ることができる。図2は、ガスタービン1000に適用される燃焼器1200の一例を示す。燃焼器1200は、燃焼器ケーシング1210と、ノズル1220と、ダクト組立体1240とを含むことができる。
【0042】
燃焼器ケーシング1210は、ノズル1220を取り囲み、略円形シリンダ形状からなってもよい。ノズル1220は、圧縮機1100の下流に配置され、環状をなす燃焼器ケーシング1210に沿って配置される。ノズル1220には少なくとも1つ以上のノズルモジュール1400が備えられ、このノズルモジュール1400では、燃料と空気とが適切な比率で混合された後、噴射されて、燃焼に適した状態をなす。
【0043】
ガスタービン1000にはガス燃料が使用可能であり、特に、水素を含む燃料が使用可能である。燃料は、水素燃料単独、または水素と天然ガスとを含む燃料からなってもよい。
【0044】
ダクト組立体1240は、ノズル1220とタービン1300との間を連結して高温の燃焼ガスが流動し、ダクト組立体1240の外面からは圧縮空気が流れてノズル1220側に供給され、この過程で高温の燃焼ガスによって加熱されたダクト組立体1240が適切に冷却される。
【0045】
ダクト組立体1240は、ライナー1241と、トランジションピース1242と、流動スリーブ1243とを含むことができる。ダクト組立体1240は、ライナー1241とトランジションピース1242の外を流動スリーブ1243が取り囲む二重構造からなっており、圧縮空気は、流動スリーブ1243の内側の環状空間内に侵入してライナー1241とトランジションピース1242を冷却させる。
【0046】
ライナー1241は、燃焼器1200のノズル1220に連結される管部材であって、ライナー1241の内部の空間が燃焼室1230を形成する。ライナー1241の長手方向の一側端部はノズル1220に結合され、ライナー1241の長手方向の他側端部はトランジションピース1242に結合される。
【0047】
そして、トランジションピース1242は、タービン1300の入口と連結されて、高温の燃焼ガスをタービン1300に誘導する役割を果たす。トランジションピース1242の長手方向の一側端部はライナー1241と結合され、トランジションピース1242の長手方向の他側端部はタービン1300と結合される。流動スリーブ1243は、ライナー1241とトランジションピース1242を保護する一方、高温の熱気が外部に直接放出されることを防ぐ役割を果たす。
【0048】
図3は、本発明の第1実施形態に係るノズルにおいてノズルモジュールがチューブ組立体に結合された様子を示す縦断面図であり、図4は、図3におけるチューブおよびスワラを別途に拡大して示す斜視図であり、図5は、図3におけるチューブおよびスワラを別途に拡大して示す正面図であり、図6は、本発明の第1実施形態に係るスワラの周辺に形成された流速分布を概略的に示す図である。
【0049】
以下、図3図6を参照して、本発明の第1実施形態に係る燃焼器用ノズル1220について詳しく説明する。本発明の第1実施形態に係る燃焼器用ノズル1220は、少なくとも1つ以上のノズルモジュール1400を含む。ノズルモジュール1400は、燃料供給管1420と、チューブ組立体1500とを含み、チューブ組立体1500は、スワラ1530を含む。
【0050】
燃料供給管1420は、前方から後方に燃料を供給する管状部材である。燃料供給管1420の内部には燃料の移動する流路が形成される。燃料供給管1420の前端部にはフランジ1410が配置され、燃料はフランジ1410に供給されて燃料供給管1420の内部で流動できる。
【0051】
チューブ組立体1500は、燃料プレナム1510と、チューブ1520と、スワラ1530とを含む。燃料プレナム1510は、略円筒状に形成され、燃料供給管1420の後端側の少なくとも一部を取り囲むように配置される。燃料プレナム1510の前端部には、空気が流入できるように開口した空気流入口1511が形成される。
【0052】
燃料プレナム1510の後端には支持板1512が配置され、燃料プレナム1510の後端と空気流入口1511との間にも支持板1512が配置される。燃料供給管1420は、燃料プレナム1510の後端と空気流入口1511との間に配置された支持板1512を貫通し、後端に配置された支持板1512まで挿入されて配置される。一方、燃料プレナム1510に配置された2つの支持板1512の間には空間が形成され、前記空間は燃料供給管1420と連通する。これによって、前記空間では燃料の移動する燃料流路1513が形成される。
【0053】
燃料プレナム1510にはチューブ1520が配置される。チューブ1520は、複数個が備えられ、複数のチューブ1520は、束の形状に燃料プレナム1510に配置される。チューブ1520は、燃料プレナム1510の後端側に配置された支持板1512に挿入されて、2つの支持板1512をすべて貫通して配置される。これによって、それぞれのチューブ1520は燃料流路1513に挿入されて配置される。そして、チューブ1520は、2つの支持板1512によって支持できる。一方、チューブ1520と支持板1512との間の隙間は密封処理されて、燃料流路から燃料が外部に漏れるのを防止することができる。
【0054】
チューブ1520の前端部からは空気が流入できる。燃料プレナム1510の空気流入口1511を通して流入した空気は、複数のチューブ1520の前端部にそれぞれ流入できる。流入した空気は、チューブ1520を通過してチューブ1520の後端部から吐出される。チューブ1520の後端部は燃焼室1230と連通する。したがって、チューブ1520で空気と燃料とが混合され、混合された流体はチューブ1520の後端部から吐出されて燃焼室1230に噴射される。
【0055】
チューブ1520には燃料ポートが形成される。燃料ポートは、チューブ1520の側部に形成される。燃料ポートは、燃料プレナム1510の燃料流路1513と連通し、チューブ1520の内側流路とも連通する。これによって、燃料ポートを介して燃料流路1513で流動する燃料がチューブ1520の内部に流入できる。チューブ1520の内部では空気と燃料とが共に流動するので、空気と燃料とが互いに混合される。
【0056】
チューブ1520の内部にはスワラ1530が配置される。スワラ1530は、チューブ1520で流動する流体、すなわち、空気および燃料の流動を旋回させる構成である。スワラ1530は、流体を旋回させる旋回ガイド1531を含む。旋回ガイド1531は、複数個が備えられる。旋回ガイド1531は、チューブ1520の内周面に配置される。
【0057】
チューブ1520およびスワラ1530をチューブ1520の軸方向から眺めると、スワラ1530の中央部分は開口している。これによって、チューブ1520で流体がスワラ1530を通過した場合、流体の流動は直線方向に流動する直線流動と、旋回して流動する旋回流動とに分けられる。スワラ1530の中央に開口した部分を通過する流体は直線流動する。そして、スワラ1530の旋回ガイド1531を通過する流体は旋回流動する。この時、流体がスワラ1530を通過した後には、中央に直線流動が形成され、直線流動の周囲に旋回流動が取り囲むようになる。
【0058】
直線流動は、流動抵抗を減少させて圧力損失を最小化し、流体を速い速度で直進させることができる。また、直線流動は、流体を速い速度で押し出すため、火炎が付着したり、火炎が逆火することを最小化できる。旋回流動は、流体を旋回させて空気と燃料との混合度を改善することができる。直線流動と旋回流動は、互いに完全に分離されるのではなく、直線流動に旋回流動がつられていくように形成される。したがって、直線流動と旋回流動が共にに形成されることにより、空気と燃料との混合流体の圧力損失を最小化しながらも、混合度を改善させることができるというメリットがある。
【0059】
チューブ1520およびスワラ1530をチューブ1520の軸方向から眺めると、スワラ1530の中央部分は、円形の形状に開口できる。この場合、直線流動は、横断面が円形に形成される。
【0060】
また、チューブ1520およびスワラ1530をチューブ1520の軸方向から眺めると、旋回ガイド1531は、環状に配置される。この時、旋回ガイド1531は、連続した環状に配置される。軸方向から眺めると、互いに隣接した旋回ガイド1531は、互いに重なるように配置される。この場合、スワラ1530の中央部分を除いた部分はすべて旋回ガイド1531が占め、これによって、直線流動の外周を旋回流動がすべて取り囲むことができるようになる。
【0061】
旋回ガイド1531は、直線部1532と、旋回部1533とを含むことができる。直線部1532は、チューブ1520の軸方向に沿って長く延びる。直線部1532は、チューブ1520の内周面からチューブ1520の内側に突出し、長手方向に延びて形成される。直線部1532は、旋回ガイド1531の前方側に配置される。直線部1532は、スワラ1530に流入する流体をチューブ1520の軸方向に案内する構成である。直線部1532は、流体が旋回部1533を通過する前に流体を軸方向に案内するため、旋回ガイド1531での圧力損失を最小化する。
【0062】
直線部1532の後側には旋回部1533が配置される。旋回部1533は、直線部1532の後端から延びて形成される。旋回部1533は、チューブ1520の内周面からチューブ1520の内側に突出できる。旋回部1533は、チューブ1520の軸方向および円周方向に延びる。すなわち、旋回部1533は、軸方向と円周方向との間の方向に傾斜して形成される。旋回部1533は、直線部1532を通過した流体を旋回させる構成である。
【0063】
旋回部1533は、曲線の形状に傾斜して形成される。旋回部1533は、チューブ1520の軸方向および円周方向に傾斜して形成されかつ、チューブ1520の前端または後端に向かって膨らんで、または凹んで形成される。この場合、旋回部1533を通る流体の流動抵抗を低減しながらも、流体を効果的に旋回させることができる。そして、旋回部1533と直線部1532との出会う部分は、互いに緩やかに連続してつながるように形成される。この場合、旋回部1533に流入する流体の流動抵抗を減少させることができる。
【0064】
チューブ1520の軸方向を基準として、旋回部1533の長さL2は、直線部1532の長さL1より長く形成される。旋回ガイド1531の主な目的は、流体を旋回させることである。したがって、直線部1532の長さL1を旋回部1533の長さL2より短く形成すれば、流体を効果的に旋回させながらも、スワラ1530全体の大きさをコンパクトに製作できるというメリットがある。
【0065】
旋回ガイド1531の直線部1532には傾斜部1534が形成される。傾斜部1534は、直線部1532の前端部に形成される。傾斜部1534は、チューブ1520の内側へいくほど後方に傾斜して形成される。直線部1532は、チューブ1520の内周面からチューブ1520の内側に向かって突出して形成されるため、流体が直線部1532に流入する時、直線部1532の前端部では流動抵抗が大きく形成される。この時、直線部1532に傾斜部1534が配置されると、直線部1532に流入する流体の流動抵抗を減少させることができる。
【0066】
燃料ポートは、第1燃料ポート1521を含むことができる。第1燃料ポート1521は、旋回ガイド1531に配置される燃料ポートである。図面では、第1燃料ポート1521が旋回ガイド1531のチューブ1520の内側端に形成されたものとして示されているが、第1燃料ポート1521は、旋回ガイド1531の側部に形成されてもよい。第1燃料ポート1521は、チューブ1520の内外部と旋回ガイド1531をすべて貫通して形成される。これによって、燃料プレナム1510の燃料流路1513の燃料が第1燃料ポート1521を通過して、旋回ガイド1531から燃料が噴射できる。第1燃料ポート1521が旋回ガイド1531に配置されることにより、直線流動または旋回流動する流体に燃料を直接噴射することができる。第1燃料ポート1521は、旋回ガイド1531の直線部1532または旋回部1533に形成可能である。
【0067】
第1燃料ポート1521が直線部1532に形成される場合、流体がスワラ1530に流入するやいなや直ちに燃料が噴射できる。この時、第1燃料ポート1521は、直線部1532の傾斜部1534に配置される。この場合、第1燃料ポート1521から噴射された燃料は、流動が直線流動と旋回流動とに分離できる。
【0068】
スワラ1530は、チューブ1520の前端部に配置される。この時、チューブ1520の前端部とは、必ずしもチューブ1520の前方端部分のみを称するのではなく、チューブ1520の前方端部分とその周辺を称するのである。したがって、スワラ1530の旋回ガイド1531は、チューブ1520の前方端部分と当接してもよく、やや離隔して配置されてもよい。スワラ1530がチューブ1520の前端部に配置される場合、流体の旋回がチューブ1520の前端部から始まるので、チューブ1520の全体的な長さを低減できるというメリットがある。
【0069】
図6には、スワラ1530周辺の流体の流速が概略的に示している。スワラ1530を通過する前の流速が第1速度V1であり、スワラ1530を通過した後の直線流動の流速が第2速度V2であり、スワラ1530を通過した後の旋回流動の流速が第3速度V3である。
【0070】
第1速度V1~第3速度V3の中で第2速度V2が最も速く形成される。スワラ1530の中央開口した部分を通過しながら流動断面積が減少し、これによって、流動が直線流動に切り替えられながら流速が第1速度V1から第2速度V2に増加する。そして、旋回流動の第3速度V3は、大きさが第1速度V1よりは大きいが、第2速度V2よりは小さく形成される。旋回ガイド1531によって流体が旋回されるため、流速が減少するが、第2速度V2である直線流動との相互作用によって、旋回流動の流速は第1速度V1よりは大きく形成される。
【0071】
図7は、本発明の第2実施形態に係るノズルのチューブおよびスワラを別途に拡大して示す斜視図である。
【0072】
以下、図7を参照して、本発明の第2実施形態に係る燃焼器用ノズル1220について詳しく説明する。本発明の第2実施形態に係る燃焼器用ノズル1220は、第2燃料ポート1522を除けば、本発明の第1実施形態に係る燃焼器用ノズル1220と同一であるので、これと重複する説明は省略する。
【0073】
本発明の第2実施形態に係る燃焼器用ノズル1220は、燃料ポートが第2燃料ポート1522を含む。第2燃料ポート1522は、チューブ1520を貫通して形成され、複数の旋回ガイド1531の間に配置される。第2燃料ポート1522は、燃料プレナム1510の燃料流路1513と連通し、チューブ1520の内部と連通する。第2燃料ポート1522は、旋回ガイド1531の間毎に燃料を噴射することができる。これによって、第2燃料ポート1522から噴射された燃料は、スワラ1530で旋回流動が形成される部分に直接的に噴射されて、空気と燃料との混合度が改善できる。
【0074】
第2燃料ポート1522は、複数の直線部1532の間に配置されてもよく、複数の旋回部1533の間に配置されてもよい。第2燃料ポート1522が複数個備えられて、複数の直線部1532の間および複数の旋回部1533の間にすべて配置されてもよい。
【0075】
図8は、本発明の第3実施形態に係るノズルのチューブおよびスワラを別途に拡大して示す縦断面図である。
【0076】
以下、図8を参照して、本発明の第3実施形態に係る燃焼器用ノズル1220について詳しく説明する。本発明の第3実施形態に係る燃焼器用ノズル1220は、第3燃料ポート1523を除けば、本発明の第1実施形態に係る燃焼器用ノズル1220と同一であるので、これと重複する説明は省略する。
【0077】
本発明の第3実施形態に係る燃焼器用ノズル1220は、燃料ポートが第3燃料ポート1523を含む。第3燃料ポート1523は、第1燃料ポート1521および第2燃料ポート1522とは異なり、スワラ1530の前方に配置される燃料ポートである。第3燃料ポート1523が配置されるためには、チューブ1520の前端部とスワラ1530との間に第3燃料ポート1523が配置される領域が必要なため、本発明の第3実施形態は、スワラ1530がチューブ1520の前端部と離隔して配置された場合に適用可能である。
【0078】
しかし、第3燃料ポート1523が配置されるとしても、スワラ1530は、チューブ1520の前方側により近く配置されることが好ましい。すなわち、スワラ1530は、チューブ1520の前端部と若干の隙間で離隔し、その隙間に第3燃料が配置されることが好ましい。例えば、前記隙間の間隔は、スワラ1530の軸方向の長さより小さく形成される。これによって、第3燃料ポート1523が配置されても、チューブ1520の長さを最小化できる。
【0079】
第3燃料ポート1523は、チューブ1520を貫通して形成され、燃料プレナム1510の燃料流路1513と連通し、チューブ1520の内部と連通する。したがって、第3燃料ポート1523は、燃料流路1513の燃料をスワラ1530の前方に噴射することができる。この場合、空気がスワラ1530を通過する前に、空気に燃料が噴射可能で、スワラ1530の前方ですでに空気と燃料とが混合できる。これによって、空気と燃料とがすでに混合された後に、再びスワラ1530を経てもう一度混合されて、空気および燃料の混合度が改善できる。
【0080】
図9は、本発明の第4実施形態に係るノズルのチューブおよびスワラを別途に拡大して示す縦断面図である。
【0081】
以下、図9を参照して、本発明の第4実施形態に係る燃焼器用ノズル1220について詳しく説明する。本発明の第4実施形態に係る燃焼器用ノズル1220は、第4燃料ポート1524を除けば、本発明の第1実施形態に係る燃焼器用ノズル1220と同一であるので、これと重複する説明は省略する。
【0082】
本発明の第4実施形態に係る燃焼器用ノズル1220は、燃料ポートが第4燃料ポート1524を含む。第4燃料ポート1524は、第1燃料ポート1521および第2燃料ポート1522とは異なり、スワラ1530の後方に配置される燃料ポートである。第4燃料ポート1524は、スワラ1530の後方に配置されるため、本発明の第3実施形態とは異なり、スワラ1530がチューブ1520の前端部に配置される。
【0083】
第4燃料ポート1524は、スワラ1530と近い位置に配置されることが好ましい。そうでなくスワラ1524と遠くなる場合、空気および燃料の混合度が低下しうる。例えば、第4燃料ポート1524とスワラ1530との間の間隔は、スワラ1530の軸方向の長さより小さく形成される。
【0084】
第4燃料ポート1524は、チューブ1520を貫通して形成され、燃料プレナム1510の燃料流路1513と連通し、チューブ1520の内部と連通する。したがって、第4燃料ポート1524は、燃料流路1513の燃料をスワラ1530の後方に噴射することができる。この場合、スワラ1530の後方から燃料を追加的にさらに噴射できるため、空気および燃料の混合において燃料の比率を追加的に増加させることができるというメリットがある。
【0085】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、当該技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された本発明の思想を逸脱しない範囲内で、構成要素の付加、変更、削除または追加などによって本発明を多様に修正および変更可能であり、これも本発明の権利範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0086】
1000:ガスタービン
1100:圧縮機
1200:燃焼器
1210:燃焼器ケーシング
1220:ノズル
1230:燃焼室
1240:ダクト組立体
1300:タービン
1310:ロータディスク
1400:ノズルモジュール
1410:フランジ
1420:燃料供給管
1500:チューブ組立体
1510:燃料プレナム
1511:空気流入口
1512:支持板
1513:燃料流路
1520:チューブ
1521:第1燃料ポート
1522:第2燃料ポート
1523:第3燃料ポート
1524:第4燃料ポート
1530:スワラ
1531:旋回ガイド
1532:直線部
1533:旋回部
1534:傾斜部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9