IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社豊明の特許一覧

特開2023-10527収容ボックス、及び収容ボックスの扉構造
<>
  • 特開-収容ボックス、及び収容ボックスの扉構造 図1
  • 特開-収容ボックス、及び収容ボックスの扉構造 図2
  • 特開-収容ボックス、及び収容ボックスの扉構造 図3
  • 特開-収容ボックス、及び収容ボックスの扉構造 図4
  • 特開-収容ボックス、及び収容ボックスの扉構造 図5
  • 特開-収容ボックス、及び収容ボックスの扉構造 図6
  • 特開-収容ボックス、及び収容ボックスの扉構造 図7
  • 特開-収容ボックス、及び収容ボックスの扉構造 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023010527
(43)【公開日】2023-01-20
(54)【発明の名称】収容ボックス、及び収容ボックスの扉構造
(51)【国際特許分類】
   E04H 1/04 20060101AFI20230113BHJP
   A47G 29/12 20060101ALI20230113BHJP
【FI】
E04H1/04 B
A47G29/12 D
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021204624
(22)【出願日】2021-12-16
(62)【分割の表示】P 2021114942の分割
【原出願日】2021-07-12
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-03-23
(31)【優先権主張番号】P 2021114315
(32)【優先日】2021-07-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】521305310
【氏名又は名称】株式会社豊明
(74)【代理人】
【識別番号】100120662
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 桂子
(74)【代理人】
【識別番号】100216770
【弁理士】
【氏名又は名称】三品 明生
(74)【代理人】
【識別番号】100217364
【弁理士】
【氏名又は名称】田端 豊
(72)【発明者】
【氏名】岡本 高光
【テーマコード(参考)】
3K100
【Fターム(参考)】
3K100CA13
3K100CA45
3K100CC02
3K100CD03
(57)【要約】
【課題】隣接する住宅のそれぞれからアクセスしやすい収容ボックス、及び収容ボックスの扉構造を提供する。
【解決手段】物品収容ボックス100は、第1住宅の住民が利用する第1物品収容部100aと、第2住宅の住民が利用する第2物品収容部100bとを含む。第1物品収容部100aの扉31は、ヒンジ部35を有し、当該ヒンジ部35を中心に回動して開閉される。第2物品収容部100bの扉32は、ヒンジ部36を有し、当該ヒンジ部36を中心に回動して開閉される。物品収容ボックス100は、柱部材33と、仕切り部材42とを含む。仕切り部材42は、ヒンジ部35が固定された面とは異なる面で、かつ、ヒンジ部36が固定された面とは異なる面である柱部材33の背面に固定されている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
隣接する第1住宅と第2住宅との間であって、前記第1住宅の玄関と前記第2住宅の玄関との間に配置された収容ボックスであって、
前記第1住宅の住民が利用する第1収容部と、
前記第2住宅の住民が利用する第2収容部であって、前記第1収容部よりも前記第2住宅の玄関側に配置された第2収容部と、
前記第1収容部の扉であって、当該扉の前記第2住宅の玄関側に第1ヒンジ部を有し、当該第1ヒンジ部を中心に回動して開閉される前記第1収容部の扉と、
前記第2収容部の扉であって、当該扉の前記第1住宅の玄関側に第2ヒンジ部を有し、当該第2ヒンジ部を中心に回動して開閉される前記第2収容部の扉と、を備え、
前記第1収容部と前記第2収容部との間に配置された柱部材と、
前記第1収容部と前記第2収容部とを仕切る仕切り部材とを、さらに備え、
前記第1ヒンジ部は、前記柱部材の前記第1収容部側の面に固定されており、
前記第2ヒンジ部は、前記柱部材の前記第2収容部側の面に固定されており、
前記仕切り部材は、前記第1ヒンジ部が固定された前記第1収容部側の面とは異なる面で、かつ、前記第2ヒンジ部が固定された前記第2収容部側の面とは異なる面である前記柱部材の背面に固定されている、収容ボックス。
【請求項2】
前記第1収容部の扉は、前記第1ヒンジ部が固定されている位置から正面視で前記柱部材と重なる位置まで延びる突出部を有する、請求項1に記載の収容ボックス。
【請求項3】
前記第1収容部が内部に構成される第1筐体部を、さらに備え、
前記第1収容部の扉は、前記第1筐体部のうちの当該扉側の面の少なくとも一部と重なるように配置されている、請求項1または2に記載の収容ボックス。
【請求項4】
隣接する第1住宅と第2住宅との間であって、前記第1住宅の玄関と前記第2住宅の玄関との間に配置された収容ボックスの扉構造であって、
前記第1住宅の住民が利用する第1収容部の扉と、
前記第2住宅の住民が利用する第2収容部であって、前記第1収容部よりも前記第2住宅の玄関側に配置された第2収容部の扉と、を備え、
前記第1収容部の扉は、当該扉の前記第2住宅の玄関側に第1ヒンジ部を有し、当該第1ヒンジ部を中心に回動して開閉され、
前記第2収容部の扉は、当該扉の前記第1住宅の玄関側に第2ヒンジ部を有し、当該第2ヒンジ部を中心に回動して開閉され、
前記第1収容部と前記第2収容部との間に配置された柱部材と、
前記第1収容部と前記第2収容部とを仕切る仕切り部材とを、さらに備え、
前記第1ヒンジ部は、前記柱部材の前記第1収容部側の面に固定されており、
前記第2ヒンジ部は、前記柱部材の前記第2収容部側の面に固定されており、
前記仕切り部材は、前記第1ヒンジ部が固定された前記第1収容部側の面とは異なる面で、かつ、前記第2ヒンジ部が固定された前記第2収容部側の面とは異なる面である前記柱部材の背面に固定されている、収容ボックスの扉構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収容ボックス、及び収容ボックスの扉構造に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、宅配物を一時的に収容する収容ボックスが知られている。例えば、下記の特許文献1には、集合住宅の住民が利用する宅配便受けセットが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-248742号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、上記特許文献1の宅配便受けセット(収容ボックス)は、集合住宅の共同玄関に配置されている。このため、共同玄関が1階に設置され、各住宅が2階以上に設置されている場合には、収容ボックスと共同玄関との距離が長くなってしまい、高齢の住民や、子供から手が離せない住民にとっては、収容ボックスに届いた荷物を共同玄関まで取りに行き、更に自身の住宅まで持ち運ぶことが困難な場合がある。そこで、住宅同士が隣接している場合でも、隣接する住宅のそれぞれからアクセスしやすい収容ボックス、及び収容ボックスの扉構造の提供が望まれている。
【0005】
本発明は、上記の課題を鑑み、隣接する住宅のそれぞれからアクセスしやすい収容ボックス、及び収容ボックスの扉構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、本発明の収容ボックスは、
隣接する第1住宅と第2住宅との間であって、前記第1住宅の玄関と前記第2住宅の玄関との間に配置された収容ボックスであって、
前記第1住宅の住民が利用する第1収容部と、
前記第2住宅の住民が利用する第2収容部であって、前記第1収容部よりも前記第2住宅の玄関側に配置された第2収容部と、
前記第1収容部の扉であって、当該扉の前記第2住宅の玄関側に第1ヒンジ部を有し、当該第1ヒンジ部を中心に回動して開閉される前記第1収容部の扉と、
前記第2収容部の扉であって、当該扉の前記第1住宅の玄関側に第2ヒンジ部を有し、当該第2ヒンジ部を中心に回動して開閉される前記第2収容部の扉と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、隣接する住宅のそれぞれからアクセスしやすい収容ボックス、及び収容ボックスの扉構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、一実施形態にかかる物品収容ボックス100及びメータボックス200の配置位置を示す概略図である。
図2図2は、物品収容ボックス100の扉ユニット30の正面図である。
図3図3は、図2の1000-1000線に沿った扉ユニット30及び筐体部40の扉31及び扉32が閉じた状態の断面図である。
図4図4は、扉ユニット30及び筐体部40の扉31及び扉32が開いた状態の断面図である。
図5図5は、筐体部40のX方向に見た断面模式図である。
図6図6は、ヒンジ部35及び36の構成を示す図である。
図7図7は、一実施形態の第1変形例による物品収容ボックス300及びメータボックス400の配置位置を示す概略図である。
図8図8は、一実施形態の第2変形例による収容ボックス500の配置位置を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照し、本発明の一実施の形態を詳しく説明する。図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。なお、図示した構成における各部材の寸法及び部材間の寸法比率は、必ずしも実際の寸法及び寸法比率を表すものではない。
【0010】
[物品収容ボックス100及びメータボックス200の全体構造]
図1は、本実施形態にかかる物品収容ボックス100及びメータボックス200の配置位置を示す概要図である。物品収容ボックス100及びメータボックス200は、これに限られないが、例えば、集合住宅の廊下又は廊下に面した位置に配置されている。「集合住宅」は、これに限られないが、例えば、マンション、アパート、社宅、又は寮である。
【0011】
物品収容ボックス100は、宅配業者が住民に宅配物を届ける際に一時的に宅配物が収容される宅配ボックスとして使用されてもよいし、住民が物品を保管する保管庫として使用されてもよい。メータボックス200には、例えば、これに限られないが、ガスメータ、水道メータ、ガスの元栓、水道の元栓等の住宅の設備の一部又は計測器が配置されている。
【0012】
図1に示すように、集合住宅では、例えば、住宅が、廊下に沿って(X方向に)並んで配置されている。ここで、X方向とは、住宅が並ぶ方向を意味するものとし、Z方向は、上下方向を意味するものとし、Y方向は、X方向に垂直で、かつ、Z方向に垂直な方向を意味するものとする。
【0013】
ここで、図1に示すように、第1住宅1a、第2住宅1b、及び第3住宅1cがX方向に並んで配置されているものとする。第1住宅1aの玄関11aは、玄関11aから廊下へ出る方向(Y1方向)に向かって左手側から開かれる。第2住宅1bの玄関11bは、玄関11bから廊下へ出る方向(Y1方向)に向かって右手側から開かれる。第3住宅1cの玄関11cは、玄関11cから廊下へ出る方向(Y1方向)に向かって左手側から開かれる。
【0014】
そして、玄関11aから住民が廊下へ出た場合、左手側に物品が収容される第1物品収容部100aが配置されている。すなわち、左手側から玄関11aを開いてすぐの位置(玄関11aの近傍の位置)に、第1物品収容部100aが配置されている。また、玄関11bから住民が廊下へ出た場合、右手側に物品が収容される第2物品収容部100bが配置されている。すなわち、右手側から玄関11bを開いてすぐの位置(玄関11bの近傍の位置)に、第2物品収容部100bが配置されている。そして、第1物品収容部100aと第2物品収容部100bとにより、物品収容ボックス100が構成されている。すなわち、物品収容ボックス100は、第1住宅1aの玄関11aと、第2住宅1bの玄関11bとの間に配置されている。また、玄関11cから住民が廊下へ出た場合、左手側に物品が収容される第1物品収容部100cが配置されている。この構成によれば、住民が玄関から外に出てすぐに自身が使用する物品収容部に辿り着くことができる。
【0015】
また、玄関11aから住民が廊下へ出た場合、右手側に第2メータ収容部200aが配置されている。また、玄関11bから住民が廊下へ出た場合、左手側に第1メータ収容部200bが配置されている。また、玄関11cから住民が廊下へ出た場合、右手側に第2メータ収容部200cが配置されている。そして、第1メータ収容部200bと第2メータ収容部200cとにより、メータボックス200が構成されている。また、メータボックス200は、第2住宅1bの玄関11bと、第3住宅1cの玄関11cとの間に配置されている。
【0016】
第1物品収容部100aは、第1住宅1aの住民が利用する。第2物品収容部100bは、第2住宅1bの住民が利用する。第1物品収容部100cは、第3住宅1cの住民が利用する。また、第2物品収容部100bは、第1物品収容部100aよりも第2住宅1bの玄関11b側に配置されている。すなわち、集合住宅の各住民は、第1物品収容部100a及び第2物品収容部100bのうちの自身の住宅の玄関に近い側の収容部を利用する。
【0017】
また、図1に示すように、物品収容ボックス100及びメータボックス200の各々は、扉ユニット30と筐体部40とを含む。メータボックス200の第1メータ収容部200b、第2メータ収容部200c、扉ユニット30、及び筐体部40の構成は、物品収容ボックス100の第1物品収容部100a、第2物品収容部100b、扉ユニット30、及び筐体部40の構成と同様の構成であるため、以下、物品収容ボックス100の構成を説明し、メータボックス200の構成については説明を省略する。
【0018】
(扉ユニット30及び筐体部40の構成)
図2は、物品収容ボックス100の扉ユニット30の正面図である。図3は、図2の1000-1000線に沿った扉ユニット30及び筐体部40の扉31及び扉32が閉じた状態の断面図である。図4は、扉ユニット30及び筐体部40の扉31及び扉32が開いた状態の断面図である。図5は、筐体部40をX2方向に見た断面模式図である。図6は、ヒンジ部35及び36の構成を示す図である。
【0019】
図2に示すように、扉ユニット30は、第1物品収容部100aの扉31と、第2物品収容部100bの扉32と、扉31及び扉32が固定されている柱部材33とを含む。図3及び図4に示すように、扉31及び扉32は共に、柱部材33を中心に回動することによって開閉する。すなわち、扉31及び扉32は、バタフライ式の扉である。なお、図4では、扉31及び扉32の両方が開いた状態を図示しているが、扉31と扉32とは、個別に開閉することが可能である。
【0020】
図2及び図5に示すように、筐体部40は、直方体形状を有する。また、筐体部40は、集合住宅の壁部2(図1参照)と床面2a(図2参照)と天井2b(図2参照)とに固定されている。例えば、筐体部40は、集合住宅の壁部2と床面2aと天井2bとに、図示しないアンカーボルト等の固定部材により固定されている。また、筐体部40の前面側(Y1方向)に扉ユニット30及び上方板部材41が配置されている。上方板部材41は、扉ユニット30の上方(Z1方向)に配置されており、柱部材33に固定されている。例えば、上方板部材41と柱部材33とは、ボルト及びナット又はリベット等の締結部材、又は溶接により固定されている。
【0021】
図3に示すように、筐体部40は、第1物品収容部100aと第2物品収容部100bとを仕切る仕切り部材42を含む。仕切り部材42は、Y方向に延びるように形成され、柱部材33に固定されている。例えば、仕切り部材42と柱部材33とは、ボルト50(図6参照)及びナット又はリベット等の締結部材、又は溶接により固定されている。
【0022】
扉31は、玄関11b側の部分(扉31のX1方向の部分)にヒンジ部35を有する。また、扉32は、玄関11a側の部分(扉31のX2方向の部分)にヒンジ部36を有する。例えば、図2に示すように、扉31には、上下方向に間隔を隔てて配置された3つのヒンジ部35が設けられている。3つのヒンジ部35により、柱部材33に対して回動可能に柱部材33に固定されている。また、扉32は、3つのヒンジ部36により、柱部材33に対して回動可能に柱部材33に固定されている。ヒンジ部35及び36は、例えば、図2に示すように、正面視において視認されない隠し蝶番である。この構成によれば、蝶番が露出している場合に比べて、物品収容ボックス100及びメータボックス200の美感性(意匠性)を向上させることができる。なお、ヒンジ部35及び36は、それぞれ3つずつ図示しているが、ヒンジ部35及び36の数は、2つ以下、又は4つ以上であってもよい。
【0023】
図3に示すように、扉31は、玄関11a側の部分(扉31のX2方向の部分)にレバーハンドル37aとラッチ37bとを有する。扉32は、玄関11b側の部分(扉31のX1方向の部分)にレバーハンドル38aとラッチ38bとを有する。筐体部40には、ラッチ37bに対向する位置にラッチ受け43aと、ラッチ38bに対向する位置にラッチ受け43bとが設けられている。扉31が閉じた状態で、ラッチ37bがラッチ受け43aに嵌っている。また、扉32が閉じた状態で、ラッチ38bがラッチ受け43bに嵌っている。そして、レバーハンドル37aが住民により操作されることにより、ラッチ受け43aにラッチ37bが嵌った状態から、ラッチ受け43aからラッチ37bが解放された状態に切り替えられ、扉31が開放される。また、レバーハンドル38aが住民により操作されることにより、ラッチ受け43bにラッチ38bが嵌った状態から、ラッチ受け43bからラッチ38bが解放された状態に切り替えられ、扉32が開放される。なお、図示しないが、扉31及び32には、鍵を用いて施錠した状態と開錠した状態とが切り替えられるドアロックが設けられていても良い。
【0024】
上記の構成によれば、ヒンジ部35が扉31の第2住宅1b側に配置されているので、扉31は、第1住宅1a側から開くことができる。また、ヒンジ部36が扉32の第1住宅1a側に配置されているので、扉32は、第2住宅1b側から開くことができる。これにより、住民が玄関から外に出てすぐに自身が使用する収容部に辿り着くことができ、住民の自身に近い側から扉31又は32を開くことができる。この結果、住民の自身の住宅から物品収容ボックス100にアクセスが容易となる。そして、自身の住宅と物品収容ボックス100との間で荷物を移動させる場合でも、従来のような共同玄関に物品収容ボックスが配置されている場合に比べて、自身の住宅と物品収容ボックス100との距離が近くなる分、住民の負担を軽減することができる。
【0025】
また、従来の共同玄関に収容ボックスが配置されている構成では、収容ボックスの扉を開いている間に、共同玄関に居合わせた他の住宅の住民により、収容ボックスの中身が視認されてしまい、住民のプライバシーが保護されにくいという問題点がある。これに対して、上記の構成によれば、ヒンジ部35が扉31の第2住宅1b側(X1方向の部分)に配置されているので、図4に示すように、扉31が開いた状態では、第2住宅1b側から第1物品収容部100aの内部が他人によって視認できない状態になる。また、ヒンジ部36が扉32の第1住宅1a側(X2方向の部分)に配置されているので、扉32が開いた状態では、第1住宅1a側から第2物品収容部100bの内部が他人によって視認できない状態になる。これにより、上記の物品収容ボックス100によれば、住民のプライバシーを保護することができる。
【0026】
また、図3に示すように、第1物品収容部100aと第2物品収容部100bとの各々には、複数の棚板44が設けられていても良い。例えば、複数の棚板44は、筐体部40及び仕切り部材42の各々から突出する棚受け棒44aの上に載置される。そして、棚板44上に、物品が置かれる。また、図5に示すように、複数の棚板44は、上下方向に複数段、設けられていてもよい。
【0027】
図6に示すように、柱部材33は、例えば、平面視において矩形の筒状に形成されている。ヒンジ部35の一方部分35aは、柱部材33のX2方向の面33aにボルト50により固定されている。また、ヒンジ部36の一方部分36aは、柱部材33のX1方向の面33bにボルト50により固定されている。この構成によれば、柱部材33の2つの面のそれぞれにヒンジ部(1つの扉)が固定されるので、柱部材33に対する負荷を分散することができる。これにより、1つの面に全てのヒンジ部を取り付ける場合に比べて、柱部材33の機械的強度を大きくする必要がなく、柱部材33のコストを低下させることができる。
【0028】
また、仕切り部材42は、柱部材33のY2方向の面33cにボルト50により固定されている。なお、図6では、柱部材33と、ヒンジ部35、ヒンジ部36、及び仕切り部材42とが、ボルト50により固定されるように図示しているが、リベット等のボルトとは異なる締結部材により固定されてもよいし、溶接により固定されてもよい。
【0029】
また、ヒンジ部35の他方部分35bは、扉31の第1物品収容部100a側(裏面側)の面31aにボルト50により固定されている。また、ヒンジ部36の他方部分36bは、扉32の第2物品収容部100b側(裏面側)の面32aにボルト50により固定されている。なお、図6では、ヒンジ部35と扉31とが、ヒンジ部36と扉32とが、それぞれ、ボルト50により固定されるように図示しているが、リベットにより固定されてもよいし、溶接により固定されてもよい。
【0030】
また、図6に示すように、ヒンジ部35は、一方部分35a及び他方部分35bに接続した軸部35cを含む。また、ヒンジ部36は、一方部分35a及び他方部分35bに接続した軸部36cを含む。そして、他方部分35bは扉31と共に、軸部35cを中心軸として一方部分35aに対して回動する。また、他方部分36bは扉32と共に、軸部36cを中心軸として一方部分36aに対して回動する。これにより、図4に示すように、扉31及び扉32が開放される。
【0031】
また、図6に示すように、扉31は、ヒンジ部35が固定されている位置から正面視で柱部材33と重なる位置まで延びる突出部31bを有する。また、扉32は、ヒンジ部36が固定されている位置から正面視で柱部材33と重なる位置まで延びる突出部32bを有する。これにより、突出部31b及び突出部32bにより、正面から見て、柱部材33の少なくとも一部(ほぼ全体)が隠れた状態となる。この構成によれば、正面から見て、柱部材33の少なくとも一部が露出しないので、物品収容ボックス100及びメータボックス200の美感性を向上させることができる。
【0032】
また、図3に示すように、扉31は、扉31のX2方向の側面31cから、X2方向に突出する突出部31dを有する。また、扉32は、扉32のX1の側面32cから、X1方向に突出する突出部32dを有する。この結果、正面から見て、突出部31d及び32dにより、筐体部40の前面47の少なくとも一部が隠れるので、物品収容ボックス100及びメータボックス200の美感性を、さらに向上させることができる。
【0033】
[変形例]
上記実施形態に例示した具体例は、あくまでも一例であって、本発明の実施形態をこれに限定する趣旨ではない。
【0034】
例えば、上記実施形態では、図1に示すように、物品収容ボックス100及びメータボックス200が壁部2から廊下側に突出するように配置する例を示したが、本発明はこれに限られない。例えば、図7に示す第1変形例の物品収容ボックス300及びメータボックス400が、壁部302から廊下側に突出しないように、壁部302に埋め込まれるように配置されていてもよい。この場合、壁部302が物品収容ボックス300及びメータボックス400の筐体部として構成されていてもよい。すなわち、壁部302の凹部に、扉ユニット30が取り付けられることにより、物品収容ボックス300及びメータボックス400が構成されてもよい。
【0035】
また、上記実施形態では、物品収容ボックス100及びメータボックス200が、集合住宅に配置される例を示したが、本発明はこれに限られない。例えば、図8に示す第2変形例による収容ボックス500は、隣り合う2つの戸建住宅501aの玄関11aと戸建住宅501bの玄関11bとの間に配置されていてもよい。
【0036】
また、上記実施形態では、物品収容ボックス100及びメータボックス200を、別個に形成する例を示したが、本発明はこれに限られない。すなわち、物品収容ボックスと、メータボックスとが1つの筐体内に形成されていてもよい。
【0037】
また、上記実施形態では、柱部材33を、中空の筒状に形成する例を示したが、本発明はこれに限られない。すなわち、柱部材33を、中実の柱として形成してもよい。
【0038】
また、上記実施形態では、ヒンジ部35及び36の両方を、柱部材33に固定する例を示したが、本発明はこれに限られない。ヒンジ部35及び36の一方のみを、柱部材33に固定してもよいし、ヒンジ部35及び36の両方を、柱部材33以外の部材(例えば、天井又は床面)に固定してもよい。
【0039】
また、上記実施形態では、ヒンジ部35を柱部材33のX2方向の面33aに固定し、ヒンジ部36を柱部材33のX1方向の面33bに固定する例を示したが、本発明はこれに限られない。ヒンジ部35及び36を柱部材33の同一の面に固定してもよい。
【0040】
また、上記実施形態では、扉31及び32に、それぞれ、突出部31b及び32bを設ける例を示したが、本発明はこれに限られない。扉31及び32のいずれか一方のみに、突出部を設けてもよいし、突出部とは異なる部材を扉31又は32に設けて、柱部材33を正面から見えにくくしてもよい。
【0041】
また、上記実施形態では、物品収容ボックス100及びメータボックス200に仕切り部材42を設ける例を示したが、本発明はこれに限られない。メータボックス200においては、仕切り部材42を必ずしも設ける必要はない。
【0042】
なお、本発明は以下のように説明することもできる。
【0043】
[第1の構成]
第1の構成にかかる収容ボックスは、
隣接する第1住宅と第2住宅との間であって、前記第1住宅の玄関と前記第2住宅の玄関との間に配置された収容ボックスであって、
前記第1住宅の住民が利用する第1収容部と、
前記第2住宅の住民が利用する第2収容部であって、前記第1収容部よりも前記第2住宅の玄関側に配置された第2収容部と、
前記第1収容部の扉であって、当該扉の前記第2住宅の玄関側に第1ヒンジ部を有し、当該第1ヒンジ部を中心に回動して開閉される前記第1収容部の扉と、
前記第2収容部の扉であって、当該扉の前記第1住宅の玄関側に第2ヒンジ部を有し、当該第2ヒンジ部を中心に回動して開閉される前記第2収容部の扉と、を備える。
【0044】
第1の構成によれば、第1住宅の住民にとっては、収容ボックスのうちの第1住宅の玄関に近い位置に第1収容部が配置され、かつ、第2住宅の住民にとっては、収容ボックスのうちの第2住宅の玄関に近い位置に第2収容部が配置される。そして、第1ヒンジ部が第1収容部の扉の第2住宅側に配置されているので、第1収容部の扉は、第1住宅側から開くことができる。また、第2ヒンジ部が第2収容部の扉の第1住宅側に配置されているので、第2収容部の扉は、第2住宅側から開くことができる。これらにより、住民が玄関から外に出てすぐに自身が使用する収容部に辿り着くことができ、住民の自身に近い側から扉を開くことができる。この結果、住民の自身の住宅からアクセスしやすい収容ボックスを提供することができる。そして、自身の住宅と収容ボックスとの間で荷物を移動させる場合でも、従来の共同玄関に収容ボックスが配置されている場合に比べて、自身の住宅と収容ボックスとの距離が近くなる分、住民の負担を軽減することができる。
【0045】
ここで、従来の共同玄関に収容ボックスが配置されている構成では、収容ボックスの扉を開いている間に、共同玄関に居合わせた他の住宅の住民により、収容ボックスの中身が視認されてしまい、住民のプライバシーが保護されにくいという問題点がある。これに対して、第1の構成によれば、第1ヒンジ部が第1収容部の扉の第2住宅側に配置されているので、扉が開いた状態では、他人の第2住宅側から第1収容部の内部が視認できない状態になる。また、第2ヒンジ部が第2収容部の扉の第1住宅側に配置されているので、扉が開いた状態では、他人の第1住宅側から第2収容部の内部が視認できない状態になる。これにより、第1の構成によれば、住民のプライバシーを保護することが可能な収容ボックスを提供することができる。
【0046】
[第2の構成]
第2の構成にかかる収容ボックスは、第1の構成において、
前記第1収容部と前記第2収容部との間に配置された柱部材を、さらに備え、
前記第1ヒンジ部と前記第2ヒンジ部とは、前記柱部材に固定されている。
【0047】
ここで、一般的には、扉を囲む位置に枠を配置し、枠にヒンジを取り付け、当該ヒンジに扉が取り付けられる。この場合、扉を囲む枠により収容ボックスの美感性が低下してしまうという問題点がある。これに対して、第2の構成によれば、柱部材に第1ヒンジ部及び第2ヒンジ部を取り付けて、第1ヒンジ部及び第2ヒンジ部の各々に扉を取り付けることができるので、扉を囲む枠は不要になる。この結果、収容ボックスの美感性を向上させることができる。
【0048】
[第3の構成]
第3の構成にかかる収容ボックスは、第3の構成において、
前記第1ヒンジ部は、前記柱部材の前記第1収容部側の面に固定されており、
前記第2ヒンジ部は、前記柱部材の前記第2収容部側の面に固定されている。
【0049】
第3の構成によれば、柱部材の2つの面のそれぞれにヒンジ部(1つの扉)が固定されるので、柱部材に対する負荷を分散することができる。この結果、柱部材の機械的強度を大きくする必要がなく、柱部材のコストを低下させることができる。
【0050】
[第4の構成]
第4の構成にかかる収容ボックスは、第2または第3の構成において、
前記第1収容部の扉は、前記第1ヒンジ部が固定されている位置から正面視で前記柱部材と重なる位置まで延びる突出部を有する。
【0051】
第4の構成によれば、正面から見て、柱部材の少なくとも一部が露出しないので、収容ボックスの美感性を向上させることができる。
【0052】
[第5の構成]
第5の構成にかかる収容ボックスは、第2~第4の構成のいずれか1つにおいて、
前記第1収容部と前記第2収容部とを仕切る仕切り部材を、さらに備え、
前記仕切り部材は、前記柱部材に固定されている。
【0053】
第5の構成によれば、仕切り部材によって、1つの筐体に2つの収容部(第1収容部及び第2収容部)を容易に形成することができる。
【0054】
[第6の構成]
第6の構成にかかる収容ボックスは、第1~第5の構成のいずれか1つにおいて、
前記第1収容部が内部に構成される第1筐体部を、さらに備え、
前記第1収容部の扉は、前記第1筐体部のうちの当該扉側の面の少なくとも一部と重なるように配置されている。
【0055】
第6の構成によれば、正面から見て、第1筐体部の少なくとも一部が露出しないので、収容ボックスの美感性を向上させることができる。
【0056】
ここに開示する発明は、収容ボックスの扉構造(扉ユニット)としても実施可能である。
【符号の説明】
【0057】
1a…第1住宅、1b…第2住宅、1c…第3住宅、2,202…壁部、11a,11b,11c…玄関、21…第1収容部、22…第2収容部、30…扉ユニット、31,32…扉、31a,32a…面、31b,31d,32b,32d…突出部、33…柱部材、33a,33b…面、35,36…ヒンジ部、40…筐体部、42…仕切り部材、100,300…物品収容ボックス、200,400…メータボックス、302…壁部、500…収容ボックス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8