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  • 特開-針組立体、及びそれを備える針装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023105260
(43)【公開日】2023-07-28
(54)【発明の名称】針組立体、及びそれを備える針装置
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/32 20060101AFI20230721BHJP
【FI】
A61M5/32 510F
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023095966
(22)【出願日】2023-06-12
(62)【分割の表示】P 2021084030の分割
【原出願日】2016-12-02
(71)【出願人】
【識別番号】000135036
【氏名又は名称】ニプロ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】阪本 慎吾
(72)【発明者】
【氏名】三野 あすみ
(57)【要約】
【課題】 プロテクタの小型化を図ることができる針組立体を提供する。
【解決手段】 針組立体は、針先を有している針と、針ハブと、プロテクタとを備え、プロテクタは、針が露出する非保護位置と針を覆って針先を保護される保護位置との間で相対変位可能に針ハブに設けられ一方、針に合せて長尺に形成される開口が形成され、プロテクタを非保護位置から保護位置に相対変位させることによって開口から中に針が入れられて針先を覆うプロテクタ本体と、プロテクタを非保護位置から保護位置に相対変位させる際に針によって撓まされて針がプロテクタ本体内に進むことを許容し、且つ針がプロテクタ本体内に入ると弾性復帰して針を係止してプロテクタ本体内から針が離脱することを阻止するように、プロテクタ本体に設けられている爪状部とを有し、爪状部は、プロテクタ本体から斜めに突出し、開口を横切るように開口の幅方向に延び且つ開口の長手方向に延びている。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺に形成され、先端に鋭利な針先を有している針と、
前記針の基端部に設けられている針ハブと、
前記針が露出する非保護位置と前記針を覆って前記針先を保護する保護位置との間で相対変位可能に前記針ハブに設けられているプロテクタとを備え、
前記プロテクタは、
前記針に合せて長尺に形成される開口が形成され、前記プロテクタを前記非保護位置から前記保護位置に相対変位させることによって前記開口から中に前記針が入れられて前記針先を覆うプロテクタ本体と、
前記プロテクタを前記非保護位置から前記保護位置に相対変位させる際に前記針によって撓まされて前記針が前記プロテクタ本体内に進むことを許容し、且つ前記針が前記プロテクタ本体内に入ると弾性復帰して前記針を係止して前記プロテクタ本体内から前記針が離脱することを阻止するように、前記プロテクタ本体に設けられている爪状部とを有し、
前記爪状部は、前記開口を横切って前記開口の幅方向に延び且つ前記開口の長手方向に延びるように前記プロテクタ本体から斜めに突出している、針組立体。
【請求項2】
前記爪状部は、前記開口の幅方向及び長手方向に直交する方向である前記プロテクタの奥行方向にも延在している、請求項1に記載の針組立体。
【請求項3】
前記爪状部は、前記保護位置において前記針の基端から前記針先に向かう長手方向一方に向かって延在している、請求項1又は2に記載の針組立体。
【請求項4】
前記プロテクタ本体を前記針ハブに回動可能に取り付けるヒンジ部を備え、
前記ヒンジ部は、前記プロテクタ本体を回動させることによって前記プロテクタを前記非保護位置から前記保護位置に相対変位させるように構成され、
前記プロテクタ本体は、前記開口の反対側に背面部を有するように前記長手方向に垂直な面で切断してU字状に形成され、且つ前記開口から入る前記針先を中に収容する針先収容部分を先端側に有し、
前記背面部は、前記針先収容部分に対応する領域において平滑に形成されている、請求項1乃至3の何れか1つに記載の針組立体。
【請求項5】
前記プロテクタ本体は、前記開口から入る前記針先を中に収容可能な針先収容部分と、前記針先収容部分に比べて前記幅方向に広く且つ前記開口から入る前記針ハブを中に収容可能なハブ収容部と、前記針先収容部分と前記ハブ収容部との間に配置され且つ前記針を案内して前記針先を前記針先収容部分内に案内するガイド部分とを有し、
前記ガイド部分は、その幅方向両側の内面に幅方向内側に夫々突出する一対のガイドを有し、
前記一対のガイドは、前記幅方向内側に進むにつれて前記針収容部内に向かって傾斜し、
前記一対のガイドは、前記プロテクタを前記保護位置まで相対変位させた際に前記一対のガイドの間に前記針ハブの先端部分が入るようになっている、請求項1乃至4の何れか1つに記載の針組立体。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れか1つに記載の針組立体と、
液体を収容可能に構成され、中が前記針と連通するように前記針ハブに取り付けられる液体移送具とを備える、針装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用後に針先を保護可能に構成されている針組立体、及びそれを備える針装置に関する。
【背景技術】
【0002】
輸液及び採血する際には針組立体が使用され、針組立体の一例として、例えば特許文献1のような安全針アッセンブリが知られている。特許文献1の安全針アッセンブリでは、カニューレが固定されるハブにカラーが装着され、更にカラーにシースが回動可能に取り付けられている。シースは、カニューレに向かって回動させることができ、回動させることによってシース内の溝部にカニューレが入ってカニューレの針先が保護されるようになっている。また、シースには、溝部の一部を塞ぐように係止突起が設けられており、カニューレは、係止突起を屈曲させて溝部に入れるようになっている。他方、係止突起は、カニューレが溝部に進入するとカニューレを係止し、カニューレを溝部から外方に戻らせないようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2016/002389号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の安全針アッセンブリでは、前述の通り、カニューレを溝部に入れる際、係止突起を屈曲させる必要がある。係止突起は、屈曲させる際、てこの原理を利用している。即ち、係止突起における支点(係止突起の基端)から力点(係止突起とカニューレとの当接位置)まで距離を調整することによって、屈曲のしやすさを調節している。それ故、屈曲をしやすくするためには支点と力点との距離がある程度必要である。そうすると係止突起が長くなり、溝部の幅が広くする必要がある。その結果、シースの外形寸法が大きくなる。このようにシースの外形寸法が大きくなると、安全針アッセンブリを廃棄する際にかさばることになる。それ故、針組立体では、シースに対応するプロテクタの外形寸法を小さくすることが要求されている。
【0005】
そこで本発明は、プロテクタの小型化を図ることができる針組立体、及びそれを備える針装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の針組立体は、長尺に形成され、先端に鋭利な針先を有している針と、前記針の基端部に設けられている針ハブと、前記針が露出する非保護位置と前記針を覆って前記針先を保護する保護位置との間で相対変位可能に前記針ハブに設けられているプロテクタとを備え、前記プロテクタは、前記針に合せて長尺に形成される開口が形成され、前記プロテクタを前記非保護位置から前記保護位置に相対変位させることによって前記開口から中に前記針が入れられて前記針先を覆うプロテクタ本体と、前記プロテクタを前記非保護位置から前記保護位置に相対変位させる際に前記針によって撓まされて前記針が前記プロテクタ本体内に進むことを許容し、且つ前記針が前記プロテクタ本体内に入ると弾性復帰して前記針を係止して前記プロテクタ本体内から前記針が離脱することを阻止するように、前記プロテクタ本体に設けられている爪状部とを有し、前記爪状部は、前記開口を横切って前記開口の幅方向に延び且つ前記開口の長手方向に延びるように前記プロテクタ本体から斜めに突出しているものである。
【0007】
本発明に従えば、針が爪状部に当たる部分を長手方向一方及び他方の何れかにずらすことができる。これにより、長手方向に延在していない爪状部に比べて、撓む際の起点(例えば、爪状部の基端)から爪状部と針との当接箇所までの距離を、爪状部の幅方向の長さを大きくせずとも確保することができる。それ故、開口の幅を狭くすることが可能になり、プロテクタ本体の小形化を図ることができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、プロテクタの小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の針装置を側方から見た正面図である。
図2図1の針装置に備わる針組立体を拡大してみた正面図である。
図3図2の針組立体を切断線III-IIIで切断してみた拡大断面図である。
図4図2の針組立体を切断線IV-IVで切断してみた拡大断面図である。
図5図1の針装置であって、針装置の使用時における使用状態を示す図である。
図6図1の針装置であって、針先を保護位置まで移動させる途中の状態を示す図である。
図7図1の針装置であって、針先が保護されている保護状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係る実施形態の針組立体1、及びそれを備える針装置2について図面を参照して説明する。以下では、針装置2を使用する使用者(即ち、施術者)に対して針組立体1及び針装置2の先端側を遠位側とし、針組立体1及び針装置2の基端側を近位側と称している。なお、以下の説明で用いる方向の概念は、説明する上で便宜上使用するものであって、発明の構成の向き等をその方向に限定するものではない。また、以下に説明する針組立体1及び針装置2は、本発明の一実施形態に過ぎない。従って、本発明は実施形態に限定されず、発明の趣旨を逸脱しない範囲で追加、削除、変更が可能である。
【0011】
[針装置]
図1に示す実施形態の針装置2は、主に患者に輸液(例えば、薬液及び栄養剤)を投与したり、患者から血液等を採取したりする際に用いられる。針装置2は、予め定められる軸線L1に沿って形成されており、軸線L1に沿う針軸方向に延びている。針装置2は、いわゆるシリンジ付き針組立体であり、シリンジ3と、図2に示すような針組立体1とを備えている。
【0012】
液体移送具の一例であるシリンジ3は、輸液や血液等を溜めておく器具であり、シリンダ11と、プランジャ12とを有している。シリンダ11は、大略円筒状に形成されており、針軸方向に延在している。シリンダ11は、その遠位側に入出部13(図3参照)を有しており、入出部13は、シリンダ11の残余の部分に比べて小径に形成されている。また、入出部13は、大略円錐台状に形成されており、その外周部が遠位側に向かって先細るテーパ状に形成されている。このように構成されている入出部13は、遠位側に開口を有しており、この開口によってシリンジ3内が外側と繋がっている。また、シリンダ11内の輸液を開口から注出させたり、また開口からシリンダ11内に血液等を注入させたりできるようになっている。また、シリンダ11は、その近位側に開口を有しており、この開口からシリンダ11内にプランジャ12が挿入されている。プランジャ12は、その遠位側部分の外周面にガスケット(図示せず)を有しており、このガスケットが針軸方向に摺動可能にシリンダ11に嵌合している。また、プランジャ12は、その近位側がシリンダ11から突出しており、使用者がその近位側端部を把持して押し引きできるようになっている。
【0013】
このように構成さているシリンジ3は、プランジャ12を遠位側に押すことでシリンダ11内の輸液を入出部13の開口から送出させることができ、またプランジャ12を引くことで入出部13からシリンダ11内に血液等を引き込むことができるようになっている。更に、シリンジ3は、針組立体1を取付け可能に構成されており、針組立体1を介して入出部13から押し出される輸液を患者の血管に投与したり、また針組立体1を介して患者の血液を採取したりするようになっている。以下では、シリンジ3に針組立体1を取り付けるべく、シリンジ3の構成について詳しく説明する。
【0014】
シリンジ3のシリンダ11は、その近位側であって入出部13の周りに取付部14を有している。取付部14は、大略円筒状であって、シリンダ11の入出部13と残余部との間にあるテーパ部11aに形成されている。また、取付部14は、入出部13の近位側部分を半径方向外側から周方向全周にわたって外囲し、且つ入出部13との間に間隔をあけて配置されている。なお、入出部13は、取付部14より長尺に形成されており、その遠位端部分が取付部14から遠位側に突出している。更に、取付部14の内周面には、雌ねじが形成されており、そこに針組立体1が螺合されている。
【0015】
<針組立体>
針組立体1は、針21と、プロテクタ22とを備えており、患者の皮膚や血管等に針21を穿刺して、針21を介して輸液を投与したり血液等を採取したりするために用いられる。また、針組立体1は、使用後において針21にプロテクタ22を被せることによって針21を保護させ、使用者、患者、及び廃棄物処理者等に血液等が付着する針が刺さったり触れたりすることを抑制することができる。このような機能を有する針組立体1は、前述の通り針21及びプロテクタ22を備えると共に、針ハブ23を備えている。
【0016】
[針ハブ及び針]
図2及び図3に示す針ハブ23は、合成樹脂から成る大略円筒状の部材である。針ハブ23は、近位側に大径部25を有し、近位側に小径部26を有している。大径部25は、小径部26に比べて大径に形成されており、その中にシリンダ11の入出部13を嵌合できるようになっている。また、大径部25は、取付部14内に挿入可能に構成され、また大径部25の外周面には、その近位端に一対の突起片25a,25aが形成されている。突起片25aは、外周面において周方向に等間隔(即ち、約180度の間隔)をあけて配置されており、半径方向外方に突出している。この突起片25aは、大径部25に入出部13を挿入している状態で取付部14の内周面にある雌ねじに螺合することができ、一対の突起片25a,25aによって大径部25がシリンジ3の遠位端部に取り付けられている。また、大径部25の遠位側部分には、小径部26が一体的に設けられている。
【0017】
小径部26は、大略円筒状に形成されており、その外周面には、4つのリブ26aが一体的に形成されている。4つのリブ26aは、半径方向に突出し且つ針軸方向に延在している板状の部分であり、周方向に等間隔(即ち、約90度の間隔)をあけて配置されている。また、小径部26は、大径部25内と繋がる内孔23bを有しており、内孔23bに針21が嵌合されて固定されている。
【0018】
針21は、例えば金属材料又は硬質の合成樹脂から成る大略円筒状の中空針であり、針ハブ23から軸線L1に沿って真直ぐに延びている。針21は、その遠位側部分を針ハブ23に挿入させて針ハブ23に接着剤等によって固定されており、残余の部分が針ハブ23から針軸方向一方に突出している。また、針21は、近位端部に鋭利な針先21aを有しており、針先21aは、患者の皮膚及び血管を穿刺可能に鋭利に形成されている。更に、針ハブ23には、穿刺して抜いた後、即ち使用後において針先21aを保護すべく、プロテクタ22が設けられている。
【0019】
[プロテクタ]
プロテクタ22は、針21に対して相対変位可能に構成されており、針21に向かわせるように相対変位させて針21にプロテクタ22を被せることによって針21の針先21aが保護されるようになっている。このような機能を有するプロテクタ22は、プロテクタ本体31と、一対のガイドリブ33L,33Rと、爪状部34と、を有している。プロテクタ本体31は、針21より長尺の部材であり、その長手方向に直交する面で切断した断面が図4に示すように大略U字状に形成されている。即ち、プロテクタ本体31は、一対の側壁31l,31r、背面部31c、及び天井部31dを有している。一対の側壁31l,31rは、針21より長尺に形成されており、長手方向に直交するに幅方向両側に互いに対向するように配置されている。また、一対の側壁31l,31rの間には、長手方向及び幅方向に夫々直交する奥行方向一方側、即ち奥側を塞ぐように背面部31cが設けられており、また長手方向一方側全体を塞ぐように天井部31dが設けられている。
【0020】
このように構成されているプロテクタ本体31は、奥行方向他方側、即ち手前側及び長手方向他方側の二方向において開口しており、奥行方向他方側(即ち、背面部31cの反対側)にある開口31eは、針21及び針ハブ23の形状に合わせて形成されている。なお、開口31eは、針21及び針ハブ23の形状に完全に合わせられている必要はなく、開口31eの幅は、針21及び針ハブ23の直径より大きくてもよい。また、長手方向他方側にある開口は、そこに針ハブ23を配置できるように形成されている。即ち、プロテクタ本体31は、プロテクタ22を相対変位させることで開口31eからプロテクタ本体31内に針21及び針ハブ23を入れることができ、プロテクタ本体31内に入れた際に長手方向他方側にある開口に針ハブ23が配置されるようになっている。また、プロテクタ22を針21に対して相対変位させるべく、プロテクタ本体31と針ハブ23とには、ヒンジ部24が架け渡されている。
【0021】
ヒンジ部24は、板状に形成されており、半径方向外方に突出するように針ハブ23の大径部25に一体的に設けられている。また、ヒンジ部24の先端は、背面部31cの長手方向他端部に設けられている。これにより、ヒンジ部24は、針ハブ23の大径部25とプロテクタ本体31とに架け渡すように設けられている。更に、ヒンジ部24は、その中間部分24aで折り返すことができる一方、所定角α(例えば120度以上)まで開くことができるようになっている。これにより、プロテクタ本体31は、中間部分24a付近を中心にしてプロテクタ本体31の幅方向に延びる回転軸L2周りに回動することができる。このように回動可能に構成されることによって、プロテクタ本体31(即ち、プロテクタ22)は、ヒンジ部24が開いている使用位置(図5参照)から針21に向かうように相対変位し、ヒンジ部24が閉じている保護位置(図7参照)まで達することができるようになっている。なお、非保護位置の一例である使用位置は、穿刺作業の際に針先21aを露出させるべくプロテクタ本体31が配置される位置であり、使用位置では、プロテクタ本体31の長手方向一方側の部分が針軸方向他方側に向けられてプロテクタ本体31が針21から遠ざけられている。また、保護位置とは、穿刺作業後に針先21aを保護すべくプロテクタ本体31が配置される位置であって、保護位置では、プロテクタ本体31が針21に覆い被さっている。従って、プロテクタ本体31は、穿刺作業時に針先21aをそこから露出させ、また穿刺作業が終了した後に針21に被せられて針先21aを保護するようになっている。
【0022】
このように構成されているプロテクタ本体31は、図2に示すように、針先21aだけでなく針ハブ23もまたその中に収容可能に構成されている。即ち、プロテクタ本体31は、前述の通り針21及び針ハブ23の形状に合わせるようにして形成されており、長手方向一方側の部分(即ち、針先収容部分31f)に比べて長手方向他方側の部分(即ちハブ収容部分31g)の方が幅広に形成されている。針先収容部分31fとハブ収容部分3
1gとの間には、ガイド部分31hが形成されており、ガイド部分31hは、長手方向一方に進むにつれて幅が狭くなっている。このように形成されるガイド部分31hには、その一対の側壁31l,31rの内側面にガイドリブ33L,33がR夫々設けられている。
【0023】
一対のガイドリブ33L,33Rは、一対の側壁31l,31rに夫々設けられており、各側壁31l,31rから半径方向内方に突出するように設けられている。また、一対のガイドリブ33L,33Rは、互いに幅方向に一定の距離xをあけた状態で奥行方向一方且つ長手方向一方に向かって斜めに延在しており、その間に挿入溝35が形成されている。挿入溝35は、奥行方向一方且つ軸線方向一方に斜めに延在しており、正面視でプロテクタ本体31の中心線に沿うように延びている。針先収容部分31fもまた、この中心線に沿って延在しており、挿入溝35と針先収容部分31f内とが真直ぐに繋がっている。これにより、プロテクタ本体31を保護位置まで回動させた際に針21は、挿入溝35及び針先収容部分31f内に収容されるようになっている。また、一対のガイドリブ33L,33Rは、奥行方向他方側、即ち手前側にガイド面33l,33rを形成している。ガイド面33l,33rは、正面視で大略三角形状に形成されており、長手方向他方側の端縁が幅方向内側に進むにつれて長手方向一方側に傾斜している。これより、一対のガイドリブ33L,33Rの長手方向他端側部分の間を幅広に形成し、それらの間に針ハブ23の遠位端部分を収めることができる。それ故、プロテクタ本体31の長さを従来技術のものより短くすることができる。また、ガイド面33l、33rは、幅方向内側に進むにつれて奥行方向一方側、即ち奥側に向かって傾斜している。それ故、針21をガイド面33l,33rに押し付けることによって、針21を挿入溝35の方へと案内するようになっている。このように構成されている一対のガイドリブ33L,33Rのうちの一方、本実施形態において一方のガイドリブ33Rには、爪状部34が設けられている。
【0024】
爪状部34は、短冊状の板であり、一方のガイドリブ33Rに一体的に設けられている。より詳細に説明すると、爪状部34は、一方のガイドリブ33Rのガイド面33rを延長するように、一方のガイドリブ33Rから他方のガイドリブ33Lに向かって(つまり、幅方向内側に向かって)突出している。これにより、爪状部34は、正面視で挿入溝35に幅方向に横切るように配置されている。それ故、プロテクタ本体31を相対回動させて針21を収容する際の針21の軌道上に爪状部34が配置され、針21が爪状部34に当接するようになっている。また、爪状部34は、その先端を自由端とする片持ち梁のようになっており、針21によって爪状部34を押すことで、爪状部34の基端部を支点として奥側に撓むようになっている。これにより、爪状部34によって閉じられた挿入溝35を開かれて、針21を挿入溝35に入れることができる。即ち、針21がプロテクタ本体31内の保護位置に進むことが許容されている。
【0025】
また、爪状部34は、幅方向内側に進むにつれて奥側に延びるように傾斜している。これにより、奥側に傾斜していない場合に比べて爪状部34を奥側に撓ませる量を小さくすることができ、また爪状部34の手前側の面34aによって針21を挿入溝35に案内することができる。また、爪状部34は、幅方向内側に進むにつれて長方向一方側にも延びるように傾斜している。これにより、爪状部34が針21と当接する当接箇所を爪状部34の基端に対して長手方向一方側にずらすことができる。これにより、爪状部34が長手方向に延びていない場合に対して、爪状部34の基端と当接箇所とを直線的に結んだ直線距離Lを、爪状部34の幅方向の長さを大きくせずとも確保することができる。というのも、爪状部34の撓ませるのに必要な力は、基本的に支点(爪状部34の基端)と力点(当接箇所)との距離、即ち直線距離Lに応じて決まる。長手方向一方側にずらすことによって、それに応じて爪状部34の幅方向の長さを小さくしても同じ直線距離Lを確保することができる。これにより、開口31eにおける針21が挿入される部分及び挿入溝35の幅を狭く形成することができ、プロテクタ本体31の小型化を図ることができる。なお
、爪状部34の幅方向の長さを変えない場合には、爪状部34を撓ませる際の荷重を小さくすることができ、プロテクタ本体31を針21に被せる際の操作性が向上する。従って、プロテクタ本体を保護位置へ移動させやすくなる。
【0026】
また、爪状部34が幅方向内側に進むにつれて長方向一方側にも延びるように傾斜していることによって以下のような機能を有する。即ち、針21もまた可撓性を有しており、爪状部34に押し付けることによって手前側に撓むようになっている。針21の撓む量は、そこに作用する荷重及び荷重が作用する位置に応じて変わり、その位置が近位端に近い程、支点と力点の距離が短くなり撓む量が小さくなる。他方、当接箇所を針21の近位側とすることで、撓むことによって吸収される荷重が小さくなり、遠位側とする場合に比べてより荷重を効率的に爪状部34に伝えることができる。それ故、針21に対して作用する押付荷重が同じであっても当接箇所を針21の近位側とすることによって、遠位側とする場合に比べて爪状部34をより撓ませることができる。即ち、当接箇所を針21の近位側とすることによって、遠位側とする場合に比べてより小さな押付荷重で爪状部34を撓ませることができる。
【0027】
針組立体1では、爪状部34を押し開く際、爪状部34はまず基端側に針21に当接し、針21が押し込まれることによって当接箇所が先端側へと遷移していく。それ故、当接した直後に撓ませるべく最も荷重が必要となっている。針21もまた、まず爪状部34が針21の近位側に当接し、押し込むことによって当接箇所が遠位側に遷移していく。当接した直後において針21から爪状部34に荷重を効率的に伝えることができる。即ち、爪状部34が幅方向内側に進むにつれて長方向一方側にも延びるように傾斜していることによって、当接した直後における当接箇所を針21の近位側に寄せることができ、当接した直後において針21から爪状部34に荷重を効率的に伝えることができる。これにより、爪状部34をより小さな力で撓ませて押し開くことができる。
【0028】
また、爪状部34は、板状に形成されて弾性復元力を有している。即ち、爪状部34は、押し開かれた後に針21が爪状部34より奥側に入り込む(即ち、プロテクタ本体31が保護位置まで移動する)ことによって元の位置(即ち、初期位置)に戻り、再び挿入溝35を横切るように配置される。これにより、挿入溝35内の針21は、爪状部34によって係止され、プロテクタ本体31の開口31eからの離脱が阻止される。このようにして、針21は、プロテクタ本体31に覆われ且つ針先21aが保護された状態でプロテクタ本体31内に保持されている。また、プロテクタ本体31は、針21を奥側から覆っている背面部31cによって覆っており、その背面部31cには、図3に示すような滑り止め部36が形成されている。
【0029】
滑り止め部36は、プロテクタ本体31の背面部31cであってその外側にある背面31iに形成されており、そこに使用者の親指及び人差し指等を夫々載置できるようになっている。更に詳細に説明すると、滑り止め部36は、背面31iであってハブ収容部分31g及びガイド部分31hに形成されている。滑り止め部36は、複数の突条部分36aを有しており、本実施形態では6つの突条部分36aを有している。なお、突条部分36aの数は6つに限定されず、5つ以下であってもよく、また7つ以上であってもよい。6つの突条部分36aは、背面から奥行方向に突出し且つ幅方向に延在し、長手方向に等間隔をあけて配置されている。このように構成されている滑り止め部36は、使用者の親指又は人差し指等を載置している際に複数の突条部分36aに引っかかり、プロテクタ本体31に対して使用者の親指又は人差し指等がずれないようになっている。これにより、プロテクタ本体31の滑り止め部36に使用者の親指又は人差し指等を載せ、載せた指によってプロテクタ本体31を針21の方に向かって押すことができるようになっている。このように背面31iには、その長手方向他方側に滑り止め部36が形成されている一方、長手方向一方側に滑り止め部36が形成されていない部分が存在している。この長手方向
一方側の部分には、様々な物(台やトレイ等)を押し当てられ、そのまま押すことによってプロテクタ本体31を針21の方に向かって回動させることができる。プロテクタ本体31において、背面31iの長手方向一方側、具体的には背面31iの針先収容部分31fの部分全体が平滑に形成されている。それ故、物に押し当てる際の押し当てることができる面積を従来の技術のものより広くすることができるので、その部分に種々の物を押し当てやすくなっている。それ故、プロテクタ本体31を針21に被せる際の操作性を向上させることができ、プロテクタ本体31を保護位置へ移動させやすい。また、背面31iの針先収容部分31fの部分全体が平滑に形成されているので、種々の物を押し当てる部分が広い範囲で確保されており、押し当てやすくなっている。更に、背面部31cの長手方向一方側の部分は、R面取りされており、湾曲して天井部31dに繋がっており、この部分に種々の物を押し当ててプロテクタ本体31を回動させることもできる。このように構成されるプロテクタ本体31では、背面部31cが略平坦に形成されており、奥行方向の厚みを抑えることができる。これにより、穿刺時においてプロテクタ22が穿刺作業を妨げることを抑制することができる。
【0030】
更に、一対の側壁31l,31rの長手方向他方側の端部であるフレア部分31m,31nは、図2に示すように長手方向他方側に進むにつれて互いに離れるように傾斜しており、フレア形状になっている。また、フレア部分31m,31nには、係合孔31j,31kが夫々形成されており、係合孔31j,31kは、一対の側壁31l,31rの長手方向他方側の端部を幅方向に貫通している。更に、針ハブ23の大径部25には、一対の係合孔31j,31kに対応するように一対の係合片25b,25cが形成されている。更に詳細に説明すると、一対の係合片25b、25cは、大径部25においてヒンジ部24と針軸方向における同じ位置に設けられており、ヒンジ部24の延在方向に直交する直交方向一方及び他方に大径部25から突出している。このように配置されている一対の係合片25b,25cの各々は、プロテクタ本体31を回動させるとフレア部分31m,31nに当接するようになっており、プロテクタ本体31は、一対のフレア部分31m,31nによって回動が規制されるようになっている(図6参照)。他方、一対のフレア部分31m,31nは、一対の側壁31l,31rの残余部分に対して幅方向外側に撓むように形成されている。それ故、プロテクタ本体31を更に回動させるように一対の係合片25b,25cを一対のフレア部分31m,31nに押し当てると、一対のフレア部分31m,31nが外側に押し広げられる。そうすると、それらの間に一対の係合片25b,25cが入ってプロテクタ本体31を更に回動させることができるようになる。そのまま、プロテクタ本体31を回動させて保護位置まで移動させると、各係合片25b,25cは、対応する係合孔31j,31kに嵌まり込む。これにより、プロテクタ本体31が保護位置にて保持される。
【0031】
<針組立体による針先保護>
このように構成されている針組立体1は、針ハブ23をシリンジ3に取り付けることによってシリンジ3と共に針装置2を構成し、針21を介して患者にシリンジ3内の輸液を投与したり患者から血液を採取してシリンジ3内に溜めたりすることができる。輸液の投与又は採血する際には、プロテクタ本体31が針から離すように(即ち、シリンジ3の方に向かって)折り返えされて使用位置まで相対回動させられており、プロテクタ22が穿刺作業の妨げにならないようにする(例えば、図5参照)。そして、使用者は、シリンダ11を片手で保持すると共に、保持している片手の何れかの指(例えば、親指又は人差し指)でプロテクタ本体31をシリンダ11に押さえ付け、プロテクタ本体31が針21の方に向かわないようにする。針装置2は、このような使用状態にしてから患者の血管等に穿刺される。穿刺した後には、目的に応じてプランジャ12を押して輸液を投与したり、プランジャ12を引いて血液を採取したりする。輸液の投与又は採血が終了すると、針先21aを血管等から抜く。
【0032】
使用者は、針21を抜くと、針先21aを保護すべくプロテクタ本体31を針21に向かって回動させる。具体的には、使用者が滑り止め部36を指で押したり、背面31iを物に押し付けたりしてプロテクタ本体31を回動させる。使用位置にあるプロテクタ本体31を針21に向かって回動させると、やがてプロテクタ本体31のフレア部分31m,31nが係合片25b,25cに当接し、プロテクタ本体31の回動が規制される(図6参照)。更に回動させ続けるべく、プロテクタ本体31を押し続けると、係合片25b,25cによって一対のフレア部分31m,31nが互いに話されるように幅方向外側に押し広げられ、やがて係合片25b,25cが一対のフレア部分31m,31nの間に入る。そうすると、プロテクタ本体31の回動の規制が解除され、プロテクタ本体31を更に回動させることができるようになる。
【0033】
プロテクタ本体31を更に回動させると、やがて針21がガイド面33l,33rの何れか(例えば、一方のガイド面33r)に当接する。更にプロテクタ本体31を回動させると、針21はガイド面33rによって挿入溝35の方に案内されながらプロテクタ本体31の奥側に進み、やがて爪状部34に当接する。なお、他方のガイド面33lに当接した場合もまた、針21は、ガイド面33lによって挿入溝35の方に案内されながらプロテクタ本体31の奥側に進み、やがて挿入溝35に達すると爪状部34に当接する。また、針21がガイド面33l,33rの何れにも当接することなく挿入溝35に直接達することもあり、その場合にはガイド面33l,33rに案内させることなく爪状部34に当接する。
【0034】
針21が爪状部34に当接した状態から更にプロテクタ本体31が押されると、爪状部34が針21に押されて奥側へと撓められる。これにより、挿入溝35が徐々に開いていき、やがて針21が通れる程度まで挿入溝35が開かれる。更に、プロテクタ本体31を保護位置まで押すことによって、針21が爪状部34の横側を通って挿入溝35の奥側に入り、針21が挿入溝35内に収容される。これにより、針21がプロテクタ本体31によって覆われ、針21の針先21aがプロテクタ本体31によって保護される。なお、本実施形態の爪状部34は、初期位置においてガイドリブ33と隙間を空けているが、その先端がガイドリブ33と接していてもよい。
【0035】
他方、針21が挿入溝35内に収容されると爪状部34が弾性復帰して初期位置に戻り、挿入溝35が爪状部34によって再び閉じられる。これにより、挿入溝35内の針21は、爪状部34によって係止され、プロテクタ本体31の開口31eからの離脱が阻止される。即ち、針21は、プロテクタ本体31に覆われ且つ針先21aが保護された状態でプロテクタ本体31内に保持される。また、プロテクタ本体31を保護位置まで回動させることによって、プロテクタ本体31の一対の係合孔31j,31kの各々に対応する係合片25b,25cが係合する(図7参照)。これにより、プロテクタ本体31が保護位置にて保持され、施術者が保護位置にあることを視覚的に判断することができる。
【0036】
このようにして針先21aがプロテクタ本体31に保護され、プロテクタ本体31が保護位置にて保持された状態で針装置2はその状態で廃棄される。これにより、汚染された針先21aが露出した状態で廃棄され、またその針先21aが使用者、患者、又は廃棄物処理者等に刺さって細菌やウイルス等に感染することを防ぐことができる。
【0037】
このように構成される針組立体1では、前述の通り、プロテクタ本体31を回動させると、まずフレア部分31m,31nが係合片25b,25cに当接し、更に押し込むことでプロテクタ本体31を保護位置まで移動させることができるようになっていてもよい。それ故、施術者が針先21aの保護の意思をもってプロテクタ本体31を保護位置まで移動させなければ、プロテクタ本体31が容易に保護位置まで移動することはない。それ故、施術者の意思によって針先21aの保護がより確実に行われる。
【0038】
また、針組立体1では、フレア部分31m,31nが係合片25b,25cに当接している状態でプロテクタ本体31を押し込むと、係合片25b,25cによってフレア部分31m,31nが押し広げられるように撓む。更にプロテクタ本体31を押し込むことによってやがてそこにフレア部分31m,31nの間に係合片25b,25cが入り、それに伴ってプロテクタ本体31を保護位置まで回動させることが可能になる。それ故、プロテクタ本体31を保護位置まで回動させる際に、フレア部分31m,31nが係合片25b,25cを乗り越える手応えを施術者に与えることができる。それ故、針先21aがプロテクタ本体31内に収容されるという感覚を施術者に与えることができ、針先21aの保護がより確実に行われる。その後、一対の係合孔31j,31kの各々に対応する係合片25b,25cが係合することによって、プロテクタ本体31が保護位置に保持されたことを前述のように視覚的だけでなく、音及び手応え等によって感じることもできる。その結果、針先21aの保護がより確実に行われる。
【0039】
なお、フレア部分31m,31nは、可撓性を有し且つ外方向に広がる形状(即ち、フレア形状)で形成されているが、必ずしもこのような形状である必要はない。例えば、一対の側壁31l,31rの長手方向他方側の端部がストレート形状であっても可撓性を有していれば、係合片25b,25cによって一対の側壁31l,31rの長手方向他方側の端部が押し広げられ、この端部が係合片25b,25cを乗り越えて保護位置へ移動させることができる。その結果、フレア部分31m,31nと同様に針先21aの保護がより確実に行われる。また、一対の側壁31l,31rの長手方向他方側の端部の形状は、前述するフレア形状に限定されず、羽根形状及びスカート形状であってもよく、係合片25b,25cによって押し広げられる形状であればよい。
【0040】
[その他の実施形態]
本実施形態の針組立体1は、シリンジ3を取り付けることによって針装置2を構成しているが、必ずしもこのような構成である必要はない。例えば、シリンジ3に代えて管ホルダを取り付けてもよい。管ホルダは、輸液や血液等を収容可能な管を取付け可能に構成され、例えば採血管ホルダ等がある。また、シリンジ3及び管ホルダは、必ずしも針ハブ23と別体である必要はなく、一体的に構成されていてもよい。
【0041】
また、本実施形態の針組立体1では、プロテクタ本体31が板状のヒンジ部24を介して針ハブ23に設けられているが、必ずしもこのような構成である必要はない。例えば、回動リングが軸線L1回りに回動可能に針ハブ23に外装され、回動リングには、回転軸L2を中心に回動可能にプロテクタ本体31が取り付けられる。これにより、プロテクタ本体31を針21に向かって回動させることができると共に、軸線L1回りにも回動させることができるようになる。また、プロテクタ本体31は、必ずしも前述のように針ハブ23と一体的に形成されている必要はなく、針ハブ23と別体で構成されていてもよい。この場合、使用後に前述する回動リングに取り付けることによってプロテクタ22が使用される。その他、プロテクタ本体31、針ハブ23、及び針21の形状は、必ずしも前述するような形状である必要はない。例えば、針21は、遠位側部分が湾曲するような屈曲針であってもよく、それに合わせてプロテクタ本体31の形状が変えられてもよい。
【0042】
更に、本実施形態の針組立体1では、爪状部34が幅方向内側に進むにつれて奥側且つ長手方向一方側に延びるように傾斜しているが、必ずしもこのような形状である必要はない。爪状部34は、例えば、幅方向内側に進むにつれて奥側且つ長手方向他方側に延びるように傾斜してもよい。これによっても、爪状部34を三次元方向に延在させることができ、二次元方向に延在させる場合に比べて直線距離Lを大きくすることができる。これにより、より小さな荷重で爪状部34を撓ませることができる。また、爪状部34は、必ずしも奥側に延在している必要はなく、幅方向及び長手方向にのみ傾斜するように延在して
いてもよい。
【符号の説明】
【0043】
1 針組立体
2 針装置
3 シリンジ(液体移送具)
21 針
21a 針先
22 プロテクタ
23 針ハブ
24 ヒンジ部
31c 背面部
31e 開口
31f 針先収容部分
31g ハブ収容部分
31h ガイド部分
31i 背面
33L,33R ガイドリブ(ガイド)
33l,33r ガイド面
34 爪状部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7