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  • 特開-制御装置 図1
  • 特開-制御装置 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023105464
(43)【公開日】2023-07-31
(54)【発明の名称】制御装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20230724BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022006301
(22)【出願日】2022-01-19
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【弁理士】
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 将尚
(72)【発明者】
【氏名】倉林 慶太
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】停電時における建物のセキュリティ機能を向上させる制御装置を提供する。
【解決手段】制御装置は、蓄電装置を有する建物内に設置されている1つ以上の電動装置を制御する制御部と、停電が発生した場合に動作させる必要がある電動装置の情報が登録されている格納部と、を備え、前記制御部は、停電が発生した場合には前記格納部に登録されている前記電動装置を動作させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄電装置を有する建物内に設置されている1つ以上の電動装置を制御する制御部と、
停電が発生した場合に動作させる必要がある電動装置の情報が登録されている格納部と、
を備え、
前記制御部は、停電が発生した場合には前記格納部に登録されている前記電動装置を動作させる、
制御装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記蓄電装置に対する充電可否を判定することで停電が発生したかを判定し、停電が発生したと判定した場合には、前記格納部に登録されている前記電動装置を動作させる、
請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記制御部は、停電が発生したと判定した場合には、前記蓄電装置の蓄電残量が設定値を超えているか否かを判定し、前記蓄電残量が前記設定値を超えている場合には前記格納部に登録されている前記電動装置を動作させる、
請求項2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記電動装置は、前記建物の開口部に設けられる建具を開閉する開閉装置と、前記建具の施解錠を行う電子錠と、の少なくともいずれかである、
請求項1から3のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項5】
前記制御装置は、前記格納部に登録されている前記電動装置に前記開閉装置が含まれている場合には、前記蓄電装置の蓄電残量が設定値を超えている場合に前記開閉装置を閉状態に制御し、前記格納部に登録されている前記電動装置に前記電子錠が含まれている場合には、前記蓄電残量が前記設定値を超えている場合に前記電子錠の施錠を行う、
請求項4に記載の制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
建物内には、電動シャッター、電動窓及び電気錠などの電動装置が設置されている場合がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-050278号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
停電が発生すると電動装置を電気的に動作させることができない場合があり、建物のセキュリティ機能が低下する場合がある。建物内に蓄電装置を備えている場合もあるが、ユーザが外出中である場合などでは電動装置を動作させることが困難な場合があり、停電時における建物のセキュリティ機能を向上させる点において改善の余地がある。
【0005】
本開示は、停電時における建物のセキュリティ機能を向上させる制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様は、蓄電装置を有する建物内に設置されている1つ以上の電動装置を制御する制御部と、停電が発生した場合に動作させる必要がある電動装置の情報が登録されている格納部と、を備え、前記制御部は、停電が発生した場合には前記格納部に登録されている前記電動装置を動作させる、制御装置である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本実施形態に係る制御システムの概略構成図である。
図2】本実施形態に係る制御装置の概略構成図である。
図3】本実施形態に係る制御システムのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本実施形態に係る制御システム1は、ユーザの建物100に設けられた1つ以上の電動装置200を制御する。制御システム1は、建物100が停電した場合に、停電時に制御が必要な電動装置200を制御する。建物100は、マンションや一軒家などの住宅、病院、施設などである。本実施形態では、建物100がユーザの住宅である場合を例に説明する。
【0009】
例えば、建物100には、複数の電動装置200が設けられている。複数の電動装置200には、建物100のセキュリティ機能に関わる電動装置として、建物100の開口部に設けられる建具を開閉する開閉装置と、建具の施解錠を電動で行う電子錠200-1との少なくもいずれか一つを有する。例えば、建具とは、窓、玄関扉又はシャッターである。開閉装置は、例えば電動シャッター200-2と高所窓用電動ユニット200-3との少なくともいずれか一つである。電動シャッター200-2は、シャッターカーテンを電動で開閉する。高所窓用電動ユニット200-3は、建物100の高所に設置されている窓を電動で開閉する。
【0010】
制御システム1は、建物100に搭載される。制御システム1は、例えば、分電盤10、蓄電装置20、制御装置30、ルータ40、及びサーバ装置50を備える。
【0011】
分電盤10は、電柱の電線から供給される電力を、蓄電装置20及ぶ複数の電動装置200などの負荷に供給する。分電盤10は、電柱の電線から供給される電力を、蓄電装置20及び複数の電動装置200などの負荷に供給する。分電盤10は、電力メータ及びブレーカを含んでもよい。ブレーカとは、例えば、主幹ブレーカ及び1つ以上の分岐ブレーカを含んでもよい。例えば、分電盤10は、各負荷に電力を供給するための各電力線に電力メータ及び分岐ブレーカが設置されてもよい。
【0012】
蓄電装置20は、電力の充放電が可能である。蓄電装置20は、分電盤10から供給される電力を直流電力に変換する。蓄電装置20は、変換した直流電力を充電する。蓄電装置20は、直流電力を充電可能な蓄電池21を備える。蓄電池21は、例えばリチウムイオン電池である。蓄電装置20の充放電は、制御装置30により制御される。蓄電装置20には、蓄電池21の蓄電残量を計測する計測センサが設置されている。蓄電装置20は、計測センサの計測結果である蓄電情報を制御装置30に送信する。蓄電残量は、例えば蓄電池21の端子間電圧であってもよいし、蓄電池21のSOC(State Of Charge)であってもよい。
【0013】
蓄電装置20に充電された電力は、分電盤10を介して複数の電動装置200のそれぞれに供給可能である。例えば、蓄電装置20に充電された電力は、分電盤10を介して建物100のセキュリティ機能に関わる電動装置200のみに供給可能であってもよい。
【0014】
図2に示すように、制御装置30は、格納部31及び制御部32を備える。制御装置30の各構成要素は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。これらの構成要素のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integrated circuit)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)等のハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予めHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ等の記憶装置(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROM等の着脱可能な記憶媒体(非一過性の記憶媒体)に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることで記憶装置にインストールされてもよい。記憶装置は、例えば、HDD、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、ROM(Read Only Memory)、またはRAM(Random Access Memory)等により構成される。
【0015】
格納部31は、停電時に動作させる必要がある電動装置200の情報が登録されている。停電時に動作させる必要がある電動装置200は、例えば建物100のセキュリティ機能に関わる電動装置である。例えば、格納部31には、電子錠200-1、電動シャッター200-2、及び高所窓用電動ユニット200-3との少なくともいずれか一つの情報が登録されている。停電時に動作させる必要がある電動装置200として、格納部31に登録されている電動装置200を登録装置と称する場合がある。
【0016】
制御部32は、登録装置の動作を制御する。例えば、制御部32は、電子錠200-1、電動シャッター200-2、及び高所窓用電動ユニット200-3のそれぞれに有線又は無線で接続されている。制御部32は、停電が発生した場合には格納部31に登録装置として登録されている電動装置200を、蓄電装置20の蓄電残量を利用して動作させる。
【0017】
例えば、制御部32は、停電が発生したかを判定する。例えば、制御部32は、蓄電装置20に対する充電可否を判定することで停電が発生したかを判定する。制御部32は、停電が発生したと判定した場合には、格納部31に登録装置として登録されている電動装置200を動作させる。一例として、制御部32は、停電が発生したと判定した場合には、電子錠200-1を施錠し、電動シャッター200-2を閉状態に制御し、高所窓用電動ユニット200-3を動作させて電動窓を閉状態に制御する。
【0018】
制御部32は、停電が発生したと判定した場合には、蓄電情報に基づいて、蓄電装置20の蓄電残量が設定値を超えているか否かを判定してもよい。設定値は、例えば登録装置を動作させることができる蓄電量である。制御部32は、蓄電残量が設定値を超えている場合には格納部に登録されている登録装置を動作させてもよい。例えば、制御部32は、蓄電残量が設定値を超えている場合には、電子錠200-1を施錠し、電動シャッター200-2を閉状態に制御し、高所窓用電動ユニット200-3を動作させて電動窓を閉状態に制御してもよい。例えば、制御部32は、ゲートウェイであってもよい。
【0019】
ルータ40は、インターネット回線NWを介してサーバ装置50に接続される。ルータ40は、無線又は有線(例えば、有線LAN)を介して制御装置30に接続される。ルータ40は、サーバ装置50と制御装置30との間の情報を中継する。
【0020】
サーバ装置50は、インターネット上やクラウド上に配置されてもよい。サーバ装置50は、インターネット回線NWを介してルータ40に接続される。サーバ装置50は、インターネット回線NWを介して制御装置30と種々の情報を送受する。サーバ装置50は、ユーザが利用する携帯電話、スマートフォン、タブレット型端末又はノートパソコンなどの通信端末300と有線又は無線で通信可能である。
【0021】
制御システム1の流れについて、図3を用いて説明する。制御装置30は、蓄電装置20が建物100に存在するか否かを判定する(ステップS101)。制御装置30は、蓄電装置20とECHONET Lite(登録商標)等の通信規格で通信可能であり、この通信を用いて蓄電装置20が存在するか否かを判定してもよい。
【0022】
制御装置30は、蓄電装置20が建物100に存在しない場合には、図3に示す処理を終了する。蓄電装置20が建物100に存在する場合には、格納部31に対して、停電時に第1の状態から第2の状態に制御する電動装置200を登録可能となる。例えば、ユーザは、通信端末300を用いて制御装置30に対して、電子錠200-1、電動シャッター200-2、及び高所窓用電動ユニット200-3を登録する。第1の状態は、電子錠200-1の解錠状態、電動シャッター200-2の開状態、又は高所窓の開状態である。第2の状態は、電子錠200-1の施錠状態、電動シャッター200-2の閉状態、又は高所窓の閉状態である。
【0023】
制御装置30は、通信端末300から送信された電動装置200を、停電時に動作させる必要のある電動装置として格納部31に登録する(ステップS102)。制御装置30は、蓄電装置20に商用電源の電力の充電可否を判定する(ステップS103)。制御装置30は、蓄電装置20に商用電源の電力を充電できると判定した場合には、停電が発生していないと判定して再度ステップS103を実行する。制御装置30は、蓄電装置20に商用電源の電力を充電できないと判定した場合には、停電が発生したと判定する(ステップS104)。
【0024】
例えば、制御装置30は、蓄電装置20に対する充電を開始させているにも関わらず、蓄電装置20の蓄電残量に変化がない場合又は蓄電残量が低下している場合には、蓄電装置20に対して充電ができないと判定する。例えば、制御装置30は、蓄電装置20に対する充電を開始させたことで蓄電装置20の蓄電残量が上昇した場合には蓄電装置20に対して充電ができると判定する。
【0025】
制御装置30は、停電が発生したと判定した場合には、蓄電情報に基づいて、蓄電装置20の蓄電残量が設定値を超えているか否かを判定する(ステップS105)。制御装置30は、蓄電装置20の蓄電残量が設定値を超えていると判定した場合には、事前に格納部31に登録されている装置である登録装置を、蓄電装置20の蓄電残量を用いて制御する(ステップS106)。
【0026】
例えば、制御装置30は、蓄電装置20の蓄電残量が設定値を超えていると判定した場合には、電子錠200-1を解錠状態から施錠状態に制御し、電動シャッター200-2を開状態から閉状態に制御し、高所窓用電動ユニット200-3を制御して高所窓を開状態から閉状態に制御する。制御装置30は、既に第2の状態に制御されている登録装置においては、動作させる必要はない。
【0027】
制御装置30は、格納部31及び制御部32を備える。格納部31には、停電時に動作させる必要がある電動装置200の情報が登録されている。制御部32は、蓄電装置20を有する建物100内に設置されている1つ以上の電動装置200を制御する。制御部32は、停電が発生した場合には格納部31に登録されている電動装置200を動作させる。停電時における建物100のセキュリティ機能を向上させることができる。
【0028】
電動装置の中には手動での操作が可能なものもあるが、例えば、電動窓が高所に設置されている場合又はユーザが電動装置の手動操作に慣れていない場合には、停電時に手動操作を行うことは困難な場合がある。したがって、シャッターを閉めたり、電気錠を施錠したりすることができないと建物100のセキュリティ機能を維持できない場合がある。
【0029】
制御装置30は、停電が発生した場合には格納部31に登録されている電動装置200を動作させるため、電動窓が高所に設置されている場合、又はユーザが電動装置の手動操作に慣れていない場合においても、停電時に電動装置を操作させることができる。
【0030】
停電対策として建物内に蓄電装置を備えている場合もある。しかしながら、ユーザが外出中に停電が起こると、電動装置の操作が困難である。建物内に蓄電装置を備えていても、建物100のセキュリティ機能を維持できない場合がある。制御装置30は、停電が発生した場合には格納部31に登録されている電動装置200を動作させるため、ユーザが外出中に停電が発生した場合であっても電動装置を操作させることができる。
【0031】
制御装置30は、格納部31に登録されている電動装置200に、開口部を開閉する開閉装置が含まれている場合には、蓄電残量が設定値を超えている場合に開閉装置を閉状態に制御し、格納部31に登録されている電動装置200に電子錠が含まれている場合には、蓄電残量が設定値を超えている場合に電子錠の施錠を行ってもよい。
【0032】
制御装置30は、蓄電装置20が建物100に設置されており、停電が推測される状態の場合に、停電の発生を自動的に判断し、事前に登録していた電動装置200を、蓄電装置20の蓄電残量を利用して安全な状態、つまり第2の状態に自動制御してもよい。
【0033】
以上、この開示の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この開示の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【0034】
制御装置30は、ルータ40を介してサーバ装置50に対して、蓄電装置20の蓄電残量の情報を送信してもよい。ユーザは、通信端末300を介して蓄電装置20の蓄電残量の情報を把握可能であってもよい。
【符号の説明】
【0035】
10…分電盤、20…蓄電装置、30…制御装置、31…格納部、32…制御部、40…ルータ、50…サーバ装置
図1
図2
図3