(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023104927
(43)【公開日】2023-07-28
(54)【発明の名称】写真の販売システム及びその販売方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20230721BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023066488
(22)【出願日】2023-04-14
(62)【分割の表示】P 2022551383の分割
【原出願日】2022-03-18
(31)【優先権主張番号】P 2022005766
(32)【優先日】2022-01-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】594123963
【氏名又は名称】株式会社マツモト
(74)【代理人】
【識別番号】100120086
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼津 一也
(74)【代理人】
【識別番号】100090697
【弁理士】
【氏名又は名称】中前 富士男
(72)【発明者】
【氏名】松本 敬三郎
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】誰もが簡単に写真販売をすることができる写真の販売システム及びその販売方法を提供する。
【解決手段】イベントに参加する写真撮影者の入力端末11と、入力端末11で撮影されたイベントの撮影画像から写真及び/又は写真データからなる販売画像を作製して写真購入希望者に提供する販売画像作製者の受信端末12とが、クラウド13を介して通信接続され、クラウド13に接続されたサービス提供業者のサーバ15が、撮影画像の販売サイト14をクラウド13に開設するためのIDとパスワードを写真撮影者に送信する開設情報提供手段と、入力端末11からのIDとパスワードにより、販売サイト14をクラウド13に開設する販売サイト開設手段と、販売サイト14を写真購入希望者に閲覧可能にする公開手段と、写真購入希望者の接続端末16で選択された撮影画像を受信端末12に送信する選択情報確定手段を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定のイベントに参加する写真撮影者が所有するカメラ機能を備えた入力端末と、該入力端末で撮影された前記イベントの撮影画像から、写真購入希望者に提供される写真及び/又は写真データからなる販売画像を作製する販売画像作製者が所有する受信端末とが、クラウドを介して通信接続された写真の販売システムであって、
前記撮影画像の販売環境を提供するサービス提供業者が所有し、前記クラウドに接続されたサーバが、
前記撮影画像の販売サイトを前記クラウドに開設するためのIDとパスワードを、前記写真撮影者に送信する開設情報提供手段と、
前記入力端末から入力された前記IDと前記パスワードにより、前記販売サイトを前記クラウドに開設する販売サイト開設手段と、
前記入力端末から前記撮影画像がアップロードされた前記販売サイトを、前記写真購入希望者に閲覧可能にする公開手段と、
前記写真購入希望者が予め取得したアクセスパスワードにより前記販売サイトに接続された、前記写真購入希望者が所有する接続端末によって選択された前記撮影画像を前記受信端末に送信する選択情報確定手段とを有することを特徴とする写真の販売システム。
【請求項2】
請求項1記載の写真の販売システムにおいて、前記写真購入希望者は前記イベントに参加していることを特徴とする写真の販売システム。
【請求項3】
請求項1又は2記載の写真の販売システムにおいて、一の前記イベントに複数の前記写真撮影者が参加していることを特徴とする写真の販売システム。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の写真の販売システムにおいて、前記入力端末で撮影された前記撮影画像は前記販売サイトにリアルタイムでアップロードされることを特徴とする写真の販売システム。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の写真の販売システムにおいて、前記入力端末は、スマートフォン、タブレットコンピュータ、スマートウォッチ、スマートグラス、携帯電話、又は、デジタルカメラであることを特徴とする写真の販売システム。
【請求項6】
特定のイベントに参加する写真撮影者が所有するカメラ機能を備えた入力端末と、該入力端末で撮影された前記イベントの撮影画像から、写真購入希望者に提供される写真及び/又は写真データからなる販売画像を作製する販売画像作製者が所有する受信端末とが、クラウドを介して通信接続されて写真が販売される方法であって、
前記撮影画像の販売環境を提供するサービス提供業者が所有し前記クラウドに接続されたサーバが、前記撮影画像の販売サイトを前記クラウドに開設するためのIDとパスワードを、前記写真撮影者に送信する開設情報提供工程と、
前記サーバが、前記入力端末から入力された前記IDと前記パスワードにより、前記販売サイトを前記クラウドに開設する販売サイト開設工程と、
前記サーバが、前記入力端末から前記撮影画像がアップロードされた前記販売サイトを、前記写真購入希望者に閲覧可能にする公開工程と、
前記サーバが、前記写真購入希望者が予め取得したアクセスパスワードにより前記販売サイトに接続された、前記写真購入希望者が所有する接続端末によって選択された前記撮影画像を前記受信端末に送信する選択情報確定工程とを有することを特徴とする写真の販売方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、誰もが簡単に写真販売をすることができる写真の販売システム及びその販売方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、結婚式やスポーツ大会等の各種イベントでは、写真撮影を依頼されたカメラマンや写真店が、イベントの主催者を介して、撮影した写真を販売していた。なお、写真の販売には、例えば、特許文献1に記載のように、写真撮影業者に対し、効率的に個人ユーザへのプリントサービスを提供するためのネットワーク上の画像印刷サービスシステム及び画像印刷サービス方法を用いることができる。具体的には、画像印刷サービスを行うサーバは、最初に写真撮影業者の保有する画像データ入力端末から画像データと画像属性データを受信してサーバ内の記憶手段に登録しておく。次に、個人ユーザの保有する画像データ選択端末から受信した画像属性データを元に画像データを記憶手段から選択して画像データ選択端末に送信し、画像データ選択端末から印刷指定された画像データの印刷の実行を指示する。
【0003】
一方、近年、ユーザが所有する、例えば、スマートフォン、携帯電話、タブレットコンピュータ等の入力端末には通常カメラ機能が設けられており、上記した各種イベントでは各人がこれらの入力端末を用いて写真を撮影している。
これにより、各人が気に入った状況を気に入ったタイミングで撮影することができる。
また、各人が入力端末を用いて写真を撮影することで、結婚式、スポーツ大会、演奏会(発表会)、展覧会等のような大人数が集まるイベントのみならず、通常ではカメラマンや写真店に写真撮影を依頼しない少人数が集まるイベント、例えば、食事会やカラオケ大会(カラオケボックス)等でも、容易に写真撮影ができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
入力端末を用いて写真を撮影した者の中には、自分で撮影した写真を販売したい人もいるが、写真を販売するには販売環境を整える必要があり(初期費用がかかり)、容易でなかった。
なお、各人が撮影した写真は、通常自分自身が被写体とはならないため、自分自身が被写体となった写真を入手したい場合には、他人が撮影した写真を貰う必要があるが、この場合、他人が撮影した全ての写真を他人の入力端末で確認しなければならず面倒であり、また、写真の確認中は写真撮影ができないという問題があった。この問題は、他人が撮影した写真を閲覧し、気に入った写真を探す場合も同様である。
【0006】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、誰もが簡単に写真販売をすることができ、更には、自分自身が被写体となった写真や他人が撮影した写真等も容易に入手することが可能な写真の販売システム及びその販売方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的に沿う第1の発明に係る写真の販売システムは、特定のイベントに参加する写真撮影者が所有するカメラ機能を備えた入力端末と、該入力端末で撮影された前記イベントの撮影画像から、写真購入希望者に提供される写真及び/又は写真データからなる販売画像を作製する販売画像作製者が所有する受信端末とが、クラウドを介して通信接続された写真の販売システムであって、
前記撮影画像の販売環境を提供するサービス提供業者が所有し、前記クラウドに接続されたサーバが、
前記撮影画像の販売サイトを前記クラウドに開設するためのIDとパスワードを、前記写真撮影者に送信する開設情報提供手段と、
前記入力端末から入力された前記IDと前記パスワードにより、前記販売サイトを前記クラウドに開設する販売サイト開設手段と、
前記入力端末から前記撮影画像がアップロードされた前記販売サイトを、前記写真購入希望者に閲覧可能にする公開手段と、
前記写真購入希望者が予め取得したアクセスパスワードにより前記販売サイトに接続された、前記写真購入希望者が所有する接続端末によって選択された前記撮影画像を前記受信端末に送信する選択情報確定手段とを有する。
【0008】
本発明に係る写真の販売システムにおいて、前記写真購入希望者は前記イベントに参加することができる。
【0009】
本発明に係る写真の販売システムにおいて、一の前記イベントに複数の前記写真撮影者が参加することができる。
【0010】
本発明に係る写真の販売システムにおいて、前記入力端末で撮影された前記撮影画像は前記販売サイトにリアルタイムでアップロードされるのがよい。
【0011】
本発明に係る写真の販売システムにおいて、前記入力端末には、スマートフォン、タブレットコンピュータ、スマートウォッチ、スマートグラス、携帯電話、又は、デジタルカメラを使用できる。
【0012】
前記目的に沿う第2の発明に係る写真の販売方法は、特定のイベントに参加する写真撮影者が所有するカメラ機能を備えた入力端末と、該入力端末で撮影された前記イベントの撮影画像から、写真購入希望者に提供される写真及び/又は写真データからなる販売画像を作製する販売画像作製者が所有する受信端末とが、クラウドを介して通信接続されて写真が販売される方法であって、
前記撮影画像の販売環境を提供するサービス提供業者が所有し前記クラウドに接続されたサーバが、前記撮影画像の販売サイトを前記クラウドに開設するためのIDとパスワードを、前記写真撮影者に送信する開設情報提供工程と、
前記サーバが、前記入力端末から入力された前記IDと前記パスワードにより、前記販売サイトを前記クラウドに開設する販売サイト開設工程と、
前記サーバが、前記入力端末から前記撮影画像がアップロードされた前記販売サイトを、前記写真購入希望者に閲覧可能にする公開工程と、
前記サーバが、前記写真購入希望者が予め取得したアクセスパスワードにより前記販売サイトに接続された、前記写真購入希望者が所有する接続端末によって選択された前記撮影画像を前記受信端末に送信する選択情報確定工程とを有する。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る写真の販売システム及びその販売方法は、サービス提供業者が所有するサーバが、写真撮影者が所有するカメラ機能を備えた入力端末で撮影された撮影画像の販売サイトをクラウドに開設するためのIDとパスワードを写真撮影者に送信し、入力端末から入力されたIDとパスワードにより販売サイトをクラウドに開設するので、撮影画像の販売環境を容易に準備することができる。この開設された販売サイトには撮影画像がアップロードされ、サーバは、該販売サイトを写真購入希望者に閲覧可能にする。そして、写真購入希望者が予め取得したアクセスパスワードにより、自身が所有する接続端末を販売サイトに接続して、接続端末で選択した撮影画像を、販売画像作製者(写真作製者)の受信端末に送信するため、販売画像作製者は、受信端末で受信した撮影画像から販売画像を作製することができ、この作製した販売画像を写真購入希望者に提供できる。
従って、写真撮影者の誰もが簡単に写真販売をすることができ、また、自分自身が被写体となった写真や他人が撮影した写真等も容易に入手することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の一実施例に係る写真の販売システムの説明図である。
【
図2】同写真の販売システムが実行する写真の販売方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施例につき説明し、本発明の理解に供する。
図1に示すように、本発明の一実施例に係る写真の販売システム(以下、単に、販売システムとも記載)10は、特定のイベントに参加する写真撮影者が所有するカメラ機能を備えたスマートフォン(入力端末の一例:携帯端末と称する場合もある)11と、このスマートフォン11が撮影したイベントの撮影画像から写真(販売画像の一例)を作製して写真購入希望者に提供する写真作製者(販売画像作製者)が所有する受信端末(例えば、コンピュータ)12とが、クラウド(通信ネットワーク:例えばパブリッククラウド)13を介して通信接続されたシステムである。
以下、詳しく説明する。
【0016】
写真の販売システム10は、クラウド13上に、開催されるイベントで撮影された撮影画像の販売サイト(販売フォルダ(クラウド13上の格納部))14を仮想的に設ける(開設する)ことで、スマートフォン11で撮影された撮影画像から写真を作製する情報を得るためのものであり、これにより、写真撮影者が写真購入希望者に写真作製者を介して写真を販売できる。
販売サイト14は、写真の販売環境を提供(販売システム10を管理)するサービス提供業者のサーバ(管理サーバ)15に接続され、このサーバ15に、写真撮影者が所有するスマートフォン11と、写真作製者が所有する受信端末12と、写真購入希望者が所有するスマートフォン(接続端末の一例)16が、クラウド13を介して通信接続される。この販売サイト14は、サービス提供業者が、クラウドの運営業者と契約して取得したストレージ17内に設けられている。
【0017】
サーバ15には、1又は複数のCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、通信インターフェイス(I/F)、入出力I/F、操作部(例えばキーボード)、表示部(ディスプレイ)、及び、記憶手段(HDD(ハードディスクドライブ)やSSD(ソリッドステートドライブ))を備える従来公知のコンピュータを使用でき、サーバ15は後述する開設情報提供手段、販売サイト開設手段、公開手段、及び、選択情報確定手段を有する。
ここで、CPUは、ROMに記憶されている制御プログラムを読み出し、RAMを作業エリアとして制御プログラムを実行する。この制御プログラムは、コンピュータ(サーバ15)を、後述する開設情報提供手段、販売サイト開設手段、公開手段、及び、選択情報確定手段として機能させる。
【0018】
写真撮影者は、例えば、複数のイベント(ここでは、
図1に示すように5つのイベント)に参加しており、販売サイト14は、イベントごとに開設される。ストレージ17には、5つのイベントにそれぞれ対応する5つの販売サイト14が開設されているが、イベントが1つであれば1つの販売サイトのみが開設されてもよく、また、2つ以上の複数であれば、これに対応する複数の販売サイトが開設されてもよい。
イベントとは、複数の人が集まる催し(行事)であれば特に限定されるものではなく、例えば、食事会やカラオケ大会(カラオケボックス)等のような少人数が集まるイベントや、結婚式、スポーツ大会、演奏会(発表会)、展覧会等のような大人数が集まるイベントを意味する。
【0019】
写真撮影者は、イベントに参加する構成員であるが、構成員以外の人、例えば、写真撮影を依頼されたカメラマンや写真店の店員でもよい。1つのイベントに参加する写真撮影者は、ここでは1人であるが、2人以上の複数人でもよい。また、写真撮影者は、写真撮影のみを行ってもよいが、写真購入希望者になることもできる。
この写真撮影者はスマートフォン11を用いてイベントで撮影画像を撮影しているが、撮影画像がデジタル画像であれば、撮影する機器は特に限定されるものではなく、カメラ機能を備えたタブレットコンピュータ、スマートウォッチ、スマートグラス、携帯電話、又は、デジタルカメラを用いて、イベントで撮影画像を撮影することもできる。なお、撮影画像は、1枚の画像(静止画)のみならず、所定時間(例えば、5秒~60秒程度、又は、1分~10分程度)撮影されたビデオ画像(動画)でもよい。
【0020】
写真購入希望者は、イベントに参加する構成員であるが、例えば、イベントに参加予定であったが事情により参加できなくなった人や、後述する所定の条件を満たした外部の人でもよい。この写真購入希望者は、ここでは3人であるが、1人でもよく、また2人又は4人以上の複数人でもよい。
写真購入希望者は接続端末としてスマートフォン16を用いて、イベントで撮影された撮影画像の写真を購入しようとしているが、クラウド13に接続して、販売サイトを閲覧でき、販売サイトに接続して所望の撮影画像を選択できる接続端末であれば特に限定されるものではなく、タブレットコンピュータ、スマートウォッチ、スマートグラス、携帯電話、又は、デスクトップ型コンピュータ等を用いることもできる。
【0021】
開設情報提供手段は、スマートフォン11で撮影された撮影画像の販売サイト14をクラウド13に開設するため、サーバ15が、IDとパスワードを写真撮影者(ここではスマートフォン11)に送信する手段である。
販売サイト開設手段は、スマートフォン11から入力されたIDとパスワードにより、サーバ15が販売サイト14をクラウド13に開設する手段である。
公開手段は、スマートフォン11から撮影画像がアップロードされた販売サイト14を、サーバ15が写真購入希望者に閲覧可能にする手段である。
選択情報確定手段は、写真購入希望者が予め取得したアクセスパスワード(閲覧パスワード)により販売サイト14に接続された、写真購入希望者が所有するスマートフォン16によって選択された撮影画像をサーバ15が写真作製者の受信端末12に送信するための手段である。
【0022】
続いて、本発明の一実施例に係る写真の販売システム10を用いた写真の販売方法について、
図1、
図2を参照しながら説明する。
なお、ここでは、イベントの構成員は4人であり、そのうちの1人が写真撮影者、他の3人が写真購入希望者である。また、写真撮影者はスマートフォン11を用いてイベントで撮影画像を撮影し、写真購入希望者はスマートフォン16をそれぞれ用いてその場で、イベントで撮影された撮影画像の写真を購入する(なお、
図1において写真撮影者は写真購入希望者ではないが、写真購入希望者になることもできる)。
【0023】
まず、写真撮影者は、販売サイトを開設するための会員登録を行う。この会員登録は、写真の販売システム10を管理するサービス提供業者に対して本人確認を行うためのものであり、写真撮影者は、例えば、サービス提供業者が予め準備した申し込み書に、名前、住所、電話番号、メールアドレス、入金口座等を記入の上、免許証やパスポート等の、本人確認のできる書類のコピー等を同封して、サービス提供業者に送付することにより申し込みを行う。
サービス提供業者が上記書類に基づいて、写真撮影者の登録を行う。なお、登録の完了は、電話やメール等で行うことができ、登録は無料であることが好ましい。
【0024】
これにより、ステップ1(ST1)で、写真撮影者がイベントで撮影する撮影画像の販売サイト14をクラウド13に開設するためのIDとパスワードを、サービス提供業者が所有しクラウド13に接続されたサーバ15が写真撮影者のスマートフォン11へ送信する(IDとパスワードの発行)。なお、IDとパスワードは、写真撮影者が受信(確認)できれば、写真撮影者が所持する他のスマートフォン、タブレットコンピュータ、スマートウォッチ、スマートグラス、携帯電話、デスクトップパソコン等に送信されてもよい。このIDとパスワードを取得した写真撮影者は、新たなIDとパスワードを取得することなく、以降、イベントごとに販売サイトを開設できる。
【0025】
ここで、写真撮影者が複数人の場合は、各人が個別に、イベントで撮影する撮影画像の販売サイトをクラウド上に開設する。具体的には、各人が個別に、サービス提供業者に上記した書類を提出し、写真撮影者の登録を行うことで、個別のIDとパスワードをそれぞれ受信する。
なお、写真撮影者が複数人の場合でも、各人が共通のイベントで撮影する撮影画像の販売サイトをクラウドに開設することもできる。この場合、各人は、サービス提供業者から共通のIDとパスワードを受信することもできる(以上、開設情報提供工程)。
【0026】
ステップ2(ST2)で、写真撮影者のスマートフォン11から、サービス提供業者が提供するサイトにIDとパスワードを入力し、サーバ15はイベントで撮影する撮影画像の販売サイト14をクラウド13(ストレージ17)に開設する。なお、写真撮影者が複数人の場合は、サーバ15により、各写真撮影者が開設する共通のイベントの販売サイトを一纏めに関連付けすることが好ましい。
このとき、写真撮影者は、販売サイト14の開設期間を設定することができる。なお、開設期間は、特に限定されるものではなく、例えば、イベントの開始前から終了後数日までのように、予め設定した期間開設できるが、イベント中のみとすることもできる。
また、写真撮影者は、販売サイト14で撮影画像の価格を設定することができる。なお、価格設定は、撮影画像のサイズや撮影対象に応じて適宜変更できる(以上、販売サイト開設工程)。
【0027】
ステップ3(ST3)で、写真撮影者はスマートフォン11を用いて、イベントで気に入った状況を気に入ったタイミングで撮影する。これにより、スマートフォン11で撮影された撮影画像が、販売サイト14にアップロードされる。
なお、販売サイト14への撮影画像のアップロードは、スマートフォン11による撮影と共にリアルタイムで(自動的に)行われるが、例えば、撮影後、写真撮影者が選択した撮影画像のみを、販売サイト14にアップロード(手動でアップロード)することもできる。また、予め撮影された撮影画像を、スマートフォン11から販売サイト14にアップロードすることもできる。更に、予め撮影された撮影画像に対し、例えば、輝度(明るさ)、コントラスト、彩度、シャープ、レベル補正、色調整、傾き補正等の各種補正加工(補正処理)を施した後、スマートフォン11から販売サイト14にアップロードすることもできる。
また、アップロードされる撮影画像は、前記したビデオ画像でもよい。
サーバ15は、スマートフォン11から撮影画像がアップロードされた販売サイト14を写真購入希望者に閲覧可能に公開する(以上、公開工程)。
【0028】
ステップ4(ST4)で、写真撮影者が3人の写真購入希望者にそれぞれ、イベントを告知すると共に、撮影画像の販売サイト14にアクセスするためのアクセスパスワード(閲覧パスワード)を各写真購入希望者が所持するスマートフォン16にそれぞれ送信する。これにより、3人の写真購入希望者がそれぞれ所有するスマートフォン16に、取得されたアクセスパスワードが入力されることで、サーバ15は、スマートフォン16を販売サイト14に接続する。
このため、イベントに参加しない外部の写真購入希望者であっても、写真撮影者からアクセスパスワードが送信されれば、撮影画像の販売サイト14にアクセスできる。
なお、アクセスパスワードは必ずしも、写真撮影者が写真購入希望者に直接送信するのではなく、例えば、写真撮影者が、サービス提供業者(サーバ15)から写真購入希望者に送信するように設定することもでき、また、写真撮影者が写真購入希望者に書類で郵送したり、写真撮影者と写真購入希望者が同じ場所に居れば写真撮影者が写真購入希望者に直接告知したりすることもできる。
【0029】
ステップ5(ST5)で、写真購入希望者は、販売サイト14に接続したスマートフォン16で、販売サイト14にアップロードされた複数の撮影画像を閲覧(確認)し、購入したい撮影画像を選択する。なお、撮影画像が前記したビデオ画像である場合、スマートフォン16でビデオ画像をそのまま選択することもできるが、ビデオ画像から必要なカット(1枚又は2枚以上の複数枚の画像)を選択することもできる。
ここで、写真購入希望者は、購入したい撮影画像をスマートフォン16で選択する際に、写真の購入費用の支払方法を選択できるが、撮影画像を選択する前、例えば、スマートフォン16が販売サイト14に接続された後に、事前に写真の購入費用の支払方法を選択し決定することもできる。なお、写真の購入費用の支払方法としては、例えば、クレジットカード、代金引換え、銀行振込、後払い、コンビニ払い、キャリア決済、スマホ決済サービス等がある。
【0030】
ステップ6(ST6)で、スマートフォン16で選択された撮影画像の情報が、写真作製者の受信端末12に送信される(以上、選択情報確定工程)。
【0031】
ステップ7(ST7)で、写真作製者は、受信端末12が受信した撮影画像の情報から写真を作製する。なお、写真の作製は、受信端末12と、これに有線又は無線で接続されたプリンター(印刷機器)を用いて作製することができるが、例えば、受信端末12とは別のコンピュータ及びこれに接続されたプリンターを用いて作製することもできる。
【0032】
ステップ8(ST8)で、写真作製者は、写真購入希望者に写真を郵送し提供する。
【0033】
写真購入希望者の写真の購入費用は、例えば、上記したステップ2で写真撮影者が設定した価格であり、例えば、写真の購入費用をサービス提供業者が一旦受け取り、その後、この価格から、サービス提供業者への手数料や、写真作製者への作製費用等が差し引かれ、残ったお金(利益)が、写真撮影者の事前登録した入金口座へ振り込まれる(支払われる)。
従って、初期投資を行うことなく誰もが簡単に写真販売をすることができる。
また、イベントに、複数の写真撮影者が参加している場合は、写真撮影者自身が被写体となった写真や他人が撮影した写真等も、容易に入手することができる。
【0034】
なお、上記した開設情報提供手段、販売サイト開設手段、公開手段、及び、選択情報確定手段としてコンピュータを機能させるためのプログラム(ソフトウェア)を、撮影画像の販売環境を提供するサービス提供業者が所有するコンピュータ(クラウドに接続可能なサーバ)に、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してインストールし、そのコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムを読み出すことで、コンピュータを写真の販売システムとして機能させることもできる。
このプログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体(情報記録媒体)に記録される場合やクラウドサービスに記録される場合もある。なお、記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
【0035】
以上、本発明を、実施例を参照して説明してきたが、本発明は何ら上記した実施例に記載の構成に限定されるものではなく、請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施例や変形例も含むものである。例えば、前記したそれぞれの実施例や変形例の一部又は全部を組合せて本発明の写真の販売システム及びその販売方法を構成する場合も本発明の権利範囲に含まれる。
前記実施例においては、写真作製者がイベントの撮影画像から写真を作製して写真購入希望者に提供する場合について説明したが、写真の代わりに、又は写真と共に、写真データを販売画像として写真購入希望者に提供することもできる。このデータは、撮影画像のデータそのもの(補正なし)でもよいが、例えば、販売画像作製者が撮影画像のデータを部分的に補正(輝度等)したものでもよい。なお、データで提供する場合は、前記したステップ8で、販売画像作製者が写真購入希望者にデータを送信することもできるが、記録媒体を用いて郵送することもできる。
また、前記実施例においては、写真撮影者が撮影した撮影画像の販売サイトへのアップロード(ステップ3)を行った(開始した)後、写真購入希望者に販売サイトへのアクセスパスワードを発行する(ステップ4)場合について説明したが、アクセスパスワードを発行した後、撮影画像の販売サイトへのアップロードを行ってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明に係る写真の販売システム及びその販売方法は、写真撮影者が自ら写真の販売環境を整える必要がない。これによって、誰もが簡単に写真販売をすることができ、更には、自分自身が被写体となった写真や他人が撮影した写真等も容易に入手することができる。
【符号の説明】
【0037】
10:写真の販売システム、11:スマートフォン(入力端末)、12:受信端末、13:クラウド、14:販売サイト、15:サーバ、16:スマートフォン(接続端末)、17:ストレージ