IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ポケモンの特許一覧

特開2023-104985プログラム、ゲームサーバ、情報処理端末、方法およびゲームシステム
<>
  • 特開-プログラム、ゲームサーバ、情報処理端末、方法およびゲームシステム 図1
  • 特開-プログラム、ゲームサーバ、情報処理端末、方法およびゲームシステム 図2
  • 特開-プログラム、ゲームサーバ、情報処理端末、方法およびゲームシステム 図3
  • 特開-プログラム、ゲームサーバ、情報処理端末、方法およびゲームシステム 図4
  • 特開-プログラム、ゲームサーバ、情報処理端末、方法およびゲームシステム 図5
  • 特開-プログラム、ゲームサーバ、情報処理端末、方法およびゲームシステム 図6
  • 特開-プログラム、ゲームサーバ、情報処理端末、方法およびゲームシステム 図7
  • 特開-プログラム、ゲームサーバ、情報処理端末、方法およびゲームシステム 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023104985
(43)【公開日】2023-07-28
(54)【発明の名称】プログラム、ゲームサーバ、情報処理端末、方法およびゲームシステム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/825 20140101AFI20230721BHJP
   A63F 13/211 20140101ALI20230721BHJP
   A63F 13/428 20140101ALI20230721BHJP
   A63F 13/533 20140101ALI20230721BHJP
   A63F 13/58 20140101ALI20230721BHJP
   G06F 3/01 20060101ALI20230721BHJP
【FI】
A63F13/825
A63F13/211
A63F13/428
A63F13/533
A63F13/58
G06F3/01 570
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023084467
(22)【出願日】2023-05-23
(62)【分割の表示】P 2020126345の分割
【原出願日】2018-12-26
(71)【出願人】
【識別番号】504440133
【氏名又は名称】株式会社ポケモン
(74)【代理人】
【識別番号】110002815
【氏名又は名称】IPTech弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】新藤 貴行
(72)【発明者】
【氏名】小川 慧
(72)【発明者】
【氏名】小杉 要
(72)【発明者】
【氏名】首藤 まり江
(57)【要約】
【課題】仮想生命体を育成するゲームにおいて、仮想生命体に関連したジェスチャをプレイヤに指示することで、ゲームの娯楽性を高めたプログラム、ゲームサーバ、情報処理端末、方法およびゲームシステムを提供すること。
【解決手段】仮想生命体を育成するゲームを実行するためのプログラムであって、コンピュータを、仮想生命体に関連するジェスチャ指示を生成する指示生成部と、生成されたジェスチャ指示をプレイヤに報知する報知部と、プレイヤのジェスチャを取得する取得部と、取得したジェスチャが、生成されたジェスチャ指示と一致するか判断する判断部と、判断部が一致すると判断した場合に、仮想生命体の育成に関する処理を実行する実行部と、して機能させる。
【選択図】図3

【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想生命体を育成するゲームを実行するためのプログラムであって、コンピュータを、
前記仮想生命体に関連するジェスチャ指示を生成する指示生成部と、
前記生成されたジェスチャ指示をプレイヤに報知する報知部と、
前記プレイヤのジェスチャを取得する取得部と、
前記取得したジェスチャが、前記生成されたジェスチャ指示と一致するか判断する判断部と、
前記判断部が前記一致すると判断した場合に、前記仮想生命体の育成に関する処理を実行する実行部と、して機能させるプログラム。
【請求項2】
前記指示生成部は、前記ゲームの進行状況によって、または、前記プレイヤの選択によって、複数の仮想生命体から一の仮想生命体を決定し、当該仮想生命体に設定される属性に基づいた前記ジェスチャ指示を生成し、
前記報知部は、前記決定された仮想生命体に設定される属性を前記プレイヤに報知する、請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記指示生成部は、前記属性に応じて、異なる種類のジェスチャから成る前記ジェスチャ指示を生成する、請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記指示生成部は、前記仮想生命体に設定される強さに関するパラメータに基づいた前記ジェスチャ指示を生成する、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項5】
前記指示生成部は、前記強さに関するパラメータに応じて、前記ジェスチャを行う難易度が上がるように前記ジェスチャ指示を生成する、請求項4に記載のプログラム。
【請求項6】
前記ジェスチャを行う前記難易度は、前記プレイヤの運動強度である、請求項5に記載のプログラム。
【請求項7】
前記指示生成部は、所定期間内に前記プレイヤが所定のエネルギー量を消費するように、複数の前記仮想生命体から一の仮想生命体を決定し、当該仮想生命体に関連する前記ジェスチャ指示を生成する、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項8】
育成対象の仮想生命体を獲得するゲームを実行するためのプログラムであって、コンピュータを、
前記仮想生命体に関連するジェスチャ指示を生成する指示生成部と、
前記生成されたジェスチャ指示をプレイヤに報知する報知部と、
前記プレイヤのジェスチャを取得する取得部と、
前記取得したジェスチャが、前記生成されたジェスチャ指示と一致するか判断する判断部と、
前記判断部が前記一致すると判断した場合に、前記仮想生命体の獲得に関する処理を実行する実行部として機能させ、
前記実行部は、前記仮想生命体の獲得に関するパラメータを変動させ、前記パラメータが所定の条件を満たした場合に、前記仮想生命体を獲得したものとして前記プレイヤに対応付ける、プログラム。
【請求項9】
仮想生命体を育成するゲームを実行するゲームサーバであって、
前記仮想生命体に関連するジェスチャ指示を生成する指示生成部と、
前記生成されたジェスチャ指示をプレイヤに報知する報知部と、
前記プレイヤのジェスチャを取得する取得部と、
前記取得したジェスチャが、前記生成されたジェスチャ指示と一致するか判断する判断部と、
前記判断部が前記一致すると判断した場合に、前記仮想生命体の育成に関する処理を実行する実行部と、を備えるゲームサーバ。
【請求項10】
仮想生命体を育成するゲームを実行する情報処理端末であって、
前記仮想生命体に関連するジェスチャ指示を生成する指示生成部と、
前記生成されたジェスチャ指示をプレイヤに報知する報知部と、
前記プレイヤのジェスチャを取得する取得部と、
前記取得したジェスチャが、前記生成されたジェスチャ指示と一致するか判断する判断部と、
前記判断部が前記一致すると判断した場合に、前記仮想生命体の育成に関する処理を実行する実行部と、を備える情報処理端末。
【請求項11】
仮想生命体を育成するゲームを実行する方法であって、
前記仮想生命体に関連するジェスチャ指示を生成するステップと、
前記生成されたジェスチャ指示をプレイヤに報知するステップと、
前記プレイヤのジェスチャを取得するステップと、
前記取得したジェスチャが、前記生成されたジェスチャ指示と一致するか判断するステップと、
前記一致すると判断した場合に、前記仮想生命体の育成に関する処理を実行するステップと、を備える方法。
【請求項12】
仮想生命体を育成するゲームを実行するゲームシステムであって、
前記仮想生命体に関連するジェスチャ指示を生成する指示生成部と、
前記生成されたジェスチャ指示をプレイヤに報知する報知部と、
前記プレイヤのジェスチャを取得する取得部と、
前記取得したジェスチャが、前記生成されたジェスチャ指示と一致するか判断する判断部と、
前記判断部が前記一致すると判断した場合に、前記仮想生命体の育成に関する処理を実行する実行部と、を備えるゲームシステム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プログラム、ゲームサーバ、情報処理端末、方法およびゲームシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
センサ機能を備えたスマートフォンなどの携帯端末が普及するにつれ、電子ゲームに様々な入力を用いることができるようになった。例えば、特許文献1には、ゲームの進行とは無関係な入力(ジェスチャ)の実行をプレイヤに要求するメッセージを表示し、表示されたジェスチャを実行するとゲームの特典を付与することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5788583号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された発明は、ゲームの進行とは無関係なジェスチャをプレイヤに要求するものであり、ゲーム中にそのようなジェスチャを要求されるプレイヤは、煩わしさを感じる虞がある。
【0005】
そこで、本開示は、上記課題を解決すべくなされたものであって、その目的は、仮想生命体を育成するゲームにおいて、仮想生命体に関連したジェスチャをプレイヤに指示することで、ゲームの娯楽性を高めたプログラム等を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本開示に係るプログラムは、仮想生命体を育成するゲームを実行するためのプログラムであって、コンピュータを、仮想生命体に関連するジェスチャ指示を生成する指示生成部と、生成されたジェスチャ指示をプレイヤに報知する報知部と、プレイヤのジェスチャを取得する取得部と、取得したジェスチャが、生成されたジェスチャ指示と一致するか判断する判断部と、判断部が一致すると判断した場合に、仮想生命体の育成に関する処理を実行する実行部と、して機能させる。
【0007】
上記目的を達成するため、本開示に係るゲームサーバは、仮想生命体を育成するゲームを実行するサーバであって、仮想生命体に関連するジェスチャ指示を生成する指示生成部と、生成されたジェスチャ指示をプレイヤに報知する報知部と、プレイヤのジェスチャを取得する取得部と、取得したジェスチャが、生成されたジェスチャ指示と一致するか判断する判断部と、判断部が一致すると判断した場合に、仮想生命体の育成に関する処理を実行する実行部と、を備える。
【0008】
また、上記目的を達成するため、本開示に係る情報処理端末は、仮想生命体を育成するゲームを実行する情報処理端末であって、仮想生命体に関連するジェスチャ指示を生成する指示生成部と、生成されたジェスチャ指示をプレイヤに報知する報知部と、プレイヤのジェスチャを取得する取得部と、取得したジェスチャが、生成されたジェスチャ指示と一致するか判断する判断部と、判断部が一致すると判断した場合に、仮想生命体の育成に関する処理を実行する実行部と、を備える。
【0009】
また、上記目的を達成するため、本開示に係る方法は、仮想生命体を育成するゲームを実行する方法であって、仮想生命体に関連するジェスチャ指示を生成するステップと、生成されたジェスチャ指示をプレイヤに報知するステップと、プレイヤのジェスチャを取得するステップと、取得したジェスチャが、生成されたジェスチャ指示と一致するか判断するステップと、一致すると判断した場合に、仮想生命体の育成に関する処理を実行するステップと、を備える。
【0010】
また、上記目的を達成するため、本開示に係るゲームシステムは、仮想生命体を育成するゲームを実行するシステムであって、仮想生命体に関連するジェスチャ指示を生成する指示生成部と、生成されたジェスチャ指示をプレイヤに報知する報知部と、プレイヤのジェスチャを取得する取得部と、取得したジェスチャが、生成されたジェスチャ指示と一致するか判断する判断部と、判断部が一致すると判断した場合に、仮想生命体の育成に関する処理を実行する実行部と、を備える。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、仮想生命体を育成するゲームにおいて、仮想生命体に関連したジェスチャをプレイヤに指示する。プレイヤは指示されたジェスチャを行うことで、育成する仮想生命体により親しみをもつことができ、ゲームの娯楽性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】ゲームシステム1の構成図である。
図2】ゲームサーバ100の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。
図3】端末200の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。
図4】属性情報242の一例を示す図である。
図5】ジェスチャ情報243の一例を示す図である。
図6】仮想生命体のジェスチャ指示の一例を示す図である。
図7】ジェスチャ指示の一例を示す図である。
図8】端末200における処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本開示の実施形態について図面を参照して説明する。実施形態を説明する全図において、共通の構成要素には同一の符号を付し、繰り返しの説明を省略する。なお、以下の実施形態は、特許請求の範囲に記載された本開示の内容を不当に限定するものではない。また、実施形態に示される構成要素のすべてが、本開示の必須の構成要素であるとは限らない。
【0014】
<実施形態1>
図1は、ゲームシステム1の構成図である。図1を参照して、実施形態1に係るゲームシステム1の構成について説明する。
【0015】
ゲームシステム1は、ゲームサーバ100と、端末200と、を備え、ネットワークNWを介して通信可能に接続される。ネットワークNWは、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)等から構成される。なお、図1において、端末200は、代表として1つのみ記載しているが、複数備えられていてもよい。
【0016】
本実施形態において、ゲームシステム1では、仮想生命体を育成するゲーム(以下、「育成ゲーム」と記載する場合がある。)において、仮想生命体に関連したジェスチャをプレイヤに指示する。プレイヤは指示されたジェスチャを行うことで、育成する仮想生命体により親しみをもつことができ、ゲームの娯楽性を向上させることができる。
【0017】
ゲームサーバ100は、育成ゲームを管理するゲームサーバであって、例えば、ネットワークNWを介してアクセスしてきた端末200に対してゲームプログラムを配信する。育成ゲームは、例えば、プレイヤのジェスチャ入力に加え、睡眠情報や、生体情報、運動量等を入力として仮想生命体を育成したり、ゲームにおけるアイテムの数や種類、お金、ゲームパラメータ(例えば、仮想生命体の強さなど)等が決定したりしてもよいが、これらに限られない。また、育成ゲームにおいて、育成対象の仮想生命体をプレイヤに捕獲させてもよい。
【0018】
また、ゲームサーバ100は、端末200からアップロードされた情報を記憶する。本実施形態においては、ゲームサーバ100は、複数の端末200から、育成ゲームに関する情報(例えば、各プレイヤのアカウント情報や育成ゲームの進行情報等)を取得して記憶する。
【0019】
端末200は、上述したようにゲームサーバ100から配信されたゲームプログラム(アプリケーション)を実行することによって、育成ゲームに関するゲーム処理を実行する情報処理端末である。また、端末200は、育成ゲームに関する情報をゲームサーバ100へアップロードする。なお、端末200は、予めゲームプログラムを記憶しておく構成であってもよい。
【0020】
図2は、ゲームサーバ100の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。なお、本実施形態のゲームサーバ100は、図2の構成要素(各部)の一部を省略した構成としてもよい。
【0021】
ゲームサーバ100は、通信部110と、記憶部120と、処理部130と、を備える。
【0022】
通信部110は、端末200と、ネットワークNWを介した通信を行うための各種制御を行うものであり、その機能は、各種プロセッサ又は通信用ASICなどのハードウェアや、プログラムなどにより実現できる。
【0023】
記憶部120は、コンピュータを機能させるためのプログラムや各種データを記憶するための記憶装置であって、ゲーム情報121を含む。
【0024】
ゲーム情報121は、育成ゲームに関する情報が格納されている。ゲーム情報121は、例えば、通信部110を介して端末200に配信する、育成ゲームのプログラムや、端末200からアップロードされた、プレイヤのアカウント情報やゲームの進行情報である。なお、記憶部120は、一時的な記憶領域や、ストレージを含んでもよい。
【0025】
処理部130は、ゲームサーバ100において実行される各種の情報処理を実行する。処理部130は、CPUおよびメモリを有し、CPUがメモリを用いて、記憶部120に記憶された情報処理プログラムを実行することによって各種の情報処理が実行される。本実施形態においては、処理部130は、上記情報処理として、育成ゲームのプログラムを端末200に提供する。
【0026】
なお、本実施形態では、「サーバ」とは、1つの情報処理装置(すなわち、サーバ装置)を指す他、サーバが複数のサーバ装置によって構成される場合にはサーバ装置群(すなわち、サーバシステム)全体を指す意味である。また、本実施形態においては、ゲームサーバ100を一体的な構成として説明するが、ゲームサーバ100は、機能および/または役割に応じて分けられた複数のサーバ装置を含む構成であってもよい。
【0027】
図3は、端末200の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。なお、本実施形態の端末200は、図3の構成要素(各部)の一部を省略した構成としてもよい。
【0028】
端末200は、ゲーム装置に相当する情報処理端末であり、本実施形態においては、例えば、スマートフォン、フィーチャーフォン、タブレット型コンピュータ、ラップトップ型コンピュータ、デスクトップ型コンピュータ、携帯ゲーム機、据置ゲーム機、ヘッドマウントディスプレイ等のウェアラブル端末、又は、情報処理機能を備えた多機能型テレビジョン受像機(スマートテレビ)等の多機能デバイスである。
【0029】
すなわち、端末200は、一般的な多機能デバイスが有する各種の機能(例えば、入力機能、出力(表示)機能、情報処理機能、ネットワーク通信機能、センサ機能、通話機能、カメラ機能等)を有している。
【0030】
なお、ネットワーク通信機能は、インターネット等を介した通信機能、および/または、モバイル通信網を介した通信機能である。端末200は、既製の多機能デバイスに所定の機能をインストールすることで実現されてもよい。本実施形態において、端末200は、上記多機能デバイスとして用いられることに加えて、プレイヤのジェスチャを検知したり、上記育成ゲームを実行したりするために用いられる。
【0031】
端末200は、通信部210と、入力部220と、出力部230と、記憶部240と、処理部250と、を備える。
【0032】
通信部210は、ゲームサーバ100と、ネットワークNWを介した通信を行うための各種制御を行うものであり、その機能は、各種プロセッサ又は通信用ASICなどのハードウェアや、プログラムなどにより実現できる。また、通信部210は、後述するセンサ222として機能する情報処理端末(ウェアラブル端末)と行うBluetooth(登録商標)などの近距離無線通信の制御を行う。なお、ウェアラブル端末とは、ケーブルを介した有線通信によって行われてもよいし、電波通信や赤外線通信等によって行われてもよい。
【0033】
入力部220は、プレイヤからの入力を受け付けるためのインターフェイスであり、プレイヤの入力を処理部250に送る。入力部220は、例えば、タッチパネルやボタン、コントローラである。入力部220は、マイク221と、センサ222と、を含む。
【0034】
マイク221は、端末200の周囲の音を収集するマイクロフォンである。例えば、マイク221は、プレイヤの声や拍手等の音を収音する。
【0035】
センサ222は、端末200の種々の状態を検知し、プレイヤのジェスチャを取得するための計測機器であって、端末200に内蔵されていてもよいし、通信部210を介して接続される外部端末(例えば、プレイヤが、プレイヤの腕や頭、指、目元などに身に着けるウェアラブル端末等)に内蔵されていてもよい。本実施形態では、センサ222には、端末200に内蔵されるセンサ、および端末200と接続される外部端末に内蔵されるセンサが含まれるものとして説明する。
【0036】
センサ222は、例えば、端末自体の姿勢や傾きを検知する姿勢センサ(加速度センサやジャイロセンサ)、プレイヤの視線方向を検知する注視センサや、周囲の明るさを検知する光センサ、太陽光等に含まれる紫外線(Ultraviolet)量を検知するUVセンサ、プレイヤの動作を検知する赤外線センサである。
【0037】
また、センサ222は、カメラ(不図示)で捉えた映像から、対象物の画像的な特徴を抽出する画像センサや、端末200の周囲の湿度を検知する湿度センサや、端末200の所在位置における磁場を検知する地磁気センサ、端末200の近傍にある対象物を検知する近接センサ、端末200の周囲の明るさを検知する照度センサ等であってもよい。また、センサ222は、マイク221を音センサとして機能させてもよい。
【0038】
また、センサ222は、上記のセンサ機能を用いて、種々の情報を検知するようにしてもよい。例えば、センサ222は、加速度センサの機能を用いて、端末200を保有するプレイヤの歩行数を検知してもよい。また、歩行数に限らず、センサ222は、プレイヤの腕の曲げ伸ばしの回数や、屈伸の回数、ジャンプの高さ等、さまざまなジェスチャを検知することができる構成であってよく、公知のセンサ機能により実現可能である。
【0039】
また、センサ222は、加速度センサ等の機能を用いて、端末200が動作しているか、静止しているか、などを示す動作情報を一定時間ごとや、端末200が動作したタイミングごとに検知してもよい。センサ222は、上述のように検知したセンシングデータを処理部250へ送る。
【0040】
出力部230は、例えば、ディスプレイ等の表示装置やスピーカなどのオーディオ出力装置であり、入力部220に対する入力に応じて端末200において生成される各種の画像や音声を表示、出力したり、ゲームサーバ100から受信されたデータに基づく各種の画像や音声を表示、出力したりする。出力部230は、人工知能搭載型スピーカ(スマートスピーカ)を含む。
【0041】
記憶部240は、コンピュータを機能させるためのプログラムや各種データを記憶するための記憶装置である。記憶部240は、一時的な記憶領域や、ストレージを含んでもよい。記憶部240は、ゲーム情報241と、属性情報242と、ジェスチャ情報243と、を含む。
【0042】
ゲーム情報241は、育成ゲームの進行に関する情報や、ゲームサーバ100から配信された育成ゲームのプログラム等を記憶する。本実施形態に係る育成ゲームにおいて、プレイヤは、複数の仮想生命体を育成対象として所持することができる。ゲーム情報241は、ゲームの進行中において、育成対象としてプレイヤが所持する仮想生命体を記憶する。
【0043】
属性情報242は、育成ゲームにおける仮想生命体と、仮想生命体ごとに設定された属性と、を関連付けて記憶する。本実施形態において、属性とは、仮想生命体がどのような特性を有するかを示す情報であり、例えば、戦いを好む特性、物静かでおとなしい特性、人懐っこい特性など、各仮想生命体に対して設定される。属性は、プレイヤが設定してもよいし、予めゲーム開発者によって設定されていてもよい。また、端末200は、ゲームサーバ100から定期的、または随時、属性に関する情報を受信し、属性情報を更新してもよい。
【0044】
ジェスチャ情報243は、属性と、ジェスチャと、を関連付けて記憶する。属性と関連付けられるジェスチャは、属性が示す特性と関連する内容であることが好ましい。例えば、戦いを好む特性を示す属性であれば、パンチを連想させる腕を振るジェスチャであったり、空を飛ぶ特性を示す属性であれば、飛行を連想させるジャンプのジェスチャであったりしてもよい。
【0045】
図4は、属性情報242の一例を示す図である。図4において、仮想生命体C1と属性Aとが関連付けられている。同様に、仮想生命体C2,C3,C4にはそれぞれ、属性B,C,Aが関連付けられている。なお、一つの属性が複数の仮想生命体に関連付けられてもよいし、一つの仮想生命体が複数の属性と関連付けられていてもよい。仮想生命体と属性との関連付けは、任意に設定することができる。
【0046】
図5は、ジェスチャ情報243の一例を示す図である。図5において、仮想生命体の属性Aは、腕を振るジェスチャと関連付けられている。また属性Bは、端末を傾けるジェスチャ、属性Cは、声を出すジェスチャ、属性Dは、ジャンプするジェスチャと関連付けられている。上述したように、属性と関連付けられるジェスチャは、その属性を連想させるジェスチャであることが好ましい。これにより、プレイヤのジェスチャが仮想生命体と密接に関連付いていることをプレイヤに認識させることができ、ジェスチャの実行を通じて、プレイヤに対して仮想生命体への愛着を持たせることができる。
【0047】
また、属性には、複数のジェスチャが関連付けられてもよい。また、複数のジェスチャは、連続した複数のジェスチャ(声を出すジェスチャを行ったあとにジャンプする)の組み合わせや、複数のジェスチャを融合したジェスチャ(声を出しながらジャンプする)により一つのジェスチャとして関連付けられてもよい。また、仮想生命体の種類と属性との組み合わせによって、関連付けられるジェスチャを決定してもよい。
【0048】
属性と関連付けられるジェスチャは、センサ222で認識するジェスチャであればこれらに限られず、頭を回す、頭を掻く、目を瞬きする、息を吹きかける、くしゃみをする、あくびをする、咳をする、しゃっくりをする、腕を回す、腕を伸ばす、拍手をする、影絵を映す、手首を回す、手首を前後に動かしてブラブラさせる、腰を回す、腰を前後に動かす、前屈する、膝を回す、屈伸する、足首を回す、など、体の様々な部位に着目した動きとすることができる。
【0049】
また、ジェスチャは、プレイヤの身体の動きに限られず、端末の姿勢や、端末を移動させる距離、端末を水平に維持する時間、または端末を光に当てたり、端末を水につけたり、端末を向ける方位など、端末に関する状態であってもよい。
【0050】
また、ジェスチャは、所定の対象物を撮影する、所定の音を収音する、などであってもよい。なお、図5に示す例では、属性とジェスチャの内容とを関連付けているが、属性と、センサ222が検知したセンシングデータの値とを関連付けてもよい。すなわち、属性に関連付けられるジェスチャが区別できるのであれば、どのような態様で関連付けられていてもよい。
【0051】
図3に戻って、処理部250は、端末200において実行される各種の情報処理を実行する。処理部250は、CPU(Central Processing Unit)およびメモリを有する。端末200においては、CPUがメモリを用いて、記憶部240に記憶された情報処理プログラムを実行することによって上記各種の情報処理が実行される。本実施形態においては、処理部250は、上記情報処理として、ジェスチャ指示を生成する処理や、当該ジェスチャ指示とプレイヤのジェスチャとが一致するかを判断する処理、育成ゲームに関する処理等を実行する。また、端末200が多機能デバイスとして動作する場合、処理部250は、各機能を実現するための情報処理を実行する。
【0052】
処理部250は、ゲーム実行部251と、指示生成部252と、報知部253と、取得部254と、判断部255と、を含む。
【0053】
ゲーム実行部251は、育成ゲームに関する処理を実行する。例えば、入力部220を介したプレイヤからの入力や、後述する取得部254が取得したプレイヤのジェスチャに関する情報に基づいて処理を実行する。
【0054】
指示生成部252は、複数の仮想生命体から一の仮想生命体を決定し、当該仮想生命体に設定される属性に基づいたジェスチャ指示を生成する。例えば、指示生成部252は、ゲーム情報241に記憶されている育成ゲームに関する情報に基づき、ゲームの進行状況によって、または、プレイヤの選択によって、複数の仮想生命体の中から、ジェスチャ指示を生成するための仮想生命体を選択する。また、指示生成部252は、プレイヤが所持する仮想生命体からジェスチャ指示を生成するための任意の仮想生命体を選択してもよい。そして、指示生成部252は、属性情報242およびジェスチャ情報243に基づいて、仮想生命体に関連するジェスチャを生成する。
【0055】
本実施形態に係る育成ゲームにおいては、複数の仮想生命体をプレイヤが育成できるようにしてもよいし、特定の仮想生命体を育成できるようにしてもよい。当該選択する仮想生命体は、進行中のゲーム内容に関連することが好ましく、これにより、プレイヤのゲームへの楽しみが一層増すこととなる。
【0056】
仮想生命体に複数の属性が関連付けられている場合、また、属性に複数のジェスチャが関連付けられている場合は、指示生成部252は、複数のジェスチャの中から一つのジェスチャを選択してもよい。この際、予め設定された所定の確率でジェスチャを選択してもよい。確率をゲームの進行状況によって変動させることで、ゲームの娯楽性を高めることができる。
【0057】
また、指示生成部252は、仮想生命体に設定される強さに関するパラメータに基づいたジェスチャ指示を生成してもよい。仮想生命体には、ゲームにおける強さに関するパラメータが設定されている。強さとは、仮想生命体の育成レベルや、戦いの強さ、生命力などを表しており、パラメータの大きさで強さを表すことができる。
【0058】
また、強さに関するパラメータは、仮想生命体ごとに、ゲーム開発者が予め設定しておいてもよいし、ゲームをプレイする過程でパラメータが上がるように設定されておいてもよい。また、仮想生命体に設定されるパラメータは、強さ以外にも、従順さや、知力、可愛さ、など様々な観点で設定してもよい。
【0059】
指示生成部252は、仮想生命体の種類や強さによって、プレイヤがジェスチャを行う難易度が上がるようにジェスチャ指示を生成するようにしてもよい。ここで、ジェスチャを行う難易度とは、例えば、プレイヤの運動強度であり、属性ごとに関連付けられたジェスチャの実行回数を増やすようにしたり、ジャンプの高さや、声の大きさを大きくするようにしたりして、プレイヤに負荷をかける動作である。
【0060】
また、ジェスチャを行う難易度は、端末の姿勢に関連して、プレイヤの手のひらに乗せた端末の水平状態に維持する時間を長くしたり、端末とプレイヤの手との近接距離や、端末を傾ける角度を細かく設定したりするなど、プレイヤにとって、その実行が困難になるような指示であればよい。強い仮想生命体や出現確率の低い仮想生命体ほど、ジェスチャの実行の難易度を上げることで、ゲームの難易度が変動し、プレイヤは飽きることなくゲームを楽しむことができる。
【0061】
また、指示生成部252は、所定期間内にプレイヤが所定のエネルギー量を消費するように、複数の仮想生命体から一の仮想生命体を決定し、当該仮想生命体に関連するジェスチャ指示を生成するようにしてもよい。例えば、入力部220を介してプレイヤから目標とする一日のエネルギー消費量を受け付け、そのエネルギー消費量を達成できるように、仮想生命体に設定される属性と関連付けられるジェスチャ、難易度等から、ジェスチャ指示を生成するための仮想生命体を決定し、ジェスチャ指示を生成する。
【0062】
図6は、仮想生命体のジェスチャ指示の一例を示す図である。図6において、仮想生命体C1は、属性Aであり、腕を振るジェスチャが関連付けられている。そして、強さが上がるにつれ、腕を振る回数が1回(強さ1)、3回(強さ2)・・・と大きくなっている。また、仮想生命体C5は、属性Dであり、ジャンプするジェスチャが関連付けられている。そして、強さが上がるにつれ、ジャンプする高さが20cm、40cm・・・と高くなっている。
【0063】
また、端末を傾けるジェスチャについては、強さが上がるにつれ、傾ける角度を90度、45度・・・と細かく設定されている。また、声を出すジェスチャでは、強さが上がるにつれ、声の大きさが60dB、90dB・・・と大きくなるように設定されているが、極端に小さい声を設定するようにしてもよい。すなわち、強さが上がるにつれ、ジェスチャの実行の難易度が上がればよく、単に声の大きさを大きくするだけが、当該難易度を上げる方法ではない。ジェスチャを行う難易度を上げるために、複数の動きを組み合わせたジェスチャにしてもよい。例えば、声を出した後に手をたたく、声を出しながら手をたたく、などの動作を組み合わせてもよい。なお、組み合わせる場合は、属性に関連付けられたジェスチャが組み合わされることが好ましい。
【0064】
図3に戻って、報知部253は、指示生成部252が生成したジェスチャ指示をプレイヤに報知する。報知部253は、例えば、出力部230のディスプレイ等にジェスチャ指示を表示してもよいし、スピーカの音声によりジェスチャ指示の内容を出力してもよい。また、報知部253は、指示生成部252がジェスチャ指示生成のために決定した仮想生命体に設定される属性をプレイヤに報知する。ジェスチャ指示とともに、属性も報知することで、プレイヤは、ジェスチャと属性との密着した関連性を知ることができ、よりゲームを楽しむことができる。
【0065】
報知部253がジェスチャ指示を報知するタイミングは、ゲームの進行に合わせて適宜行うようにしてもよいし、所定期間間隔で報知するようにしてもよい。報知部253は、ジェスチャ指示を報知するタイミングで、指示生成部252にジェスチャ指示を生成するよう要求してもよい。
【0066】
また、報知部253は、プレイヤがゲームをプレイしていない場合であっても、所定時間間隔で報知するようにしてもよいし、予め所定期間内にプレイヤが所定のエネルギー量を消費するように設定されたタイミングでジェスチャ指示を報知するようにしてもよい。例えば、1時間ごとに所定のカロリーを消費するようにプレイヤが設定しておくことで、当該カロリーを消費するのに適したタイミングでジェスチャ指示がプレイヤに報知されるよう構成することが可能である。
【0067】
また、プレイヤが一日の目標消費カロリーを設定すると、報知部253は、ゲームの進行に応じて生成されるジェスチャ指示の運動強度から目標消費カロリーを達成できる最適なタイミングを計算し、当該計算されたタイミングでジェスチャ指示を報知するようにしてもよい。これにより、プレイヤは健康に配慮しながら、ゲームを楽しむことができる。
【0068】
図7は、ジェスチャ指示の一例を示す図である。図7(A)において、画面51には、仮想生命体C11とともに、「端末を1回シェイクして!」というジェスチャ指示が表示されている。また、ジェスチャ指示とともに、仮想生命体C11に設定された属性E、および属性Eを示すアイコン61が表示されている。アイコン61により、プレイヤに属性を想起させやすくすることができる。なお、ジェスチャ指示と属性とがプレイヤに報知されるのであれば、当該報知は、どのような態様であってもよい。
【0069】
図7(B)において、画面52には、仮想生命体C12とともに、「端末を2回大きくシェイクして!」というジェスチャ指示が表示されている。また、仮想生命体C12に設定された属性E、および属性Eを示すアイコン62が表示されている。すなわち、仮想生命体C11およびC12は、属性が同じことを示している。なお、図7の例では、説明のため「属性E」のような抽象的な表記であるが、例えば、「電気」などのような、プレイヤに仮想生命体の特性を具体的にイメージさせる表現であることが好ましい。
【0070】
ジェスチャ指示は、図7(B)の「大きくシェイク」のように、具体的に端末を振る距離で指示しなくてもよい。図6で示したように、プレイヤのジェスチャとジェスチャ指示との一致を判断する際の閾値として、具体的な数値の設定は必要であるが、プレイヤに対して報知する際は、プレイヤが直感的に分かりやすい表現に変換してもよい。
【0071】
また、ジェスチャ指示は、図7のように文字で示すのではなく、音声で出力してもよい。また、仮想生命体C11やC12に生成されたジェスチャ指示の動きを行わせたり、アニメーション等を表示したりすることによりプレイヤにジェスチャをするように促してもよい。文字以外の出力でプレイヤに示すことで、文字が分からない幼児なども気軽にゲームを楽しむことができる。また、プレイヤは、仮想生命体と同じ動きをすることで、プレイヤの仮想生命体に対する愛着がより一層増し、ゲームを継続的に行うモチベーションの向上につながる。
【0072】
また、育成ゲームにおいて、仮想生命体が進化するようにしてもよい。例えば、仮想生命体C11から進化した仮想生命体C12には、進化前の仮想生命体C11のジェスチャ指示よりも運動強度が強いジェスチャが設定される。すなわち、ジェスチャ指示を生成する際に、仮想生命体の強さという軸に加え、進化という軸を組み合わせてもよい。これにより、一つの動作を実行する回数と、当該動作の運動強度(負荷)を組み合わせることができる。
【0073】
図3に戻って、取得部254は、センサ222から送られたセンシングデータに基づいて、プレイヤの行ったジェスチャを取得する。例えば、取得部254は、加速度センサ等が検知したセンシングデータから端末の動きや、ウェアラブル端末を着けている腕の振りを判定し、プレイヤのジェスチャとして取得する。
【0074】
判断部255は、取得部254が取得したジェスチャが、指示生成部252が生成したジェスチャ指示と一致するか判断する。この際、判断部255は、プレイヤのゲームの習熟度や、ゲームの進行状況によって、一致判断の基準となる閾値に幅を持たせてもよい。具体的には、ジェスチャ指示との一致の判断は、仮想生命体の育成の難易度が高いほど高く設定されるようにしてもよい。すなわち、育成の難易度が高いほど、プレイヤのジェスチャはジェスチャ指示との正確な一致が求められる(一致度が高い)ようにしてもよい。育成の難易度が下がるほど、ジェスチャ指示との一致の判断に幅を持たせる(一致度が低い)ようにしてもよい。例えば、図6で示したように、端末を傾ける角度が45度になるようジェスチャ指示をした場合は、40度から50度の傾きであれば、仮想生命体の育成の難易度が低いとき、また、プレイヤの習熟度が低いときは、ジェスチャが一致すると判断してもよい。過度に厳密に判断すると、プレイヤのゲームへのやる気をそぐことになる虞があるからである。
【0075】
仮想生命体の育成の難易度やプレイヤの習熟度に応じて、ジェスチャ指示との一致度に幅を持たせることで、ゲームに慣れていないプレイヤも気軽にプレイを楽しむことができる。また、ゲームに慣れたプレイヤには、より正確なジェスチャ指示との一致を求めることで、ゲームをやり込む楽しさを与えることができる。これにより、ゲームに対する習熟度が異なる幅広い層のプレイヤに対してゲームの娯楽性を向上させることができる。
【0076】
また、判断部255は、取得したジェスチャが、ジェスチャ指示と一致しなかった場合には、どの程度の動作でジェスチャが一致するかを算出し、出力部230を介して、当該算出結果をプレイヤに出力するようにしてもよい。例えば、「20cm高く」、「もっと大きな声で」などをプレイヤに通知する。また、当該通知は、具体的な数値で示してもよいし、概算で示してもよい。また、「もっと高く」、「もう少し右」など、人間にとって体等をどの程度動かせばよいか直感的に分かりやすい表現であってもよい。これにより、プレイヤにジェスチャのやり直しの機会を与え、ジェスチャに失敗したプレイヤも再びゲームを楽しむことができる。
【0077】
判断部255は、ジェスチャが一致すると判断した場合は、ゲーム実行部251に仮想生命体の育成に関する処理を実行するよう指示する。ゲーム実行部251は、ジェスチャの一致により、育成ゲームにおいて、プレイヤに特典を付与するようにしてもよい。例えば、仮想生命体の育成のスピードを早めたり、強さを上げたり、特別なアイテムを付与したりして、育成ゲームを有利に進めることができる処理を行ってもよい。
【0078】
また、ゲーム実行部251は、特典の付与ではなく、通常のゲーム進行を行う一方で、ジェスチャの不一致により、ゲームの進行のペナルティを与えるようにしてもよい。例えば、仮想生命体の育成のスピードを遅くする、など、ゲームの進行が不利になるような処理を行う。
【0079】
図8は、端末200における処理の一例を示すフローチャートである。図8を参照して、端末200における処理の一例について説明する。なお、端末200は、ゲームの進行に応じて設定されたタイミング、またはプレイヤから設定されたタイミングを、当該処理を開始するトリガとしてもよい。
【0080】
ステップS101において、指示生成部252は、複数の仮想生命体から一の仮想生命体を決定し、当該仮想生命体に設定される属性に基づいたジェスチャ指示を生成する。例えば、指示生成部252は、ゲーム情報241に記憶されている育成ゲームに関する情報に基づき、ゲームの進行状況によって、または、プレイヤの選択によって、複数の仮想生命体の中から、ジェスチャ指示を生成するための仮想生命体を選択する。そして、指示生成部252は、属性情報242およびジェスチャ情報243に基づいて、仮想生命体に関連するジェスチャを生成する。
【0081】
指示生成部252は、仮想生命体の強さに関するパラメータに応じて、ジェスチャを行う難易度が上がるようにジェスチャ指示を生成してもよい。また、指示生成部252は、複数の仮想生命体の中から、ジェスチャ指示を生成する仮想生命体を一または複数選択してもよい。
【0082】
指示生成部252が、ジェスチャ指示を生成する仮想生命体を複数選択する場合は、各仮想生命体の属性や強さに基づいて、複数のプレイヤに対するジェスチャ指示を生成してもよい。例えば、二人同時に同じジェスチャを行うように指示したり、二人が組になって、ジェスチャを完成させたりしてもよい。これにより、友達など、複数人で一緒にゲームをプレイする楽しみが増す。
【0083】
ステップS102において、報知部253は、ステップS101で指示生成部252が生成したジェスチャ指示をプレイヤに対して報知する。また、報知部253は、指示生成部252がジェスチャ指示生成のために決定した仮想生命体に設定される属性をプレイヤに報知する。報知部253は、例えば、出力部230のディスプレイ等にジェスチャ指示を表示してもよいし、スピーカの音声によりジェスチャ指示の内容を出力してもよい。
【0084】
ステップS103において、取得部254は、センサ222から送られたセンシングデータに基づいて、プレイヤの行ったジェスチャを取得したか判断する。例えば、取得部254は、加速度センサ等が検知したセンシングデータから端末の動きや、ウェアラブル端末を着けている腕の振りを判定し、プレイヤのジェスチャとして取得する。
【0085】
ステップS103において、取得部254がジェスチャを取得したと判断した場合(ステップS103において、Y)、処理はステップS104に進む。一方、そうでない場合(ステップS103において、N)、処理はステップS102に戻り、プレイヤに対してジェスチャ指示を報知する。ジェスチャ指示を報知してから所定時間経過した場合に、出力部230のバイブレータや照明等により、プレイヤにジェスチャを行うよう促す構成にしてもよい。
【0086】
ステップS104において、判断部255は、取得部254が取得したジェスチャが、指示生成部252が生成したジェスチャ指示と一致するか判断する。
【0087】
ステップS105において、判断部255は、ジェスチャが一致すると判断した場合(ステップS105において、Y)、処理はステップS106に進む。一方、一致しないと判断した場合(ステップS105において、N)、処理はステップS107に進む。
【0088】
ステップS106において、ゲーム実行部251は、判断部255から、仮想生命体の育成に関する処理を実行するよう指示を受けたことに応じて、プレイヤに特典を付与する。例えば、仮想生命体の育成のスピードを早めたり、強さを上げたり、特別なアイテムを付与したりして、育成ゲームを有利に進めることができる処理を行う。
【0089】
また、ゲーム実行部251は、特典を付与するのではなく、通常のゲーム進行を行う一方で、ジェスチャの不一致により、ゲームの進行のペナルティを与えるようにしてもよい。
【0090】
ステップS107において、判断部255は、ジェスチャが一致しなかった旨を出力するよう、出力部230に指示する。出力部230は、当該指示に応じて、ジェスチャが一致しなかった旨をディスプレイ等に表示したり、スピーカから出力したりしてもよい。
【0091】
また、判断部255は、取得したジェスチャが、ジェスチャ指示と一致しなかった場合には、どの程度の動作でジェスチャが一致するかを算出し、出力部230に対し、当該算出結果をプレイヤに出力するよう指示にしてもよい。
【0092】
以上のようにして、端末200においてゲーム処理が実行される。
【0093】
(効果の説明)
上述したように、本実施形態では、仮想生命体を育成するゲームにおいて、仮想生命体に関連したジェスチャをプレイヤに指示する。プレイヤは指示されたジェスチャを行うことで、育成する仮想生命体により親しみをもつことができ、ゲームの娯楽性が向上する。
【0094】
また、本実施形態では、仮想生命体に設定される属性に基づいてジェスチャ指示を生成する。これにより、プレイヤはゲームの内容に基づいたジェスチャを行うことになり、育成ゲームを継続的に行うモチベーションを向上させることができる。
【0095】
また、本実施形態では、仮想生命体に設定される強さに関するパラメータに基づいてジェスチャ指示を生成する。強さに関するパラメータに応じてジェスチャを行う難易度が上がるようにジェスチャ指示を生成することで、プレイヤにゲームをやり込む楽しみを与えることができる。
【0096】
また、本実施形態では、仮想生命体の強さに関するパラメータに応じてプレイヤの運動強度が上がるようにジェスチャ指示を生成する。これにより、プレイヤは、ゲームにおける仮想生命体の強さをリアルに体感でき、ゲームをより楽しむことができる。
【0097】
また、本実施形態では、所定期間内にプレイヤが所定のエネルギー量を消費するように複数の仮想生命体から一の仮想生命体を決定し、当該仮想生命体に関連するジェスチャ指示を生成する。これにより、プレイヤはゲームを楽しみながら、自己のエネルギーの消費量を管理することができる。したがって、健康面に配慮しながらゲームの娯楽性を向上させることができる。
【0098】
また、本実施形態では、複数の仮想生命体の中から、ジェスチャ指示を生成する仮想生命体を選択する。これにより、さまざまな仮想生命体に関連したジェスチャをプレイヤに指示することができ、プレイヤにゲームをやり込む楽しみを与えることができる。
【0099】
<実施形態1の変形例1>
実施形態1の変形例1において、端末200は、予め記憶部240に記憶されたゲームプログラムを実行することにより、育成ゲームをプレイさせる構成である。端末200が記憶するゲームプログラムは、記録媒体等を介して、更新することができる構成であってもよい。これにより、プレイヤは、ネットワークを介してゲームサーバと接続されない環境下であっても、育成ゲームを楽しむことができる。
【0100】
<実施形態1の変形例2>
実施形態1の変形例2において、ゲームサーバ100は、育成ゲームの進行処理を実行するサーバ装置であって、端末200からジェスチャに関する情報を取得し、取得したジェスチャが、生成されたジェスチャ指示と一致するかを判断する構成である。すなわち、端末200が行うゲーム処理や、ジェスチャの一致の判断は、ゲームサーバ100が行い、端末200は、センシングデータをゲームサーバに送信する構成である。
【0101】
端末200は、ゲームサーバ100からゲーム進行の処理結果を受信し、プレイヤに提示する。なお、当該ジェスチャの一致の判断は、端末200における処理と同様であるため、説明は省略する。これにより、プレイヤは、ゲームサーバ100にアクセスすることで、育成ゲームを楽しむことができる。
【0102】
<実施形態2>
実施形態1は、仮想生命体の育成ゲームにおいて、仮想生命体に関連するジェスチャ指示を生成し、プレイヤは指示されたジェスチャを行うことで、育成する仮想生命体により親しみをもたせ、ゲームの娯楽性を向上させるものであった。
【0103】
一方、実施形態2は、育成対象の仮想生命体を獲得するゲームであって、仮想生命体に関連するジェスチャ指示を生成する。ジェスチャ指示の生成に関する処理は、実施形態1に係る育成ゲームと同様であるが、生成されたジェスチャ指示とプレイヤのジェスチャとが一致する場合は、仮想生命体の獲得に関する処理が実行される点で、実施形態1と相違する。本実施形態では、当該獲得するゲームを実行するためのプログラムにおいて、仮想生命体の獲得に関するパラメータを変動させ、パラメータが所定の条件を満たした場合に、仮想生命体を獲得したものとして、プレイヤと獲得した仮想生命体とを対応付ける。例えば、当該パラメータを所定の確率で変動させ、パラメータが所定の範囲内の場合に仮想生命体を獲得させるようにしてもよい。
【0104】
育成対象の仮想生命体を、ジェスチャを行って獲得することで、プレイヤは体を動かしながら仮想生命体を収集することができ、より仮想生命体に対する愛着を持つことができる。これにより、プレイヤに対し、ゲームを継続的に行うモチベーションを維持させることができる。
【0105】
上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものとする。
【0106】
また、上記実施形態に記載した手法は、コンピュータに実行させることができるプログラム(ソフトウエア手段)として、例えば、磁気ディスク(フレキシブルディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD-ROM、DVD、MO等)、半導体メモリ(ROM、RAM、フラッシュメモリ等)等の記録媒体に格納し、また通信媒体により伝送して頒布することもできる。なお、媒体側に格納されるプログラムには、コンピュータに実行させるソフトウエア手段(実行プログラムのみならずテーブルやデータ構造も含む)をコンピュータ内に構成させる設定プログラムをも含む。
【0107】
本サーバを実現するコンピュータは、記録媒体に記録されたプログラムを読み込み、また場合により設定プログラムによりソフトウエア手段を構築し、このソフトウエア手段によって動作が制御されることにより上述した処理を実行する。なお、本明細書でいう記録媒体は、頒布用に限らず、コンピュータ内部あるいはネットワークを介して接続される機器に設けられた磁気ディスクや半導体メモリ等の記憶媒体を含むものである。
【符号の説明】
【0108】
1 ゲームシステム、100 ゲームサーバ、200 端末、110 通信部、120,240 記憶部、130,250 処理部、220 入力部、221 マイク、222 センサ、230 出力部

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2023-06-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記プログラムは、前記プロセッサに、
ゲームに登場する複数のゲームキャラクターそれぞれに対応付けてジェスチャ情報としてのユーザ端末の動きに関する第1情報を記憶しており、複数の前記ゲームキャラクターのうち少なくともいずれかのゲームキャラクターの情報として、当該ゲームキャラクターに対応付けられている第1情報をプレイヤーに報知するステップと、
前記プレイヤーが所有するユーザ端末が有するセンサにより検知されたセンシングデータに基づき、当該ユーザ端末の動きに関する第2情報を取得するステップと、
前記第1情報と、前記第2情報とを比較するステップと、
前記比較の結果を前記プレイヤーに表示するステップと、
を実行させるプログラム。
【請求項2】
前記比較するステップにおいて、前記プレイヤーのゲームの進行状況によって前記比較の基準に幅を持たせる請求項1記載のプログラム。
【請求項3】
前記取得するステップにおいて、前記プレイヤーが所有するユーザ端末が有する加速度センサにより検知されたセンシングデータに基づき、当該ユーザ端末の動きに関する第2情報を取得する請求項1又は請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記比較の結果に応じて、前記ゲームキャラクターの獲得に関するパラメータを変動させ、当該パラメータが所定の条件を満たした場合、前記プレイヤーと前記ゲームキャラクターとを対応付ける請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のプログラム。
【請求項5】
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行される方法であって、前記プロセッサが、請求項1から請求項4のいずれかに係る発明において実行される全てのステップを実行する方法。
【請求項6】
制御部と、記憶部とを備える情報処理装置であって、前記制御部が、請求項1から請求項4のいずれかに係る発明において実行される全てのステップを実行する情報処理装置。
【請求項7】
請求項1から請求項4のいずれかに係る発明において実行される全てのステップを実行する手段を備えるシステム。