(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023104877
(43)【公開日】2023-07-28
(54)【発明の名称】車両およびその制御方法
(51)【国際特許分類】
B60H 3/00 20060101AFI20230721BHJP
B60H 3/06 20060101ALI20230721BHJP
【FI】
B60H3/00 F
B60H3/06 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022184448
(22)【出願日】2022-11-17
(31)【優先権主張番号】10-2022-0007128
(32)【優先日】2022-01-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI MOTOR COMPANY
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(71)【出願人】
【識別番号】500518050
【氏名又は名称】起亞株式会社
【氏名又は名称原語表記】KIA CORPORATION
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100210790
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大策
(72)【発明者】
【氏名】イ、テヒ
(72)【発明者】
【氏名】ソン、デウン
【テーマコード(参考)】
3L211
【Fターム(参考)】
3L211BA09
3L211BA54
3L211EA17
3L211EA25
3L211EA26
3L211EA30
3L211EA66
3L211GA82
3L211GA95
(57)【要約】 (修正有)
【課題】悪臭発生の有無及び発生個所を感知し、悪臭発生を案内したり除去したりできる車両およびその制御方法を提供する。
【解決手段】車両10は、空調装置140を備え、前記車両10の室内または前記空調装置140の内部に設けられ、複数のガスセンサを含む複数の臭いセンシングモジュール120および前記車両10の状態情報または前記空調装置140の状態情報のうち少なくとも一つに基づいて悪臭発生の判断プロセスの開始の有無を決定し、悪臭発生の判断プロセスを開始する場合、前記複数の臭いセンシングモジュールのうち少なくとも一つの出力に基づいて臭いデータを決定し、前記臭いデータに基づいて悪臭発生が識別される場合、悪臭を案内するか除去するように制御する制御部130を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両において、
空調装置;
前記車両の室内または前記空調装置の内部に設けられ、複数のガスセンサを含む複数の臭いセンシングモジュール;および
前記車両の状態情報または前記空調装置の状態情報のうち少なくとも一つに基づいて悪臭発生の判断プロセスの開始の有無を決定し、悪臭発生の判断プロセスを開始する場合、前記複数の臭いセンシングモジュールのうち少なくとも一つの出力に基づいて臭いデータを決定し、前記臭いデータに基づいて悪臭発生が識別される場合、悪臭を案内するか除去するように制御する制御部;を含む、車両。
【請求項2】
前記制御部は、
前記臭いデータの悪臭ガス濃度または前記臭いデータの臭いパターンのうち少なくとも一つに基づいて悪臭発生の有無を決定する、請求項1に記載の車両。
【請求項3】
前記制御部は、
前記複数の臭いセンシングモジュールのうちいずれか一つの臭いセンシングモジュールの臭いデータと前記複数の臭いセンシングモジュールのうち他の一つの臭いセンシングモジュールの臭いデータ間の差分に基づいて、前記いずれか一つの臭いセンシングモジュールと前記他の一つの臭いセンシングモジュールの間での悪臭発生の有無を決定する、請求項1に記載の車両。
【請求項4】
前記制御部は、
悪臭が発生したものと決定する場合、悪臭を除去するようにドア、窓、サンルーフまたはトランクのうち少なくとも一つを開放するように制御する、請求項1に記載の車両。
【請求項5】
前記制御部は、
天気情報または前記車両の駐車情報のうち少なくとも一つに基づいて、前記ドア、前記窓、前記サンルーフまたは前記トランクのうち少なくとも一つの開放の有無を決定する、請求項4に記載の車両。
【請求項6】
前記制御部は、
悪臭ガス濃度に比例して、前記ドア、前記窓、前記サンルーフまたは前記トランクのうち少なくとも一つの開放時間を調整する、請求項4に記載の車両。
【請求項7】
前記車両は、
使用者インターフェース;をさらに含み、
前記制御部は、
悪臭が発生したものと決定する場合、悪臭発生を案内するように前記使用者インターフェースを制御する、請求項1に記載の車両。
【請求項8】
前記車両は、
通信部;をさらに含み、
前記制御部は、
悪臭が発生したものと決定する場合、悪臭発生を案内するメッセージを外部装置に送信するように前記通信部を制御する、請求項1に記載の車両。
【請求項9】
前記臭いセンシングモジュールは、
前記空調装置の吸入部の一側に設けられる第1臭いセンシングモジュール;および
前記吸入部を通じて吸入された外部空気を濾過するフィルタと前記フィルタを通過した空気との熱交換を遂行する蒸発器の間に設けられる第2臭いセンシングモジュール;を含み、
前記制御部は、
前記空調装置のモードが内気モードに切り替わる場合、前記第2臭いセンシングモジュールの臭いデータおよび前記第1臭いセンシングモジュールの臭いデータ間の差分に基づいて前記フィルタでの悪臭発生の有無を決定する、請求項1に記載の車両。
【請求項10】
前記臭いセンシングモジュールは、
前記蒸発器とヒーターの間に設けられる第3臭いセンシングモジュール;をさらに含み、
前記制御部は、
前記空調装置のモードが内気モードに切り替えられ前記空調装置のA/C(air conditioning)機能が活性化され、前記空調装置のブロワモータが動作する場合、前記第3臭いセンシングモジュールの臭いデータおよび前記第2臭いセンシングモジュールの臭いデータ間の差分に基づいて前記蒸発器での悪臭発生の有無を決定する、請求項9に記載の車両。
【請求項11】
前記臭いセンシングモジュールは、
前記ヒーターと前記空調装置の空気を前記車両の室内に案内する通風口の間に設けられる第4臭いセンシングモジュール;をさらに含み、
前記制御部は、
前記空調装置のモードが内気モードに切り替えられ前記空調装置のA/C機能が非活性化され、前記空調装置のブロワモータが動作する場合、前記第4臭いセンシングモジュールの臭いデータおよび前記第3臭いセンシングモジュールの臭いデータ間の差分に基づいて前記ヒーターでの悪臭発生の有無を決定する、請求項10に記載の車両。
【請求項12】
前記臭いセンシングモジュールは、
前記通風口の一側に設けられる第5臭いセンシングモジュール;および
前記車両の室内に設けられる第6臭いセンシングモジュール;をさらに含み、
前記制御部は、
前記車両のドアおよび窓が閉鎖された場合、前記第6臭いセンシングモジュールの臭いデータおよび前記第5臭いセンシングモジュールの臭いデータ間の差分に基づいて前記車両の室内での悪臭発生の有無を決定する、請求項11に記載の車両。
【請求項13】
前記制御部は、
前記車両の汚染場所での走行、前記車両の注油口の開放、または前記車両のウォッシャー液の噴出のうち少なくとも一つの状況では、前記車両の室内での悪臭発生がないものと決定する、請求項12に記載の車両。
【請求項14】
前記臭いセンシングモジュールは、
前記車両のトランクに設けられる第7臭いセンシングモジュール;をさらに含み、
前記制御部は、
前記車両のトランクが閉鎖された場合、前記第7臭いセンシングモジュールの臭いデータに基づいて前記車両のトランクでの悪臭発生の有無を決定する、請求項12に記載の車両。
【請求項15】
空調装置を含む車両の制御方法において、
前記車両の状態情報または前記空調装置の状態情報のうち少なくとも一つに基づいて悪臭発生の判断プロセスの開始の有無を決定し;
悪臭発生の判断プロセスを開始する場合、前記車両の室内または前記空調装置の内部に設けられて複数のガスセンサを含む複数の臭いセンシングモジュールのうち少なくとも一つの出力に基づいて臭いデータを決定し;
前記臭いデータに基づいて悪臭発生が識別される場合、悪臭を案内するか除去するように制御すること;を含む、車両の制御方法。
【請求項16】
前記臭いデータの悪臭ガス濃度または前記臭いデータの臭いパターンのうち少なくとも一つに基づいて悪臭発生の有無を決定すること;をさらに含む、請求項15に記載の車両の制御方法。
【請求項17】
前記複数の臭いセンシングモジュールのうちいずれか一つの臭いセンシングモジュールの臭いデータと前記複数の臭いセンシングモジュールのうち他の一つの臭いセンシングモジュールの臭いデータ間の差分に基づいて、前記いずれか一つの臭いセンシングモジュールと前記他の一つの臭いセンシングモジュールの間での悪臭発生の有無を決定すること;をさらに含む、請求項15に記載の車両の制御方法。
【請求項18】
悪臭を案内するか除去するように制御することは、
悪臭が発生したものと決定する場合、悪臭を除去するようにドア、窓、サンルーフまたはトランクのうち少なくとも一つを開放するように制御すること;を含む、請求項15に記載の車両の制御方法。
【請求項19】
悪臭を案内するか除去するように制御することは、
天気情報または前記車両の駐車情報のうち少なくとも一つに基づいて、前記ドア、前記窓、前記サンルーフまたは前記トランクのうち少なくとも一つの開放の有無を決定すること;を含む、請求項18に記載の車両の制御方法。
【請求項20】
悪臭を案内するか除去するように制御することは、
悪臭ガス濃度に比例して、前記ドア、前記窓、前記サンルーフまたは前記トランクのうち少なくとも一つの開放時間を調整すること;を含む、請求項18に記載の車両の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は臭いを感知できる車両およびその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
臭いは多様なガス成分が混合された結果で導き出され得、最近では複数のガスセンサの出力に基づいて混合ガスの成分比や個別ガスの濃度を利用することによって、臭いを区別できるようになった。
【0003】
また、最近では車両を共有するカーシェアリングサービスが提供されており、運転者の介入を最小化する自律走行サービスが提供されている。ただし、共有車両または自律走行車両の場合、管理者の介入が疎かとなり得るため、臭いすなわち、悪臭が管理されないことがある。
【0004】
悪臭が発生する場合、車両搭乗者の不快感が高くなり得るので、管理者の介入を最小化しながらも悪臭に対応できるサービスに対する研究が必要であるのが実情である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
互いに異なる位置に設けられる複数の臭いセンシングモジュールの出力に基づいて悪臭発生の有無を感知し、悪臭発生を案内したり除去したりできる車両およびその制御方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施例に係る車両は、空調装置;前記車両の室内または前記空調装置の内部に設けられ、複数のガスセンサを含む複数の臭いセンシングモジュール;および前記車両の状態情報または前記空調装置の状態情報のうち少なくとも一つに基づいて悪臭発生の判断プロセスの開始の有無を決定し、悪臭発生の判断プロセスを開始する場合、前記複数の臭いセンシングモジュールのうち少なくとも一つの出力に基づいて臭いデータを決定し、前記臭いデータに基づいて悪臭発生が識別される場合、悪臭を案内するか除去するように制御する制御部;を含む。
【0007】
前記制御部は、前記臭いデータの悪臭ガス濃度または前記臭いデータの臭いパターンのうち少なくとも一つに基づいて悪臭発生の有無を決定することができる。
【0008】
前記制御部は、前記複数の臭いセンシングモジュールのうちいずれか一つの臭いセンシングモジュールの臭いデータと前記複数の臭いセンシングモジュールのうち他の一つの臭いセンシングモジュールの臭いデータ間の差分に基づいて、前記いずれか一つの臭いセンシングモジュールと前記他の一つの臭いセンシングモジュールの間での悪臭発生の有無を決定することができる。
【0009】
前記制御部は、悪臭が発生したものと決定する場合、悪臭を除去するようにドア、窓、サンルーフまたはトランクのうち少なくとも一つを開放するように制御することができる。
【0010】
前記制御部は、天気情報または前記車両の駐車情報のうち少なくとも一つに基づいて、前記ドア、前記窓、前記サンルーフまたは前記トランクのうち少なくとも一つの開放の有無を決定することができる。
【0011】
前記制御部は、悪臭ガス濃度に比例して、前記ドア、前記窓、前記サンルーフまたは前記トランクのうち少なくとも一つの開放時間を調整することができる。
【0012】
前記車両は、使用者インターフェース;をさらに含み、前記制御部は、悪臭が発生したものと決定する場合、悪臭発生を案内するように前記使用者インターフェースを制御することができる。
【0013】
前記車両は、通信部;をさらに含み、前記制御部は、悪臭が発生したものと決定する場合、悪臭発生を案内するメッセージを外部装置に送信するように前記通信部を制御することができる。
【0014】
前記臭いセンシングモジュールは、前記空調装置の吸入部の一側に設けられる第1臭いセンシングモジュール;および前記吸入部を通じて吸入された外部空気を濾過するフィルタと前記フィルタを通過した空気との熱交換を遂行する蒸発器の間に設けられる第2臭いセンシングモジュール;を含み、前記制御部は、前記空調装置のモードが内気モードに切り替わる場合、前記第2臭いセンシングモジュールの臭いデータおよび前記第1臭いセンシングモジュールの臭いデータ間の差分に基づいて前記フィルタでの悪臭発生の有無を決定することができる。
【0015】
前記臭いセンシングモジュールは、前記蒸発器とヒーターの間に設けられる第3臭いセンシングモジュール;をさらに含み、前記制御部は、前記空調装置のモードが内気モードに切り替えられ前記空調装置のA/C(air conditioning)機能が活性化され、前記空調装置のブロワモータが動作する場合、前記第3臭いセンシングモジュールの臭いデータおよび前記第2臭いセンシングモジュールの臭いデータ間の差分に基づいて前記蒸発器での悪臭発生の有無を決定することができる。
【0016】
前記臭いセンシングモジュールは、前記ヒーターと前記空調装置の空気を前記車両の室内に案内する通風口の間に設けられる第4臭いセンシングモジュール;をさらに含み、前記制御部は、前記空調装置のモードが内気モードに切り替えられ前記空調装置のA/C機能が非活性化され、前記空調装置のブロワモータが動作する場合、前記第4臭いセンシングモジュールの臭いデータおよび前記第3臭いセンシングモジュールの臭いデータ間の差分に基づいて前記ヒーターでの悪臭発生の有無を決定することができる。
【0017】
前記臭いセンシングモジュールは、前記通風口の一側に設けられる第5臭いセンシングモジュール;および前記車両の室内に設けられる第6臭いセンシングモジュール;をさらに含み、前記制御部は、前記車両のドアおよび窓が閉鎖された場合、前記第6臭いセンシングモジュールの臭いデータおよび前記第5臭いセンシングモジュールの臭いデータ間の差分に基づいて前記車両の室内での悪臭発生の有無を決定することができる。
【0018】
前記制御部は、前記車両の汚染場所での走行、前記車両の注油口の開放、または前記車両のウォッシャー液の噴出のうち少なくとも一つの状況では、前記車両の室内での悪臭発生がないものと決定することができる。
【0019】
前記臭いセンシングモジュールは、前記車両のトランクに設けられる第7臭いセンシングモジュール;をさらに含み、前記制御部は、前記車両のトランクが閉鎖された場合、前記第7臭いセンシングモジュールの臭いデータに基づいて前記車両のトランクでの悪臭発生の有無を決定することができる。
【0020】
空調装置を含む一実施例に係る車両の制御方法は、前記車両の状態情報または前記空調装置の状態情報のうち少なくとも一つに基づいて悪臭発生の判断プロセスの開始の有無を決定し;悪臭発生の判断プロセスを開始する場合、前記車両の室内または前記空調装置の内部に設けられて複数のガスセンサを含む複数の臭いセンシングモジュールのうち少なくとも一つの出力に基づいて臭いデータを決定し;前記臭いデータに基づいて悪臭発生が識別される場合、悪臭を案内するか除去するように制御すること;を含む。
【0021】
前記車両の制御方法は、前記臭いデータの悪臭ガス濃度または前記臭いデータの臭いパターンのうち少なくとも一つに基づいて悪臭発生の有無を決定すること;をさらに含むことができる。
【0022】
前記車両の制御方法は、前記複数の臭いセンシングモジュールのうちいずれか一つの臭いセンシングモジュールの臭いデータと前記複数の臭いセンシングモジュールのうち他の一つの臭いセンシングモジュールの臭いデータ間の差分に基づいて、前記いずれか一つの臭いセンシングモジュールと前記他の一つの臭いセンシングモジュールの間での悪臭発生の有無を決定すること;をさらに含むことができる。
【0023】
悪臭を案内するか除去するように制御することは、悪臭が発生したものと決定する場合、悪臭を除去するようにドア、窓、サンルーフまたはトランクのうち少なくとも一つを開放するように制御すること;を含むことができる。
【0024】
悪臭を案内するか除去するように制御することは、天気情報または前記車両の駐車情報のうち少なくとも一つに基づいて、前記ドア、前記窓、前記サンルーフまたは前記トランクのうち少なくとも一つの開放の有無を決定すること;を含むことができる。
【0025】
悪臭を案内するか除去するように制御することは、悪臭ガス濃度に比例して、前記ドア、前記窓、前記サンルーフまたは前記トランクのうち少なくとも一つの開放時間を調整すること;を含むことができる。
【発明の効果】
【0026】
一側面に係る車両およびその制御方法によると、互いに異なる位置に設けられる複数の臭いセンシングモジュールの出力に基づいて悪臭発生の有無を感知し、悪臭発生を案内するか除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】一実施例に係る車両の制御ブロック図である。
【
図2】一実施例に係る臭いセンシングモジュールの配置位置を説明するための図面である。
【
図3】一実施例に係る車両が悪臭発生の有無を決定する場合を説明するための図面である。
【
図4】一実施例に係る車両の悪臭発生時の動作を説明するための図面である。
【
図5】一実施例に係る車両がフィルタでの悪臭発生の有無を決定する場合を説明するための図面である。
【
図6】一実施例に係る車両が蒸発器での悪臭発生の有無を決定する場合を説明するための図面である。
【
図7】一実施例に係る車両がヒーターでの悪臭発生の有無を決定する場合を説明するための図面である。
【
図8】一実施例に係る車両が室内での悪臭発生の有無を決定する場合を説明するための図面である。
【
図9】一実施例に係る車両がトランクでの悪臭発生の有無を決定する場合を説明するための図面である。
【
図10】一実施例に係る車両の制御方法のうち車両内悪臭発生原因を決定する場合のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
明細書全体に亘って同一の参照符号は同一の構成要素を指し示す。本明細書が実施例のすべての要素を説明するものではなく、本発明が属する技術分野で一般的な内容または実施例間で重複する内容は省略する。
【0029】
明細書全体で、或る部分が他の部分と「連結」されているとする時、これは直接的に連結されている場合だけでなく、間接的に連結されている場合を含み、間接的な連結は無線通信網を通じて連結されることを含む。
【0030】
また、或る部分が何らかの構成要素を「含む」とする時、これは特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。
【0031】
単数の表現は文脈上明白に例外がない限り、複数の表現を含む。
【0032】
また、「~部」、「~器」、「~ブロック」、「~部材」、「~モジュール」などの用語は、少なくとも一つの機能や動作を処理する単位を意味し得る。例えば、前記用語はFPGA(field-programmable gate array)/ASIC(application specific integrated circuit)などの少なくとも一つのハードウェア、メモリに保存された少なくとも一つのソフトウェアまたはプロセッサによって処理される少なくとも一つのプロセスを意味し得る。
【0033】
各段階に付けられる符号は各段階を識別するために使われるもので、これらの符号は各段階の相互間の順序を示すものではなく、各段階は文脈上明白に特定順序を記載しない以上明記された順序と異なって実施され得る。
【0034】
以下では、添付された図面を参照して一側面に係る車両およびその制御方法に関する実施例を詳細に説明することにする。
【0035】
図1は一実施例に係る車両10の制御ブロック図であり、
図2は一実施例に係る臭いセンシングモジュール120の配置位置を説明するための図面である。
【0036】
図1を参照すると、一実施例に係る車両10は、使用者入力を受信し情報を表示できる使用者インターフェース110と、複数のガスセンサ121を含んでガス濃度を感知できる臭いセンシングモジュール120と、臭いセンシングモジュール120の出力に基づいて臭いを決定し悪臭発生の有無を判断できる制御部130と、車両10内の空気調和を遂行する空調装置140と、窓、ドア、サンルーフまたはトランクなどの開閉を遂行するアクチュエータ150と、外部装置と通信を遂行する通信部160を含む。
【0037】
一実施例に係る使用者インターフェース110は、使用者入力を受信でき、このために、予め公知となっている類型の入力装置を含むことができる。例えば、使用者インターフェース110は、悪臭判断のためのガス濃度基準値や悪臭の臭いパターンに対する設定を使用者から入力を受けることができる。
【0038】
また、一実施例に係る使用者インターフェース110は、情報を表示でき、このために、予め公知となっている類型のディスプレイパネルを含むことができる。例えば、使用者インターフェース110は、悪臭発生と判断される場合、悪臭発生を案内するメッセージを表示することができる。
【0039】
一実施例に係る臭いセンシングモジュール120は、複数のガスセンサ121を含み、複数のガスセンサ121のそれぞれは互いに異なる類型のガスの濃度を感知することができる。例えば、複数のガスセンサ121は、アレイで配列されて臭いセンシングモジュール120に流入するガスの濃度を測定することができる。
【0040】
ガスセンサ121は、電気式ガスセンサ、化学式ガスセンサまたはバイオペプチドガスセンサ等で設けられ得、その類型に制限はない。
【0041】
図示されてはいないが、臭いセンシングモジュール120は、ガスを吸入するためのポンプや吸入ファンをさらに含むことができ、ガスを排出するためのファンをさらに含むことができる。
【0042】
特に、臭いセンシングモジュール120は、複数個で設けられ得、車両10の室内や空調装置140の内部で互いに異なる位置に設けられ得る。
【0043】
具体的には、複数の臭いセンシングモジュール120は、
図2に図示された通り、空調装置140の吸入部147の一側に設けられる第1臭いセンシングモジュール120-1と、吸入部147を通じて吸入された外部空気を濾過するフィルタ141とフィルタ141を通過した空気との熱交換を遂行する蒸発器144の間に設けられる第2臭いセンシングモジュール120-2と、蒸発器144とヒーター145の間に設けられる第3臭いセンシングモジュール120-3と、ヒーター145と空調装置140の空気を車両10の室内に案内する通風口146の間に設けられる第4臭いセンシングモジュール120-4と、通風口146の一側に設けられる第5臭いセンシングモジュール120-5と、車両10の室内に設けられる第6臭いセンシングモジュール120-6と、車両10のトランク内に設けられる第7臭いセンシングモジュール120-7を含むことができる。
【0044】
このように、複数の臭いセンシングモジュール120は、互いに異なる位置に設けられて互いに異なる位置でのガス濃度を感知することができる。
【0045】
一実施例に係る制御部130は、車両10の状態情報または空調装置140の状態情報のうち少なくとも一つに基づいて悪臭発生の判断プロセスの開始の有無を決定することができる。
【0046】
車両10の状態情報は、車両10の窓、ドア、サンルーフまたはトランクなどの開閉の有無に対する情報であり得、車両ネットワーク(例えば、CAN(Controller Area Network))を通じて制御部130に伝達され得る。
【0047】
また、空調装置140の状態情報は、空調装置140の内気/外気モードに対する情報、空調装置140のA/C(air conditioning)機能の活性化の有無に対する情報、または空調装置140の風量に対する情報のうち少なくとも一つを含むことができ、車両ネットワーク(例えば、CAN(Controller Area Network))を通じて制御部130に伝達され得る。
【0048】
例えば、制御部130は、空調装置140が内気モードに切り替わる場合、フィルタ141での悪臭発生の有無を判断するように制御することができる。
【0049】
また、制御部130は、空調装置140が内気モードであり空調装置140のA/C機能が活性化され空調装置140のブロワモータ143が動作する場合、蒸発器144での悪臭発生の有無を判断するように制御することができる。
【0050】
また、制御部130は、空調装置140が内気モードであり空調装置140のA/C機能が非活性化され空調装置140のブロワモータ143が動作する場合、ヒーター145での悪臭発生の有無を判断するように制御することができる。
【0051】
また、制御部130は、車両10のドアおよび窓が閉鎖された場合、車両10の室内での悪臭発生の有無を判断するように制御することができる。
【0052】
また、制御部130は、車両10のトランクが閉鎖された場合、車両10のトランクでの悪臭発生の有無を判断するように制御することができる。
【0053】
一実施例に係る制御部130は、悪臭発生の判断プロセスを開始する場合、複数の臭いセンシングモジュール120のうち少なくとも一つの出力に基づいて臭いデータを決定することができる。
【0054】
具体的には、制御部130は、一つの臭いセンシングモジュール120に含まれる複数のガスセンサ121それぞれの出力値で臭いデータを決定することができる。すなわち、制御部130は、複数のガスセンサ121のそれぞれの出力値がなす出力パターンを学習されたパターンデータと比較して出力パターンに対応するパターンデータを識別し、識別されたパターンデータに対応する臭いを臭いセンシングモジュール120の位置で識別される臭いと決定することができる。
【0055】
例えば、制御部130は、臭いと臭いに対するガスセンサ121の出力に基づいてニューラルネットワークを教師あり学習させることができ、以後制御部130はガスセンサ121の出力を入力とするニューラルネットワークの出力に基づいて臭いを識別することができる。
【0056】
この時、制御部130は、臭いデータの悪臭ガス濃度または臭いデータの臭いパターンのうち少なくとも一つに基づいて悪臭発生の有無を決定することができる。
【0057】
すなわち、制御部130は、臭いデータ上の悪臭ガス濃度が予め設定された値以上であるか臭いデータの臭いパターンが悪臭の臭いパターンに対応する場合、悪臭が発生したものと決定することができる。
【0058】
この時、制御部130は、実施例により、複数の臭いセンシングモジュール120のうちいずれか一つの臭いセンシングモジュールの臭いデータと複数の臭いセンシングモジュール120のうち他の一つの臭いセンシングモジュールの臭いデータ間の差分に基づいて、いずれか一つの臭いセンシングモジュールと他の一つの臭いセンシングモジュールの間での悪臭発生の有無を決定することができる。
【0059】
すなわち、制御部130は、互いに異なる臭いセンシングモジュールの臭いデータ間の差分が示す臭いパターン上のガス濃度が悪臭ガス濃度基準値以上である場合、互いに異なる臭いセンシングモジュールの間の構成で悪臭が発生したものと決定することができる。
【0060】
また、制御部130は、互いに異なる臭いセンシングモジュールの臭いデータ間の差分が示す臭いパターンが悪臭の臭いパターンと対応する場合、互いに異なる臭いセンシングモジュールの間の構成で悪臭が発生したものと決定することができる。
【0061】
例えば、制御部130は、第2臭いセンシングモジュール120-2の臭いデータおよび第1臭いセンシングモジュール120-1の臭いデータ間の差分に基づいてフィルタ141での悪臭発生の有無を決定することができる。
【0062】
また、制御部130は、第3臭いセンシングモジュール120-3の臭いデータおよび第2臭いセンシングモジュール120-2の臭いデータの差分に基づいて蒸発器144での悪臭発生の有無を決定することができる。
【0063】
また、制御部130は、第4臭いセンシングモジュール120-4の臭いデータおよび第3臭いセンシングモジュール120-3の臭いデータ間の差分に基づいてヒーター145での悪臭発生の有無を決定することができる。
【0064】
また、制御部130は、第6臭いセンシングモジュール120-6の臭いデータおよび第5臭いセンシングモジュール120-5の臭いデータ間の差分に基づいて車両10の室内での悪臭発生の有無を決定することができる。
【0065】
ただし、制御部130は、第6臭いセンシングモジュール120-6の臭いデータおよび第5臭いセンシングモジュール120-5の臭いデータ間の差分が示す臭いパターン上、悪臭ガスの濃度が基準値以上であるか差分が示す臭いパターンが悪臭の臭いパターンに対応する場合にも、車両10の外部要因による悪臭発生と判断される場合には車両10の室内での悪臭発生がないものと判断することができる。
【0066】
例えば、制御部130は、車両10の汚染場所(例えば、畜舎団地、工業団地など)での走行、車両10の注油口の開放または車両10のウォッシャー液の噴出のうち少なくとも一つの状況では車両10の室内での悪臭発生がないものと決定することができる。
【0067】
また、一実施例に係る制御部130は、第7臭いセンシングモジュールの臭いデータに基づいて車両10のトランクでの悪臭発生の有無を決定することができる。
【0068】
一実施例に係る制御部130は、悪臭が発生したものと決定する場合、悪臭を除去するようにドア、窓、サンルーフまたはトランクのうち少なくとも一つを開放するようにアクチュエータ150を制御することができる。
【0069】
この時、制御部130は、実施例により、天気情報または車両10の駐車情報のうち少なくとも一つに基づいて、ドア、窓、サンルーフ、またはトランクのうち少なくとも一つの開放の有無を決定することができる。
【0070】
また、制御部130は、実施例により、悪臭ガスの濃度に比例して、ドア、窓、サンルーフまたはトランクのうち少なくとも一つの開放時間を調整することができる。
【0071】
一実施例に係る制御部130は、悪臭が発生したものと決定する場合、悪臭発生を案内するように使用者インターフェース110を制御することができる。
【0072】
一実施例に係る制御部130は、悪臭が発生したものと決定する場合、悪臭発生を案内するメッセージを外部装置に送信するように通信部160を制御することができる。例えば、外部装置は、複数の車両10を管理するサーバー(例:カーシェアリングサービス業者のサーバーまたは自律走行管理サーバー)に該当し得、これを通じて、共有車両および自律走行車両で常駐する管理者なしにも臭いの発生を遠隔で把握し措置を取ることができる。
【0073】
制御部130は、前述した動作および後述する動作を遂行するプログラムが保存された少なくとも一つのメモリおよび保存されたプログラムを実行させる少なくとも一つのプロセッサを含むことができる。メモリとプロセッサが複数である場合に、これらが一つのチップに集積されてもよく、物理的に分離された位置に設けられてもよい。
【0074】
一実施例に係る空調装置140は、車両10室内の空気調和を遂行でき、このために、
図2に図示された通り、外気が吸入される吸入部147と、吸入された外気の異物を濾過するフィルタ141と、吸入気流を生成するブロワ(blower)ファン142およびブロワモータ143と、フィルタ141を通過した空気を熱交換を通じて冷却する蒸発器144と、フィルタ141を通過した空気に熱を供給するヒーター145と、空調装置140の空気を車両10の室内に案内する通風口146を含むことができる。
【0075】
一実施例に係るアクチュエータ150は、ドア、窓、サンルーフおよびトランクそれぞれの一側に設けられてドア、窓、サンルーフおよびトランクそれぞれを開放および閉鎖することができる。このために、アクチュエータ150は構成を開放および閉鎖できる予め公知となっている類型のアクチュエータで設けられ得る。
【0076】
一実施例に係る通信部160は、車両10で悪臭が発生したものと決定される場合、車両10の悪臭発生を案内するメッセージを外部装置に送信することができる。
【0077】
また、通信部160は、実施例により、外部装置から整備所への入庫を命令する信号を受信してもよい。
【0078】
このために、通信部160は、予め公知となっている類型の無線通信モジュールで設けられ得る。
【0079】
以上では、車両10の各構成について説明した。以下では、車両10での悪臭発生の有無を決定することについて詳しく説明することにする。
【0080】
図3は、一実施例に係る車両10が悪臭発生の有無を決定する場合を説明するための図面である。
【0081】
図3を参照すると、車両10は、悪臭発生の判断プロセスを開始する場合、複数の臭いセンシングモジュール120のうち少なくとも一つの出力に基づいて臭いデータを決定することができる。
【0082】
具体的には、車両10は、一つの臭いセンシングモジュール120に含まれる複数のガスセンサ121のそれぞれの出力値で臭いデータを決定することができる。すなわち、車両10は、複数のガスセンサ121のそれぞれの出力値がなす出力パターンを学習されたパターンデータと比較して出力パターンに対応するパターンデータを識別し、識別されたパターンデータに対応する臭いを臭いセンシングモジュール120の位置で識別される臭いと決定することができる。
【0083】
例えば、車両10は、臭いと臭いに対するガスセンサ121の出力に基づいてニューラルネットワークを教師あり学習させることができ、以後車両10はガスセンサ121の出力を入力とするニューラルネットワークの出力に基づいて臭いを識別することができる。
【0084】
臭いデータのパターンは、
図3に図示された通り、一つの臭いセンシングモジュール120を構成する複数のガスセンサ121の出力が形成するパターンを意味し得る。すなわち、パターンは、複数のガスセンサ121の出力の間の関係を意味し得、複数のガスセンサ121の出力値で表現されるレーダーチャート、時系列グラフ、ドーナツグラフ等で表現され得る。
図3では、一例として複数のガスセンサ121の出力値をレーダーチャートで表現してパターンを図示している。
【0085】
この時、車両10は、臭いデータの悪臭ガス濃度または臭いデータの臭いパターンのうち少なくとも一つに基づいて悪臭発生の有無を決定することができる。
【0086】
すなわち、車両10は、臭いデータ上の悪臭ガス濃度が予め設定された基準値以上であるか臭いデータの臭いパターンが悪臭の臭いパターンに対応する場合、悪臭が発生したものと決定することができる。
【0087】
この時、悪臭ガス濃度の基準値は、使用者インターフェース110により使用者によって変更され得るため、使用者別敏感度を調節することができる。また、悪臭ガス濃度の基準値は、使用者別に予め設定され得、車両10をレンタルする使用者に対応する値で設定され得る。
【0088】
また、悪臭ガス濃度の基準値は、車両10の老朽の程度によりその値が異なって設定され得、例えば、老朽の程度が高いほど悪臭ガス濃度の基準値が低くて悪臭管理が厳格に進行されるようにする。
【0089】
また、悪臭ガス濃度の基準値は、車両10がカーシェアリングサービスに利用される場合、個人車両である時より低い値で設定されて悪臭管理が厳格に進行されるようにする。
【0090】
この時、車両10は、実施例により、
図3に図示された通り、複数の臭いセンシングモジュール120のうちいずれか一つの臭いセンシングモジュールの臭いデータと複数の臭いセンシングモジュール120のうち他の一つの臭いセンシングモジュールの臭いデータ間の差分に基づいて、いずれか一つの臭いセンシングモジュールと他の一つの臭いセンシングモジュールの間での悪臭発生の有無を決定することができる。
【0091】
すなわち、車両10は、互いに異なる臭いセンシングモジュールの臭いデータ間の差分が示す臭いパターン上のガス濃度が悪臭ガス濃度基準値以上である場合、互いに異なる臭いセンシングモジュールの間の構成で悪臭が発生したものと決定することができる。
【0092】
また、車両10は、互いに異なる臭いセンシングモジュールの臭いデータ間の差分が示す臭いパターンが悪臭の臭いパターンと対応する場合、互いに異なる臭いセンシングモジュールの間の構成で悪臭が発生したものと決定することができる。
【0093】
図4は、一実施例に係る車両10の悪臭発生時の動作を説明するための図面である。
【0094】
図4を参照すると、一実施例に係る車両10は、悪臭が発生したものと決定する場合、悪臭を除去するようにドア、窓、サンルーフまたはトランクのうち少なくとも一つを開放するようにアクチュエータ150を制御することができる。
【0095】
この時、車両10は、実施例により、天気情報または車両10の駐車情報のうち少なくとも一つに基づいて、ドア、窓、サンルーフ、またはトランクのうち少なくとも一つの開放の有無および開放時間を決定することができる。
【0096】
例えば、車両10は、車両10の室内で悪臭が発生したものと決定する場合、天気情報または駐車情報のうち少なくとも一つに基づいてドア、窓またはサンルーフのうち少なくとも一つを開放するように制御することができる。すなわち、車両10は、雨が降らない天気であり、かつ車両10が走行中である場合には窓またはサンルーフを開放するように制御し、雨が降らない天気であり、かつ車両10が駐車されている場合には窓、サンルーフまたはドアのうち少なくとも一つを開放するように制御することができる。また、車両10は、雨が降る天気である場合には、その反対に、窓、サンルーフおよびドアが開放されないようにすることができる。
【0097】
また、車両10は、車両10のトランクで悪臭(例えば、食べ物の臭い)が発生したものと決定する場合、雨が降らない天気であり、かつ車両10が駐車される時にトランクを開放するように制御することができる。
【0098】
また、一実施例に係る車両10は、悪臭が発生したものと決定する場合、悪臭発生を案内するように使用者インターフェース110を制御することができる。例えば、車両10は、
図4に図示された通り、フィルタ141での悪臭発生が識別される場合、フィルタ141の取り替えを案内するメッセージを出力するように使用者インターフェース110を制御することができる。
【0099】
また、一実施例に係る車両10は、悪臭が発生したものと決定する場合、悪臭発生を案内するメッセージを外部装置20に送信するように通信部160を制御することができる。例えば、外部装置20はカーシェアリングサービスを管理するサーバーに該当し得、外部装置20はカーシェアリングサービスに所属した車両の悪臭発生の有無を管理するために車両から悪臭発生を案内するメッセージを受信することができる。この場合、外部装置20は、悪臭が発生した車両10が整備のために、車庫や整備所に入庫できるように入庫命令を該当車両10に送信することができ、レンタル車両リストに該当車両10が洗浄中であると表示して顧客の検索対象から除外されるようにすることができる。
【0100】
以上では、車両10が悪臭発生の有無を判断して対応することについて詳しく説明した。以下では、車両10が悪臭発生の有無を判断する具体的な実施例について詳しく説明することにする。
【0101】
図5は一実施例に係る車両10がフィルタ141での悪臭発生の有無を決定する場合を説明するための図面であり、
図6は一実施例に係る車両10が蒸発器144での悪臭発生の有無を決定する場合を説明するための図面であり、
図7は一実施例に係る車両10がヒーター145での悪臭発生の有無を決定する場合を説明するための図面であり、
図8は一実施例に係る車両10が室内での悪臭発生の有無を決定する場合を説明するための図面であり、
図9は一実施例に係る車両10がトランクでの悪臭発生の有無を決定する場合を説明するための図面である。
【0102】
図5~
図9を参照すると、一実施例に係る車両10は、車両10の状態情報または空調装置140の状態情報のうち少なくとも一つに基づいて悪臭発生の判断プロセスの開始の有無を決定することができる。
【0103】
車両10の状態情報は、車両10の窓、ドア、サンルーフまたはトランクなどの開閉の有無に対する情報であり得、車両ネットワーク(例えば、CAN(Controller Area Network))を通じて制御部130に伝達され得る。
【0104】
また、空調装置140の状態情報は、空調装置140の内気/外気モードに対する情報、空調装置140のA/C(air conditioning)機能の活性化の有無に対する情報、または空調装置140の風量に対する情報のうち少なくとも一つを含むことができ、車両ネットワーク(例えば、CAN(Controller Area Network))を通じて制御部130に伝達され得る。
【0105】
例えば、車両10は、
図5に図示された通り、空調装置140が内気モードに切り替わる場合、フィルタ141での悪臭発生の有無を判断するように制御することができる。
【0106】
この時、車両10は、第2臭いセンシングモジュール120-2の臭いデータおよび第1臭いセンシングモジュール120-1の臭いデータ間の差分に基づいてフィルタ141での悪臭発生の有無を決定することができる。
【0107】
また、車両10は、
図6に図示された通り、空調装置140が内気モードであり空調装置140のA/C機能が活性化され空調装置140のブロワモータ143が動作する場合、蒸発器144での悪臭発生の有無を判断するように制御することができる。
【0108】
この時、車両10は、第3臭いセンシングモジュール120-3の臭いデータおよび第2臭いセンシングモジュール120-2の臭いデータの差分に基づいて蒸発器144での悪臭発生の有無を決定することができる。
【0109】
また、車両10は、
図7に図示された通り、空調装置140が内気モードであり空調装置140のA/C機能が非活性化され空調装置140のブロワモータ143が動作する場合、ヒーター145での悪臭発生の有無を判断するように制御することができる。
【0110】
この時、車両10は、第4臭いセンシングモジュール120-4の臭いデータおよび第3臭いセンシングモジュール120-3の臭いデータ間の差分に基づいてヒーター145での悪臭発生の有無を決定することができる。
【0111】
また、車両10は、
図8に図示された通り、車両10のドアおよび窓が閉鎖された場合、車両10の室内での悪臭発生の有無を判断するように制御することができる。ただし、実施例により、車両10は、サンルーフがある場合、ドアおよび窓に加えてサンルーフが閉鎖された場合、車両10の室内での悪臭発生の有無を判断するように制御してもよい。また、車両10は、実施例により、車両10のドアおよび窓の閉鎖に加えて車両10の始動の終了または搭乗者の下車のうち少なくとも一つの条件をさらに考慮して車両10の室内での悪臭発生の有無を判断するように制御してもよい。
【0112】
この時、車両10は、第6臭いセンシングモジュール120-6の臭いデータおよび第5臭いセンシングモジュール120-5の臭いデータ間の差分に基づいて車両10の室内での悪臭発生の有無を決定することができる。
【0113】
ただし、車両10は、第6臭いセンシングモジュール120-6の臭いデータおよび第5臭いセンシングモジュール120-5の臭いデータ間の差分が示す臭いパターン上、悪臭ガスの濃度が基準値以上であるか差分が示す臭いパターンが悪臭の臭いパターンに対応する場合にも、車両10の外部要因による悪臭発生と判断される場合には車両10の室内での悪臭発生がないものと判断することができる。
【0114】
例えば、車両10は、車両10の汚染場所(例えば、畜舎団地、工業団地など)での走行、車両10の注油口の開放または車両10のウォッシャー液の噴出のうち少なくとも一つの状況では、車両10の室内での悪臭発生がないものと決定することができる。
【0115】
また、車両10は、
図9に図示された通り、車両10のトランクが閉鎖された場合、車両10のトランクでの悪臭発生の有無を判断するように制御することができる。
【0116】
この時、車両10は、第7臭いセンシングモジュールの臭いデータに基づいて車両10のトランクでの悪臭発生の有無を決定することができる。
【0117】
以下、一側面に係る車両10の制御方法に関する実施例を説明することにする。車両10の制御方法には前述した実施例に係る車両10が使われ得る。したがって、前記
図1~
図9を参照して説明した内容は車両10の制御方法にも同一に適用され得る。
【0118】
図10は、一実施例に係る車両10の制御方法のうち車両10内悪臭発生原因を決定する場合のフローチャートである。
【0119】
図10を参照すると、一実施例に係る車両10は、車両10の状態情報または空調装置140の状態情報のうち少なくとも一つに基づいて悪臭発生判断プロセッサの開始の有無を決定することができる(1010)。
【0120】
車両10の状態情報は、車両10の窓、ドア、サンルーフまたはトランクなどの開閉の有無に対する情報であり得、車両ネットワーク(例えば、CAN(Controller Area Network))を通じて制御部130に伝達され得る。
【0121】
また、空調装置140の状態情報は、空調装置140の内気/外気モードに対する情報、空調装置140のA/C(air conditioning)機能の活性化の有無に対する情報、または空調装置140の風量に対する情報のうち少なくとも一つを含むことができ、車両ネットワーク(例えば、CAN(Controller Area Network))を通じて制御部130に伝達され得る。
【0122】
一実施例に係る車両10は悪臭発生判断プロセッサの開始と決定する場合(1020のはい)、複数の臭いセンシングモジュール120のうち少なくとも一つの出力に基づいて臭いデータを決定することができる(1030)。
【0123】
具体的には、車両10は、一つの臭いセンシングモジュール120に含まれる複数のガスセンサ121のそれぞれの出力値で臭いデータを決定することができる。すなわち、車両10は、複数のガスセンサ121のそれぞれの出力値がなす出力パターンを学習されたパターンデータと比較して出力パターンに対応するパターンデータを識別し、識別されたパターンデータに対応する臭いを臭いセンシングモジュール120の位置で識別される臭いと決定することができる。
【0124】
例えば、車両10は、臭いと臭いに対するガスセンサ121の出力に基づいてニューラルネットワークを教師あり学習させることができ、以後車両10はガスセンサ121の出力を入力とするニューラルネットワークの出力に基づいて臭いを識別することができる。
【0125】
この時、車両10は、臭いデータの悪臭ガス濃度または臭いデータの臭いパターンのうち少なくとも一つに基づいて悪臭発生の有無を決定することができる。
【0126】
すなわち、車両10は、臭いデータ上の悪臭ガス濃度が予め設定された値以上であるか臭いデータの臭いパターンが悪臭の臭いパターンに対応する場合、悪臭が発生したものと決定することができる。
【0127】
この時、車両10は、実施例により、複数の臭いセンシングモジュール120のうちいずれか一つの臭いセンシングモジュールの臭いデータと複数の臭いセンシングモジュール120のうち他の一つの臭いセンシングモジュールの臭いデータ間の差分に基づいて、いずれか一つの臭いセンシングモジュールと他の一つの臭いセンシングモジュールの間での悪臭発生の有無を決定することができる。
【0128】
すなわち、車両10は、互いに異なる臭いセンシングモジュールの臭いデータ間の差分が示す臭いパターン上のガス濃度が悪臭ガス濃度基準値以上である場合、互いに異なる臭いセンシングモジュールの間の構成で悪臭が発生したものと決定することができる。
【0129】
また、車両10は、互いに異なる臭いセンシングモジュールの臭いデータ間の差分が示す臭いパターンが悪臭の臭いパターンと対応する場合、互いに異なる臭いセンシングモジュールの間の構成で悪臭が発生したものと決定することができる。
【0130】
一実施例に係る車両10は、臭いデータに基づいて悪臭発生を識別する場合(1040のはい)、悪臭を案内するか除去するように制御することができる(1050)。
【0131】
一方、開示された実施例はコンピュータによって実行可能な命令語を保存する記録媒体の形態で具現され得る。命令語はプログラムコードの形態で保存され得、プロセッサによって実行された時、プログラムモジュールを生成して開示された実施例の動作を遂行できる。記録媒体はコンピュータで読み取り可能な記録媒体で具現され得る。
【0132】
コンピュータ読み取り可能な記録媒体としてはコンピュータによって解読され得る命令語が保存されたすべての種類の記録媒体を含む。例えば、ROM(read only memory)、RAM(random access memory)、磁気テープ、磁気ディスク、フラッシュメモリ、光データ保存装置などがあり得る。
【0133】
以上、添付された図面を参照して開示された実施例を説明した。本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者は本発明の技術的思想や必須の特徴を変更することなく、開示された実施例と異なる形態で本発明が実施され得ることが理解できるであろう。開示された実施例は例示的なものであり、限定的に解釈されてはならない。
【符号の説明】
【0134】
10:車両
110:使用者インターフェース
120:臭いセンシングモジュール
121:ガスセンサ
130:制御部
140:空調装置
150:アクチュエータ
160:通信部