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特開2023-105207非直線縁を有するアクチュエータジョイント
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023105207
(43)【公開日】2023-07-28
(54)【発明の名称】非直線縁を有するアクチュエータジョイント
(51)【国際特許分類】
   G11B 21/21 20060101AFI20230721BHJP
   G11B 5/60 20060101ALI20230721BHJP
   G11B 5/596 20060101ALI20230721BHJP
【FI】
G11B21/21 C
G11B5/60 B
G11B5/596
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023094687
(22)【出願日】2023-06-08
(62)【分割の表示】P 2022563441の分割
【原出願日】2021-05-14
(31)【優先権主張番号】17/320,038
(32)【優先日】2021-05-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/025,788
(32)【優先日】2020-05-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】517151084
【氏名又は名称】マグネコンプ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】MAGNECOMPCORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】イー、クエン チー
(72)【発明者】
【氏名】パンカエ、エカラッチ
(72)【発明者】
【氏名】スダチュン、プリーチャー
(57)【要約】
【課題】ストローク特性を失うことなく衝撃耐性を増加させることのできるサスペンションを提供する。
【解決手段】サスペンションが記載される。サスペンションは、ベースプレートと、ベースプレートに結合されたロードビームと含む。ベースプレートは、遠位長尺要素および近位長尺要素を含む。遠位長尺要素は、1つ以上の非直線ベースプレート縁を含み、近位長尺要素は、1つ以上の非直線ベースプレート縁を含む。ロードビームは、第1取付シェルフおよび第2取付シェルフ含む。ロードビームは、第1取付シェルフが遠位長尺要素に隣接して露出されるとともに、第2取付シェルフが近位長尺要素に隣接して露出されるように、ベースプレートに結合されている。第1取付シェルフおよび第2取付シェルフは、アクチュエータの縁および1つ以上の非直線ベースプレート縁が隙間を形成するように、アクチュエータを受承するよう構成されている。
【選択図】 図5A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サスペンションであって、
遠位長尺要素および近位長尺要素を含むベースプレートであって、前記遠位長尺要素は、1つ以上の非直線ベースプレート縁を含み、前記近位長尺要素は、1つ以上の非直線ベースプレート縁を含む、ベースプレートと、
第1取付シェルフが前記遠位長尺要素に隣接して露出されるとともに、第2取付シェルフが前記近位長尺要素に隣接して露出されるように、前記ベースプレートに結合されたロードビームであって、前記第1取付シェルフおよび前記第2取付シェルフは、アクチュエータの縁および1つ以上の前記非直線ベースプレート縁が隙間を形成するように、前記アクチュエータを受承するよう構成されている、ロードビームと、
を備える、サスペンション。
【請求項2】
前記隙間は、第1接着剤で充填され、前記第1接着剤は、非導電性接着剤または導電性接着剤である、請求項1に記載のサスペンション。
【請求項3】
1つ以上の前記非直線ベースプレート縁は、前記アクチュエータの配置および前記第1接着剤の塗布に関する公差を向上させる、請求項2に記載のサスペンション。
【請求項4】
前記遠位長尺要素の1つ以上の前記非直線ベースプレート縁は、1つ以上の直線ベースプレート縁部を含む、請求項1に記載のサスペンション。
【請求項5】
前記遠位長尺要素の1つ以上の前記非直線ベースプレート縁は、1つ以上の凹状部を含む、請求項1に記載のサスペンション。
【請求項6】
前記近位長尺要素の1つ以上の前記非直線ベースプレート縁は、1つ以上の直線ベースプレート縁部を含む、請求項1に記載のサスペンション。
【請求項7】
前記近位長尺要素の1つ以上の前記非直線ベースプレート縁は、1つ以上の凹状部を含む、請求項1に記載のサスペンション。
【請求項8】
ベースプレートであって、
1つ以上の非直線ベースプレート縁を含む遠位長尺要素と、
アクチュエータ受承空間によって前記遠位長尺要素から離間した近位長尺要素であって、1つ以上の非直線ベースプレート縁を含む近位長尺要素と、
を備える、ベースプレート。
【請求項9】
前記遠位長尺要素の1つ以上の前記非直線ベースプレート縁は、1つ以上の直線ベースプレート縁部を含む、請求項8に記載のベースプレート。
【請求項10】
前記遠位長尺要素の1つ以上の前記非直線ベースプレート縁は、1つ以上の凹状部を含む、請求項8に記載のベースプレート。
【請求項11】
前記近位長尺要素の1つ以上の前記非直線ベースプレート縁は、1つ以上の直線ベースプレート縁部を含む、請求項8に記載のベースプレート。
【請求項12】
前記近位長尺要素の1つ以上の前記非直線ベースプレート縁は、1つ以上の凹状部を含む、請求項8に記載のベースプレート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ハードディスクドライブ用のサスペンションの分野に関する。より具体的には、本開示は、剛性を向上するよう構成された作動式サスペンション上のアクチュエータジョイントの分野に関する。
【背景技術】
【0002】
ダイナミックハードディスク記憶装置では、情報を記憶するために回転ディスクが使用される。ハードディスク記憶装置は通常、他の構成要素用に取付け点および向きを提供するフレームと、ディスクを回転させるためにフレームに取り付けられたスピンドルモータとを含む。読取り/書込みヘッドは、ディスク表面にデータを書き込むとともに、ディスク表面からデータを読み取るための「ヘッドスライダ」上に配置される。ヘッドスライダは、適切なヘッドスライダ動作に必要な力および弾力性の両方を提供するヘッドサスペンションによって、ディスクに対して支持されかつ適切に向けられる。記憶装置内のディスクがヘッドスライダおよびヘッドサスペンションの下で回転すると、ディスクの上の空気も回転することでエアベアリングが生成される。エアベアリングは、ヘッドスライダ上に揚力を発生させるべく、ヘッドスライダの空気力学的設計と共に作用する。揚力は、ヘッドサスペンションのばね力に対抗されることで、ヘッドスライダを、「浮上高さ」と呼ばれるディスク上の所望の高さおよびアラインメントに位置決めする。
【0003】
ハードディスクドライブ用のヘッドサスペンションは、ロードビームおよびフレクシャを含む。ロードビームは通常、ヘッドサスペンションをディスクドライブのアクチュエータに取り付けるための取付領域と、剛性領域と、取付領域と剛性領域との間のばね領域とを含む。ばね領域は、上述のドライブ動作中にヘッドスライダ上に発生する空力的揚力に対抗するばね力を提供する。フレクシャは通常、ヘッドスライダが取り付けられるスライダ取付面を有するジンバル領域を含む。ジンバル領域は、エアベアリングによって生成される空気力学的な力に応じて、フレクシャの残りの部分に対して弾力的に移動可能である。ジンバル領域は、ヘッドスライダをピッチ方向およびロール方向に移動させることで、ディスク表面の変動に追従することができる。
【0004】
いくつかの例では、フレクシャは、スポット溶接などの従来の方法を使用してロードビームの遠位端に堅固に取り付けられるロードビーム取付領域を有する別個の部品として形成される。この種類のヘッドサスペンションは通常、フレクシャのロードビームまたはジンバル領域のいずれかに形成されたロードポイントディンプルを含む。ロードポイントディンプルは、ロードビームのばね領域によって生成された負荷の一部、すなわちグラムロードをフレクシャに伝達し、フレクシャとロードビームとの間にクリアランスを提供し、ディスク表面の変動に追従するためにヘッドスライダがピッチ方向およびロール方向にジンバルで支えられる点として機能する。
【0005】
ディスクドライブ製造業者は、より小型かつより高い記憶容量のドライブを開発し続けている。記憶容量の増加は、ディスク上の情報トラックの密度を増加させることによって(すなわち、より狭いおよび/またはより密な間隔のトラックを使用することによって)部分的に達成される。しかし、トラック密度が増加するにつれて、モータおよびサーボ制御システムが読取り/書込みヘッドを所望のトラック上に迅速かつ正確に位置決めすることがますます困難になる。この状況を改善する試みとして、ヘッドサスペンション自体に取り付けられた圧電アクチュエータ、静電アクチュエータ、電磁アクチュエータまたは微細トラッキングモータ等の、別のまたは二次的なアクチュエータが設けられてきた。これらの種類のアクチュエータは、2段マイクロアクチュエーション装置としても知られており、ベースプレート、ロードビーム、またはフレクシャ上に配置され得る。
【0006】
トラッキングおよびヘッドスライダ位置決め制御を改善しようとするこれらの試みの一部では、アクチュエータがヘッドスライダ自体に配置されてきた。一般的には、この種類のアクチュエータは、ヘッドスライダと、フレクシャまたは他のサスペンション部品のヘッドスライダ取付面との間に挟まれるか、あるいはヘッドスライダに直接結合される。アクチュエータの動きは一般的に、比較的に直接的なヘッドスライダの動きになるので、ディスクドライブのトラック上で読取り/書込みヘッドの所望の微細な動きを与える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この種類の構成が有する1つの問題は、特に圧電構成の衝撃耐性である。これらの構成では、衝撃荷重の多くが圧電素子を通過するので、耐えられる衝撃量は圧電材料の破壊限界によって制限される。圧電素子をより厚く、より広く、またはより短くした場合、素子の剛性を増加させることによって衝撃耐性は増加するが、この変更はまた、素子によって与えられるストロークの量の減少にもつながる。ストローク特性を失うことなく衝撃耐性を増加させることは有利なものとなるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
サスペンションが記載される。サスペンションは、ベースプレートと、ベースプレートに結合されたロードビームと含む。ベースプレートは、遠位長尺要素および近位長尺要素を含む。遠位長尺要素は、1つ以上の非直線ベースプレート縁を含み、近位長尺要素は、1つ以上の非直線ベースプレート縁を含む。ロードビームは、第1取付シェルフおよび第2取付シェルフ含む。ロードビームは、第1取付シェルフが遠位長尺要素に隣接して露出されるとともに、第2取付シェルフが近位長尺要素に隣接して露出されるように、ベースプレートに結合されている。第1取付シェルフおよび第2取付シェルフは、アクチュエータの縁および1つ以上の非直線ベースプレート縁が隙間を形成するように、アクチュエータを受承するよう構成されている。
【0009】
サスペンションのいくつかの実施例では、隙間は、第1接着剤で充填され、第1接着剤は、非導電性接着剤または導電性接着剤である。非直線ベースプレート縁は、アクチュエータの配置および第1接着剤の塗布に関する公差を向上させる。非直線ベースプレート縁のいずれも、1つ以上の直線ベースプレート縁部および1つ以上の凹状部を含んでよい。
【0010】
ベースプレート装置もまた提供される。ベースプレート装置は、1つ以上の非直線ベースプレート縁を含む遠位長尺要素を含む。ベースプレート装置はまた、アクチュエータ受承空間によって遠位長尺要素から離間した近位長尺要素を含む。いくつかの実施例では、近位長尺要素は、1つ以上の非直線ベースプレート縁を含む。
【0011】
ベースプレート装置のいくつかの実施例では、非直線ベースプレート縁は、アクチュエータの配置特性および第1接着剤の塗布特性を補償するよう構成されてよい。非直線ベースプレート縁のいずれも、1つ以上の直線ベースプレート縁部および1つ以上の凹状部を含んでよい。
【0012】
サスペンション装置もまた提供される。サスペンション装置は、ジンバルアセンブリを含む。ジンバルアセンブリは、固定端および固定端の反対側のヒンジ端でサスペンション装置に取り付けられたアクチュエータを含む。ジンバルアセンブリはまた、アクチュエータの上面の第1電極を含む。第2電極は、アクチュエータの底面に配置される。第2電極は、導電性接着剤によってサスペンション装置上の導電層に結合されている。ジンバルアセンブリはまた、ヒンジ端に配置された金属ベース層を含む。金属ベース層は、アクチュエータの縁と金属ベース層との間に隙間を形成するよう構成された非直線金属層縁を含む。隙間は、導電性接着剤と金属ベース層との間の電気的短絡を防止および/またはその可能性を減少させる非導電性接着剤を受承するよう構成されている。
【0013】
サスペンションのいくつかの実施例では、金属ベース層の非直線縁は、1つ以上の直線縁部および1つ以上の凹状部を含む。導電層は銅層であってよい。金属ベース層は、ステンレス鋼層を含む。
【0014】
ジンバルアセンブリもまた提供される。ジンバルアセンブリは、固定端および固定端の反対側のヒンジ端でサスペンション装置に取り付けられたアクチュエータを含む。ジンバルアセンブリはまた、アクチュエータの上面の第1電極を含む。第2電極は、アクチュエータの底面に配置される。第2電極は、導電性接着剤によってサスペンション装置上の導電層に結合されている。ジンバルアセンブリはまた、ヒンジ端に配置された金属ベース層を含む。金属ベース層は、アクチュエータの縁と金属層との間に隙間を形成するよう構成された非直線金属層縁を含む。隙間は、導電性接着剤と金属ベース層との間の電気的短絡の可能性を減少させる非導電性接着剤を受承するよう構成されている。
【0015】
ジンバルアセンブリのいくつかの実施例では、金属ベース層の非直線縁は、1つ以上の直線縁部および1つ以上の凹状部を含む。
複数の実施例が開示されるが、本開示のさらに別の実施例が、本開示の例示的な実施例を示しつつ説明する、以下の詳細な説明から当業者にとって明らかになるであろう。したがって、図面および詳細な説明は、本質的には例示的であり、限定的ではないとみなされるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】従来技術の磁気ディスクドライブユニットの上面斜視図。
図2図1のディスクドライブのサスペンションの平面図。
図3】本開示の一例による、サスペンションのアクチュエータジョイントを示す図。
図4】本開示の一例による、アクチュエータがない状態の図3のアクチュエータジョイントを示す図。
図5A】本開示の一例による、サスペンションのアクチュエータジョイントを示す図。
図5B】本開示の一例による、アクチュエータがない状態の図5Aのアクチュエータジョイントを示す図。
図6】本開示の一例による、サスペンションのジンバルを示す図。
図7図6の切断線B-B’に沿ったアクチュエータ領域の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、磁気ディスクドライブユニット100の上面斜視図である。ディスクドライブユニット100は、ディスクドライブ上に記憶されたデータを構成する磁気的な1と0のパターンを有する、回転磁気ディスク101を含む。磁気ディスク101は駆動モータによって駆動される。ディスクドライブユニット100は、ロードビーム107の遠位端近くに磁気ヘッドスライダが取り付けられるサスペンション105をさらに含む。サスペンションまたはロードビームの「近位」端は、支持される端、つまりアクチュエータアームにスエージ加工またはその他の方法で取り付けられたベースプレートに最も近い端である。サスペンションまたはロードビームの「遠位」端は、近位端の反対側の端、つまり「遠位」端は片持ち端である。
【0018】
サスペンション105はアクチュエータアーム103に結合されている。アクチュエータアーム103はボイスコイルモータ110に結合されている。ボイスコイルモータ110は、磁気ディスク101の正しいデータトラック上にヘッドスライダを位置決めするためにサスペンション105を円弧状に動かすよう構成されている。ヘッドスライダは、回転磁気ディスク101上の適切なデータトラックに追従するようスライダをピッチおよびロール可能にするジンバル(図示せず)上に担持されているので、性能を低下させることなくそのような変動に対応できる。変動は通常、ディスクの振動、衝突などの慣性イベント、およびディスク表面の凹凸を含む。
【0019】
図2は、図1のサスペンション105の平面図である。サスペンション105は、ベースプレート12およびロードビーム107を含んでよい。ロードビーム107は、トレースジンバル152を含む。トレースジンバル152は、取り付けられたアクチュエータ及びジンバルアセンブリ(図示せず)を含んでよい。アクチュエータは、読取り/書込みヘッドスライダを保持するサスペンション105のジンバル領域に直接的に作用するよう動作可能である。
【0020】
ベースプレート12は、アクチュエータ14を受承するよう構成された1つ以上のアクチュエータジョイント17を含んでよい。ベースプレート12は、ベースプレート12の両側に配置された2つのアクチュエータジョイント17を示す。各アクチュエータジョイント17は、ロードビーム107内に形成されたアクチュエータ取付シェルフ18を含む。例えば、アクチュエータ取付シェルフ18は、ロードビーム107から一体構造で延在してよい。
【0021】
各アクチュエータ14は、アクチュエータジョイント17における各々の隙間に広がっている。アクチュエータ14は、接着剤によって取付シェルフ18に固定されている。接着剤は、アクチュエータの各端部に適切に塗布された導電性または非導電性エポキシ16を含んでよい。アクチュエータ14からサスペンション105のフレキシブル配線トレースおよび/またはプレートに対して、様々な技術により正負の電気接続が可能である。作動したアクチュエータ14は伸縮することで、サスペンション105の遠位端に取り付けられた読取り/書込みヘッドを微細に移動させるので、取付シェルフ18間の隙間の長さが変化する。
【0022】
サスペンション105は、1段作動サスペンション、2段作動装置、または3段作動装置として構成されてよい。アクチュエータの任意の変更が、本明細書で開示される実施例のサスペンション105に組み込まれてよい。言い換えれば、サスペンション105は、本開示の範囲から逸脱することなく、示されるものよりも多いまたは少ない構成要素を含んでよい。しかしながら、示される構成要素は、開示される原理を実施するための例示的な実施例を開示するのに十分である。
【0023】
図3は、本開示の一例による、サスペンション205のアクチュエータジョイント117を示す。サスペンション205は、ベースプレート112およびロードビーム107を含む。ロードビーム107は、取付シェルフ118を含んでよい。ベースプレート112は、対向するベースプレート縁111を有する2つの延在部を含んでよい。取付シェルフ118は、取付シェルフ118の対向する縁間の距離がベースプレート縁111間の距離よりも狭くなるよう、ベースプレート縁111間に露出してよい。アクチュエータジョイント117は、ベースプレート112とロードビーム107との間に配置される。アクチュエータ114は、2つのベースプレート縁111の間でアクチュエータジョイント117に受承されるとともに、ロードビーム107の取付シェルフ118上に載置される。アクチュエータ114は、隙間102によって2つのベースプレート縁111のうちの1つから離間する。隙間102の寸法は、例えば、アクチュエータ114の配置特性、接着剤116の塗布特性、および他の製造公差等の様々な製造要因を補償するよう構成される。いくつかの製造工程において、接着剤116は、アクチュエータ114がアクチュエータジョイント117内に位置決めおよび設置される前に、最初に取付シェルフ118に塗布される。
【0024】
アクチュエータ114と2つのベースプレート縁111のうちの1つとの間の隙間102の寸法はまた、アクチュエータジョイント117の剛性を補償するよう構成される。接着剤の減少により、サスペンション205の剛性を高めるためには、より小さな隙間102、したがってより大きな断面を有するアクチュエータ114が好ましいことが分かっている。図4は、アクチュエータがない状態のアクチュエータジョイント117を示す。表1は、異なる寸法および関連するサスペンション性能を有する例示的な隙間を示す。
【0025】
【表1】

表1は、接着剤塗布および広がり制御などの製造能力に一般的に制限される公称隙間寸法を示す。小さい寸法(100μm未満)を有する隙間は、図3に示すように、接着剤116がロードビーム107の開口部に向かってオーバーフローする可能性を増大させる。本開示は、剛性を向上しつつも接着剤116がオーバーフローする可能性を減少させるよう構成されたアクチュエータジョイントの追加的な実施例を示す。
【0026】
図5Aは、本開示の一例による、サスペンション305のアクチュエータジョイント317を示す。サスペンション305は、ベースプレート312およびロードビーム307を含む。ベースプレート312は、遠位長尺要素312Aおよび近位長尺要素312Bを含む。遠位長尺要素312Aおよび近位長尺要素312Bは、アクチュエータ受承空間312Cによって離間されてよい。ロードビーム307は取付シェルフ318を含む。第1取付シェルフ318Aは遠位長尺要素312Aに結合されており、第2取付シェルフ318Bは近位長尺要素312Bに結合されている。アクチュエータ314は、ベースプレート312の遠位長尺要素312Aと近位長尺要素312Bとの間でアクチュエータジョイント317に受承されるとともに、ロードビーム307の取付シェルフ318上に載置される。
【0027】
アクチュエータジョイント317は、ベースプレート312の遠位長尺要素312Aおよび近位長尺要素312Bと、ロードビーム307の取付シェルフ318との間に形成される。ベースプレート312の遠位長尺要素素312Aは、アクチュエータジョイント317の非直線ベースプレート縁311を有するよう構成されてよい。
【0028】
近位長尺要素312Bもまた、非直線ベースプレート縁311を有するよう構成される。例えば、非直線縁は、例えば、凹状部、凸状部、傾斜部、反り部、または縁の別の区間と一致しない部分など、1つまたは複数の非直線要素を含む。凹状縁部315は、本明細書では、非直線ベースプレート縁311に沿って中央に配置されるものとして示されている。凹状縁部315の寸法は、接着剤316のオーバーフローを減少させるよう構成されてよい。さらに、アクチュエータジョイント317は、非直線ベースプレート縁311が、凹状縁部315に隣接する1つ以上の直線ベースプレート縁部313を含むよう構成されてよい。
【0029】
いくつかの例では、凹状縁部315は、アクチュエータ314の縁に沿って中央に配置される。アクチュエータジョイント317はまた、表2に示すように、剛性を向上するため、アクチュエータ314の縁と非直線ベースプレート縁311との間に隙間302を含む。
【0030】
凹状縁部315の寸法は、例えば、アクチュエータの配置特性、接着剤の塗布特性等の様々な製造要因により、一般的に制限される。製造工程において、接着剤316は、アクチュエータ114がアクチュエータジョイント317内に位置決めおよび設置される前に、最初に取付シェルフ318に塗布されてよい。
【0031】
【表2】

表2は、非直線ベースプレート縁を含む異なる寸法の例示的な隙間、ならびに隙間の寸法を組み込んだサスペンションのストロークおよび揺れ周波数を示す。凹状縁部315は、接着剤316がオーバーフローする可能性を減少させるために、非直線ベースプレート縁311に沿って配置されてよい。
【0032】
非直線ベースプレート縁311に沿って直線要素と非直線要素とを組み合わせることによって、接着剤316のベースプレート312に対するより好適な機械的接合が得られる。この直線要素および非直線要素は、接着剤の付着を向上させる特徴を有する。非直線要素によって、接着剤の断面をより大きくすることが可能なので、接着剤が改善された内部強度を得ることに繋がる。特定の実施例において、接着剤の内部強度は、凹状縁部315で改善される。アクチュエータジョイント317の全体的な強度は、増加した接着剤の内部強度により増加する。
【0033】
図5Bは、図5Aに示されるアクチュエータがない状態のアクチュエータジョイント317を示す。非直線ベースプレート縁311の直線要素に沿った接着剤は、アクチュエータが取り付けられた際に、アクチュエータとベースプレートとの間で突出し、接着剤は、アクチュエータの底面でオーバーフローする。接着剤のオーバーフローは、アクチュエータジョイントに追加的な機械的強度を与えるために従来使用されてきたが、接着剤のオーバーフローは、導電性粒子を含みかつ導電性上面まで延在する場合、アクチュエータ314を短絡させる可能性がある。
【0034】
従来は、不完全なボンドパッド状態の可能性を減少させるために、より多くの接着剤が望まれていた。完全なボンドパッドを確保するために接着剤の量が増加するにつれて、潜在的に不良となる接着剤のオーバーフローの数も増加する。接着剤の量が減少すると、不完全なボンドパッドが増加しかねない。本開示は、接着剤のオーバーフローを減少させながら、完全なボンドパッドを確保するために、接着剤を塗布する際のより大きな公差を可能にする。具体的には、非直線ベースプレート縁は、接着剤のオーバーフローとして従来は許容されていた接着剤量を受承するよう構成される。
【0035】
開示される構成要素の製造が追加的な機械的強度を達成するための、接着剤のオーバーフローの最大高さ公差は規定である。本開示は、各構成要素について、接着剤のオーバーフローの最大高さ公差を超えないことを確実にするために、接着剤を塗布する際のより大きな公差を可能にする。隙間の寸法は、従来は接着剤のオーバーフローで得られた追加的な機械的強度を提供する。
【0036】
本開示は、本明細書に開示された接着剤の付着を向上させる特徴になるように、接着剤がオーバーフローすることを減少しようとするものである。接着剤の付着を向上させる特徴によって得られる追加的な強度によって、接着剤のオーバーフローを排除または減少することにより生じる強度の損失に対処する。
【0037】
図6は、例示的な非直線縁のアクチュエータジョイント460を組み込んだ、サスペンション500のジンバルアセンブリ452を示す。図7は、図6の切断線B-B’に沿ったアクチュエータ414の領域の断面図である。図7を参照すると、アクチュエータ414は、受承領域605に広がっている。アクチュエータ414は、固定端Aおよびヒンジ端Bを有する。アクチュエータ414の各端は、図6のジンバルアセンブリ452に接合されている。
【0038】
アクチュエータ414は、アクチュエータ414の上面の第1電極701と、アクチュエータ414の底面の第2電極702とを含む。アクチュエータ414の領域のヒンジ端Bは、カバー層660と、導電層680(例えば、銅)と、絶縁層690(例えば、ポリイミド)と、金属ベース層650(例えば、ステンレス鋼)とを含む。第2電極702は、導電性接着剤670によって導電層680に電気的に結合されている。金属ベース層650は、非直線のステンレス鋼縁、例えば図6を参照して本明細書で説明された非直線ベースプレート縁を組み込むよう構成されてよい。非直線のステンレス鋼縁は、隙間602を可能にする。隙間602は、導電性接着剤670と金属ベース層650との間の電気的短絡の可能性を減少させる。非導電性接着剤630が、隙間602を充填するように塗布されている。
【0039】
固定端Aにおいて、第1電極701は、導電性接着剤670によって導電層680に電気的に結合されている。上下の電極は、非導電性接着剤630によって固定端Aで離間している。
【0040】
複数の実施例が開示されたが、本開示の範囲内のさらに別の実施例が、例示的な実施例を示しつつ説明する、本明細書に記載された詳細な説明から当業者にとって明らかになるであろう。したがって、図面および詳細な説明は、本質的には例示的であり、限定的ではないとみなされるべきである。様々な実施例の特徴および変更が、本明細書で論じられるとともに、図面に示された。複数の実施例が開示されたが、本開示のさらに別の実施例が、本開示の例示的な実施例を示しつつ説明する、以下の詳細な説明から当業者にとって明らかになるであろう。したがって、図面および詳細な説明は、本質的には例示的であり、限定的ではないとみなされるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7