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特開2023-104891セラミックガラスおよびこれを適用したクックトップ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023104891
(43)【公開日】2023-07-28
(54)【発明の名称】セラミックガラスおよびこれを適用したクックトップ
(51)【国際特許分類】
   C03C 10/12 20060101AFI20230721BHJP
   C03C 17/25 20060101ALI20230721BHJP
   C03B 27/012 20060101ALI20230721BHJP
   F24C 15/10 20060101ALI20230721BHJP
   H05B 6/12 20060101ALI20230721BHJP
【FI】
C03C10/12
C03C17/25 A
C03B27/012
F24C15/10 B
H05B6/12 305
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022212480
(22)【出願日】2022-12-28
(31)【優先権主張番号】10-2022-0007488
(32)【優先日】2022-01-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0012690
(32)【優先日】2022-01-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0082149
(32)【優先日】2022-07-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0091365
(32)【優先日】2022-07-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0091371
(32)【優先日】2022-07-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り セラミックガラスの製造会社へ送信した電子メール 公開日 令和4年6月14日
(71)【出願人】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung-ro,Yeongtong-gu,Suwon-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ソン,ジヨン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ヒョンイン
(72)【発明者】
【氏名】コ,ヨンドク
(72)【発明者】
【氏名】キム,クァンジュ
(72)【発明者】
【氏名】モク,ジュンサン
(72)【発明者】
【氏名】ハ,ジョンフォン
【テーマコード(参考)】
3K151
4G015
4G059
4G062
【Fターム(参考)】
3K151BA62
4G015CB01
4G059AA15
4G059AC08
4G059AC16
4G059EA04
4G059EB05
4G062AA11
4G062BB06
4G062DA07
4G062DB04
4G062DC01
4G062DD01
4G062DE01
4G062DF01
4G062EA03
4G062EA04
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4G062EC01
4G062ED01
4G062EE01
4G062EF01
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4G062FA01
4G062FA10
4G062FB01
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4G062FF01
4G062FG01
4G062FH01
4G062FJ01
4G062FK01
4G062FL01
4G062GA01
4G062GA10
4G062GB01
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4G062HH01
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4G062HH15
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4G062JJ01
4G062JJ03
4G062JJ05
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4G062JJ10
4G062KK01
4G062KK03
4G062KK05
4G062KK07
4G062KK10
4G062MM01
4G062NN31
4G062NN34
4G062QQ09
(57)【要約】
【課題】微細組織を制御してカラー鮮明度を高め、ポリッシング工程を通じて清掃性を向上させたセラミックガラスおよびこれを適用したクックトップを提供する
【解決手段】上部表面に凹凸層が形成されるガラス素材を含み、色差計L値が90以上100以下であり、前記ガラス素材は、LiO、AlおよびSiOを含み、熱衝撃温度が525℃以上575℃以下であり、表面粗さがRa:0.1μm以下およびRz:0.8μm以下であることを特徴とする。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部表面に凹凸層が形成されるガラス素材を含み、
色差計L値が90以上100以下であり、
前記ガラス素材は、LiO、AlおよびSiOを含み、
熱衝撃温度が525℃以上575℃以下であり、
表面粗さがRa:0.1μm以下およびRz:0.8μm以下であることを特徴とするクックトップ用セラミックガラス。
【請求項2】
熱抵抗温度が825℃以上875℃以下であることを特徴とする請求項1に記載のクックトップ用セラミックガラス。
【請求項3】
前記凹凸層の全体に塗布されるコーティング層をさらに含み、
前記コーティング層はZrOおよびTiOを含むことを特徴とする請求項1に記載のクックトップ用セラミックガラス。
【請求項4】
前記ガラス素材は、
重量%で、LiO:5~15%、Al:15~25%、残りはSiOおよび不純物からなることを特徴とする請求項1に記載のクックトップ用セラミックガラス。
【請求項5】
前記ガラス素材は、厚さが3~5mmであることを特徴とする請求項1に記載のクックトップ用セラミックガラス。
【請求項6】
前記コーティング層は、重量%で、ZrO:70~95%、残りはTiOおよび不純物からなることを特徴とする請求項3に記載のクックトップ用セラミックガラス。
【請求項7】
前記コーティング層は、厚さが30nm以下であることを特徴とする請求項1に記載のクックトップ用セラミックガラス。
【請求項8】
ビッカース硬度(Hv)が920以上1000以下であることを特徴とする請求項3に記載のクックトップ用セラミックガラス。
【請求項9】
前記ガラス素材の上部に、火口の中央を表示するための硝子印刷層をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のクックトップ用セラミックガラス。
【請求項10】
上部表面に凹凸層が形成されるガラス素材を含み、
色差計L値が90以上100以下であり、
前記ガラス素材は、LiO、AlおよびSiOを含み、
表面粗さRa:0.1μm以下およびRz:0.8μm以下であることを特徴とするクックトップ用セラミックガラス。
【請求項11】
セラミックガラス前駆体(Precursor)を製造する段階、
前記セラミックガラス前駆体を加熱して結晶を生成する段階、
前記結晶が生成されたセラミックガラスをクーリングする段階、
前記クーリングしたセラミックガラスを成形する段階、および
前記成形したセラミックガラスをポリッシング(Polishing)する段階を含むことを特徴とするクックトップ用セラミックガラス製造方法。
【請求項12】
前記ポリッシングしたセラミックガラスをコーティングする段階をさらに含むことを特徴とする請求項11に記載のクックトップ用セラミックガラス製造方法。
【請求項13】
前記セラミックガラス前駆体を製造する段階は、
セラミックガラスパウダーを1400~1600℃で溶融させた後、常温まで40℃/min以下の冷却速度で冷却させることを特徴とする請求項11に記載のクックトップ用セラミックガラス製造方法。
【請求項14】
前記結晶を生成する段階は、600~800℃で10~20分間維持する1次加熱段階および800~1000℃で20~30分間維持する2次加熱段階を含むことを特徴とする請求項11に記載のクックトップ用セラミックガラス製造方法。
【請求項15】
前記クーリングする段階は、常温まで20℃/min以上の冷却速度で冷却することを特徴とする請求項11に記載のクックトップ用セラミックガラス製造方法。
【請求項16】
前記コーティングする段階は、コーティング液をセラミックガラス上部に塗布した後、600~800℃で5~15分間乾燥することを特徴とする請求項12に記載のクックトップ用セラミックガラス製造方法。
【請求項17】
クックトップ本体、
前記クックトップ本体の上部に設けられる第1ガラス、
前記第1ガラスと同一線上に配置される第2ガラス、
前記第1ガラスと前記第2ガラスを分離可能に結合する結合装置、
前記第2ガラスの下部に配置される回路基板および
前記ヒーターの下部に配置されて前記ヒーターを装着させるコイル装着板、を含み、
前記クックトップ本体はヒーターを含み、
前記第1ガラスはセラミックガラスを含み、
前記セラミックガラスは上部表面に凹凸層が形成されるガラス素材を含み、色差計L値が90以上100以下であり、熱衝撃温度が525℃以上575℃以下であり、ポリッシングする段階を通じて表面粗さRa:0.1μm以下およびRz:0.8μm以下とし、
前記ガラス素材はLiO、AlおよびSiOを含むことを特徴とするクックトップ。
【請求項18】
前記セラミックガラスは、
熱抵抗温度が825℃以上875℃以下であることを特徴とする請求項17に記載のクックトップ。
【請求項19】
前記ガラス素材は、
重量%で、LiO:5~15%、Al:15~25%、残りはSiOおよび不純物からなることを特徴とする請求項17に記載のクックトップ。
【請求項20】
クックトップ本体、
前記クックトップ本体の上部に設けられる第1ガラス、
前記第1ガラスと同一線上に配置される第2ガラス、
前記第1ガラスと前記第2ガラスを分離可能に結合する結合装置、
前記第2ガラスの下部に配置される回路基板、および
前記ヒーターの下部に配置されて前記ヒーターを装着させるコイル装着板を含み、
前記クックトップ本体はヒーターを含み、
前記第1ガラスはセラミックガラスを含み、
前記セラミックガラスは上部表面に凹凸層が形成されるガラス素材を含み、色差計L値が90以上100以下であり、ポリッシングする段階を通じて表面粗さはRa:0.1μm以下およびRz:0.8μm以下とし、
前記ガラス素材は、LiO、AlおよびSiOを含むことを特徴とするクックトップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はセラミックガラスおよびこれを適用したクックトップに係り、より詳しくは、微細組織を制御してカラー鮮明度を高め、ポリッシング工程を通じて清掃性を向上させたセラミックガラスおよびこれを適用したクックトップに関する。
【背景技術】
【0002】
熱を発生させるための熱源としてインダクション装置(誘導加熱装置)が使われている。特に、インダクション装置を利用して飲食物を加熱するための調理機器としてクックトップ(またはホブ)が使われている。
一般的にクックトップの上部には耐熱性に優れるセラミックガラスが使われている。セラミックガラスは、熱衝撃破壊がほとんど発生せず、機械的強度および熱伝導度に優れている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
セラミックガラスは色相によりホワイト、ブラックおよび透明セラミックガラスに分類される。このうち、ホワイトセラミックガラスはブラックおよび透明セラミックガラスに比べて審美感が劣位にあるという固有の問題がある。
また、ホワイトセラミックガラスの審美感を向上させるために、製造工程のうち結晶生成段階の時間を増やしクーリング段階の冷却速度を早くすると、表面に凹凸が多数発生して清掃性が低下するという問題が発生する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-043842号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記の問題を解決するためになされた本発明の目的とするところは、微細組織を制御してカラー鮮明度を高め、ポリッシング工程を通じて清掃性を向上させたセラミックガラスおよびこれを適用したクックトップを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のクックトップ用セラミックガラスは、上部表面に凹凸層が形成されるガラス素材を含み、色差計L値が85以上100以下であり、より好ましくは、色差計L値が90以上100以下である。前記ガラス素材は、LiO、AlおよびSiOを含み、熱衝撃温度が525℃以上575℃以下であり、表面粗さがRa:0.1μm以下およびRz:0.8μm以下であることを特徴とする。
【0007】
本発明のセラミックガラスは、熱抵抗温度が825℃以上875℃以下であり、前記凹凸層の全体に塗布されるコーティング層をさらに含み、前記コーティング層はZrOおよびTiOを含むことができる。
前記ガラス素材は、重量%で、LiO:5~15%、Al:15~25%、残りSiOおよび不純物からなることがよい。
【0008】
前記ガラス素材は、厚さが3~5mmであることができる。
前記コーティング層は、重量%で、ZrO:70~95%、残りTiOおよび不純物からなり、厚さが30nm以下であることがよい。
【0009】
本発明のセラミックガラスは、ビッカース硬度(Hv)が920以上1000以下であることがよい。
前記ガラス素材の上部に、火口の中央を表示するための硝子印刷層をさらに含むことができる。
本発明のセラミックガラスは、上部表面に凹凸層が形成されるガラス素材を含み、
色差計L値が90以上100以下であり、
前記ガラス素材は、LiO、AlおよびSiOを含み、
表面粗さRa:0.1μm以下およびRz:0.8μm以下であることが好ましい。
【0010】
本発明のセラミックガラスの製造方法は、セラミックガラス前駆体(Precursor)を製造する段階、前記セラミックガラス前駆体を加熱して結晶を生成する段階、前記結晶が生成されたセラミックガラスをクーリングする段階、前記クーリングしたセラミックガラスを成形する段階、および前記成形したセラミックガラスをポリッシング(Polishing)する段階を含むことを特徴とする。
【0011】
前記製造方法は、前記ポリッシングしたセラミックガラスをコーティングする段階をさらに含むことができる。
前記セラミックガラス前駆体を製造する段階は、セラミックガラスパウダーを1400~1600℃で溶融させた後、常温まで40℃/min以下の冷却速度で冷却させることがよい。
前記結晶を生成する段階は、600~800℃で10~20分間維持する1次加熱段階および800~1000℃で20~30分間維持する2次加熱段階を含むことが好ましい。
【0012】
前記クーリングする段階は、常温まで20℃/min以上の冷却速度で冷却することがよい。
前記コーティングする段階は、コーティング液をセラミックガラス上部に塗布した後、600~800℃で5~15分間乾燥することができる。
【0013】
本発明のクックトップは、クックトップ本体、
および前記クックトップ本体の上部に設けられる第1ガラス、前記第1ガラスと同一線上に配置される第2ガラス、前記第1ガラスと前記第2ガラスが分離可能に結合されるように設けられる結合装置、前記第2ガラスの下部に配置される回路基板および前記ヒーターの下部に配置されて前記ヒーターを装着させるコイル装着板、を含み、前記クックトップ本体はヒーターを含み、前記第1ガラスはセラミックガラスを含み、前記セラミックガラスは上部表面に凹凸層が形成されるガラス素材を含み、色差計L値が90以上100以下であり、熱衝撃温度が525℃以上575℃以下であり、ポリッシングする段階を通じて表面粗さRa:0.1μm以下およびRz:0.8μm以下とし、前記ガラス素材はLiO、AlおよびSiOを含むことを特徴とする。
【0014】
前記セラミックガラスは、熱抵抗温度が825℃以上875℃以下であることができる。
前記ガラス素材は、重量%で、LiO:5~15%、Al:15~25%、残りはSiOおよび不純物からなることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によると、本発明のセラミックガラスは、結晶生成段階の遂行時間を増やし、クーリング段階の冷却速度を速くすることによってカラー鮮明度を向上させ、ポリッシング工程を遂行することによって清掃性を向上させた、セラミックガラスおよびこれを適用したクックトップを提供することができる。
ただし、本発明の実施例に係るセラミックガラスおよびこれを適用したクックトップが達成できる効果は上記に言及したものに限定されず、言及していないさらに他の効果は下記の記載から本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に明確に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一例に係るセラミックガラスの模式図である。
図2】本発明の一例に係るセラミックガラスの断面を透過電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope:TEM)で拡大撮影した写真である。
図3】本発明の一例に係るセラミックガラス製造方法のフローチャートである。
図4】本発明の一例に係るクックトップを図示した図面である。
図5】本発明の一例に係るクックトップの分解斜視図である。
図6】本発明の一例に係るクックトップの上板にキムチ汚染源を塗布した後洗浄する前の姿を撮影した写真である。
図7】本発明の一例に係るクックトップの上板にキムチ汚染源を塗布した後洗浄した後の姿を撮影した写真である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下では、本発明の実施例について添付図面を参照して詳細に説明する。以下の実施例は本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に本発明の思想を十分に伝達するために提示するものである。本発明はここで提示した実施例だけに限定されず、他の形態で具体化されてもよい。図面は本発明を明確にするために説明にかかわらない部分の図示を省略し、理解を助けるために構成要素の大きさを多少誇張して表現することができる。
明細書全体で、或る部分が何らかの構成要素を「含む」とする時、これは特に反対の記載がない限り他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。
単数の表現は文脈上明白に例外がない限り、複数の表現を含む。
【0018】
本発明の一実施例に係るセラミックガラスは、上部表面に凹凸層が形成されるガラス素材を含み、色差計L値が85以上100以下である。より好ましくは、色差計L値が90以上100以下である。
図1は、本発明の一例に係るセラミックガラスの模式図である。
図1を参照すると、本発明の一例に係るセラミックガラスは、上部表面に凹凸層が形成されるガラス素材を含むことができる。
また、本発明の一実施例に係るセラミックガラスは、色差計L値が85以上100以下であることがよい。より好ましくは、色差計L値が90以上100以下である。
【0019】
ホワイトセラミックガラスはブラックおよび透明セラミックガラスに比べて審美感が劣位であるという固有の問題がある。本発明では、ホワイトセラミックガラスの審美感を向上させるために、結晶生成段階の遂行時間を増やしクーリング段階の冷却速度を早くすることによって、微細組織を制御してカラー鮮明度を向上させた。
これにより、本発明のセラミックガラスは、ホワイトセラミックガラスであるにもかかわらず、色差計L値が85以上100以下の高いカラー鮮明度を確保することができる。
【0020】
図2は、本発明の一例に係るセラミックガラスの断面を透過電子顕微鏡(TEM、Transmission Electron Microscope)で拡大撮影した写真である。
図2に示したとおり、微細組織として、セラミックガラス内部に六面体結晶を確認することができる。六面体結晶はセラミックガラスのカラー鮮明度に影響を及ぼすため、結晶の大きさおよび個数を適正水準に制御する必要がある。本発明では、ガラス素材成分および製造工程を通じて前記六面体結晶の大きさおよび個数の制御を行った。
本発明のセラミックガラスは、必要に応じて前記凹凸層全体に塗布されるコーティング層をさらに含むことができる。
【0021】
前記コーティング層はZrOおよびTiOを含むことがよい。
ZrOは強度を向上させる役割を有し、TiOはセラミックガラスの耐食性を向上させる役割を有する。その結果、本発明のセラミックガラスは、優秀な強度および耐食性を確保することができる。
本発明のセラミックガラスで、前記ガラス素材は、重量%で、LiO:5~15%、Al:15~25%、残りSiOおよび不純物からなる。
LiOはセラミックガラスの硬度を向上させる役割を有する。このため、LiOの含量が少ない場合には、セラミックガラスの硬度を充分に確保することが難しくなる虞がある。しかし、LiOの含量が過多の場合には、製造費用が上昇することになる。このため、LiOは5~15%含有することがよく、より好ましくは、LiOの含量を5~10%に制御することである。
【0022】
Alはセラミックガラスの耐食性および耐久性を向上させる役割を有する。このため、Alの含量が少ない場合には、セラミックガラスの耐食性および耐久性が劣位となる。しかし、Alの含量が過多の場合には、製造費用が上昇する。このため、Alは15~25%含有することがよい。さらに好ましくは、Alの含量を17~22%に制御することである。
SiOはセラミックガラス内の結晶核の生成剤の役割を有する。このため、SiOの含量が少ない場合には、セラミックガラス内の結晶が充分に生成されないため反射率が低下する虞がある。しかし、SiOの含量が過多の場合には、セラミックガラスの硬度および耐久性が低下することになる。
また、通常の製造過程で原料または周囲環境から意図しない不純物が不可避に混入する場合があるが、これを排除することはできない。これら不純物は通常の製造過程の技術者であれば誰でも分かるものであるため、そのすべての内容を特に本明細書で言及しない。
【0023】
本発明の一実施例に係るセラミックガラスで、前記ガラス素材は、厚さが3~5mmである。しかし、これに限定されるものではなく、目的および形状により前記ガラス素材の厚さを変えることができる。
本発明の一実施例に係るセラミックガラスは、表面粗さRa値が0.28μm以下であることがよい。より好ましくは、表面粗さRa値が0.1μm以下であることがよい。セラミックガラスの表面粗さは上部表面に形成される凹凸層に起因する。前記凹凸層はセラミックガラス製造方法のうち、クーリング段階の遂行時に形成される。本発明では、クーリング段階の遂行時間を短縮することによって、適正水準の結晶核を生成してセラミックガラスのカラー鮮明度を向上させたものである。ただし、クーリング段階遂行時間を短縮すると、ガラス素材の表面が非常に粗く製造される。このため、本発明では、後続工程にポリッシングする段階を追加した。これによって、表面粗さRa値が0.28μm以下、より好ましくは、0.1μm以下の滑らかな表面を実現することができた。
【0024】
また、本発明のセラミックガラスで、前記コーティング層は、重量%で、ZrO:70~95%、残りはTiOおよび不純物からなることができる。
ZrOは強度を向上させる役割を有する。このため、ZrOの含量が少ない場合には、十分な硬度の確保が困難でとなる。一方、ZrOの含量が過多の場合には、製造費用が上昇することになる。このため、ZrOは70~95%含有することがよい。さらに好ましくは、ZrOの含量を80~85%で制御することである。
TiOはセラミックガラスの耐食性を向上させる役割を有する。このため、TiOの含量が少ない場合には、セラミックガラスの耐食性が劣位となる。一方、TiOの含量が過多の場合には、強度が低下する。
また、通常の製造過程で原料または周囲環境から意図しない不純物が不可避に混入されるため、これを排除することはできない。これら不純物は通常の製造過程の技術者であれば誰でも分かるものであるため、そのすべての内容を特に本明細書で言及しはしない。
【0025】
また、前記コーティング層は、厚さが400nm以下である。好ましくは、厚さが100nm以下であり、さらに好ましくは、厚さが30nm以下である。
前記コーティング層の厚さが過度に薄い場合には、セラミックガラスの防汚性能および清掃性が低下する。しかし、前記コーティング層の厚さが過度に厚い場合には生産性が低下することになる。
一方、前記コーティング層の厚さは凹凸層全体にわたって均一にすることができるが、表面をさらに滑らかにするために、凹凸層の山部分より谷部分のコーティング層の厚さをさらに厚くしてもよい。
【0026】
本発明の一実施例に係るセラミックガラスは、表面粗さRz値が1.48μm以下にすることができる。より好ましくは、表面粗さRz値が1.2μm以下であることがよい。表面粗さRa値と同様に、本発明ではクーリング段階の遂行時間を短縮するため、ガラス素材の表面が非常に粗く製造される。このため、本発明では、後続工程としてポリッシング(Polishing)する段階を追加することによって、表面粗さRz値が1.48μm以下、より好ましくは、1.2μm以下の滑らかな表面を実現することができる。より好ましくは、表面粗さRz値が0.8μm以下にすることである。
また、本発明のセラミックガラスは、コーティング層を形成させることによって、ビッカース硬度(Hv)が920以上1000以下となる。
【0027】
本発明のセラミックガラスは、ガラス素材成分を制御することによって、熱衝撃温度が500℃以上であり、望ましくは525℃以上であり、より好ましくは、525℃以上575℃以下であり、また、本発明のセラミックスガラスは、ガラス素材成分を制御することによって、熱抵抗温度が800℃以上であり、望ましくは825℃以上であり、より好ましくは、825℃以上875℃以下となる。すなわち、本発明に係るセラミックガラスは、クックトップガラス素材として十分な耐熱性を有することができる。
本発明のセラミックガラスは、前記ガラス素材の上部に火口の中央を表示するための硝子印刷層をさらに含むことができる。前記硝子印刷層は、硝子インクを前記ガラス素材の上部に印刷して形成される。前記硝子印刷層は、火口の中央を表示するために、「-」または「+」の印しを付けることができるが、これに限定されるものではない。
【0028】
次に、本発明のセラミックガラスの製造方法について説明する。
本発明の一実施例に係るセラミックガラスの製造方法は、セラミックガラス前駆体(Precursor)を製造する段階、前記セラミックガラス前駆体を加熱して結晶を生成する段階、前記結晶が生成されたセラミックガラスをクーリングする段階、前記クーリングしたセラミックガラスを成形する段階、および前記成形したセラミックガラスをポリッシング(Polishing)する段階を含む。
また、前記ポリッシングしたセラミックガラスをコーティングする段階をさらに含むことができる。
【0029】
図3は、本発明の一例に係るセラミックガラス製造方法のフローチャートである。
図3に示したとおり、本発明の一例に係るセラミックガラス製造方法は、一連のセラミックガラス前駆体製造段階、結晶生成段階、クーリング段階、成形段階およびポリッシング段階を含む。
まず、セラミックガラスパウダーを準備した後、1400~1600℃で溶融させた後常温まで40℃/min以下の冷却速度で冷却してセラミックガラス前駆体を製造する。
次に、セラミックガラス内の結晶を生成させるための、結晶生成段階を遂行する。前記結晶生成段階は、600~800℃で10~20分間維持する1次加熱段階および800~1000℃で20~30分間維持する2次加熱段階を含む。
【0030】
1次加熱段階においてセラミックガラス内の結晶化のための核を生成させ、2次加熱段階では、前記核を基に結晶化を進めることができる。
結晶生成段階の温度が過度に低いか維持時間が短い場合には、結晶が充分に生成されないためカラー鮮明度および反射度が低下する。逆に、結晶生成段階の温度が過度に高いか維持時間が長い場合には、生産性が低下する。したがって、適正水準の結晶生成段階の温度および維持時間を設定することが好ましい。
前記クーリングする段階は、常温まで20℃/min以上の冷却速度で冷却することが好ましい。
一般的に、結晶生成段階の遂行時間が長くクーリング段階の遂行時間が短くなるほどセラミックガラスのカラー鮮明度が向上するが、セラミックガラス表面に凹凸が多く発生して清掃性が低下する。したがって、一般的にクーリング段階の遂行時間を短くすることは行われない。
【0031】
しかし、本発明の一例に係るセラミックガラス製造方法では、20℃/min以上の早い冷却速度でクーリング段階を遂行することによって、クーリング段階の時間を短縮してカラー鮮明度を向上させ、ポリッシング段階を追加して清掃性を向上させることにした。
前記クーリングしたセラミックガラスを成形する段階では、目的に合う形状に切断およびエッジ加工をすることができる。
次に、前記成形したセラミックガラスをポリッシングする段階を実施する。
ポリッシング段階では、ポリッシングパッド(Softbuff(登録商標))に研磨材を塗布した後、前記成形したセラミックガラス表面を研磨する。ポリッシング段階を遂行することによって、セラミックガラス表面をさらに滑らかにして清掃性を最大化させることができる。
【0032】
その後、必要に応じて前記ポリッシングしたセラミックガラス表面にコーティング層を形成させるために、コーティングする段階を追加で実施する。
前記コーティングする段階は、コーティング液をセラミックガラスの上部全体に塗布した後、600~800℃で5~15分間乾燥する。
乾燥温度が低いか遂行時間が短い場合には、コーティング層が均一に形成されない虞がある。しかし、乾燥温度が過度に高いか遂行時間が長い場合には、コーティング層表面に亀裂が発生する虞がある。
【0033】
次に、本発明のクックトップについて説明する。
本発明の一実施例に係るクックトップは、クックトップ本体、および前記クックトップ本体の上部に設けられる第1ガラスを含み、前記第1ガラスはセラミックガラスを含み、前記セラミックガラスは、上部表面に凹凸層が形成されるガラス素材を含み、色差計L値が85以上100以下である。より好ましくは、色差計L値が90以上100以下である。
また、本発明の一実施例に係るクックトップにおいて、前記クックトップ本体は、ヒーターを含み、前記クックトップは、前記第1ガラスと同一線上に配置される第2ガラス、前記第1ガラスと前記第2ガラスが分離可能に結合されるように設けられる結合装置、前記第2ガラスの下部に配置される回路基板、および前記ヒーターの下部に配置されて前記ヒーターを装着させるコイル装着板を含む。
また、前記ガラス素材は、重量%で、LiO:5~15%、Al:15~25%、残りはSiOおよび不純物からなる。
本発明のクックトップにおいて、前記凹凸層は、ポリッシング工程によって、表面粗さをRz値で1.48μm以下、より好ましくは、1.2μm以下にすることができる。より好ましくは、表面粗さRz値が0.8μm以下である。
【0034】
前記ガラス素材の数値限定の理由は前記のとおりであり、以下、クックトップについてより詳細に説明する。
本発明の一実施例に係るクックトップは、クックトップ本体、および前記クックトップ本体の上部に設けられる第1ガラスを含み、前記第1ガラスはセラミックガラスを含むことができる。
また、前記クックトップ本体は、ヒーターを含み、前記クックトップは、前記第1ガラスと同一線上に配置される第2ガラス、前記第1ガラスと前記第2ガラスを分離可能に結合する結合装置、前記第2ガラスの下部に配置される回路基板、および前記ヒーターの下部に配置されて前記ヒーターを装着させるコイル装着板を含む。
【0035】
図4は本発明の一例に係るクックトップを図示した図面であり、図5は本発明の一例に係るクックトップの分解斜視図である。
図4および図5に示したとおり、本発明の一例によるクックトップ1はクックトップ本体10および前記クックトップ本体10の上部に設けられる第1ガラス110を含むことができる。
また、本発明の一例に係るクックトップ1は、ヒーター(以下、誘導加熱コイル11)、第2ガラス120、結合装置200、回路基板12およびコイル装着板15を含むことができる。
【0036】
本体10は調理機器1の外観を形成することができる。誘導加熱コイル11は本体10の内部に収容され、調理容器2を誘導加熱するように磁場を発生させることができる。誘導加熱コイル11は電線11aを通じて本体10の内部に設けられたメイン基板(図示されず)と電気的に連結することができる。
ガラス100は第1領域101を形成する第1ガラス110と、第2領域102を形成する第2ガラス120を含むことができる。
【0037】
回路基板12は第2ガラス120の下に配置される。回路基板12はディスプレイ部13およびタッチ部14を含むことができる。ディスプレイ部13は第2領域102に形成される表示部102aの下に配置される。ディスプレイ部13では誘導加熱コイル11により調理容器2が加熱するかどうかを表示する。したがって、使用者は表示部102aを通じて調理容器2の加熱の有無を確認することができる。タッチ部14は第2領域102に形成される入力部102bの下に配置される。タッチ部14は入力部102bからタッチ信号の入力を受けることができる。例えば、タッチ部14は静電式タッチ方式で入力を受けることができる。ただし、これに制限されるものではなく、タッチ部14は減圧式タッチ方式で入力を受けてもよい。使用者は入力部102bを使って誘導加熱コイルに流れる電流を調節することができ、調理容器2が加熱する程度を決定することができる。
【0038】
コイル装着板15には誘導加熱コイル11が装着される。コイル装着板15には誘導加熱コイル11を装着させるためのコイル装着ホール15aが設けられる。コイル装着ホール15aは複数で設けることができる。
本体10はガラス100が支持されるように設けられる第1フレーム16をさらに含むことができる。第1フレーム16は上部にガラス100が支持されるように設けられる。第1フレーム16はコイル装着板15の四方の端部から上側に延びて形成される。第1フレーム16はガラス100が本体10に装着および支持されるように設けられる。
【0039】
第1ガラス110は硝子印刷層(heating area guide、101a、101b、101c)を含み、調理容器2を支持することができる。第1領域101には調理容器2が配置される。
第2ガラス120は第2領域102を含み、第2領域102は表示部102aと入力部102bを含む。表示部102aは調理機器1に関する各種情報を表示するために第2領域102に形成され、入力部102bは使用者から制御命令の入力を受けるように第2領域102に形成される。
第1ガラス110と第2ガラス120は物理的に分離されており、結合装置200により分離可能に結合される。
【0040】
第1ガラス110は第1領域101を形成し、第1領域101には調理容器2が配置される。第1ガラス110に配置された調理容器2は誘導加熱コイル11により発生した磁場によって誘導加熱される。
第2ガラス120は第1領域101と分離された第2領域102を形成し、第2領域102には表示部102aを通じて調理容器2の温度、調理経過時間および/または、日付/時間を含む調理機器1の調理情報が表示される。
また、第2領域102には調理機器1をオン/オフさせるか調理容器2の温度を制御するように使用者から制御命令の入力を受ける入力部102bが設けられる。入力部102bは使用者のタッチによって入力を受けることができる。
【0041】
第2ガラス120は強化ガラスである。第1ガラス110と第2ガラス120は互いに異なる材質で形成されることもできる。例えば、第1ガラス110は耐熱性が優秀なセラミックガラスからなり、第2ガラス120はタッチを通じて下側に設けられる回路基板12に信号を伝達するようにタッチ信号を伝達できる特性を有することができる。
第1ガラス110と第2ガラス120は結合装置200によって分離可能に結合される。具体的には、第2ガラス120は結合装置200により第1ガラス110に分離可能に結合される。第2ガラス120は第1ガラス110の前方に結合される。第2ガラス120は第1ガラス110と結合時に第1ガラス110の一側をカバーすることができる。
また、第2領域102に位置する回路基板12等の修理および故障時に第2領域102に該当する第2ガラス120の分離および取り替えが可能であるため、修復を容易にすることができる。
【0042】
以下では、本発明に対する理解を助けるために実施例および比較例を記載する。ただし、下記の記載は本発明の内容および効果に関する一例に該当するだけであって、本発明の権利範囲および効果は必ずしもこれに限定されるものではない。
{実施例}
【0043】
<表面粗さ測定試験>
表面粗さ測定試験は、常温(25℃)で表面粗さ測定機を通じて、試片の測定面と垂直に動く触針の上下の動き量を測定して実施した。
下記の表1には、コーティングしていない一般のセラミックガラス(比較例)と本発明の一例に係るコーティングしたセラミックガラス(実施例)の表面粗さを示した。
【0044】
【表1】
表1を参照すると、比較例に比べて実施例の表面粗さがさらに低値に測定された。すなわち、本発明の一例に係るコーティングしたセラミックガラスがさらに滑らかな表面が形成されたことによって清掃性が向上したことを確認することができる。
【0045】
<ビッカース硬度測定試験>
ビッカース硬度は、ダイヤモンド四角錐を有するピラミッド型の粒子を使って、0.05kgfの荷重で試片を押圧して試片にできたピラミッド状の凹み部分の対角線を測定して硬度を求める方式で測定した。
コーティングしていない一般のセラミックガラス(比較例)の場合にはHv860と測定され、本発明の一例に係るコーティングされたセラミックガラス(実施例)の場合にはHv920と測定された。
すなわち、本発明の一例に係るコーティングされたセラミックガラスはコーティング層を形成することによって硬度が向上したことを確認することができた。
【0046】
<キムチ清掃性試験>
キムチ清掃性試験は、CJ第一製糖社の白菜の株キムチを本発明の一例に係るクックトップの上板全体に塗布した後、150℃で30分加熱後30分静置を1サイクルとして、6日間1サイクル/1日遂行した後、クックトップ専用洗剤で洗浄する方式で行った。
図5は本発明の一例に係るクックトップの上板にキムチ汚染源を塗布した後、洗浄する前の姿を撮影した写真であり、図6は本発明の一例に係るクックトップの上板にキムチ汚染源を塗布した後、洗浄した後の姿を撮影した写真である。
図5および図6に示したとおり、本発明の一例によってコーティング層が形成されたセラミックガラスを設置することによって、清掃性が向上したことを確認することができた。
【0047】
<食用油加熱清掃性試験>
食用油加熱清掃性試験は、本発明の一例に係るクックトップの上板全体に食用油3gを塗布した後、各温度に30分間維持した後、表面色差計値(ΔE)が変わる程度を測定した。
下記の表2には、温度による、食用油加熱清掃性試験前後のクックトップの上板の色差計値(ΔE)を示した。一般的に、色差計値(ΔE)が1.0以下である場合、清掃性が良好であると判断することができる。
【0048】
【表2】
表2に示したとおり、すべての温度範囲で色差計値(ΔE)が1.0以下を示したので、食用油加熱清掃性も優秀であると判断することができる。
【0049】
<色差計測定試験>
色差計測定試験は、コーティングしていないセラミックガラスを適用したクックトップ(比較例)と本発明の一例によりコーティングしたセラミックガラスを適用したクックトップ(実施例)の色差値を比較する方式で行った。
L*a*b*色差計は、分光色差計(SpectrophotoMeter)を使用して測定した。
比較例の場合には、L:84.8、a:-0.5、b:-0.5と測定されたが、実施例の場合には、L:95、a:1.0、b:2.0と測定された。
すなわち、本発明の一例によりコーティングしたセラミックガラスを適用する場合、ホワイトカラー鮮明度が増加し、審美感が優れたウオームホワイトを具現できることが分かった。
【0050】
<耐熱性試験>
耐熱性試験は、熱衝撃温度および熱抵抗温度を測定する方法で行った。
熱衝撃温度は、UL858規格に基づいて測定した。
本発明の一例により製作したセラミックガラスは、平均熱衝撃温度が550℃と測定された。
熱抵抗温度は、破損なしに長時間耐え得る温度を意味する。本発明の一例により製作したセラミックガラス試片を一定の温度で加熱された熱抵抗試験用のチャンバーに入れた後、1000時間の間維持した時、ガラス素材が破損する温度を測定した。この時、破損の有無は肉眼で傷が発生したかどうかで判断した。熱抵抗温度は3回測定後に平均値で表した。
【0051】
本発明の一例により製作したセラミックガラスは、平均熱抵抗温度が850℃と測定された。
したがって、本発明の一例に係るセラミックガラスは、クックトップ用セラミックガラスとして適切な耐熱性を備えていると判断することができた。
【符号の説明】
【0052】
1:クックトップ(調理機器)
2:調理容器
10:クックトップ本体
11:誘導加熱コイル(ヒーター)
11a:電線
12;回路基板
13:ディスプレイ部
14:タッチ部
15:コイル装着板
15a:コイル装着ホール
16:第1フレーム 18:締結ホール
100:ガラス
101:第1領域
101a、101b、101c:硝子印刷層
102:第2領域
102a:表示部
102b:入力部
110:第1ガラス
120:第2ガラス
200:結合装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7