(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023105154
(43)【公開日】2023-07-28
(54)【発明の名称】がん細胞のpAMPKαまたはCOX-2の含有量を調節するための薬剤の調製のための増感剤の使用
(51)【国際特許分類】
A61K 35/60 20060101AFI20230721BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20230721BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20230721BHJP
A61K 33/04 20060101ALI20230721BHJP
A61K 36/06 20060101ALI20230721BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20230721BHJP
A23L 33/16 20160101ALI20230721BHJP
A23L 33/115 20160101ALI20230721BHJP
【FI】
A61K35/60
A61P43/00 121
A61P35/00
A61K33/04
A61K36/06 A
A61K45/00
A23L33/16
A23L33/115
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023093883
(22)【出願日】2023-06-07
(62)【分割の表示】P 2019569250の分割
【原出願日】2018-06-13
(31)【優先権主張番号】62/519,090
(32)【優先日】2017-06-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519118496
【氏名又は名称】シャー,ホウン・サイモン
【氏名又は名称原語表記】HSIA, HOUN SIMON
【住所又は居所原語表記】14791 MYFORD ROAD, TUSTIN, CALIFORNIA 92780, UNITED STATES OF AMERICA
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】シャー,ホウン・サイモン
(57)【要約】
【課題】がん細胞のpAMPKαまたはCOX-2の含有量を調節のための薬剤の効果を増強または強化するための増感剤の使用方法の提供。
【解決手段】がん細胞においてpAMPKαまたはCOX-2の含有量を調節するため薬剤の調製において、増感剤を使用する方法を含む。増感剤は、セレン、魚油、および、セレンと魚油との組み合わせを含み得る。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
がん細胞のpAMPKα含有量を調節するための薬剤の調製のための増感剤の使用であって、
前記増感剤は、セレン、魚油、および、セレンと魚油の組み合わせからなる群から選択される、使用。
【請求項2】
前記がん細胞のpAMPKα含有量は、増加している請求項1に記載の使用。
【請求項3】
前記セレンは、セレン酵母またはセレン酵母由来のペプチドである、請求項1に記載の使用。
【請求項4】
前記増感剤は、10,000mg~50,000mgのマルトデキストリン、5,000mg~60,000mgの乳漿タンパク質単離物、1,000mg~50,000mgの乳漿タンパク質濃縮物、40mg~15,000mgのフラクトオリゴ糖/インスリン、1,000mg~9,000mgの粒状ハチミツ、500mg~15,000mgのオート麦繊維、500mg~20,000mgの天然フレンチバニラフレーバー、500mg~50,000mgのダイズタンパク質、500mg~10,000mgの褐色粉糖、500mg~5,000mgの天然バニラマスキングフレーバー、200mg~10,000mgのレシチン、50mg~5,000mgの無脂肪乳、50mg~5,000mgのコメタンパク質粉末、50mg~2,000mgのカゼイン酸カルシウム、100mg~7,000mgの亜麻油、100mg~7,000mgのキャノーラ油、100mg~7,000mgのルリヂサ油、100mg~7,000mgのオリーブ油、100mg~1,000mgの純粋レモン油、50mg~1,000mgの純粋オレンジ油、0.5mg~200mgの混合トコフェロール、200mg~1,500mgのリン酸カリウム、100mg~5,000mgの炭酸カルシウム、150mg~2,500mgの酒石酸水素コリン、100mg~2,000mgの塩化ナトリウム、100mg~2,000mgの三塩基性リン酸カルシウム、50mg~3,000mgのアスコルビン酸、50mg~2,000mgの塩化カリウム、50mg~500mgの酸化マグネシウム、30μg~3,000μgのクロム酵母、30μg~2,000μgのモリブデン酵母、10mg~5,000mgのイノシトール、5mg~200mgの硫酸亜鉛一水和物、5IU~2,000IUの乾燥酢酸ビタミンE、5mg~500mgのナイアシンアミド、3mg~100mgのオルトリン酸第二鉄、3mg~200mgのパントテン酸カルシウム、3mg~100mgの硫酸マンガン一水和物、1mg~100mgのβカロテン、1mg~15mgのグルコン酸銅、25IU~5,000IUのビタミンD3、2μg~1,000μgのビタミンK2、0.5mg~200mgのピリドキシンHCl、0.5mg~1,500mgのヨウ化カリウム、0.5mg~1,000mgのリボフラビン、0.5mg~2,500mgのチアミン塩酸塩、1μg~500μgの乾燥ビタミンK1、500IU~100,000IUの酢酸ビタミンA、100μg~10,000μgの葉酸、10μg~10,000μgのd-ビオチン、1μg~3,000μgのビタミンB12、300mg~30,000mgのL-カルニチン、500mg~60,000mgのL-グルタミン、500mg~30,000mgのL-アルギニン塩基、50mg~2,000mgのタウリン、50mg~2,000mgのL-リジン、10mg~1,000mgのαリポ酸、15mg~1,500mgのレスベラトロール、10mg~5,000mgのコエンザイムQ10、5mg~1,000mgのグリシン、5mg~1,000mgのプロリン、2mg~500mgのLact.Acidophilus(合計約100億)、2mg~500mgのBifido Bifidium(合計約100億)、2mg~500mgのLac.Bulgaricus(合計約100億)、2mg~500mgのBifido Longum(合計約100億)、2mg~500mgのStrep.Thermophilus(合計約100億)、5mg~100mgのパパイン、5mg~100mgのペプシン、5mg~100mgのリパーゼ、5mg~100mgのブロメライン、0.5mg~100mgのパンクレアチン4X、1mg~100mgのラクターゼ、3mg~100mgのベタインHCl、2mg~500mgのパイナップル果汁粉末、2mg~500mgのパパイヤ果実粉末、30mg~3,000mgのケルセチン、25mg~600mgのEGCG、15mg~500mgのOPC、15mg~5,000mgのアントシアニン、10mg~300mgのエラグ酸、2mg~90mgのアスタキサンチン、20mg~1,500mgのフコイダン、5mg~6,000mgの冬虫夏草、15mg~10,000mgのマンネンタケ、40mg~15,000mgのシイタケ、30mg~15,000mgのマイタケ、および、30mg~15,000mgのカワラタケからなる群から選択される複数の成分を含む、請求項1に記載の使用。
【請求項5】
前記セレンは、セレン酵母として4,000μgまでの量で前記薬剤中に存在する、請求項1に記載の使用。
【請求項6】
前記魚油は、10,000mgまでの量で前記薬剤中に存在する、請求項1に記載の使用。
【請求項7】
がん細胞のCOX-2含有量を調節するための薬剤の調製のための増感剤の使用であって、
前記増感剤は、セレン、魚油、および、セレンと魚油の組み合わせからなる群から選択される、使用。
【請求項8】
前記がん細胞のCOX-2含有量は、減少している請求項7に記載の使用。
【請求項9】
前記セレンは、セレン酵母またはセレン酵母由来のペプチドである、請求項7に記載の使用。
【請求項10】
前記増感剤は、10,000mg~50,000mgのマルトデキストリン、5,000mg~60,000mgの乳漿タンパク質単離物、1,000mg~50,000mgの乳漿タンパク質濃縮物、40mg~15,000mgのフラクトオリゴ糖/インスリン、1,000mg~9,000mgの粒状ハチミツ、500mg~15,000mgのオート麦繊維、500mg~20,000mgの天然フレンチバニラフレーバー、500mg~50,000mgのダイズタンパク質、500mg~10,000mgの褐色粉糖、500mg~5,000mgの天然バニラマスキングフレーバー、200mg~10,000mgのレシチン、50mg~5,000mgの無脂肪乳、50mg~5,000mgのコメタンパク質粉末、50mg~2,000mgのカゼイン酸カルシウム、100mg~7,000mgの亜麻油、100mg~7,000mgのキャノーラ油、100mg~7,000mgのルリヂサ油、100mg~7,000mgのオリーブ油、100mg~1,000mgの純粋レモン油、50mg~1,000mgの純粋オレンジ油、0.5mg~200mgの混合トコフェロール、200mg~1,500mgのリン酸カリウム、100mg~5,000mgの炭酸カルシウム、150mg~2,500mgの酒石酸水素コリン、100mg~2,000mgの塩化ナトリウム、100mg~2,000mgの三塩基性リン酸カルシウム、50mg~3,000mgのアスコルビン酸、50mg~2,000mgの塩化カリウム、50mg~500mgの酸化マグネシウム、30μg~3,000μgのクロム酵母、30μg~2,000μgのモリブデン酵母、10mg~5,000mgのイノシトール、5mg~200mgの硫酸亜鉛一水和物、5IU~2,000IUの乾燥酢酸ビタミンE、5mg~500mgのナイアシンアミド、3mg~100mgのオルトリン酸第二鉄、3mg~200mgのパントテン酸カルシウム、3mg~100mgの硫酸マンガン一水和物、1mg~100mgのβカロテン、1mg~15mgのグルコン酸銅、25IU~5,000IUのビタミンD3、2μg~1,000μgのビタミンK2、0.5mg~200mgのピリドキシンHCl、0.5mg~1,500mgのヨウ化カリウム、0.5mg~1,000mgのリボフラビン、0.5mg~2,500mgのチアミン塩酸塩、1μg~500μgの乾燥ビタミンK1、500IU~100,000IUの酢酸ビタミンA、100μg~10,000μgの葉酸、10μg~10,000μgのd-ビオチン、1μg~3,000μgのビタミンB12、300mg~30,000mgのL-カルニチン、500mg~60,000mgのL-グルタミン、500mg~30,000mgのL-アルギニン塩基、50mg~2,000mgのタウリン、50mg~2,000mgのL-リジン、10mg~1,000mgのαリポ酸、15mg~1,500mgのレスベラトロール、10mg~5,000mgのコエンザイムQ10、5mg~1,000mgのグリシン、5mg~1,000mgのプロリン、2mg~500mgのLact.Acidophilus(合計約100億)、2mg~500mgのBifido Bifidium(合計約100億)、2mg~500mgのLac.Bulgaricus(合計約100億)、2mg~500mgのBifido Longum(合計約100億)、2mg~500mgのStrep.Thermophilus(合計約100億)、5mg~100mgのパパイン、5mg~100mgのペプシン、5mg~100mgのリパーゼ、5mg~100mgのブロメライン、0.5mg~100mgのパンクレアチン4X、1mg~100mgのラクターゼ、3mg~100mgのベタインHCl、2mg~500mgのパイナップル果汁粉末、2mg~500mgのパパイヤ果実粉末、30mg~3,000mgのケルセチン、25mg~600mgのEGCG、15mg~500mgのOPC、15mg~5,000mgのアントシアニン、10mg~300mgのエラグ酸、2mg~90mgのアスタキサンチン、20mg~1,500mgのフコイダン、5mg~6,000mgの冬虫夏草、15mg~10,000mgのマンネンタケ、40mg~15,000mgのシイタケ、30mg~15,000mgのマイタケ、および、30mg~15,000mgのカワラタケからなる群から選択される複数の成分を含む、請求項7に記載の使用。
【請求項11】
前記セレンは、セレン酵母として4,000μgまでの量で前記薬剤中に存在する、請求項7に記載の使用。
【請求項12】
前記魚油は、10,000mgまでの量で前記薬剤中に存在する、請求項7に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2017年6月13日出願の米国特許仮出願第62/519,090号の恩恵を主張する。これらや他の全ての引用する外部の資料は、その全体が参照により本明細書中に組み込まれる。参照により組み込まれる引例の用語の定義または使用が本明細書中で提供する用語の定義とが一致しないかまたは反対である場合、本明細書中で提示する用語の定義が優先するものとする。
【0002】
(技術分野)
発明の分野は、がん細胞のpAMPKαまたはCOX-2の含有量を調節するための薬剤の調製のための増感剤の使用
【背景技術】
【0003】
背景の説明は、本発明を理解する上で有用であり得る情報を含む。本明細書中で提供する情報のいずれもが、先行技術もしくはここで請求する発明と関連すること、または具体的もしくは暗黙的に言及する任意の刊行物が先行技術であることを認めるものではない。
【0004】
温熱療法(すなわち、正常な体温を越える温度への曝露)が、様々ながんを治療するために使用されてきた。ある場合では、温熱療法は、がん細胞を化学療法薬または放射線に対してより感受性にするために使用され、そのような療法の補助としての働きをする。他の場合では、温熱療法はがん細胞を徹底的に殺滅するかまたは損傷するために使用できる
が、そのような適用では、使用する温度が正常細胞に対して損傷を与える危険性がある。
【0005】
温熱療法は、局部的に、局所的に、または全身に適用できる。局部的温熱療法は、腫瘍部位に限定される非常に高い温度を生じるためにしばしば使用され、その結果、熱アブレーションが起こる。これは、典型的には、体表に露出しているか、または細い針もしくはプローブに接近可能な限局性腫瘍に限定される。この様式で治療できる腫瘍のサイズもまた限定される(概して、約2インチ以下)。局所的温熱療法は、特定の体内の領域、例えば四肢、臓器、または体腔に熱を提供する。これは、分離式灌流(isolation perfusion)(すなわち、外部デバイスを用いて血液を加熱し、領域に供給する循環系中に血液を誘導すること)によって、またはRFもしくはマイクロ波エネルギーの適用によって達成することができる。局所的温熱療法に用いられる温度は低すぎるので、単独ではがん細胞を殺滅することができず、したがって、この技術は概して、化学療法および/または放射線療法の補助として使用される。
【0006】
全身温熱療法では、熱を加える(例えば、加熱したブランケットの使用または湯に浸漬する)ことによって、患者の体温を発熱レベルまで上昇させる。107°Fもの高い温度が使用される。これは発熱状態をシミュレーションし、ある特定の免疫細胞の短期活性化を提供すると理論づけられているが、全身温熱療法は、現在、化学療法の補助として使用されている。
【0007】
様々な増感剤の使用によって温熱療法治療の性能を改善することが試みられてきた。例えば、Faulkの米国特許仮出願第60/290681号(特許文献1)は、増感化合物(例えば、化学療法薬)をトランスフェリンとコンジュゲートさせて、がん細胞中に局在化する傾向のあるトランスフェリング(transferring)コンジュゲートを生成することを記載している。しかしながら、このターゲティングが如何に特異的であるか、どの程度の増感が達成されるか、またはタンパク質コンジュゲート薬剤によってどのような副作用が生じるかは明らかではない。本明細書中の全ての刊行物は、個々の刊行物または特許出願が具体的かつ個別に表示されて参照により組み込まれているのと同じ程度まで参照することにより組み込まれる。組み込まれる引例中の用語の定義または使用と本明細書中で提供する用語の定義とが一致しないかまたは反対である場合、本明細書中で提示する用語の定義が適用され、引例中の用語は適用されないものとする。
【0008】
SobolおよびGjersetの米国特許出願公開第2004/0072775号(特許文献2)では別のアプローチが示唆されている。この特許出願は、温熱療法を含む様々ながん治療に対する感受性を提供する変異遺伝子(具体的には、p53)の機能を再確立するためのがん細胞の遺伝子改変を教示している。しかしながら、臨床設定においてどのようにしてこの選択的遺伝子改変が達成されるか、または温熱療法単独に対するがん細胞の感受性を増加させる際にどの程度まで有効であるかは、明らかではない。
【0009】
Cheon et al.の国際特許出願公開第2014/054884号(特許文献3)は、温熱療法治療における磁性ナノ粒子の使用を提案している。そのような磁性ナノ粒子は、高周波磁場の印加により増感効果と熱源との両方を提供すると考えられる。そのような粒子を腫瘍部位に局在化させる必要性があるため、このアプローチの有用性は限定される。加えて、そのような磁性ナノ粒子の導入(特に、反復または長期ベースで)の副作用は明らかではない。
【0010】
Lamb et al.の米国特許出願公開第12/833207号(特許文献4)は、腫瘍に近い位置に配置された伝導性「ボタン」の使用を提案している。前記伝導性ボタンは、金、銀、アルミニウム、銅、または合金などの金属から作製することができ、様々な形状およびサイズで実装することができる。Cheon et al.と同様に、伝導
性ボタンを腫瘍部位で局在化させる必要性および前記伝導性ボタンによる熱の標的化適用によりこのアプローチの有用性が制限される。
【0011】
さらに別のアプローチでは、Fenn et al.の米国特許公開第5,810,888号(特許文献5)は、熱感受性薬剤含有リポソームを活性化させるために、放射線伝送系を使用して放射線を集中させて治療部分を加熱する熱力学的療法系の使用を提案している。しかしながら、このアプローチは、熱感受性薬剤含有リポソームによって送達される具体的な薬剤またはアジュバントを開示していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】米国特許仮出願第60/290681号
【特許文献2】米国特許出願公開第2004/0072775号
【特許文献3】国際特許出願公開第2014/054884号
【特許文献4】米国特許出願公開第12/833207号
【特許文献5】米国特許公開第5,810,888号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
したがって、補助的化学療法および/または放射線療法を使用しない温熱療法の使用を通してがん細胞の死を引き起こすのに有効な耐性良好および/または非毒性の増感剤に対する必要性が依然として存在する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
(発明の概要)
本発明の主題は、セレン、魚油、および/または魚油と組み合わせたセレンが腫瘍細胞の増殖を低減する際の温熱療法の効果を増強または強化する組成物および方法を提供する。好ましい実施形態において、前記セレンは、セレン酵母、セレン酵母由来のアミノ酸、および/またはセレン酵母由来のペプチドの形態である。
【0015】
発明の主題は、セレン、魚油、およびセレンと魚油との組み合わせからなる群から選択される増感剤をがん細胞に投与することを企図する。セレン、魚油、またはセレンと魚油との組み合わせは、温熱療法に対する標的がん細胞の感受性を増大させるため、適用におじて十分に高い用量で投与されることが企図される。好ましい実施形態では、セレンと魚油との両方が、魚油またはセレンいずれか単独よりも、温熱療法に対するがん細胞の感受性を効率的に増大させるために、投与される。
【0016】
本発明の概念の一実施形態は、表1に記載するように処方した魚油を投与し、患者において温熱療法を誘導することを含む、がん細胞を処置する方法であって、前記魚油は、がん細胞の増殖を低減する際に相乗効果を提供する量で提供される方法である。好ましい実施形態では、前記魚油は患者に対して温熱療法の開始前に提供される。他の実施形態では、前記魚油は、温熱療法と同時に投与することができる。
【0017】
本発明の概念の別の実施形態は、表1に記載するようにして処方されたセレン酵母の形態のセレンを投与し、患者において温熱療法を誘導することを含む、がん細胞を処置する方法であって、前記セレンが、がん細胞の増殖を低減する際に相乗効果を提供する量で提供される方法である。好ましい実施形態では、前記セレンは、前記患者に対して温熱療法の開始前に提供される。他の実施形態では、前記セレンは、温熱療法と同時に投与することができる。
【0018】
本発明の概念の好ましい実施形態は、表1に記載した様に処方した魚油とセレン酵母の形態のセレンとの両方を投与し、患者において温熱療法を誘導することを含む、がん細胞を処置する方法であって、前記魚油および前記セレンが、がん細胞の増殖を低減する際に相乗効果を提供する量で提供される方法である。好ましい実施形態では、前記魚油および前記セレンは患者に対して温熱療法の開始前に提供される。他の実施形態では、前記魚油および前記セレンは、温熱療法と同時に投与することができる。
【0019】
温熱療法は、身体組織の温度を、正常な体温を越えて上昇させる任意の温度で施すことができ、これは、酸素および医薬によるがん細胞のより良好な灌流を可能にすることにより、がん細胞増殖を低減するのに有効であることが企図される。しかしながら、本発明は、温熱療法が任意の温度または37℃~44℃の温度(例えば、可変温度温熱療法セッション)の組み合わせで投与できることを企図する。
【0020】
具体的には、本願発明は以下を提供する。
【0021】
がん細胞の増殖を減少させるための方法であって、セレン、魚油、および、セレンと魚油との組み合わせからなる群から選択される増感剤をがん細胞に投与することを含み、前記セレンと前記魚油とが、前記がん細胞の感受性をそれぞれ増大させるために有効な量で投与され、そして、前記セレンと魚油との組み合わせの投与が、前記セレンまたは前記魚油単独よりも前記がん細胞の前記感受性を相乗的に増加させるのに有効な量で投与され、そして、37℃を超える温度に前記がん細胞を曝露することを含む、方法を提供し、
好ましくは、前記温度が約39℃又は41℃である、
好ましくは、前記がん細胞が乳がん細胞、膀胱がん細胞、又は、肺がん細胞であり、前記セレンがセレン酵母またはセレン酵母由来のペプチドの形態である、
好ましくは、前記増感剤が、表2で見られるような複数の成分を含む。
【0022】
がん細胞のpAMPKα含有量を調節する方法であって、セレン、魚油、および、セレンと魚油との組み合わせからなる群から選択される増感剤の投与を含む、方法を提供し、
好ましくは、前記がん細胞のpAMPKα含有量が増加する、
好ましくは、前記セレンがセレン酵母またはセレン酵母由来のペプチドの形態である。
【0023】
がん細胞のCOX-2含有量を調節する方法であって、セレン、魚油、およびセレンと魚油との組み合わせからなる群から選択される増感剤の投与を含む、方法を提供し、
好ましくは、前記がん細胞のCOX-2含有量が減少する、
好ましくは、前記セレンがセレン酵母の形態又はセレン酵母由来のペプチドの形態である、
好ましくは、複数の成分が表2で見られる量を反映するように前記増感剤が処方される。
【0024】
がんを治療する方法であって、セレン、魚油、および、セレンと魚油との組み合わせからなる群から選択される増感剤を含む増感組成物を、がんを有する個体に供給することと、前記がんを有する個体に温熱療法治療を適用すること、を含む、方法を提供し、
好ましくは、前記温熱療法治療が39℃~43℃の温度で施される、
好ましくは、前記セレンが1000ng/mlまでの濃度で投与される、
好ましくは、前記魚油が25μM濃度で投与される、
好ましくは、前記セレンと魚油との組み合わせが1000ng/mlまでのセレンと25μΜまでの濃度の魚油とを含む。
【0025】
がん細胞の増殖を低減する際の温熱療法治療の効果を増強するための薬剤を調製するための増感剤の使用であって、前記増感剤は、セレン、魚油、および、セレンと魚油との組み合わせからなる群から選択され、前記セレンおよび前記魚油が、前記温熱療法に対する前記がん細胞の感受性をそれぞれ増大させるのに有効な量で投与され、前記セレンと魚油との組み合わせの投与が、前記温熱療法治療に対する前記がん細胞の前記感受性を、前記セレンまたは前記魚油単独よりも相乗的に増大させるのに有効な量で投与され、前記温熱療法が37℃を超える温度で行われる、使用を提供し、
好ましくは、前記温度が約39℃又は41℃である、
好ましくは、前記がん細胞が乳がん細胞、膀胱がん細胞、又は、肺がん細胞であり、前記セレンがセレン酵母またはセレン酵母由来のペプチドの形態である、
好ましくは、前記増感剤が、表2で見られるような複数の成分を含む、
【0026】
がん細胞のpAMPKα含有量を調節するための薬剤を調製するための増感剤の使用であって、前記増感剤が、セレン、魚油、およびセレンと魚油との組み合わせからなる群から選択される、使用を提供し、
好ましくは、前記がん細胞のpAMPKα含有量が増加する、
好ましくは、前記セレンがセレン酵母またはセレン酵母由来のペプチドの形態である。
【0027】
がん細胞のCOX-2含有量を調節するための薬剤を調製するための増感剤の使用であって、前記増感剤が、セレン、魚油、および、セレンと魚油との組み合わせからなる群から選択される、使用を提供し、。
好ましくは、前記がん細胞のCOX-2含有量が減少する、
好ましくは、前記セレンがセレン酵母またはセレン酵母由来のペプチドの形態である、
好ましくは、複数の成分が表2で見られる量を反映するように前記増感剤が製剤される。
【0028】
がんに対する温熱療法治療を増強するための薬剤を調製するための増感剤の使用であって、前記増感剤が、セレン、魚油、およびセレンと魚油との組み合わせからなる群から選択される、使用を提供し、
好ましくは、前記温熱療法治療が39℃~43℃の温度で施される、
好ましくは、前記セレンが、1000ng/mlまでの濃度で前記薬剤中に存在する、
好ましくは、前記魚油が、25μΜ濃度までで前記薬剤中に存在する、
好ましくは、前記セレンと魚油との組み合わせが、1000ng/mlのセレンと25μΜ濃度の魚油とを含む。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】
図1は、体温上昇状態に対するMDA-MB-231乳がん細胞の増感に関する、魚油の効果を示す棒グラフである。
【
図2】
図2は、温熱療法温度に対するHT-29結腸がん細胞の増感に関する、魚油およびセレンの、単独および組み合わせの効果を示す棒グラフである。
【
図3】
図3は、温熱療法温度に対するBFTC-905膀胱がん細胞の増感に関する、魚油およびセレンの、単独および組み合わせの効果を示す棒グラフである。
【
図4】
図4は、A549肺がん細胞の増殖のセレン、魚油、およびセレン/魚油組み合わせの効果を示す折れ線グラフである。
【
図5】
図5は、セレン酵母および魚油によるpAMPKαおよびCOX-2濃度の調節を示す。
【発明を実施するための形態】
【0030】
通常、がん細胞の成長を低減、阻害、または逆転させるために、腫瘍などのがんに冒された組織において温熱療法治療が誘導される。多くの場合、温熱療法は、抗がん治療の効能を最大化するために、放射線療法および化学療法を伴う。しかしながら、従来型の温熱療法は、がん細胞の増殖を低減する際に、温熱療法の効能を増強するためにアジュバントの使用を組み入れない。魚油およびセレンを、単独または組み合わせで使用して温熱療法治療の抗がん作用を増強する方法および組成物を本明細書中で開示する。そのようなセレンは、セレン酵母、セレン酵母由来のアミノ酸、および/またはセレン酵母由来のペプチドの形態であり得る。約とは、本明細書中で使用する場合、表示された値の±5%として定義される。
【0031】
本明細書中で使用する場合、前記魚油は、約220mgのドコサヘキサエン酸(DHA)および約330mgのエイコサペンタエン酸(EPA)を含有し得、これらは、身体における炎症を低減し得る特定のエイコサノイドの前駆体である。好ましい実施形態では、魚油は、約110mg~約330mgのDHAと、約160mg~約500mgのEPAとを含有する。組み合わせられたDHAおよびEPAは、好ましくは24時間にわたって投与される合計3グラムを越えないことが企図される。しかしながら、DHAおよびEPAは、温熱療法と合わせて用いられる場合、がん細胞の前記増殖を低減するのに有効な任意の量で存在し得ることも企図される。
【0032】
DHAとEPAとの組み合わせは、ω-3脂肪酸の供給源、油の加工および油中の他の成分の量などの様々な因子に応じて約8%~約80%の魚油含有量を含み得ることが企図される。前記魚油の供給源としては、「脂肪分の多い」魚が挙げられる。例えば、ニシン、サワラ、サケ、オヒョウ、マグロ、カタクチイワシ、および、イワシは、ω-3脂肪酸の豊かな供給源であり得る。しかしながら、任意の海生供給源がω-3脂肪酸を含有する
魚油の供給源としての働きをし得ることも企図される。いくつかの実施形態では、魚油は、例えば、タラ、ヒラメ、およびフエダイをはじめとする、それらの組織中で低濃度のω-3脂肪酸を有する魚から供給され得る。いくつかの実施形態では、ω-3脂肪酸を含む魚油等価物は、脂肪分の多い魚からではなく海藻から直接供給され得る。別法として、EPAおよび/またはDHAを含み、本発明の概念の処方における使用に適した魚油等価物は、非海生供給源から得ることができる。例えば、EPAおよびDHAの非海生供給源としては、アマニ、チアシード、大麻種子、クルミ、およびダイズを挙げることができる。
【0033】
本明細書中で使用する場合、セレンを約500ng/mlから約1500ng/mlの濃度で投与することが企図される。セレン塩は、直接投与する場合は有毒であり得る。本発明の主題は、出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)または別の好適な酵母をセレンリッチな培地中で培養することによって産生されるセレン酵母からセレンを供給することを企図する。セレンリッチな培地中で酵母を培養することによって、セレンはある特定のアミノ酸(例えば、メチオニン、システイン)中の硫黄と置換することができ、それによって、セレンの無毒な供給源を提供する。動物性供給源からのセレンはセレノメチオニン、セレノシステイン、および/またはメチルセレノシステインならびにそのようなアミノ酸を組み入れるタンパク質およびペプチドの形態であり得ることが企図される。
【0034】
いくつかの実施形態では、セレンは植物からも供給され得る。例えば、生物濃縮された(bioconcentrated)セレンは植物から供給され得る。他の実施形態では、土壌中で見出される可溶性セレン(例えば、セレン酸塩)はセレンの供給源であり得る。さらに別の実施形態では、セレンは海水から供給され得る。
【0035】
意外にも、本発明者は、魚油および/またはセレン酵母の使用が、がん細胞に対する温熱療法の効果を補足することができ、また相乗的(すなわち、相加的よりも大きい)にそのようにできることを見出した。
図1は、体温上昇状態に対するMDA-MB-231乳がん(「BC」)細胞の増感に関する魚油の効果を示す棒グラフである。乳がん(「BC」)細胞を対照(37℃)または温熱療法温度(39℃、41℃)に供した。各温度で、BC細胞の各セットを(1)0μΜ(対照37℃)、12.5μΜ、25μΜ、および50μΜの濃度の魚油に曝露、(2)37℃、39℃、または41℃で2時間保持、(3)CO
2インキュベータ中で72時間保持、そして(4)対照BC細胞(対照温度および0μΜの魚油濃度での細胞のもののパーセンテージとしての細胞増殖について検査した。前記非対照濃度のBC細胞培養物に投与された魚油は、1グラムあたり220mgのドコサヘキサエン酸(DHA)および330mgのエイコサペンタエン酸(EPA)を含んでいた。
【0036】
37℃を超える温度で2時間保持し、魚油を投与しなかったBC細胞は、対照BC細胞培養物のパーセンテージとして細胞増殖において著しい減少を示した。39℃で、対照BC細胞培養物と比較して、BC細胞の増殖において少なくとも25%の減少が観察された。41℃で、対照BC細胞培養物と比較して、BC細胞の増殖において約50%のさらなる減少が観察された。
【0037】
試験した全ての温度で2時間保持し、12.5μΜ濃度の魚油を投与したBC細胞は、様々な温度で混合型の結果を伴って、BC細胞の増殖において全体的な減少を示した。37℃で、BC対照と比較して約30%の減少が観察された。39℃で、BC対照と比較して約60%の減少が観察され、相乗効果を示す。41℃で、BC対照と比較してBC細胞の増殖において約50%の減少が観察された。
【0038】
試験した全ての温度で2時間保持し、25μΜ濃度の魚油を投与したBC細胞は、様々な温度で混合型結果を伴って、BC細胞の増殖において全体的な減少を示した。37℃で、対照BC細胞培養物と比較して約60%の減少が観察された。39℃で、対照BC細胞培養物と比較して約65%の減少が観察された。41℃で、対照BC細胞培養物と比較して、BC細胞の増殖において約65%の減少が観察された。
【0039】
試験した全ての温度で2時間保持し、50μM濃度の魚油を投与したBC細胞は、様々な温度で混合型結果を伴ってBC細胞の増殖において全体的な減少を示した。37℃で、対照BC細胞培養物と比較して75%を超える減少が観察された。39℃で、対照BC細胞培養物と比較して約80%の減少が観察された。41℃で、対照BC細胞培養物と比較して、BC細胞の増殖において約85%の減少が観察された。
【0040】
MDA-MB-231乳がん細胞の体温上昇状態(例えば、39℃または41℃)単独への曝露の結果、37℃対照に比べて細胞増殖において中程度の減少が得られる。図示するように、温熱療法の効果は、魚油に同時に曝露することによって用量依存的に著しく増強される(ある症例では相乗的に)。用いられる温度は、温水中への浸漬および/または加熱されたブランケットの使用などの、慣例的な比較的簡単な手段によりヒトの身体において安全に発生させることができる温度の範囲内であると理解されたい。これらの温度は温熱療法治療で用いることができる極値よりもかなり低いと理解されたい。
【0041】
前記出願人は、理論によって拘束されることを望まないが、がん細胞の細胞増殖を減少させる際の魚油の効果が、少なくとも一つには、高温と組み合わせられた場合に特定の濃度の魚油が前記がん細胞の細胞周期に対して及ぼす効果に起因すると考える。
【0042】
図2は、温熱療法温度に対するHT-29結腸がん細胞(「HT細胞」)の増感に関する、魚油およびセレンの単独および組み合わせでの効果を示す棒グラフである。セレン、魚油、およびセレンと魚油との組み合わせでの増感効果は、温熱療法温度に曝露されたHT-29結腸がん細胞において明らかである。
【0043】
HT細胞を37℃(対照)および温熱療法温度(39℃および41℃)に供した。各温度で、各セットのHT細胞を、(1)0.5μg/mlのセレン、25μΜ濃度の魚油、または0.5μg/mlのセレンおよび25μΜ濃度の魚油の両方のいずれかで処理、(2)37℃、39℃、または41℃で2時間保持、(3)CO2インキュベータ中で72時間保持、(4)対照HT細胞培養物のパーセンテージとして細胞増殖、について検査した。前記セレンはセレン酵母の形態で投与した。セレンの供給源はセレン酵母に限定されず、当該技術分野で公知の任意の方法を用いて投与することができることが企図される。セレンおよび/または魚油の不在下で、39℃でのインキュベーションによって対照HT細胞と比べて増殖が約20%減少し、41℃でのインキュベーションによって対照HT細胞と比べて増殖が約45%減少した。
【0044】
試験した全ての温度で2時間保持し、0.5μg/mlのセレン、25μΜの魚油濃度、または0.5μg/mlのセレンおよび25μΜの魚油の両方のいずれかで処理したHT細胞は、対照HT細胞培養物と比較してHT細胞の増殖において全体的な減少を示した。
【0045】
37℃で、前記HT細胞の0.5μg/mlのセレンでの処理の結果、対照HT細胞と比較して増殖が約10%減少した。39℃で、HT細胞の0.5μg/mlのセレンでの処理の結果、対照HT細胞と比較して増殖が約20%減少した。41℃で、HT細胞の0.5μg/mlのセレンでの処理の結果、対照HT細胞培養物と比較して約60%減少した。
【0046】
37℃で、HT細胞の25μΜ濃度の魚油での処理の結果、対照HT細胞と比較して増殖が約25%減少した。39℃で、HT細胞の25μΜ濃度の魚油での処理の結果、対照HT細胞と比較して、増殖が約35%減少した。41℃で、HT細胞の25μΜ濃度の魚油での処理の結果、対照HT細胞と比較して増殖が約60%減少した。
【0047】
37℃で、0.5μg/mlのセレンおよび25μΜ濃度の魚油の組み合わせでのHT細胞の処理の結果、対照HT細胞と比較して増殖が約30%減少した。39℃で、HT細胞の0.5μg/mlのセレンおよび25μΜ濃度の魚油での処理の結果、対照HT細胞と比較して増殖が約35%減少し、相乗効果を示す。41℃で、0.5μg/mlのセレンおよび25μΜ濃度への曝露の結果、対照HT細胞と比較して増殖が約60%減少した。
【0048】
図2に示した前記結果は、細胞を魚油およびセレンの両方に曝露する場合のHT細胞において細胞増殖を減少させる驚くべき結果を示す。それぞれの連続した高温で、全体的細胞増殖は減少する。0.5μg/mlのセレンまたは25μΜ濃度の魚油のいずれかと組み合わせた場合、細胞増殖は対照と比べてそれぞれ減少する。意外にも、0.5μg/mlのセレンおよび25μΜ濃度の魚油の両方の組み合わせは、魚油またはセレンいずれか単独よりも細胞増殖を減少させることによって相乗効果を示す。
【0049】
図3は、魚油およびセレン、単独および組み合わせでの、温熱療法温度に対するBFTC-905膀胱がん細胞(BFTC細胞)の増感に関する効果を示す棒グラフである。セレン、魚油、およびセレンと魚油との組み合わせの増感効果は温熱療法温度に曝露されたBFTC細胞において明らかである。
【0050】
BFTC細胞を対照(37℃)および温熱療法温度(39℃および41℃)に供した。各温度で、各セットのBFTC細胞を(1)0.5μg/mlのセレン、12.5μΜ濃度の魚油、または0.5μg/mlのセレンおよび12.5μΜ濃度の魚油の両方のいずれかで処理、(2)37℃、39℃、または41℃で2時間保持、(3)CO2インキュベータ中で72時間保持(4)BFTC対照のパーセンテージとして細胞増殖、について検査した。前記セレンはセレン酵母の形態で投与した。ここでも、セレンの供給源はセレン酵母に限定されず、当該技術分野で公知の任意の方法を用いて投与することができることが企図される。
【0051】
試験した全ての温度で2時間保持し、0.5μg/mlのセレン、12.5μΜ濃度の魚油、または0.5μg/mlのセレンおよび12.5μΜ濃度の魚油の両方のいずれかに曝露したBFTC細胞は、BFTC対照と比較してBFTC細胞の増殖において全体的な減少を示した。セレンおよび/または魚油の不在下で、39℃でのインキュベーションによって、対照BFTC細胞と比べて増殖が約13%減少し、41℃でのインキュベーションによって、対照BFTC細胞と比べて増殖が約28%減少した。
【0052】
37℃で、前記BFTC細胞の0.5μg/mlのセレンでの処理の結果、BFTC対照と比較して増殖が約10%減少した。39℃で、BFTC細胞の0.5μg/mlのセレンでの処理の結果、BFTC対照と比較して増殖が約15%減少した。41℃で、BFTC細胞の0.5μg/mlのセレンでの処理の結果、BFTC対照と比較して増殖が約30%減少した。
【0053】
37℃で、BFTC細胞の12.5μΜ濃度の魚油での処理の結果、BFTC対照と比較して増殖が約30%減少した。39℃で、BFTC細胞の12.5μΜ濃度の魚油での処理の結果、BFTC対照と比較して増殖が約35%減少した。41℃で、前記BFTC細胞の12.5μΜ濃度の魚油での処理の結果、前記BFTC対照と比較して増殖が約4
5%減少した。
【0054】
37℃で、BFTC細胞の0.5μg/mlのセレンおよび12.5μΜ濃度の魚油での処理の結果、BFTC対照と比較して増殖が約15%減少した。39℃で、BFTC細胞の0.5μg/mlのセレンおよび12.5μΜ濃度の魚油での処理の結果、BFTC対照と比較して増殖が約35%減少した。41℃で、0.5μg/mlのセレンおよび12.5μΜ濃度への曝露の結果、前記BFTC対照と比較して増殖が約50%減少した。
【0055】
図3で示した結果は、細胞を魚油およびセレンの両方に曝露した場合、BFTC細胞において細胞増殖を減少させる前記驚くべき結果を示す。各連続した高温で、前記全体的細胞増殖は減少した。0.5μg/mlのセレンまたは25μΜ濃度の魚油のいずれかと組み合わせた場合、細胞増殖はそれぞれ対照と比べて減少する。0.5μg/mlのセレンおよび12,5μΜ濃度の魚油で37℃にて処理したBFTC細胞培養物を除いて、セレンおよび魚油の混合物は魚油またはセレンいずれか単独よりも細胞増殖を減少させることによって相乗効果を示す。
【0056】
図4は、A549肺がん細胞(A549細胞)の増殖の、セレン、魚油、およびセレン/魚油組み合わせの効果を示す折れ線グラフである。
【0057】
A549細胞を、0μM(PBS)、25μΜ、50μΜ、または100μM魚油のいずれかに曝露した。各濃度の魚油で、各セットのA5細胞を(1)0μg/mlのセレン、0.5μg/mlのセレン、1μg/mlのセレン、2μg/mlのセレン、または4μg/mlのセレンのいずれかに曝露し、(2)37℃、39℃、または41℃で2時間保持し、(3)CO2インキュベータ中で72時間保持し、そして(4)PBSのパーセンテージとして細胞増殖について検査した。前記セレンをセレン酵母の形態で投与した。ここでも、セレンの供給源はセレン酵母に限定されず、当該技術分野で公知の任意の方法を用いて投与することができることが企図される。
【0058】
PBSよりも高い魚油の濃度で2時間保持したA549細胞の各セットは、PBSと比較してA549細胞の増殖において全体的な減少をもたらした。さらに、細胞培養物を、濃度を増加させた(すなわち0.5~4μg/ml)セレンでの処理は、A549細胞に対する前記魚油の効果に加えて、セレン濃度が増加するにつれ、対照(PBSのみ)A549細胞と比べて細胞増殖に対して効果を示す。相乗効果は、高い魚油濃度で特に顕著であり、低濃度のセレンの添加でも魚油またはセレンと比べて細胞増殖において著しい減少をもたらす(個別または相加的のいずれか)。
【0059】
4μg/mlのセレンで、A549細胞培養物の各々の細胞増殖は約20%のPBSまで減少した。しかしながら、0~4μg/mlのセレンで、各々増加する量での魚油およびセレンへの曝露は、魚油およびセレン濃度が高い方が、低い魚油およびセレン濃度よりも多く細胞増殖を減少させる抗増殖効果を示した。
【0060】
表1は、39℃および41℃でのMDA-MB乳がん細胞(MDA-MB細胞)の細胞周期分布に対する魚油およびセレンの効果を示す。
【0061】
【0062】
魚油の濃度はそのDHA含有量を表す。魚油は1グラムあたり220mgのDHAおよび330mgのEPAを含有する。細胞を温熱療法温度で2時間インキュベートし、次いでCO2インキュベータ中に72時間入れた後、細胞周期分析を実施した。セレンをセレン酵母の形態で投与した。図示するように、セレン、魚油、およびセレンと魚油との組み合わせでの使用は、温熱療法条件下でこれらの細胞の細胞周期占有率の有意な再分配に至る。具体的には、subGl期中の細胞のパーセンテージ(アポトーシスと関連する)は増加する。
【0063】
細胞周期占有率を調節することに加えて、セレン、魚油、およびセレンと魚油との組み合わせで、がん細胞中のある特定のタンパク質の濃度を調節することができる。
【0064】
図5は、セレン酵母および魚油によるpAMPKαおよびCOX-2濃度の調節を示す。増加したAMPKシグナリングは、腫瘍細胞における増殖および転移を防止すると考えられる。COX-2は、固形腫瘍における細胞増殖およびアポトーシスを調整すると考えられ、COX-2阻害は治療様式として調査される。驚くべきことに、本発明者は、セレン、魚油、およびセレン/魚油の組み合わせが、A549肺がん細胞(GAPDHは対照として含まれる)においてpAMPKαのレベルの増加とCOX-2のレベルの減少とをもたらすことを見出した。そのような効果は、これらが温熱療法と組み合わせて使用される場合に見られる増強および/または相乗効果に貢献し得る。
したがって、本願発明は、がん細胞のpAMPKα含有量またはCOX-2含有量を調節するための薬剤を調製するための増感剤の使用であって、前記増感剤は、セレン、魚油、およびセレンと魚油との組み合わせからなる群から選択される、使用をも提供し、好ましくは、前記がん細胞のpAMPKα含有量が増加する、好ましくは、前記がん細胞のCOX-2含有量が減少する、好ましくは、複数の成分が表2で見られる量を反映するように前記増感剤は処方されている。
【0065】
魚油およびセレン酵母を組み入れた好適な処方には、表2で提示する栄養サプリメント処方が含まれ、これは、他の栄養成分とともに魚油およびセレン酵母成分を組み入れる。この栄養サプリメントは、高レベルの受容性を有し、従来型療法との組み合わせで予期せぬ有益な抗腫瘍活性を有することが判明している。したがって、出願者は、そのような栄養サプリメントが温熱療法治療の有益な増強を提供することができ、従来型アプローチを使用して容易に達成可能であり、患者の使用により安全な、より低く比較的安全な温度でそのようにできると考える。身体および局部的温度に関するそのような安全マージンの提供は、より広い受容性およびこの非毒性治療様式の使用をもたらし得る。
【0066】
【0067】
【0068】
【0069】
表2に示す組成物は、抗炎症活性、血糖値の低下、コレステロールの低下、および抗腫瘍活性をはじめとする様々な生理的および生化学的効果を有する成分を含む。他の成分は、必要なビタミン、ミネラル、およびアミノ酸の上昇したレベルでのサプリメント補給を提供する。他の成分(例えば、酵素、レシチン)は前記組成物の成分の消化・吸収を助ける働きをする。組み合わせは、個々の成分の単純な相加効果を越える相乗効果を提供する。表2に示す組成物はまた、嗜好性および受容性を改善する働きをする、ある特定の香味剤(例えば、ブラウンシュガー、ハチミツ、バニラフレーバーおよびマスキング剤)も含むと理解されたい。ある特定の成分(例えば、ハチミツ、ブラウンシュガー、乳、コメタ
ンパク質、カゼイン)は、フレーバーおよび熱量エネルギーの両方を提供することができる。本発明者は、上述の香味剤の組み合わせが、有効量での前記栄養サプリメントの消費を順守するのに有効であることを見出した。いくつかの実施形態では、そのような香味剤は、前記栄養サプリメントの有効性に悪影響を及ぼすことなく除外することができ、それによって、必須成分のみを含む機能性栄養サプリメントを提供することができる。
【0070】
本発明の概念の栄養サプリメントの成分は、粉末、顆粒、液体、懸濁液、および/またはエマルジョンとして提供できると理解されたい。好ましい実施形態では、前記栄養サプリメントの成分は、粉末および/または顆粒として提供される。同様に、本発明の概念の好ましい実施形態では、前記栄養サプリメントの成分は、表2で示されるような相対量で提供される。いくつかの実施形態では、前記栄養サプリメントの成分は、単一の混合処方として提供される。他の実施形態では、前記栄養サプリメントの成分は、キットまたは分離されているかもしくは独立してパッケージされた(例えば、成分安定性につながる異なる保存条件を提供するために)処方の異なる成分を含有する同様のアセンブリとして提供できる。
【0071】
表2に示す成分は、単一製剤として(例えば、丸薬、錠剤、カプセル、粉末、液体、懸濁液などとして)提供することができるか、または異なる処方(例えば、丸薬、錠剤、カプセル、粉末、液体、懸濁液またはその組み合わせとして)に分割することができる。表2に示す量は例示的であり、正常身長およびそれ以外普通の健康状態である成人に提供される典型的な一日投与量である。これらの量は、体重、性別、医学的状態等の相違を構成するように調節することができる。例えば、体重40キロ以下の比較的小柄な患者は、提供される範囲の下限以下で提供される投与量により恩恵を受ける可能性がある一方で、体重100キログラム以上の比較的大柄な患者は、表示された範囲の上限(またはそれ以上)で提供される投与量を必要とし得る。いくつかの実施形態において、そのような一日量は一日を通して複数の用量として分配することができる。そのような実施形態の一部では、そのような分配された用量の各々の組成は、同一であり得る。他の実施形態では、そのような分配された用量の組成は異なり得るが、ただし、そのような用量の合計が必要とされるサプリメント補給を提供するものとする。
【0072】
処方中で見られる油(例えば、亜麻油、キャノーラ油、ルリヂサ油、オリーブ油、魚油、純レモン油、純オレンジ油、混合トコフェロール)は少なくとも消費者等級であり、好ましくは高度に精製されている(>95%純度)と理解されたい。ミネラル成分(例えば、カリウム、カルシウム、ナトリウム、マグネシウム鉄、マンガン)は任意の安全かつ吸収性の塩(例えば、ハロゲン化物塩、リン酸塩、炭酸塩、硫酸塩)、酸化物、または有機複合体(例えば、グルコン酸塩)として提供することができることも理解されたい。ある特定の金属(例えば、クロム、モリブデン、セレン)は酵母成分の形態で供給され、これは、酵母含有粉末もしくは懸濁液として、および/または酵母によるそのような金属の代謝の結果としてのペプチドもしくはアミノ酸との複合体として提供されることを含み得ることも理解されたい。同様に、様々な非酵母真菌(例えば、冬虫夏草、マンネンタケ、シイタケ、マイタケ、カワラタケ)の調製は、そのような真菌の乾燥/凍結乾燥子実体由来の粉末または顆粒状調製物を含み得ることを理解されたい。
【0073】
本発明の概念の栄養サプリメントは、単位用量として約1mg/kg体重~約100g/kg身体の範囲の量で提供することができる。そのような単位用量は、1日4回から1週につき1回の範囲のスケジュールで提供することができる。前記栄養サプリメントは、一つ以上のピルまたはカプセルとして提供することができる。別法として、前記栄養サプリメントは、摂取前に食物または飲料に添加される粉末、顆粒、および/または液体処方として提供することができる。いくつかの実施形態では、前記栄養サプリメントは、食物またはキャンディーバーなどの食品として提供できる。他の実施形態では、前記栄養サプ
リメントは、経口摂取および/または経管栄養法による提供に適した溶液、懸濁液、もしくは飲料として提供することができる。
【0074】
光、水分、および/または酸素を排除するパッケージングを使用して、前記栄養サプリメントの保存可能期間を延長することができると理解されたい。同様に、本発明の概念の栄養サプリメントは、保存可能期間を延長するために、吸湿剤(例えば、シリカゲル)、非反応性気体(例えば、N2または希ガス)とともに、および/または真空下でパッケージすることができる。そのようなパッケージングは、例えば、一つの単位用量中で本発明の概念の栄養サプリメントを提供することができ、さらに、調製および/または投薬頻度のための使用説明書も提供することができる。
【0075】
本発明は、様々な濃度の魚油およびセレンを含む栄養サプリメントと組み合わせて温熱療法を使用することを企図する。温熱療法レジームは、身体組織を正常な体温以上に加熱してがん細胞を増感してがん細胞を処理または直接殺滅することから構成される。例えば、温熱療法レジームを45~60分間、4~12回のセッションにわたって適用することができる。温熱療法は、局部的、局所的、または全身に適用することができ、またマイクロ波エネルギー、高周波エネルギー、超音波エネルギー、または組織を正常な温度以上に加熱するために充分なエネルギーの任意の他のエネルギー源から供給することができる。いくつかの実施形態において、熱は、例えば、加熱されたプローブを腫瘍の内部に挿入することによるなど、がん性組織に直接適用することができる。
【0076】
一実施形態において、25μΜ濃度の魚油を含有する栄養サプリメントを患者に投与して経口摂取させる。前記魚油を血流中に吸収させるために充分な長さの時間(例えば、2時間にわたって)待った後、がん性組織に熱を加えて前記組織の温度を正常以上のレベルまで45分間上昇させる。例えば、マイクロ波加熱エレメントを腫瘍の上の患者の皮膚の表面に局部的に適用することができる。別の例では、プローブを腫瘍に挿入し、加熱することができる。さらに別の例では、患者に全身スーツを着用するように指示することができ、前記患者の身体を39℃に加熱することができる。
【0077】
別の実施形態では、1000ng/mlのセレン酵母の形態のセレンを含む栄養サプリメントを、患者に投与して経口摂取させることができる。前記セレンを血流中に吸収させるために充分な長さの時間(例えば、2時間にわたって)待った後、がん性組織に熱を加えて組織の前記温度を正常以上のレベルまで60分間上昇させる。前記実施形態においてと同様に、マイクロ波加熱エレメントを腫瘍の上の患者の皮膚の表面に局部的に適用することができる。別の例では、プローブを腫瘍に挿入し、加熱することができる。さらに別の例では、患者に全身スーツを着用するように指示することができ、そして前記患者の身体を39℃に加熱することができる。
【0078】
好ましい実施形態では、25μΜ濃度の魚油と1000ng/mlのセレン酵母の形態のセレンとを含む栄養サプリメントを患者に投与して経口摂取させることができる。前記魚油と前記セレンとを血流中に吸収させるために充分な長さの時間(例えば、2時間にわたって)待った後、がん性組織に熱を加えて前記組織の温度を正常以上のレベルまで55分間上昇させる。実施形態においてと同様に、マイクロ波加熱エレメントを腫瘍の上の患者の皮膚の表面に局部的に適用することができる。別の例では、プローブを腫瘍に挿入し、加熱することができる。さらに別の例では、患者に全身スーツを着用するように指示することができ、そして前記患者の身体を39℃に加熱することができる。
【0079】
魚油およびセレンが単独または組み合わせで、および任意の各濃度で、前記魚油および/または前記セレンに前記がん細胞を曝露するのに有効な任意の方法を用いて投与できることが企図される。例えば、魚油およびセレンは、がん性組織中に直接注入できる。別の
例では、魚油およびセレンは、皮膚または臓器の最外組織に局所適用して、がん性組織中に吸収させることができる。
【0080】
技術分野で公知の任意の方法を使用してがん性組織に熱を加えることができることも企図される。例えば、前記がん性組織を取り巻く前記がん性組織または組織に加熱されたエレメントを直接適用して、伝導により熱を移すことができる。別の例では、例えば赤外線加熱エレメントをはじめとする、電磁エネルギー波を与える加熱エレメントを使用して、熱伝導することができる。
【0081】
開示された技術は、放射線および/または化学療法薬を使用しないで、充分に寛容性のある物質を使用する温熱療法の効果に、腫瘍細胞を増感することをはじめとする多くの有益な技術的効果をもたらすことを理解されたい。
【0082】
本明細書中の本発明の主題の説明は、本発明を理解する上で有用であり得る情報を含む。本明細書中で提示する情報のいずれもが先行技術であるか若しくは本発明に関連すること、または具体的もしくは暗黙的に引用するいずれの刊行物もが先行技術であることを認めるものではない。
【0083】
本明細書中で開示する本発明の選択的エレメントまたは実施形態のグループ分けは限定とみなされるべきではない。各々のグループの構成要素は、本明細書中で見られる群の他の構成要素もしくはそれらのエレメントとの任意の組み合わせで言及され、請求され得る。グループの一つ以上の構成要素は、便宜上および/または特許可能性の理由である群に含めることができるか、またはある群から削除することができる。任意のそのような包含または削除が起こる場合、明細書は、添付の特許請求の範囲で用いられる全てのマーカッシュグループの記載を満たすように修飾されたグループを含むものとする。
【0084】
詳細な説明は、本発明の主題の多くの例示的実施形態を提供する。各実施形態は本発明のエレメントの単一の組み合わせを表すが、本発明の主題は、開示されたエレメントのあらゆる可能な組み合わせを包含すると考えられる。したがって、一実施形態がエレメントA、B、およびCを含み、第二の実施形態がエレメントBおよびDを含む場合、本発明の主題は、明確に開示されていなくても、A、B、C、またはDの他の残りの組み合わせを包含することも考えられる。
【0085】
すでに記載したもののほかに、本明細書中の本発明の概念から逸脱することなくさらに多くの修飾が可能であることは当業者には明らかである。本発明の主題は、したがって、添付の特許請求の範囲の趣旨を除いて限定されるものではない。さらに、明細書および特許請求の範囲の両方の解釈において、すべての用語は、文脈と一致する可能な限り最も広義の方法で解釈されるべきである。特に、用語「含む(comprisesおよびcomprising)」は、包括的な方法で要素、成分、またはステップを指すと解釈されるべきであり、参照される要素、成分、もしくはステップが、明確に参照されていない他の用途、成分、もしくはステップとともに存在し得る、または利用し得る、または組み合わせられ得ることを意味する。明細書特許請求範囲がA、B、C....およびNからなる群から選択されるもののうちの少なくとも一つを指す場合、文脈は、A+N、またはB+Nなどでない群からの一つの要素だけを必要とすると解釈すべきである。
【手続補正書】
【提出日】2023-07-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
がん細胞のpAMPKα含有量を調節するための薬剤の調製のための増感剤の使用であって、
前記増感剤は、魚油を含む、使用。
【請求項2】
前記がん細胞のpAMPKα含有量は、増加している請求項1に記載の使用。
【請求項3】
前記増感剤は、10,000mg~50,000mgのマルトデキストリン、5,000mg~60,000mgの乳漿タンパク質単離物、1,000mg~50,000mgの乳漿タンパク質濃縮物、40mg~15,000mgのフラクトオリゴ糖/インスリン、1,000mg~9,000mgの粒状ハチミツ、500mg~15,000mgのオート麦繊維、500mg~20,000mgの天然フレンチバニラフレーバー、500mg~50,000mgのダイズタンパク質、500mg~10,000mgの褐色粉糖、500mg~5,000mgの天然バニラマスキングフレーバー、200mg~10,000mgのレシチン、50mg~5,000mgの無脂肪乳、50mg~5,000mgのコメタンパク質粉末、50mg~2,000mgのカゼイン酸カルシウム、100mg~7,000mgの亜麻油、100mg~7,000mgのキャノーラ油、100mg~7,000mgのルリヂサ油、100mg~7,000mgのオリーブ油、100mg~1,000mgの純粋レモン油、50mg~1,000mgの純粋オレンジ油、0.5mg~200mgの混合トコフェロール、200mg~1,500mgのリン酸カリウム、100mg~5,000mgの炭酸カルシウム、150mg~2,500mgの酒石酸水素コリン、100mg~2,000mgの塩化ナトリウム、100mg~2,000mgの三塩基性リン酸カルシウム、50mg~3,000mgのアスコルビン酸、50mg~2,000mgの塩化カリウム、50mg~500mgの酸化マグネシウム、30μg~3,000μgのクロム酵母、30μg~2,000μgのモリブデン酵母、10mg~5,000mgのイノシトール、5mg~200mgの硫酸亜鉛一水和物、5IU~2,000IUの乾燥酢酸ビタミンE、5mg~500mgのナイアシンアミド、3mg~100mgのオルトリン酸第二鉄、3mg~200mgのパントテン酸カルシウム、3mg~100mgの硫酸マンガン一水和物、1mg~100mgのβカロテン、1mg~15mgのグルコン酸銅、25IU~5,000IUのビタミンD3、2μg~1,000μgのビタミンK2、0.5mg~200mgのピリドキシンHCl、0.5mg~1,500mgのヨウ化カリウム、0.5mg~1,000mgのリボフラビン、0.5mg~2,500mgのチアミン塩酸塩、1μg~500μgの乾燥ビタミンK1、500IU~100,000IUの酢酸ビタミンA、100μg~10,000μgの葉酸、10μg~10,000μgのd-ビオチン、1μg~3,000μgのビタミンB12、300mg~30,000mgのL-カルニチン、500mg~60,000mgのL-グルタミン、500mg~30,000mgのL-アルギニン塩基、50mg~2,000mgのタウリン、50mg~2,000mgのL-リジン、10mg~1,000mgのαリポ酸、15mg~1,500mgのレスベラトロール、10mg~5,000mgのコエンザイムQ10、5mg~1,000mgのグリシン、5mg~1,000mgのプロリン、2mg~500mgのLact.Acidophilus(合計約100億)、2mg~500mgのBifido Bifidium(合計約100億)、2mg~500mgのLac.Bulgaricus(合計約100億)、2mg~500mgのBifido Longum(合計約100億)、2mg~500mgのStrep.Thermophilus(合計約100億)、5mg~100mgのパパイン、5mg~100mgのペプシン、5mg~100mgのリパーゼ、5mg~100mgのブロメライン、0.5mg~100mgのパンクレアチン4X、1mg~100mgのラクターゼ、3mg~100mgのベタインHCl、2mg~500mgのパイナップル果汁粉末、2mg~500mgのパパイヤ果実粉末、30mg~3,000mgのケルセチン、25mg~600mgのEGCG、15mg~500mgのOPC、15mg~5,000mgのアントシアニン、10mg~300mgのエラグ酸、2mg~90mgのアスタキサンチン、20mg~1,500mgのフコイダン、5mg~6,000mgの冬虫夏草、15mg~10,000mgのマンネンタケ、40mg~15,000mgのシイタケ、30mg~15,000mgのマイタケ、および、30mg~15,000mgのカワラタケからなる群から選択される複数の成分を含む、請求項1に記載の使用。
【請求項4】
前記魚油は、10,000mgまでの量で前記薬剤中に存在する、請求項1に記載の使用。
【請求項5】
がん細胞のCOX-2含有量を調節するための薬剤の調製のための増感剤の使用であって、
前記増感剤は、セレン、魚油、および、セレンと魚油の組み合わせからなる群から選択される、使用。
【請求項6】
前記がん細胞のCOX-2含有量は、減少している請求項5に記載の使用。
【請求項7】
前記セレンは、セレン酵母またはセレン酵母由来のペプチドである、請求項5に記載の使用。
【請求項8】
前記増感剤は、10,000mg~50,000mgのマルトデキストリン、5,000mg~60,000mgの乳漿タンパク質単離物、1,000mg~50,000mgの乳漿タンパク質濃縮物、40mg~15,000mgのフラクトオリゴ糖/インスリン、1,000mg~9,000mgの粒状ハチミツ、500mg~15,000mgのオート麦繊維、500mg~20,000mgの天然フレンチバニラフレーバー、500mg~50,000mgのダイズタンパク質、500mg~10,000mgの褐色粉糖、500mg~5,000mgの天然バニラマスキングフレーバー、200mg~10,000mgのレシチン、50mg~5,000mgの無脂肪乳、50mg~5,000mgのコメタンパク質粉末、50mg~2,000mgのカゼイン酸カルシウム、100mg~7,000mgの亜麻油、100mg~7,000mgのキャノーラ油、100mg~7,000mgのルリヂサ油、100mg~7,000mgのオリーブ油、100mg~1,000mgの純粋レモン油、50mg~1,000mgの純粋オレンジ油、0.5mg~200mgの混合トコフェロール、200mg~1,500mgのリン酸カリウム、100mg~5,000mgの炭酸カルシウム、150mg~2,500mgの酒石酸水素コリン、100mg~2,000mgの塩化ナトリウム、100mg~2,000mgの三塩基性リン酸カルシウム、50mg~3,000mgのアスコルビン酸、50mg~2,000mgの塩化カリウム、50mg~500mgの酸化マグネシウム、30μg~3,000μgのクロム酵母、30μg~2,000μgのモリブデン酵母、10mg~5,000mgのイノシトール、5mg~200mgの硫酸亜鉛一水和物、5IU~2,000IUの乾燥酢酸ビタミンE、5mg~500mgのナイアシンアミド、3mg~100mgのオルトリン酸第二鉄、3mg~200mgのパントテン酸カルシウム、3mg~100mgの硫酸マンガン一水和物、1mg~100mgのβカロテン、1mg~15mgのグルコン酸銅、25IU~5,000IUのビタミンD3、2μg~1,000μgのビタミンK2、0.5mg~200mgのピリドキシンHCl、0.5mg~1,500mgのヨウ化カリウム、0.5mg~1,000mgのリボフラビン、0.5mg~2,500mgのチアミン塩酸塩、1μg~500μgの乾燥ビタミンK1、500IU~100,000IUの酢酸ビタミンA、100μg~10,000μgの葉酸、10μg~10,000μgのd-ビオチン、1μg~3,000μgのビタミンB12、300mg~30,000mgのL-カルニチン、500mg~60,000mgのL-グルタミン、500mg~30,000mgのL-アルギニン塩基、50mg~2,000mgのタウリン、50mg~2,000mgのL-リジン、10mg~1,000mgのαリポ酸、15mg~1,500mgのレスベラトロール、10mg~5,000mgのコエンザイムQ10、5mg~1,000mgのグリシン、5mg~1,000mgのプロリン、2mg~500mgのLact.Acidophilus(合計約100億)、2mg~500mgのBifido Bifidium(合計約100億)、2mg~500mgのLac.Bulgaricus(合計約100億)、2mg~500mgのBifido Longum(合計約100億)、2mg~500mgのStrep.Thermophilus(合計約100億)、5mg~100mgのパパイン、5mg~100mgのペプシン、5mg~100mgのリパーゼ、5mg~100mgのブロメライン、0.5mg~100mgのパンクレアチン4X、1mg~100mgのラクターゼ、3mg~100mgのベタインHCl、2mg~500mgのパイナップル果汁粉末、2mg~500mgのパパイヤ果実粉末、30mg~3,000mgのケルセチン、25mg~600mgのEGCG、15mg~500mgのOPC、15mg~5,000mgのアントシアニン、10mg~300mgのエラグ酸、2mg~90mgのアスタキサンチン、20mg~1,500mgのフコイダン、5mg~6,000mgの冬虫夏草、15mg~10,000mgのマンネンタケ、40mg~15,000mgのシイタケ、30mg~15,000mgのマイタケ、および、30mg~15,000mgのカワラタケからなる群から選択される複数の成分を含む、請求項5に記載の使用。
【請求項9】
前記セレンは、セレン酵母として4,000μgまでの量で前記薬剤中に存在する、請求項5に記載の使用。
【請求項10】
前記魚油は、10,000mgまでの量で前記薬剤中に存在する、請求項5に記載の使用。