(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023010544
(43)【公開日】2023-01-20
(54)【発明の名称】パルスフィールドアブレーションカテーテル
(51)【国際特許分類】
A61B 18/14 20060101AFI20230113BHJP
【FI】
A61B18/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022018524
(22)【出願日】2022-02-09
(31)【優先権主張番号】63/220,312
(32)【優先日】2021-07-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/570,924
(32)【優先日】2022-01-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】アナンド・ラオ
(72)【発明者】
【氏名】トーマス・セルキー
(72)【発明者】
【氏名】ケシャバ・ダッタ
(72)【発明者】
【氏名】タン・グエン
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160KK03
4C160KK38
4C160MM38
(57)【要約】
【課題】カテーテルを提供すること。
【解決手段】カテーテルは、プルワイヤの操作を介して円周内で収縮し得る遠位円形領域を有し得る。円形領域は、マッピング及び/又はアブレーションに好適な、好ましくはIREアブレーションに好適な、円周の周囲に分配された電極を有し得る。カテーテルは、細長い要素が長手方向軸線に対してある角度で延在する、シャフトの遠位端部の近くのクロスオーバ領域を含み得る。クロスオーバ領域は、4つのルーメンを有する中間管及び3つのルーメンを有する遠位管によって境界付けられ得る。円形領域は、好ましい曲げ方向を有する支持部材などの収縮を容易にするための構造的特徴部、電極上の曲げ応力を抑制するように位置付けられたポリマー管区分、センサ及び電極の曲げ応力を抑制するように位置付けられたナビゲーションセンサ、及び円形領域の遠位端部における遠位アセンブリを含み得る。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテルであって、
長手方向軸線に沿って延在する細長いシャフトと、
前記細長いシャフトから遠位の前記長手方向軸線に沿って延在し、中を通る第1の複数のルーメンを備える中間管を備える中間区分と、
前記中間区分から遠位の前記長手方向軸線に沿って延在する概ね直線状の領域と、前記概ね直線状の領域から遠位であり、かつ前記長手方向軸線に概ね直交する円形の主領域と、中を通る第2の複数のルーメンを備える遠位管と、を備える、遠位区分と、
前記中間管の遠位端部と前記遠位管の近位端部との間のクロスオーバ領域と、
前記第1の複数のルーメンのうちの第1のルーメン内で前記中間区分内に取り付けられた支持部材であって、前記支持部材が前記長手方向軸線に対して角度付けられるように前記クロスオーバ領域を通って延在し、前記第1のルーメンと非同軸である前記第2の複数のルーメンのうちの第2のルーメン内で前記遠位区分を通って延在する、支持部材と、を備える、カテーテル。
【請求項2】
前記第1の複数のルーメンと、それにより前記中間管が4つのルーメンを備え、
前記第2の複数のルーメンと、それにより前記遠位管が3つのルーメンを備える、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項3】
前記第1の複数のルーメンが4つのルーメンからなり、
前記第2の複数のルーメンが3つのルーメンからなる、請求項2に記載のカテーテル。
【請求項4】
前記第1のルーメンと非同軸である前記第1の複数のルーメンのうちの第3のルーメン内で前記中間区分を通って延在する第1のプルワイヤを更に備え、前記第1のプルワイヤが、前記長手方向軸線に対して角度付けられるように前記クロスオーバ領域を通って延在し、前記第2のルーメンを通って延在し、前記円形の主領域の遠位端部に近接して前記遠位区分内に取り付けられている、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項5】
前記円形の主領域が、前記第1のプルワイヤの操作に応答して直径をサイズ変更するように構成されている、請求項4に記載のカテーテル。
【請求項6】
前記中間区分の前記第1の複数のルーメンのうちの第4のルーメンを通って延在し、前記第4のルーメン内に固定された第2のプルワイヤを更に備え、前記第4のルーメンが前記第1のルーメン及び前記第3のルーメンと非同軸であり、前記中間区分が、前記第2のプルワイヤの操作に応答して前記長手方向軸線から偏向するように構成されている、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項7】
前記円形の主領域内に位置付けられた誘導コイルを備え、前記第1のルーメンと非同軸である前記第2の複数のルーメンのうちの第5のルーメンを通って前記誘導コイルから近位に延在している第1の複数のワイヤを備えるナビゲーションセンサアセンブリを更に備え、前記第1の複数のワイヤが、前記長手方向軸線に対して角度付けられるように前記クロスオーバ領域を通って延在し、前記第1のルーメンを通って延在する、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項8】
前記円形の主領域の周囲に分配され、不可逆電気穿孔法を使用して心臓内組織をアブレーションするために電気エネルギーを提供するように構成された電極を更に備える、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項9】
前記第2の複数ルーメンのうちの第6のルーメンを通り、前記電極から近位に延在する第2の複数のワイヤを更に備え、前記第2の複数のワイヤが、前記長手方向軸線に対して角度付けられるように前記クロスオーバ領域を通って延在し、前記第6のルーメンと非同軸である前記第1の複数のルーメンのうちの第7のルーメンを通って延在する、請求項8に記載のカテーテル。
【請求項10】
誘導コイルのそれぞれが前記電極のうちの1つによってそれぞれ囲まれるように、前記円形の主領域内に位置付けられた前記誘導コイルを備えるナビゲーションセンサアセンブリを更に備える、請求項8に記載のカテーテル。
【請求項11】
前記電極がそれぞれ、約8フレンチの外径、約3ミリメートルの長さ、及び約21平方ミリメートルの有効表面積を備える、請求項8に記載のカテーテル。
【請求項12】
前記電極が、約4ミリメートルの縁から縁までの距離で分離されている、請求項8に記載のカテーテル。
【請求項13】
前記電極が、隣接する電極間で900ボルトに耐えるように構成されており、1つおきの電極間で1800ボルトに耐えるように構成されている、請求項8に記載のカテーテル。
【請求項14】
それぞれが約7ミリメートルの長さを有し、それぞれが前記支持部材の上に位置付けられ、またそれぞれがそれぞれの電極の下で中央に位置付けられて、それによって、前記電極の少なくとも一部に関して、前記電極間で前記円形の主領域に沿った優先的な曲げ位置を提供する、ポリマー管区分を更に備える、請求項8に記載のカテーテル。
【請求項15】
前記遠位区分の前記概ね直線状の領域上に取り付けられた遠位高度電流位置特定センサと、
前記中間区分上に取り付けられた近位高度電流位置特定センサと、を更に備える、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項16】
前記支持部材が、前記円形の主領域内で、前記長手方向軸線の方向における可撓性と比較して、前記長手方向軸線に直交する半径方向における可撓性がより大きいように構成されている、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項17】
前記支持部材が、前記遠位区分の遠位端部に近接してほぼ長方形の断面形状を備え、前記中間区分内にほぼ半円形の断面形状を備える、請求項16に記載のカテーテル。
【請求項18】
前記長方形の断面形状は、幅が高さの少なくとも2倍であるように、高さ及び幅を備え、前記幅が前記長手方向軸線にほぼ平行に測定され、前記高さが前記長手方向軸線にほぼ直交して測定される、請求項17に記載のカテーテル。
【請求項19】
前記遠位区分の遠位端部にある非外傷性ポリマードームと、
超高分子量ポリマーを含み、前記遠位区分内に配置され、前記ポリマードームを前記遠位区分に固定する、結び目付きコードと、を更に備える、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項20】
約7ミリメートルである長さを有し、前記遠位区分の遠位端部に近接して前記遠位区分の遠位部分を取り囲み、前記遠位部分の屈曲を抑制する、管状スリーブを更に備える、請求項1に記載のカテーテル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、心臓内又は心臓付近でパルスフィールドアブレーションを実行するのに特に有用であるカテーテルに関する。カテーテルはまた、高周波周波数電気信号を使用し、マッピング及び/又は熱アブレーションに有用であり得る。
【背景技術】
【0002】
心房細動などの心不整脈は、心組織の特定の領域から隣接組織に電気信号が異常に伝導する場合に発生し、それによって、正常な心周期が乱されて非同期的リズムを引き起こす。望ましくない信号源が、典型的には、心房又は心室の組織に位置する。発信源に関わらず、望ましくない信号は、心臓組織を通ってその他の場所に伝わり、不整脈を引き起こすか、又は不整脈を継続させ得る。
【0003】
心不整脈の治療としては、不整脈を引き起こす電気信号の伝導経路を破壊して、心臓の一部から別の部分への望ましくない電気信号の伝播を停止又は軽減することが挙げられ得る。このような手順は、典型的には、(1)マッピング、及び(2)アブレーションといった2段階プロセスを含む。マッピング中、好ましくは高密度の電極を有するエンドエフェクタを有するカテーテルが標的組織を横切って移動し、電気信号が各電極から取得され、取得された信号に基づいてマップが生成される。アブレーション中、非伝導性の損傷が、マップに基づいて選択された領域に形成されて、それらの領域を通る電気信号を分断する。現在、最も一般的なアブレーション技術は、電極を介して高周波(RF)電気信号を組織に印加して熱を発生させることを含む。不可逆電気穿孔法(IRE)アブレーションは、細胞死を引き起こすために、組織全体に短時間の高電圧パルスを印加することを含む、より最近開発された技術である。
【0004】
マッピング、RF信号によるアブレーション、及びIREアブレーションの異なる目的は、一般に、異なるカテーテル設計目標をもたらす。非網羅的なリストとして、マッピング及び/又はアブレーションのための円形、半円形、又は螺旋状のエンドエフェクタを有するいくつかのカテーテルは、米国特許第6,973,339号、同第7,371,232号、同第8,275,440号、同第8,475,450号、同第8,600,472号、同第8,608,735号、同第9,050,010号、同第9,788,893号、同第9,848,948号、及び米国特許公開第2017/0100188号に記載されており、それらの各々は、参照により本明細書に組み込まれ、優先権出願米国特許第63/220,312号の添付書類に添付されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
一般に、本明細書に提示される代表的なカテーテルは、カテーテルの長手方向軸線を画定する細長いシャフトと、長手方向軸線に対して概ね横断する細長いシャフトの遠位端部にある円形領域と、を有する。円形領域及びシャフトを通って延在するプルワイヤがシャフトの近位端部で制御ハンドルによって操作される場合に、円形領域は、円周(したがって直径)内で収縮し得る。円形領域は、マッピング及び/又はアブレーションに好適な、好ましくはIREアブレーションに好適な、円周の周囲に分配された電極を有し得る。代表的なカテーテルとしては、シャフトの遠位端部の近くのクロスオーバ領域を通って延在するいくつかの細長い要素(例えば、当該プルワイヤ、電線、機械的支持構造体、及び/又は灌漑チューブ等)が挙げられ得、それらの細長い要素の一部又は全ては、長手方向軸線に対して角度付けられている。クロスオーバ領域は、4つのルーメンを有する中間管及び3つのルーメンを有する遠位管によって境界付けられ得る。遠位管のルーメンのうちの1つ以上は、中間管のルーメンと非同軸であり得、したがって、非同軸ルーメンの間に延在する細長い要素が、クロスオーバ領域内の長手方向軸線に対して角度付けられる。代表的なカテーテルは、円形領域を収縮させるように力が印加された場合に、好ましい曲げ方向を有する支持部材などの構造的支持体を提供するための特徴部と、電極上の曲げ応力を抑制するように位置付けられたポリマー管区分と、センサ及び電極上の曲げ応力を抑制するナビゲーションセンサの位置と、円形領域の遠位端部における遠位アセンブリと、を有し得る。円形領域の管状本体は、約8フレンチを測定し得る。代表的なカテーテルのいくつかの全体的な構成は、同様の寸法を有する既存のカテーテルと比較して、円形領域のより大きな収縮の能力をもたらし得る。
【0006】
第1の代表的なカテーテルは、長手方向軸線に沿って延在する細長いシャフトと、細長いシャフトから遠位の長手方向軸線に沿って延在する中間区分と、中間区分から遠位に延在する遠位区分と、を含む。中間区分は、中を通る第1の複数のルーメンを有する中間管を含み得る。遠位区分は、中間区分から遠位の長手方向軸線に沿って延在する概ね直線状の領域と、概ね直線状の領域から遠位にあり、かつ長手方向軸線に概ね直交する円形の主領域と、を有し得る。遠位区分は、中を通る第2の複数のルーメンを有する遠位管を含み得る。
【0007】
第1の代表的なカテーテルは、中間管の遠位端部と遠位管の近位端部との間にクロスオーバ領域を含み得る。第1の代表的なカテーテルは、第1の複数のルーメンのうちの第1のルーメン内で中間区分内に取り付けられた支持部材を含み得、支持部材は、第1のルーメンと非同軸である第2の複数のルーメンの第2のルーメン内で遠位区分を通って延在し、長手方向軸線に対して角度付けられるようにクロスオーバ領域を通って延在する。
【0008】
第1の複数のルーメンと、またそれにより中間管は、4つ以上のルーメンを有し得る。第2の複数のルーメンと、またそれにより遠位管は、3つ以上のルーメンを有し得る。好ましくは、第1の複数のルーメンは、ちょうど4つのルーメンを含み得、第2の複数のルーメンは、ちょうど3つのルーメンを含み得る。
【0009】
第1の代表的なカテーテルは、第1のルーメンと非同軸である第1の複数のルーメンのうちの第3のルーメン内で中間区分を通って延在する第1のプルワイヤを更に含み得、第1のプルワイヤが、長手方向軸線に対して角度付けられるようにクロスオーバ領域を通って延在し、第2のルーメンを通って延在し、円形の主領域の遠位端部に近接して遠位区分内に取り付けられる。円形の主領域は、第1のプルワイヤの操作に応答して直径をサイズ変更するように構成され得る。
【0010】
第1の代表的なカテーテルは、中間区分の第1の複数のルーメンのうちの第4のルーメンを通って延在し、第4のルーメン内に固定された第2のプルワイヤを更に含み得る。第4のルーメンは、第1のルーメン及び第3のルーメンと非同軸であり得る。中間区分は、第2のプルワイヤの操作に応答して長手方向軸線から偏向するように構成され得る。
【0011】
第1の代表的なカテーテルは、円形の主領域内に位置付けられた誘導コイルと、誘導コイルから近位に延在している第1の複数のワイヤと、を有する、ナビゲーションセンサアセンブリを更に含み得る。第1の複数のワイヤは、第1の複数のワイヤが長手方向軸線に対して、かつ第1のルーメンを通って角度付けられるようにクロスオーバ領域を通って延在し、第1のルーメンと非同軸である第2の複数のルーメンのうちの第5のルーメンを通って延在し得る。
【0012】
第1の代表的なカテーテルは、円形の主領域の周囲に分配され、不可逆電気穿孔法を使用して心臓内組織をアブレーションするために電気エネルギーを提供するように構成された電極を、更に含み得る。
【0013】
第1の代表的なカテーテルは、第2の複数のルーメンのうちの第6のルーメンを通り電極から近位に延在する第2の複数のワイヤを更に含み得、第2の複数のワイヤは、長手方向軸線に対して角度付けられるようにクロスオーバ領域を通って延在し、第6のルーメンと非同軸である第1の複数のルーメンのうちの第7のルーメンを通って延在する。
【0014】
第1の代表的なカテーテルは、誘導コイルのそれぞれが対応する電極のうちの1つによってそれぞれ囲まれるように、円形の主領域内に位置付けられた誘導コイルを有するナビゲーションセンサアセンブリを更に含み得る。
【0015】
電極はそれぞれ、約8フレンチの外径、約3ミリメートルの長さ、及び約21平方ミリメートルの有効表面積を有し得る。電極は、約4ミリメートルの縁から縁までの距離によって分離され得る。電極は、隣接する電極間で900ボルトに耐えるように構成され得、1つおきの電極間で1800ボルトに耐えるように構成され得る。
【0016】
第1の代表的なカテーテルは、それぞれが約7ミリメートルの長さを有し、それぞれが支持部材の上に位置付けられ、またそれぞれがそれぞれの電極の下で中央に位置付けられて、それによって、電極の少なくとも一部に関して、電極間で、円形の主領域に沿った優先的な曲げ位置を提供するポリマー管区分を更に含み得る。
【0017】
第1の代表的なカテーテルは、遠位区分の概ね直線状の領域上に取り付けられた遠位高度電流位置特定センサと、中間区分上に取り付けられた近位高度電流位置特定センサと、を更に含み得る。
【0018】
支持部材は、円形の主領域内で、長手方向軸線の方向における可撓性と比較して、長手方向軸線に直交する半径方向における可撓性がより大きいように、構成され得る。支持部材は、遠位区分の遠位端部に近接してほぼ長方形の断面形状を有し得る。支持部材は、中間区分内にほぼ半円形の断面形状を有し得る。長方形の断面形状は、幅が高さの少なくとも2倍であるように、高さ及び幅を有することができ、幅が長手方向軸線にほぼ平行に測定され、高さが長手方向軸線にほぼ直交して測定される。
【0019】
第1の代表的なカテーテルは、遠位区分の遠位端部に非外傷性ポリマードームと、遠位区分内に配置され、超高分子量ポリマーを含み、ポリマードームを遠位区分に固定する、結び目付きコードと、を含み得る。
【0020】
第1の代表的なカテーテルは、約7ミリメートルである長さを有し、遠位区分の遠位端部に近接して遠位区分の遠位部分を取り囲み、遠位部分の屈曲を抑制する管状スリーブを更に含み得る。
【0021】
第2の代表的なカテーテルは、長手方向軸線に沿って延在する細長いシャフトと、細長いシャフトの遠位の遠位区分と、遠位区分を通って延在する支持部材と、遠位区分を通って延在するプルワイヤと、を含む。遠位区分は、細長いシャフトから遠位の長手方向軸線に沿って延在する概ね直線状の領域と、概ね直線状の領域から遠位にあり、かつ概ね長手方向軸線に直交する円形の主領域と、を含み得る。支持部材は、長手方向軸線の方向における可撓性と比較して、長手方向軸線に直交する半径方向における可撓性がより大きいように、構成され得る。プルワイヤは、遠位区分の遠位端部に近接して取り付けられ得、支持部材を半径方向に収縮させ、それによって、遠位区分の円形の主領域を半径方向に収縮させるように操作され得る。
【0022】
支持部材は、遠位区分の遠位端部に近接したほぼ長方形の断面形状を有し得、遠位区分の近位端部に近接してほぼ半円形の断面形状を備える。長方形の断面形状は、幅が高さの少なくとも2倍であるように、高さ及び幅を有することができ、幅が長手方向軸線にほぼ平行に測定され、高さが長手方向軸線にほぼ直交して測定される。
【0023】
第2の代表的なカテーテルは、円形の主領域の周囲に分配され、不可逆電気穿孔法を使用して心臓内組織をアブレーションするために電気エネルギーを提供するように構成された電極を更に含み得る。電極はそれぞれ、約8フレンチの外径、約3ミリメートルの長さ、及び約21平方ミリメートルの有効表面積を有し得る。電極は、約4ミリメートルの縁から縁までの距離によって分離され得る。
【0024】
第2の代表的なカテーテルは、それぞれが約7ミリメートルの長さを有し、それぞれが支持部材の上に位置付けられ、またそれぞれがそれぞれの電極の下で中央に位置付けられて、それによって、電極間で、円形の主領域に沿った優先的な曲げ位置を提供するポリマー管区分を更に含み得る。
【0025】
第2の代表的なカテーテルは、各誘導コイルがそれぞれ電極のうちの1つで囲まれるように、円形の主領域内に位置付けられた誘導コイルを含むナビゲーションセンサアセンブリを更に含み得る。
【0026】
第2の代表的なカテーテルは、電極の遠位の遠位区分の遠位端部において遠位アセンブリを更に含み得る。遠位アセンブリは、支持部材の遠位領域、プルワイヤの遠位領域、プルワイヤの遠位領域を支持部材の遠位領域に接合する鋼フェルール、超高分子量ポリマーを含む結び目付きコード、(支持部材の遠位領域、プルワイヤの遠位領域、鋼フェルール、及び結び目付きコードが配置されている)遠位管の遠位領域、遠位管の遠位領域の周囲を囲むポリマー強化管、及び結び目付きコードと係合して遠位管の遠位端部から遠位に延在する非外傷性ポリマー先端部を含み得る。
【0027】
第2の代表的なカテーテルは、細長いシャフトの遠位にあり、かつ遠位区分の近位にある中間区分を更に含み得る。中間区分は、中を通る第1の複数のルーメンを有する中間管を含み得る。支持部材及びプルワイヤは、第1の複数のルーメンの別個のルーメン内に配置され得る。第2の代表的なカテーテルは、中間区分の遠位にあり、かつ遠位区分の近位にあるクロスオーバ区分を更に含み得る。遠位区分は、第2の複数のルーメンを有する遠位管を含み得る。支持部材及びプルワイヤは、第2の複数のルーメンのうちの単一のルーメン内で一緒に配置され得る。
【0028】
第2の代表的なカテーテルは、円形の主領域内に位置付けられた誘導コイルと、コイルから近位に延在するワイヤと、を含む、ナビゲーションセンサアセンブリを更に含み得る。ワイヤは、支持部材及びプルワイヤが配置されている単一のルーメンから別個のルーメン内の遠位管内に配置され得る。ワイヤは、支持部材が配置されている第1の複数のルーメンのルーメン内で、中間管内に一緒に配置され得る。
【0029】
第3の代表的なカテーテルは、長手方向軸線に沿って延在する細長いシャフト、細長いシャフトから遠位の長手方向軸線に沿って延在する中間区分、中間区分の遠位の遠位区分、遠位区分及び中間区分を通って延在する細長い構造体、及び細長い構造体の少なくとも1つが長手方向軸線に対して角度付けられている、遠位区分と中間区分との間のクロスオーバ領域を含み得る。中間区分は、中を通る4つのルーメンを有する中間管を含み得る。遠位区分は、中間区分から遠位の長手方向軸線に沿って延在する概ね直線状の領域と、概ね直線状の領域から遠位にあり、かつ長手方向軸線に概ね直交する円形の主領域と、を含み得る。遠位区分は、中を通る3つのルーメンを有する遠位管を含み得る。細長い構造体は、遠位管の3つのルーメンを通って、中間管の4つのルーメンのうちの少なくともいくつかへと延在し得る。クロスオーバ領域は、中間管の遠位端部と遠位管の近位端部との間にあり得る。
【0030】
細長い構造体は、円形の主領域を概ね円形の形状に形成する支持構造体と、支持構造に取り付けられたプルワイヤと、電極ワイヤと、ナビゲーションセンサワイヤと、を含み得る。支持構造体、またそれにより円形の主領域は、プルワイヤの操作に応答して直径をサイズ変更するように構成され得る。クロスオーバ領域を通って延在する細長い構造体の任意の組み合わせは、長手方向軸線に対して角度付けされ得る。
【0031】
第3の代表的なカテーテルは、円形の主領域の周囲に分配され、不可逆電気穿孔法を使用して心臓内組織をアブレーションするために電気エネルギーを提供するように構成された電極を、更に含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0032】
本発明の上記及び更なる態様は、添付の図面と併せて以下の説明を参照して更に考察され、種々の図面において、同様の数字は、同様の構造要素及び特徴部を示す。図面は、必ずしも縮尺どおりではなく、代わりに、本発明の原理を例示することに主眼が置かれている。図は、限定としてではなく単なる例として、本発明のデバイス、システム、及び方法の1つ以上の実装形態を示している。
【
図1】本発明の態様による、代表的なカテーテルの輪郭図の図解である。
【
図2A】本発明の態様による、代表的なカテーテルの中間区分、クロスオーバ区分、及び遠位区分の輪郭図の図解である。
【
図2B】本発明の態様による、代表的なカテーテルの遠位区分の遠位端部の図の図解である。
【
図2C】本発明の態様による、遠位区分の遠位端部の図解である。
【
図3A】本発明の態様による、中間区分と遠位区分とのクロスオーバ部分及び隣接部分の輪郭図の図解である。
【
図3B】
図3Aに示されるカテーテル部分の直交断面図の図解である。
【
図4】本発明の態様による、中間区分と遠位区分とのクロスオーバ部分及び隣接部分の等角切り欠き図である。
【
図5A】本発明の態様による、支持部材、プルワイヤ、及びフェルールを含むアセンブリの分解図である。
【
図6B】
図6Aに示されるアセンブリの遠位部分の拡大図である。
【
図7】本発明の態様による、線形形状に細長い遠位区分の断面図である。
【
図8A】本発明の態様による、カテーテルの遠位端部アセンブリの結び目付きコードの図解である。
【
図8B】本発明の態様による、カテーテルの遠位端部の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
参照により本明細書に組み込まれる文書は本出願の不可欠な部分とみなされるべきであり、いかなる用語も、それらの組み込まれた文書内で、本明細書で明示的又は暗示的に行われる定義と相反するように定義される場合を除き、本明細書における定義のみが考慮されるべきである。
【0034】
開示された技術の代表的な実施形態が本明細書に詳述されるが、その他の実施形態が企図されることを理解すべきである。したがって、以下の説明に記載される又は図面に示される構成要素の構造及び配置の詳細に開示された技術の範囲が限定されることを意図するものではない。開示した技術は、その他の実施形態が可能であり、種々の方式で実施又は実行されることが可能である。優先権出願米国特許第63/220,312号に添付された添付書類に開示されているものを含む本明細書に開示される実施形態の特徴は、本明細書の教示に従って、当業者によって理解されるように組み合わせられ得る。
【0035】
本明細書で使用される場合、任意の数値又は範囲に対する用語「約」又は「ほぼ」とは、構成要素の一部又は集合が本明細書に記載される意図された目的のために機能することを可能にする適切な寸法公差を示すものである。より具体的には、「約」又は「およそ」とは、列挙された値の±20%の値の範囲を意味し得、例えば「約90%」は、71%~99%の値の範囲を意味し得る。
【0036】
本明細書で議論されるように、用語「アブレーションする(ablate)」又は「アブレーション(ablation)」とは、本開示のデバイス及び対応するシステムに関するものであり、不規則な心臓信号の生成を低減又は防止するように構成された構成要素及び構造的機構を意味する。非熱的アブレーションとしては、本開示全体を通して、パルス電界(PEF)及びパルスフィールドアブレーション(PFA)と互換的に呼ばれる、細胞死を引き起こすための不可逆電気穿孔法(IRE)の使用が挙げられる。熱アブレーションとしては、細胞死を引き起こす極高温の使用が挙げられ、またRFアブレーションが挙げられる。本開示のデバイス及び対応するシステムに関するアブレーション(Ablating)又はアブレーション(ablation)は、不整脈、心房粗動アブレーション、肺静脈隔離、上室性頻脈アブレーション、及び心室性頻脈アブレーションを含むがこれらに限定されない特定の状態の心臓組織のアブレーションに関して、本開示全体を通して使用される。用語「アブレーションする」又は「アブレーション」とは、一般に周知の方法、デバイス、及びシステムに関するものであり、当業者によって理解されるように、種々の形態の身体組織アブレーションを含む。
【0037】
本明細書で議論されるように、用語「バイポーラ」及び「ユニポーラ」とは、アブレーションスキームを意味するために使用される場合に、電流経路及び電界分布に関して異なるアブレーションスキームを説明する。「バイポーラ」とは、両方とも治療部位に位置付けられた2つの電極間の電流経路を利用するアブレーションスキームを意味し、電流密度及び電束密度は、典型的には、2つの電極のそれぞれでほぼ等しい。「ユニポーラ」とは、2つの電極間の電流経路を利用するアブレーションスキームを意味し、ここで、高電流密度及び高電束密度を有する1つの電極が治療部位に位置付けられ、比較的低い電流密度及びより低い電束密度を有する第2の電極が、治療部位から遠隔に位置付けられる。
【0038】
本明細書で議論されるように、用語「二相性パルス」及び「単相性パルス」とは、それぞれの電気信号を意味する。「二相性パルス」とは、正電圧相パルス(本明細書では「正相」と称される)及び負電圧相パルス(本明細書では「負相」と称される)を有する電気信号を意味する。「単相性パルス」とは、正相のみ又は負相のみを有する電気信号を意味する。好ましくは、二相性パルスを提供するシステムは、直流電圧(DC)を患者へ印加するのを防止するように構成されている。例えば、二相性パルスの平均電圧は、地面又はその他の共通基準電圧に対してゼロボルトであり得る。追加的に又は代替的に、システムは、コンデンサ又はその他の保護構成要素を含み得る。二相性パルス及び/又は単相性パルスの電圧振幅が本明細書に記載されている場合、発現された電圧振幅は、正電圧相及び/又は負電圧相のそれぞれの近似ピーク振幅の絶対値であることが、理解される。二相性パルス及び単相性パルスの各相は、相持続時間の大部分の間に本質的に一定の電圧振幅を有する正方形の形状を有することが好ましい。二相性パルスの相は、相間遅延によって時間的に分離される。相間遅延の持続時間は、二相性パルスの相の持続時間未満又はほぼ等しいことが好ましい。相間遅延の持続時間は、二相性パルスの相の持続時間の約25%であることがより好ましい。
【0039】
本明細書で議論されるように、用語「管状」及び「管」は、広義に解釈されるものとし、直円柱構造、断面が厳密に円形である構造、又はその長さ全体にわたって均一な断面である構造に限定されるものではない。例えば、管状構造は、概ね実質的な直円柱構造として図示される。しかしながら、管状構造は、本開示の範囲から逸脱することなく、テーパ状又は湾曲した外側表面を有してもよい。
【0040】
本開示の例示は、その上で組織のマッピング及び/又はアブレーションに使用され得る電極を有する円形のエンドエフェクタを有する代表的なカテーテル10の態様を示し、心臓不整脈の診断及び/又は治療に特に有用であり得る。示された代表的なカテーテル10は、優先権出願米国特許第63/220,312号に添付された添付書類に開示されるカテーテルの適合特徴部を含む、当業者に周知のその他のカテーテルの適合特徴部を含むように修正され得る。同様に、優先権出願米国特許第63/220,312号に添付された添付書類に記載されているものを含む、当業者に周知のカテーテルは、代表的なカテーテル10の適合特徴部を含むように修正され得る。更に、代表的なカテーテル10及びその変形形態は、優先権出願米国特許第63/220,312号に添付された添付書類に記載されている適合する治療を含む、当業者に周知の適合する治療を実行するために使用され得る。
【0041】
図1は、代表的なカテーテル10の輪郭図である。カテーテル10は、カテーテル10の細長いシャフト12によって画定される長手方向軸線L-Lを概ね横断する円形領域を有する遠位部分15を含む。カテーテル10は、細長いシャフト12から遠位の長手方向軸線L-Lに沿って延在する中間区分14を含む。中間区分14は、カテーテル10の近位端部におけるハンドル16の操作に応答して、長手方向軸線L-Lから偏向し得る。図示されるように、中間区分14は、約180°に曲げることが可能であり得る。
【0042】
代表的な治療では、好適な誘導シースは、その遠位端部が所望の治療位置に位置付けられた状態で患者内へと挿入される。代表的なカテーテル10との使用に好適な誘導シースの一実施例は、Biosense Webster,Inc.(California,USA)より市販されるVizigo(商標)Braiding Guiding Sheathである。シースの遠位端部は、心房のうちの1つ内へと誘導される。カテーテル10が誘導シースを通して送られる際、遠位区分15はシースを通り抜けるように真っ直ぐにされる。カテーテルの遠位端部が所望の治療位置に位置付けられると、誘導シースは近位に引っ張られ、中間区分14及び遠位区分15が、シースの外側に延在することが可能になり、遠位区分15は、その円形の形状に戻る。次に、遠位区分は、肺静脈又は(冠状静脈洞、上大静脈、若しくは下大静脈などの)その他の管状領域内へと挿入され、それによって、概ね円形の主領域39の外周が、管状領域の内側の円周と接触する。概ね円形の主領域の周囲の、好ましくは少なくとも約50%、より好ましくは少なくとも約70%、更により好ましくは少なくとも約80%は、管状領域の内側の周囲に接触する。
【0043】
図2Aは、中間区分14の遠位部分、遠位区分15、及び中間区分14と遠位区分15との間に位置付けられたクロスオーバ管20を含む、カテーテル10の遠位部分の輪郭図の図解である。遠位区分15は、中間区分14から遠位にある概ね直線状の領域38を含む。概ね直線状の領域38は、中間区分14がカテーテルシャフト12と整列された場合に、中間区分14、またそれにより長手方向軸線L-Lと整列される。遠位区分15は、概ね直線状の領域38と遠位区分15の概ね円形の主領域39との間に、肘部37を含む。円形領域39は、直線状の領域38から遠位にあり、長手方向軸線L-Lに概ね直交する。円形領域39は、好ましくは、カテーテル本体12に対して概ねほぼ垂直である。
図2Aに示すように、円形領域39は、平坦な円を形成し得る、又はわずかに螺旋状であり得る。
【0044】
円形領域39は、その円周の周囲に分布された電極26を含む。電極26は、マッピング及び/又はアブレーションのために構成され得る。電極26が電気活動をマッピングするために使用される代表的な治療中、電極26の円形配置は、電極間の異所性拍動を識別し得るように、管状身体構造の周囲での電気活動の測定を可能にする。概ね円形の主領域39の寸法は、円形の主領域が、肺静脈又は冠状静脈洞の直径に概ね対応する直径を有する場合に、肺静脈の直径、又は心臓の、若しくはその付近のその他の管状構造の直径に沿った電気活動の測定を可能にする。電極26がアブレーションを実行するために使用される代表的な治療では、電極26の円形配置は、円形又は環状の損傷の形成を容易にして、管状身体構造の円周を通して電気活性を遮断し、それによって、環状の損傷の反対側の組織から管状構造を電気的に隔離する。
【0045】
マッピング及び/又はアブレーションは、Biosense Websterによって製造されたCarto(登録商標)システム、又は優先権出願米国特許第63/220,312号に添付された添付書類に記載されている適合システムを含む、当業者によって理解されるようなその他の好適なシステムを使用して、実行され得る。カテーテル10は、優先権出願米国特許第63/220,312号に添付された添付書類に記載されている適合治療方法を含む、適合する治療の一部としてマッピング及び/又はアブレーションを実行するために使用され得る。
【0046】
中間区分14及び遠位区分15の直線状の領域38は、それぞれ、近位環状電極22と、中間区分14並びに遠位区分15の直線状の領域38の位置及び配向を決定するために使用され得る遠位環状電極24と、を含む。環状電極22、24は、例えば、参照として本明細書に組み込まれている米国特許第8,456,182号に記載され、優先権出願米国特許第63/220,312号に添付されている、Biosense Websterによって製造されたAdvanced Catheter Location(ACL)システムを使用して、環状電極におけるインピーダンス測定値を使用することにより、追跡され得る。
【0047】
遠位区分15の遠位端部は、ポリウレタン接着剤等の非外傷性ドーム51で封止されて密閉される。電極26の遠位に位置付けられたポリマー支持管28は、遠位区分15の遠位部分の構造的支持を提供し、遠位部分の屈曲を阻止する。
【0048】
図2Bは、代表的なカテーテル10の遠位区分15の遠位端部の図の図解である。概ね円形の主領域39は、時計回り方向、又は反時計回り方向に湾曲し得る。円形領域39は、半径方向Rに収縮し得る。非収縮時に、円形領域39は、好ましくは約25mm~約35mmの範囲の外径D1を有し得る。円形領域39は、収縮時に、好ましくは約15mm~約25mmの範囲の外径D2を有し得る。円形領域39は、円形領域39を収縮させるために制御ハンドル16によって操作され得る、それを通って延在するプルワイヤを有し得る。
【0049】
カテーテル10は、好ましくは、電極26A~JからIREアブレーション電圧パルスを提供するように構成されている。IREは、主に非熱プロセスであるが、これは、最大で数ミリ秒にわたりわずかな程度で組織温度の増加を引き起こす。したがって、IREは、組織温度を20~70℃上昇させ、加熱により細胞を破壊するRF(高周波)アブレーションとは異なる。IREは、単相性パルス又は二相性パルスを利用し得る。二相性パルスは、DC電圧からの筋収縮を回避するために好ましい。IREパルスは、単独で、又はRFアブレーションと組み合わせて、米国特許公開第2021/0169550号、同第2021/0169567号、同第2021/0169568号、米国特許出願第62/949,999号(代理人整理番号BIO6206USPSP1)、米国特許公開第2021/0161592号、米国特許出願第16/731,238号(代理人整理番号BIO6208USNP1)、米国特許公開第16/710,062号(代理人整理番号BIO6209USNP1)、及び参照により本明細書に組み込まれ、優先権出願米国特許第63/220,312号に添付された、米国特許公開第2021/0186604号、米国特許第62/949,999号に対する優先権を主張し、参照として本明細書に組み込まれている米国特許公開第2021/0191642号として公開されている、米国特許出願第16/989,445号、参照として本明細書に組み込まれている米国特許公開第2021/0196372として公開されている、米国特許出願第16/731,238号、参照として本明細書に組み込まれている米国特許公開第2021/0177503号として公開されている、米国特許出願第16/710,062号に記載されるような種々の温度で発生し得、適用され得る。
【0050】
一例の治療では、電圧パルスを三つ組配列で印加して、IREアブレーションを実行し得る。三つ組配列の第1の三つ組では、隣接する電極26A、26Bの第1の対の間に二相性パルスを印加し得、次に、隣接する電極26B、26Cの第2の対の間に同様の振幅の二相性パルスを印加し得、次に、先の二相性パルスの振幅の約2倍の二相性パルスを、隣接する電極の先の2つの対から、1つおきの電極26A、26Cの間に印加し得る。三つ組配列は、第1の三つ組及び新しい隣接する電極26Dから、2つの隣接する電極26B、26Cを含む第2の三つ組を継続し得る。第2の三つ組は、隣接する電極26B、26Cの第1の対の間で二相性パルスを伴って、次に、隣接する電極26C、26Dの第2の対の間で同様の振幅の二相性パルスを伴って、また次に、1つおきの電極26B、26D間で約2倍の二相性パルスを伴って、第1の三つ組と同様のパターンに従い得る。三つ組配列は、次の3つの電極26C、26D、26Fを有する第3の三つ組、次の3つの電極26D、26E、26Fを有する第4の三つ組、次の3つの電極26E、26F、26Gを有する第5の三つ組、次の3つの電極26F、26G、26Hを有する第6の三つ組、次の3つの電極26G、26H、26Iを有する第7の三つ組、及び次の3つの電極26H、26I、26Jを有する第8の三つ組で継続し得る。三つ組パターンは、第1の三つ組において再び繰り返して開始し得る。カテーテル10は、好ましくは、約900ボルトの振幅を有する隣接する電極間の二相性パルス、及び約1,800ボルトの振幅を有する1つおきの電極間の二相性パルスに耐えるように構成されている。
【0051】
図2Cは、真っ直ぐな構成における遠位部分15の円形領域39の遠位端部の図解である。電極26は、好ましくは、約8フレンチの外径OD1を有する。電極26は、好ましくは、約3ミリメートル(mm)の長さW1を有する。電極26はそれぞれ、好ましくは、それぞれ約21mm
2の有効表面積を有する。電極26は、好ましくは、約4mmの縁から縁までの距離W2によって分離されている。最遠位電極26Aは、円形領域39の管状本体の遠位端部から約10mmである長さW3に位置付けられ得る。ポリマー支持管28は、好ましくは、約7mmの長さW4を有する。
【0052】
図3Aは、中間区分14及び遠位区分15のクロスオーバ管20及び隣接する部分の輪郭図の図解である。
【0053】
図3Bは、長手方向軸線L-Lを含む平面で切断された
図3Aに示されるカテーテル部分の直交断面図である。
図3BCの断面図は、ページに直交し、
図3Aの上部に向かって上方に見た平面で切断されている
図3Aに示される。
【0054】
図3Cは、
図3Aに示されるような長手方向軸線L-Lに直交する中間区分14の断面図であり、
図3Aの右側に向かって、ページに直交し、かつ遠位に見た平面にある。
【0055】
図3Dは、
図3Aに示されるような遠位区分15の断面図であり、
図3Aの右側に向かって、ページに直交し、かつ遠位に見た平面にある。
【0056】
まとめて
図3A~
図3Dを参照すると、中間区分14は、そこを通る4つのルーメン41、43、44、47を有する内側の中間管17を含み、遠位区分15は、そこを通る3つのルーメン42、45、46を有する遠位管52を含む。中間管17及び遠位管52は、本明細書の教示に従って、当業者によって理解されるように、代替の数のルーメンを含むように修正され得る。クロスオーバ領域21は、中間管17の遠位端部34と遠位管52の近位端部32との間に延在する(
図3Bを参照)。クロスオーバ領域21は、クロスオーバ管20によって囲まれている。クロスオーバ管20は、単一のルーメンを有する。
【0057】
代表的なカテーテル10は、クロスオーバ領域21を通って延在するいくつかの細長い要素を含み得る。遠位管52のルーメン42、45、46は、中間管17のルーメン41、43、44、47と非同軸である。その結果、非同軸ルーメンの間に延在する細長い要素は、クロスオーバ領域21内の長手方向軸線L-Lに対して角度が付けられている。更に、遠位管52のルーメン42、45、46は、互いに非同軸であり、中間管17のルーメン41、43、44、47は、互いに非同軸である。
【0058】
カテーテル10は、第1のルーメン41内に取り付けられた近位端部を有する支持部材54を含み、クロスオーバ領域21を通って長手方向軸線L-Lに対して遠位に延在し、第2のルーメン42内へと遠位に在し、第1のルーメン41は中間管17内にあり、第2のルーメン42は遠位管52内にある。第1のルーメン41及び第2のルーメン42は、互いに非同軸であり、クロスオーバ領域21を通る支持部材54の角度付き軌道をもたらす。
【0059】
カテーテル10は、ハンドル16から、シャフト12を通り、中間管17内の第3のルーメン43を通り、長手方向軸線L-Lに対してある角度でクロスオーバ領域21を通り、かつ遠位管52の第2のルーメン42を通る、第1のプルワイヤ/収縮ワイヤ35を含む。第3のルーメン43は、第2のルーメン42と非同軸であるが、これは、収縮ワイヤ35をクロスオーバ領域21内で角度付けする。収縮ワイヤ35は、円形領域39の遠位端部の近くで遠位区分15内に取り付けられる。ハンドル16の操作は、
図2Bに示されるように、円形領域39を直径に収縮させるために、収縮ワイヤ35に張力を引き起こし得る。第2のルーメン42内で、カテーテル10は、収縮ワイヤ35が遠位管52を通って引き裂かれることを防止するために、支持部材54及び収縮ワイヤ35を取り囲む編組55を含み得る(
図3Dを参照)。第3のルーメン内で、カテーテル10は、圧縮ワイヤ35の周囲を囲む圧縮コイル61を含み得る(
図3Cを参照)。
【0060】
カテーテル10は、制御ハンドル16からシャフトを通って、かつ中間管17の第4のルーメン44の少なくとも一部分を通って延在する第2のプルワイヤ/偏向ワイヤ36を含む(
図3Cを参照)。偏向ワイヤ36の遠位端部は、第4のルーメン44内に固定される。第4のルーメン44は、遠位管52のルーメン42、45、46と非同軸である。中間区分14は、制御ハンドル16による偏向ワイヤ36の操作に応答して、長手方向軸線L-Lから偏向するように構成されている。第4のルーメン44内で、カテーテル10は、偏向ワイヤ36の周囲を囲む圧縮コイル62を含み得る。
【0061】
圧縮コイル61、62は、任意の好適な金属、例えばステンレス鋼であり得る。圧縮コイル61、62は、強く巻かれて、可撓性、すなわち曲げを提供し得るが、圧縮に抵抗する。圧縮コイル61、62の内径は、好ましくは、関連するプルワイヤ35、36の直径よりもわずかに大きい寸法である。例えばプルワイヤ35、36が約0.007インチ(約0.18mm)の直径を有する場合、それぞれの圧縮コイル61、62は、好ましくは約0.008インチ(約0.20mm)の内径を有する。Teflon(登録商標)が各プルワイヤ35、36を被覆することで、それらは圧縮コイル61、62内を自由に摺動することができる。圧縮コイル61、62の外側表面は、可撓性があり非導電性のシースによって被覆されて、圧縮コイルと、リードワイヤ及びケーブル等などのその他の構成要素との間の接触を防止し得る。各非導電性の管状部材は、ポリイミド管材から作製され得る。
【0062】
カテーテル10は、円形領域39において誘導コイル64、65、66を有するナビゲーションセンサアセンブリ60を含み得る(
図7を参照)。ナビゲーションセンサアセンブリ60は、ハンドル16(図示せず)の電気コネクタから、シャフト12を通って、中間管17の第1のルーメン41を通って、長手方向軸線L-Lに対してある角度でクロスオーバ領域21を通って、遠位管52内の第5のルーメン45を通って延在する導体(例えば、ワイヤ、ケーブル、印刷トレース等)を含み得る。第5のルーメン45は、第1のルーメン41と非同軸であるが、これは、ナビゲーションセンサアセンブリ60の導体を、クロスオーバ領域21を通って長手方向軸線L-Lに対してある角度で延在させる。ナビゲーションセンサアセンブリ60の断面の詳細は、図を簡素化するために省略されている。
【0063】
カテーテル10は、円形領域39の電極26から近位に延在し、遠位管52の第6のルーメン46を通って、長手方向軸線L-Lに対してある角度のクロスオーバ領域21を通って、中間管17を通る第7のルーメン47を通って、シャフト12を通って、制御ハンドル16を通って、コネクタ(図示せず)におけるそれらの近位端部で終端し、アブレーションのためのエネルギーをマッピング及び/又は送信するために電気信号を受信するように構成された適切なシステムに接続された、リードワイヤ40を含み得る。リードワイヤ40は、任意の適合する従来技術によって、円形領域39の電極26に取り付けされ得る。第6のルーメン46は、第7のルーメン47と非同軸であり、それによって、リードワイヤ40は、クロスオーバ領域21を介して長手方向軸線L-Lに対して角度付けられる。リードワイヤ40は、絶縁スリーブ48内で個別に絶縁され、束ねられ得る。
【0064】
カテーテル10は、中間区分14の上で近位環状電極22に接続されたリードワイヤ72を含み得る(
図3C)。カテーテル10は、遠位部分15の上で遠位環状電極24に接続されたリードワイヤ74を含み得る(
図3D)。
【0065】
カテーテル10は、中間管17の周囲を囲み、中間区分14に構造的安定性を提供するように構成された外管19を含み得る。外管19は、シャフト12の上に近位に延在して、シャフト12から中間区分14まで連続する外側表面を提供し得る。
【0066】
図4は、中間区分14及び遠位区分15のクロスオーバ領域21及び隣接する部分の等角図である。例示のために、クロスオーバ管20は省略され、外管19、中間管17、及び遠位管52は透明として描かれている。プルワイヤ35、36のための固定バー75、76は、中間管17に示されている。
【0067】
図5Aは、支持部材54、収縮ワイヤ35、及び鋼フェルール77を含むアセンブリの分解図である。
【0068】
図5B~
図5Dは、
図5Aに示される支持部材54の断面図である。
図5Bに示すように、支持部材54は、支持部材54の近位端部近くにほぼ半円形の断面形状を有する。支持部材54は、中間区分14内にほぼ半円形の形状を有し得る。半円形の形状は、その高さH5Bにほぼ等しいか又はわずかに大きい幅W5Bを有する。
図5C及び
図5Dに示されるように、支持部材54は、支持部材54の遠位端部に向かって漸進的に平坦になり、幅W5C、W5Dは、高さH5C、H5Dが減少するにつれて増加する。支持部材54の遠位端部近くで、幅W5Dは、高さH5Dの少なくとも2倍であり得る。
【0069】
支持部材54は、円形領域39において、幅が長手方向軸線L-Lとほぼ整列し、高さが半径方向Rと整列するように配向されている(
図2Bを参照)。そのように配向された場合、支持部材54は、半径方向Rに優先的に曲がり、長手方向軸線L-Lの方向への曲げに抵抗するように構成されている。したがって、支持部材54は、長手方向軸線L-Lの可撓性と比較して半径方向Rにおいてより可撓性である。
【0070】
図6Aは、
図5Aに示されるアセンブリの組立図である。収縮ワイヤ35は、好ましくは鋼又はその他の好適な材料のフェルール77によって、支持部材54の遠位端部に取り付けられる。図示されるように、収縮ワイヤ35は、半径方向内側に面する支持部材54の表面上に位置付けられている。引っ張られる場合、収縮ワイヤ35が収縮して、支持部材54を、またそれにより円形領域39を、半径方向に収縮させる。編組55(
図3Dを参照)は、収縮ワイヤ35及び支持部材54を一緒に束ねて、収縮ワイヤ35が支持部材54を収縮させるのを手助けする。
【0071】
図6Bは、
図6Aに示されるアセンブリの遠位部分の拡大図である。フェルール77は、好ましくは約2mm~約3mmの長さW6を有する。
【0072】
図7は、直線形状に伸長されたカテーテル10の遠位区分15の断面図である。図面は、図示のために、電極26へのワイヤ40、ナビゲーションセンサアセンブリ60への導体、収縮ワイヤ35及び支持部材54の周囲の省略されている編組55、単独で省略されている遠位管52などの、特定の特徴部を省略化している。
【0073】
カテーテル10の円形領域39内で、ナビゲーションセンサ60は、3つの単軸センサ(SAS)64、65、66を含む。各SAS64、65、66は、1つ以上の誘導コイルを含み得る。コイルは、支持部材54の周囲に巻き付けられ得る。コイルのそれぞれは、そこから近位に延在する導体(例えば、ワイヤ)を有し得る。コイル及びワイヤは、参照により本明細書に組み込まれ、優先権出願米国特許第63/220,312号の添付書類に添付されている、米国特許公開第2020/0015703号に提示されるように構成され得る。
【0074】
図示されるように、SAS64、65、66のそれぞれは、それぞれの電極26A、26E、26Iによって囲まれている。それによって、これらの電極26A、26E、26Iはそれぞれ、それぞれのSAS64、65、66の曲げを抑制するための構造的支持を提供する。
【0075】
遠位センサ66、中間センサ65、及び近位センサ64は、遠位区分が概ね円形の形状を有する場合に、ナビゲーションセンサ60が3次元で遠位区分15の位置を決定することができるように離間されている。好ましくは、センサ64、65、66は、遠位部分15が概ね円形の形状を有する場合に、互いに約120°であるが、しかしながら、センサ64、65、66は、円形の形状がサイズ変更されるため、及び/又は電極26A、26E、26Iの下の配置に適応するため、この間隔から外れる場合がある。電極長さW1が3mmである場合、電極間の長さW2は4mmであり、遠位区分15は
図7に示されるように直線状であり、好ましくは、遠位センサ66の中心は中央センサ65の中心から約28mmで分離され、中央センサ65の中心は近位センサ64の中心から約35mmで分離されている。
【0076】
遠位区分15は、支持部材54の上に位置付けられたポリマー管区分80、81、82、83、84、85、86、87、88、89を更に含む。管区分83、84、85、86、87のほとんどは、それぞれの電極26A、26B、26C、26D、26Eの下でほぼ中央に置かれ、それによって、これらの管区分の端部は、これらの電極間で交わり、電極26A~F間の円形領域39の屈曲を更に促進し、環状領域39が収縮する場合にこれらの電極への応力を緩和する。これらの管区分83、84、85、86、87は、好ましくは電極の長さW1+電極間の長さW2にほぼ等しい長さW7を有する(
図2Cを参照)。例えば、電極長さW1が3mmであり、電極間の長さW2が4mmである場合、管区分長さW7は、好ましくは約7mmである。遠位区分15は、最遠位電極26Aの遠位に位置付けられて、円形領域39の遠位端部に構造的支持を提供する1つ以上の追加の管区分88、89を含み得る。遠位区分15は、2つのそれぞれの電極26F、26G、26H、26Iの下に延在する管区分81、82を含み得る。これらのより長い管区分81、82は、好ましくは、前述の管区分83、84、85、86、87、88、89に対して近位方向に位置付けられ、好ましくは、短い管区分83、84、85、86、87の長さW7の約2倍の長さを有する。これらのより長い管区分81、82は、端部が隣接する電極間の円形領域39の屈曲を促進するために、電極間の隣接する管区分に隣接する端部を有し得る。遠位区分15は、近位電極26Jの下に延在し、近位電極26Jと隣接する電極26I間で端部を有する、近位管区分80を更に含み得る。管区分80、81、82、83、84、85、86、87、88、89は、好ましくはポリマー材料を含む。
【0077】
図8Aは、カテーテル10の遠位端部アセンブリの結び目付きコード90の図解である。結び目付きコード90は、好ましくは、超高分子量ポリマー(例えば、Vectran(登録商標))及び/又は高強度編組繊維を含む。コード90は、1つ以上のポリマー(例えば、ポリイミド)管92内に位置付けられた1つ以上の結び目91を含む。
【0078】
図8Bは、カテーテル10の遠位端部の拡大図である。コード90は、遠位管52内に位置付けられ、遠位区分15の非外傷性遠位先端51は、ポリウレタン接着剤、シアノアクリレート、エポキシ等のポリマー材料を遠位区分15の遠位端部内へと流すことによって形成され得る。流れた材料は、コード90のノット91の周囲で固まり、コード90の形状に準拠し、ノット91に係合し得る。結び目付きコード90は、流れた材料を遠位区分15の遠位端部内へと固定して、カテーテル10の操作中に非外傷性遠位先端51が着座しない可能性を低減し得る。
【0079】
〔実施の態様〕
(1) カテーテルであって、
長手方向軸線に沿って延在する細長いシャフトと、
前記細長いシャフトから遠位の前記長手方向軸線に沿って延在し、中を通る第1の複数のルーメンを備える中間管を備える中間区分と、
前記中間区分から遠位の前記長手方向軸線に沿って延在する概ね直線状の領域と、前記概ね直線状の領域から遠位であり、かつ前記長手方向軸線に概ね直交する円形の主領域と、中を通る第2の複数のルーメンを備える遠位管と、を備える、遠位区分と、
前記中間管の遠位端部と前記遠位管の近位端部との間のクロスオーバ領域と、
前記第1の複数のルーメンのうちの第1のルーメン内で前記中間区分内に取り付けられた支持部材であって、前記支持部材が前記長手方向軸線に対して角度付けられるように前記クロスオーバ領域を通って延在し、前記第1のルーメンと非同軸である前記第2の複数のルーメンのうちの第2のルーメン内で前記遠位区分を通って延在する、支持部材と、を備える、カテーテル。
(2) 前記第1の複数のルーメンと、それにより前記中間管が4つのルーメンを備え、
前記第2の複数のルーメンと、それにより前記遠位管が3つのルーメンを備える、実施態様1に記載のカテーテル。
(3) 前記第1の複数のルーメンが4つのルーメンからなり、
前記第2の複数のルーメンが3つのルーメンからなる、実施態様2に記載のカテーテル。
(4) 前記第1のルーメンと非同軸である前記第1の複数のルーメンのうちの第3のルーメン内で前記中間区分を通って延在する第1のプルワイヤを更に備え、前記第1のプルワイヤが、前記長手方向軸線に対して角度付けられるように前記クロスオーバ領域を通って延在し、前記第2のルーメンを通って延在し、前記円形の主領域の遠位端部に近接して前記遠位区分内に取り付けられている、実施態様1に記載のカテーテル。
(5) 前記円形の主領域が、前記第1のプルワイヤの操作に応答して直径をサイズ変更するように構成されている、実施態様4に記載のカテーテル。
【0080】
(6) 前記中間区分の前記第1の複数のルーメンのうちの第4のルーメンを通って延在し、前記第4のルーメン内に固定された第2のプルワイヤを更に備え、前記第4のルーメンが前記第1のルーメン及び前記第3のルーメンと非同軸であり、前記中間区分が、前記第2のプルワイヤの操作に応答して前記長手方向軸線から偏向するように構成されている、実施態様1に記載のカテーテル。
(7) 前記円形の主領域内に位置付けられた誘導コイルを備え、前記第1のルーメンと非同軸である前記第2の複数のルーメンのうちの第5のルーメンを通って前記誘導コイルから近位に延在している第1の複数のワイヤを備えるナビゲーションセンサアセンブリを更に備え、前記第1の複数のワイヤが、前記長手方向軸線に対して角度付けられるように前記クロスオーバ領域を通って延在し、前記第1のルーメンを通って延在する、実施態様1に記載のカテーテル。
(8) 前記円形の主領域の周囲に分配され、不可逆電気穿孔法を使用して心臓内組織をアブレーションするために電気エネルギーを提供するように構成された電極を更に備える、実施態様1に記載のカテーテル。
(9) 前記第2の複数ルーメンのうちの第6のルーメンを通り、前記電極から近位に延在する第2の複数のワイヤを更に備え、前記第2の複数のワイヤが、前記長手方向軸線に対して角度付けられるように前記クロスオーバ領域を通って延在し、前記第6のルーメンと非同軸である前記第1の複数のルーメンのうちの第7のルーメンを通って延在する、実施態様8に記載のカテーテル。
(10) 誘導コイルのそれぞれが前記電極のうちの1つによってそれぞれ囲まれるように、前記円形の主領域内に位置付けられた前記誘導コイルを備えるナビゲーションセンサアセンブリを更に備える、実施態様8に記載のカテーテル。
【0081】
(11) 前記電極がそれぞれ、約8フレンチの外径、約3ミリメートルの長さ、及び約21平方ミリメートルの有効表面積を備える、実施態様8に記載のカテーテル。
(12) 前記電極が、約4ミリメートルの縁から縁までの距離で分離されている、実施態様8に記載のカテーテル。
(13) 前記電極が、隣接する電極間で900ボルトに耐えるように構成されており、1つおきの電極間で1800ボルトに耐えるように構成されている、実施態様8に記載のカテーテル。
(14) それぞれが約7ミリメートルの長さを有し、それぞれが前記支持部材の上に位置付けられ、またそれぞれがそれぞれの電極の下で中央に位置付けられて、それによって、前記電極の少なくとも一部に関して、前記電極間で前記円形の主領域に沿った優先的な曲げ位置を提供する、ポリマー管区分を更に備える、実施態様8に記載のカテーテル。
(15) 前記遠位区分の前記概ね直線状の領域上に取り付けられた遠位高度電流位置特定センサと、
前記中間区分上に取り付けられた近位高度電流位置特定センサと、を更に備える、実施態様1に記載のカテーテル。
【0082】
(16) 前記支持部材が、前記円形の主領域内で、前記長手方向軸線の方向における可撓性と比較して、前記長手方向軸線に直交する半径方向における可撓性がより大きいように構成されている、実施態様1に記載のカテーテル。
(17) 前記支持部材が、前記遠位区分の遠位端部に近接してほぼ長方形の断面形状を備え、前記中間区分内にほぼ半円形の断面形状を備える、実施態様16に記載のカテーテル。
(18) 前記長方形の断面形状は、幅が高さの少なくとも2倍であるように、高さ及び幅を備え、前記幅が前記長手方向軸線にほぼ平行に測定され、前記高さが前記長手方向軸線にほぼ直交して測定される、実施態様17に記載のカテーテル。
(19) 前記遠位区分の遠位端部にある非外傷性ポリマードームと、
超高分子量ポリマーを含み、前記遠位区分内に配置され、前記ポリマードームを前記遠位区分に固定する、結び目付きコードと、を更に備える、実施態様1に記載のカテーテル。
(20) 約7ミリメートルである長さを有し、前記遠位区分の遠位端部に近接して前記遠位区分の遠位部分を取り囲み、前記遠位部分の屈曲を抑制する、管状スリーブを更に備える、実施態様1に記載のカテーテル。
【外国語明細書】