IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ NOT A HOTEL株式会社の特許一覧

特開2023-105256物件管理システム、及び物件管理方法
<>
  • 特開-物件管理システム、及び物件管理方法 図1
  • 特開-物件管理システム、及び物件管理方法 図2
  • 特開-物件管理システム、及び物件管理方法 図3
  • 特開-物件管理システム、及び物件管理方法 図4
  • 特開-物件管理システム、及び物件管理方法 図5
  • 特開-物件管理システム、及び物件管理方法 図6
  • 特開-物件管理システム、及び物件管理方法 図7
  • 特開-物件管理システム、及び物件管理方法 図8
  • 特開-物件管理システム、及び物件管理方法 図9
  • 特開-物件管理システム、及び物件管理方法 図10
  • 特開-物件管理システム、及び物件管理方法 図11
  • 特開-物件管理システム、及び物件管理方法 図12
  • 特開-物件管理システム、及び物件管理方法 図13
  • 特開-物件管理システム、及び物件管理方法 図14
  • 特開-物件管理システム、及び物件管理方法 図15
  • 特開-物件管理システム、及び物件管理方法 図16
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023105256
(43)【公開日】2023-07-28
(54)【発明の名称】物件管理システム、及び物件管理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/16 20120101AFI20230721BHJP
【FI】
G06Q50/16 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023095950
(22)【出願日】2023-06-12
(62)【分割の表示】P 2022569823の分割
【原出願日】2021-11-26
(31)【優先権主張番号】P 2020208714
(32)【優先日】2020-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】520208122
【氏名又は名称】NOT A HOTEL株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002790
【氏名又は名称】One ip弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】▲浜▼渦 伸次
(57)【要約】
【課題】不動産物件の有効な活用を可能とする新規の物件管理システム、及び物件管理方法を提供する。
【解決手段】本発明の一態様における物件管理システムは、不動産物件の情報を管理する管理サーバと、ユーザ端末とが、ネットワークを介して接続され、管理サーバは、ユーザ端末からの購入要求に基づき、ユーザによる不動産物件の購入手続に伴う情報の処理を実行する売買処理部と、ユーザ端末からの貸出要求に基づき、ユーザが購入した不動産物件の他者への貸し出しに関する情報の処理を実行するリレント処理部と、を備えることを特徴とする。
【選択図】図7

【特許請求の範囲】
【請求項1】
不動産物件の情報を管理する管理サーバと、ユーザ端末とが、ネットワークを介して接続され、
前記管理サーバは、
前記ユーザ端末からの購入要求に基づき、ユーザによる前記不動産物件の購入手続に伴う情報の処理を実行する売買処理部と、
前記ユーザ端末からの貸出要求に基づき、前記ユーザが購入した前記不動産物件の他者への貸し出しに関する情報の処理を実行するリレント処理部と、を備えることを特徴とする物件管理システム。
【請求項2】
前記貸出要求は、前記不動産物件の他者への貸し出しを可能とする貸出可能期間に関する情報を含む、請求項1に記載の物件管理システム。
【請求項3】
前記リレント処理部は、前記不動産物件の貸し出しに伴い前記ユーザに支払われる対価の金額を、前記貸出可能期間に基づいて算出する、請求項2に記載の物件管理システム。
【請求項4】
前記リレント処理部は、前記貸出可能期間における前記不動産物件の貸出利用の有無に関わらず、前記貸出要求を受け付けた時に前記対価の金額を前記ユーザに支払う決済処理を行う、請求項3に記載の物件管理システム。
【請求項5】
前記貸出要求は、前記不動産物件の貸出用途に関する情報を含む、請求項1~4の何れか一項に記載の物件管理システム。
【請求項6】
前記リレント処理部は、前記貸出要求に基づいて、前記不動産物件の複数の貸出用途を含む空室プランを生成する、請求項1~5の何れか一項に記載の物件管理システム。
【請求項7】
不動産物件の情報を管理する管理サーバと、ユーザ端末とが、ネットワークを介して接続され、
前記管理サーバは、
前記ユーザ端末からの購入要求に基づき、ユーザによる前記不動産物件の購入手続に伴う情報の処理を実行する売買処理ステップと、
前記ユーザ端末からの貸出要求に基づき、前記ユーザが購入した前記不動産物件の他者への貸し出しに関する情報の処理を実行するリレント処理ステップと、を含むことを特徴とする物件管理方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物件管理システム、及び物件管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザ端末からインターネットを介して管理サーバにアクセスすることで、不動産物件の売買または賃貸借に関する情報を取得することが可能なシステムが知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、ユーザが指定する種々の条件に基づき、売買または賃貸借可能な不動産物件の情報を提示するシステムが開示されている。このようなシステムによれば、ユーザの希望に基づく不動産物件の情報を得ることができ、不動産物件の購入または賃貸借の決定を支援することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許6452870号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のような従来のシステムにおいては、不動産物件の購入または賃貸借の決定までを支援するのみであり、その後にユーザが当該不動産物件をどのように利用するかという点については考慮されていない。
【0006】
そこで、本発明は、不動産物件の有効な活用を可能とする新規の物件管理システム、及び物件管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様における物件管理システムは、
不動産物件の情報を管理する管理サーバと、ユーザ端末とが、ネットワークを介して接続され、
前記管理サーバは、
前記ユーザ端末からの購入要求に基づき、ユーザによる前記不動産物件の購入手続に伴う情報の処理を実行する売買処理部と、
前記ユーザ端末からの貸出要求に基づき、前記ユーザが購入した前記不動産物件の他者への貸し出しに関する情報の処理を実行するリレント処理部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、不動産物件の有効な活用を可能とする新規の物件管理システム、及び物件管理方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態に係る、物件管理システムを示すブロック構成図である。
図2図1のサーバ装置を示す機能ブロック構成図である。
図3図1のユーザ端末を示す機能ブロック構成図である。
図4】サーバ装置に格納されるユーザデータの一例を示す図である。
図5】サーバ装置に格納される不動産物件データの一例を示す図である。
図6】サーバ装置に格納されるリレントデータの一例を示す図である。
図7】本発明の一実施形態に係る、物件管理方法に係るフローチャートの一例である。
図8】本発明の一実施形態に係る、ユーザ端末に表示されるユーザインターフェース画面の一例を示す図である。
図9】本発明の一実施形態に係る、ユーザ端末に表示されるユーザインターフェース画面の他の例を示す図である。
図10】本発明の一実施形態に係る、ユーザ端末に表示されるユーザインターフェース画面のさらに他の例を示す図である。
図11】本発明の一実施形態に係る、物件管理方法に係るフローチャートの一例である。
図12】本発明の一実施形態に係る、ユーザ端末に表示されるユーザインターフェース画面のさらに他の例を示す図である。
図13】本発明の一実施形態に係る、ユーザ端末に表示されるユーザインターフェース画面のさらに他の例を示す図である。
図14】本発明の一実施形態に係る、物件管理方法に係るフローチャートの一例である。
図15】本発明の一実施形態に係る、ユーザ端末に表示されるユーザインターフェース画面のさらに他の例を示す図である。
図16】本発明の一実施形態に係る、ユーザ端末に表示されるユーザインターフェース画面のさらに他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施形態は、請求の範囲に記載された本開示の内容を不当に限定するものではない。また、実施形態に示される構成要素のすべてが、本開示の必須の構成要素であるとは限らない。
【0011】
(実施形態1)
<構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る、物件管理システムを示すブロック構成図である。本物件管理システム1(以下、「本システム」とも称する)は、不動産物件(以下、「物件」とも称する)の情報を管理する管理サーバとしてのサーバ装置100と、本システム1を用いた物件管理サービスの利用者であるユーザ(例えば後述する「オーナー」)が使用するユーザ端末200とを有する。なお、本システム1は、図1に示すように、本サービスを利用する他のユーザ(例えば後述する「ゲスト」)が使用するユーザ端末300を含むものとしているが、これに限られるものではない。また、「不動産物件」とは、ここで、一戸建て住宅、マンション、アパート、別荘等の各種建物及び土地などを含み、建物の階数、構造、広さ、面積は問わない。
【0012】
サーバ装置100と、ユーザ端末200、300とは、各々、ネットワークNWを介して接続される。ネットワークNWは、インターネット、イントラネット、無線LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)等により構成される。
【0013】
サーバ装置100は、例えばシステム管理者(サービス提供者)によって管理される。サーバ装置100は、ユーザ端末からの購入要求に基づき、ユーザによる不動産物件の購入手続に伴う情報の処理を実行する。サーバ装置100は、例えば、サービス利用者であるユーザが使用するユーザ端末からの購入要求に基づき、販売可能な不動産物件のリストを生成し、出力することができる。本実施形態において、販売の対象となる不動産物件は、ユーザが購入するまでは、サービス提供者が所有するものであるが、これに限られるものではない。また、「サービス提供者」及び「ユーザ」はそれぞれ自然人であってもよいし、法人であってもよい。
【0014】
また、サーバ装置100は、ユーザ端末からの貸出要求を受け付け、当該貸出要求に基づき、ユーザが購入した不動産物件の他者への貸し出しに関する情報の処理を実行する。サーバ装置100は、例えば、本サービスを利用して購入した不動産物件を所有しているユーザに対して、当該物件を他者に貸し出すリレント日程入力画面を生成し、出力することができる。
【0015】
サーバ装置100は、例えばコンピュータ(情報処理装置)であり、ワークステーションやパーソナルコンピュータのような汎用コンピュータとしてもよいし、或いはクラウド・コンピューティングによって論理的に実現されてもよい。本実施形態においては、説明の便宜上サーバ装置として1台を例示しているが、これに限定されず、複数台であってもよい。
【0016】
ユーザ端末200は、上記サービス提供者によって提供されるサービスを利用して、不動産物件を購入するユーザが使用する。ユーザ端末200は、例えば、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォン、携帯電話、PDA等の情報処理装置とすることができる。
【0017】
本実施形態において、システム1は、サーバ装置100及びユーザ端末200を有し、ユーザがユーザ端末200を利用して、サーバ装置100に対する操作を行う構成として説明するが、サーバ装置100がスタンドアローンで構成され、サーバ装置自身に、ユーザが直接操作を行う機能を備えても良い。
【0018】
図2は、図1のサーバ装置100の機能ブロック構成図である。サーバ装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを備える。
【0019】
通信部110は、ネットワークNWを介してユーザ端末200、300と通信を行うための通信インターフェースであり、例えばTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)等の通信規約により通信が行われる。
【0020】
記憶部120は、各種制御処理や制御部130内の各機能を実行するためのプログラム、入力データ等を記憶するものであり、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等から構成される。また、記憶部120は、ユーザに関連する各種データを格納するユーザデータ格納部121、不動産物件に関連する各種データを格納する物件データ格納部122、また、ユーザに提供されるリレントサービスに関連する各種データを格納するリレントデータ格納部123等を有する。さらに、記憶部120は、ユーザ端末200と通信を行ったデータを一時的に記憶することもできる。なお、各種データを格納したデータベース(図示せず)が記憶部120外またはサーバ装置100外に構築されていてもよい。リレントサービスとは、サーバ装置100で情報を管理する不動産物件を購入したユーザが、本システム1を介して、他者に当該不動産物件を一時的に宿泊施設又はイベント空間等として貸し出すサービスを意味する。
【0021】
制御部130は、記憶部120に記憶されているプログラムを実行することにより、サーバ装置100の全体の動作を制御するものであり、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等から構成される。制御部130の機能として、ユーザ端末200からの指示(要求)を受け付ける指示受付部131と、ユーザに関連する各種データを参照し、処理するユーザデータ管理部132と、不動産物件に関連する各種データを参照し、処理する物件データ管理部133と、リレントサービスに関連するデータを参照し、処理するリレントデータ管理部134と、上記各種データを基に、不動産物件の売買に関連する情報を生成し、ユーザ端末200に提供する、売買処理部135と、上記各種データを基に、不動産物件のユーザへの販売後に当該不動産物件を他者に貸し出すリレントサービスに関連する情報を生成し、ユーザ端末200に提供する、リレント処理部136等を有する。この指示受付部131、ユーザデータ管理部132、物件データ管理部133、リレントデータ管理部134、売買処理部135及びリレント処理部136は、記憶部120に記憶されているプログラムにより起動されてコンピュータ(電子計算機)であるサーバ装置100により実行される。
【0022】
指示受付部131は、サーバ装置100が提供し、ユーザ端末200において、ウェブブラウザまたはアプリケーションを介して表示される画面等のユーザインターフェースを介して、ユーザが、(文字、数字を入力したり、各種ボタン等のアイコンを押下(選択)したりする等して)所定の要求を行ったとき、ユーザ端末200から通信部110を介して指示を受付ける。
【0023】
ユーザデータ管理部132は、ユーザに関連する各種データを管理し、処理を行う。ユーザに関連する各種データとは、例えば、ユーザID、ユーザの基本情報(ユーザの氏名、住所、電話番号、Eメールアドレス等の連絡先、年齢、性別等)、購入物件情報、及び決済情報(決済履歴、クレジットカード情報、金融機関情報等)、ポイント情報(本システム内で使用可能なポイントの所有量、ポイント情報(使用・獲得)履歴等)、リレントサービス利用履歴情報(本システム1でのリレントサービスの利用履歴)などとすることができるが、これに限られない。
【0024】
物件データ管理部133は、不動産物件に関連する各種データを管理し、処理を行う。不動産物件に関連する各種データとは、例えば、物件ID、基本情報、施設情報、及び周辺情報等とすることができるが、これに限られない。
【0025】
リレントデータ管理部134は、リレントサービスに関連する各種データ(例えば、図6に示す、貸出対象の物件情報(物件ID、所有者情報(ユーザID等)など)、貸出可能期間情報、利用条件情報(用途制限、人数制限、性別制限等)、利用情報(利用の有無、利用者情報)、決済情報、空室プラン情報(用途、期間、料金等)を管理し、処理を行う。
【0026】
売買処理部135は、ユーザからの要求及び記憶部120に格納された各種データ等に基づいて、不動産物件の売買に関連する情報を生成し、ユーザ端末200に提供する。売買処理部135は、例えばユーザ端末からの購入要求に基づき、ユーザによる不動産物件の購入手続に伴う情報の処理を実行する。
【0027】
リレント処理部136は、ユーザからの要求及び記憶部120に格納された各種データ等に基づいて、不動産物件のユーザへの販売後に、当該不動産物件を他者に貸し出すリレントサービスに関連する情報を生成し、ユーザ端末200に提供する。リレント処理部136は、例えば、ユーザ端末200からの貸出要求に基づき、ユーザが購入した不動産物件の他者への貸し出しに関する情報の処理を実行する。
【0028】
また、リレント処理部136は、例えば、ユーザからの要求に基づいて空室プランを生成し、ユーザ端末200、300に提供することも可能である。空室プランとは、オーナーからの貸出要求がなされた(サーバ装置100が貸出要求を受け付けた)物件を他者に貸し出すための各種条件を含む計画情報である。空室プランは、例えば、利用期間(利用開始日時、利用終了日時、宿泊日数等)、用途に関する情報(宿泊、イベント利用、会議利用、オフィスワーク利用等の用途の制限の有無、及び制限内容)貸出対象(ゲスト人数、年齢、性別等の制限の有無、及び制限内容)、金額、等のリレントサービスに関する情報が含まれる。リレント処理部136は、生成した空室プランに関する情報を、リレントデータ管理部134を介して、リレントデータ格納部123に記憶させることができる。
【0029】
図3は、図1のユーザ端末200を示す機能ブロック構成図である。ユーザ端末200は、通信部210と、表示操作部220と、記憶部230と、制御部240とを備える。
【0030】
通信部210は、ネットワークNWを介してサーバ装置100の通信部110と通信を行うための通信インターフェースであり、例えばTCP/IP等の通信規約により通信が行われる。
【0031】
表示操作部220は、ユーザが指示(要求)を入力し、制御部240からの入力データに応じてテキスト、画像等を表示するために用いられるユーザインターフェースであり、ユーザ端末200がパーソナルコンピュータで構成されている場合はディスプレイとキーボードやマウスにより構成され、ユーザ端末200がスマートフォンまたはタブレット端末で構成されている場合はタッチパネル等から構成される。この表示操作部220は、記憶部230に記憶されている制御プログラムにより起動されてコンピュータ(電子計算機)であるユーザ端末200の制御部240により実行される。
【0032】
記憶部230は、各種制御処理や制御部240内の各機能を実行するためのプログラム、入力データ等を記憶するものであり、RAMやROM等から構成される。また、記憶部230は、サーバ装置100との通信内容を一時的に記憶している。
【0033】
制御部240は、記憶部230に記憶されているプログラムを実行することにより、ユーザ端末200の全体の動作を制御するものであり、CPUやGPU等から構成される。
【0034】
なお、サーバ装置100に表示操作部の機能を備える構成としてもよい。
【0035】
図4は、サーバ装置100に格納されるユーザデータの一例を示す図である。
【0036】
図4に示すユーザデータ1000は、ユーザに関連する各種データを含み、ユーザデータ格納部121に格納される。図4において、説明の便宜上、一人のユーザ(ユーザID「10001」で識別されるユーザ)の例を示すが、複数人のユーザの情報を含むことができる。ユーザに関連する各種データとして、例えば、ユーザの基本情報(例えばユーザの氏名、住所、電話番号、Eメールアドレス等の連絡先、年齢、性別等)、所有(購入)/賃貸不動産物件情報(ユーザが所有/賃貸している不動産物件に関する情報)、カート内情報(カートに入れた物件に関する情報)、決済情報(不動産物件の購入金額、リレント利用金額、並びに、不動産物件の売買、賃貸、リレント等の予約/決済するために必要な情報)リレント情報(ユーザの現在もしくは過去のリレント情報)、ポイント情報(本サービスで利用可能なポイントに関する情報)等が挙げられる。ユーザに関連する各種データは、ユーザIDに紐づけて(関連付けて)ユーザデータ格納部121に記憶される。
【0037】
図5は、サーバ装置100に格納される不動産物件データの一例を示す図である。
【0038】
図5に示す不動産物件データ2000は、不動産物件に関連する各種データを格納する。図5において、説明の便宜上、一不動産物件(物件ID「20001」で識別される不動産物件)の例を示すが、複数の不動産物件に関する情報を格納することができる。不動産物件に関連する各種データとして、例えば、不動産物件の基本情報(物件名、住所、販売/賃貸金額、所定期間の賃貸金額、等)、詳細情報(階数、専有面積、間取り等の広さや構造に関する情報、部屋ごとの家具、物件内外の各種設備情報、周辺情報(不動産物件周辺の観光地、飲食施設、交通アクセス情報(バス、タクシー、鉄道、航空等)情報)等が挙げられる。不動産物件に関連する各種データは、物件番号、物件名称、物件の所在地域(所在地)、販売金額、物件の特徴説明文章、物件の階数、広さ等の情報を含んでいる。物件に関連する各種データは、物件IDに紐づけて物件データ格納部122に記憶される。
【0039】
図6は、サーバ装置100に格納されるリレントデータの一例を示す図である。
【0040】
図6に示すリレントデータ3000は、リレントサービスに関連する各種データを格納する。図6において、説明の便宜上、一貸出要求(貸出要求ID「30001」で識別される貸出要求)の例を示すが、複数の貸出要求に関する情報を格納することができる。リレントサービスに関連する各種データとして、例えば、貸出対象の物件情報(物件ID、所有者情報(ユーザID等)など)、貸出可能期間情報、利用条件情報(用途制限、人数制限、性別制限等)、利用情報(利用の有無、利用者情報)、決済情報、空室プラン情報(用途、期間、料金等)が挙げられる。物件に関連する各種データは、物件IDに紐づけて物件データ格納部122に記憶される。
【0041】
<処理の流れ>
図7~16を参照しながら、本実施形態のシステム1が実行する物件管理方法の処理の流れについて説明する。
【0042】
図7、11、14は、本発明の一実施形態としての物件管理方法に係るフローチャートの一例である。ここで、本システム1を利用するために、ユーザは、ユーザ端末200のウェブブラウザまたはサービス提供者によって提供されるアプリケーション等を利用してサーバ装置100にアクセスする。なお、サービスの利用に際して、ユーザが初めてサービスを利用する場合は、前述のユーザの基本情報等を入力し、既にユーザアカウントを取得済の場合は、例えばIDとパスワードを入力する等の所定の認証を受けてログインすることで、サービスが利用可能となるようにしてもよい。その場合、この認証後にウェブサイト、アプリケーション等を介して所定のユーザインターフェースが提供されるようにしてもよい。また、サーバ装置100がユーザにログインを要求するタイミングは特に限定されず、サービスを利用する過程でログインを求めるようにしてもよい。例えば、購入に関する不動産物件の物件リストを表示する段階まではログイン不要とし、購入を希望する物件を決定する段階でログインが必要となるようにしてもよい。
【0043】
まず、ユーザがユーザ端末200を操作してサーバ装置100にアクセスすると、ステップS101の処理として、サーバ装置100の制御部130(売買処理部135)は、物件データ管理部133を介して物件データ格納部122に記憶された各不動産物件のステータス情報を参照し、販売可能な不動産物件のリスト(物件リスト)を生成し、出力する。物件リストは、1の不動産物件に関する情報のみを含むものであってもよいし、複数の不動産物件の情報を含んでいてもよい。物件リストは、物件データ格納部122に記憶されている各不動産物件の情報の一部または全体の情報を含むことができる。サーバ装置100の制御部130(売買処理部135)は、当該物件リストのデータを、通信部110(及びネットワークNWを介して)を介してユーザ端末200に送信する。ユーザ端末200は、当該物件リストのデータを、通信部210を介して受信して、表示操作部220に表示(ブラウジング)させる(ステップS102)。
【0044】
図8は、ユーザ端末200に備えられるウェブブラウザまたはアプリケーションを介して提供されるユーザインターフェースとしての表示操作部220に表示される画面の一例である。物件リストは、例えば図8に示すように表示することができるが、これに限定されるものではない。なお、物件リストの生成に際しては、ユーザの希望条件に基づいて、物件リストを生成するようにしてもよいし、予めサービス提供者が設定した条件に基づいて物件リストを生成するようにしてもよい。ユーザの希望条件の要求を受け付けて当該希望条件に基づいて物件リストを生成する場合には、ステップS101の前、後、または途中の段階で、サーバ装置100の制御部130は、ユーザの希望条件の入力を受け付ける(希望条件要求を受信する)処理を行う。具体的には、例えば、ユーザがユーザ端末200を操作して、購入を希望する不動産物件の希望条件を入力または選択する。この希望条件としては、例えば、購入希望、希望金額(購入希望金額)の上限、下限、または範囲、物件の場所(例えば都道府県、市区町村、地域)、広さ、間取り、階層、建物の構造等とすることができる。また、サーバ装置100は、ユーザの希望条件に基づいて物件を検索し、当該条件に合致する物件のみを抽出する検索機能を有していてもよい。その場合、例えば、サーバ装置100の制御部130は、ユーザ端末200から受信したユーザの希望条件に該当する物件を、物件データ格納部122に格納されたデータの中から検索することができるように構成される。
【0045】
図8の画面例に表示された物件リストは、各不動産物件の物件IDに紐づけられた物件番号(図8の「No.001」、「No.002」)、物件名称(図8の「ISE」、「NASU」)、物件の所在地域(図8の「三重(伊勢志摩)」、「栃木(那須)」)、販売金額(図8の例では販売金額「\10,000,000(税込)」、「\20,000,000(税込)」)、物件の特徴説明文章(図8の例では「海を一望できる好立地」、「牧場に近接」)、物件の階数、広さ(図8の例では「3階建て、専有面積200m」、「2階建て、専有面積150m」)等の情報を含んでいる。
【0046】
ユーザは、ユーザ端末200を操作して、上記物件リストに含まれる物件の中で、購入を希望する物件を選択することができる。例えば、ユーザが図8の物件番号「No.001」の物件の購入を希望する場合、「カートに入れる」ボタンP1をタップ操作等により選択する。ここで、「カート」とは仮想的な「ショッピングカート(買い物かご)」であり、ユーザが所定の物件について「カートに入れる」ボタンを選択したことを示す情報は、サーバ装置100のユーザデータ格納部121にカート内情報として記憶される。これにより、ユーザは、図8に示すカートのアイコンP2(カート画像)を選択することで、カートに入れた物件を表示させることができる。また、複数の物件について「カートに入れる」ボタンを選択した場合には、当該複数の物件の購入の決済をまとめて同時に行うことができる。なお、一度カートに入れた物件は、例えば図9の「カートから削除」ボタンP4のタップ操作等による選択などにより、ユーザデータ格納部121のカート内情報を更新して、カートから削除する(当該物件をカートに入れていない状態に各種情報を変更する)ことも可能である。
【0047】
ユーザが「カートに入れる」ボタンP1を選択した場合、ユーザ端末200の制御部240は、ステップS103の処理として、通信部210を介してサーバ装置100に、「No.001」の物件が購入候補として選択されたことを示す情報(ユーザが「No.001」の物件についての「カートに入れる」ボタンP1を選択したことを示す情報)を送信する。サーバ装置100は、ユーザ端末200から送信された当該情報を、通信部110を介して受信する。そして、サーバ装置100の制御部130は、当該情報に基づいて記憶部120のユーザデータを更新する(ステップS104)。具体的に、サーバ装置100の売買処理部135は、記憶部120のユーザデータ格納部121におけるカート内情報を更新して、「No.001」の物件を記憶させる処理を行う。そして、ユーザが、ユーザ端末200を操作して、カートのアイコンP2を選択すると、ユーザ端末200は、サーバ装置100に「カートに入れる」ボタンP1で選択した全ての物件の表示要求を送信する(ステップS105)。サーバ装置100は、当該要求を受信すると、ユーザデータ格納部121のカート内情報を参照して、「カートに入れる」ボタンで選択した全ての物件のリストを生成し、サーバ装置100の売買処理部135は、当該カート内物件リストに関する情報をユーザ端末200に送信する(ステップS106)。
【0048】
図9は、ユーザが、カートのアイコンP2を選択した場合のユーザ端末200に表示される画面の一例である。ユーザ端末200は、サーバ装置100から受信したカート内物件リストに関する情報に基づいて、カートに入れた全ての物件を表示操作部220に表示させる(ステップS107)。図9に示す画面例では、1つの物件のみが表示されているが、これに限られず、複数の物件が表示されるようにしてもよい。
【0049】
図9の画面例において、ユーザがユーザ端末200を操作して、図9の「購入する」ボタンP5を選択すると、購入要求(購入手続開始要求)がユーザ端末200からサーバ装置100に送信される(ステップS108)。
【0050】
なお、上記の例では、「カート」を経由する物件の購入要求について説明したが、これに限られず、「カート」を経由せずにダイレクトで所望の物件の購入要求(購入手続開始要求)することも可能である。具体的には、例えば、ユーザが図8の「No.001」の物件の購入を希望する場合、「カートに入れる」ボタンP1を選択せずに「今すぐ購入」ボタンP3を選択する。これにより、図9の「購入する」ボタンP4を選択した場合と同様に、ユーザ端末200は、サーバ装置100に購入要求を送信する(ステップS108)。
【0051】
サーバ装置100は、当該購入要求を受信すると、例えば、当該物件の在庫確認及び在庫確保の処理を行う(ステップS109)。すなわち、サーバ装置100の売買処理部135は、物件データ管理部133を介して、物件データ格納部122のステータス情報を参照して、当該物件のステータスが「販売可能」であることを確認し(在庫確認処理)、当該物件のステータスが「販売可能」である場合には、当該ステータスを「販売不可」に変更(更新)する(在庫確保処理)。これにより、他のユーザが当該物件の購入手続等を開始することを防ぐことができる。なお、在庫確保処理は、後述する申し込み金の入金処理が完了した際に行ってもよい。また、在庫確認時の物件のステータスが「販売不可」である場合、その旨を示す情報をサーバ装置100がユーザ端末200に送信し、購入手続を中止する。
【0052】
次いで、サーバ装置100は、ユーザ端末200に、ユーザ情報の入力画面に関する情報を送信し、ユーザ端末200にユーザ情報の入力画面を表示させる。ユーザは、ユーザ端末200を操作して、上記ユーザの基本情報等のユーザ情報を入力する(ステップS110)。ユーザ端末200は、入力されたユーザ情報をサーバ装置100に送信し、サーバ装置100は、記憶部120のユーザデータ格納部121に記憶させることで、ユーザ情報を登録する(ステップS111)。なお、ユーザが予め本システム1にログインしている場合など、ユーザ情報がサーバ装置100に記憶されているには、ユーザ情報入力ステップS110及びユーザ情報を登録するステップS111を省略することができる。
【0053】
次いで、ユーザによるユーザ端末200の操作に基づき、ユーザ端末200はサーバ装置100に申込金支払い決済要求を送信する。サーバ装置100は、購入する不動産物件の費用の一部を申し込み金として、物件の所有者(本例ではサービス提供者)にオンラインで支払う、申込金支払いの決済処理を行う(ステップS112)。例えば、サーバ装置100は、申し込み金の支払い要求を行う画面に関する情報を生成し、当該情報をユーザ端末200に送信して、ユーザ端末200に申し込み金の支払い画面を表示させる。
【0054】
図10は、ユーザ端末200に表示される申し込み金の支払い画面の一例である。ユーザは、ユーザ端末200を操作して、クレジットカードに関する各種情報(カード番号、有効期限等)を入力または選択する。なお、予めクレジットカードに関する情報を登録している場合には、当該情報の入力または選択を省略することができる。ユーザは、ユーザ端末200を操作して、図10の「クレジットカードで支払う」ボタンP6を選択すると、ユーザ端末200は、支払い処理の実行を示す情報をサーバ装置100に送信する(ステップS112)。なお、申し込み金支払いの決済処理は、クレジットカード利用に限定されず、本システムと連携可能な任意の決済方法を採用可能である。例えば、本サービス内で使用可能なポイントを利用してもよいし、デビットカード決済やプリペイドカード決済を利用してもよいし、電子マネーを利用してもよいし、バーコード、2次元コード等を用いたコード決済を含む電子決済サービス、金融機関の電子口座等を利用して行ってもよく、それらを組み合わせて利用してもよい。サーバ装置100の制御部130は、申し込み金支払いの決済処理に関する情報(決済方法、決済金額、日付等)を、ユーザデータ格納部121に記憶させる。
【0055】
サーバ装置100の制御部130は、申し込み金の支払い(入金)を確認すると(ステップS113)、記憶部120の物件データ及びユーザデータを更新する処理を行う(ステップS114)。例えば、当該ユーザが当該物件の申し込み金の支払いを終えた段階であるという情報を、物件データ及びユーザデータのステータスとして記憶部120に記憶する。このようにして、本システム1を利用した不動産物件購入の申し込み手続きが完了する。このように、本システム1によれば、不動産物件購入の申し込み手続きを全てオンラインで(ネットワークNWを介したサーバ装置100とユーザ端末200との間での情報の授受によって)行うことができる。
【0056】
上記申し込み手続を終えた後、例えば、図7に示すように、ユーザ端末200とサーバ装置100との間で、契約書の電子署名の処理(ステップS115)、購入費用(残金)入金依頼の処理(ステップS116)、購入費用(残金)支払い決済処理(ステップS117)、入金確認処理(ステップS118)、電子キーの発行処理(ステップS119)等を行うことで、不動産物件の売買手続を完了し、当該不動産物件を物件所有者(サービス提供者)からユーザに引き渡すことができる。
【0057】
契約書の電子署名の処理(ステップS115)は、ユーザがユーザ端末200を操作して、契約書の電子署名の必要事項を入力または選択することにより実行することができる。契約書の電子署名に関する情報が、ユーザ端末200からサーバ装置100に送信され、サーバ装置100の記憶部120に記憶される。なお、この場合、例えば、入金確認ステップS113の後で、サーバ装置100が予め契約書の電子データを生成、出力し、ユーザ端末200に送信するようにしてもよい。
【0058】
購入費用(残金)入金依頼の処理(ステップS116)は、契約書の電子署名に関する情報を受信した後で、サーバ装置100からユーザ端末200に送信される。ユーザ端末200は、サーバ装置100から送信された情報を受信して、購入費用(残金)入金依頼を示す画面を表示する。
【0059】
購入費用(残金)支払い(ステップS117)は、ユーザがユーザ端末200を操作して、例えば上記申し込み金の支払いと同様の方法で、購入費用(残金)支払いを指示することにより実行される。サーバ装置100は、当該決済に関する情報をユーザデータ格納部121に記憶させる。
【0060】
サーバ装置100は、入金確認処理(ステップ118)を行い、入金されたことが確認された後、記憶部120を参照して電子キーの情報を発行し、ユーザ端末200に送信する。ユーザは、例えばユーザ端末200が受信した当該電子キーを利用して、不動産物件のドアを開錠することが可能となる。
【0061】
なお、上記実施形態において、ユーザは、事前に決済処理に必要な情報(支払い方法、及び支払いに必要な情報(クレジットカード情報等))をサーバ装置100に予め登録しておき、事前同意しておくことで、上記「今すぐ購入」ボタンの選択等に基づく購入要求と同時に決済を完了することもできる。すなわち、ワンクリックで購入決済を完了することができる。
【0062】
また、上記実施形態において、本システム1を利用した不動産物件購入の申し込み手続きが完了した後であっても、キャンセル可能な構成としてもよい。その場合、例えば、ユーザ端末200の画面等において、ユーザが選択可能な「キャセンルする」ボタンを表示させるようにしてもよい。ユーザが当該「キャセンルする」ボタンを選択すると、ユーザ端末200からサーバ装置100にキャンセル要求が送信される。サーバ装置100の売買処理部135は、購入手続のキャンセル処理を実行する。
【0063】
また、上記実施形態において、各種費用の決済は、一括で処理する場合に限らず、複数回に分割して処理されてもよい。
【0064】
以下に、本実施形態のシステム1を利用して上記物件を購入したユーザ(オーナー)が、当該物件を他者に貸し出し可能とする貸出可能期間をサーバ装置100に記憶させる(登録する)際の処理の流れについて説明する。
【0065】
図11に示すように、まず、ユーザがユーザ端末200を操作してサーバ装置100にアクセスし、適宜ログイン操作を実行すると、ステップS201の処理として、サーバ装置100の制御部130のリレント処理部136は、リレントデータ管理部134を参照しつつ、貸出可能期間入力画面を生成し、出力する。サーバ装置100のリレント処理部136は、当該物件リストのデータを、通信部110を介してユーザ端末200に送信する。ユーザ端末200は、当該物件リストのデータを、通信部210を介して受信して、表示操作部220に表示(ブラウジング)させる(ステップS202)。
【0066】
図12は、ユーザ端末200の表示操作部220に表示される画面(貸出可能期間入力画面)の一例である。図12の画面例において、ユーザが所有する物件が複数ある場合には、貸し出す物件を選択することができる。また、それぞれの物件ごとに貸出可能期間(日程)を選択することができる。図12の画面例では、カレンダー形式で日付が表示されており、ユーザは、ユーザ端末200を操作して、当該物件を貸し出し可能な日を1日単位で選択することができる。なお、図12の例では、物件を貸し出し可能な日をユーザが選択し、貸出可能期間が表示される構成であるが、これに限られず、ユーザ(オーナー)が物件を貸し出し不可能な期間を選択し、貸出不可能期間が表示される構成であってもよい。その場合、ユーザ(オーナー)が選択した「貸し出し不可能な日」以外の日を「貸し出し可能な日」と判断し、その後のサーバ側での処理を実行することができる。また、リレント処理部136が空室プランを生成したり、出力したりするタイミング等の条件は、サーバ側又はユーザ側で任意に設定することができる。例えば、貸し出し可能な日の所定期間前のタイミングで、空室プランを生成したり、出力したりするようにしてもよい。具体的には例えば、貸し出し可能な日の3ヶ月前の日になったことを条件として、リレント処理部136が自動的に宿泊施設等として販売される空室プランを生成するようにしてもよい。また、貸出可能期間(もしくは貸出不可能期間)の選択は、0日でも、1日のみでもよいし、複数の日を連続で、もしくは断続的に選択することも可能である。図12の画面例では、8月9日から8月23日までの15日間、及び8月29日から8月31日までの3日間の合計23日間が貸出可能期間として選択されており、貸出可能期間の日付が枠表示で囲まれている。なお、貸出可能期間(もしくは貸出不可能期間)入力画面は必ずしもカレンダー形式である必要はなく、貸出可能期間を入力または選択できれば任意の表示形式を採用することができる。また、貸出可能期間を入力または選択する際の単位は「1日」に限られず、「時間」単位、「分」単位、「月」単位、「年」単位等であってもよい。
【0067】
ユーザが、ユーザ端末200を操作して、当該物件を貸し出し可能な貸出可能期間を選択すると、ユーザ端末200はサーバ装置100に当該貸出可能期間についての情報を送信する(ステップS203)。サーバ装置100のリレント処理部136は、サーバ装置100のリレント処理部136は、記憶部120の物件データ格納部122等を参照し、当該貸出可能期間に応じて、物件の貸し出しに伴いユーザに支払われる対価の金額(収益額)を算出して、当該収益額の情報をユーザ端末200に送信する(ステップS204)。ユーザ端末200は、サーバ装置100から受信した収益額を表示操作部220に表示する。ユーザは、ユーザ端末200に表示される収益額を参考にしながら貸出可能期間を検討することができる。
【0068】
ユーザが、ユーザ端末200を操作して、図12の画面例の「貸し出す」ボタンP9を選択すると、ユーザ端末200は、サーバ装置100に貸出要求(貸出可能期間登録要求)を送信する(ステップS205)。サーバ装置100のリレント処理部136は、貸出要求を受信すると、当該貸出要求ごとに貸出要求IDを付与し、リレントデータ格納部123に貸出要求に関する情報を記憶させる(ステップS206)。これにより、当該物件の貸出要求に関する情報をサーバ装置100に登録することができる。
【0069】
サーバ装置100のリレント処理部136は、ユーザに対して、貸出可能期間に応じた上記収益額の支払いの決済処理を行い、決済処理に関する情報をユーザ端末200に送信する(ステップS207)。ユーザ端末200は、当該入金情報を受信すると、ユーザ端末200の表示操作部220に表示させることができ、ユーザは入金されたことを確認することができる(ステップS208)。サービス提供者(サーバ装置100)からユーザ(ユーザ端末200)への支払いの決済方法は特に限定されないが、例えば、金融機関の電子口座等を利用して行ってもよいし、本サービス内で使用可能なポイント等で支払うようにしてもよいし、電子マネーで支払うようにしてもよい。
【0070】
ここで、本システム1にあっては、貸出可能期間に応じた収益額の入金(受取)方法を選択できるようにしてもよい。例えば、ユーザが、ユーザ端末200を操作して、図12の画面例の「入金方法選択」ボタンP7を選択すると、当該「入金方法選択」ボタンP7が選択されたことを示す情報が、ユーザ端末200からサーバ装置100に送信され、サーバ装置100は、入金方法選択画面を出力し、ユーザ端末200に送信する。ユーザ端末200は、表示操作部220に当該入金方法選択画面を表示する。ユーザは、入金方法選択画面に表示される、「ポイントで受取」、「電子マネーで受取」、「金融機関の電子口座で受取」等の選択肢の中から、希望する入金方法を選択または入力する。ユーザ端末200は、希望する入金方法についての情報を、サーバ装置100に送信する。サーバ装置100は、当該希望する入金方法で、入金処理を行う。また、サーバ装置100は、入金方法に関する情報を記憶部120に記憶することができる。
【0071】
また、本システム1にあっては、当該物件を他者に貸し出す際の用途(貸出用途)を、ユーザが指定できるようにしてもよい。例えば、ユーザが、ユーザ端末200を操作して、図12の画面例の「用途選択」ボタンP8を選択すると、ユーザ端末200からサーバ装置100に貸出用途選択画面要求が送信され、サーバ装置100は、当該要求に基づいて、図13の画面例に示すような貸出用途選択画面を生成、出力し、ユーザ端末200に送信する。ユーザ端末200は、表示操作部220に、図13の画面例のような貸出用途選択画面を表示する。ユーザは、貸出可能期間ごとに「宿泊利用」、「イベント利用」、「オフィスワーク利用」、「用途制限なし」等の複数の選択肢から用途を選択することができる。
【0072】
このように、用途選択機能を設けた場合には、当該物件を所有しているユーザにとって好ましくない用途には、当該物件を貸し出さないようにすることができる。また、収益額が高い用途を選択することで、リレントによる収益を高めることができる。
【0073】
また、本システム1にあっては、貸出用途をサーバ装置100(サービス提供者)側が決定するようにしてもよい。この場合、例えば、物件の立地条件、貸出可能期間の季節、時間条件等の種々の条件に基づいて、空室時間がより少なくなるように、または、収益額が高くなるように、等の目的に応じ、貸出用途を適宜組みあわせる等して、貸出用途を決定する。
【0074】
以下に、本実施形態のシステム1を利用して、上記貸出可能期間が登録された物件を他ユーザ(ゲスト)に貸し出す際の処理の流れについて説明する。
【0075】
図14に示すように、まず、サーバ装置100のリレント処理部136は、リレントデータ管理部134を介してリレントデータ格納部123を参照し、リレント対象物件ごとの貸出可能期間、及び、上記貸出用途等の条件に基づいて、空室プラン(空室リスト)を生成し、出力する(ステップS301)。
【0076】
ここで、本システム1を利用するために、ゲストは、ユーザ端末300のウェブブラウザまたはサービス提供者によって提供されるアプリケーション等を利用してサーバ装置100にアクセスする。なお、サービスの利用に際して、ゲストが初めてサービスを利用する場合は、前述のユーザの基本情報等を入力し、既にユーザアカウントを取得済の場合は、例えばIDとパスワードを入力する等の所定の認証を受けてログインすることで、サービスが利用可能となるようにしてもよい。その場合、この認証後にウェブサイト、アプリケーション等を介して所定のユーザインターフェースが提供されるようにしてもよい。また、サーバ装置100がゲストにログインを要求するタイミングは特に限定されず、サービスを利用する過程でログインを求めるようにしてもよい。例えば、空室プランを表示する段階まではログイン不要とし、リレントを予約/決済する段階でログインが必要となるようにしてもよい。
【0077】
ゲストがユーザ端末300を操作してサーバ装置100にアクセスすると、ステップS301で出力した空室プランを含む情報がサーバ装置100からユーザ端末300に送信される。ユーザ端末300は、当該情報を受信すると、表示操作部220に空室プランを表示(ブラウジング)させる(ステップS302)。
【0078】
ゲストは、ユーザ端末300を操作して、希望する物件の空室プランを選択する。また、ゲストは、ユーザ端末300を操作して、さらに必要に応じて、利用期間、用途、及び利用人数、性別等を入力または選択して、予約申し込み(予約要求)を送信する(ステップS303)。
【0079】
図15は、ユーザ端末200の表示操作部220に表示される画面(貸出可能期間入力画面)の一例である。図15の画面例では、カレンダー形式で日付が表示されており、ユーザが設定した貸出可能期間のうち、利用可能な期間の日付が確認できるように表示されている。図15の画面例では、貸出可能期間の全てが利用可能な期間となっており、枠で囲まれ、日付けの文字が濃く(太く)表示されている。ユーザは、ユーザ端末300を操作して、当該物件の予約を希望する日を1日単位で選択することができる。なお、ユーザが利用可能な物件が複数ある場合には、ユーザは予約を希望する物件を選択することができる。図15の画面例において、ユーザが予約を希望する日を選択すると、色付きの枠で予約希望日が囲まれて表示される。図15の画面例において、ユーザが予約を希望する日を選択して「予約申し込み」ボタンP10をタップ操作等により選択すると、ユーザ端末200からサーバ装置100に予約申し込み画面の表示要求が送信され、サーバ装置100は、当該要求に基づいて、例えば図16に示す予約要求画面の情報を生成、出力し、ユーザ端末200に送信する。ユーザ端末200は、当該情報を受信すると、表示操作部220に、図16の画面例のような予約申し込み画面を表示する。ユーザは、当該物件を利用する際の「利用物件名」、「利用期間」、「用途」、「人数」等を入力または選択することができる。
【0080】
サーバ装置100は、ユーザ端末200から予約申し込みに関する情報を受信すると、リレントデータ管理部134を介してリレントデータ格納部を参照し、当該予約が可能か否かを確認する(ステップS304)。例えば、予約申し込みに含まれる情報と、当該物件の貸出条件とを比較したり、予約情報を参照して既に他の予約がなされているかを確認したりすることで、予約可能か否かを判断する。サーバ装置100のリレント処理部136は、上記確認結果が予約可能である場合には予約を確定し、リレントデータ格納部123の予約情報を更新する。例えば、当該予約に係る期間の物件のステータスを予約済みとして、他者からの当該期間における当該物件の予約を停止することで、物件の確保をすることができる(ステップS305)。
【0081】
上記予約申し込みをしたユーザは、当該予約申込の時または予約申込の後に、例えばユーザ端末300の操作等により、利用料金の支払いの決済処理を行い、決済処理に関する情報をサーバ装置100に送信する(ステップS306)。サービス提供者は、サーバ装置100が受信した情報に基づき、入金されたことを確認することができる(ステップS307)。決済の方法は特に限定されないが、例えば、金融機関の電子口座等を利用して行ってもよいし、本サービス内で使用可能なポイント等で支払うようにしてもよいし、電子マネーで支払うようにしてもよい。なお、サーバ装置100は、他の予約サイト等に上記空室プランの情報を送信して、当該物件の利用を募集してもよい。
【0082】
このように、本実施形態のシステム1にあっては、不動産物件の情報を管理する管理サーバとしてのサーバ装置100と、ユーザ端末200とが、ネットワークNWを介して接続され、サーバ装置100は、ユーザ端末200からの購入要求に基づき、ユーザによる不動産物件の購入手続に伴う情報の処理を実行する売買処理部135と、ユーザ端末200からの貸出要求に基づき、ユーザが購入した不動産物件の他者への貸し出しに関する情報の処理を実行するリレント処理部136と、を備える。
【0083】
このように、本実施形態のシステム1によれば、例えばユーザが出張等で不在となり、当該ユーザが所有する物件を使用しない期間であっても、他者に貸し出し可能とすることで、物件を有効に活用することができる。
【0084】
また、本実施形態のシステム1にあっては、不動産物件の購入と、購入した不動産物件の一時的な貸出とを、共通のシステムを利用して行うことができるので、例えば、不動産物件の購入時と貸出時の情報管理がそれぞれ別々のシステムで行われる場合に比べて、ユーザの操作負担、手続負担が各段に軽減される。また、不動産物件を購入したユーザは、不在となる期間に他者に貸し出すことで、対価としての収益を得ることができる。また、サービス運営者は、不動産物件のユーザへの販売に伴う利益だけではなく、当該不動産の他者への貸し出しに伴う利益を得ることもできる。なお、上記収益額は、サービス運営者が他者に貸し出す際に受け取る利用料金(賃貸費用)よりも基本的に小さい金額となっており、その差額がサービス運営者の利益となる。
【0085】
また、本実施形態のシステム1にあっては、不動産物件の購入から、購入した不動産物件の貸出までを全てオンラインで行うことができる。したがって、不動産物件の購入に伴う各種手続、及び、当該不動産物の貸し出しに伴う各種手続の際に、サービス運営者やゲスト(他ユーザ)等と直接対面する必要がなく、手続に係る手間を大幅に削減することができる。
【0086】
また、本実施形態のシステム1において、貸出要求は、不動産物件の他者への貸し出しを可能とする貸出可能期間に関する情報を含む。このような構成により、不動産物件を所有するユーザが、当該不動産物件を他者に貸し出したくない日は、貸し出されないようにすることができる。
【0087】
また、本実施形態のシステム1において、リレント処理部136は、不動産物件の貸し出しに伴いユーザに支払われる対価の金額を、貸出可能期間に基づいて算出する。このような構成により、ユーザは、対価の金額を把握し易くなり、貸出可能期間の決定もし易くなる。
【0088】
また、本実施形態のシステム1において、リレント処理部136は、貸出可能期間における前記不動産物件の貸出利用の有無に関わらず、貸出要求を受け付けた時に対価の金額をユーザに支払う決済処理を行う。このような構成により、ユーザが、対価の金額の調整と、対価を得るタイミングの調整とを容易に行うことができる。
【0089】
また、本実施形態のシステム1において、貸出要求は、不動産物件の貸出用途に関する情報を含む。このような構成により、ユーザが、所望の用途にのみ、不動産物件を貸し出すことができるので、ユーザにとっての利便性が高まる。
【0090】
また、本実施形態のシステム1において、リレント処理部は、貸出要求に基づいて、不動産物件の複数の貸出用途を含む空室プランを生成する。このような構成により、貸出用途が1つのみである場合に比べて、幅広い範囲の利用者を募集することができ、不動産物件のより有効な活用が可能となる。
【0091】
なお、本実施形態のシステム1においては、不動産物件をユーザに販売する際、不動産物件の所有に関する時間的な期限を設けてもよい。つまり、本実施形態のシステム1においては、不動産物件を所定の期間だけ所有する権利をユーザに販売するようにしてもよい。また、不動産物件と共に、上記リレントサービスを利用するためのアプリケーションを含む物件管理システムのソフトウェアをユーザに販売するようにしてもよく、当該のアプリケーションやソフトウェアの利用にも時間的な期限を設けてもよい。
【0092】
以上のように、本実施形態によれば、不動産物件の有効な活用を可能とする新規の物件管理システム、及び物件管理方法を提供することことができる。
【0093】
以上、開示に係る実施形態について説明したが、これらはその他の様々な形態で実施することが可能であり、種々の省略、置換および変更を行なって実施することが出来る。これらの実施形態および変形例ならびに省略、置換および変更を行なったものは、請求の範囲の技術的範囲とその均等の範囲に含まれる。また、図7、11、14の処理は、本実施形態のシステムによる処理の一例を示したものであり、本願発明を限定する意図ではない。図7、11、14の処理に含まれる各ステップ(工程)は、図中に示される順序と異なる順序で実行するようにしてもよいし、一部の処理を並列に実行するよういしてもよいし、一部の工程を省略するようにしてもよいし、他の工程を追加してもよい。
【0094】
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
[項目1]
不動産物件の情報を管理する管理サーバと、ユーザ端末とが、ネットワークを介して接続され、
前記管理サーバは、
前記ユーザ端末からの購入要求に基づき、ユーザによる前記不動産物件の購入手続に伴う情報の処理を実行する売買処理部と、
前記ユーザ端末からの貸出要求に基づき、前記ユーザが購入した前記不動産物件の他者への貸し出しに関する情報の処理を実行するリレント処理部と、を備えることを特徴とする物件管理システム。
[項目2]
前記貸出要求は、前記不動産物件の他者への貸し出しを可能とする貸出可能期間に関する情報を含む、項目1に記載の物件管理システム。
[項目3]
前記リレント処理部は、前記不動産物件の貸し出しに伴い前記ユーザに支払われる対価の金額を、前記貸出可能期間に基づいて算出する、項目2に記載の物件管理システム。
[項目4]
前記リレント処理部は、前記貸出可能期間における前記不動産物件の貸出利用の有無に関わらず、前記貸出要求を受け付けた時に前記対価の金額を前記ユーザに支払う決済処理を行う、項目3に記載の物件管理システム。
[項目5]
前記貸出要求は、前記不動産物件の貸出用途に関する情報を含む、項目1~4の何れか一項に記載の物件管理システム。
[項目6]
前記リレント処理部は、前記貸出要求に基づいて、前記不動産物件の複数の貸出用途を含む空室プランを生成する、請求項1~5の何れか一項に記載の物件管理システム。
[項目7]
不動産物件の情報を管理する管理サーバと、ユーザ端末とが、ネットワークを介して接続され、
前記管理サーバが、
前記ユーザ端末からの購入要求に基づき、ユーザによる前記不動産物件の購入手続に伴う情報の処理を実行する売買処理ステップと、
前記ユーザ端末からの貸出要求に基づき、前記ユーザが購入した前記不動産物件の他者への貸し出しに関する情報の処理を実行するリレント処理ステップと、を含むことを特徴とする物件管理方法。
【符号の説明】
【0095】
1:物件管理システム
100:サーバ装置(管理サーバ)
110:通信部
120:記憶部
130:制御部
200:ユーザ端末
NW:ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16